JP2016008227A - ポリキノン誘導体、及びそれを用いた二次電池用電極活物質 - Google Patents

ポリキノン誘導体、及びそれを用いた二次電池用電極活物質 Download PDF

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Abstract

【課題】エネルギー密度が大きくサイクル特性の良好な二次電池を得るため、該二次電池に電極活物質として有効に使用し得るポリキノン誘導体の提供。【解決手段】b1からb5のいずれかから選ばれるアリーレン基を含み、両末端がb1からb5の対応する一価のアリール基のいずれかから選ばれるポリキノン誘導体。【選択図】なし

Description

本発明は、二次電池用電極活物質として有効に使用し得るポリキノン誘導体に関する。
電池は、正極及び負極で起きる酸化還元反応を利用して化学エネルギーを電気エネルギーに変換して取り出したり、又はその逆の過程を行って電気エネルギーを貯蔵するものであり、各種の装置において電源として利用されている。
近年、ノート型パソコン、スマートフォンなどの急速な市場拡大により、これらに用いられる二次電池のエネルギー密度、出力密度の飛躍的な向上への要求が高まっている。また、東日本大震災以降の電力事情の緩和のため、大規模大容量二次電池開発への期待が高まっている。これらの要求に応えるために、リチウムイオン等のアルカリ金属イオンを荷電担体として、その電荷授受に伴う電気化学反応を利用した電池が精力的に開発されている。
しかしながら、リチウムイオン電池の正極側の電極材料(正極活物質)は、負極側の電極材料(負極活物質)と比較して放電容量(Ah/Kg)の少ないものがほとんどであり、これがリチウムイオン電池の高容量化を妨げている大きな要因となっている。また、現在市場に出回っているリチウムイオン電池は、正極活物質として比重の大きな金属酸化物を用いているため、単位質量当たりの電池容量が充分でないという問題があった。そこで、より軽量の電極材料を用いて大容量電池を開発しようとする試みが検討されている。
例えば、ジスルフィド結合を有する有機化合物を正極活物質に用いた電池が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。これらの提案の電池は、放電時にジスルフィド結合が2電子還元を受けてスルフィド結合が解裂し、電解質中の金属イオンと反応して2つの金属チオレートに変化する。そして充電時には、2電子酸化を受けて2つのチオレートがスルフィドに戻ることにより二次電池として機能するものである。この態様の電池は、硫黄や炭素といった比重の小さな元素を主成分とする有機化合物を電極材料として用いているので、高エネルギー密度の大容量電池を構成するという点においては一定の効果が得られる。しかし、解離したジスルフィド結合の再結合効率が小さく、充電状態又は放電状態における安定性が不充分であるという問題がある。
また、同じく有機化合物を活物質に利用した電池として、ポリピロール錯体を用いたもの、ニトロキシルラジカル化合物を正極活物質に使用したものが提案されている(例えば、特許文献3及び4参照)。ニトロキシルラジカル化合物としては、ピペリジル基含有高分子量重合体及び共重合体が記載されている。
さらにまた、2,2,6,6−テトラメチルピペリジノキシル−7−イルメタクリレート(PTMA)を正極活物質に用いた二次電池が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、ポリピロール等の導電性高分子は、生成した電荷がポリマー中に広がって電荷間の強いクーロン反発が起こり、一定量以下の電荷しか注入放出が出来ないといった問題がある。また、ニトロキシラジカルは、電極での電荷の授受が早いため大電流を得ることができるという利点を有するが、1分子で1電子の酸化還元反応であるため二次電池容量の大容量化には適していない。
一方、多段階の酸化還元能を持つ低分子量の有機化合物を活物質として用いる二次電池が提案されている(例えば、特許文献5及び非特許文献2参照)。しかし、これら提案の電池は、容量密度は高いが、活性なラジカルを分子内に発生させるため、電気化学安定性に問題がある。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、エネルギー密度が大きくサイクル特性の良好な二次電池を得るため、該二次電池に電極活物質として有効に使用し得るポリキノン誘導体を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明のポリキノン誘導体は、
下記一般式(1)及び一般式(2)のいずれかで表されることを特徴とするポリキノン誘導体。
(1)
