JP5444729B2 - 溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法および連続溶融亜鉛メッキ装置 - Google Patents

溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法および連続溶融亜鉛メッキ装置 Download PDF

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Description

本発明は、鋼板を、直火加熱炉を備えた連続焼鈍炉で焼鈍した後溶融亜鉛メッキする溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法および連続溶融亜鉛メッキ装置に関するものである。
近年、自動車,家電,建材等の分野において、構造物の軽量化等に寄与可能な高張力鋼(ハイテン材)の需要が高まっている。このハイテン材では、鋼中にSiを添加すると穴広げ性の良好な高張力鋼板が製造出来る可能性があり、またSiやAlを含有すると残留γが形成しやすく延性の良好な鋼板が提供出来る可能性が示されている。
溶融亜鉛メッキラインでは、鋼板を横型あるいは竪型の連続焼鈍装置内を連続的に搬送して連続焼鈍した後に溶融亜鉛メッキを行う。
鋼板はたとえば、予熱帯で約300℃に予熱され、加熱帯で直火バーナにより約600℃に加熱され、還元帯で約800℃に加熱され、急冷帯で500℃まで急冷されるというような焼鈍工程を経てメッキ浴に浸漬され溶融亜鉛メッキされる。Si、Mn等の易酸化性元素を添加した鋼板は、還元帯において、添加元素酸化物の表面濃化が発生することが知られており、添加元素酸化物が鋼板表面に濃化するとメッキ性に悪影響を与えることが知られている。
鋼中にSi等の易酸化性合金元素を多量に含む溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法として、例えば特許文献1に記載されるプレメッキ処理を施す方法、特許文献2に記載される炉内雰囲気を制御すると同時にCOを導入し、Siを内部酸化させることでメッキ性を改善する方法などが知られている。しかし特許文献1に記載される方法は追加コストがかかるという問題があり、特許文献2に記載される方法では、COによる炉内汚染や鋼板表面への脱炭などが起こり機械特性が変化する懸念などの課題があると考えられる。
また、特許文献3には直火加熱炉出側の鋼板温度をSi量で規定して、メッキ性を改善する方法が開示されている。ただしこの方法では、直火加熱炉の鋼板温度が高めに規制されるため、生産性の阻害や、品質への悪影響が懸念される。実際、直火加熱炉出側の鋼板温度を例えば750℃以上に高めると、鋼板エッジ部で異常酸化が見られるようになり、メッキ後に点状表面欠陥となり、歩留低下をもたらすことが分かっている。
特開平2−38549号公報 特開2005−60743号公報 特開平7−316762号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、直火加熱炉を備えた連続焼鈍炉で焼鈍した後溶融亜鉛メッキして溶融亜鉛メッキ鋼板を製造する際に、鋼中Si量が0.2質量%以上であっても、美麗な表面外観を有する溶融亜鉛メッキ鋼板を低コストで製造する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、前記溶融亜鉛メッキ鋼板の製造に好適な連続溶融亜鉛メッキ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の手段は、下記の通りである。
(1)Siを0.2質量%以上含有する鋼板を、直火加熱炉を備えた連続焼鈍炉で焼鈍した後溶融亜鉛メッキする溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法において、直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、鋼板に対して酸化作用を持つ気体を鋼板センター部に噴き付け、鋼板センター部の酸化を促進することを特徴とする溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
