JPH0660882A - 水素吸蔵合金電極用結着剤並びにそれを含有する電極 組成物 - Google Patents

水素吸蔵合金電極用結着剤並びにそれを含有する電極 組成物

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JPH0660882A
JPH0660882A JP4229445A JP22944592A JPH0660882A JP H0660882 A JPH0660882 A JP H0660882A JP 4229445 A JP4229445 A JP 4229445A JP 22944592 A JP22944592 A JP 22944592A JP H0660882 A JPH0660882 A JP H0660882A
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storage alloy
electrode
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block copolymer
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JP4229445A
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Takeo Hara
武生 原
Etsuji Hashiguchi
悦治 橋口
Mitsuhiko Sakakibara
満彦 榊原
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Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電容量、充放電のサイクル特性、電極の耐
久性等に優れた電池を構成することができる水素吸蔵合
金電極用結着剤、並びにそれを含有する電極組成物を提
供する。 【構成】 水素吸蔵合金電極用結着剤は、1,2−結合
含量が20%以下のポリブタジエンからなるブロックセ
グメントAと、ブタジエンを主成分としブタジエン部分
の1,2−結合含量が30〜95%であるブロックセグ
メントBとからなり、(A−B)m(但し、m は2 以上の
整数)もしくはA−(B−A)n(但し、nは1以上の整
数)で表されるブロック共重合体(1)、および/また
は前記ブロックセグメントAおよびBと、ビニル芳香族
化合物重合体からなるブロックセグメントCとからな
り、A−B−Cで表されるブロック共重合体(2)の水
素添加物を含有する。この水素吸蔵電極用結着剤は、水
素吸蔵合金および導電材と混合されて水素吸蔵合金電極
組成物を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素添加ブタジエン系
ブロック共重合体を含有する水素吸蔵合金電極用結着
剤、並びにそれを含有する電極組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子産業技術の進展は目覚まし
く、電池関連分野においても、高エネルギー密度、安全
性等に対する要求がますます高まっている。そのうち、
ニッケル/水素化物電池は、単位容積当たりのエネルギ
ー密度が大きく、しかも公害物質を含んでいないので安
全性にも優れた電池として、特に注目されている。この
ような電池の負極活物質として使用される水素吸蔵合金
としては、LaNi5 、MmNi5(Mm:ミッシュメタル) 等を
ベースにした希土類系、TiNi、Ti2Ni 、Ti1-x Zrx Ni等
のチタン系、ZrV0.4Ni1.6 等のLaves相系などが知
られている。これらの水素吸蔵合金を電極に成型する方
法としては、例えば数十ミクロンに粉砕した合金粉末お
よび導電材(例えばニッケル、銅、カーボン等)を結着
剤(例えばポリテトラフロオロエチレン、フッ素化エチ
レン−プロピレン共重合体、ポリエチレン、ナイロン
等)と混合し、この混合物を集電体である多孔質ニッケ
ル板等に圧着する方法、前記混合物をポリビニルアルコ
ール等の水溶性結着剤でペースト化して集電体中に充填
しプレスする方法のほか、前記したような水素吸蔵合金
の粒子に導電材をメッキ等により被覆したものを結着剤
と混合し、これを集電体に圧着あるいは充填する方法等
が知られている。しかしながら、これらの方法は、一般
に結着剤が溶媒に不溶または難溶であり、固体状のまま
で合金粒子や導電材と混合されるため、高充填姓、均一
分散姓、集電体との接着力等に問題を生じ、その結果、
電極の放電容量、充放電のサイクル特性等の点で満足で
