JPH0658802B2 - 二次電池 - Google Patents

二次電池

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JPH0658802B2
JPH0658802B2 JP60250388A JP25038885A JPH0658802B2 JP H0658802 B2 JPH0658802 B2 JP H0658802B2 JP 60250388 A JP60250388 A JP 60250388A JP 25038885 A JP25038885 A JP 25038885A JP H0658802 B2 JPH0658802 B2 JP H0658802B2
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哲身 鈴木
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正久 藤本
晃治 西尾
修弘 古川
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    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/36Selection of substances as active materials, active masses, active liquids
    • H01M4/60Selection of substances as active materials, active masses, active liquids of organic compounds
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は二次電池に関し、詳しくは、有機材料よりな
る新規な導電体を電極材料として用いた非水電解質二次
電池に関するものである。
〈従来の技術〉 近年、各種有機材料からなる導電性ポリマーを電極材料
とした二次電池が提案されている。
この種の二次電池の電極材料となる導電性ポリマーは、
通常は導電性はわずかであるが、各種アニオンやカチオ
ンの如きドーパントをドーピング並びにアンドーピング
処理することが可能であり、ドーピングにより導電性が
飛躍的に上昇する。そして、アニオンがドーピングされ
る導電性ポリマーを正極材料として、またカチオンがド
ーピングされる導電性ポリマーを負極材料として各々使
用すると共に上記ドーパントを含有する溶接を電解液と
して用い、ドーピング及びアンドーピングを電気化学的
に可逆的に行なうことにより充放電可能な電池が構成さ
れる訳である。
このような導電性ポリマーとしては従来よりポリアセチ
レン,ポリチオフェン,ポリピロール,ポリアニリンな
どが知られており、ポリアセチレンを例に採れば、ポリ
アセチレンを正極または負極の少なくとも一方の電極材
料として用い、BF 、ClO 、SbF 、P
等のアニオン、またはLi、Na、R−N
(Rはアルキル基を表わす)等のカチオンを電気化学
的に可逆的にドーピング,アンドーピングする構成が採
られている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながら、この種の導電性ポリマー、例えばポリア
セチレンは、ドーピング時あるいはアンドーピング状態
において空気中の酸素によって非常にたやすく酸化され
易いという欠点をもつ。このため、電極作製環境の管理
が重大となり、電極作製作業が困難且つ煩雑化するのみ
ならず、作製後の酸化による材質劣化により電極性能が
著しく低下するので電極自身の保存性が悪い等という問
題がある。これに加えて、電池内に組込んだ場合、微量
の酸素や水分が存在するだけで変成あるいは分解を起こ
して電池特性劣化を引き起す他、過充電を行なうとポリ
マーが変成,分解する可能性がある等の欠点があり、充
電電圧の急上昇、充放電効率の低下やサイクル寿命の減
少等を招くことから、電極用材料としては甚だ問題が多
い。また、この種の導電性ポリマーは、ドーピングレベ
ルが低いため、電池電極として用いた場合に電池容量が
小さいという欠点を有する。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明者は、従来の導電性ポリマーに代えて上述の如き
