JPH0662886A - モノクロ−ナル抗体及びその用途 - Google Patents

モノクロ−ナル抗体及びその用途

Info

Publication number
JPH0662886A
JPH0662886A JP14806891A JP14806891A JPH0662886A JP H0662886 A JPH0662886 A JP H0662886A JP 14806891 A JP14806891 A JP 14806891A JP 14806891 A JP14806891 A JP 14806891A JP H0662886 A JPH0662886 A JP H0662886A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pseudomonas aeruginosa
monoclonal antibody
mouse
antibody
hybridoma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP14806891A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadashi Sudo
藤 忠 須
Shiro Shigeta
田 士 郎 茂
Tamotsu Fukuda
田 保 福
Yasuyuki Kuroiwa
岩 保 幸 黒
Hiroaki Okuya
谷 弘 明 奥
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Toatsu Chemicals Inc filed Critical Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Priority to JP14806891A priority Critical patent/JPH0662886A/ja
Publication of JPH0662886A publication Critical patent/JPH0662886A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05BCONTROL OR REGULATING SYSTEMS IN GENERAL; FUNCTIONAL ELEMENTS OF SUCH SYSTEMS; MONITORING OR TESTING ARRANGEMENTS FOR SUCH SYSTEMS OR ELEMENTS
    • G05B2219/00Program-control systems
    • G05B2219/30Nc systems
    • G05B2219/43Speed, acceleration, deceleration control ADC
    • G05B2219/43008Deceleration and stopping

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 緑膿菌の血清型別抗原に対して特異的な親和
性を有し、かつ緑膿菌に対して直接凝集活性をもつ、グ
ロブリンクラスがIgGであるモノクローナル抗体。 【効果】 本モノクローナル抗体は、緑膿菌に対してす
ぐれた予防、治療効果を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は緑膿菌感染症の予防治療
に有効性を示すモノクローナル抗体及びその用途に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】緑膿菌(以下、シュードモナス・アエル
ギノーサということがある)は自然界に広く存在し、
水、下水等又ヒト、動物の口腔、腸内からも高率に見い
出される。この菌が病原性を発揮するのはこの菌自体の
菌力による一般感染患者におけるよりもむしろ感染抵抗
の低下した患者、即ち癌患者、免疫抑制療法下の人、移
植患者、熱傷患者および新生児等である。
【0003】現在、緑膿菌感染症は最も治療の困難な感
染症と考えられている。すなわち、緑膿菌はこれまで常
用されて来た抗生物質のほとんどすべてに対して耐性を
示すばかりでなく、近年開発された抗生物質に対しても
容易に緑膿菌が耐性型に誘導される症例が多いからであ
る。又、抗生物質療法の限界に立って、宿主側の緑膿菌
処理能力の増強をめざした菌体成分による感染防御剤す
なわちワクチンの開発、例えば13種類以上ある血清型
別緑膿菌の表在抗原をそれぞれ精製して混合した緑膿菌
多価ワクチンや緑膿菌の血清学的共通抗原としてタンパ
クを主成分とするOEP、あるいはOEPに本菌から調
製したプロテアーゼトキソイド、エラスターゼトキソイ
ドあるいはエクソトキソイドを加えた3種あるいは4種