きないものであった。また、ポリビニルアルコール等の
水溶性結着剤を用いる場合には、電池が構成されたとき
に、使用される水溶性結着剤が電解液に溶解し、電池の
放電特性を低下させるという問題があった。また、特開
平1−253159号公報には、結着剤としてスチレン
−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体か
らなる熱可塑性エラストマーを使用することが提案され
ているが、この結着剤を使用した場合も、充放電を多数
回繰り返した場合における放電容量、電極の耐久性等に
関連するサイクル特性が十分とは言えなかった。一方本
出願人らは、既に、スチレン−エチレン−ブチレン−ス
チレンブロック共重合体、スチレン−エチレン−プロピ
レンブロック共重合体、水素添加ニトリル−ブタジエン
共重合体、水素添加ポリブタジエン等の溶剤可溶性結着
剤を使用することにより、前記サイクル特性がかなり改
善されることを明らかにしているが(特開平4−220
67号公報参照)、サイクル特性を含めてより優れた溶
剤可溶性結着剤が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、通常の溶媒に可溶であり、しかも放電容量およ
び充放電を繰り返す場合におけるサイクル特性が著しく
優れるとともに、耐久性等にも優れた電池をもたらすこ
とができる水素吸蔵合金電極用結着剤、並びにそれを含
有する電極組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によると、前記課
題は、1,2−結合含量が20%以下のポリブタジエン
からなるブロックセグメントAと、ポリブタジエンある
いはブタジエンを主成分とするビニル芳香族化合物との
共重合体からなるセグメントであって、ブタジエン部分
の1,2−結合含量が30〜95%であるブロックセグ
メントBとからなり、(A−B)m(但し、m は2 以上の
整数)もしくはA−(B−A)n(但し、n は1以上の整
数)で表されるブロック共重合体(1)、および/また
は前記ブロックセグメントAおよびBと、ビニル芳香族
化合物が90重量%以上の重合体からなるブロックセグ
メントCとからなり、A−B−Cで表されるブロック共
重合体(2)のオレフィン性不飽和結合の少なくとも3
0%が水素添加された水素添加ブロック共重合体を含有
することを特徴とする水素吸蔵合金電極用結着剤によっ
て、達成される。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。水素吸蔵合金電極用結着剤 まず、本発明の水素吸蔵合金電極用結着剤(以下、単に
「結着剤」という。)におけるブロック共重合体(1)
およびブロック共重合体(2)において、ポリブタジエ
ンからなるブロックセグメントA中のブタジエン部分の
1,2−結合含量は、20%以下でなければならない。
前記1,2−結合含量は、18%以下であることが好ま
しく、さらに好ましくは15%以下である。この1,2
−結合含量が20%を超えると、水素添加によりブロッ
ク共重合体の結晶融点が著しく低下し、水素添加ブロッ
ク共重合体の機械的強度が不十分となるため、水素吸蔵
合金の脱落が起こりやすくなる。
【0006】また、ポリブタジエンあるいはブタジエン
を主成分とするビニル芳香族化合物との共重合体からな
るブロックセグメントB中の1,2−結合含量は、30
〜95%でなければならない。前記1,2−結合含量
は、35〜95%であることが好ましく、さらに好まし
くは40〜90%である。この1,2−結合含量が30
%未満では、水素添加により、ブタジエン部分がポリエ
チレン鎖と類似の結晶構造を有するようになり、一方9
5%を超えると、水素添加により、ブタジエン部分がポ
リブチレン−1鎖と類似の結晶構造を有するようになっ
て、いずれの場合も、樹脂様の性状を呈し、水素添加ブ
ロック共重合体が硬くなりすぎて、電極の機械的破壊や
亀裂の発生を来しやすくなる。
【0007】次に、本発明の結着剤におけるブロック共
重合体(1)およびブロック共重合体(2)において
は、それらのブタジエンに由来するオレフィン性不飽和
結合の少なくとも30%が水素添加されていなければな
らない。これらの水素添加率は、好ましくは少なくとも
50%であり、さらに好ましくは90%以上である。水
素添加率が30%未満では、得られる電池の放電容量、
充放電を繰り返す場合のサイクル特性等が低下する。こ
れは、電池を構成したのち、充放電反応に伴って発生す
る水素によって、ブロック共重合体中に残存するオレフ
ィン性不飽和結合が不均一に水素化される結果、電極の