欠点のない新規な有機導電体を電極材料として用いるこ
とで上記問題点を解決せんと研究した所、以下に示す如
き、特定の窒素酸化物と特定の複素環式化合物とを反応
させて得られる有機半導体を用いた場合には所期の目的
を達成できることを知得してこの発明を完成した。
即ち、この発明の二次電池は、 一般式 NOX …(1) (式中Xはハロゲン含有の無機基、mは1または2の整
数を表わす) で示される窒素酸化物と 一般式 又は一般式 (式中R,Rは水素原子,アルキル基,アルコキシ
基,アリール基,アリロキシ基,チオエーテル基,アミ
ノ基,ハロゲン原子,アルデヒド基,シアノ基,ニトロ
基を表わし、YはN−R、O、S,Seを表
わし、Rは水素原子、アルキル基,アリール基を表わ
す) で示される縮合した複素環式化合物とを反応させること
によって得られる有機半導体を正極または負極の少なく
とも一方の電極として用いたことを要旨とする。
本発明の有機半導体は単一または異なる二種類以上の混
合した複素環式化合物を出発物質に用い、これと単一ま
たは異なる二種類以上の窒素酸化物とを反応させて得る
ことができる。
一般式(1)で示される窒素酸化物において、Xは具体的
にはBF 、BCl 、 SbF 、SbCl 、PF 、 PCl 、ClO 、AsF 、 AsCl などを表わす。このような窒素酸化物とし
て具体的には、NOBF、 NOBF、NOPF、NOPF、 NOSbF、NOSbF、NOClO、 NOClO、NOAsF、 NOAsF、NOSbCl、 NOSbCl、NOPCl、 NOPClなどが挙げられ、好ましくはNOB
、NOBF、NOPF、 NOAsFなどである。
使用量は縮合した複素環式化合物に対して0.01〜100 倍
モルであり、好ましくは 0.1〜10倍モルである。
一般式(2)又は(3)で示される縮合した複素環式化合物と
してR,Rは水素原子、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、 iso−プロピル基、n−ブチル基、 iso−
ブチル基、 sec−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ
基、エトキシ基、n−プロポキシ基、 iso−プロポキシ
基、n−ブトキシ基、フエニル基、トルイル基、ナフチ
ル基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ナフトキシ
基、メチルチオエーテル基、エチルチオエーテル基、ア
ミノ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、
アルデヒド基,シアノ基、ニトロ基を表わし、YはN
−R、O、S、Seを表わし、Rは水素原
子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、 sec−ブチル基、
tert−ブチル基、フエニル基、トルイル基、ナフチル基
を表わす。
一般式(2)に相当する化合物として、具体的には、カル
バゾール、N−メチルカルバゾール、N−エチルカルバ
ゾール、N−n−プロピルカルバゾール、N−n−ブチ
ルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、4−メチ
ルカルバゾール、4−エチルカルバゾール、4−メチル
N−メチルカルバゾール、4−メトキシカルバゾール、
4−エトキシN−メチルカルバゾール、4−フェノキシ
カルバゾール、4−メチルチオカルバゾール、、4−ア
ミノ−N−エチルカルバゾール、 4,7−ジクロルN−エ
チルカルバゾール、4−ブロムN−メチルカルバゾー
ル、カルバゾール−4−アルデヒド、4−シアノ−N−
メチルカルバゾール、 4,7−ジニトロN−エチルカルバ
ゾール、ジベンゾフラン、4−メチルジベンゾフラン、
4−ブロムジベンゾフラン、4−フェニルジベンゾフラ
ン、4−フェノキシジベンゾフラン、ジベンゾチオフェ
ン、4−エチルベンゾチオフェン、4−メトキシジベン
ゾチオフェン、4−アミノジベンゾチオフェン、4−ニ
トロジベンゾチオフェン、 4,7−ジブロムジベンゾチオ
フェン、ジベンゾセレノフェン、4−メチルジベンゾセ
レノフェンなどが挙げられる。
一般式(3)に相当する化合物として具体的には、インド