(前記一般式(1)中、Arは、下記a1からa5のいずれかから選ばれる基を表す。該Ar基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X1は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X1基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。n1は、0〜8の整数を表す。尚、n1が2以上の時は、X1は、同じ種類の基であっても、異なる種類の基であってもよい。また、Ar基及びX1基の構造の向きは、隣同士同じ向きで連結されていても、180°逆向きで連結されていてもよい。)
(2)
(前記一般式(2)中、X2は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X2基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X2の基同士の両端が連結して環構造を形成する。Wは、シクロ環を表す。n2は、3〜4の整数を表す。)
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、エネルギー密度が大きくサイクル特性の良好な二次電池を得るため、該二次電池に電極活物質として有効に使用し得るポリキノン誘導体を提供することができる。
図1は、本発明に係る二次電池の一例を示す概略断面図である。 図2は、化合物(5)のIRスペクトルを示す図である。 図3は、化合物(14)のIRスペクトルを示す図である。 図4は、化合物(5)のサイクリックボンタンメトリーの測定結果を示す図である。
(ポリキノン誘導体)
本発明のポリキノン誘導体は、
下記一般式(1)及び一般式(2)のいずれかで表されることを特徴とするポリキノン誘導体である。
(1)
(前記一般式(1)中、Arは、下記a1からa5のいずれかから選ばれる基を表す。該Ar基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X1は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X1基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。n1は、0〜8の整数を表す。尚、n1が2以上の時は、X1は、同じ種類の基であっても、異なる種類の基であってもよい。また、Ar基及びX1基の構造の向きは、隣同士同じ向きで連結されていても、180°逆向きで連結されていてもよい。)
(2)
(前記一般式(2)中、X2は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X2基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X2の基同士の両端が連結して環構造を形成する。Wは、シクロ環を表す。n2は、3〜4の整数を表す。)
前記一般式(1)において、前記Ar基は、前記(a1)、(a2)、及び(a4)のいずれかであることが、より好ましい。
また、前記X1基は、前記(b1)、(b2)、及び(b4)のいずれかであることが、より好ましい。
上記一般式(1)において、前記Ar基の連結部位は、いずれの位置でもよく、例えば、下記の例が挙げられる。
上記の例示の基の中でも以下の基が、より好ましい。
また、上記一般式(1)において、前記X1基の連結部位は、いずれの位置でもよく、例えば、下記の例が挙げられる。
上記の例示の基の中でも以下の基が、より好ましい。
また、上記一般式(1)において、Ar基及びX1基の構造の向きは、下記で例示するように、隣同士同じ向きで連結されていても、180°逆向きで連結されていてもよい。
上記一般式(2)において、前記X2基の連結部位は、隣合った炭素原子から結合基がでていれば特に制限はなく、例えば、下記c1からc5及びd1からd5の少なくともいずれかから選ばれる基が挙げられる。
上記の(c1)〜(c5)、(d1)〜(d5)の例示の基の中でも、(c1)及び(c2)の基が、より好ましい。
上記一般式(2)において、Wのシクロ環としては、例えば、6員環や8員環が挙げられる。n2が3の時は、6員環が形成され、n2が4の時は、8員環が形成される。
本発明の前記一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を持つポリキノン誘導体は、安定化された酸化還元化合物であり、充電反応及び/又は放電反応の過程で酸化還元反応を伴う有機化合物を電極活物質として用いる二次電池に有効に使用し得る。特に以下で記載するように、正極活物質として用いることが好ましい。
本発明のポリキノン誘導体を用いることにより、エネルギー密度が大きくサイクル特性の良好な二次電池を得ることができる。この二次電池は、酸化還元化合物が安定化されているため充放電サイクルが安定化し、寿命が長くなる。
前記一般式(1)又は(2)で表される繰り返し単位を持つポリキノン誘導体の具体例を以下に示すが、これらの限定されるものではない。
一般式(1)において、前記Ar基及びX1基の種類とn1の数との組み合わせが以下の場合であると、より好ましい。
つまり、前記Ar基とX1基が、以下の組み合わせであるときは、n1は6以上8以下がより好ましく、例示化合物の中では、化合物No.11が特に好ましい。