混合ワクチン等がある。しかしながら、いずれのワクチ
ンも感染防御能あるいは安全性が不十分で、実用性のあ
るすぐれたものが待望されていると言っても過言でな
い。さらに、健常人の血清から製造したヒト血清免疫グ
ロブリン製剤の受動免疫による免疫グロブリン療法も研
究されているが実際の製剤中には緑膿菌に対する抗体価
が低いものが多く、その予防・治療効果を疑問視する向
きも少なくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
技術の現状に鑑みてなされたものであって、緑膿菌血清
型別抗原に対して特異的な親和性をもち、かつ緑膿菌菌
体に対して直接凝集活性を合わせもつグロブリンクラス
がIgGからなるモノクローナル抗体を作り、単品又は
それらを組み合せることにより予防および治療剤に使用
して目的を達成しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、緑膿菌血清型別菌
で免疫したマウスの脾細胞とマウスミエローマ(腫瘍細
胞株)との細胞融合によりハイブリドーマを作らせ、そ
れが産生する抗体の中から血清型別抗原に対して特異的
に反応するもので該凝集活性をもち、グロブリンクラス
がIgGクラスからなる抗体を選択することにより、目
的とする緑膿菌に対するモノクローナル抗体を作製する
のに成功し、その結果、本発明の完成に至ったものであ
る。
【0006】また、本発明により目的とするモノクロー
ナル抗体の作製が可能となったので、この点を利用して
更に研究を行った結果、本発明によるモノクローナル抗
体の単剤又は2剤以上の組み合せにより、広く緑膿菌感
染症に対するすぐれた予防治療効果が達成される新規な
薬剤の完成にも成功した。
【0007】本発明は、これらに基づいてなされたもの
であるが、特に本発明で注目すべきことは、緑膿菌の血
清型別抗原に対して特異的に反応するモノクローナル抗
体の中で、グロブリンクラスがIgGでかつ緑膿菌菌体
に直接凝集活性をもつ抗体は、その抗体と反応する緑膿
菌に対して極めて低温度・低用量で予防、および治療効
果を発揮することを本発明者らがはじめて見い出したこ
とである。
【0008】以下、本発明について具体的に説明する。
【0009】1.使用緑膿菌 本発明では使用緑膿菌の分類を緑膿菌研究会主催の血清
型別検討委員会の決定(1975)による血清学的分類
に従った(下記の表1で示される第1表)。
【0010】
【表1】
【0011】2.モノクローナル抗体の製造 本発明による緑膿菌に対するモノクローナル抗体は細胞
融合法によって作製される。
【0012】細胞融合法によるモノクローナル抗体の作
製は、基本的には、KoehlerとMilstein
らの方法に準拠した方法(J.Immunol,Met
hods,39,285−308(1980))に従っ
て作製した。この方法によるモノクローナル抗体の作製
は一般に(1)準備、(2)細胞融合、(3)クローニ
ング、(4)モノクローナル抗体の検出、(5)大量モ
ノクローナル抗体の調製、(6)抗体の精製、の工程か
らなっている。
【0013】次に各工程につき詳細な説明を加える。
【0014】(1)準備 ヒポキサンチン、アミノプテリン、およびチミジン(以
下HATという)含有溶液を調製する。これらはいずれ
も100倍濃度の溶液として貯蔵しておくと便利であ
る。とくに、ヒポキサンチンおよびチミジン(HT)は
合せてストック溶液を作製すると便利である。各ストッ
ク溶液はフィルター濾過(0.2μmメンブランフィル
ター)により滅菌し、適当量に小分けして−20℃にて
凍結保存する。次に、市販のダルベッコMEM培地、ピ
ルビン酸ナトリウム、ペニシリン−ストレプトマイシ
ン、L−グルタミン、2−メルカプトエタノール、牛胎
児血清からなる完全培地(以下、DMEM)を調製す
る。これは4℃で6週間保存できる。上記ダルベッコM
EM培地の代りに市販のRPMI−1640培地を用い
ることも可能である。
【0015】次にDMEMにHAT又はHTストック溶
液を加えたHAT培地、又はHT培地を調製する。そし
て別に再蒸留水中にNaCl、KCl、Na2HPO4
2H2O、NaH2PO4・H2O、グルコース、フェノー
ルレッドを含有するGKN塩類溶液を用意する。
【0016】細胞融合にはセンダイウィルスを用いるH
VJ法とポリエチレングリコール(PEG)法の二つの
方法があるが、安全性や取り扱い法等の点で後者の方法
が有用性が高い。PEGにはその平均分子量によって種
々の種類があるが、通常はPEG−1000、PEG−
4000、PEG−6000の中から適宜選んで用いら
れる。融合する細胞や目的によってどの分子量のものを
用いるかは異なってくるが、一般に分子量が小さい程粘
性が少なく扱いやすいが細胞毒性は大きくなる。細胞融
