JP2691708B2 - ヒトモノクローナル抗体およびその製法 - Google Patents

ヒトモノクローナル抗体およびその製法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、緑膿菌外毒素Aに対するヒトモノクロナー
ル抗体、その製造方法およびその用途、すなわち具体的
には緑膿菌を含む細菌による感染症の治療剤および外毒
素A産生性緑膿菌による感染症の診断用試薬に関する。 細菌感染症の治療において問題となる病原菌は、抗生
物質の開発とともに変化している。 すなわち、臨床上用いられている抗生物質の種類の変
遷に伴ない細菌感染症を引き起こす細菌、いわゆる起炎
菌が交代してきた。従来、低病原性又は弱毒性と言われ
た細菌、なかでも特に緑膿菌(Pseudomonas acruginos
a)による感染例が増加し、緑膿菌は近年、主要な病原
菌の一つとなっている。緑膿菌感染は、免疫抑く製剤の
投与を受け免疫能の低下している患者、又は癌患者や熱
傷患者および新生児などの免疫不全・低下症の患者にお
いて重篤な症状を引き起こし死に至らしめる場合が多い
細菌感染として知られている。緑膿菌の病原性因子とし
ては、細菌の増殖に伴なう内毒素および緑膿菌の産生す
る外毒素Aおよび外酵素がある。なかでも外毒素Aは、
ほとんどの緑膿菌臨床分離株において産生されており、
その毒素Aは細胞に毒性を示すのみならず、各種の動物
に致死的作用を及ぼす。 細菌感染を予防・治療する方法として、まず第一にあ
げられるのが、抗生物質および合成抗菌剤を用いた化学
療法である。ストレプトマイシン、カナマイシン、ペニ
シリンやセファロスポリンなど幾多の抗生物質が開発さ
れ、その多くはブドウ球菌を代表とするほとんどのグラ
ム陽性球菌や、大腸菌などのグラム陰性菌が感受性を示
し、著効な臨床効果を示してきた。しかしながら、今日
迄の多くの研究開発にもかかわらず、緑膿菌が感受性を
示す薬剤は依然少ないのが現状であり、しかも、今日、
感受性を示すとされる薬剤でも、そのほとんどが、緑膿
菌に対してその増殖を単に阻害するいわゆる静菌的に作
用するのみで、殺菌力に欠けており、臨床の場において
著効な治療効果を示すに至っていない。又、抗生物質療
法の限界を示すその他の例は、抗生物質は細菌の増殖を
抑制するものの、細菌が産生しその病原性を発揮する毒
素や酵素に対して阻害効果の無いことである。 ところで、細菌由来の毒素や酵素を中和および阻害す
ることにより細菌感染症を予防および治療することがで
きる療法として、免疫グロブリン製剤の投与、いわゆる
抗体療法があり、抗生物質療法と併用される、又はそれ
に代わるものとして注目されている。ウマやウサギ等の
動物を能動的に免疫することによって抗体価の高い血清
を得ることができ、その血清を投与する抗体療法は、各
種の動物を用いた実験的感染症において著効な治療効果
を示すことが多くの実験にて実証されている。 ヒト以外の動物由来の血清を用いた抗体療法がヒトに
おいても有効性を示すことは、ジフテリア毒素や蛇毒の
例で周知のことである。しかしながら、ヒト以外の動物
から得られた異種蛋白をヒト体内へ移入するこの方法
は、アナフィラキシーやその他のアレルギー反応などの
重篤な副作用を引きおこし一般細菌感染症の治療法とし
て採用されるに至っていない。かくして、細菌および細
菌由来の毒素・酵素に対して高い抗体力価を有し、細菌
感染症の治療効果の大きいヒト免疫グロブリンの開発が
望まれている。 従来のヒト免疫グロブリン製剤は、健常人又は細菌感
染既往患者から血液を採取し、既知の方法にて免疫グロ
ブリン画分を分取・精製した後に、ポリエチレングリコ
ール添加、蛋白分解酵素処理、スルホン化、DEAE−カラ
ムクロマトグラフィー等の、凝集物を除去する方法によ
り、筋肉注射用のみならず、静脈注射用に製剤化された
ものである。これらヒト免疫グロブリン製剤には、ヒト
以外の異種動物由来の免疫グロブリンを投与した時にみ
られるアナフィラキシー等の副作用は無い等の利点をも
つが、幾つかの欠点を持つ。 第一に、細菌および細菌由来の毒素・酵素に対する抗
体価が低く、必ずしも充分な治療効果を期待しえない。 第二に、高力価の免疫グロブリンを大量に安定して供
給することが難しい。健常人ボランティアや患者より採
取された血液を材料に製造されており、高い力価の血清
を一定して入手することは極めて難しく、製造ロット毎
に、抗体価が変動することがある。 第三に、任意のヒトの血液を材料に製造されることに
より、免疫グロブリン製剤にHBsウイルスなどの肝炎ウ
イルスやA−dult T cell leukaemia virus(ATLV,HTL
V)などが混入することがあり得る。 こうした状況に鑑み、本発明者らは前述の問題点を解
決すべく、鋭意改良を加え、緑膿菌感染症、特に外毒素
A産生緑膿菌感染症に有効なヒトモノクローナル抗体、
およびそれを含む高力価ヒト免疫グロブリン、およびそ
れを生体外またはマウスなどを含むヒト以外の生体内に
て安定的かつ大量に製造する方法を確立し本発明を完成
するに至った。 本発明は、緑膿菌外毒素Aに対するヒトの抗体、特に
単一な抗原特異性をもつモノクローナル抗体(単一性抗
体)の生産方法に係わる。更に特定するに特異抗体を連
続的に産生し得るヒト細胞株の取得方法、その細胞をin
vitro又はin vivo培養することを含む特異抗体の大量
製造方法、それによって得られた緑膿菌外毒素Aに対す
る特異モノクロナール抗体を少なくとも一種類含む、感
染治療用のヒト免疫グロブリン製剤および診断用試薬と
してのヒトモノクローナル抗体に関するものである。 緑膿菌外毒素Aと特異的に反応するヒトモノクローナ
ル抗体を連続的に産生するヒト細胞株が本発明によって