(2)さらに、直火加熱炉内に、鋼板に対して酸化作用を持たない気体の噴き込みを可能とし、鋼板に対して酸化作用を持つ気体を鋼板センター部に噴き付け、鋼板センター部の酸化を促進し、および、鋼板に対して酸化作用を持たない温度が500℃未満の気体を鋼板エッジ部に噴き付けて鋼板エッジ部の酸化を抑制することを特徴とする(1)に記載の溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
(3)焼鈍炉に直火加熱炉を備えた連続溶融亜鉛メッキ装置において、直火加熱炉内に、鋼板幅方向で鋼板に噴き付ける気体流量を調整可能にした鋼板に対して酸化作用を持つ気体の噴き込み部および鋼板幅方向で鋼板に噴き付ける気体流量を調整可能にした鋼板に対して酸化作用を持たない気体の噴き込み部を備えることを特徴とする連続溶融亜鉛メッキ装置。
(4)焼鈍炉に直火加熱炉を備えた連続溶融亜鉛メッキ装置において、直火加熱炉内に、鋼板幅方向で鋼板に噴き付ける気体流量を調整可能にした気体噴き込み部を備え、該気体の噴き込み部から噴き込む気体を鋼板に対して酸化作用を持つ気体または鋼板に対して酸化作用を持たない気体のいずれかに切り替え可能であることを特徴とする連続溶融亜鉛メッキ装置。
本発明によれば、直火加熱炉を備えた連続焼鈍炉で焼鈍した後溶融亜鉛メッキして溶融亜鉛メッキ鋼板を製造する際に、鋼中Si量が0.2質量%以上であっても、美麗な表面外観を有する溶融亜鉛メッキ鋼板を低コストで製造することができる。
本発明の連続溶融亜鉛メッキ装置の連続焼鈍炉に配置される直火加熱炉の一実施形態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。 燃焼用ガスとは別に直火加熱炉内に導入する気体の供給系統及び直火加熱炉内への気体噴き込み部を説明する図である。 本発明の連続溶融亜鉛メッキ装置の連続焼鈍炉に配置される直火加熱炉内へ気体を導入する気体導入系統の別の実施形態を示す。
高Si鋼のメッキ性を向上させるには、焼鈍前に鋼板を強酸化し、鋼板表面に十分な量の酸化膜を生成させた後、還元焼鈍してSiを内部酸化させ、その後溶融メッキする必要がある。
直火加熱炉は、直接鋼板に燃焼ガスの火炎雰囲気が作用するため、燃焼用ガスの空気比を制御することで、鋼板表面の酸化/還元反応の調整、生成する酸化物量の制御をするが、直火加熱炉では、原理的に鋼板エッジ部が高温化しやすいこと、また高温になると、急激に酸化速度が高まることから、酸化量を適正な量に制御しにくいという問題があった。
また、直火加熱炉の全てのゾーンを酸化帯とすると、直火加熱炉の下流に配置されている炉内ロールのピックアップによって鋼板品質が低下する問題がある。このような問題に対処するため、直火加熱炉の前段は酸化物を生成する酸化帯とし、加熱炉の後段は還元帯とする。しかし、この場合、酸化帯の燃焼負荷が低い場合、酸化帯で強加熱できないため、酸化量不足になるため、その後の還元焼鈍でSiを内部酸化させることができなくなる。
発明者らは、燃焼用ガスとは別に、直火加熱炉内に気体を供給して鋼板温度と雰囲気を独立して制御することで、鋼板エッジ部の過加熱を防止し、また鋼板表面に適切な量の酸化物を生成させることが可能になり、上記問題を解決できることを見出し、本発明に至った。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明が対象とする溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法は、Siを0.2質量%以上含有する鋼板を、直火加熱炉を備えた連続焼鈍炉で焼鈍した後溶融亜鉛メッキする溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法である。鋼板のSi含有量を0.2質量%以上に限定したのは、Si含有量が0.2質量%以上になると、鋼板エッジ部の異常酸化や、酸化不足によるメッキ性不良の問題が発生しやすくなるためである。Si含有量の上限は2.5質量%に限定する。Si含有量が2.5質量%超になると、赤スケール等の発生により表面性状の劣化や、メッキ付着・密着性の劣化を引き起こすためである。より好ましくは、2.0質量%以下である。
一般に直火加熱炉では、鋼板温度を制御することが第一に優先される事項であるが、高Si鋼に代表されるハイテン鋼をメッキするためには、同時に直火加熱炉の雰囲気を適切にコントロールすることで、鋼板表面に適切な酸化量を確保する必要がある。鋼板温度を適切に制御し、同時に鋼板表面に適切な酸化量を確保する点に高Si鋼を素材とする溶融亜鉛メッキ鋼板製造の難しさがあった。
従来の直火加熱炉において問題となる具体的な事象は例えば以下の事象である。
