JPH1017714A - 導電性組成物 - Google Patents

導電性組成物

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JPH1017714A
JPH1017714A JP8195523A JP19552396A JPH1017714A JP H1017714 A JPH1017714 A JP H1017714A JP 8195523 A JP8195523 A JP 8195523A JP 19552396 A JP19552396 A JP 19552396A JP H1017714 A JPH1017714 A JP H1017714A
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JP
Japan
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polymer
weight
functional group
conductive
conductive composition
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Application number
JP8195523A
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English (en)
Inventor
Tadashi Yasuda
直史 安田
Fusasumi Masaka
房澄 真坂
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1017714A publication Critical patent/JPH1017714A/ja
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属箔との接着性に優れ、充放電サイクル寿
命が長く、耐久性に優れた導電性組成物を提供する。 【解決手段】 水添ジエン系重合体に、少なくとも1種
の官能基を付加して変性した重合体と、導電材および/
または電極活物質とを含有してなることを特徴とする導
電性組成物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性組成物、好
ましくはリチウム2次電池またはニッケル/水素化物電
池用の電極用導電性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子産業技術の発展は目覚まし
く、電池技術においても、高エネルギー密度、安全性な
どに対する要求がますます高まっている。そのうちリチ
ウム2次電池およびニッケル/水素化物電池は、単位容
積当たりのエネルギー密度が高く、近年の携帯電子機器
の発展と相俟って、大きく注目されている。特に、リチ
ウム2次電池の中で、金属酸化物−リチウム化合物を正
極材とし、グラファイトなどの炭素材料を負極活物質と
して用いるいわゆるリチウムイオン電池が、従来のリチ
ウム金属を負極活物質とする2次電池に較べ、その安全
性の高さから実用に広く供されつつある。このような炭
素材料を負極活物質として用いる際には、例えば天然グ
ラファイト粉末をポリテトラフルオロエチレンなどの結
着剤と混合し、この混合物を集電体である金属箔に塗工
して負極を形成する方法が用いられる。しかしながら、
従来用いられる結着剤は一般に金属箔との接着性が弱
く、充放電の繰り返しによって負極活物質が金属箔より
剥離し、充放電サイクル寿命が短いという問題点があ
る。このような状況において、特開平7−37619号
公報には、結着剤としてカルボキシル基変性スチレン−
ブタジエン共重合体を用いて金属箔との密着性を改良す
る技術が開示されている。しかし、この結着剤は二重結
合を多く含んだ重合体からなるため、電池に用いた場合
には酸化還元反応による二重結合部分での架橋、分子切
断などの化学変化が生じ易く、耐久性の点で問題があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、金属
箔との接着性に優れ、充放電サイクル寿命が長く、耐久
性に優れた導電性組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】本発明によると、上記課題は、水添ジエン
系重合体に、少なくとも1種の官能基を付加して変性し
た重合体(以下、「変性水添ジエン系重合体」ともい
う。)と、導電材および/または電極活物質とを含有し
てなることを特徴とする導電性組成物によって達成され
る。
【発明の実施の形態】
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。変性水添ジエン系重合体 本発明に用いられる変性水添ジエン系重合体は、水添ジ
エン系重合体に少なくとも1種の官能基を導入したもの
である。上記官能基としては、カルボキシル基、酸無水
物基、ヒドロキシル基、エポキシ基、ハロゲン原子、ア
ミノ基、イソシアネート基、スルホニル基、スルホネー
ト基などが挙げられる。上記水添ジエン系重合体は、共
役ジエン化合物を(共)重合体構造単位として含む重合
体の共役ジエン部分の二重結合を水素添加したものであ