また、前記Ar基とX1基が、以下の組み合わせであるときは、n1は1以上8以下がより好ましく、例示化合物の中では、化合物No.13から化合物No.20が特に好ましい。
また、前記Ar基とX1基が、以下の組み合わせであるときは、n1は0以上8以下がより好ましく、例示化合物の中では、化合物No.25が特に好ましい。
一般式(2)において、前記X2基が、上記c1及びc2で表される基の少なくともいずれかの基であるとより好ましく、例示化合物の中では、化合物No.4から化合物No.7が特に好ましい。
ところで一般式(1)又は(2)におけるn1又はn2を、高分子化合物のように広い範囲を持たせた場合(n=2〜1000など)、化合物の精製が困難となり、その結果、充放電サイクル特性の悪化を招いてしまう。一方、単量体としてしまうと二次電池内の電解質への溶出が起きやすくなり、同様にサイクル特性の悪化を引き起こしてしまう。本願発明者らが鋭意検討した結果、一般式(1)又は(2)で表される条件の場合、電解質への溶出がおきにくく、かつ精製が比較的容易であることを見出した。
キノン化合物の化学的安定性は、二次電池用活物質として使用する際、非常に重要である。キノン化合物の化学的安定性を向上させるには、大きな共鳴安定化構造、すなわち広いπ共役平面を導入するのがもっとも効果的である。しかしキノンの数に対して大きすぎるπ共役平面は、二次電池の容量低下とトレードオフの関係にある。本発明者らが鋭意検討した結果、キノン分子は、一般式(1)又は(2)中、a1〜a5で表されるアリール基、b1〜b5で表されるアリーレン基、又はc1〜c5で表されるアリーレン基を連結させた構造が効果的であることを見出した。いいかえると、a1、b1、c1で表される基本骨格がオルトベンゾキノンであるようなアリール基やアリーレン基、a2、b2、c2で表される基本骨格が2,3−ナフトキノンであるようなアリール基やアリーレン基、a3、b3、c3で表される基本骨格が1,2−ナフトキノンであるようなアリール基やアリーレン基、a4、b4、c4で表される基本骨格が2,3−アントラセンジオンであるようなアリール基やアリーレン基、a5、b5、c5で表される基本骨格が1,2−アントラセンジオンであるようなアリール基やアリーレン基を連結させた構造が効果的であることを見出した。なお、これ以上大きな共役系は分子量に対する蓄える電荷量が減少するため二次電池の理論的な蓄電容量を低下させるのみである。
ここでキノンの酸化還元反応を用いた二次電池の充放電機構について説明する。
通常、キノンは1,4−ベンゾキノンを指し(下記(3)の構造式参照)、本願発明のオルトキノン、すなわち1,2−ベンゾキノン(下記(4)の構造式参照)とは異なる。下記図式(5)で示されるように1,4−ベンゾキノンもリチウムイオンと反応し、2次電池用正極活物質として機能する。すなわち2つのリチウムイオンと外部回路を通った2電子が1,4−ベンゾキノンと反応することで二次電池として電子を放出し(放電)、逆の反応が進行することで二次電池として電子を蓄える(充電)。この充放電機構を繰り返すことで二次電池の充放電が成り立つ。この機構は1,2−ベンゾキノンを用いた場合も同様である。しかし1,2−ベンゾキノン骨格を用いた場合、1,4−ベンゾキノン骨格を用いた場合よりも充放電サイクル特性が向上する。詳細は明らかではないが、1,4−ベンゾキノンを用いた場合、キノンのカルボニル部位が1,2−ベンゾキノンと比較して離れているため充電時にリチウムイオンと電子との反応の1段階目が起きた際、隣接酸素原子によるLi原子の配位が起きにくくなると思われる。一方、下記図式(6)で示されるように1,2−ベンゾキノンを用いた場合、隣接酸素原子による配位効果により1段階目の反応による中間体が安定化されると思われる。その結果、副反応が抑えられ充放電サイクル特性が向上すると考えられる。
<ポリキノン誘導体の製造方法>
本発明の一般式(1)で表されるポリキノン誘導体は、例えば、Tetrahedron:Asymmetry 7、(1996)、2199−2202や、Tetrahedron 60、(2004)、4431−4441に記載の方法により製造することができる。すなわち、ヒドロキシナフタレン誘導体の銅触媒を用いた酸化カップリング反応、脱保護基反応、酸化反応を経ることで得ることができる。
前記化合物例(16)の反応の一例を下記経路(7)に示す。
また、本発明の一般式(2)で表される環状のポリキノン誘導体は、例えば、Synthesis No.13、(2000)1839−1842や、OrganicLettar Vol.5、No.6(2003)823−826に記載の方法により合成することができる。すなわちテトラメトキシジブロモビナフタレンをリチオ化後、カップリングさせ、脱メチル化、酸化反応を行うことで得ることができる。
前記化合物例(5)の反応の一例を下記経路(8)に示す。
反応に使用される酸化剤は、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、AgO、KCr、PbO、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン、Pb(OAc)、テトラクロロ−p−ベンゾキノン等の有機合成に用いられる一般的な酸化剤を使用することができる。