ール、3−メチルインドール、3−エチルインドール、
N−メチルインドール、N−エチルインドール、3−メ
チルN−メチルインドール、3−メトキシインドール、
3−フェノキシインドール、3−フェノキシN−メチル
インドール、ベンゾフラン、3−メチルベンゾフラン、
3−ブロムベンゾフラン、ベンゾチオフェン、2−メチ
ルベンゾチオフェン、3−エチルベンゾチオフェン、3
−クロルベンゾチオフェン、3−メチルチオベンゾチオ
フェンなどが挙げられる。
一般式(1)で示される窒素酸化物と一般式(2)又は(3)で
示される縮合した複素環式化合物との反応は固相、液
相、気相の任意の相で実施することができるが、少なく
とも一方が溶解する任意の溶媒の存在下、液相で反応す
るのが好ましい。
溶媒としては、一般式(1)及び(2)又は(3)で示される化
合物がその溶媒と直接反応しないものなら適宜選択する
ことができる。また、少なくとも一方を溶解する溶媒と
して非プロトン性極性溶媒が好ましく、具体的にはアセ
トニトリル、ジオキサン、ニトロメタン、プロピレンカ
ーボネート、ジオキソランなどが挙げられる。
反応温度は−50℃〜100 ℃であり、好ましくは−20
℃〜60℃である。反応時間は反応温度と関連するが、
通常 0.5〜100 時間、好ましくは1〜50時間である。
反応生成物は暗褐色〜黒色の粉末状物質であり、溶媒存
在下での反応では反応終了後、溶媒を通常の方法で除去
するか、水又はアルコール中に移し、生成物を取する
ことができる。
この反応生成物は実施例において述べる如く導電性を有
する。本発明では、かかる反応生成物を加圧成形の如き
公知の方法で所要形状に成形加工し、二次電池の電極と
して使用する。この際、かかる反応生成物を単独で使用
することも可能であるが、電極の機械的強度を高めると
共に、導電性を上昇させて電池特性向上を図るために熱
可塑性樹脂や適宜な導電性部材等を添加するのが好まし
い。このような熱可塑性樹脂としては、電池の電解液に
対して実質的に不溶のものであれば特に制限なく用いる
ことができる。通常、分子量1万以上のものが用いら
れ、具体例としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,
エチレン−プロピレン共重合体,エチレン−テトラフル
オロエチレン共重合体,ポリテトラフルオロエチレン,
ポリトリフルオロエチレン,ポリジフルオロエチレン,
四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテ
ル共重合体,四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共
重合体,ポリ三フッ化塩化エチレン,ポリフッ化ビニリ
デン,四フッ化エチレン−エチレン共重合体,クロロト
リフルオロエチレン−エチレン共重合体,ポリアミド,
ポリエステル,ポリカーボネート、及び、変成ポリオレ
フィン等が挙げられる。
また、導電性部材としては充放電を繰り返しても溶解し
ない材質のもの、例えばステンレス鋼,金,白金,ニッ
ケル,銅,モリブデン,チタン等の金属、カーボン,炭
素繊維等の部材からなるものならば特に制限はないが、
特に、軽量且つ高導電性のものが好ましい。具体的に
は、そのような金属からできた金属網、あるいは、金属
メッキ繊維,金属蒸着繊維,金属含有合成繊維、更には
炭素繊維,炭素複合繊維等からなる網や織布および不織
布が挙げられる。
このような熱可塑性樹脂及び導電性部材の添加量は反応
生成物(有機半導体) 100重量部に対して熱可塑性樹脂
0.02 〜1000重量部、導電性部材2〜100 重量部使用す
ることが好ましい。
本発明の二次電池には、かかる反応生成物を電極材料と
して用いてなる電極を正負両極に使用する場合と、一方
の電極のみにこの電極を使用し、他の電極には、金属や
金属酸化物あるいは他の無機化合物更には本発明の反応
生成物以外の公知の導電性重合体や有機化合物および有
機金属化合物等を電極材料として使用する場合とがあ
る。正極にのみこの反応生成物を用いた電極を使用し、
負極の電極材料として金属を使用する場合を例にとれ
ば、負極を構成する金属として電気陰性度が 1.6以下の
ものを用いるのが好ましく、このような金属の例として
はLi,Na,K,Mg,Alあるいはそれらの合金等
が挙げられ、特に、LiおよびLi合金が好ましい。