合率および細胞毒性は、PEGの濃度に特に依存する。
又メーカーごとのLot差もあるので、以上の要点を考
慮に入れて、用いるPEGを決める。用いるPEGの濃
度は、一般に、42.5%〜50%濃度の間で使用され
る。又ジメチルスルフォキサイド(DMSO)やポリ−
L−アルギニンは融合効率を高めることが知られてい
る。しかし、DMSOはPEG溶液の細胞毒性を高める
ので、融合時間を短かくしたり、融合操作後の洗浄をく
り返し十分行うなどの工夫が必要である。
【0017】ハイブリドーマの増殖促進に用いられるフ
ィーダー細胞としては、マウス腹腔マクロファージ又は
脾リンパ球が好適である。いずれの場合も無菌的に採取
して細胞浮遊液を調製する。培養液にて3回洗浄して遠
心を室温にて400×g、10分間行なう。洗浄後トリ
パンブルー液で生細胞数をカウントする。生存率は常に
95%以上のものを用いる。
【0018】(2)細胞融合 細胞融合に用いる抗体産生細胞をどの動物由来のものを
用いるかは、融合に使用するHAT培地に感受性のパー
トナー細胞、すなわち腫瘍細胞株によって異なるが、一
般にマウスとラットが多く用いられている。マウス腫瘍
細胞株とウサギやヒトの抗体産生リンパ球の融合は、ハ
イブリドーマの出現頻度の点で効率がよくない場合が多
い。本発明では、以下の理由でマウス由来の抗体産生リ
ンパ球を用いている。すなわち、マウス腫瘍細胞株では
すべての免疫グロブリン産生能を喪失しているものが利
用しうること、また、該細胞株はマウス由来の抗体産生
リンパ球との融合効率が高く、ハイブリドーマの出現頻
度も良いこと、さらにマウスのIgGはクラスを問わ
ず、すべてプロティンAと結合するため抗体の精製が容
易に行い得ることが知られているからである。
【0019】マウスの系統では、BALB/Cマウスが
最も好適であり、抗原によっては他の系統のマウスを用
いることも可能である。抗体産生リンパ球の採取には雌
性で8−12週令のマウスが最適である。また、本発明
のモノクローナル抗体産生ハイブリドーマの取得のため
に細胞融合に供するマウスの抗体産生リンパ球は第1表
のA〜M群に属する緑膿菌菌株をそれぞれ培養し、ホル
マリン処理して得られる無毒化洗浄菌体あるいは該菌体
から得られるリポ多糖体画分を抗原としてマウスに皮下
あるいは腹腔内投与により免疫することによって得るこ
とが出来る。この際、免疫に用いられるアジュバントと
しては、フロイントのアジュバント、ミョウバン、水酸
化アルミニウム等を用いることが出来る。抗原の種類に
よって、用いるアジュバントや投与ルート、回数、抗原
量が異なってくるが、緑膿菌菌体を抗原とする場合、1
〜100μgの抗原を等量のフロイントの不完全アジュ
バントで油中水型にして腹腔投与を2〜5回行ない、最
終免疫後3〜4日後マウスの脾臓を採取して細胞融合に
用いる。なお、細胞融合の前処置として被免疫マウスの
脾臓リンパ球をあらかじめ試験管内で抗原刺激するか、
抗原と共にレントゲン照射したマウス宿主内にトランス
ファーすることは目的とする抗体産生細胞数を非常に増
加させることになり、結果的に効率良くハイブリドーマ
を得ることが出来る。
【0020】細胞融合に用いられるHAT培地の感受性
の腫瘍細胞株は、本発明の場合、P3−NS1/1−A
g4.1(略号NS−1)あるいはP3−X63−Ag
8.U1(略号P3U1)などの通常細胞融合に用いら
れるマウス細胞株が好適である。細胞融合は、腫瘍細胞
がもっとも良く増殖している時(104〜5×105/m
l)に行なう。
【0021】次に実際の細胞融合は次の如く行なう。
【0022】免疫が成立した動物の脾臓を無菌的にとり
出し、抗体産生細胞を含むリンパ球液を作製する。パー
トナー細胞の腫瘍細胞に対して約10倍量のリンパ球を
混和して遠心し、吸引にて培養液を除去する。ペレット
を解きほぐし、あらかじめ37℃に温めておいた45%
PEGを1ml加える。細胞同士が良く衝突するように
静かに試験管をときどき振るようにする。5〜6分後、
DMEM約50mlを加えて反応を止める。遠心を行い
上清を吸引除去する。37℃に温めておいたHAT培地
をゆっくり加え、大きな細胞塊を解きほぐす。ついて2
4ウエル又は96ウエルの培養プレートに分注する。2
〜3日毎に培地の半分をHAT培地で交換する。約2週
間この操作過程をくり返した後、ハイブリドーマの増殖
が認められたウエルの培養上清につき種々のアッセイ法
により目的抗体の産生の有無をしらべ、抗体産生ハイブ
リドーマを検索する。
【0023】(3)クローニング ハイブリドーマが確立したら出来るだけ早くクローニン
グを行う。方法としては、ハイブリドーマが3個/ml
となるように通常培地で希釈し、96ウエルのプレート
に0.2ml/毎分注することからなる限界希釈法、D
MEM中に浮遊させたハイブリドーマの懸濁液とDME
