JP6814064B2 - 有機化合物、電極活物質及びこれを用いた二次電池 - Google Patents

有機化合物、電極活物質及びこれを用いた二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池の技術分野に属し、電極材料として有用な新規な有機化合物及びその用途に関する。さらに詳しくは、本発明は、二次電池の電極活物質として有用な特定の有機化合物、並びに、これを利用した二次電池に関する。
近年、電子工学の進歩に伴い、携帯電話、ノートパソコン、デジタルカメラ等の携帯型電子機器が急速に普及している。また、それに伴い、携帯型電子機器の電源として、二次電池等の需要が増大している。加えて、これら電子機器の汎用化をさらに進める上では、二次電源のスペックとして、高エネルギー密度、高出力化が可能で、かつ長寿化が待望されており、正極活物質及び負極活物質を問わず、エネルギー密度の高い、新規な電極活物質の研究開発が積極的に行われている。
一般的なリチウムイオン二次電池では、正極活物質にリチウム含有遷移金属酸化物を用いている。また、負極活物質として炭素材料を使用しており、これらの電極活物質に対するリチウムイオンの挿入反応、及び脱離反応を利用して充放電を行っている。
しかしながら、上述のリチウムイオン二次電池では、リチウム含有遷移金属酸化物の比重が比較的大きいため単位質量当りの理論容量が小さな値に留まるという問題があった。また、電解質や負極に比べて正極でのリチウムイオンの移動速度が遅いため、充放電速度が制限されることにより高出力化や充放電時間の短時間化が計れないという問題があった。
そこで、上記のような課題を解決すべく、導電性高分子や有機ラジカル化合物、さらにはキノン化合物を電極活物質に使用した二次電池の研究開発が盛んに行われている。
例えば、特許文献1には、導電性高分子を正極もしくは負極の材料とする二次電池が開
示されている。これは導電性高分子の酸化還元に伴うリチウムイオンなどの電解質イオンのドープ、脱ドープ反
応を原理とした二次電池である。
導電性高分子は、炭素や窒素といった比重の小さな元素のみから構成されているため、
単位質量当たりの理論容量の向上が期待される。
また、有機ラジカル化合物を電極活物質に使用した先行技術文献としては、特許文献2や非特許文献1、2が知られている。これらは2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(TEMPO)に代表される有機ラジカルの酸化還元反応を活用している。一般的に有機ラジカルの酸化還元反応は高速に進行するため、高速充放電が期待される。
また、キノン化合物を電極活物質に使用した例としては、パラキノンの酸化還元反応を活用するものが知られている。ベンゾキノンやアントラキノン誘導体の単位質量当たりの理論容量は大きいことから、電池の高容量化が期待される。
米国特許第4442187号公報 特開2004−207249号公報
Electrochimica Acta、2004年、第50号、p.827 Journal of The ElectrochemicalSociety、1986年、第133号、p.836−841 Chemical Physics Letters、2002年、第359号、p.351
しかしながら、特許文献1の導電性高分子を電極活物質として用いた場合、導電性高分子の酸化還元反応と連動して生起する電解質イオンのドープ・脱ドープ反応は、導電性高分子のπ電子共役系を通じて望ましくない相互作用を起こす恐れがあり、電解質イオンのドープ量、すなわち二次電池容量が制限されてしまうことが指摘されている。そのため、導電性高分子を電極活物質とする二次電池では軽量化という点では一定の効果があるものの、高容量を実現することは困難である。
特許文献2や非特許文献1および2に記載される有機ラジカル化合物を電極活物質として用いた場合、高電圧と良好なサイクル特性が実現されているが、充放電反応は、1つの電子のみが関与する1電子反応に限定されている。この理由は、有機ラジカル化合物に対して2電子以上の電子が関与する多電子反応を起こさせると、非可逆的な分解に至り充放電反応の可能性が失われるからである。このため、特許文献2や非特許文献1および2では、単位質量当たりの容量が遷移金属酸化物を用いるリチウムイオン二次電池と比較して小さい値に留まっており、高容量化を実現するのは困難である。
また、ベンゾキノンやアントラキノン誘導体を電極活物質として用いた場合は,繰り返し充放電を行うにつれて電気化学反応によって変化した電極活物質が電解液へ溶解することでサイクル特性が低下するという問題がある。
電解液への溶解を回避する方法として、非特許文献3にベンゾキノンをモノマーユニットにもつ高分子を用いたリチウムイオン二次電池に関する報告があるが、原因は定かではないものの容量が理論値の20〜30%程度まで大幅に低下してしまうという問題が指摘されている。