劣化、充放電反応の阻害等が起こるためと考えられる。
【0008】本発明の結着剤におけるブロック共重合体
(1)およびブロック共重合体(2)においては、前記
水素添加により、ブロックセグメントAは、通常の低密
度ポリエチレン(LDPE)と類似の構造を有する結晶
性のブロックセグメントとなり、また、ブロックセグメ
ントBは、ゴム状のエチレン−ブチレン共重合体あるい
はビニル芳香族化合物−エチレン−ブチレン共重合体と
類似の構造を有するブロックセグメントとなる。
【0009】ブロック共重合体(1)およびブロック共
重合体(2)におけるブロックセグメントB、あるいは
(2)ブロック共重合体におけるブロックセグメントC
を構成するビニル芳香族化合物は、炭素環あるいは複素
環の芳香環に結合した1個以上のビニル基を有する化合
物またはその誘導体である。ビニル芳香族化合物として
は、例えばスチレン、t−ブチルスチレン、αーメチル
スチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、
1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−
アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノ
エチルスチレン、ビニルピリジン等を挙げることがで
き、特にスチレン、αーメチルスチレンが好ましい。こ
れらのビニル芳香族化合物は、単独でまたは2種以上を
混合して使用される。
【0010】ブロックセグメントBがブタジエンとビニ
ル芳香族化合物との共重合体である場合、該共重合体は
ブタジエンが主成分として含有されなければならない。
この場合のブタジエンの含有率は、合計単量体の50重
量%以上である。ブタジエンの好ましい含有率は65重
量%以上であり、さらに好ましくは70重量%以上、特
に好ましくは75重量%以上である。このブタジエンの
含有率が50重量%未満では、ブロックセグメントBの
ガラス転移点が高くなるため、得られる水素添加ブロッ
ク共重合体の硬度が上がり、電極の機械的破壊や亀裂を
来しやすくなる。
【0011】また、ブロックセグメントCにおいては、
ビニル芳香族化合物の含有率は、90重量%以上でなけ
ればならない。このビニル芳香族化合物の好ましい含有
率は、95〜100重量%である。ビニル芳香族化合物
の含有率が90重量%未満では、結着剤として用いた場
合、水素吸蔵合金や導電材との混合状態が不均一となり
やすく、十分な放電容量が得られ難くなる。
【0012】ブロックセグメントCにおいて、ビニル芳
香族化合物と共重合させることができる単量体として
は、共重合体として電極の性能を阻害しない限りでは、
特に制約されるものではないが、前記A−B−Cで表さ
れるブロック共重合体は、通常、アニオン重合触媒ある
いは配位重合触媒を用いて製造されるので、これらの重
合触媒によりビニル芳香族化合物と共重合しうる単量
体、例えばエチレン、プロピレン等のオレフィン、ブタ
ジエン、イソプレン等の共役ジエン、メタクリル酸メチ
ル、アクリロニトリル等のビニル化合物等が挙げられ
る。
【0013】本発明におけるブロック共重合体(1)お
よびブロック共重合体(2)は、前記アニオン重合触
媒、配位重合触媒等の重合触媒を用いて製造することが
できるが、所要のブロック構造を付与するため、通常、
各ブロックセグメントを構成する単量体を段階的に添加
して重合する。
【0014】前記重合触媒は、自体公知であるが、各ブ
ロック共重合体中のブタジエン部分の立体構造、即ち
1,2−結合含量に応じて選定される。例えば、1,2
−結合含量が20%以下のブロックセグメントAを生成
する際には、炭化水素溶媒中の有機リチウム化合物、ハ
ロゲン化チタン(IV)−有機アルミニウム化合物系、ニッ
ケル化合物−有機アルミニウム化合物系、コバルト化合
物−有機アルミニウム化合物系、ニッケル−π- アリル
化合物系等の重合触媒を使用することができ、また、
1,2−結合含量が30〜95%のブロックセグメント
Bを生成する際には、有機リチウム化合物−極性化合物
系、ハロゲン化チタン(II)−有機アルミニウム化合物
系、チタン(IV)アルコキシド−有機アルミニウム化合物
系、ハロゲン化ジルコニウム(II,III)−有機アルミニウ
ム化合物系、クロム化合物−有機アルミニウム化合物
系、コバルト−π- アリル化合物系等を使用することが
できる。
【0015】このようにして得られるブロック共重合体
(1)およびブロック共重合体(2)は、直鎖状または
分岐状の構造を有することができるが、本発明において