M−寒天を等量づつ混和してペトリディシュにまき、3
7℃のCO2培養器にて約10日間培養し、生じたコロ
ニーを裸眼もしくは低倍率の実体顕微鏡で観察し、パス
ツールピペットにてつり上げることからなる軟寒天法、
操作が簡単で、クローニングの効率が高いフイブリンゲ
ルを利用したフイブリンゲル法、又これらの方法とは別
に抗原と結合させたフルオレスセントミクロフェアーを
ハイブリドーマと反応させて目的抗体産生ハイブリドー
マをシングルクローンとして選別するセルソーター法等
をいずれも用いることが出来る。
【0024】本発明者らは、経験的に操作が簡便な限界
希釈法を多用してクローニングを行なっている。
【0025】(4)モノクローナル抗体の検出 モノクローナル抗体の検出のためのアッセイ方法として
は以下のような方法がある。1つはプロティンAを結合
させた赤血球を用いた方法で、特異抗体を検出する方法
の中で優れた鋭敏度、特異性を示す方法である。また凝
集の程度を観察し抗体価を決める凝集反応法、グロブリ
ンクラスあるいはサブクラスを決めるのに最も簡単な方
法で、一般に培養上清を10倍程度濃縮しなければなら
ないが、放射能標識された上清を抗体で沈降させ、それ
をSDS−ポリアクリルアミドゲルなどで展開し確認す
ることも出来るオクタロニー法である。また、ポリビニ
ルクロライド製のU字型マイクロタイタープレートに抗
原もしくは細胞を固定しておき、そこへ培養上清を加え
インキュベートして抗原−抗体反応させた後125I又は
酵素で標識した抗マウス抗体あるいはProteinA
を加え洗浄後、各ウエル中の放射活性又は酵素活性を調
べるラジオイムノアッセイ法や酵素免疫測定法(EIA
法)もある。
【0026】本発明においては、上記した種々のアッセ
イ法の中で目的に合った方法を選択すればよい。基本的
には短時間で、感度がよく安価であることが重要なこと
である。本発明者らは、次のようなEIA法を用いてい
る。
【0027】すなわち、緑膿菌菌体を抗原としてメンブ
ランフィルターに一定量ドットして用い、これにハイブ
リドーマの培養上清を反応させた後、ペルオキシダーゼ
標識ウサギ抗マウスイムノグロプリン抗体(DAKO
社)を作用させ酵素反応の呈色割合により抗体産生量を
測定できるドットイムノバインディングアッセイ法(D
IBA法、Analytical Biochem.,
119,142,1982)を用いている。
【0028】(5)大量モノクローナル抗体の調製 大量にモノクローナル抗体を調製する方法としては、拡
大培養法、リポソーム;マイクロカプセルを利用した大
量培養法、またヌードマウスにハイブリドーマを移植し
血清中に出現してくる抗体を取得することからなる調製
法、さらにはプリスティンを前投与されたBALB/C
マウスの腹腔内にハイブリドーマを移植しマウスの腹水
から硫安濃縮やDEAE−セルロース、プロティンA−
セファロースなどのカラムで精製する調製方法等がある
が、いずれも本発明に適用可能である。特に本発明にお
いてはハイブリドーマを免疫抑制剤(プリスティン)で
前処置したBALB/Cマウスの腹腔内に移植し該ハイ
ブリドーマの増殖にともなって貯留する腹水から本発明
のモノクローナル抗体を大量調製する方法を大量調製に
採用している。
【0029】(6)抗体の精製 本発明のモノクローナル抗体を精製するには、下記の非
特異的精製法及び特異的精製法を単独で又は各種組み合
わせて行う。
【0030】非特異的精製 腹水等からの本発明のモノクローナル抗体の精製はゲル
濾過法、イオン交換セルロースクロマトグラフィー、硫
酸アンモニウムによる塩析法などの公知の方法の組み合
わせにより行うことが出来る。
【0031】特異的精製 臭化シアンで活性化したセファロース4B(ファルマシ
ア社)あるいはアフィゲル−10(バイオラッド社)に
抗原を結合させ不溶化したカラムに、免疫グロブリン画
分又は腹水を流入し抗体を結合させた後、尿素溶液など
で吸着抗体を溶出させて精製するアフィニテイクロマト
グラフィーも必要に応じて使用出来る。また本発明のモ
ノクローナル抗体がIgGの場合、プロティンAを固定
化したアフィニティカラムを用いると精製が容易である
という点で推奨される。
【0032】なお、本発明のモノクローナル抗体は、上
述のように緑膿菌の血清型別抗原に対して特異的な親和
性を有しかつ緑膿菌菌体に対して直接凝集活性を持つグ
ロブリンクラスがIgGからなるものであるが、これら
の性質は下記に示す方法により規定することが出来る。
すなわち、緑膿菌の血清型別抗原に対する特異的な親和
性とは第1表のA〜M群の緑膿菌の血清型別菌のうち、
1つの群に属する菌株とのみ反応し、他の群に属する菌
株とは反応しないこと(例えばA群の菌とのみ反応し、
他のB−M群とは反応しないこと)を意味している。
