JPH065921Y2 - ブレーキ液圧制御装置 - Google Patents

ブレーキ液圧制御装置

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JPH065921Y2
JPH065921Y2 JP1988077643U JP7764388U JPH065921Y2 JP H065921 Y2 JPH065921 Y2 JP H065921Y2 JP 1988077643 U JP1988077643 U JP 1988077643U JP 7764388 U JP7764388 U JP 7764388U JP H065921 Y2 JPH065921 Y2 JP H065921Y2
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wheel
brake fluid
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brake
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和朗 岩田
修司 鳥居
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は前後、左右の車輪へのブレーキ液圧を個々に制
御可能な車両に対して、左右及び前後の車輪へのブレー
キ液圧を異ならしめることにより、旋回制動中のスピン
モーメントとドリフトモーメントを共に低減することが
できるブレーキ液圧制御装置に関するものである。
従来の技術 一般に液圧ブレーキ装置においては、制動時に前輪の荷
重に比較して後輪の荷重が減少し、該後輪がロックし易
くなる一方、左右輪間でも荷重のアンバランスが生じて
旋回方向内側車輪の荷重に比較して旋回方向外側車輪の
荷重が増大し、内側後輪の早期ロックに起因するスピン
アウトが発生することがあるという難点がある。そこで
従来は例えば実開昭63−42462号公報に示されて
いる如く、車両のばね上に配置されたハウジング内に摺
動自在に嵌挿された一対のプランジャを持つ液圧制御弁
と、ピンによって揺動自在に支持されて前記プランジャ
に当接する一対のレバーと、該レバーに一端が係止さ
れ、他端が懸架装置のアッパリンクに係止されて、前記
レバーとアッパリンク間の距離の変化に対応したばね荷
重を夫々の液圧制御弁に付与して液圧を制御する弾性部
材とを備えた制動制御装置の例が開示されている。
又マスタシリンダ内にプロポーショニングバルブを内蔵
させることによって前記スプリットポイントを調整する
手段も知られており、特にFF車用X型の二系統ブレー
キ配管に適用するために、バルブが直列に配置されたデ
ュアルプロポーショニングバルブ構造も用いられてい
る。
考案が解決しようとする課題 しかしながらこのような従来のブレーキ液圧制御装置、
特に実開昭63−42462号公報に記載された手段に
よれば、ハウジング内に摺動自在に嵌挿された一対のプ
ランジャを持つ液圧制御弁を車両のばね上に配置する一
方、ピンによって揺動自在に支持されて前記プランジャ
に当接する一対のレバー及び該レバーに一端が係止され
ているとともに他端が懸架装置のアッパリンクに係止さ
れて、前記レバーとアッパリンク間の距離の変化に対応
したばね荷重を夫々の液圧制御弁に付与して液圧を制御
する弾性部材とを装備しているので、旋回方向内側後輪
の制動力を低減して緩ブレーキ旋回中のスピン現象を抑
える作用があるものの、旋回方向内側前輪のロックに伴
う横力の減少に起因して車体が横方向に押し流されるド
リフト現象に対しては何等の対策もなされていないの
で、特に急ブレーキ旋回中に前記ドリフト現象が発生し
易いという課題があった。又上記のドリフト現象を抑え
るためには、アンチロックブレーキシステム(ABS)
を装備すればよいが、このアンチロックブレーキシステ
ムは構成が複雑であるとともに組付に要するコストが高
いという難点を有している。
そこで本考案はこのような従来のブレーキ液圧制御装置
が有している課題を解消して、簡易な構成によって車両
の旋回走行時における左右の前輪へのブレーキ液圧を異