以上のように、導電性高分子,有機ラジカル化合物,パラキノン化合物などの有機化合物を電極活物質として使用した従来の報告によれば,高エネルギー密度、高出力,サイクル特性の点において満足すべき性能を示す電極活物質は見つかっていないのが現状である。
本発明はこのような事情に鑑みて、高エネルギー密度、高出力、かつサイクル特性が良好な電極活物質として有用新規化合物、およびこの電極活物質を使用した電極及びアルカリ金属イオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、二次電池の電極活物質として優れた性能を示す有機化合物を鋭意探索したところ、トルキセノン構造を含有する一連の有機化合物が導電助剤を介した固相還元反応を可逆的に起こし,新たな有機化合物系電極活物質として従来の有機化合物が抱えていた問題を解決しうることを見いだした。
すなわち、本発明は、
[1]下記式(1)で表される構造を有する、有機化合物、
Figure 0006814064
(式(1)中、Rは、アリール基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩を表す。)
[2]下記式(2)で表される構造を有する、有機化合物、
Figure 0006814064
(式(2)中、Rは、下記式(3)または(4)で表される構造を表す。)
Figure 0006814064
(式(3)中、X〜Xはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲノ基を表す。)
Figure 0006814064
(式(4)中、X〜X16はそれぞれ独立して水素原子またはハロゲノ基を表す。)
[3]下記式(5)で表される構造を有する、有機化合物、
Figure 0006814064
(式(5)中、Y〜Yはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲノ基を表す。nは2〜100の整数を表わす。)
[4]下記式(6)で表される構造を有する、前項[3]に記載の有機化合物、
Figure 0006814064
[5]前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機化合物を含む二次電池用電極活物質、
[6]正極、負極、及び電解液を備え、前記正極および前記負極から選ばれる少なくとも1つが、前項[1]〜[4]のいずれか一項に記載の有機化合物又は前項[5]に記載の二次電池用電極活物質を含む、二次電池、
[7]ナトリウムイオンもしくはリチウムイオンである前項[6]に記載の二次電池、
に関する。
本発明の有機化合物によれば、トルキセノン構造を構成単位中に含有する上記特定の有機化合物を主体としているので、多電子反応が可能であり、しかも酸化還元反応に対する安定性も優れた有機化合物を得ることが出来る。
また、本発明の二次電池用電極活物質によれば、トルキセノン構造を構成単位中に含有する上記特定の有機化合物は、多電子酸化還元反応が可能であり、しかも酸化還元反応により生じる各中間体の化学的安定性も優れるため、高容量密度のサイクル特性が良好な二次電池用電極活物質を得ることが出来る。
また、本発明の二次電池によれば、上記二次電池用電極活物質が、上記正極あるいは上記負極のうち少なくとも1つに含まれるので、多電子反応と充放電サイクルに対する安定性を両立することが可能で、エネルギー密度が大きく高出力で、充放電を繰り返しても容量低下の少ないサイクル特性の良好な長寿命の二次電池を得ることが可能となる。
本発明の二次電池の実施形態の一つである概略断面図を示す。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の有機化合物は、トルキセノン構造を構成単位中に含有する上記特定の有機化合物を主体としているので、多電子反応が可能であり、しかも酸化還元反応に対する安定性も優れるため、これを二次電池用電極活物質に用いることで、少ない分子量で高容量密度のサイクル特性が良好な電極活物質を得ることが出来る。
本発明の一つの形態である有機化合物は、具体的には下記一般式(1)で表わされる。
Figure 0006814064
(式(1)中、Rは、アリール基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩のいずれか1種を表す。)
上記のような置換基を選択することで、化合物の固体状態における分子間力が増大する。そのため、本発明の一つの形態である有機化合物を二次電池用電極活物質として用いた場合、充放電中に電解液に溶解を抑制できる。その結果、高容量密度でサイクル特性の高い二次電池を得ることが出来る。