反応に使用される溶剤は、特に制限はなく、適宜選択することができ、例えば、THF、ジエチルエーテル、ジクロロメタン等が用いられる。反応温度に関しては、−50℃〜50℃で反応を行うことが好ましく、−20℃〜30℃の間で反応を行うことがより好ましい。
(二次電池)
本発明の二次電池は、少なくとも正極の電極板、負極の電極板、及び電解液を有しており、上記本発明のポリキノン誘導体を電極活物質として含有する。
図1に、本発明に係る二次電池の一例の概略断面図を示す。該二次電池は、負極の電極板として、負極集電体3と電極活物質を含有する負極層1とを有している。また、正極の電極板として、正極集電体4と電極活物質を含有する正極層2とを有している。また、電解質を含んだセパレーター5を有している。
本発明に係る二次電池は、封止材6の中に、負極集電体3、負極層1、電解質を含んだセパレーター5、正極層2、正極集電体4がこの順に積層されている。
なお、正極層及び負極層の積層方法は特に限定されず、多層積層したものや集電体の両面に積層したものを組み合わせたもの、巻回したものなどが利用できる。
<電極板>
前記電極板としては、正極の電極板と負極の電極板とを有し、該電極板は、集電体と電極活物質を含有する電極層とからなる。
正極板は、正極集電体と正極活物質を含有する正極層とからなり、負極板は、負極集電体と負極活物質を含有する負極層とからなる。
<<電極層>>
前記電極層は、正極の電極層と負極の電極層とからなり、それぞれの電極層は、電極活物質を含有しており、好ましい態様としては、電極活物質と結着剤と導電助剤、さらに必要に応じて金属酸化物や酸化還元化合物などの添加剤を含有してなる。結着剤が、樹脂バインダーであるとより好ましい。
<<<電極活物質>>>
前記電極活物質として、上記本発明のポリキノン誘導体を使用する。
本発明のポリキノン誘導体は、正極及び負極の何れの電極活物質としても使用できるが、一般的に負極に用いられる材料のエネルギー密度の観点からすると、特に正極の活物質として使用することが好ましい。
前記ポリキノン誘導体を正極活物質として用いる場合には、負極活物質層の電極活物質として、例えば、グラファイト、非晶質カーボン、リチウム金属、リチウム合金、リチウムイオン吸蔵炭素、及び導電性高分子などが用いられる。これらは、一種類でも二種以上組み合わせて用いてもよい。これらの形状は、特に限定されず、例えば、リチウム金属では薄膜状のもの以外に、バルク状のもの、粉末を固めたもの、繊維状のもの、フレーク状のものなどを使用することができる。
前記ポリキノン誘導体を負極活物質として用いる場合には、正極活物質層の電極活物質として、金属酸化物粒子、ジスルフィド化合物、ニトロキシラジカル化合物、及び導電性高分子化合物などが用いられる。ここで、金属酸化物としては、例えば、LiMnO、LiNi0.5Mn1.5、LixMn(0<x<2)等のマンガン酸リチウムもしくはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、LiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の層状化合物、LiFePO、LiCoPO、LiNiPO等のリン酸塩系化合物などが挙げられ、ジスルフィド化合物としては、ジチオグリコール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、S−トリアジン−2,4,6−トリチオールなどが挙げられ、導電性高分子化合物としては、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールなどが挙げられる。
これら正極活物質は、一種類でも二種以上組み合わせて用いてもよい。更に、従来公知の活物質とこれらの材料とを混合して複合活物質として用いてもよい。
また、前記ポリキノン誘導体を用いて電極板を作製する場合、前記電極層には、前記ポリキノン誘導体以外の物質、例えば金属酸化物や酸化還元化合物を含有させてもよい。
金属酸化物としては、LiMnO、LiNi0.5Mn1.5、LixMn(0<x<2)等のマンガン酸リチウムもしくはスピネル構造を有するマンガン酸リチウム、LiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の層状化合物、LiFePO、LiCoPO、LiNiPO等のリン酸塩系化合物が挙げられ、酸化還元化合物としては、オキシ酸化還元化合物、ニトロキシル酸化還元化合物、窒素酸化還元化合物、炭素酸化還元化合物、ホウ素酸化還元化合物等の有機化合物が挙げられる。
上記酸化還元化合物の具体例としては、例えば、下記(R−1)〜(R−12)で示される化合物が挙げられる。なお、式中のnは、繰り返し単位数を表す自然数である。
<<<結着剤>>>