は、このいずれをも使用することができる。
【0016】また、ブロック共重合体(1)およびブロ
ック共重合体(2)の水素添加も、自体公知の方法によ
り実施することができる。この水素添加反応は、通常、
各ブロック共重合体を適当な溶剤に溶解し、例えばニッ
ケル、パラジウム、白金、銅等の水素化触媒の存在下
で、水素ガスで処理することによって実施される。
【0017】本発明におけるブロック共重合体(1)お
よびブロック共重合体(2)は、それぞれについて、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができ、ま
た、前記両ブロック共重合体を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0018】本発明においては、ブロック共重合体
(1)およびブロック共重合体(2)における各ブロッ
クセグメントA、BおよびCの含有率は適宜選定するこ
とができるが、好ましくは、ブロックセグメントA1個
についての含有率は5〜30重量%(好ましくは10〜
25重量%)の範囲から、1個または複数個存在するブ
ロックセグメントBの合計含有率は90〜20重量%の
範囲から、またブロックセグメントCの含有率は10〜
50重量%(好ましくは10〜45重量%)の範囲か
ら、それぞれ選択される。
【0019】水素吸蔵合金電極組成物 本発明の結着剤は、水素吸蔵合金電極を構成する諸成分
を結着するために、水素吸蔵合金電極組成物(以下、
「電極組成物」という。)中に配合される。この場合、
必要に応じて、本発明の所期の効果を損なわない限り、
他の結着剤を併用することもできる。
【0020】本発明の電極組成物は、結着剤、水素吸蔵
合金および導電材を主成分とするものであ。本発明の電
極組成物において使用される水素吸蔵合金としては、例
えばLa-Ni系合金、Mm-Ni 系合金等の希土類系、ZrV0.4N
i1.6 等のLaves相系、TiNi、Ti2Ni 、Ti1-x Zrx N
i、Fe0.94Ti0.96Zr0.04Nb0.04、TiFe0.9Mn0.1、TiMn
1.5 等のチタン系、Mg2Ni 等のマグネシウム系、CaNi5
等のニッケル系など、それ自体公知のものは全て使用す
ることができるが、希土類系およびLaves相系の水
素吸蔵合金が好ましい。寿命、放電容量等に優れた燃料
電池を構成するためには、希土類系およびLaves相
系の水素吸蔵合金のうちでも、特にLa-Ni 系合金あるい
はMm-Ni 系合金が好ましい。これらのLa-Ni 系合金ある
いはMm-Ni 系合金としては、例えばLaNi5 、LaNi4.2Al
0.8、MmNi5 、MmNi4.2Al0.8、このNiの一部をCoで置換
したMmNi4.2-x Cox Al0.8(但し、0.5≦x≦1.
0)、MmNi4.5Al0.5、MmNi4.15Fe0.85、LmNi系合金(Lm
はランタンリッチ・ミッシュメタル)等を挙げることが
できるが、製造コストを安価にすることができる点で
は、Mm-Ni 系合金が特に好ましい。最も好ましいMm-Ni
系合金は、MmNi4.2Al0.8およびMmNi4.2-x Cox Al0.8
ある。希土類系およびLaves相系以外の水素吸蔵合
金としては、チタン系合金も一般的に使用されている
が、チタン系合金は、電池の充放電に際して、水素吸蔵
合金粒子表面に水素原子の拡散を妨害する不動態酸化物
を生成して、電池特性の劣化を招き易い傾向がある。
【0021】前記水素吸蔵合金は、通常微細粒子または
粉末として使用される。その平均粒径は、10〜100
μmの範囲にあることが好ましい。水素吸蔵合金の平均
粒径が10μm未満では、充放電反応の繰返しによる電
極破壊、表面酸化等の劣化現象を招き易く、また100
μmを超えると、充放電効率が低下する傾向を示す。
【0022】さらに、本発明の電極組成物において使用
される導電材としては、例えばニッケル、銅、銀、アル
ミニウム、あるいはこれらの合金等の導電性金属、カー
ボン等を挙げることができるが、特に高い導電性を得る
ためには、ニッケルおよび銅が好ましい。これらの導電
材は、粒子状、粉末状、繊維状等の微細化された形態で
電極組成物中に配合され、また水素吸蔵合金表面に被覆
して使用することもできる。
【0023】前記導電材で水素吸蔵合金表面を被覆する
際には、例えば無電解メッキ法、真空蒸着法、金属浸透
法、メタリコン等の方法を適宜採用することができる。
この場合の導電材としては、被覆される導電材表面の酸
化反応を抑えるために、ニッケルが好ましい。
【0024】本発明の電極組成物における各成分の配合