り、例えば共役ジエン化合物の単独重合体、共役ジエン
化合物と芳香族ビニル化合物とのランダム共重合体、芳
香族ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物
の重合体ブロックとからなるブロック共重合体、芳香族
ビニル化合物の重合体ブロックと共役ジエン化合物/芳
香族ビニル化合物の共重合体ブロックとからなるブロッ
ク共重合体、共役ジエン化合物の重合体ブロックと共役
ジエン化合物/芳香族ビニル化合物の共重合体ブロック
とからなるブロック共重合体もしくはこれらの官能基変
性体などのジエン系重合体の水素添加物が挙げられる。
この中でも特に、共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合
物とのランダム共重合体を主体とする重合体が好適に用
いられる。
【0006】ここで、水添ジエン系重合体の単量体とし
て用いられる共役ジエン化合物としては、1,3−ブタ
ジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタ
ジエン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−
ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチ
ル−1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オク
タジエン、クロロプレンなどが挙げられるが、工業的に
利用でき、また物性の優れた水添ジエン系重合体を得る
には、1,3−ブタジエンおよびイソプレンが特に好ま
しい。また、芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、t−ブチル
スチレン、ジビニルベンゼン、N,N−ジメチル−p−
アミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノ
エチルスチレン、ビニルピリジンなどが挙げられ、中で
もスチレンおよびα−メチルスチレンが好ましい。
【0007】上記単量体の重合反応に使用される重合開
始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過
硫酸水素、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパ
ーオキサイドなどのラジカル重合開始剤;アルカリ金
属、n−ブチルリチウム、ナトリウムナフタレンなどの
アニオン系重合開始剤;硫酸、リン酸、過塩素酸、三フ
ッ化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化チタン、四塩化
スズなどのカチオン系重合開始剤;トリエチルアルミニ
ウム−四塩化チタンなどのチーグラー触媒などが挙げら
れる。また、上記重合反応においては溶媒を使用しても
良く、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘ
キサン、n−ヘプタン、オクタン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼンなどの炭化水素系溶媒;
ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶
媒;四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン化溶媒;
水などを使用することができる。上記重合反応の温度
は、通常、−50〜150℃の範囲にあり、単量体、重
合開始剤および溶媒の種類によって決めることができ
る。
【0008】本発明に用いられる水添ジエン系重合体
は、上記単量体から得られる(共)重合体を不活性溶媒
中に溶解し、通常、20〜150℃、1〜100kg/
cm2Gの加圧水素下で水素化触媒の存在下で水添する
ことによって得られる。水素化に使用される不活性溶媒
としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、ベン
ゼン、トルエン、エチルベンゼンなどの炭化水素溶媒;
メチルエチルケトン、酢酸エチル、エチルエーテル、テ
トラヒドロフランなどの極性溶媒が挙げられる。また、
水素化触媒としては、ジシクロペンタジエニルチタンハ
ライド、シクロペンタジエニルチタンハライド、有機カ
ルボン酸ニッケル、有機カルボン酸コバルトなどと周期
律表第I〜III 族の有機金属化合物とからなる水素化触
媒;カーボン、シリカ、ケイソウ土などで担持されたニ
ッケル、白金、パラジウム、ルテニウム、レニウム、ロ
ジウムなどの金属触媒;コバルト、ニッケル、ロジウ
ム、ルテニウムなどの錯体が挙げられる。また、リチウ
ムアルミニウムハイドライド、p−トルエンスルホニル
ヒドラジドなどの水素化化合物、さらにはZr−Ti−
Fe−V−Cr合金、Zr−Ti−Nb−Fe−V−C
r合金、LaNi5 合金などの水素貯蔵合金などを用い
た水素化反応も、上記水添ジエン系重合体の製造方法と
して挙げられる。
【0009】本発明で用いられる水添ジエン系重合体
の、全二重結合量に対する水素添加された二重結合の割
合(以下、「水素添加率」ともいう。)は、水素化触媒
または水素化化合物の添加量、水添反応時における水素