ならしめることにより、旋回制動中のスピンモーメント
とドリフトモーメントを共に低減することができるブレ
ーキ液圧制御装置の提供を目的とするものである。
課題を解決するための手段 本考案は上記の目的を達成するために、車両の旋回状態
に応じてマスタシリンダから各車輪へ供給されるブレー
キ液圧を、左右輪別及び前後輪別に個々に制御可能な液
圧ブレーキ装置において、車体側部材に、前記マスタシ
リンダからの液圧を受け入れて車両の旋回状態に応じて
左右輪別及び前後輪別に異なるブレーキ液圧を供給する
液圧分配バルブを装備し、制動時に左右輪のブレーキ液
圧の制御が開始されるスプリットポイントが、旋回方向
外側後輪よりも旋回方向内側後輪の方が低くなるように
制御すると同時に、前記スプリットポイントが旋回方向
外側前輪よりも旋回方向内側前輪の方が低くなるように
制御した構成してある。
作用 車両の直進時には左右の車輪に対するブレーキ液の液圧
が同一に保持されている一方、車両の旋回中にブレーキ
ペダルを踏んだ際には、前記液圧配分バルブからの左右
の後輪に対するブレーキ液の液圧が変化して、ブレーキ
液の制御開始時点、つまりスプリットポイントが旋回方
向外側後輪よりも旋回方向内側後輪の方が低くなり、そ
の結果旋回方向内側後輪の早期ロックに起因するスピン
アウトが防止される。同時に前記液圧配分バルブの作用
によって前記スプリットポイントが旋回方向外側前輪よ
りも旋回方向内側前輪の方が低くなり、旋回制動中のド
リフトモーメントが低減されるという作用が得られる。
実施例 以下図面を参照して本考案にかかるブレーキ液圧制御装
置の各種実施例を説明する。
第1図は本考案の第1実施例を示す概要図であり、図中
1はブレーキペダル、2はマスタシリンダ、3は右前
輪、4は左前輪、5は右後輪、6は左後輪である。又1
0L,10Rは車体側部材に固定された一対の液圧配分
バルブであり、11L,11Rはサスペンション部材の
揺動に伴って弾性力が適宜変更されるセンサースプリン
グ、12L,12Rは操作杆であって、該操作杆12
L,12Rを介して液圧配分バルブ10L,10Rから
導出されるブレーキ液圧の大きさを配分するようにして
ある。この液圧配分バルブ10L,10Rの具体的な構
造に関しては第3図を用いて後述する。
又前記マスタシリンダ2は2つの圧力室2a,2bを有
しており、この2つの圧力室2a,2bから2系統のブ
レーキ液の配管系が導出されていて、一方側の管路15
が管路15a,15bに分岐されて、該管路15aが前
記液圧配分バルブ10R及び管路51を経由して右前輪
3のホイールシリンダ3aに連結されており、管路15
bが前記液圧配分バルブ10L及び管路52を経由して
左後輪6のホイールシリンダ6aに連結されている。又
マスタシリンダ2の他方側の管路16が管路16a,1
6bに分岐されて、該管路16aが前記液圧配分バルブ
10R及び管路53を経由して右後輪5のホイールシリ
ンダ5aに連結されており、管路16bが前記液圧配分
バルブ10L及び管路54を経由して左前輪4のホイー
ルシリンダ4aに連結されている。即ち上記第1実施例
は、ブレーキ液の管路を通常X配管と呼称される手段を
用いて各車輪のホイールシリンダに連結した例を示して
いる。
第2図は上記の液圧配分バルブ10Lを左前輪4に付設
されたフロントサスペンションとしてのトランスバース
リンク19Lに揺動レバー20L、軸21L及び前記セ
ンサースプリング11Lを介して取付けるとともに、液
圧分配バルブ10Rを右前輪3に付設されたフロントサ
スペンションとしてのトランスバースリンク19Rに揺
動レバー20R、軸21R及び前記センサースプリング
11Rを介して取付けた構成例を示している。即ち前記
揺動レバー20L,20Rはトランスバースリンク19
L,19Rに対して揺動自在に支持されていて、該揺動
レバー20L,20Rに一端部が固定された軸21L,
21Rにセンサースプリング11L,11Rが巻装され
ているとともに、液圧配分バルブ10L,10Rには操
作杆12L,12Rが付設されておりこの操作杆12
L,12Rが前記軸21L,21Rに挿通支持され、且
つ前記センサースプリング11L,11Rの弾性力を受
けるようになっている。従って前記揺動レバー20L,