取得される。第一の方法として、以下の方法が挙げられ
る。生体内および生体外にて緑膿菌および緑膿菌由来の
外毒素Aによって感作られたヒトリンパ球B細胞をエプ
スタイン・バー(Epstein−Barr)ウイルス(以下、EB
ウイルスと略)と混合することによって感染させ、連続
的に増殖する細胞へと形質転換(transformation)させ
る。次いでクローン化する前の、又はクローン化された
形質転換細胞から、所望の特異抗体産生株を選別し試験
管内(生体外)にて連続的に細胞増殖し、かつ所望の特
異抗体を連続的に生産する細胞株を樹立する。又、第二
の方法は以下の通りである。緑膿菌又は緑膿菌由来外毒
素Aによって感作されたヒトリンパ球B細胞を骨髄腫細
胞(myeloma)又はBリンパ芽球様細胞(B lympho−bla
stoid cell)と細胞融合することによって、試験管内に
て連続的に細胞増殖し、かつ所望の特異抗体を連続的に
産生する細胞株を樹立する。第三の方法として、次の方
法が挙げられる。第1の方法にて樹立された特異抗体を
産生するEBウイルス形質転換細胞を骨髄腫細胞又はBリ
ンパ芽球様細胞と細胞融合することによって試験管内に
て連続的に細胞増殖し、かつ所望の特異抗体を連続的に
産生する細胞株を樹立する。これらの樹立株を試験管内
培養又はヌードマウス腹腔などの生体内にて培養し、培
地又は腹水へ分泌された抗体を精製することによって抗
体を大量に製造する。 本発明によって得られる、緑膿菌外毒素Aに対するヒ
トモノクローナル抗体とは、緑膿菌外毒素A分子の抗原
決定基を特異的に認識する単一な(homogeneous)ヒト
型の抗体を指す。本ヒトモノクローナル抗体は、緑膿菌
外毒素Aに対して結合する能力(結合活性)、外毒素A
の細胞への侵入を阻害する活性、外毒素Aの酵素活性を
阻害する活性(中和活性)をもち、外毒素A産生性緑膿
菌による感染症を治療することができる。更に外毒素A
産生性緑膿菌の分離鑑別に用いることができる。 本発明を以下、詳細に説明する。 本発明に含まれるヒトモノクローナル抗体の製造方法
は、基本的に、以下の諸過程にわけることができる。
抗原感作されたヒトリンパ球B細胞の調製、無制限増
殖能力の賦与によるモノクローナルな特異抗体産生細胞
株の樹立、モノクローナルな特異抗体産生細胞株の培
養、培養液からのモノクローナルな特異抗体の精製、
モノクローナルな特異抗体を含む高力価免疫グロブリ
ン製剤の調製。 順次、説明する。 ヒトのリンパ球B細胞とは、緑膿菌外毒素Aに対する
抗体を産生するヒトリンパ系細胞で、主として末梢血液
よりリンフォプレップ、モノポリ分離液などのリンパ球
分離液を用いた遠心分離法によって分離されるが、各種
疾患の診断および治療の目的で摘出されたリンパ節、脾
臓などの臓器や臍帯血由来のリンパ球B細胞を材料に用
いることもできる。緑膿菌による感染、特に外毒素A産
生緑膿菌による感染症を患ったことがあり、生体内で感
作された既応症のヒト由来のリンパ球B細胞を用いるこ
とが望ましい。あらかじめ、血清中の抗体価を測定する
ことにより適切なリンパ球提供者を選別することができ
る。又、別の方法として、緑膿菌症の有無を問わず、ヒ
トリンパ球B細胞を採取し、試験管内にて不活化された
緑膿菌外毒素Aと混合することによって感作せしめるこ
とができる。すなわち、抗原としての不活化緑膿菌外毒
素Aをリンパ球B細胞に添加する。更にアメリカヤマゴ
ボウレクチン(PWM)などの植物性レクチン、Cowan Iな
どの菌体成分、ヒトリンパ球の混合培養液、脾臓細胞、
胸腺細胞又は臍帯血細胞の培養液又は、B細胞増殖因子
およびB細胞分化因子等のリンフォカイン類を含む溶液
などを同時に、又はそれぞれの組み合わせで添加するこ
とによって試験管内にて抗原感作し、引き続き抗体産生
細胞へと増殖・分化させたヒトリンパ球B細胞を用いる
ことができる。これらのヒトリンパ球B細胞は、その細
胞表面に抗体分子を有し、ある限られた期間、少量の抗
体を分泌することが可能であるが、無制限に増殖するこ
とはできないことを特徴とする。 抗原感作されたヒトリンパ球B細胞を無制限、連続的
に増殖可能な細胞株とする方法として、本発明は基本的
に二種類の方法を含む。第一の方法は、抗原感作された
ヒトリンパ球B細胞をマーモセット細胞B95−8から調
製されたEBウイルスと混合培養することによってEBウイ
ルスをリンパ球B細胞に感染させる。好ましくは、1細
胞あたり2〜10TD50のウイルスを混合する。96穴マイク
ロプレートの1ウエルあたり0.5〜3×104個の細部を播
種し、あかじめ選別されたウシ胎児、ウシ、ウマ又はヒ
ト等の血清を2〜20%(v/v)にて含むRPMI1640又はEag
le's MEMなどの通常の培地を用いて5〜10%CO2存在
下、32〜37℃にて、2〜5週間培養することによって形
質転換細胞(transformed cell)を得る。培養中2〜4
日毎に培地を半量ずつ交換する。必要に応じて、マイコ
プラズマの汚染を防ぐ抗生物質や合成抗微生物薬を添加
する。形質転換細胞は、感染10日以降、20〜200個の細
胞集団として光学顕微鏡下で観察され、非形質転換細胞
と容易に区別し得る。充分に増殖された形質転換細胞を
含むウエル(well)の培養液を酵素免疫法(ELISA)に
よってスクリーニングして特異抗体産生の認められるウ
エルを選択する。その後、形質転換された細胞塊(クラ
スター)を含む溶液をピペットを用いて軽く吸引・排出
する操作を繰り返すことによってクラスターをほぐし、
培地にて適切な細胞濃度に希釈し0.5〜100個細胞/ウエ
ルとなるように96穴マイクロプレートに播種培養する、
いわゆる限界希釈法(Limi−ting dilution method)を
用いるか、又は軟寒天を利用してクローニングする。0.