圧力、反応時間などを変えることにより調節され、通常
80%以上、好ましくは90%以上、さらに好ましくは
95〜100%である。水素添加率が80%未満では、
得られる導電性組成物が耐久性に劣るものとなる場合が
ある。
【0010】上記水添ジエン系重合体に、上記官能基を
導入する方法としては、(1)官能基を有するラジカル
重合性単量体の官能基を保護した状態で重合して重合体
を得、重合完結後、脱保護を行うことにより、水素添加
する前の重合体に官能基を導入する方法、(2)官能基
を有するラジカル重合性単量体をグラフト化反応によっ
て水添ジエン系重合体に付加させる方法、(3)官能基
を有する有機過酸化物またはアゾ化合物の存在下に、水
添ジエン重合体を混練りし、官能基を付加させる方法な
どが挙げられる。これらのいずれの方法を用いても効果
的に官能基を導入することができるが、工業的には上記
(2)または(3)の方法が簡便であり、より効果的で
ある。具体的には、例えば有機過酸化物などのラジカル
発生剤の存在下に、水添ジエン系重合体と官能基を有す
るラジカル重合性単量体とを加熱溶融混合してグラフト
化反応させるか、あるいは官能基を有する有機過酸化物
またはアゾ化合物の存在化に、水添ジエン系重合体を加
熱溶融混合することによって、適当量の官能基を付加さ
せることができる。
【0011】上記水添ジエン系重合体に官能基を導入す
るための、少なくとも1種の官能基を有する単量体とし
ては、カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、
エポキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、イソシアネート
基、スルホニル基、スルホネート基などの群から選ばれ
る少なくとも1種の官能基を有する不飽和化合物が挙げ
られる。
【0012】具体的には、カルボキシル基を有する単量
体としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、ハイミック酸
などのα,β−不飽和カルボン酸が挙げられる。酸無水
物基を有する単量体としては、上記α,β−不飽和カル
ボン酸の無水物が挙げられる。また、ヒドロキシル基を
有する単量体としては、ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートな
どが挙げられる。エポキシ基を有する単量体としては、
グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル、ビニルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
ハロゲン原子を有する単量体としては、クロルスチレ
ン、ブロムスチレンなどのハロゲン化芳香族ビニル化合
物;(メタ)アクリル酸−2,4,6−トリブロモフェ
ニル、(メタ)アクリル酸−2,4,6−トリクロロフ
ェニル、メチル−2−クロロ(メタ)アクリレート、エ
チル−2−クロロ(メタ)アクリレート、n−ブチル−
2−クロロ(メタ)アクリレートなどのハロゲン化(メ
タ)アクリレートなどが挙げられる。さらに、アミノ基
を有する単量体としては、ジエチルアミノメチル(メ
タ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、ビニルピリジンなどが挙げられる。これらの
うち、酸無水物基またはエポキシ基を有する不飽和化合
物が特に好ましい。
【0013】上記官能基を有する有機過酸化物は、分解
して発生する遊離ラジカル基に上記官能基を有するもの
であり、例えば2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサ
イド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、サクシン
酸パーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、
シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサ
ノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシグリシジル
エーテルなどが挙げられる。さらに、上記官能基を有す
るアゾ化合物としては、4,4′−アゾビス−4−シア
ノ吉草酸、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2
−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、2,
2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン〕二塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビ
ス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチ
ル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオンアミド}、
2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス
(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオンアミド}、
2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキ
シエチル)プロピオンアミド〕、2,2′−アゾビス
〔2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル〕などが
挙げられる。
【0014】以上の官能基を有する有機過酸化物または
アゾ化合物を使用して水添ジエン系重合体に官能基を導
入する際に注意すべき点は、付加を受ける水添ジエン系
重合体が溶融する温度で効果的にラジカル遊離基を発生
するものを選択することである。官能基を有する有機過
酸化物およびアゾ化合物の中には、熱的に不安定なもの
もあり、また高温で分解するものもある。従って、水添
ジエン系重合体の溶融する温度が高い場合には、使用で
きないものもある。例えば、4,4′−アゾビス−4−
シアノ−吉草酸は、110〜120℃で分解するため、
溶融温度の高い水添ジエン系重合体の変性には適当でな
い。
【0015】本発明に用いられる変性水添ジエン系重合
体中の官能基を有する化合物の割合は、通常、水添ジエ
ン系重合体を構成する全単量体ユニットに対し、0.0
1〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%、さらに
好ましくは0.15〜5重量%である。0.01重量%
未満では、得られる導電性組成物の接着性が改善されな
い場合があり、10重量%を超えた量を付加させても、
期待される効果、すなわち接着性に及ぼすより以上の効
果は得られ難いばかりか、官能基付加反応中にゲル化な
どの副反応が起こる場合があるので好ましくない。この
ようにして得られる変性水添ジエン系重合体の分子量
は、ポリスチレン換算重量平均分子量で、通常、50,
000〜700,000、好ましくは100,000〜
500,000である。重量平均分子量が50,000
未満では、柔軟性が不十分となる場合があり、700,
000を超えると、重合体の溶媒への溶解性が悪くな
り、後述する導電材または電極活物質の分散性が劣る場
合がある。
【0016】導電性組成物 本発明の導電性組成物は、上記変性水添ジエン系重合体
に、導電材および/または電極活物質を添加して得られ
る。本発明の導電性組成物を電池電極用として用いる場
合には、上記変性水添ジエン系重合体に電極活物質を添
加して得られる本発明の導電性組成物(以下、「電極組
成物」ともいう。)を、通常、金属箔からなる集電体と
接着させて電極を形成する。この時、使用する電極活物
質の導電性が不足する場合には、電極活物質と共に導電
材を添加して電極組成物を形成する。また、上記変性水
添ジエン系重合体に導電材を添加して得られる本発明の
導電性組成物は、通常、金属箔と電極活物質とを結着さ
せるための導電性結着剤として用いられる。
【0017】さらに、上記導電性組成物は、変性水添ジ
エン系重合体の他に、官能基を付加させていない水添ジ
エン系重合体を含有していても良い。この場合、導電性
組成物中の重合体の全量を100重量部としたときの変
性水添ジエン系重合体の含有量は、通常、5重量部以
上、好ましくは、15重量部〜100重量部である。変
性水添ジエン系重合体の含有量が5重量部未満では、得
られる導電性組成物の金属箔への接着性が不足する場合
がある。
【0018】本発明の導電性組成物をリチウム2次電池
の負極用に用いる場合には、導電材として、好ましくは
カーボンブラックが用いられ、電極活物質として、好ま
しくはグラファイトが用いられる。上記重合体にカーボ
ンブラックを添加して得られる本発明の導電性組成物
は、リチウム2次電池における金属箔と負極用電極組成
物(以下、「負極組成物」ともいう。)との導電性結着
剤として用いられる。上記カーボンブラックの種類は特
に限定されるものではないが、いわゆる「導電性カーボ
ンブラック」と称されるカーボンブラックが好適に用い
られ、具体的には、ケッチェンブラックEC(ライオン
油脂(株)製)、デンカブラックHS−100((株)
デンカ製)、#3030B(三菱化学(株)製)、BP
3700、Vulcon XC−72(以上、キャボッ
ト社製)などを使用することができる。該組成物におけ
るカーボンブラックの添加量は、重合体の全量を100
重量部としたとき、通常、5〜150重量部、好ましく
は20〜120重量部である。カーボンブラックの添加
量が5重量部未満では導電性が十分に得られない場合が
あり、150重量部を超えると得られる導電性組成物が
柔軟性を失い、脆くなる場合がある。
【0019】また、上記重合体にグラファイトを添加し
て得られる本発明の導電性組成物は、リチウム2次電池
における負極組成物として、通常、金属箔と接着させて
用いられる。上記グラファイトの種類は特に限定される
ものではないが、天然グラファイト、焼成コークスなど
の易黒鉛化炭素類;フルフリルアルコールの炭化などで
得られる難黒鉛化炭素類などを挙げることができる。該
組成物におけるグラファイトの添加量は、重合体の全量
を100重量部としたとき、通常、900〜15,00
0重量部、好ましくは1,900〜12,000重量部