前記電極層には、各構成材料間の結びつきを強めるため結着剤を含有させてもよい。結着剤の例としては、ポリフッ化ビニリデン、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフルオロエチレン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合ゴム、ポリプロピレン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリイミド、各種ポリウレタン等の樹脂バインダーなどが挙げられる。なお、これら結着剤は、一種類でも二種以上組み合わせて用いてもよい。
<<<導電助剤>>>
前記電極層には、集電体と電極活物質間の電子のやり取りを助けるために導電助剤を含有させても良い。導電助剤の例としては、C60、C70などのフラーレン、単層、多層カーボンナノチューブおよびグラフェンなどのナノカーボン類、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類、比表面積の大きい活性炭、メソポーラスカーボン、気層成長させた炭素繊維等が挙げられる。なお、これら導電助剤は、一種類でも二種以上組み合わせて用いてもよい。
<<集電体>>
前記集電体としては、導電体で形成され電池の電極から発生する電荷を集めることができるものをいう。前記集電体としては、正極集電体と負極集電体がある。
図1の例では、負極集電体3、正極集電体4として、例えば、ニッケル、アルミニウム、銅、金、銀、アルミニウム合金、ステンレス等の金属箔、金属平板、メッシュ状電極、炭素電極などを用いることができる。また、前記電極活物質と集電体とを化学結合させてもよい。
<電解質>
前記電解質は、負極層1と正極層2の両極間の荷電担体輸送を行うものをいう。一般に室温で10−5S/cm〜10−1S/cmのイオン伝導性を有しているものである。
前記電解質としては、例えば電解質塩を溶剤に溶解した電解液を利用することができる。前記電解質塩としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO、Li(CFSON、Li(CSON、Li(CFSOC、Li(CSOCなどの従来公知の材料を用いることができる。
前記電解質塩の濃度としては、0.5M〜3.0M、より好ましくは0.5M〜2.0Mである。
また、前記電解質塩の溶剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶剤や、トリメチルプロピルアンモニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチルー3−メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1−エチルー3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウムテトラフルオロボレート、1−メチル−1−プロピルピペリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−1−プロピルピロリジニウム ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド等のアンモニウム系、イミダゾリウム系、ピリジニウム系、ピペリジニウム系、ピロリジニウム系イオン液体を用いることができる。なお、これらの溶剤は一種を単独で用いても二種以上を併用してもよい。
更に、本発明では、電解質として固体電解質を用いることもできる。
前記固体電解質に用いられる高分子化合物としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体;アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリルニトリル系重合体;ポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体などが挙げられる。なお、固体電解質は、これらの高分子化合物に電解液を含ませてゲル状にしたものを用いても、高分子化合物のみでそのまま用いてもよい。
<セパレーター及び封止材>
図1におけるセパレーター5は、正極層と負極層が接触して短絡しないようにするものであり、高分子多孔質フィルム、不織布などの材料を用いることができる。更にこのようなセパレーターは、電解質を含ませて構成することも好ましい。ただし、上記電解質として、イオン伝導性高分子等の固体電解質を用いる場合には、セパレーターそのものを省略することもできる。また、図1におけるステンレス外装(封止材)6についても特に制限はなく、電池の外装に用いられる従来公知の材料が用いられる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
<化合物(5)の合成>
<<合成例1−1>>