20Rの揺動にともなってセンサースプリング11L,
11Rの弾性力が適宜変更され、操作杆12L,12R
を介して液圧配分バルブ10L,10Rから導出される
ブレーキ液圧の大きさを調整するようにしてある。
第3図により上記液圧配分バルブ10L,10Rの構造
を説明する。尚液圧配分バルブ10L,10Rは左右対
称の構造を有しているため、一例として液圧配分バルブ
10Rについて説明する。この液圧配分バルブ10Rは
共通のハウジング23を有し、このハウジング23内に
小径の弁室24と大径の弁室25が平行に形成されてい
て、該弁室24,25内に夫々小径のピストン26と大
径のピストン27とが挿通されている。又ハウジング2
3の上部に配置された操作杆23Rは弾性体28を介し
て弁体29に連結され、該弁体29の下面に設けられた
突部29a,29bが前記ピストン26,27の頭部2
6a,27aに当接している。前記ピストン26,27
内には液通路30,31が形成されていて、該液通路3
0,31の下端部近傍にボール弁32,33が配置され
ている。又前記弁室24,25の下方には受座34,3
5がボルト36,37を用いて固定されていて、この受
座34,35の上端部に突設された支杆38,39上に
前記ボール弁32,33が固定されている。26bはピ
ストン26側に固定されて、ボール弁32の下側に当接
する弁座、27bは同様にピストン27側に固定され
て、ボール弁33の下側に当接する弁座である。40は
前記弁室24へブレーキ液を供給する入力ポート、41
は同出力ポート、42は弁室25へブレーキ液を供給す
る入力ポート、43は同出力ポートである。更に前記弁
体29とピストン26,27間にはスプリング44,4
5が介挿され、又液通路30,31の内方にもスプリン
グ46,47が挿入されている。
かかる構成による本考案の第1実施例の作用を以下に説
明する。即ち車両が直進走行時にドライバーがブレーキ
ペダル1を踏んだ際には、第1図に示したマスタシリン
ダ2の圧力室2aから得られるブレーキ液圧が、管路1
5から管路15a、液圧配分バルブ10Rを経由して右
前輪3に供給されるとともに、同一のブレーキ液圧が管
路15b、液圧配分バルブ10Lを経由して左後輪6に
供給される。更にマスタシリンダ2の圧力室2bから得
られるブレーキ液圧が、管路16から管路16a、液圧
配分バルブ10Rを経由して右後輪5に供給されるとと
もに、同一のブレーキ液圧が管路16b、液圧配分バル
ブ10Lを経由して左前輪4に供給される。この時左右
の前輪3,4に供給されるブレーキ液圧は均等であり、
同様に左右の後輪5,6に供給されるブレーキ液圧も均
等である。
上記の作用において、第3図に示した液圧配分バルブ1
1Rの一方側の入力ポート42に前記管路16aが接続
され、圧力室2bからのブレーキ液が大径の弁室25を
経由して出力ポート43から右後輪5に側に供給される
一方、液圧配分バルブ11Rの他方側の入力ポート40
に前記管路15aが接続され、圧力室2aからのブレー
キ液が小径の弁室24を経由して出力ポート41から右
前輪3側に供給される。上記弁室24,25の径長は前
記したように弁室25の方が大きく形成してあり、挿通
されたピストン26,27の受圧面積も当然ピストン2
7の方が大であるため、ボール弁32と弁座26bの開
度よりもボール弁33と弁座27bの開度の方が大きく
なり、従って液通路30内を通過するブレーキ液量より
も液通路31内を通過するブレーキ液量の方が増大す
る。よって右前輪3へ供給されるブレーキ液量に比して
右後輪5へ供給されるブレーキ液量の方が大となり、同
様な作用が液圧配分バルブ10L側でも行われているの
で、全体として左右の前輪3,4よりも左右の後輪5,
6のブレーキ液圧が大となっている。第4図は上記液圧
配分バルブ10R(10L)への入力圧と出力圧との関
係を示すグラフであり、図示の如く入力圧の増大に伴っ
て出力圧も次第に増大する一方、スプリットポイントP
を支点としてレデューシングレシオが大きい領域Mと、
レデューシングレシオが小さい領域mとに分離する。即
ち第3図に示した例では出力ポート43側のレデューシ
ングレシオが大きく、出力ポート41側のレデューシン