36〜0.4%(w/v)の軟寒天(Sea plaque agaroseが好ま
しい)2mlに形質転換細胞約7×104〜7×105個を混合
し、あらかじめ0.5%寒天3mlにて基層の作られた培養プ
レート(30mmφ)へ重層・固定し、5%CO2、37℃にて
培養する。1細胞から増殖してくるコロニーを得る。ク
ローニングの際に、feeder layerとしてマウス腹腔内細
胞、ヒト臍帯血リンパ球又はX線照射処理したマウス脾
臓細胞を用いることが望ましい。クローニングされた細
胞株の培養上清の抗体価をELISA法にて測定し、特異抗
体産生量の多い株を更に選別する。このクローニング、
抗体の高産生株の選別を2〜3回繰り返し、増殖の速
い、かつ特異抗体を安定的、大量に産生する形質転換細
胞株を選択し樹立する。 第二の方法は、抗原感作されたヒトリンパ球B細胞と
骨髄腫細胞とをポリエチレングリコール(PEG)の存在
下に細胞融合する方法である。用いられる骨髄腫細胞
は、P3×63−Ag 8UI(P3UI)、P3×63−Ag 8.653など
の、マウス骨髄腫細胞由来のヒポキサンチン・グアニ
ン、ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRTと略)
欠如変異株、又は、ヒト骨髄腫細胞U−266由来のHGPRT
欠如変異株などを指す。骨髄腫細胞の代わりに、ヒトB
リンパ芽球細胞由来のHGPRT欠如変異株を用いることも
できる。PEGとしては、PEG1,000〜6,000を30〜50%(w/
v)の濃度で用いる。レクチン、ポリ−L−リジンやDMS
Oなどを添加することにより融合効率を高めることもで
きる。PEGの代わりに、センダイウイルス(HVJウイル
ス)を用いることも可能である。融合方法は、マウス細
胞同志を融合し、マウスモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマを取得したK'ohler and Milsteinらの方
法(Nature 256,495 1975)に準ずる。簡単に記述すれ
ば、抗原感作されたヒトリンパ球B細胞とHGPRTの欠如
した骨髄腫細胞とを10〜1:1の割合にて混合し、30〜50
%(w/v)PEG6000を0.5〜1分間に少量ずつ加え、1〜1
0分間静置する。その後、5〜10分間に10〜50mlの血清
不含培地を加える。更に培地を加え105〜106個細胞/ml
の濃度に調製し、96穴マイクロプレートに1ウエルあた
り2×104〜2×105個の細胞を播種する。翌日、ヒポキ
サンチン・アミノブテリン・チミジン含有培地(HAT培
地と略)に半量交換し、5%CO2、32〜37℃にて培養す
る。約10〜20日間新しいHAT培地を用いて、続いて約3
〜5日間ヒポキサンチン・チミジン含有培地(HTと略)
に、3日毎に半量ずつ交換を続け約2〜3週間培養し
て、増殖してくるコロニー、いわゆるハイブリドーマを
得る。HGPRT欠如変異株を用いることなく、代謝阻害剤
を組み合わせることによってハイブリドーマを選択する
ことも可能である。ハイブリドーマの培養液の抗体価を
ELISA法又はラジオイムノアッセイ(RIAと略)によって
測定し、緑膿菌外毒素Aに対する特異抗体産生株を選別
する。限界希釈法又は軟寒天法によって、2〜3回クロ
ーニングを繰り返し、増殖の速い、特異抗体産生量の多
い、安定した細胞株を得る。抗原感作されたヒトリンパ
球B細胞の代わりに、第一の方法によってEBウイルス形
質転換された細胞を用いることもできる。 その場合、EBウイルス形質転換細胞と、HGPRTの欠如
した骨髄腫細部とを5〜0.2:1の割合にて混合し細胞融
合することが望ましい。 以上、EBウイルス形質転換法(EB virus transformat
ion method)又は細胞融合法(cell fusion methd;hybr
idoma method)を用いて、抗原感作ヒトリンパ球B細胞
より樹立された細胞株は、連続的に増殖することができ
ること、しかも、特異抗体を安定的に、かつ大量に産生
し得ることを特徴とする。 これら樹立された形質転換細胞又はハイブリドーマ
(0.5〜5×105個細胞/ml)を通常の動物細胞培養用培
地にてCO2インキュベーターを使用して2〜10%CO2、32
〜37℃の条件のもとで培養フラスコやプレート等の容器
内で静置培養又は回転培養する。特に大量に培養する時
は、動物細胞用に設計されたジャーファーメンターやホ
ロファイバーシステム等を用いることもできる。通常の
動物細胞培養用培地とは、ウシ胎児、仔ウシ、ウシ、ウ
マおよびヒトなどの血清を2〜20%含有するRPMI1640、
Eagle'SMEMに代表される培地、又は、インシュリン、ト
ランスフェリン、エタノールアミン、セレナイト、ウシ
アルブミン、リビドなど細胞の増殖に必要な微量成分を
含む無血清培地を指す。上記の試験管内細胞培養以外
に、形質転換細胞、又はハイブリドーマをヌードマウス
などの動物体内へ接種することによって細胞を腹腔など
の体内にて培養することも可能である。マウスやヌード
マウスの場合、1匹あたり0.5〜2.5×107個の細胞を腹
腔内投与する。この場合、細胞接種前に、プリスタンや
抗アシアロGM1抗体を投与することが望ましい。X線照
射や摘脾手術も有効の場合がある。 抗体の精製は通常の生化学的手法を組み合わせること
によってなされる。すなわち、硫安沈澱分画法、エタノ
ール沈澱分画法、PEG分画法、イオン交換クロマトグラ
フィー、ゲル濾過法、アフィニティクロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー、電気泳動法等であ
る。精製過程におて、凝集物の形成や抗体活性の低下を
防ぐ工夫が必要である。例えば、ヒト血清アルブミン
(HSAと略)を0.05〜2%の濃度で添加する。その他グ
リシンやα−アラニンなどのアミノ酸類、特にリジン、
アルギニンやヒスチジンの塩基性アミノ酸、グルコース
やマンニトールなどの糖類、塩化ナトリウムなどの塩類
を添加することが好ましい場合がある。IgM体の場合、
特に凝集しやすいことが知られている。β−プロピオニ
ラクトンや無水酢酸などで処理することは、凝集を阻止
することができ静脈内投与も可能とする。 精製されたヒトモノクローナル抗体は、生物学的製剤