上記アリール基とは、置換若しくは無置換の芳香族炭化水素である。芳香族炭化水素の例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、クリセン、フェナントレン、テトラセン、フルオレン、ピレン、フルオランテン、ペリレン等が挙げられる。また、芳香族複素環の例としては、ピリジン、ピラジン、インドール、アクリジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、キノリン、ナフチリジン、キノキサリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジアザアントラセン、ピラジノキノキサリン、フェナントロリン、カルバゾール、チオフェン、ベンゾジチオフェン、チエノチオフェン、フラン、ベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾール等が挙げられる。
上記アリール基が有してもよい置換基としては、特に制限はないが、例えば、ハロゲノ基、アルキル基等が挙げられる。ハロゲノ基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基及びヨード基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
上記アリール基としては、芳香族炭化水素環に基づくものが好ましく、特にフェニル基が好ましい。
上記のカルボキシル基の金属塩としては、アルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が挙げられるが、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩などが好ましく、リチウム塩、ナトリウム塩がより好ましい。
上記式(1)で列挙したRは、特に限定されるものではないが、分子量が大きくなると活物質単位質量あたりに蓄積できる電荷量が小さくなるので、分子量700程度までの範囲で選択するのが好ましい。
前記式(1)で表される化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。例えば下記式(7A)〜(7H)に示す有機化合物を挙げることが出来る。
Figure 0006814064
本発明の別の形態である有機化合物は、下記一般式(2)で表される。
Figure 0006814064
(式(2)中、Rは下記式(3)または(4)で表される構造を表す。)
Figure 0006814064
(式(3)中、X〜Xはそれぞれ独立して水素原子またはハロゲノ基を表す。)
Figure 0006814064
(式(4)中、X〜X16はそれぞれ独立して水素原子またはハロゲノ基を表す。)
上記式(3)または式(4)で表される構造を置換基に用いることで、次の2つの効果が得られる。化合物の固体状態における分子間力増大により、二次電池の電解液に対する耐溶解性が向上し、二次電池のサイクル特性が向上する。電気化学的還元活性である上記式(3)または式(4)で表される置換基を導入することで、分子量増加に伴う二次電池の容量低下を抑制できる。すなわち、本発明の別の形態である有機化合物を二次電池用電極活物質として用いることで、高容量密度でかつサイクル特性の高い二次電池を得ることが出来る。
このような式(2)で表される有機化合物の具体例を下記式(8A)〜(8F)として列挙する。ただし、本発明に係る有機化合物は、これらに限定されるものではない。
Figure 0006814064
本発明の別の形態である有機化合物は、下記一般式(5)で表される。
Figure 0006814064
(式(5)中、Y〜Yはそれぞれ独立して水素原子、またはハロゲノ基を表す。nは2〜100の整数を表わす。)
電解液への溶解性を低下させる方法として、トルキセノン化合物を高分子量化(多量化)させる方法を提案出来る。一般に、高分子化合物は、単量体のそれに比べて低い溶解性を有する。各主溶媒への溶解性を低下させるために、トルキセノン化合物の重合は有効である。具体的には、上記式(5)で表わされる有機化合物を二次電池用電極活物質として使用することが出来る。その結果、高容量密度でサイクル特性の高い二次電池を得ることが出来る。
前記式(5)中、繰り返し単位の数nは2以上の整数である。二次電池の充放電サイクル特性を十分に改善するためには、繰り返し単位の数nがある程度大きい方が好ましい。しかし、コスト、収率、生産性などの観点から、繰り返し単位の数nを大幅に増やすことが困難な場合がある。他方、2量体や3量体を得ることは比較的容易であるため好ましい。式(5)中n=3以上の場合は、直線状に結合してもよく、分岐上に結合してもよい。本発明の好ましい構造は式(5)中のn=2である下記式(6)で表される。
Figure 0006814064
本発明において、前記式(1)〜前記式(6)で表される化合物は、トルキセノン(東京化成(株)製)等として、一般に入手が可能であるが、公知の方法によって合成することもできる。例えば、公知文献(Chemistry of Materials、2006年、第18号、p.4259−4269)と同様の反応により得ることができる。当該合成方法により得られた各種の化合物は、必要に応じてMS(質量分析スペクトル)、NMR(核磁気共鳴スペクトル)の測定を行うことによりその構造式を決定することができる。