300mL 4口フラスコに温度計、攪拌子、及び滴下ろうとを装着し、4−ブロモ−1,2−ジメトキシベンゼン25g(115.17mmol)、THF(Dry)150mLをいれ、アルゴン気流下にて−78℃以下まで冷却した。そこへn−BuLi(1.6M n−ヘキサン溶液、57.59mmol、36mL)を5分かけて滴下した。滴下後3時間かけて5℃付近まで昇温した。TLCで反応の進行を確認したところ、原料がほぼ消失していたため停止した。溶液を濃縮し、トルエン200mLに溶解させた後1L分液ロートにて洗浄を行った(0.5M HClaq.200mL、水100mL×2)。溶液をろ過濃縮し、微黄色固体を得た。14.92g(54.39mmol)収率94.4%
<<合成例1−2>>
300mL 4口フラスコに温度計、滴下ろうと、Ar導入管、及び攪拌子を装着し、3,3’,4,4’−テトラメトキシビフェニル14.92g(54.39mmol)、クロロホルム100mlを加えた。Ar気流下、攪拌しているところへ臭素17.38g(2×54.39=108.78mmol)を滴下した(滴下と同時にHBr発生。トラップをつける)。系内は透明からオレンジ色に直ちに変化した。40分かけて滴下した後、4時間攪拌を行いHPLC(東ソー株式会社製、PD−8020高圧グラディエントHPLC、カラム(GLサイエンス製 ODS−3 φ4.6mm×250mm)、移動層(テトラヒドロフラン/水=6/4(v/v))、流速(1.0mL/min))にて反応の進行を確認した後、停止した。チオ硫酸ナトリウム水溶液200mLを加えた後反応溶液を分液ロートにとり分液した。続いて炭酸カリウム水溶液150mL、塩水100mL×2で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。これを濃縮することで灰褐色の結晶を得た(22.27g)。これをエタノール300mL中で加熱洗浄後に冷却し、ろ過することでくすんだ白色固体を得た。13.72g(31.75mmol)58.4%
<<合成例1−3>>
攪拌子、温度計、Ar導入管、及び塩化カルシウム管を装着した100mL 3口フラスコに2,2’−ジブロモ−4,4’,5,5’−テトラメトキシビフェニル0.432g(1mmol)、THF 20mLを加え−75℃付近まで冷却し、攪拌しているところへn−BuLi(1.6M n−ヘキサン溶液、2.1mmol、1.3mL)を発熱に注意しながら滴下した。滴下後、−70℃以下で2時間攪拌した後、−50℃まで昇温し臭化亜鉛0.248g(1.1mmol)のTHF10mL溶液を滴下した。滴下後、徐々に昇温し0℃で2時間攪拌した。続いて塩化第二銅0.403g(3.0mmol)を加えた。0℃で2時間攪拌した後、室温にて終夜攪拌をおこなった。
反応を停止するために4M HCl aq.10mLを滴下した。これを、酢酸エチル20mL×3で抽出し、有機層を水40mL×3で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで濃縮し茶色オイルを得た。これをシリカゲルカラムクロマト(シリカ 300cc、溶離液トルエン/酢酸エチル=10/1(v/v))で精製後、n−ヘキサン/トルエン=2/1(v/v)から晶析を行うことにより白色個体(メトキシ体)を得た。0.08g(0.14mmol)29.0%
<<合成例1−4>>
25mL 3口フラスコに温度計、3方コック、セプタムラバー、及び攪拌子を装着し、メトキシ体30mg(0.055mmol)を加えAr置換(ダイヤフラムポンプで4回繰り返す)し、シリンジにてジクロロメタン(脱水)10mLを加え氷浴にて冷却した。0℃で攪拌しているところへ1M 3臭化ホウ素ジクロロメタン溶液0.88mL(16×0.055mmol=0.88mmol)をシリンジにて滴下した。滴下後、0℃付近で後反応を行った。HPLC(合成例1−2に同じ)で経過を観察し、6時間たったところで反応を終了とした。脱水メタノール2mLを滴下し、過剰の3臭化ホウ素をクエンチした。反応系から溶剤を留去し、微赤白色固体を得た。続いて脱水ジクロロメタン8mLを反応容器に入れ微赤白色固体を分散させた。ここへPb(OAc)0.166g(0.374mmol)を一気に投入した(系内は黄土色に変化。)。室温にて6時間攪拌した後、水10mLを加えた。これをジクロロメタン100mLで抽出し、ジクロロメタン層を水40ml×3で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで濃縮し茶色オイルを得た。このオイルをn−ヘキサン/クロロホルム=1/1(v/v)溶液中で攪拌することにより黄色固体を得た。9.8mg(0.023mmol)41.8%。図2にIRスペクトルを記す。
(実施例2)
<化合物(14)の合成>
<<合成例2−1>>
500mL 4口フラスコに1−フェニルエチルアミン6.9g(57.1mmol)、塩化第二銅3.0(22.4mmol)を量りとりメタノール10mLを加えた。そこへ2,2’−ジメトキシ−3’−(ベンジルオキシ)−[1,1’−ビナフタレン]−3−オール5.0g(11.2mmol)のジクロロメタン溶液(300mL)を加え、室温で攪拌した。8h後、1MHClaq.50mLを加え30分攪拌した。続いて分液ロートで分液を行い、有機層をさらに水50mL×2で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶液を濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマト(シリカ 300cc、溶離液トルエン)で精製することによりジベンジルテトラナフタレン体を微黄色オイルで得た。15.4g(17.7mmol)61.9%