【0033】また、本発明のモノクローナル抗体の緑膿
菌菌体に対する直接凝集活性とは実施例1に示すよう
に、96ウエルのU底マイクロプレート中で緑膿菌のホ
ルマリン処理又は加熱処理による死菌体をそれぞれ直接
凝集する抗体活性を意味する。
【0034】さらに本発明のモノクローナル抗体のグロ
ブリンクラスは、該精製抗体のセファクリルS300
(ファルマシア社)を用いたゲル濾過パターンおよびパ
ーオキシダーゼ標識ヤギ抗マウスIgG抗体(カッペル
社)によるDIBA法でIgGと同定されたものを意味
している。
【0035】本発明のモノクローナル抗体が緑膿菌感染
に対してすぐれた予防および治療効果を示すことは試験
例に例示する如くであるが、該抗体を緑膿菌感染症の予
防、治療剤として用いる場合は注射剤の型で用いるのが
好ましい。以下に実施例及び試験例を例示し、本発明を
さらに具体的に説明する。
【0036】実施例1 各血清型緑膿菌に対するマウス
モノクローナル抗体の作製とその性質
【0037】1)使用菌株 第1表の緑膿菌B型IID1002株、E型IID11
30株、G型ATCC10145株、I型IID101
0株をそれぞれ使用した。
【0038】2)菌の培養 各血清型緑膿菌を普通寒天培地で37℃1夜培養し、増
殖した菌体を生理食塩液に懸濁し、その0.5mlを本
間らの合成培地(J.Biochem.,83,71
1,1978)150mlを含む坂口フラスコに接種
し、37℃で16時間振とう培養した。培養後、坂口フ
ラスコ内に0.3%濃度になるようホルマリンを加えて
充分混合し室温に1時間放置した。ついで培養液を遠心
分離(12000×g 30分間)して菌体を集め、さ
らに生理食塩液と蒸留水で洗浄処理と遠心分離を繰返し
てホルマリン処理菌体を得た。
【0039】3)免疫 各血清型緑膿菌の0.3%ホルマリン処理菌体をフロイ
ントの不完全アジュバントでエマルジョンとし、1週間
おきに計5回BALB/Cマウスの腹腔内に投与して免
疫した。
【0040】4)細胞融合 最終免疫の4日後のマウスの脾細胞5×108個とNS
−1マウスミエローマ細胞5×107個との50%ポリ
エチレングリコール存在下における細胞融合によって得
られたハイブリドーマを96穴平底プレートに分注し、
HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジ
ン含有)を添加した10%牛胎児血清加ダルベッコME
M培地で5%CO2存在下37℃で培養した。ハイブリ
ドーマの増殖を認めたウエルについて培養上清の抗緑膿
菌モノクローナル抗体の存在の有無を酵素免疫測定法で
あるDIBA法で測定した。
【0041】DIBA法は、96穴U底マルチプレート
を用い、1ドット当り0.4μgの0.3%ホルマリン
処理各血清型緑膿菌の全菌体を抗原として固定したメン
ブランフィルター(3.1mm角)と上記の培養上清1
00μlを室温で30分、ついでパーオキシダーゼ標識
ウサギ抗マウスイムノグロブリン抗体(DAKO社製)
と30分反応後、クロルナフトールを基質として発色さ
せ、抗原を固定したメンブランフィルター上に肉眼観察
で発色を認めたものを抗体産生が陽性と判定した。培養
上清にモノクローナル抗体産生が認められたハイブリド
ーマはさらに、限界希釈法でクローニングを行ない、モ
ノクローンになったハイブリドーマはフラスコで増殖さ
せた後、免疫抑制剤プリスタン(アルドリッチ社)処置
BALB/Cマウスの腹腔内に移植し得られたマウス腹
水からプロティンA−セファロース(ファルマシア
社)、アフィニティカラム(IgG向)、およびセファ
クリルS300(IgM向)を用いてモノクローナル抗
体を精製した。
【0042】かくして得られた種々の抗緑膿菌モノクロ
ーナル抗体産生ハイブリドーマの中から、本発明者らは
緑膿菌の血清学的分類に基づく各型に特異的に反応する
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ18株を
見い出した。このうち、E型、B型、G型、I型に特異
的に反応するハイブリドーマはそれぞれ6株、4株、5
株、3株であった。これらハイブリドーマのうち、大部
分の株がグロブリンクラスがIgGで、IgMは2株が
産生した。結果を下記の表2、3、4、5で表わされる
第2、3、4、5表に示す。
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】
【表5】
【0047】なお、緑膿菌菌体に対するモノクローナル
抗体の直接凝集活性の測定はつぎの方法で行なった。9
6ウエルのU底マルチプレート(ファルコン社)に各血
清型の緑膿菌の0.3%ホルマリン処理あるいは120
℃加熱処理による死菌体の懸濁液(PBS(−)に懸
濁、OD540が0.4)を50μlづつ分注した。つい