一方、本発明の二次電池に用いられる電解液としては電
解質を有機溶剤に溶解した溶液が使用される。かかる電
解質としては、電気陰性度が 1.6以下の金属の陽イオン
や有機カチオン等の陽イオン及び陰イオンとの塩を挙げ
ることができる。オニウムイオンの例として、4級アン
モニウムイオン、カルボニウムイオン、オキソニウムイ
オン等が挙げられる。また、陰イオンとしては、BF
、ClO 、PF 、AsF 、CFSO
、I、Br、Cl、F等が挙げられる。そし
て、このような電解質の具体例としては、テトラフルオ
ロホウ酸リチウム(LiBF)、過塩素酸リチウム
(LiClO)、ヘキサフルオロリン酸リチウム(L
iPF)、テトラクロロアルミン酸リチウム(LiA
lCl)、テトラフルオロホウ酸テトラエチルアンモ
ニウム(EtNBF)、過塩素酸テトラn−ブチル
アンモニウム(nBuNClO)、トリフルオロメ
タンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ヨウ化
リチウム(LiI)、臭化リチウム(LiBr)等が挙
げることができるが、これらに限定されるものではな
い。そして、正負両極に本発明の有機半導体を用い、L
iBFを電解質として溶解してなる電解液を用いて構
成される電池を例にとれば、充電時には、正極内の有機
半導体に電解液中のBF が、また負極内の有機半導
体には電解液中のLiが夫々ドーピングされる。一
方、放電時には、正,負極にドーピングされたB
、Liが夫々電解液中に放出される。
また、電解質を溶解する有機溶剤としては、高誘電率で
非プロトン性のものが好ましく、ニトリル、カーボネー
ト、エーテル、ニトロ化合物、アミド、含硫黄化合物、
塩素化炭化水素、ケトン、エステル等を用いることがで
きる。また、このような溶剤は二種以上を混合して用い
ることもできる。これらの代表例として、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリ
ル、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、
テトラヒドロフラン、ジオキソラン、 1,4−ジオキサ
ン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシド、スルホラン、 1,2−ジクロロエタ
ン、γ−ブチロラクトン、 1,2−ジメトキシエタン、リ
ン酸メチル、リン酸エチル等を挙げることができるが、
これらに限定されるものではない。
そして、本発明の電解液の濃度は、通常 0.001〜10モ
ル/で用いられ、好ましくは 0.1〜3モル/で用い
られる。
このような電解液は注液の他、予め本発明の有機半導体
を用いた電極に含液させて用いることもできる。
また、以上では有機半導体にドーピング処理をすること
なくそのまま電極に成形加工する方法について説明した
が、ドーパントを予め有機半導体にドーピングせしめ、
しかる後、単独あるいはこれと上記した如き導電性材料
及び又は熱可塑性樹脂を用いて、電極に成形加工して使
用することもできる。
更に、本発明に於て、電解質中で電極を固定するため
に、スノコ状または孔を有するガラス、テフロン、ポリ
エチレン、板等を用いて電極を被覆する構成としてもよ
い。
また、本発明の電池においては、ガラスフィルター濾
紙、テフロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロ
ン等の多孔質膜をセパレータとして用いてもよい。
〈作用〉 上記の如き有機半導体は、耐酸化性が優秀で、空気中の
酸素や水分によって酸化することがない。このため、電
極作製環境の管理がポリアセチレン等を電極材料とした
場合に較べてそれ程重大でなく、非常に容易化するのみ
ならず電極自身の保存性が向上する。また、電池内に組
込んだ場合、電池内部の酸素や水分の存在あるいは過充
電などによって変成や分解を起こすことがないことか
ら、充電時の電圧急上昇がなく、また充電効率並びにサ
イクル寿命の向上を図ることができる。更に、ポリアセ
チレン等に比べてドーピングレベルが高いため、電池電
極として用いた場合に電池容量が向上する。
〈実施例〉 300ml丸底フラスコにNOBF11.68g( 0.10 モル)
を採り、モレキュラーシーブ4Aで脱水したアセトニト
リル50mlを加えてNOBFのスラリー液を調製し、