1)ハイテン材製造時、酸化帯の燃焼負荷が低い場合、酸化量不足となり、次の還元焼鈍工程でSi、Mn等の易酸化性元素が内部酸化されず、表層に濃化し、メッキ不良を起こす。Siが0.2質量%未満でも問題になることがあるが、Siが0.2質量%以上のハイテン材で特に問題になりやすい。
2)鋼板エッジは、エッジ過加熱が原因で、異常酸化を起こしやすい。Siが0.2質量%未満でも問題になることがあるが、Siが0.2質量%以上の場合に特に問題になりやすい。
本発明は、連続焼鈍炉に直火加熱炉を備えた連続溶融亜鉛メッキ装置(CGL)において、直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、気体を別経路で導入して鋼板温度と雰囲気を独立して制御することで、鋼板の酸化/還元反応を適切に調整し、上記の問題を全て解決するものである。直火加熱炉内に導入する気体は、鋼板に対して酸化作用を持つ気体の単独使用、または、鋼板に対して酸化作用を持つ気体および鋼板に対して酸化作用を持たない気体の併用である。
鋼板に対して酸化作用を持つ気体は、例えば、酸素、オゾン、CO等を含有する気体が例示されるが、コストの点から空気が好適である。酸化作用を持つ気体の導入部で鋼板の酸化を促進する。
酸化作用を持つ気体の温度は、高温の方がより好ましい。ガス流量/流速を鋼板巾方向で調整できるようにすれば、巾方向の酸化量を均一化できる。
鋼板に対して酸化作用を持たない気体は、CO、N、Ar、Hなどが例示されるが、コストと効果の点からNが好適である。酸化作用を持たない気体を直火加熱炉内に導入し、導入部の鋼板温度およびその近傍の雰囲気温度が低温化し、燃焼用ガスによる鋼板の酸化を軽減する。
導入する酸化作用を持たない気体の温度は炉内ガス温より低い必要があり、酸化を軽減する効率を考えると500℃未満がより好ましい。ガス流量/流速を鋼帯巾方向で調整できるようにすれば、鋼板温度を巾方向で調整可能となるため、巾方向の酸化量を均一化できるようになる。
鋼板に対して酸化作用を持つ気体を鋼板センター部に噴き付けることで、上記1)、2)の事象に対処することができる。
直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、鋼板に対して酸化作用を持つ気体を、鋼板センター部に選択的に噴き付けると、鋼板センター部での酸化が促進され、直火加熱炉の燃焼負荷が低い場合に起こる酸化不足に起因するメッキ不良の問題を防止できる。
また、鋼板に対して酸化作用を持つ気体を、鋼板センター部に選択的に噴き付けると、鋼板センター部での酸化が促進され、酸化量が多い方向で均一化されることで、燃焼量の低減が可能になり、鋼板エッジの異常酸化を防止することが可能になる。
酸化作用を持つ気体は直火加熱炉の最終酸化帯(酸化帯の最後のゾーン)に導入するのが好適である。鋼板温度は高い方が、酸化力が高いためである。しかし、噴き込み位置が還元帯に近傍すぎると、酸化作用を持つ気体が還元帯に混入するおそれが高まるため、好ましくない。この点から、酸化帯と還元帯の間で噴き込むことは好ましくないと考えられる。
上記した鋼板に対して酸化作用を持つ気体を鋼板センター部に選択的に噴き付けることに加えて、さらに鋼板エッジ部に選択的に酸化作用を持たない気体を噴き付けることで、上記1)、2)の事象に対処することもできる。
酸化作用を持つ気体を鋼板センター部に選択的に噴き込むことで、鋼板センター部の酸化が促進される。酸化作用を持たない気体を鋼板エッジ部に選択的に噴き付けることで、鋼板エッジ部の酸化が軽減される。酸化が軽減されると、輻射率の上昇が抑えられ、鋼板エッジ部の温度上昇が抑制される。従って、酸化量レベルをかさ上げしながら、エッジ部の過加熱を防止することが可能になる。また、面内の酸化物生成量の変動を改善できる点でも有利である。
以上の作用によって、直火加熱炉の燃焼負荷が低い場合に起こる酸化不足に起因するメッキ不良の問題、鋼板エッジ部の異常酸化の問題をより効果的に防止できるようになる。
酸化作用を持たない気体は、酸化作用を持つ気体より、鋼板走行方向の上流側で噴き込むことが好ましい。鋼板は、400℃位になった温度域から酸化するので、鋼板に対して酸化作用を持たない気体は、鋼板温度が400℃以上になる領域で鋼板に噴き付けることが好ましい。鋼板温度が400℃以上になる領域のできるだけ上流側から噴き付けることがより好ましい。