前記式(1)〜(6)で表される有機化合物を二次電池用電極活物質として用いることができる。二次電池用電極活物質として用いた場合は、電気化学的な還元反応により、複数のアニオンラジカルを含む化合物が生じると予想される。化学反応式(9)は、本発明の有機化合物の基本骨格であるトルキセノンを使用した場合に予想される充放電反応の一例を示している。
Figure 0006814064
このように、トルキセノン(9−1)の一分子が3電子還元反応により(9−2)で示す化学種を生じると考えられることから、1電子酸化還元反応に基づく既往の二次電池用電極活物質と比べて、容量密度を大きくすることが出来る。
次に、前記二次電池用電極活物質を使用した二次電池について記述する。
図1は、本発明の二次電池の一例を示す概略断面図であって、本実施の形態では、本発明の電極活物質を正極または負極活物質として使用している。
電池缶10は、正極1と、負極2と、正極1および負極2の間に形成されたセパレーター3と、正極1の集電を行う正極集電体4と、負極層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有するものであり、さらに、電解液7が電池内部空間に充填されている。セパレーター3には微多孔膜、織布、不織布などの多孔性のシートまたはフィルムを使用することが出来る。負極2としては、例えば、銅箔にリチウムもしくはナトリウムの金属箔を積層したものや、黒鉛やハードカーボン等のリチウムもしくはナトリウムを吸蔵する材料を銅箔に塗布したものを使用することが出来る。
次に、上記二次電池の製造方法の一例を詳細に述べる。
まず、電極活物質を電極形状に形成する。例えば、電極活物質を導電補助剤、及び結着剤とともに混合し、溶媒を加えて混練しスラリーとする。該スラリーを正極または負極集電体上に任意の塗工方法で塗工し、乾燥することにより正極1または負極2を形成する。
導電補助剤は、電気抵抗を低減するために用いられる。ここで、導電補助剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、グラファイト、カーボンブラック、アセチレンブラック等の炭素質微粒子、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン等の炭素繊維、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリアセン等の導電性高分子等を使用することが出来る。また、導電補助剤を2種類以上混合して用いることも出来る。なお、導電補助剤の使用量は、正極1または負極2の100質量%に対して10〜80質量%が望ましく、10〜60質量%がより好ましく、10〜40質量%が特に好ましい。
また、結着剤も特に限定されるものではなく、ポリエチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の各種樹脂を使用することが出来る。結着剤の使用量は、正極1または負極2の100質量%に対して5〜80質量%が望ましく、5〜60質量%がより好ましく、5〜40質量%が特に好ましい。
さらに、溶媒についても、特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、プロピレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等の塩基性溶媒、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ニトロベンゼン、アセトン等の非水溶媒、メタノール、エタノール等のプロトン性溶媒、さらには水等を使用することが出来る。
また、有機溶媒の種類、有機化合物と有機溶媒との配合比、添加剤の種類とその添加量等は、二次電池の要求特性や生産性等を考慮し、任意に設定することが出来る。次いで、この正極1を電解液7に含浸させて該正極1に前記電解液7を染み込ませ、その後、正極集電体4に正極1を積層する。次いで、前記電解液7を含浸させたセパレーター3を正極1上に積層し、さらに負極2及び負極集電体5を順次積層し、その後電池ケース6の内部空間に電解質7を注入する。
なお、上記電解液7は、正極(電極活物質)1と対向電極である負極2との間に介在して両極間の荷電担体輸送を行うが、このような電解液7としては、室温で10−5〜10−1 S/cmのイオン伝導度を有するものを使用することが出来る。電解液7、電解質塩を有機溶媒や水に溶解させたものを使用することが出来る。