このスラリー液を撹拌しながら室温窒素気流下でカルバ
ゾール16.70g( 0.10 モル)を粉末のまま少しずつ添加
した。添加とともに反応液は色は直ちに濃紺色に変化し
た。この反応液を2時間撹拌した後、室温で一夜放置す
ると反応液は全体が固化した。次いで、最大のメタノー
ル中にこの固形物を加え、しばらく撹拌した後過し、
残をメタノール 200mlで3回洗浄を繰り返し、洗浄後
に60℃減圧下で乾燥すると 6.99gの黒色粉末が得られ
た。
得られた黒色物の元素分析をした所、C73.39 %、H
4.59 %、N 8.92 %、F 9.68%であり、炭素を12と
するとC12.008.941.251.00に相当するもの
を得た。これはカルバゾールに較べてN,Fの量が増加
していることから、カルバゾールと窒素酸化物NOBF
が反応したものであることを示している。
この黒色物について2端子法による電気伝導度の測定を
行なった結果 6.0×10-5Scm-1を得、半導体領域の導
電性をもった有機半導体であることがわかった。
尚、上記電気伝導度の測定は次のように行なった。ま
ず、上記処理により得た黒色粉末を乳鉢で十分細かく粉
砕した後、直径10mmのディスク状に加圧成形(5トン
/cm2)した。次いでこのディスクサンプルに同一大の
ステンレス製ディスクを両側から夫々挟み、テフロン製
のボルト,ナットの間におき、締付けることによってこ
れらのディスクを十分に圧着固定した後、ドライボック
ス中に保存し、エレクトロメータ(タケダ理研TR−86
51)を使用してディスクサンプルの電気伝導度を測定し
た。
この有機半導体を正極材料として用い、これとアセチレ
ンブラック(導電剤)、並びにポリテトラフルオロエチ
レン(結着剤)とを重量比85:10:5の割合で混合
した後、ディスク状に加圧成形したものを正極とした。
また、リチウムを所定寸法に打ち抜いたものを負極とし
た。
次いで、第1図に示すように、上記の負極2を負極集電
体8を介して負極缶7の底面に圧着させてなる負極部分
と、上記の正極1を正極集電体6を介して正極缶5の底
面に密着させてなる正極部分とを、ポリプロピレン不織
布からできたセパレータ3を介して組合せ、また、4フ
ッ化ホウ酸リチウム(電解質)を1モル/となるよう
にプロピレンカーボネート(溶媒)に溶解してなる電解
液を用いて、直径2.4cm高さ3.0mmの本発明に係る電池
(本発明品A)を作製した。尚、第1図において4は絶
縁ガスケットである。そして、以上の操作は全てアルゴ
ン雰囲気のドライボックス中で行なった。
また、モレキュラーシーブ4Aで脱水したジオキサン5
0mlを使用し、またカルバゾールの代りにベンゾチオフ
ェン13.4g ( 0.10 モル)を使用したほかは本発明品A
の場合と同様にしてNOBFとベンゾチオフェンとの
反応を行なった。反応後は本発明品Aの場合と同じ方法
で生成物を洗浄,乾燥すると暗褐色の粉末 1.74gが得ら
れた。
この暗褐色粉末を元素分析した所、C65.39 %、H 2.6
3 %、N 2.26 %、S18.21 %であり、炭素を8とする
とC8.00、H3.84、S0.84、N0.23、F0.312 に相当す
るものを得た。これはベンゾチオフェンに較べてN,F
の量が増加しているから、ベンゾチオフェンと窒素酸化
物NOBFが反応したものであることを示している。
この暗褐色物について上記と同様に電気伝導度を測定し
た所 3.9×10-7Scm-1であり、半導体領域の導電性を
もった有機半導体であった。
この有機半導体を正極材料として用い、これとアセチレ
ンブラック、並びにポリテトラフルオロエチレンとを重
量比85:10::5の割合で混合しディスク状に加圧
成形したものを正極とした他は本発明品Aと同様にし
て、本発明に係る電池(本発明品B)を作製した。
更に、ジベンゾフラン16.8g とNOBF13.3g を使
用したほかは本発明品Aの場合と同様に反応を行なった
ところ黒色粉末 7.5g を得た。
この黒色物の電気伝導度は 2.8×10-8Scm-1であり、
上記反応により得られた黒色粉末も有機半導体であるこ
とがわかった。
そして、この有機半導体を正極材料として用い、これと
アセチレンブラック、並びにポリテトラフルオロエチレ
ンとを重量比85:10:5の割合で混合しディスク状
に加圧成形したものを正極とした他は本発明品Aと同様