の製剤化に通常用いられる方法によって製剤化される。
基本的には、メンブレンフィルター等による濾過除菌操
作の後に、安定化剤とともに滅菌バイアルに凍結乾燥さ
れる。 本ヒトモノクローナル抗体製剤は、細菌感染治療・予
防剤として、緑膿菌外毒素Aに対する1種類のヒトモノ
クローナル抗体より成ることも可能であるが、更に好ま
しくは、緑膿菌外毒素A分子の異なる抗原決定部位を認
識しうる、少なくとも2種類又はそれ以上のヒトモノク
ローナル抗体と混合して用いられる。又は緑膿菌外毒素
A以外の緑膿菌由来抗原、例えばエラスターゼ、プロテ
ーアゼなどの緑膿菌外酵素や外膜蛋白・内毒素構成成分
などを認識する従来型のヒトの抗体と混合して使用され
る。更には、緑膿菌以外の細菌、ウイルス、真菌、原
虫、癌細胞に対する従来型のヒト抗体に、本発明によっ
て得られる緑膿菌外毒素Aに対するヒトモノクローナル
抗体を添加して用いることができる。従来のヒト免疫グ
ロブリン製剤に、本発明によって得られるヒトモノクロ
ーナル抗体を添加して、外毒素Aに対する高力価免疫グ
ロブリン製剤とされる。 本発明によって得られるヒトモノクローナル抗体は、
主としてクラスIgGおよびIgMに属するがこれに限定され
たものではない。本ヒトモノクローナル抗体は、緑膿菌
外毒素Aに対して結合する(結合活性)。その結合定数
として108l/モル以上の高い結合親和性をもつことが望
ましい。その他、外毒素Aの細胞への侵入を阻害する活
性、外毒素Aの酵素活性を阻害する活性(中和活性)を
もち、外毒素A産生性緑膿菌による実験的マウス感染症
を治癒することができる。 外毒素A産生性緑膿菌による感染症および、その細菌
を含む混和細菌感染症の治療・予防に用いられる時、本
ヒトモノクローナル抗体を少なくとも1種類含むヒト免
疫グロブリン製剤は、重症の場合成人あたり1回1〜10
g、予防や通常の治療の場合成人あたり1回0.2〜5gが投
与される。 以上、詳しく述べたように、本発明によって得られる
緑膿菌外毒素Aに対するヒトモノクローナル抗体は、同
抗原に対して高い抗体価を有し、マウス実験的感染症の
系で従来の免疫グロブリン製剤よりも、はるかに優れた
治療効果を示すことが、第一の特徴である。その他、ヒ
ト由来の蛋白であることより、異種蛋白の投与時にみら
れるアナフィラキシー等の副作用の少ないことが期待さ
れるし、特定の細胞より生産・精製される抗体であるこ
とより、不特定多数のヒト血液より製造された従来の免
疫グロブリン製剤にくらべ、未知のバイオハザートが混
入してくる可能性の低いことが特徴である。又、本ヒト
モノクローナル抗体の製造方法としては、生体外で、大
量に、高力価の特異抗体を安定して製造することが特徴
であり、従来のヒト血液より製造する方法にくらべ高力
価など生物活性の点で、安定的供給ができるなど品質管
理の点で優れる。 以上、本発明の基本となるものである。 次に実施例をあげて本発明をさらに具体的に説明する
が、本発明はこれのみに限定されないことは言うまでも
ない。 実施例1 EBウィルス形質転換法によるヒトモノクローナル抗体
産生株の樹立(1) (1)EBウィルス溶液の調製およびそのウィルス価の検
定 EBウィルスの産生放出しているマーモセット細胞B95
−8を、ウシ胎児血清(以下FCSと略)を容量比として1
0%含有スルRPMI1640培地に6.5×105細胞/mlの割合にて
懸濁し、培養フラスコT−75(Corning # 25110)を用
いて5%CO2 37℃の条件のもと4日間静置培養した。
培養上清を採取し低速遠心機(トミー精工RS−20BH)を
用いて2,000rpm(ローターTS−7)、10分間遠心分離
し、およびそれに引き続いてその上清を0.45μメンブレ
ンフィルター(マイレクスSLHA0250S)にて濾過した。
その濾液をセラムチューブ(住友ベークライトMS−450
5)に分注し、−80℃に保存、必要時適宜溶解しヒトリ
ンパ球のEBウィルスによる細胞形質転換(トランスフォ
ーメーション)の実験に用いた。EBウィルス溶液のウィ
ルス価はヒト抹消血リンパ球を指示細胞としてD、J、
Moss and J、H、Popeの方法(J、General Virology、
17,233,(1972))に準じて行なった。すなわち10%FCS
含有RPMI1640培地に懸濁されたヒト末梢血リンパ球(10
6細胞/ml)を96ウェルマイクロプレート(住友ベークラ
イト)に1ウェルあたり100μlずつ分注した。その後1
00〜107の範囲にて前述の培地にて10倍系列希釈されたE
Bウィルス溶液を20μlずつ添加し5%CO2、37℃にて培
養した。3日毎に1/2容量の培地を交換し3週間後、光
学顕微鏡を用いて形質転換された細胞像の有無を調べ
た。各希釈段階あたり6ウェルを用いて試験し形質転換
率を求めた。50%の細胞を形質転換するに要する最高希
釈℃を各希釈段階の形質転換率からReed and Muench法
にて推計学的に求めその中のウィルス量を1TD50とし、
逆算して元の試験中のウィルス量をTD50数で表わした。
ウィルス量105〜107TD50/mlのEBウィルス液を得た。 (2)ELISAによる抗緑膿菌外毒素A抗体価の推定 抗緑膿菌外毒素A抗体価の測定はS.J.Cryz,E.Fu'rer,
R,Germainerの方法(Infection and Immunity,40,659,
(1983))に準じて行なった。すなわち5μg/mlの濃度
で0.1M重曹緩衝液(pH9.6)に溶解した緑膿菌外毒素A
溶液を96ウェルマイクロプレート(ファルコン # 39
12、以下マイクロプレートと略称する)に1ウェルあた
り100μlずつ分注し、37℃に2時間インキュベートし
外毒素Aをマイクロプレートに吸着させた。 マイクロプレートから外毒素A溶液を除去した後3%
ウシ血清アルブミン(以下BSAと略称する)含有リン酸
緩衝液pH7.2(組成NaCl(8g/l)KCl(0.2g/l)Na2HPO4
・12H2O(2.9g/l)およびKH2HPO4(0.2g/l))(PBSと
略)を1ウェルあたり120μlずつ分注し37℃にて30分
間インキュベートすることにより外毒素Aの未吸着部分
をブロッキングした。マイクプレートを抗原吸着プレー
トとして以後の操作に用いた。必要に応じてこの段階で
−20℃に保存した。アッセイ前に抗原吸着プレートを0.