ここで、電解質塩としては、リチウムイオン電池および非水系電気二重層キャパシタに通常用いられる電解質塩が挙げられる。具体的には、以下のカチオンとアニオンとで形成された電解質塩が挙げられる。カチオンとしては、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属のカチオン、マグネシウム等のアルカリ土類金属のカチオン、テトラエチルアンモニウム及び1,3−エチルメチルイミダゾリウム等の4級アンモニウムのカチオンを使用出来る。これらのカチオンを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。アニオンとしては、例えば、ハロゲン化物アニオン、過塩素酸アニオン、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、四ホウフッ化物アニオン、トリフルオロリン6フッ化物アニオン、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドアニオン、ビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドアニオンが挙げられる。これらのアニオンを単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。電解質塩としては、リチウムもしくはナトリウムカチオンおよび上記アニオンからなるリチウム塩もしくはナトリウム塩が好ましい。
電解質塩自体が液状である場合、電解質塩と溶媒とを混合してもよく、混合しなくてもよい。電解質塩が固体状である場合、適切な溶媒に電解質塩を溶解することによって得た溶液を電解液としても用いるのが好ましい。溶媒としては、以下の有機溶媒や水が挙げられる。
有機溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等を使用することが出来る。これらの有機溶媒を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
また、電解液7の代わりに、固体電解質を使用してもよい。固体電解質に用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリロニトリル系重合体、さらにはポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、及びこれらのアクリレート体やメタクリレート体の共重合体等を挙げることが出来る。また、これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを電解液7として使用したり、或いは電解質塩を含有させた高分子化合物のみをそのまま電解液7に使用してもよい。固体電解質およびゲル電解質は、セパレータ3を兼ねることが出来る。
二次電池の電極活物質は、充放電により可逆的に還元または酸化されるため、放電状態、あるいは充電状態、その途中の状態で異なる構造、状態を有するが、本実施の形態では、前記電極活物質は、少なくとも電池電極反応で酸化還元反応を起こす反応出発物、その結果生じる生成物、及び中間生成物のうちのいずれかを含んでいる。
正極集電体4には、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、アルミニウム合金等の金属材料でできた多孔質または無孔のシートを使用出来る。金属材料で出来たシートには、例えば、金属箔およびメッシュ体が用いられる。一方で、負極集電体5には、正極集電体と同じものに加えて、銅、ニッケル、銅合金、ニッケル合金などの金属材料で出来た多孔質または無孔のシートを使用出来る。
本実施形態の電極活物質を正極1に用いる場合、負極活物質には、リチウムもしくはナトリウムイオンを吸蔵及び放出する能力を有する材料が用いられる。リチウムもしくはナトリウムイオンを吸蔵及び放出する能力を有する材料としては、以下のものが挙げられる:炭素、黒鉛化炭素(グラファイト)、および非晶質炭素等の炭素材料;リチウム金属;リチウム含有複合窒化物およびリチウム含有チタン酸化合物等のリチウム化合物;Si;Si酸化物およびSi合金等のSi化合物;Sn;Sn酸化物及びSn合金等のSn化合物。ナトリウム金属;ナトリウム含有チタン酸化合物等のナトリウム化合物;ハードカーボン;Si;Si酸化物およびSi合金等のSi化合物;Sn;Sn酸化物及びSn合金等のSn化合物
好ましくは、正極活物質に本実施形態の電極活物質を用いることである。この場合、負極活物質に上記のリチウムもしくはナトリウムイオンを吸蔵及び放出する能力を有する材料を用い、電解質に任意の非水電解質を用いて電池10を構成しうる。本実施形態の電極活物質はリチウムもしくはナトリウムイオンを有していないので、これを正極活物質に用いる場合、負極活物質が予めリチウムもしくはナトリウムイオンを有していることが必要となる。例えば、負極活物質として炭素材料、Si、Si化合物、Sn、Sn化合物等のリチウムを有していない材料を使用する場合、負極集電体5上に負極2を形成した後で、負極2にリチウムを急増させる工程を実施する。具体的には、蒸着、スパッタリング等の公知の方法で負極2上にリチウムを堆積させ、リチウムを負極2に拡散させる。これにより、リチウムを予め吸蔵した負極2を作製出来る。堆積したリチウムの負極2への拡散を促進するために、負極2を熱処理してもよい。また、負極2の上にリチウム金属箔を載せ、熱処理を行う事によっても、負極2にリチウムを吸蔵させることが出来る。