<<合成例2−2>>
攪拌子と三方コックを備えた300mLナスフラスコにジベンジルテトラナフタレン体3.0g(3.4mmol)、10質量%パラジウムカーボン1.0g、エタノール100mLを量りとり、水素置換した。これを室温にて6時間強く攪拌した。6時間後、溶液をろ過し、ろ液を濃縮することでテトラメトキシクオーターナフタレン体を微黄色オイルで得た。2.0g(2.9mmol)85.3%
<<合成例2−3>>
25mL 3口フラスコに温度計、3方コック、セプタムラバー、及び攪拌子を装着し、テトラメトキシクオーターナフタレン体1.0g(1.4mmol)を加えAr置換(ダイヤフラムポンプで4回繰り返す)し、シリンジにてジクロロメタン(脱水)10mLを加え氷浴にて冷却した。0℃で攪拌しているところへ1M 3臭化ホウ素ジクロロメタン溶液5.6mL(4×1.4mmol=5.6mmol)をシリンジにて滴下した。滴下後、0℃付近で5時間後反応を行った。脱水メタノール2mLを滴下し、過剰の3臭化ホウ素をクエンチした。反応系から溶剤を留去し、酢酸エチル100mLに溶解させた。これを分液ロートを用いて水洗(50mL×2)した。有機層を濃縮することにより微黄色固体を得た。得られた微黄色固体と脱水ジクロロメタン20mLを100mL 4口フラスコに入れた。アルゴン気流下、攪拌しているところPb(OAc)4.2g(1.7×4×1.4=9.5mmol)を一気に投入した(系内は黄土色に変化。)。室温にて6時間攪拌した後、水10mLを加えた。これをジクロロメタン100mLで抽出し、ジクロロメタン層を水40mL×3で洗浄した。硫酸マグネシウムで乾燥後、エバポレーターで濃縮し茶色オイルを得た。このオイルをn−ヘキサン/トルエン=1/2(v/v)溶液中で攪拌することにより黄色固体を得た。0.38g(0.6mmol)42.9%。図3にIRスペクトルを記す。
(実施例3)
化合物(5)と導電助剤のアセチレンブラック(電気化学工業株式会社製 デンカブラック)、結着剤のポリ(フッ化ビニリデン)(株式会社クレハ製 KFポリマーL#1120)を混合し、そこにN−メチルピロリドン(関東化学株式会社製 脱水溶剤)を加え、全体が均一になるまで混練して黒色のペーストを得た。混合比は、化合物(5):導電助剤:結着剤=2:6:2とした。続いて、このペーストを、ブレードコート治具を用いてアルミニウム箔(住軽アルミ箔株式会社製 厚さ20μメートル)上に均一に塗工した。
得られた塗工膜を、予め120℃に設定しておいた温風乾燥器内に入れて、20分間乾燥させ、電極層を作製した。
電極層をφ16mmの円形状に打ち抜き円形状正極電極とした。作成した円形正極を作用極、Pt箔を対極、飽和カロメル電極を参照極とし、ビーカーセル内に電解質として1.0mol/Lの過塩素酸テトラ−n−ブチルアンモニウムを含むジクロロメタン溶液を各電極が浸るまで加えた。これを掃引速度1mV/secでサイクリックボルタンメトリー測定を行った。図4に化合物(5)のサイクリックボルタンメトリー測定の結果を記す。
サイクル特性について、サイクリックボルタンメトリーの測定結果は、以下の基準で評価した。
−評価基準−
1サイクル目と20サイクル目での測定結果において、
◎:酸化側のピーク電位のシフト量の絶対値が10mV未満のもの
○:酸化側のピーク電位のシフト量の絶対値が10mV以上20mV未満のもの
△:酸化側のピーク電位のシフト量の絶対値が20mV以上50mV未満のもの
ピーク位置シフト:酸化側のピーク電位のシフト量の絶対値が50mV以上のもの
不安定:酸化側のピーク電位の形状が変化するもの
上記のように行ったサイクリックボルタンメトリー測定の結果、実施例1は、20サイクル後もピーク形状の大きな変化は見られず、酸化還元が安定に進行しており、サイクル特性が良好であることが観測された。
(実施例4〜11)
実施例3において、化合物(5)に代えて、下記表1の例示化合物No.(該No.は前述した例示化合物のNo.に対応している)に示す化合物に変えた以外は、実施例3と同様にして電極2〜9を作製した。
実施例3と同様にしてサイクリックボルタンメトリーを測定し、1回目と20回目のサイクリックボルタンメトリーのピーク位置、強度を観察しサイクル特性を評価した。実施例4〜11も実施例3と同様、安定な酸化還元サイクルが進行することが確認された。結果を表1に示す。
(比較例1、2)
実施例3において、化合物(5)に代えて、下記比較化合物1又は2に記載の化合物に変えた以外は、実施例3と同様にして比較電極1〜2を作製した。
実施例3と同様にしてサイクリックボルタンメトリーを測定し、1回目と20回目のサイクリックボルタンメトリーのピーク位置、強度を観察しサイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