割合は、結着剤100重量部当たり、水素吸蔵合金50
0〜10,000重量部および導電材50〜3,000
重量部である。好ましい配合割合は、水素吸蔵合金が
1,000〜5,000重量部、さらに好ましくは1,
000〜3,000重量部であり、また、導電材が10
0〜2,000重量部、さらに好ましくは300〜1,
000重量部である。水素吸蔵合金の配合量が500重
量部未満であると、相対的に結着剤の量が多過ぎるた
め、合金表面が結着剤で覆われてしまい、充放電反応が
阻害されるおそれがあり、また10,000重量部を超
えると、逆に結着剤が少な過ぎるため、結着剤による水
素吸蔵合金の保持能力が低下して、合金粒等の脱落を招
きやすくなる。さらに、導電材の配合量が50重量部未
満であると、電極組成物の導電率が不十分となるため充
放電効率が低下し、また3,000重量部を超えると、
水素吸蔵合金の充填密度が小さくなって放電容量が低下
するという不都合を招く。
【0025】本発明の電極組成物を使用して水素吸蔵合
金電極を作製する際には、通常、結着剤を適当な溶剤に
溶解した溶液中に、水素吸蔵合金および導電材を、ある
いは導電材で被覆した水素吸蔵合金を、添加し、例えば
ボールミル、リボンミキサー、ピンミキサー等を使用し
て、室温あるいは加温下で均一に混合することにより、
スラリーあるいはペーストを調製する。
【0026】前記結着剤の溶液を調製するために使用す
ることができる溶剤としては、例えばn−ペンタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロヘキ
サン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸エチル、ト
リクロロエチレン等の有機溶剤を挙げることができる。
【0027】水素吸蔵合金電極 本発明の電極組成物を使用して水素吸蔵合金電極を作製
する方法は、特に限定されるものではないが、その例と
しては、 前記スラリーあるいはペーストを、例えばドクター
ブレード法、カレンダー法等により所定形状に成型した
のち、溶剤を除去して乾燥シートとし、この乾燥シート
を2枚以上使用して、各乾燥シート間に、複数の貫通孔
を有する金属板等からなる集電体を挟み込んだのち、熱
プレス等により熱圧着して、該乾燥シートと集電体とを
一体化する方法、 前記スラリーあるいはペーストを、集電体上に直接
塗工したのち、溶剤を除去して、電極組成物と集電体と
を一体化する方法、 前記スラリーあるいはペーストを、直接金属板等の
適当な基材上に塗工して溶剤を除去したのち、熱プレス
等により加圧成型して、電極を形成したのち、該電極を
金属板から分離する方法等を挙げることができる。
【0028】前記集電体としては、例えばニッケル金
網、ステンレス金網、あるいは鉄、ステンレス等の有孔
金属板にニッケルメッキを施したパンチングボード等を
使用することができる。これらの集電体の表面には、集
電体と乾燥シート等との密着性を向上させるために、予
めサンドペーパー、サンドブラスト等による研削処理を
施しておくことが好ましい。
【0029】本発明の電極組成物を使用して作製された
電極は、例えばアルカリ二次電池の負電極として、好適
に使用することができる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明するが、本発明がこれらの実施例
のみに限定されないことは、前述した説明から明らかで
あろう。 実施例1 表1の1に示す結着剤を60°Cに加温したn−ペンタ
ン/シクロヘキサン混合溶媒(重量比=9/1)に溶解
して、10重量%溶液を調製した。この溶液を、水素吸
蔵合金として MmNi3.5Co0.7Al0.8(平均粒径75μm)
および導電材として銅粉(平均粒径35μm)ととも
に、溶液温度を60°Cに保って均一に混合し、結着
剤、水素吸蔵合金および導電材の合計量に対して、結着
剤を5重量%、水素吸蔵合金を76重量%および導電材
を19重量%含有するスラリーを調製した。このスラリ
ーを、ドクターブレード法により成膜したのち風乾し
て、シート状の電極組成物を得た。このシート状電極組
成物を2枚使用し、その間に、集電体として50メッシ
ュのニッケル金網を挟み、温度150°Cおよび圧力2
00Kg/cm2 で加熱圧着して、水素吸蔵合金電極を
作製した。次いで、この水素吸蔵合金電極の評価を、次
のようにして行なった。 放電容量:水素吸蔵合金電極を負極とし、正極として焼
結型ニッケル板、セパレーターとしてナイロン不織布、
電解液として5N水酸化カリウム/1N水酸化リチウム
混合水溶液を使用して、電池を構成した。この電池を、
