JPH065873B2 - カラ−記録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はテレビ画像やキャプテンシステムなどのフルカ
ラー画像のハードコピーに有用な、容易に高品位画像を
得ることのできるカラー記録装置に関するものである。

従来の技術 近年、ＣＲＴ等のディスプレイ装置のカラー化の傾向は
目覚ましく、これに伴いこれらのハードコピー装置とし
てカラー記録できるものが要望されている。現在カラー
記録の方法としてはワイヤドット方式、熱転写方式、イ
ンクジェット方式、電子写真方式などが考えられている
が、これらの中では静寂性、メンテナンス性、コストの
面から熱転写方式が実用化の方向に向かって他を一歩リ
ードしているといえる。

これらの方式でカラー記録を行う場合、従来受像紙をプ
ラテンローラに巻回し、この上から記録手段を圧接もし
くは近接させてプラテンローラを回転させながら１回転
につき１色ずつ受像紙上に重畳記録する方法が採用され
ている（たとえば特願昭５８−２０６２５号明細書）。

発明が解決しようとする問題点 一般的に高画質のカラー記録を得るためには、３〜４色
の色の重ねを精度良く行なわねばならない。この重ね合
わせがズレると、いわゆる色ズレを生じ、不自然な色の
輪郭を伴なうと共に画像の解像度も低下する。ところ
が、このような装置のプラテンローラの回転力を駆動手
段から伝達する減速駆動伝達機構における各構成要素間
の減速比を任意に設定すると、１色の記録中（ドラムの
１回転中）の、任意の時点における各構成要素同士の相
対的な位置関係が異る場合がある。この場合、各構成要
素が有している回転むらの特性がプラテンローラの回転
むらに及ぼす影響が各色によって異り、ひいては色ズレ
を生じる結果となる。

問題点を解決するための手段 本発明は、上記問題点を解決するため、減速駆動伝達機
構における各構成要素間の減速比を整数分の１にし、も
ってプラレテンローラの１回転中の任意の時点における
各構成要素同士の相対的な位置関係を同一にし、色ズレ
を減少せしめるものである。

作用 本発明は上記した構成により、すなわち減速駆動伝達機
構における各構成要素間の減速比を整数分の１にし、１
色の記録中の任意の時点における各構成要素同士の相対
的な位置関係を各色同じにし、もって各構成要素に特有
の回転むらに起因するプラテンローラの回転むらの特性
を、各色について同一のものとなし、色重ね記録時にお
ける色ズレを減少させることができ、似って高画質のカ
ラー記録を得ることができる。

実施例 以下、本発明の第１の実施例の構成を、添付図面にもと
づいて説明する。

第１図は本発明の第１の実施例におけるカラー記録装置
の記録開始状態を示す基本構成図であり、１は受像紙、
２は紙ホルダ、３は受像紙１の長さよりも若干長目の外
周長を有し、紙ホルダ２を先端を固定された受像紙１を
巻回するドラム状のプラテンローラ（以下ドラムとす
る。）４は基体上の受像紙１と向かい合う面に熱溶融性
インクを各々一画面記録面積ぶんずつイエロー、マゼン
タ、シアンと順次塗り分けたインクシート、５はインク
シート４が巻回してありインクシート４の走行に対し常
時適度なバックテンションを与えるように回転力を与え
られたシート供給リール、６はインクシート４を巻取る
ように回転力を付与されるシート巻取リールであり、７
は発熱体素子７ａを受像紙１の巾方向に配列するライン
型のサーマルヘッド、８，９はシートをガイドするガイ
ドローラでサーマルヘッド７と同じ支持体（図示せず）
によって支持されている。１０はドラム３と一体的に回
転するようドラム軸３ａに軸止されているドラム歯車で
記録開始時のドラム３の位置検出を行うために切欠部１
０ａを有しており、１１はモータでドラム３を回転させ
る駆動手段であり、１２はモータ軸１１ａに軸止された
駆動歯車、１３は駆動歯車１２の噛み合う中間歯車、１
４は中間歯車１３と一体的に回転しドラム歯車１０と噛
み合う中間歯車である。これら駆動歯車１２、中間歯車
１３，１４およびドラム歯車１０の４歯車で減速駆動伝
達機構を構成しており、駆動歯車１２と中間歯車１３、
中間歯車１４とドラム歯車１０は各々同一モジュールで
あり、歯数は例えば駆動歯車１２が３０個、中間歯車１
３は９０個、中間歯車１４は３６個、ドラム歯車１０は
７２個とし減速比は各1/3と1/2で最終減速比を1/6とし
た。１５はドラム３の回転位置を検出するセンサであ
る。第２図は、第１図のセンサ１５付近を横から見た状
態を示す図で、発光ダイオード１５ａと受光センサ１５
ｂは筐体（図示せず）に固定されており、ドラム歯車１
０の切欠部１０ａがセンサ１５を通過する毎に、受光セ
ンサ１５ｂは発光ダイドード１５ａの光を検知し信号を
発する。