本実施形態の電極活物質を負極2に用いる場合、正極活物質には、LiCoO、LiNiOおよびLiMn等のリチウム含有金属酸化物、活性炭、酸化還元可能な有機化合物を使用出来る。酸化還元可能な有機化合物としては、テトラチアフルバレン環に代表される分子内にπ電子共役系を有する有機化合物、ニトロキシラジカルに代表される分子内に安定ラジカルを有する有機化合物が挙げられる。NaCoO、NaFeOなどのナトリウム含有金属酸化物、TiS、FeSなどの金属硫化物、NaFePOF、Na(PO、などのナトリウム含有オキソ酸塩化合物、酸化還元可能な有機化合物を使用出来る。酸化還元可能な有機化合物としては、ロジゾン酸二ナトリウムが挙げられる。
セパレーター3には、所定のイオン透過度、機械的強度、および絶縁性を有する材料、例えば微多孔性のシート、織布または不織布が用いられる。微多孔性のシート、織布または不織布は、通常、樹脂材料で作られている。耐久性、シャットダウン機能、および電池の安全性の観点から、セパレーター3は、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィンでできていることが好ましい。なお、シャットダウン機能とは、電池1の発熱量が大幅に増大した際に貫通孔が閉塞し、それによりイオンの通過が抑制され、電池反応を遮断する機能である。
上記で、本発明の二次電池の構成について説明したが、電池形状は特に限定されるものではないのは言うまでもなく、円筒型、角型、シート型等にも適用出来る。また、外装方法も特に限定される、金属ケースや、モールド樹脂、アルミラミネートフィルム等を使用してもよい。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、実施例中、「部」は特に指定しない限り質量部を示す。「M」はモル濃度(mol/l)を示す。また、反応温度は、特に断りのない限り反応系内の内温を記載した。
以下の合成例で得られた各種の化合物は、必要に応じてES−MSスペクトル(エレクトロスプレー質量分析スペクトル)、プロトン核磁気共鳴分光スペクトル等のスペクトルを分析することにより、その構造式を確認した。これらスペクトルの測定に使用した測定機器は、以下の通りである。
ES−MSスペクトル:ガスクロマトグラフ質量分析計(株式会社島津製作所製、型式名「GCMS−QP2010SE」)
プロトン核磁気共鳴分光(以下、適宜、「H−NMR」という)スペクトル:核磁気共鳴装置(日本電子株式会社製、型式名「JNM−Lambda 400」)
[実施例1] 有機化合物(7A)の合成
(工程1)中間体化合物(a)の合成
Figure 0006814064
具体的には、5−フェニル−1−インダノン5.0部(24.0mmol)をクロロホルム80mlに溶解し、そこに臭素7.7部(48.0mmol)のクロロホルム30ml溶液を滴下した。その後、室温で2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、少量のエタノールで洗浄し中間化合物(a)7.6部(収率86%)を黄色固体として得た。
中間体化合物(a)のプロトン核磁気共鳴分光スペクトルの測定結果は以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.34(s,2H),7.41−7.53(m,3H),7.59(s,1H),7.63(d,2H),7.72(d,1H),8.01(d,1H)
(工程2)化合物(7A)の合成
Figure 0006814064
具体的には、220℃に加熱したフラスコへ中間化合物(a)7.5部(20.5mmol)を入れ、2時間撹拌した。反応物を室温まで冷却した後、塩化メチレン100ml加え撹拌した後、固体を濾取した。さらに塩化メチレン100mlで2回洗浄し、化合物(7A)0.38部(収率9%)を黄色固体として得た。
化合物(7A)のES−MSスペクトルの測定結果は以下のとおりであった。
ES−MS(70eV):m/z=612(M+)
[実施例2]有機化合物(8C)の合成
(工程3)中間体化合物(b)の合成
Figure 0006814064
具体的には、5−ブロモ−1−インダノン15.3部(40.0mmol)と2−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フルオレン−9−オン8.4部(50.0mmol)をトルエン400mlに溶解し、そこへ炭酸カリウム16.6部(120.0mmol)とテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩1.4部(4.0mmol)と水200mlを加えた。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)2.3部(2.0mmol)を加え、80℃で6時間加熱撹拌した。反応液を室温まで冷却したのち、有機層をトルエンで抽出し、さらに水で洗浄した。溶媒を減圧留去したのち、得られた固体をメタノールで洗浄し、中間化合物(b)10.4部(収率84%)を黄色固体として得た。