である。グラファイトの添加量が900重量部未満では
充放電容量が小さい傾向があり、かつ充放電反応が円滑
に進まない場合がある。また、15,000重量部を超
えると、得られる導電性組成物が柔軟性を失い、脆くな
る場合がある。
【0020】さらに、リチウム2次電池に用いる本発明
の導電性組成物は、カーボンブラックとグラファイトと
を両方添加したものであっても良い。この場合、該組成
物はリチウム2次電池の負極組成物として好適に用いら
れ、しかも金属箔との接着性、充放電サイクル寿命がさ
らに優れたものとなるため特に好ましい。この場合のカ
ーボンブラックおよびグラファイトの添加量は、重合体
の全量を100重量部としたとき、カーボンブラック
は、通常、5〜150重量部、好ましくは10〜100
重量部、グラファイトは、通常、1,500〜12,0
00重量部、好ましくは1,900〜10,000重量
部であり、カーボンブラック/グラファイトの割合は、
好ましくは重量比で1/400〜1/1,000であ
る。
【0021】なお、本発明の導電性組成物を、ニッケル
/水素化物電池における負極組成物として用いる場合に
は、上記変性水添ジエン系重合体に、電極活物質となる
水素吸蔵合金と導電材とを添加し、金属箔と接着させて
用いることができる。上記水素吸蔵合金としては、例え
ばLa−Ni系合金、Mm−Ni系合金などの希土類
系;ZrV0.4 Ni1.6 などのLaves相系;TiN
i、Ti2 Niなどのチタン系;Mg2 Niなどのマグ
ネシウム系の如き水素吸蔵合金が挙げられ、通常、微細
粒子状または粉末状の形態で使用される。また、上記導
電材としては、例えばニッケル、銅、銀、アルミニウ
ム、あるいはこれらの合金などの導電性金属;カーボン
などが挙げられ、通常、粒子状、粉末状、繊維状などの
微細化された形態で使用される。また上記導電材を、無
電解メッキ、真空蒸着などで水素吸蔵合金の表面に被覆
して用いても良い。ニッケル/水素化物電池用導電性組
成物における水素吸蔵合金および導電材の添加量は、重
合体の全量を100重量部としたとき、通常、水素吸蔵
合金500〜10,000重量部および導電材50〜
3,000重量部であり、好ましい添加量は、水素吸蔵
合金1,000〜5,000重量部および導電材100
〜2,000重量部である。
【0022】本発明の導電性組成物を得る方法として
は、(i)上記重合体と導電材および/または電極活物
質を、ニーダー、プラストミルなどの混練機を用いて十
分に混合する方法、(ii)上記重合体を有機溶剤に溶解
させ、該重合体溶液に導電材および/または電極活物質
を添加し、混合・攪拌してスラリーを得る方法などが挙
げられるが、特に電極活物質を添加する場合は添加量が
多いため、上記(ii)の方法がより好適に用いられる。
なお、上記(ii)の方法に用いられる溶剤としては、例
えば、n−ヘプタン、シクロヘキサン、トルエン、ジイ
ソプロピルエーテル、石油エーテル、テトラヒドロフラ
ンなどが挙げられる。
【0023】電池用電極 本発明の導電性組成物を用いて得られる電池用電極とし
ては、例えば次のような構成が挙げられる。 (1)厚さ5〜30μm程度の金属箔の片面または両面
に導電性結着剤の層が設けられ、その上に電極組成物の
層を設けられてなる電極。 (2)上記金属箔の片面または両面に電極組成物、好ま
しくは導電材を添加した電極組成物の層が設けられてな
る電極。 上記金属箔としては、銅箔、ニッケル箔、SUS箔など
が挙げられる。また、、該金属箔表面に導電性組成物層
を設ける方法としては、ロール、プレスなどでシート状
に成形した導電性組成物を熱圧着する方法、スラリー状
の導電性組成物を塗布し、溶剤を蒸発させて乾固させる
方法などが挙げられる。また、上記(1)の電極の形成
方法において、本発明の導電性組成物からなる導電性結
着剤の層の上に、本発明の組成物以外の電極組成物の層
を設ける方法によって、電極を形成することも可能であ
る。上記電極組成物としては、ポリフッ化ビニリデン、
ポリテトラフルオロエチレンなどの重合体を用いた電極
組成物が挙げられる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるもの
ではない。なお、下記実施例において特に断りがない限
り、部は重量部を表す。
【0025】変性水添ジエン系重合体の製造 下記表1に示される単量体種、ミクロ構造、ポリスチレ
ン換算数平均分子量および水素添加率を有する水添ジエ
ン系重合体(以下、「重合体I」ともいう。)を用い、
以下の手順に従って、変性水添ジエン系重合体を得た。
【0026】
【表1】 ──────────────────────────────────── 単量体種 共役ジエン化合物 1,3−ブタジエン ビニル芳香族化合物 スチレン ミクロ構造(%) 全結合スチレン含量 30 ブロック(A)および(C)中の結合スチレン含量 15 ブロック(A)中の結合スチレン含量 5 ブロック(B)中の結合スチレン含量 40 重合体物性 数平均分子量(×104) 18 水素添加率(%) 98 ──────────────────────────────────── 注)ブロック(A):ビニル芳香族化合物重合体ブロック ブロック(B):共役ジエン化合物重合体もしくはビニル芳香族化合物と 共役ジエン化合物とのランダム共重合体ブロック ブロック(C):ビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物との共重合体に おいて、ビニル芳香族化合物成分が漸増するテーパーブ ロック