でこれにモノクローナル抗体のPBS(−)による希釈
系列を50μlずつ分注し、プレート表面をシーラー
(リンブロ社プレートシーラー)でカバーし、室温で1
0分間振とうし37℃で1時間静置した。さらにこれを
4℃〜10℃で15時間以上放置した後プレートを室温
にもどしプレートの裏面より透かして菌体の凝集反応像
を観察し判定した。
【0048】試験例1 血清学的分類による各血清型緑
膿菌に特異的に反応するマウスモノクローナル抗体の緑
膿菌感染に対する防御活性 実施例1で得られた各型の特異的に反応するモノクロー
ナル抗体の緑膿菌に対する感染防御能について検討し
た。生後、10週令のBALB/C雌性マウス1群5匹
に各菌型に特異的に反応するモノクローナル抗体をマウ
ス1匹当り50ng、500ng、5μg、50μg、
500μg、5mgをそれぞれ腹腔内へ投与し、2時間
後にそれぞれの菌型に特異な菌株を(IID1130
(E型)、IID1002(B型)、ATCC1014
5(G型)、IID1010(I型))1×106腹腔内
へチャレンジした。対照群はモノクローナル抗体のかわ
りに生理食塩液のみ投与した。緑膿菌感染後、7日目に
各投与群のマウスの生存率から50%有効投与量(ED
50値)を求めた。結果は、第2表〜第5表の通りで、各
種モノクローナル抗体の中でグロブリンクラスがIgG
で、強い凝集能活性をもつ抗体に極めて、強力な緑膿菌
感染防御効果が認められた。
【0049】実施例2 液剤 実施例1で得られた抗緑膿菌活性を示したモノクローナ
ル抗体を3/10Mアミノ酢酸液で溶かし、グロブリン
濃度が1mg/mlになるようにした。このようにして
得られたものを、メンブランフィルター(ニュクリポア
ーNo.20、ヌクリポア社製)を用いて無菌濾過して
1mlずつバイアルに無菌的に分注して本発明物質の液
剤を得た。
【0050】実施例3 凍結乾燥製剤 実施例1で得られた緑膿菌感染に対して効果を示したモ
ノクローナル抗体を最終濃度3/10Mになるようにア
ミノ酢酸を加えた生理食塩に溶かし、1mg/mlと
し、さらにマンニトールを50mg/ml濃度になるよ
う添加して、メンブランフィルター(ニュクリポアーN
o.20、ヌクリポア社製)を用いて無菌濾過し、2m
lずつバイアルに無菌的に分注して凍結乾燥して本発明
物質の凍結乾燥製剤を得た。
【0051】試験例2 各血清型緑膿菌特異性マウスモ
ノクローナル抗体を利用した治療効果 試験例1で、予防効果の認められたモノクローナル抗体
No.1、4、5、I、II、B、E、Yについてそれ
ぞれ治療効果の実験を行なった。
【0052】すなわち、生後10週令のBALB/C雌
性マウス1群5匹に、試験例1と同様にそれぞれのモノ
クローナル抗体に反応する菌を1×106腹腔内へチャ
レンジして2時間後に、上記のモノクローナル抗体を各
々100ng〜10mg腹腔内に投与し、7日目でED
50値を求めた。結果を、表6で示される第6表に表し
た。試験例1で強く予防効果を示した各々のモノクロー
ナル抗体の治療効果は1/6から1/10に低下するも
のの、治療効果も認められた。
【0053】
【表6】
【0054】
【発明の効果】本発明に係るモノクローナル抗体は、緑
膿菌の血清型別抗原に対して特異的に反応し、グロブリ
ンクラスがIgGで且つ緑膿菌菌体に直接凝集性を有す
る従来未知の新規抗体である。この抗体は、それと反応
する緑膿菌に対して極めて低濃度、低用量で有効性を示
すので、緑膿菌に対するすぐれた予防、治療剤としてき
わめて有用である。
【0055】また本発明によれば、各種の緑膿菌に対し
て有効なモノクローナル抗体をそれぞれ効率よく作製す
ることができるので、これら各モノクローナル抗体を複
数種類配合することにより、各種タイプの緑膿菌に一度
で対応しうるきわめて適用範囲の広いすぐれた予防、治
療剤を調製することができ、治療がきわめて困難な感染
症のひとつである緑膿菌感染症に有効に使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:91)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緑膿菌の血清型別抗原に対して特異的な
    親和性を有し、かつ緑膿菌に対して直接凝集活性をも
    つ、グロブリンクラスがIgGであるマウス由来のモノ
    クローナル抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のモノクローナル抗体を
    少なくとも1種含有することを特徴とする緑膿菌感染症
    の予防治療剤。
JP14806891A 1991-05-24 1991-05-24 モノクロ−ナル抗体及びその用途 Pending JPH0662886A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14806891A JPH0662886A (ja) 1991-05-24 1991-05-24 モノクロ−ナル抗体及びその用途