05%Tween20含有PBS(以下PBSTと略)で3回洗滌した。
その後1%BSA含有PBSTを1ウェルあたり50μl分注、
必要に応じ1%BSA含有PBSTで適宜希釈した試料(血清
腹水又は培養上清)を1ウェルあたり50μl加え、37℃
で2時間インキュベートした。その後試料を除去し、PB
STで3回洗滌した。続いて第2抗体液を1ウェルあたり
100μlずつ加え、37℃で2時間インキュベートした。
第2抗体として1%BSA含有PBSで500〜1,000倍希釈した
ホスファターゼ標識アフィニティ精製抗ヒト免疫グロブ
リン抗体(Kirkegaard & Perry Lab.Inc.)を用いた。
IgG、IgM抗体価の測定にはそれぞれホスタファーゼ標識
抗ヒトIgG抗体、抗ヒトIgM抗体を用いた。第2抗体を除
去し、PBSTで3回洗滌後、発色基質溶液(p−ニトロフ
ェニルリン酸−2−ナトリウム塩(3mg/ml)を1mlのNaN
3(0.2mg/ml)MgCl2・6H2O(0.1mg/ml)を含む10%ジエ
タールアミン緩衝液(pH9.1)に溶解した溶液)を1ウ
ェルあたり100μlずつ加え、37℃で反応させた。45分
間反応後、3NNaOHを1ウェルあたり20μlずつ加えるこ
とにより反応を停止した。反応後のOD405をマルチスキ
ャン(Titertek)で測定した。 (3)リンパ球提供者の選別 29名のヒトより末梢血を採取し、分離された血清試料
の抗緑膿菌外毒素A抗体価を前述のELISA法で測定し
た。その結果の一部を表1に示す。5試料で抗外毒素AI
gG抗体価が高く、そのうち1資料では抗外毒素AIgM抗体
価も比較的高かった。 (4)ヒト末梢血からのリンパ球の調製 血清中の抗緑膿菌外毒素A抗体が高かったヒトNo.1の
末梢血100mlを採取した。遠心管(住友ベークライト、5
0ml容積)に15mlのモノポリ分離液(Flow Lab.)を入
れ、その上に更に末梢血20mlを静かに重層した。低速遠
心機(トミー精工RS−20BH)を用い2,500rpm(ローター
TS−7)で室温15分間遠心分離し赤血球とリンパ球を分
離した。リンパ球を含む部分を回収し、10%FCS含有RPM
I1640培地(以下培地と略)で2回洗滌した後、細胞数
を計算した。その結果1.2×103ケのリンパ球を得た。 (5)EBウェルス形質転換法による抗緑膿菌外毒素A抗
体産生株の樹立 ヒトNo.1末梢血リンパ球2×107細胞を2mlの培地に懸
濁し前述のEBウェルス液10ml(ウィルス量107TD50/ml)
を加え5%CO2、37℃にて2時間インキュベートした。
その後低速遠心機(トミー精工RS−20BH)を用い2,000r
pm(ローターTS−7)で10℃、2分間遠心分離しEBウィ
ルスの感染したヒトリンパ球を回収した。EBウィルスの
感染したヒトリンパ球を10%牛胎児血清およびペニシリ
ン(100IU/ml)、ストレプトマイシン(50μg/ml)、ポ
リミキシン(25μg/ml)、スペクチノマイシン(20μg/
ml)、アルギニン(0.2mg/ml)を含む培地(Mycoplasma
Cocktail,Bradley,et.al 5th International Congress
of Immunology.Kyoto,1983;以下MPCと略)に懸濁し
(約2×105細胞/ml)、あらかじめマウス腹腔内浮遊細
胞(3×104細胞/ウェル)を入れておいたマイクロプ
レートに1ウェルあたり100μlずつ播種した。培養一
週間後から3日毎に半量ずつ新鮮なMPCと交換し3週間
後に細胞の増殖を観察した。培養したすべてのウェルで
EBウィルス形質転換細胞の増殖が認められた。更に培養
上清に含まれる抗外毒素A抗体価を前述のELISA法にて
測定した。その結果1/960の割合で抗外毒素AIgG抗体価
の高いウェルを認めた(FK−5A5)。培養上清には2μg
/mlのヒトIgGが含まれる50倍希釈したNo.1の血清と同程
度の抗体価を示した。 (6)クローニング 抗外毒素A抗体価の高かったウェルの細胞集団の一部
をとり、102細胞/mlの割合にてMPCに懸濁し、あらかじ
めマウスの腹腔内浮遊細胞(3×104細胞/ウェル)を
入れておいたマイクロプレートに1ウェルあたり100μ
lずつ播種しクローニングを行なった。培養5日目より
3日毎に半量ずつ新鮮なMPCと交換した3週間後に培養
上清に含まれる抗外毒素A抗体価を測定した。培養3週
間後には96ウェル中68ウェルで形質転換細胞の増殖が認
められた。そのうち抗外毒素A抗体価の高いウェルが3
つ、比較的高いウェルが6つ得られた。同時に抗体価の
高いウェルの細胞を用い、更に繰り返し安定して抗外毒
素A抗体を産生する細胞株FK−5A5を樹立した。 実施例2 EBウィルス形質転換によるヒトモノクローナル抗体産生
株の樹立(2) 実施例1のごとくEBウィルス液の調製、ELISAを用い
たアッセイ、ヒト末梢血リンパ球の調製を行なった。
又、EBウィルストランスフォーメーションによる抗緑膿
菌外毒素A抗体産生株の樹立も基本的には実施例1と同
じ方法で行なった。すなわちヒトNo.1末梢血リンパ球9.
0×106ケの細胞とウィルス価107TD50/mlのウィルス液5m
lとを混合させることによって感染させ、マイクロプレ
ートに1ウェルあたり1.8×104ケの細胞を播種し、実施
例1のごとく培養した。培養12日後に100%のウェルで
細胞の増殖が認められ1/480の割合で抗緑膿菌外毒素A
抗体価の高いウェルが得られた。得られた細胞株FK−00
1は抗体価を低下することなく安定的に抗緑膿菌外毒素
A抗体を産生した。産生された抗体のクラスはIgMであ
った。 実施例3 ヒト・マウス細胞融合によるヒト抗緑膿菌外毒素Aモノ
クローナル抗体産生株の樹立 (1)ラジオイムノアッセイ(RIA)法による抗緑膿菌
外毒素A抗体価の測定法 96ウェルマイクロプレート(Falcon # 3912)を洗
滌し、1ウェルあたり200μlの3%BSAを含むPBSを添
加後37℃、30分間インキュベートした。次に3%BSAを