にして、本発明に係る電池(本発明品C)を作製した。
一方、正極材料としてポリアセチレン粉末を用い、これ
とアセチレンブラック、並びにポリテトラフルオロエチ
レンとを重量比85:10:5の割合で混合しディスク
状に加圧成形したものを正極とし、他は本発明品Aと同
様にして比較用の電池(比較品D)を作製した。
以上の4つの電池について、1mAの電流で5時間充電
した後、1mAの電流で電池電圧が 2.0Vになるまで放
電するという一連の充放電サイクルを繰り返し行なった
時の充放電効率(%)のサイクル変化を調べた。結果は
第2図に示す通りである。
同図より、比較品Dは50サイクルをすぎるあたりから
充放電効率の急激な低下がみられるのに対し、本発明品
A,B,Cでは、全サイクルを通じて比較品Dより高い
充放電効率を示すのみならず80サイクルをすぎても9
5%以上の高い充放電効率を維持し続けることがわか
る。尚、第80サイクル目における本発明品A,B,C
の充放電効率は夫々94%,95%,96%であるのに
対し、比較品Dの場合は僅かに25%であった。比較品
Dのサイクル特性がこのように劣悪であるのは、ポリア
セチレン粉末に完全に除去されずに吸着あるいは付着し
ていた水や酸素並びに電解液中の溶存酸素や微量水分に
よって正極材料であるポリアセチレン粉末が材質劣化
し、このため、充電容量並びに放電容量が低下し、充電
末期に電池電圧が急上昇して電解液の分解劣化が生じる
ためと思われる。そして、本発明品A,B,Cの場合
は、正極材料である有機半導体が優れた耐酸化性をもつ
ことから電解液中の溶存酸素や微量水分などによる材質
劣化がなく、充電容量、放電容量が低下しないため、電
池電圧が急上昇せず、電解液と分解劣化が生じないため
と思われる。
また、第80サイクル目における充電及び放電時の夫々
の電池電圧の経時変化を第3図に示す。尚、同図におい
て実線は充電時の、点線は放電時の電圧変化である。第
3図より、本発明品A,B,Cは充電時における電圧の
急激な立ち上がりもなく、また比較品Dに較べて放電電
圧の平坦性が非常に良く放電電圧が安定していることが
わかる。
尚、以上は正極材料にのみ有機半導体を用いたものにつ
いて説明したが、負極材料、あるいは正負極材料に有機
半導体を用いた場合も同様の効果が得られることは明ら
かである。
〈発明の効果〉 以上のように構成されるこの発明の二次電池によれば、
耐酸化性が非常に優れた有機半導体を電極材料として用
いたことから、電極作製環境の管理が非常に容易化しま
た電極自身の保存性が向上するのみならず、充電電圧が
急上昇する等といった不都合がなく且つ充放電効率及び
サイクル寿命の向上が図れるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明の実施例等の電池構造を示した断面図、
第2図は本発明品及び比較品のサイクル特性を示したグ
ラフ、第3図は同じく充放電における電池電圧の経時変
化を示したグラフである。 1……正極、2……負極、3……セパレータ、5……正
極缶、7……負極缶。
フロントページの続き (72)発明者 藤本 正久 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 西尾 晃治 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 古川 修弘 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 NOX …(1) (式中Xはハロゲン含有の無機基、mは1または2の整
    数を表わす) で示される窒素酸化物と 一般式 又は一般式 (式中R,Rは水素原子,アルキル基,アルコキシ
    基,アリール基,アリロキシ基,チオエーテル基,アミ
    ノ基,ハロゲン原子,アルデヒド基,シアノ基,ニトロ
    基を表わし、YはN−R、O、S,Seを表
    わし、Rは水素原子、アルキル基,アリール基を表わ
    す) で示される縮合した複素環式化合物とを反応させること
    によって得られる有機半導体を正極または負極の少なく
    とも一方の電極として用いてなることを特徴とする二次
    電池。
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