JPS5919721Y2 - 連続溶融鍍金装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、溶融鍍金浴から連続的に引き出される帯鋼に
気体を吹き付は鍍金皮膜の量を調整する連続溶融鍍金装
置に関する。

〔考案の背景〕

連続溶融鍍金において、被鍍金金属である帯状金属に付
着する溶融鍍金金属の過剰分を吹拭し、鍍金の厚さを調
整する装置に、燃焼生成ガスと空気とを混合して帯状金
属に噴射するようにした装置（特開昭５０−９０５３４
号）がある。

この装置は、鍍金条件におけるライン速度と、吹拭用気
体の温度および気体の活性度との関係が、ライン速度が
低速の場合には、気体温度が低くて活性度が高いと、ス
トリップの表面の溶融金属が凝固して、被膜にむらが生
じたり、酸化のためくもったりするので、高温と、不活
性である事が必要であるが、ライン速度が高速の場合に
は、気体温度は低温で、かつ活性度が高くても支障無い
という知見のもとに、溶融鍍金浴から引き出される帯状
金属の速度や鍍金条件に応じて、不活性ガスである燃焼
生成ガスと空気とを所定の比率に混合したものを吹拭用
気体として用いて優れた品質の鍍金製品を得るようにし
ている。

しかしながら、この装置は上記不活性ガスを生成するた
めの燃料を必要としてランニングコストの面で問題があ
った。

〔考案の目的〕

本考案は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ランニ
ングコストが低く、しかも優れた品質の鍍金製品を得る
ことの出来る連続溶融鍍金装置を提供することを目的と
する。

〔考案の概要〕

本考案は、金属条帯に付着する溶融鍍金金属の過剰分を
吹拭して調節する気体として鍍金前処理工程である加熱
炉から発生する高温排ガスを利用し、更にこの高温排ガ
スと空気と燃焼生成ガスとを鍍金条件に対応して所定の
比率に混合した噴射気体を用いるようにしたものである
。

すなわち本考案は、金属条帯の鍍金前処理工程である加
熱炉から排出される高温排ガスを別途生成が必要な不活
性ガスである燃焼生成ガスの大部分と肩代りさせるよう
に利用することによりランニングコストを低下させ、ま
た燃焼生成ガスを用いることにより加熱炉に負担をかけ
ないで任意の条件の混合気体に調整できるようにして、
鍍金速度が変化しても常にその速度に対応した最適条件
の混合気体を得るようにして優れた品質の鍍金が得られ
るようにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下、図面により本考案の一実施例について詳細に説明
する。

第１図に於て、加熱炉２１で前処理（通常ブタンガスあ
るいはコークス炉ガス等の燃焼により熱処理を行い、こ
の熱処理によって鋼帯の表面清浄を施すとともに再結晶
温度以上に軟化せしめている。

）された鋼帯１は、デフレクタロール２を経て、溶融金
属浴６中に導入され、ボトムロール３により方向転換さ
れ、ガイドロール４へと引き揚げられる。

このガイドロールは、鋼帯が揺動するのを最小現限度に
防止し、次工程のノズル７．７′による鍍金厚みのコン
トロールを、鋼帯金山に亘って均一に行なわせる機能を
もつ。

ノズル７．７′は、浴面の上方に、上方に引き揚げられ
る帯鋼１の両面に対向する如く設置され、帯鋼１の両面
に付着した溶融金属は、ノズル７．７′より噴射される
気体により吹拭され、付着量を調整され、鍍金製品５と
なって上方に移動する。

又、ノズル７．７′は、図示を省略するがノズル開口部
の大きさ、ノズル角度、帯鋼１との間隙、浴面からの高
さなどを調節する機構を装備する。

ノズル７゜７′には鍍金条件、および鍍金速度に応じて
、最適の気体条件（温度、圧力、活性度）に調整された
高温排ガスと、燃焼生成ガスと、空気の混合気体が気体
流路９および流量調整弁８を通じて送り込まれ噴射され
る。

混合気体は、混合ガス供給装置１２内の気体混合室２０
で、最終的に混合される。

つまり、鍍金前処理用の加熱炉２１内で、加熱燃焼バー
ナー２２により燃焼した高温排ガスを、排気口２３を介
して排ガス用ブロワ−２４にて、混合ガス供給装置１２
に送入し、混合気体の所要条件に応じ、燃料流路１５か
らの燃料を燃料空気用ブロワ−からの燃焼用空気と共に
バーナー１４によって燃焼室１３内で燃焼させて生成し
たガスと、混合空気ブロワ−１８からの混合空気とを混
合ガス供給装置１２に送入する。

ここで、所要の鍍金条件、鍍金速度に応じて混合気体の
温度、圧力、活性度ならびに量を所定の値とする事は、
燃焼空気用ブロワ−１６、混合空気用ブロワ−１８、排
ガス用ブロワ−２４による容量調整、及び圧力調整器１
７．１９．２６により圧力調整する事によって、極めて
容易に達成出来る。

又、これ等の圧力、温度は気体流路中に設けられた圧力
計１０、温度計１１の指示に基づいて自動制御する事も
、公知の技術によって容易に遠戚されるものである。

以上述べた本実施例によれば次のような効果がある。

１ 加熱炉の排ガスを利用する為、ランニングコストが
非常に低下し、排ガスを無駄に廃却しない為、省エネル
ギーに大いに貢献出来る。

２５ ｍ／ｍｉｎ程度の極低ライン速度から、２５０
ｍ／ｍｉｎ程度に至る極めて広い範囲の連続溶融鍍金作
業を、支障なく行なう事が出来る。

３ 高温排ガスの供給源である加熱炉は、鍍金装置の近
くに位置しているので、延々と配管を延ばす必要がなく
、設備はコンパクトにまとめる事が出来る。

４ 燃焼生成ガス発生装置にて、任意の条件の混合気体
に調整出来る為、加熱炉排ガスを無理に吸引して、加熱
炉の作業条件に変化を与える様な事は無い。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案によれば、鍍金前処理工程であ
る帯状金属の加熱炉から排出される高温排ガスを別途生
成が必要な不活性ガスである燃焼生成ガスの大部分と肩
代りさせるように利用しているのでランニングコストを
低下することができ、また前記高温排ガスと空気と燃焼
生成ガスを用いて任意の条件の混合気体に調整できるよ
うにし、鍍金速度等の条件が変化しても常にそれに対応
した最適条件の混合気体を得るようにしているので優れ
た品質の鍍金を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案を適用した一実施例を示す連続溶融鍍
金装置の系統図である。 １・・・・・・帯鋼、６・・・・・・溶融金属浴、１２
・・・・・・混合ガス供給装置、１８・・・・・・混合
空気用ブロワ−１２１・・・・・・加熱炉。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 溶融鍍金浴から連続的に引き出される被鍍金金属条帯の
   鍍金皮膜の調整を、該条帯面に気体を噴射するノズルに
   より行うようにした連続溶融鍍金装置において、前記ノ
   ズルに連通し、該ノズルに供給される気体を所望の状態
   に調節する気体混合室と、該気体混合室に所望の量の空
   気を供給する空気供給装置と、前記気体混合室に鍍金前
   処理工程である加熱炉から発生する高温排ガスを所望の
   量供給する高温排ガス供給装置と、前記気体混合室に所
   望の量の燃焼生成ガスを供給する燃焼生成ガス供給装置
   とを備えたことを特徴とする連続溶融鍍金装置。