含むPBSを除去し37℃、10分間乾燥後PBSにて3回洗滌し
た。洗滌後1%BSAを含むPBSにて希釈した培養上清又は
腹水500μlと1%BSAを含むPBSにて希釈した。125I標
識緑膿菌外毒素A(約20,000cpm)50μlを各ウェルに
添加し37℃2時間インキュベート後、4℃にて一夜静置
した。翌日さらにPBSにて希釈したウサギ抗ヒトIgM
(G)抗血清(MILES−YEDA # 65−066抗IgG,#65−
067抗IgM)50μlを各ウェルに添加し37℃1時間攪拌
後、さらに1mg/mlのゼラチン、0.02%のNaN3を含むPBS
に懸濁したProtein A−Sepharose(Pharmacia)20μl
を各ウェルに添加し4℃1時間で攪拌した。攪拌後、マ
イクロプレートを1,500×gにて10分間遠心した。遠心
後、上清の半量を除去し代わりに5mMEDTA、1mg/mlゼラ
チン、0.02%NaN3、150mMNaClを含むトリス塩酸バッフ
ァー(50mM、pH7.5、以下洗滌バッファーと略す)を各
ウェルに添加した。再び遠心後、上清の半量を洗滌バッ
ファーにて交換した。この操作を3〜5回繰り返した
後、各ウェルを分離してγ−カウンターにより放射能量
を計測した。 (2)抗原感作されたヒト末梢血リンパ球の調製 実施例1−(3)および1−(4)において述べた要領
にてヒトの末梢血よりリンパ球B細胞を調製した。 (3)細胞融合 MOPC−21ラインに由来しHGPRT(ヒポキサンチン・グ
アニン・ホスホリボシルトランスフェラーゼ)を欠如す
るマウスBALB/Cミエローマ細胞、P363−Ag 8u 1(Margu
ili−es et.al.,Cold Spring Harbar Symp.Quant.Bio
l.,41,781(1976))をRPMI1640培地(含10%牛胎児血
清)又はMPCで継代しておき、そのうち107ケの細胞をEa
gles'sMEMにて3回洗滌した。一方、実施例1−(4)
に記載されたモノポリ分離液に代えて、リンホプレップ
(Nyegaard)にて分離したヒト末梢血リンパ球1〜5×
107ケの細胞をEagle'sMEMにて3回洗滌し107ケのミエロ
ーマ細胞を遠心管(Corning # 25330)内にて混合し
て400×gで7分間遠心しペレットとした。このペレッ
トに1mlのPEG # 6,000(45%Eagle'sMEM溶液、KOCH
−LIGHT)を約30秒かけて遠心管を回転しつつ添加し室
温にて3分間静置した。次にEag−le'sMEMを1分間に2m
lの割合で遠心管を回転しつつ添加しこれを7回繰り返
した。最後にEa―gle'sMEMを約20ml加えた後400×gに
て7分間遠心した。遠心後ペレットを15%牛胎児血清、
2mML−グルタミン、1mMピルビン酸ナトリウムを含む150
mlのRPMI1640培地又はMPCに懸濁し1ウェルあたり6.7×
104ケのミエローマ細胞となるよう96ウェルマイクロプ
レート(Falcon # 3040)に分注した。同時にfeeder
layerとして5×105/mlとなるようマウスBALA/C脾臓細
胞を各ウェルに添加した。このマイクロプレートを5%
CO2、37℃にて培養し翌日より2〜3日ごとにHAT選択培
地にて半量を培地交換した。融合約2週間後、増殖のみ
られたウェルの培養上清についてELISA(実施例1−
(2))又はRIA(実施例3−(1))により抗緑膿菌
外毒素A抗体産生の有無を調べた。その結果の一部を表
2に示す。その中から抗体価の比較的高いウェル中の融
合細胞(ハイブリドーマ)を拡大培養すると同時に限界
希釈法(limiting dilution)によりクローン化した。
約2週間後、クローンの培養上清について同様の方法に
より抗緑膿菌外毒素A抗体選生の有無を調べ最終的に4
種のクローンを得た。RIAによる測定。詳しい方法は、実施例3−(1)に記
載。 (4)細胞の拡大培養、抗体の調製および抗体価の測定 得られたクローン化ハイブリドーマ及びクローン化前
の抗体産生性ウェル中のハイブリドーマをin virto
培養し、培養上清を得ると共に約107ケのハイブリドー
マをブリスタン(2,6,10,14−テトラメチルペンタデカ
ン)で前処理したヌードマウスの腹腔内に注射すること
によってin vivoで培養し、腹水を採取し、RIA(実施
例3−(1))にて抗体価を調べた。その結果の一部を
表3に示す。ハイブリドーマ3F6由来の腹水は対照のミ
エローム細胞P3U1由来の腹水よりも有意に高い抗体価を
示した。 RIAによる測定。実施例3−(1)を参照。 (5)の抗体の特異性 ハイブリドーマ由来腹水中の抗体が緑膿菌外毒素Aに
対して特異的に反応することをRIA(実施例3−
(1))を利用した拮抗阻害実験によって確認した。実
施例3−(1)に述べられたごとく、BSAをあらかじめ
吸着させた96ウェルマイクロプレート(Falcon # 39
12)を洗滌後、1%BSAを含むPBSにて希釈した腹水50μ
l、1%BSAを含むPBSにて希釈した一定量の125I標識緑
膿菌外毒素A(約20,000cpm)50μlおよび1%BSAを含
むPBSにて希釈した各々の濃度の無標識緑膿菌外毒素A10
μlを各ウェルに添加し37℃2時間インキュベート、そ
の後4℃にて一夜静置した。その後実施例3−(1)に
述べられたごとくウサギ抗ヒトIgM(G)抗血清、Prote
in A−Sepharoseを順次添加、インキュベート、遠心分
離、洗滌後、抗原抗体結合物の放射能量を計測した。ハ
イブリドーマ3F6由来の腹水中抗体の例を表4に示す。
無標識抗原の同時添加により拮抗阻害がみられ、本抗体
が緑膿菌外毒素Aと特異的に反応することが示された。 バックグランド値は650〜750cpm。 実施例4 ヒト・ヒト細胞融合によるヒト抗緑膿菌外毒素Aモノク
ローナル抗体産生株の樹立 PGLC33Hライン由来HGPRT(ヒポキサンチン・クアニン
・ホスホリポシルトランスファーゼ)を欠如するヒトリ
ンパ芽球様細胞NC0467・3(Chiorazzi et.al.,J.Eexp.