グレシオが小さくなっている。
次に車両が第1図の矢印Aに示した様に、左方へ旋回し
た際にドライバーがブレーキペダルを踏んだ場合を想定
すると、この時の車体のローリングに起因して右前輪3
がバウンドし、左前輪4がリバウンドする。すると前記
バウンド作用により、右前輪3のトランスバースリンク
19Rに揺動自在に支持された揺動レバー20Rと軸2
1Rの作用に基づいてセンサースプリング11Rの弾性
力が高められ、このセンサースプリング11Rの作用に
より、操作杆12Rが付設された液圧配分バルブ10R
のセット荷重が高められる。逆に左前輪4のトランスバ
ースリンク19Lに揺動自在に支持された揺動レバー2
0Lと軸21Lの作用に基づいてセンサースプリング1
1Lの弾性力が下がり、このセンサースプリング11L
の作用により、操作杆12Lが付設された液圧制御弁1
0Lのセット荷重が低くなる。従って旋回方向外側後輪
である右後輪5に対して液圧制御弁10Rから供給され
るブレーキ液圧よりも、旋回方向内側後輪である左後輪
6に対して液圧制御弁10Lから供給されるブレーキ液
圧の方が低くなり、その結果、制動時には左後輪6即ち
旋回方向内側後輪のスプリットポイントを右後輪5即ち
旋回方向外側後輪のスプリットポイントよりも低くする
ことが出来て、旋回方向内側後輪の早期ロックに起因す
るスピンアウトを防止することが可能となる。
又上記動作と同時に、ドリフトモーメント発生の主要因
である旋回方向内側前輪、即ち左前輪4のブレーキ液圧
が前記液圧配分バルブ10Lの作用に基づいて旋回方向
外側前輪、即ち右前輪3のブレーキ液圧よりも小さくな
り、後輪と同様に制動時に左右輪のブレーキ液圧の制御
が開始されるスプリットポイントが、旋回方向外側前輪
である右前輪3よりも旋回方向内側前輪である左前輪4
の方が低くなるように制御することができる。従って旋
回時において旋回方向内側前輪である右前輪3はロック
しにくくなり、横力が大きく保たれ、ドリフトの発生が
防止される一方、旋回方向外側前輪である右前輪3の制
動力が左前輪4に比して相対的に高くなり、充分な制動
力が確保される。
尚、車両が右旋回時にあっては、前輪のバウンド、リバ
ウンドが上記の動作と逆になるため、前記動作態様と逆
の動作態様に基づいて、旋回方向内側前輪である右前輪
3及び旋回方向内側後輪である右後輪5側のスプリット
ポイントを、旋回方向外側前輪である左前輪4及び旋回
方向外側後輪である左後輪6のスプリットポイントより
も低くすることができることはいうまでもない。
第5図は緩ブレーキ域と急ブレーキ域におけるマスタシ
リンダ圧と各車輪のホイールシリンダ圧との関係を示す
グラフであって、図中は旋回方向外側前輪、は直進
時における左右前輪、は旋回方向内側前輪、は旋回
方向外側後輪、は直進時における左右後輪、は旋回
方向内側後輪のグラフを示している。このグラフから特
に急ブレーキ域における旋回方向外側前輪及び旋回
方向外側後輪のホイールシリンダ圧が、夫々旋回方向
内側前輪及び旋回方向内側後輪のホイールシリンダ圧
よりも大きいことが明示されている。
第6図は車両のヨーイング角加速度と制動加速度との関
係を示すグラフであって、図中のは標準のプロポーシ
ョンバルブを装備した車両、は左右輪及び前後輪別に
個々に制御可能なブレーキシステムを装備した車両、
は左右後輪別に個々に制御可能なブレーキシステムを装
備した車両の場合を示し、又ポイント10は一般のドラ
イバーが踏むことができる最大制動加速度を示してい
る。本発明の場合は上記のグラフに相当しており、緩
ブレーキ時におけるスピンモーメントが許容範囲H内に
あり、且つ急ブレーキ時のドリフトモーメントも前記一
般のドライバーが踏むことができる最大制動加速度より
も高くなっている。従ってドリフトモーメントが上記最
大の制動加速度以下ではほとんど感知することがないよ
うにすることができる。
第7図は本考案の第2実施例を示すものであって、前記
第1実施例と同一の構成部分に同一の符号を付してあ
る。即ちこの第2実施例は、前記第1図に示したX型配
管と呼称されるブレーキ液の配管系統に対して、I型配
管と呼称されるブレーキ液の配管系統に本考案を適用し