負極規制の条件下で、0.6クーロンの電流により50
0回まで充放電を繰返し、その充放電サイクル特性を調
べた。この場合、充電は120%まで、また放電は終止
電圧を0.9Vまでとした。 電極の機械的破壊および合金粉の脱落:電池を500回
充放電後の試料(試料数=10)を目視により観察し
て、機械的破壊あるいは合金粉の脱落が認められる試料
の数により、下記の基準で評価した。 ○:全くなし、△:半数未満、×:半数以上 評価結果を表2に示す。
【0031】実施例2〜4 表1の4または6に示す結着剤を、水素吸蔵合金および
導電材との合計量に対して表2に示す割合で使用した以
外は、実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電極の作製
および評価を行なった。評価結果を表2に示す。
【0032】比較例1〜4 結着剤として表1の2、3、5または7に示すものを使
用した以外は、実施例1と同様にして、水素吸蔵合金電
極の作製および評価を行なった。評価結果を表2に示
す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】表1および表2から明らかなように、本発
明の結着剤により結着した水素吸蔵合金電極において
は、電池の放電容量が高く、またその放電容量は、充放
電を多数回繰返しても高いレベルに維持される。しか
も、充放電の繰返しによる応力にも関わらず、電極が機
械的に破壊されたり、合金粉が脱落することもない。こ
れに対して、ブロック共重合体における共役ジエン部分
の水素添加率が低い場合(比較例1)およびブロック共
重合体が3ブロックセグメントを有しない場合(比較例
3)では、放電容量、充放電サイクル特性、電極の耐久
性等がいずれも著しく低下し、またブロック共重合体の
末端ブロックセグメントがブタジエンを主成分として含
有しない場合(比較例2)およびブロックセグメントA
の1,2−結合含量が20%を超える場合(比較例4)
では、特に充放電を多数回繰返すことにより放電容量が
低下して、充放電サイクル特性が不十分となり、また電
極の耐久性等も低くなる。
【0036】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金電極用結着剤は、
通常の溶剤に易溶性であり、且つ耐久性に優れた電極を
形成することができる。しかも、この電極を使用した電
池は、放電容量、充放電のサイクル特性等に優れてい
る。したがって、本発明は、例えばアルカリ二次電池等
の高性能電池の改良・改善に寄与するところが大きい。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,2−結合含量が20%以下のポリブ
    タジエンからなるブロックセグメントAと、ポリブタジ
    エンあるいはブタジエンを主成分とするビニル芳香族化
    合物との共重合体からなるセグメントであって、ブタジ
    エン部分の1,2−結合含量が30〜95%であるブロ
    ックセグメントBとからなり、(A−B)m(但し、m は
    2 以上の整数)もしくはA−(B−A)n(但し、n は1
    以上の整数)で表されるブロック共重合体(1)、およ
    び/または前記ブロックセグメントAおよびBと、ビニ
    ル芳香族化合物が90重量%以上の重合体からなるブロ
    ックセグメントCとからなり、A−B−Cで表されるブ
    ロック共重合体(2)のオレフィン性不飽和結合の少な
    くとも30%が水素添加された水素添加ブロック共重合
    体を含有することを特徴とする水素吸蔵合金電極用結着
    剤。
  2. 【請求項2】 請求項1の水素吸蔵合金電極用結着剤を
    含有することを特徴とする水素吸蔵合金電極組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の水素吸蔵合金電極用結着
    剤100重量部、水素吸蔵合金500〜10,000重
    量部および導電材50〜3,000重量部を主成分とす
    ることを特徴とする水素吸蔵合金電極組成物。
JP4229445A 1992-08-06 1992-08-06 水素吸蔵合金電極用結着剤並びにそれを含有する電極 組成物 Pending JPH0660882A (ja)

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Cited By (3)

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