Med.156,930(1982))をRPM1640培地(含10%牛胎児血
清)で継代しておき、そのうち107ケの細胞を実施例3
に述べたハイブリドーマ作製と同じ方法にて1〜5×10
7ケのヒト末梢血リンパ球と融合させた。融合約3週間
後増殖のみられたウェルの培養上清についてELISA(実
施例1−(2))又はRIA(実施例3−(1))により
抗緑膿菌外毒素A抗体産生の有無を調べ抗体産生性ウェ
ル中のハイブリドーマについて限界希釈法(limiting d
ilution)によりクローン化した。約3週間後クローン
の培養上清について同様の方法により抗緑膿菌外毒素A
抗体産生の有無を調べ抗体産生性クローンを得た。 実施例5 EBウィルス形質転換細胞を用いた細胞融合実施例2の
ごとくEBウィルスにて形質転換した抗緑膿菌外毒素A抗
体産生性ヒトリンパ芽球様細胞株FK001 0.5×107個の細
胞を用い、ヒト・マウスハイブリドーマ作製(実施例
3)と同様の方法にてマウスミエローマ細胞株P3・NS−
I・I−Ag4−1(NS−1) 2.5×107個の細胞と融合
させた。 融合させた細胞は、10%牛胎児血清を含む100mlのMPCに
懸濁し、1ウェルあたり5×104個のミエローマ細胞と
なるように96ウェルマイクロプレート(Falcon #304
0)に分注した。同時に、feeder layerとして5×105ml
となるようにマウスBALB/C腹腔内細胞、及び1×105/ml
となるようにマウスBALB/C脾臓内浮遊細胞を各ウエルに
添加した。5%CO2、37℃にて培養し翌日より2〜3日
毎に、1μg/ml Azaserine、100μM Hypozanthine、0.5
μM Ouabainを含むHAz−Ouabain選択培地にて半量を培
地交換した。融合約3週間後、増殖のみられたウエルの
培養上清について、ELISA(実施例1−2)により抗緑
膿菌外毒素A抗体産生性の有無を調べた。 その結果の一部を表5に示す。抗体価の高いウエル
(5G8)中の融合細胞を、拡大培養すると同時に限界希
釈法(limiting dilution)によりクローン化した。約
2週間後、クローンの培養上清について同様の方法によ
り、抗緑膿菌外毒素A抗体産生性の有無を調べた。その
結果の一部を表6に示す。 最終的に、FK001と同様のヒトIgM抗緑膿菌外毒素A抗
体を安定に生産する2種のクローン5G8−A8、5G8−E11
を得た。 実施例6 試験管内免疫法による抗原感作リンパ球の調製および
細胞融合実験 25人のヒトの血液から調製されたヒト末梢血リンパ球
を混合し(各々2×106ケの細胞)、50mlのRPMI1640培
地(含10%牛胎児血清)を加えて培養フラスコT−75
(Corning # 25110)にて5%CO2、37℃、3日間培
養して得られた培養上清を15%牛胎児血清、2mM L−グ
ルタミン、1mMピルビン酸ナトリウムを含むRPMI1640培
地と等量ずつ混合し、さらに0.25〜2.5μg/mlのアメリ
カヤマゴボウレクチン(PWM)、0.001%のCowan Iおよ
び100ng/mlの不活性化緑膿菌外毒素Aを添加した。この
培地に107/mlとなるようヒト末梢血リンパ球を加え10ml
を培養フラスコT−75(Corning # 25110)にて5%
CO2、37℃4日培養した。培養後、遠心により試験管内
免疫法により抗原感作されたヒト末梢血を分離し、その
1〜5×107ケの細胞を用いてヒト・マウスハイブリド
ーマ作製(実施例3)又はヒト・ヒトハイブリドーマ作
製(実施例4)と同じ方法にてマウスミエローマ細胞、
又はヒトリンパ芽球様細胞と融合させた。融合約2〜3
週間後、増殖のみられたウェルの培養上清についてELIS
A(実施例1−(2))又はRIA(実施例3−(1))に
より抗緑膿菌外毒素A抗体産生の有無を調べ、抗体産生
性ウェル中のハイブリドーマについて限界希釈法(limi
ting dilution)によりクローン化した。約2〜3週間
後、クローン化された細胞の培養上清について同様の方
法により抗緑膿菌外毒素A抗体産生の有無を調べ抗体産
生性クローンを得た。 実施例7 特異抗体の精製およびその性状の解析 EBウェルによって形質転換され、抗緑膿菌外毒素A抗
体産生株として樹立されたFK−001細胞を10%FCS含有RP
MI1640培地にて培養した。その培養上清330ml(蛋白質
量750mg)を50%飽和硫安にて沈澱させ、その後0.2M Na
Cl含有0.1Mトリス−塩酸緩衝液pH8.0に対して透析し
た。透析液10mlをSephadex G−200カラム(直径2.5cm、
長さ85cm、容量417ml)に負荷し、0.2M NaCl含有0.1Mト
リス−塩酸緩衝液pH8.0にて溶出した。このゲル濾過に
て蛋白として3つのピーク(IgM、IgG、アルブミン画
分)が得られ、抗緑膿菌外毒素A抗体活性は、IgM画分
のみに回収された。蛋白の回収率は3%で、比活性は約
8倍上昇した。 精製されたFK−001抗体を2−メルカプトエタノール
で還元しSDS/12.5%アクリルアミドゲルにて電気泳動を
したところ84−86K(H鎖)および25−29K(L鎖)付加
にバンドを認めた。ゲル濾過のデータを考慮に入れると
FK−001抗体のみかけ分子量は950〜1150Kダルトンと計
算された。又、精製されたFK−001抗体を2−メルカプ
トエタノールで還元し、SDS/12.5%アルリルアミドゲル
にて電気泳動後、常法によりニトロセルロース(Schlei
sher & Suchuell)にトランスファーし、アルカリフォ
スファターゼ標識抗μ、γ重鎖抗体(Kirkegaard &Per
ry Labortory,Inc.)およびアルカリフォスファターゼ
標識抗K、λ軽鎖抗体(E.Y Laborator−ies Inc)とそ
れぞれ反応させた。 所謂ウエスタン プロティングにより、FK−001標品
は抗μおよびK鎖抗体とのみ反応した。 すなわち、FK−001抗体はIgM(μ,K)である。 実施例8 ウエスタンブロット法による抗原特異性の解析 緑膿菌外毒素A3.5μggおよび、分子量測定マーカー用
蛋白13.2μg(フォスホリラーゼb1.5μg、BSA1.9μ
g、卵白アルブミン3.3μg、炭酸脱水素酵素1.91μ
g、大豆トリプシンインヒビター1.8μg、α−ラクト
アルブミン2.8μgの混合物)をSDS/ポリアクリルアミ
ドゲル電気泳動後、ゲルをトランスバッファー(25mMト
リス・192mMグリシンpH8.3、20%(v/v)メタノール)
に4℃一夜浸漬した。次いでニトロセルロース膜(Bior
ad)へ電気的(30V、4.5h)に、室温にてトランスファ
ーし、2%BSA含有0.9%NaCl加50mMトリス、塩酸緩衝液
pH8.0(TBSと略)で室温、1時間インキュベートするこ
とによりブロッキングした。更に0.1%BSA、10%FCS含
有TBSで室温、1時間インキュベートすることによりブ
ロッキングされたニトロセルロース膜をNo.1血清(EL
ISA法にて抗緑膿菌外毒素A抗体活性のあるヒト血
清)、抗緑膿菌外毒素A抗体産生細胞株FK−001培養
上清、FK−001培養上清より精製されたIgM画分、EB
ウィルス形質転換細胞株HI−006培養上清、の各々の水
溶液を37℃1時間、続いて4℃一夜インキュベートし
た。0.05%Tween20含有TBS(pH8.0)でニトロセルロー
ス膜を5回洗滌した後、第2抗体(1%BSA、0.05%Twe