た例を示しており、マスタシリンダ2の圧力室2aから
導出された一方側の管路15が管路15a,15bに分
岐されて、該管路15aが液圧配分バルブ10R及び管
路53を経由して右後輪5のホイールシリンダ5aに連
結され、又前記管路15bが液圧配分バルブ10L及び
管路52を経由して左後輪6のホイールシリンダ6aに
連結されている。又マスタシリンダ2の圧力室2bから
導出された管路16が管路16a,16bに分岐され
て、該管路16aが液圧配分バルブ10R及び管路51
を経由して右前輪3のホイールシリンダ3aに連結さ
れ、管路16bが液圧配分バルブ10L及び管路54を
経由して左前輪4のホイールシリンダ4aに連結されて
いる。即ちこのような構成によれば、マスタシリンダ2
の一方側の管路15が管路15a,15bに分岐された
ことによって右後輪5と左後輪6に夫々ブレーキ液を供
給しており、マスタシリンダ2の他方側の管路16が管
路16a,16bに分岐されたことによって右前輪3と
左前輪4にブレーキ液を供給するというブレーキ液供給
系統が形成される。その他の構成に関しては前記第1実
施例と同一である。
上記第2実施例の場合にあっても液圧配分バルブ10
L,10Rの作用に基づいて左右の前輪及び後輪に対す
るブレーキ液の液圧が変化して、ブレーキ液の制御開始
時点、つまりスプリットポイントが旋回方向外側後輪よ
りも旋回方向内側後輪の方が低くなり、且つ前記スプリ
ットポイントが旋回方向外側前輪よりも旋回方向内側前
輪の方が低くなるように制御されるという前記第1実施
例と同様の作用が得られる。即ち本考案はこのようなI
型配管を有するブレーキ液供給系統に対しても同様に適
用することが可能である。
第8図は本考案の第3実施例を示すものであって、前記
第2図に示した構成と同一の構成部分に同一の符号を付
して表示してある。即ち本第3実施例の場合には、上記
の液圧配分バルブ10L及び10Rを共にリヤサスペン
ション部材の近傍にある車体側に装備してあり、揺動レ
バー20L,20Rはリヤサスペンション部材の一端部
に対して揺動自在に支持されていて、該揺動レバー20
L,20Rに一端部が固定された軸21L,21Rにセ
ンサースプリング11L,11Rが巻装されているとと
もに、液圧配分バルブ10L,10Rには操作杆12
L,12Rが付設されており、この操作杆12L,12
Rが前記軸21L,21Rに挿通支持され、且つ前記セ
ンサースプリング11L,11Rの弾性力を受けるよう
になっている。従って前記揺動レバー20L,20Rの
揺動にともなってセンサースプリング11L,11Rの
弾性力が適宜変更され、操作杆12L,12Rを介して
液圧配分バルブ10L,10Rから導出されるブレーキ
液圧の大きさを調整するようにしてある。尚第3実施例
の動作に関しては前記第1実施例の動作と略同一である
ので、詳細な動作説明を省略する。
考案の効果 以上詳細に説明した如く、本考案にかかるブレーキ液圧
制御装置によれば、車両の旋回状態に応じてマスタシリ
ンダから各車輪へ供給されるブレーキ液圧を、左右輪別
及び前後輪別に個々に制御可能な液圧ブレーキ装置にお
いて、車体側部材に、前記マスタシリンダからの液圧を
受け入れて車両の旋回状態に応じて左右輪別及び前後輪
別に異なるブレーキ液圧を供給する液圧配分バルブを装
備し、制動時に左右輪のブレーキ液圧の制御が開始され
るスプリットポイントが、旋回方向外側後輪よりも旋回
方向内側後輪の方が低くなるように制御すると同時に、
前記スプリットポイントが旋回方向外側前輪よりも旋回
方向内側前輪の方が低くなるように制御した構成にした
ので、以下に記す作用効果がもたらされる。即ち車両の
直進時には左右の車輪に対するブレーキ液の液圧が同一
に保持されている一方、車両の旋回中にブレーキペダル
を踏んだ際には、前記液圧配分バルブからの左右の後輪
に対するブレーキ液の液圧が変化して、ブレーキ液の制
御開始時点、つまりスプリットポイントが旋回方向外側
後輪よりも旋回方向内側後輪の方が低くなり、その結果
旋回方向内側後輪の早期ロックに起因するスピンアウト
が防止することができると同時に、前記液圧配分バルブ
の作用によって前記スプリットポイントが旋回方向外側