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14806891A JPH0662886A (ja) 1991-05-24 1991-05-24 モノクロ−ナル抗体及びその用途

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0662886A true JPH0662886A (ja) 1994-03-08

Family

ID=15444493

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14806891A Pending JPH0662886A (ja) 1991-05-24 1991-05-24 モノクロ−ナル抗体及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0662886A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2582205A (en) * 2019-03-15 2020-09-16 My Home Global Co Curtain track assembly

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5929622A (ja) * 1982-08-10 1984-02-16 Meiji Seika Kaisha Ltd モノクロ−ナル抗体、その製造法およびその用途

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5929622A (ja) * 1982-08-10 1984-02-16 Meiji Seika Kaisha Ltd モノクロ−ナル抗体、その製造法およびその用途

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2582205A (en) * 2019-03-15 2020-09-16 My Home Global Co Curtain track assembly
GB2582205B (en) * 2019-03-15 2021-02-10 My Home Global Co Curtain track assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2837160B2 (ja) ヒト腫瘍壊死因子に対するモノクローナル抗体を含有する敗血症治療薬及びリューマチ性疾患治療薬
FI111336B (fi) Menetelmä Staphylococcus epidermidis tyyppi I:n polysakkaridiantigeenin sisältävän rokotteen ja antigeeninvastaisen hyperimmunoglobuliinin valmistamiseksi
EP1280828B1 (en) Anthrax-specific antigen, vaccines comprising said antigen, anthrax-specific antibodies, and their uses
US4455296A (en) Hybrid cell lines producing monoclonal antibodies directed against Haemophilus influenzae
EP0151128B1 (en) Monoclonal antibodies reactive with endotoxin core
US4677070A (en) Pseudomonas aeruginosa exotoxin A antibodies, their preparation and use
US5057598A (en) Monoclonal antibodies reactive with endotoxin core
JPS62187417A (ja) 緑膿菌血清型に対する交さ反応性かつ交さ防御性単クロ−ン性抗体
US4834976A (en) Monoclonal antibodies to pseudomonas aeruginosa flagella
AU666134B2 (en) Monoclonal antibodies against mycoplasma pneumoniae, hybridomas producing these, methods for the preparation thereof, and the use thereof