en20含有PBSにて3,000倍希釈されたペルオキシダーゼ標
識抗ヒトイムノグロブリン抗体)と37℃1時間インキュ
ベートした。同様に、0.05%Tween20含有TBS(pH8.0)
で5回洗滌後、発色試験薬(0.5mg/mlクロロナフトー
ル、20%メタノール、0.03%H2O2を含むTBS、pH7.5)を
添加し、発色させた。 その結果、緑膿菌外毒素Aを電気泳動したレーンでは
No.1血清()、FK−001培養上清()およびその精
製IgM()との反応において、分子量68〜72K付近に発
色したバンド1本のみを認めた。FK−006培養上清
()との反応においては、全く発色がみられなかっ
た。又、分子量測定用マーカー蛋白を電気泳動した場合
は、いずれの抗体とも反応せず、発色がみられなかっ
た。このことはFK−001抗体が特異的に緑膿菌外毒素A
と反応していることを示す。 実施例9 抗体による緑膿菌外毒素A中和活性 マウスBALA/C 3T3細胞を2.0×105細胞/mlの割合で10
%FCS含有RPMI1640培地に懸濁し、96ウェルマイクロプ
レート(住友ベークライトMS−3096F)に1ウェルあた
り100μlずつ播種して5%CO2、37℃にて48時間培養し
た。その後、FK−5A5、FK−001、HI−006等のEBウィル
ス形質転換モノクローナル抗体産生細胞株の培養上清を
1ウェルあたり100μl加えた。同時に緑膿菌外毒素A
(10〜200ng/ml)を1ウェルあたり10μl添加した。外
毒素A処理された3T3細胞は、5%CO2、37℃にて24時間
培養後、3H−ロイシン(10μCi/ml)を含む培地へ全量
交換し更に2時間培養した。細胞をPBS、次いで0.02%E
DTA含有PBSで洗滌し、更に0.25%トリプシン溶液で細胞
をプレート表面よりはがし細胞を浮遊させた。細胞を5
%トリクロロ酢酸(TCA)で4℃インキュベート、洗滌
する操作を3回繰り返すことにより、可溶性3H−ロイシ
ンを抽出除去した。TCA不溶性画分に取り込まれた3H量
を液体シンチレーションカウンター(ベックマン)で測
定した。その結果を表7に示す。EBウィルス形質転換さ
れた抗緑膿菌外毒素A抗体産生株のうちFK−5A5の培養
上清は、緑膿菌外毒素Aにおける細胞毒性を強く中和し
た。又、FK−001培養上清も弱いながら中和活性を示し
た。実施例10 抗体によるマウス実験的緑膿菌感染症の治療効果 緑膿菌Pseudomonasu aeruginosa PA−103(外毒素A
産生株)106細胞を封入した、ミリポア製ディフージョ
ンチェンバー(ミリポアフィルター0.45μmポアサイ
ズ、外径14mm、内径10mm、厚さ2mm)を、ICR−slcマウ
ス(4〜5周令、雄、1群5匹)の腹腔内に植え込ん
だ。チェンバー内で増殖した細菌より定常的に外毒素A
が分泌される。チェンバー植え込み直後に、ヒトモノク
ローナル抗体産生株FK−001の培養上清より精製されたI
gM(FK−001抗体精製品と略)、市販ヒトイムノグロブ
リン製剤又は、BSAをそれぞれ静脈内投与し、5日後の
マウスの生存率をもって治療効果を判定した。その結果
を表8に示す。FK−001抗体精製品2μg/マウス投与群
では全例が生存し、市販ヒトイムノグロブリン製剤一mg
/マウス投与群に匹敵する治療効果を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/08 9282−4B C12N 15/00 C //(C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 越智 宏 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 加藤 益弘 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内 (72)発明者 荻野 重男 宝塚市高司4丁目2番1号 住友化学工 業株式会社内 審査官 小暮 道明 (56)参考文献 特開 昭58−216125(JP,A) 欧州公開105804(EP,A1) Infect.Immun.,44[2 ] (1984.5月) P.262−267 Infect.Immun.,43[3 ] (1984.3月) P.912−919

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.下記のマウス実験的緑膿菌感染症において2μg/he
    adの投与量で100%の生存率を与える外毒素A中和活性
    を示す緑膿菌外毒素Aに対するヒトモノクロナール抗
    体: a)外毒素A産生株である緑膿菌Pseudomonas aerugino
    sa PA−103 106細胞を封入し、0.45μmポアサイズ、
    外径14mm、内径10mm、厚さ2mmのディフュージョンチェ
    ンバーをICR−slcマウスの腹腔内に植え込む b)チェンバー植え込み直後に、精製されたヒトモノク
    ロナール抗体を2μg/headを静脈内投与する c)5日後のマウスの生存率をもって治療効果を判定す
    る。 2.抗体のクラスがIgMである特許請求の範囲第1項記
    載のヒトモノクロナール抗体。 3.緑膿菌外毒素Aに対する抗体産出能を持つヒトリン
    パ球B細胞にEBウィルスを感染させることにより、緑膿
    菌外毒素Aに対する抗体を産出し、かつ継代可能な増殖
    型細胞に形質転換された細胞とミエローマ細胞とを細胞
    融合させることにより両細胞間のハイブリドーマを形成
    させ、このハイブリドーマを増殖させることによって抗
    体を取得することを特徴とする緑膿菌外毒素Aに対する
    下記のヒトモノクロナール抗体を製造する方法: 次のマウス実験的緑膿菌感染症において2μg/headの投
    与量で100%の生存率を与える外毒素A中和活性を示す
    緑膿菌外毒素Aに対するヒトモノクロナール抗体: a)外毒素A産生株である緑膿菌Pseudomonas aerugino
    sa PA−103 106細胞を封入した、0.45μmポアサイ
    ズ、外径14mm、内径10mm、厚さ2mmのディフュージョン
    チェンバーをICR−slcマウスの腹腔内に植え込む b)チェンバー植え込み直後に、精製されたヒトモノク
    ロナール抗体を2μg/headを静脈内投与する c)5日後のマウスの生存率をもって治療効果を判定す
    る。 4.下記のマウス実験的緑膿菌感染症において2μg/he
    adの投与量で100%の生存率を与える外毒素A中和活性
    を示す緑膿菌外毒素Aに対するヒトモノクロナール抗
    体、の有効量を含有することを特徴とする緑膿菌感染症
    治療剤: a)外毒素A産生株である緑膿菌Pseudomonas aerugino
    sa PA−103 106細胞を封入した、0.45μmポアサイ
    ズ、外径14mm、内径10mm、厚さ2mmのディフュージョン
    チェンバーをICR−slcマウスの腹腔内に植え込む b)チェンバー植え込み直後に、精製されたヒトモノク
    ロナール抗体を2μg/headを静脈内投与する c)5日後のマウスの生存率をもって治療効果を判定す
    る。
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