噴き付ける気体の温度、鋼板幅方向の気体流量/流速等の気体の噴き付け条件は、例えば、鋼板幅方向の温度分布、エッジ部の過加熱状態、鋼板幅方向の酸化物の生成状況を調査し、ガス流量/流速を鋼帯巾方向で調整できるようにした気体供給装置を用いて、鋼板幅方向の温度分布が均一になる、あるいは鋼板幅方向の酸化物の生成状態が均一になる気体温度、鋼板幅方向の気体の気体流量/流速等の気体噴き付け条件を求め、前記で求めた結果を利用することで決定できる。
酸化作用を持つ気体は、鋼板センター部への噴き付けを強化した状態で鋼板全幅に噴き付けることもできる。また、酸化作用を持たない気体は、鋼板エッジ部への吹きつけを強化した状態で、鋼板全幅に噴き付けることもできる。
次に、本発明の連続溶融亜鉛メッキ装置の連続焼鈍炉に配置される直火加熱炉の実施形態を説明する。
図1は、本発明の連続溶融亜鉛メッキ装置の連続焼鈍炉に配置される直火加熱炉の一実施形態を示し、(a)は縦断面図、(b)は(a)のA−A矢視図である。
図1において、1は鋼板、2は直火加熱炉、3、4、5、6は各々直火加熱炉2の#1ゾーン、#2ゾーン、#3ゾーン、#4ゾーン、7〜10は燃焼用ガスを燃焼して鋼板を直火加熱するバーナである。
直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、気体を別経路で導入する。図2は、燃焼用ガスとは別に直火加熱炉内に導入する気体の供給系統及び直火加熱炉内への気体噴き込み部を説明する図である。
11A、11Bは、燃焼用ガスとは別に直火加熱炉内に導入する気体の供給系統である。気体供給系統11Aは酸化作用を持つ気体を供給し、気体供給系統11Bは酸化作用を持たない気体を供給する。本実施形態では、酸化作用を持つ気体としてAirを供給し、酸化作用を持たない気体としてNを供給する。12a、12b、14a、14b、15a、15bは配管、13a、13b、16a、16bは弁である。
17は直火加熱炉へ導入する気体のガスヘッダーである。ガスヘッダー17は、#3ゾーンの途中に設けられている。
ガスヘッダー17は管体で構成され、幅方向に複数のヘッダー室18に分割されている。
各ヘッダー室18には、酸化作用を持つ気体の供給系統11Aの配管14aから分岐した配管15a、及び、酸化作用を持たない気体の供給系統11Bの配管14bから分岐した配管15bが接続されている。各配管15a、15bは、ヘッダー室18への気体の供給、停止を制御する弁16a、16bを途中に備える。各ヘッダー室18は、鋼板1に対向する側に、気体を鋼板に噴き付けるノズル19を備える。各ノズル19は、鋼板への気体の噴き付け・停止および噴き付け量の調整を可能とする流量調整弁(図示なし)を備える。
弁13a、13b、及び、各ヘッダー室毎に、弁16a、16b、ノズル19の流量調整弁(図示なし)を操作することで、鋼帯幅方向の各ヘッダー室18毎の鋼板への気体噴き付け有無の選択、噴き付ける気体種の選択、噴き付け量の調整が自在である。
鋼帯エッジ部が過加熱になるのを防止する場合、直火加熱炉2内に導入する気体にAirを選択し、通板される鋼板センター部にAirを噴き付ける。またはさらに、Nを選択し、通板される鋼板エッジ部にNを噴き付ける。
直火加熱炉での酸化量不足を防止するには、直火加熱炉2内に導入する気体としてAirを選択し、通板される鋼板のセンター部にAirを噴き付ける、またはさらに、直火加熱炉2内に導入する気体としてNを選択し、通板される鋼板のエッジ部にNを噴き付ける。
通板される鋼板サイズ、鋼種、ライン速度等に応じて、直火加熱炉内2内への気体の導入要否、導入する場合、幅方向の各ヘッダー室18毎に導入する気体種、各ノズル19毎の流量(鋼帯幅方向の流量)が決定され、それに従って、直火加熱炉2内に気体が導入される。
図3は、酸化作用を持たない気体(N)と、酸化作用を持つ気体(Air)の直火加熱炉2内への導入部を別々に備える場合の一実施形態を示す。図3において、21は酸化作用を持つ気体(例えばAir)の供給系統、31、41は酸化作用を持たない気体(例えばN)の供給系統である。22、32、42は配管、24、34、44はガスヘッダー、25、35、45は弁、26、36、46はノズルである。図1の場合と同様、ノズル26、36、46は、鋼板幅方向に複数個配置され、各々のノズル26、36、46は、気体の噴き付け・停止および噴き付け量の調整を可能とする流量調整弁(図示なし)を備える。本装置では、直火加熱炉2内に導入する気体種の選択、鋼板走行方向の気体導入位置の選択が自在である。鋼板走行方向における酸化作用を有する気体と、酸化作用を有しない気体の噴き込み位置を互いに独立に設定できることから、より効果的に本発明を実施できるようになる。