JP2691708B2 (ja) ヒトモノクローナル抗体およびその製法
JP2639422B2 (ja) シュードモナスアエルギノーザ鞭毛に対するモノクローナル抗体
JP2565303B2 (ja) 緑膿菌感染症の予防治療剤
JPH0662886A (ja) モノクロ−ナル抗体及びその用途
EP0434685A1 (en) Gram-negative bacterial endotoxin blocking monoclonal antibodies
JPH0213376A (ja) 緑膿菌に対するモノクローナル抗体、ならびにその調製および使用
JP2587770B2 (ja) 形質転換細胞
RU2395575C1 (ru) ШТАММ ГИБРИДНЫХ КЛЕТОК ЖИВОТНОГО Mus musculus L. - ПРОДУЦЕНТ МОНОКЛОНАЛЬНЫХ АНТИТЕЛ ДЛЯ ВЫЯВЛЕНИЯ БЕЛКА VP40 ВИРУСА МАРБУРГ (ШТАММ Рорр) (ВАРИАНТЫ), МОНОКЛОНАЛЬНОЕ АНТИТЕЛО, ПРОДУЦИРУЕМОЕ ШТАММОМ (ВАРИАНТЫ), НАБОР ДЛЯ ИММУНОФЕРМЕНТНОЙ ТЕСТ-СИСТЕМЫ ФОРМАТА "СЭНДВИЧ" ДЛЯ ВЫЯВЛЕНИЯ МАТРИКСНОГО БЕЛКА VP40 ВИРУСА МАРБУРГ (ШТАММ Рорр)
JP3105578B2 (ja) 新規なモノクローナル抗体、それを産生する新規なハイブリドーマ株およびその製法
RU2117043C1 (ru) Штамм культивируемых гибридных клеток животного mus musculus - продуцент моноклонального антитела к термостабильному антигену, общему для возбудителей сапа и мелиоидоза
RU2012594C1 (ru) Штамм гибридных культивируемых клеток животных mus musculus l - продуцент моноклональных антител к 146s-компоненту вируса ящура азия-1
RU2117042C1 (ru) Штамм культивируемых гибридных клеток животного mus musculus - продуцент моноклонального антитела к термостабильному компоненту капсулоподобной субстанции возбудителя мелиоидоза
RU2010856C1 (ru) Штамм гибридных культивируемых клеток животных mus musculus l., используемый для получения преципитирующих моноклональных антител к jgg человека
RU1801117C (ru) Способ получения монокло- нального антитела к моноклональному антителу к белку т4 лимфоцита человека, культивируемая клетка гибридомы jthfs-про- дуцентмоноклонального антитела к моноклональному антителу к белку т4 лимфоцита чело- века, культивируемая клетка гибридомы jti-if3-f5 - продуцент моноклонального антитела к моноклональному антителу к белку т4 лимфоцитачеловека, культивируемая клетка гибридомы jti-id7 - про- дуцент моноклонального антитела к моноклональному антителу к белку т4 лимфоцита человека, культивируемая клетка гибридомы jt2-n15 - продуцент моноклонального антитела к моноклональному антителу к белку т4 лимфоцитачеловека
JPS6263525A (ja) モノクロ−ナル抗体