中間体化合物(b)のプロトン核磁気共鳴分光スペクトルの測定結果は以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=2.77(quart,2H),3.22(t,2H),7.34(td,1H),7.51−7.74(m,6H),7.78(dd,1H),7.85(d,1H),7.95(d,1H)
(工程4)中間体化合物(c)の合成
Figure 0006814064
具体的には、中間体化合物(b)10.0部(32.2mmol)をクロロホルム350mlに溶解し、そこに臭素10.3部(64.4mmol)のクロロホルム30ml溶液を滴下した。その後、室温で2時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、少量のエタノールで洗浄し、中間化合物(c)13.7部(収率91%)を黄色固体として得た。
中間体化合物(c)のプロトン核磁気共鳴分光スペクトルの測定結果は以下のとおりであった。
H−NMR(400MHz,CDCl):δ=4.35(s,2H),7.36(td,1H),7.52−7.80(m,7H),7.94(d,1H),8.03(d,1H)
(工程5)有機化合物(8C)の合成
Figure 0006814064
具体的には、240℃に加熱したフラスコへ中間化合物(c)3.6部(7.5mmol)を入れ、2時間撹拌した。反応物を室温まで冷却した後、クロロホルム200ml加え撹拌した後、固体を濾取した。さらにクロロホルム200mlで2回洗浄し、有機化合物(8C)1.4部(収率59%)を茶色固体として得た。
[実施例3]
(工程3)式(5)で表される有機化合物の合成
Figure 0006814064
具体的には、窒素雰囲気下、脱水DMF50mlに2,2’−ビピリジル0.57部(3.6mmol)、1,5−シクロオクタジエン0.59部(5.5mmol)、Ni(cod)21.0部(3.6mmol)を加え、室温で30分撹拌した。反応混合物に中間体4,9,14−トリブロモトルキセノン0.5部(0.8mmol)を加え60℃で8時間加熱撹拌した。反応物を室温まで冷却し、アンモニア水溶液で反応をクエンチした。混合物を吸引濾過し、得られた固体を、ジメチルグリオキシムのメタノール溶液とアンモニア水溶液の混合液および塩酸水溶液とメタノールの混合液で繰り返し洗浄した。最後にメタノールで洗浄し、上記式(5)で表される有機化合物0.3部(収率99%)を黄色固体として得た。
以下、本発明の有機化合物を電極活物質として用いた二次電池を作製し、電池特性を確認した。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[実施例4] 二次電池の作製及び評価
実施例1で得られた化合物(7A)と、導電補助剤としてのアセチレンブラック粉末(電気化学工業社製)と、結着剤としてのポリテトラフルオロエチレン樹脂(ダイキン社製)を用い、それぞれ質量比で、化合物(7A):導電補助剤:結着剤=70:25:5の比になるように秤量した。その後、化合物(7A)と導電補助剤をメノウ乳鉢で十分に混合し、さらに結着剤を加え、引き続き均一になるように混合した後、その混合物を薄く延ばしてシート化した。これを直径1cmに打抜いたペレットを第1電極(正極)とした。
その後、ステンレス製コイン電池ケース(宝泉社製、型番CR2032)に金属チタン網、金属ニッケル網をそれぞれ正負極集電体としてスポット溶接し、前記正極および金属ナトリウム(Aldrich社製)負極を、多孔質ポリエチレン製隔膜(セルガード3501、セルガード社製)を介して組み入れ、非水電解液として1MのNaPFを溶解したジメチルカーボネート(DMC)とエチレンカーボネート(EC)とが、体積比で1:1の混合溶媒を満たして封入し、コイン型ナトリウム2次電池を作製した。
詳細には、正負極、隔膜、電解質等の一連の電池組み立てを、アルゴン雰囲気下のグローブボックス内で行った。
正極側パーツは、まずスペーサー(宝泉社製)に正極ペレットを乗せ、その上から集電体として金属チタン網(サンク社製)を圧着させた。さらにそれらをステンレス製コイン電池ケース(宝泉社製、型番CR2032)にスポット溶接した。負極側パーツは、グローブボックス内でナトリウム金属を圧着するため、金属ニッケル網(サンク社製)をスペーサーに溶接後、さらにステンレス製コイン電池ケース(宝泉社製、型番CR2032)にスポット溶接した。完成したコインセルパーツは、ガラスチューブオーブン(柴田科学社製、SIBATAGTO−200)を用いて120℃で15時間程度真空乾燥してアルゴン充填のグローブボックス(露点−80℃以下)に移動させた。
なお、ナトリウムイオン電池の組み立ては、グローブボックス(MBraun製、labmaster)中で行った。非水電解液として1MのNaPFを溶解したジメチルカルボネート(DMC)とエチレンカルボネート(EC)とが、体積比で1:1の混合溶媒(富山薬品工業社製)、セパレーターには多孔質ポリエチレン製隔膜(セルガード3501、セルガード社製)を使用した。金属ナトリウム(Aldrich社製)を負極パーツ上に圧着した後、ガスケットを取り付けた。正極パーツと負極パーツにポリスポイトを用いて非水電解液を約1ml滴下し、負極パーツの上にセパレーターを乗せ、最後に正極パーツを被せて自動コインカシメ機(宝泉社製)を用いてかしめた。