なお、直火加熱炉2内に鋼板に対して酸化作用を有する気体のみを導入する場合は、当該気体を導入する気体の供給系統のみ、例えば図3の酸化作用を持つ気体の供給系統21を備えればよい。
上記の直火加熱炉を用いて鋼板を加熱することで、鋼板エッジ部の異常酸化や酸化不足を防止できるので、メッキ後の点状表面欠陥やメッキ性不良を防止して、溶融亜鉛メッキ後、またはさらに合金化処理後も、美麗な表面外観を有する溶融亜鉛メッキ鋼板を低コストで製造することができる。
焼鈍炉に、図1に示した4ゾーンの直火加熱炉と直火加熱炉への気体導入系統を備えた連続溶融亜鉛メッキ装置を用いて溶融亜鉛メッキ鋼板の製造試験を行った。一部は、焼鈍炉に図3に示した4ゾーンの直火加熱炉と直火加熱炉への気体導入系統を備えた連続溶融亜鉛メッキ装置を用いて行った。
酸化作用を持たない気体はN、酸化作用を持つ気体はAirを使用した。
図1の直火加熱炉では、気体の導入部は、直火加熱炉の#3ゾーン内に配置し、気体導入部のノズルは、巾方向に9コ(表裏合計で18個)のガス噴出し孔(φ50mm)を持ち、それそれのガス流量が調整可能なように、流量調整バルブを設置した。ガス噴出し孔の間隔は250mmである。
図3の直火加熱炉では、Airの導入部は、直火加熱炉の#3ゾーン内に配置し、Nの導入部は、#1ゾーンと#2ゾーン間に配置したものを使用した。各気体導入部の構成は図1の場合と同様とした。
試験条件は、鋼種が高張力鋼(Si含有量0.5質量%)で、板厚1.4mm、板巾1500mm、LS=90mpmで、直火加熱炉(DFF)で加熱後、還元焼鈍炉(RTF)で還元焼鈍し、その後溶融亜鉛メッキした。直火加熱炉(DFF)出側板温は650℃、焼鈍温度は850℃とし、またメッキ浴温460℃、メッキ浴Al濃度0.135質量%、合金化温度550℃とした。メッキ量は片面あたり50g/mに調整した。
前記条件で、気体の導入部から直火加熱炉の燃焼用ガスとは別に気体を噴き込んだ。直火加熱炉の各ゾーン空気比、噴き込んだ気体の気体種、その温度、流量は表1の通りである。鋼板幅方向のノズル開閉条件は表2の通りである。なお、ノズルは流量調整可能であるが、ノズル使用時は、1本当り流量を350Nm/hrに固定した。バーナの燃焼用ガスとしては、表3の組成のCガスを使用した。No.1〜9は図1の直火加熱炉を使用し、No.10は図3の直火加熱炉を使用した。
作製した溶融亜鉛メッキ鋼板のエッジ異常酸化の有無、メッキ性を評価した。エッジ異常酸化の有無、メッキ性は、目視で官能評価で行った。メッキ性は下記のように評価した。
3:良好(不メッキおよび合金化ムラなし)
2:やや劣る(軽微な不メッキまたは/および軽微な合金化ムラあり)
1:劣る(明瞭な不メッキまたは/および明瞭な合金化ムラあり)
評価結果を表3に記載した。
Figure 0005444729
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表1の結果を考察する。比較条件として、低空気比と高空気比を取り上げた。空気比は燃料ガスを完全燃焼するために必要な空気量で、実際のバーナに導入した空気量を割った値である。空気比1.0未満が低空気比、空気比1.0超が高空気比である。空気比1.0超は酸化帯として作用するが、直火加熱炉内にAirを導入したときは、空気比0.95は酸化帯となる。なお、#4ゾーンの空気比は0.8とした。
、Airを噴き込まない場合、#3ゾーンが低空気比(No.1)では、エッジ部異常酸化は発生しないが、メッキ性が悪い。直火加熱炉での酸化量が少ないため、次の還元焼鈍でSiの内部酸化層が形成されず、表面濃化したためである。一方、#3ゾーンが高空気比(No.2)では、メッキ性は良好だが、エッジ部異常酸化が発生する。これは、Siを0.2質量%以上に多く含む鋼種では、メッキがしにくいため、高空気比設定にして酸化量を確保し、内部酸化層を形成することで、Siの表面濃化を防止する必要があるが、そうするとエッジ部が過剰に酸化されるためである。なお、エッジ部が選択的に異常酸化になるのは、炉温が高いこと、端面からの熱吸収、端面部の放射率が中央部より高いことなどに起因していると考えられる。
#3ゾーンが低空気比条件では、酸化促進する必要があるため、噴き込みガスはAirを選択した。全面噴き込みの条件(No.3)ではメッキ性は良好となるが、エッジ部異常酸化は防止できない。センター部のみのAirを噴き込み(No.4、No.5)では、エッジ部異常酸化やメッキ性を改善できることが分かる。No.6はAir温度を500℃に加熱してセンター部に噴き込んだ場合であるが、Air温度が低いNo.5との変化はみられない。