【0027】製造例1 上記重合体I100部を190℃に温度調整されたラボ
プラストミルに投入し、溶融後、無水マレイン酸2.5
部および有機過酸化物としてパーヘキサ25B(日本油
脂(株)製)0.15部を加え、80rpmで約6分間
混合し、重合体IIaを得た。この重合体IIaのメルトフ
ローレート(JIS K−7210に従い、230℃、
荷重2.16kgで測定、以下同じ。)は4.5g/1
0分、無水マレイン酸付加率は0.6モル%であった。 製造例2 上記重合体I100部、グリシジルメタクリレート3部
および有機過酸化物として(2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.5部を、バ
レル温度150〜250℃の二軸押出機に投入して混練
押し出しすることにより、重合体IIbを得た。この重合
体IIbのメルトフローレートは3.1g/10分、グリ
シジルメタクリレートの付加率は0.8モル%であっ
た。
【0028】実施例1 (1)導電性組成物の調製 製造例1で得られた重合体IIaの5重量%トルエン溶液
に、重合体固形分の50重量%のカーボンブラック(ケ
ッチェンブラックEC、ライオン油脂(株)製)を加
え、ペイントコンディショナーにて均一に混合し、本発
明の導電性組成物のスラリーを得た。 (2)金属箔との接着性の評価 膜厚18μmの圧延銅箔上に、本発明の導電性組成物の
スラリーをブレードコーターを用いて塗布し、風乾して
膜厚10μmの塗膜を形成した。JIS K−5400
の碁盤目テープ法に従い、形成された塗膜に100個の
碁盤目をカッターナイフで形成して剥離試験を行い、剥
離しなかった碁盤目の数を測定し、金属箔との接着性に
ついて評価したところ、剥離しなかった碁盤目の数は1
00個中100個であった。また、上記塗膜を形成した
金属箔を120℃の恒温槽中にて1時間加熱した後、同
様に碁盤目テープ法による塗膜の剥離試験を行ったとこ
ろ、剥離しなかった碁盤目の数は100個中100個で
あった。 (3)導電性の評価 膜厚20μmのポリエステルフィルム上に、本発明の導
電性組成物のスラリーをブレードコーターを用いて塗布
し、風乾した後フィルムより剥離して、導電性組成物の
シートを形成した。このシートの導電率を4端子法によ
り測定したところ、3.6S/cmであった。
【0029】実施例2〜11、比較例1〜2 表2に示す処方に従って、実施例1(1)と同様にして
導電性組成物を調製した。次いで、このようにして得ら
れた導電性組成物の各々を用い、実施例1(2)および
(3)と同様にして、金属箔との接着性および導電性の
評価を行った。結果を表2に実施例1と併せて示す。
【0030】
【表2】
【0031】実施例12 (1)リチウム2次電池用負極の形成 膜厚18μmの圧延銅箔上に、導電性結着剤として実施
例1で得られたスラリーをブレードコーターを用いて塗
布し、風乾して膜厚10μmの塗膜を形成した。さら
に、負極組成物として実施例6で得られたスラリーをポ
リエステルフィルム上に塗布、風乾した後フィルムより
剥離してシートを形成し、上記塗膜上に150℃で熱圧
着して、リチウム2次電池用負極を形成した。 (2)電池特性の評価 LiCoO2 90部、アセチレンブラック5部、重合体
I2.5部および重合体IIa2.5部を実施例1(1)
と同様の方法で混合し、本発明の導電性組成物のスラリ
ーを得た。該スラリーを膜厚10μmのニッケル箔上に
塗布し、120℃で1時間真空乾燥を行って、リチウム
2次電池用正極を形成した。上記正極および負極を1c
m×2cmの短冊状に切り、正極、ポリプロピレン製セ
パレータ、負極の順に重ね、電解質溶液中、1mA/c
2 の電流密度で充放電反応させて電気容量が初期電気
容量の60%となるまでの充放電反応の回数を測定した
ところ、1100回であった。ここで電解質溶液として
は、プロピレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタ
ンの等容量混合液にLiBF4 を1mol/lの濃度で
溶解させたものを用いた。
【0032】実施例13〜19、比較例3〜4 表3に示す処方に従って、実施例12(1)と同様にし
てリチウム2次電池用負極を形成した。次いで、このよ
うにして得られた負極の各々を用い、実施例12(2)
と同様にして、電池特性の評価を行った。結果を表3に
実施例12と併せて示す。
【0033】
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、金属箔との接着性に優
れ、充放電サイクル寿命が長く、耐久性に優れた導電性
組成物が得られる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水添ジエン系重合体に、少なくとも1種
    の官能基を付加して変性した重合体と、導電材および/
    または電極活物質とを含有してなることを特徴とする、
    導電性組成物。
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