表1から明らかな通り、本発明のポリキノン化合物誘導体を電極活物質として使用した電極は、充放電時のサイクル性が良好であることがわかる。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 下記一般式(1)及び一般式(2)のいずれかで表されることを特徴とするポリキノン誘導体である。
(1)
(前記一般式(1)中、Arは、下記a1からa5のいずれかから選ばれる基を表す。該Ar基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X1は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X1基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。n1は、0〜8の整数を表す。尚、n1が2以上の時は、X1は、同じ種類の基であっても、異なる種類の基であってもよい。また、Ar基及びX1基の構造の向きは、隣同士同じ向きで連結されていても、180°逆向きで連結されていてもよい。)
(2)
(前記一般式(2)中、X2は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X2基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X2の基同士の両端が連結して環構造を形成する。Wは、シクロ環を表す。n2は、3〜4の整数を表す。)
<2> 前記Arが、下記a1である前記<1>に記載のポリキノン誘導体である。
<3> 前記<1>から<2>のいずれかに記載のポリキノン誘導体を用いることを特徴とする二次電池用電極活物質である。
<4> 前記二次電池用電極活物質が、二次電池用正極活物質である前記<3>に記載の二次電池用電極活物質である。
<5> 少なくとも正極の電極板、負極の電極板、及び電解液を有する二次電池であって、前記電極板が、前記<3>から<4>のいずれかに記載の二次電池用電極活物質を含有することを特徴とする二次電池である。
1 負極層
2 正極層
3 負極集電体
4 正極集電体
5 電解質含有セパレーター
6 封止材(ステンレス外装)
米国特許第4833048号明細書 特許第2715778号公報 特公平7−85420号公報 特許第4687848号公報 特開2010−80343号公報
Chemical Physics Letters,359,(2002)351−354 Nature Materials,10,(2011)947−951

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)及び一般式(2)のいずれかで表されることを特徴とするポリキノン誘導体。
    (1)
    (前記一般式(1)中、Arは、下記a1からa5のいずれかから選ばれる基を表す。該Ar基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X1は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X1基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。n1は、0〜8の整数を表す。尚、n1が2以上の時は、X1は、同じ種類の基であっても、異なる種類の基であってもよい。また、Ar基及びX1基の構造の向きは、隣同士同じ向きで連結されていても、180°逆向きで連結されていてもよい。)
    (2)
    (前記一般式(2)中、X2は、下記b1からb5のいずれかから選ばれる基を表す。該X2基の連結部位は、炭素原子の価数が4であるならばいずれの位置でもよい。X2の基同士の両端が連結して環構造を形成する。Wは、シクロ環を表す。n2は、3〜4の整数を表す。)
  2. 前記Arが、下記a1である請求項1に記載のポリキノン誘導体。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載のポリキノン誘導体を用いることを特徴とする二次電池用電極活物質。
  4. 前記二次電池用電極活物質が、二次電池用正極活物質である請求項3に記載の二次電池用電極活物質。
  5. 少なくとも正極の電極板、負極の電極板、及び電解液を有する二次電池であって、前記電極板が、請求項3から4のいずれかに記載の二次電池用電極活物質を含有することを特徴とする二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110229051A (zh) * 2019-06-26 2019-09-13 四川师范大学 纳米石墨烯三苯并苉盘状液晶化合物的合成与发光性
US10685829B2 (en) * 2016-08-31 2020-06-16 SCREEN Holdings Co., Ltd. Substrate processing method

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