#3ゾーンが高空気比条件では、メッキ性は良好であるが、エッジ部異常酸化が問題となる。したがって噴き込みガスは、非酸化性のNを選択した。No.7は全面でNを噴き込んだが、エッジ部異常酸化は幾分改善されたがメッキ性は多少悪化した。これは、全面に噴き込んだ場合、巾方向でほぼ均一に冷却されるので、エッジ部には影響が軽微であるため、エッジ部異常酸化の改善は少なく、メッキ性は実質的な空気比が低下するため、多少悪化したものと思われる。No.8は噴き込みガス温度の効果を見るための条件であり、500℃に加熱したNガスを噴き込むと、エッジ部異常酸化が起こることが分かる。エッジ部異常酸化の防止には、低温ガスの噴き込みが有効であることが分かる。
鋼板センター部にAir、鋼板エッジ部にNを噴き付けたNo.9、No.10は、エッジ部異常酸化がなく、メッキ性が良好である。
本発明の溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法は、直火加熱炉を備えた連続焼鈍炉で焼鈍した後溶融亜鉛メッキして溶融亜鉛メッキ鋼板を製造する際に、鋼中Si量が0.2質量%以上であっても、美麗な表面外観を有する溶融亜鉛メッキ鋼板を低コストで製造する方法として利用することができる。
本発明の連続溶融亜鉛メッキ装置は、前記溶融亜鉛メッキ鋼板を製造する装置として利用することができる。
1 鋼板
2 直火加熱炉
3 #1ゾーン
4 #2ゾーン
5 #3ゾーン
6 #4ゾーン
7〜10 バーナ
11A、11B、21、31、41 気体供給系統
17、24、34、44 ガスヘッダー
18 ヘッダー室
12a、12b、14a、14b、15a、15b 配管
22、32、42、 配管
19、26、36、46 ノズル
13a、13b、16a、16b、25、35、45 弁

Claims (5)

  1. Siを0.2質量%以上含有する鋼板を、直火加熱炉を備えた連続焼鈍炉で焼鈍した後溶融亜鉛メッキする溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法において、直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、鋼板に対して酸化作用を持つ気体を鋼板センター部に選択的に噴き付け、鋼板センター部の酸化を促進することを特徴とする溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
  2. さらに、直火加熱炉内に、鋼板に対して酸化作用を持たない気体の噴き込みを可能とし、鋼板に対して酸化作用を持つ気体を鋼板センター部に選択的に噴き付け、鋼板センター部の酸化を促進し、および、鋼板に対して酸化作用を持たない温度が500℃未満の気体を鋼板エッジ部に選択的に噴き付けて鋼板エッジ部の酸化を抑制することを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛メッキ鋼板の製造方法。
  3. 焼鈍炉に直火加熱炉を備えた連続溶融亜鉛メッキ装置において、直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、
    鋼板幅方向で鋼板に噴き付ける気体流量を調整可能にした鋼板センター部に対して選択的に酸化作用を持つ気体の噴き込みを行う噴き込み部を備えることを特徴とする連続溶融亜鉛メッキ装置。
  4. 前記直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、鋼板幅方向で鋼板に噴き付ける気体流量を調整可能にした、鋼板エッジ部に対して選択的に酸化作用を持たない気体の噴き込みを行う噴き込み部をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の連続溶融亜鉛メッキ装置。
  5. 焼鈍炉に直火加熱炉を備えた連続溶融亜鉛メッキ装置において、直火加熱炉内に、燃焼用ガスとは別に、鋼板幅方向で鋼板に噴き付ける気体流量を調整可能にした気体噴き込み部を備え、
    該気体の噴き込み部から噴き込む気体を、鋼板センター部に対して選択的に噴き付けられる酸化作用を持つ気体または鋼板エッジ部に対して選択的に噴き付けられる酸化作用を持たない気体のいずれかに切り替え可能であることを特徴とする連続溶融亜鉛メッキ装置。
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