(二次電池特性の測定)
以上のようにして得られたナトリウム二次電池の充放電容量を測定した。具体的な測定方法としては、以下の通りである。まず、レストポテンシャルから1.0Vまで0.2mA/cmでCC(コンスタントカレント:定電流)放電を行った。次に、放電速度と同じ速度で、CC充電を行い、電圧4.0Vでカットオフすることにより、1サイクル目の充放電を行った。この1サイクル目の放電容量は、化合物(7A)の質量に対して、174mAh/gであった。
[実施例5] 二次電池の作製及び評価
化合物(7A)のかわりに、上記式(5)で表される化合物を正極活物質に使用した以外は、実施例4と同様にして二次電池を作製し、同様に評価した。当該二次電池の放電容量は、化合物(5)の質量に対して、70mAh/gであった。
[比較例1]比較用の二次電池の作製及び評価
化合物(7A)のかわりに、ベンゾフェノン(和光純薬工業(株)製)を正極活物質に使用した以外は、実施例4と同様にして比較例1の二次電池を作製し、同様に評価した。当該電池の放電容量は、ベンゾフェノンの質量に対して、3mAh/gであった。
[比較例2] 比較用の二次電池の作製及び評価
化合物(7A)のかわりに、9−フルオレノン(東京化成(株)製)を正極活物質に使用した以外は、実施例4と同様にして比較例2の二次電池を作製し、同様に評価した。
当該電池の放電容量は、9−フルオレノンの質量に対して、2mAh/gであった。
[比較例3] 比較用の二次電池の作製及び評価
化合物(7A)のかわりに、1,3,5−トリスベンゾイルベンゼン(Fluorochem製)を正極活物質に使用した以外は、実施例1と同様にして比較例1の電池を作製し、同様に評価した。
当該電池の放電容量は、1,3,5−トリスベンゾイルベンゼンの質量に対して、47mAh/gであった。
以上の評価結果から、本発明の有機化合物を用いて作製した二次電池は、類似構造の化合物を用いた各比較例の二次電池に比べて、放電容量が高いことが確認出来た。すなわち、本発明の有機化合物を用いて作製した二次電池は、優れた電池性能を備えることが確認出来た。
本発明は、エネルギー分野で利用可能である。
1:正極
2:負極
3:セパレーター
4:正極集電体
5:負極集電体
6:電池ケース
7:電解質
10:電池缶






Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される構造を有する、有機化合物。
    Figure 0006814064
    (式(1)中、Rは、置換基又は無置換の芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基、カルボキシル基、カルボキシル基の金属塩を表し、芳香族炭化水素基としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、クリセン、フェナントレン、テトラセン、フルオレン、ピレン、フルオランテン又はペリレンであり、芳香族複素環基としてはピリジン、ピラジン、インドール、アクリジン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、キノリン、ナフチリジン、キノキサリン、フェナジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ジアザアントラセン、ピラジノキノキサリン、フェナントロリン、カルバゾール、ベンゾジチオフェン、チエノチオフェン、フラン、ベンゾフラン、チアゾール、ベンゾチアゾールであり、置換基としてハロゲノ基又はアルキル基を表す。)
  2. 下記式(2)で表される構造を有する、有機化合物。
    Figure 0006814064
    (式(2)中、Rは、下記式(3)または(4)で表される構造を表す。)
    Figure 0006814064
    (式(3)中、X〜Xは、全て同じかあるいはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲノ基を表す。)
    Figure 0006814064
    (式(4)中、X〜X16は、全て同じかあるいはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲノ基を表す。)
  3. 下記式(5)で表される構造を有する、有機化合物。
    Figure 0006814064
    (式(5)中、Y〜Yはそれぞれ独立して水素原子又はハロゲノ基を表す。nは2〜100の整数を表わす。)
  4. 下記式(6)で表される、請求項3に記載の有機化合物。
    Figure 0006814064
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