前輪よりも旋回方向内側前輪の方が低くなり、旋回方向
内側前輪のロックの発生が防止され、旋回方向内側前輪
の横力が確保されて、旋回制動中のドリフトモーメント
が低減されるという効果が得られる。従って本考案によ
れば、旋回制動中のスピン現象を抑える効果と、旋回方
向内側前輪のロックに起因して車体が横方向に押し流さ
れるという所謂ドリフト現象を抑える効果が得られる。
又上記のドリフト現象を抑えるために複雑なアンチロッ
クブレーキシステム(ABS)等を装備する必要がない
ので、構成が簡易化されるとともにコストが低廉である
という利点を有している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案にかかるブレーキ液圧制御装置の第1実
施例を示す概要図、第2図は同第1実施例の具体的取付
例を示す概要図、第3図は本考案で採用した液圧配分バ
ルブの構造例を示す要部断面図、第4図は同液圧配分バ
ルブの入出力特性図、第5図はホイールシリンダ圧とマ
スタシリンダ圧との関係を示すグラフ、第6図はヨーイ
ング角と制動加速度との関係を示すグラフ、第7図は本
考案の第2実施例を示す概要図、第8図は本考案の第3
実施例を示す概要図である。 1……ブレーキペダル、2……マスタシリンダ、 3……右前輪、4……左前輪、5……右後輪、 6……左後輪、10L,10R……液圧配分バルブ、 11L,11R……センサースプリング、 12L,12R……操作杆、 19L,19R……トランスバースリンク、 20L,20R……揺動レバー、 21L,21R……軸、23……ハウジング、 24,25……弁室、26,27……ピストン、 30,31……液通路、32,23……ボール弁、 34,35……受座、40,42……入力ポート、 41,43……出力ポート、

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の旋回状態に応じてマスタシリンダか
    ら各車輪へ供給されるブレーキ液圧を、左右輪別及び前
    後輪別に個々に制御可能な液圧ブレーキ装置において、 車体側部材に、前記マスタシリンダからの液圧を受け入
    れて車両の旋回状態に応じて左右輪別及び前後輪別に異
    なるブレーキ液圧を供給する液圧配分バルブを装備し、
    制動時に左右輪のブレーキ液圧の制御が開始されるスプ
    リットポイントが、旋回方向外側後輪よりも旋回方向内
    側後輪の方が低くなるように制御すると同時に、前記ス
    プリットポイントが旋回方向外側前輪よりも旋回方向内
    側前輪の方が低くなるように制御したことを特徴とする
    ブレーキ液圧制御装置。
JP1988077643U 1988-06-10 1988-06-10 ブレーキ液圧制御装置 Expired - Lifetime JPH065921Y2 (ja)

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JP1988077643U JPH065921Y2 (ja) 1988-06-10 1988-06-10 ブレーキ液圧制御装置

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JPH01180358U JPH01180358U (ja) 1989-12-26
JPH065921Y2 true JPH065921Y2 (ja) 1994-02-16

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ID=31302616

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JPS62258843A (ja) * 1986-05-06 1987-11-11 Nissan Motor Co Ltd 車両の前後輪ブレ−キ力配分制御装置
JPS6338064A (ja) * 1986-08-01 1988-02-18 Mazda Motor Corp 自動車のスリツプ制御装置

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