次に、この実施例の装置の動作を第１図、第２図、第３
図、第４図を用いて説明する。先ず受像紙装填動作時は
第３図に示す如くサーマルヘッド７とガイドローラ８，
９はドラム３から離間しており、受像紙１は紙ホルダ２
がドラム３上で真上の位置にある時に矢印ａ方向に搬送
され紙ホルダ２が２ａのように降りて先端が挾持され
る。次いでモータ１１は駆動歯車１２および中間歯車１
３，１４を介してドラム歯車１０を回転させドラム３は
矢印ｂ方向にセンサ１５が切欠部１０ａを検知するまで
回転する。この時インクシート４の発熱体素子７ａと対
向する位置には、第１色目のイエローインクの記録開始
部分がきており、サーマルヘッド７とガイドローラ８，
９は矢印ｃ方向に移動しサーマルヘッド７の発熱体素子
７ａの部分をインクシート４および受像紙１を介してド
ラム３に圧接する。この状態が第１図に記録開始状態と
して示したものである。次に、モータ１１を駆動してド
ラム３を矢印ｄ方向へ回転させると受像紙１およびイン
クシート４も摩擦によって互いに密着したまま矢印ｄ方
向へ搬送され、同時にサーマルヘッド７にイエローの画
像信号を受像紙１の搬送速度と同期して伝送し、発熱体
素子７ａを順次選択的に発熱させてインクを受像紙１上
に転写し所望のイエローの画像を得る。この際インクシ
ート４の矢印ｅ方向への走行に対し、シート供給リール
５は適度なバックテンションを付与しつつ矢印ｆ方向に
回転し、シート巻取リール６は矢印ｇ方向に回転してイ
ンクシート４を巻取る。以上の動作によつてイエローの
一画面ぶんの画像信号を伝送し終えるといったんドラム
３を停止し、サーマルヘッド７およびガイドローラ８，
９をドラム３から離間する。この状態を第４図に記録終
了状態として示している。この後ドラム３を矢印ｈ方向
に回転し、再びセンサ１５が切欠部１０ａを検知するド
ラム３の回転を停止する。この際インクシート４はシー
ト巻取リール６によって矢印ｉ方向に一定時間搬送さ
れ、発熱体素子７ａと対向する位置には、第２色目のマ
ゼンタインクの記録開始部分がくる。第４図に於ける以
上の動作を完了した後、サーマルヘッド７およびガイド
ローラ８，９を矢印ｊ方向に移動し、サーマルヘッド７
の発熱体素子７ａの部分をインクシート４および受像紙
１を介してドラム３に圧接する。こうしてドラム３を回
転し、前回記録したイエロー画像に重畳してマゼンタの
一画面ぶんの記録をおこなう。その後同様にしてシアン
の画像を重ねて記録し、カラー記録を完了する。

ここで、もし仮に駆動歯車１２、中間歯車１３，１４お
よびドラム歯車１０の少なくともどれかひとつに歯ピッ
チむらもしくはピッチ円の偏心が存在すると、モータ１
１の回転精度が良好であってもドラム３に回転むらが生
じ受像紙１上に記録された画像のピッチにむらが生じ
る。しかしながら本実施例の歯車の構成では、ドラム歯
車１０が１回転する間に中間歯車１４，１３は２回転
し、中間歯車１３が１回転する間に駆動歯車１２は３回
転する。各歯車の持つ歯ピッチむらおよびピッチ円の偏
心によるドラム３の回転特性は、各歯車の１回転毎に周
期的に表われるので、１色の記録を行う間の各歯車の歯
の噛み合い状態は、他の２色の記録中にも再現され、も
って記録された画像のピッチむらを各色同一にし色ずれ
が減少する。

以下本発明の第２の実施例について、図面を参照しなが
ら説明する。

第５図は本発明の第２の実施例を示すカラー記録装置の
基本構成図である。同図において１は受像紙、２は紙ホ
ルダ、３はドラム、４はインクシート、５はシート供給
リール、６はシート巻取リール、７はサーマルヘッド、
８，９はガイドローラ、１１はモータ、１５はセンサ
で、以上は第１図の構成と同様なものである。第１図の
構成と異なるのは減速駆動伝達機構にタイミングベルト
を用いた点で、１６，１７はタイミングベルト、１８は
ドラム３と一体的に回転するようドラム軸３ａを軸上さ
れているドラムプーリで、記録開始時のドラム３の位置
検出を行うために切欠部１８ａを有しており、１９はモ
ータ軸１１ａに軸止された駆動プーリ、２０はタイミン
グベルト１６で駆動プーリ１９と連結された中間プー
リ、２１は中間プーリ２０と一体的に回転しタイミング
ベルト17でドラムプーリ１８と連結された中間プーリで
ある。これらタイミングベルト１６，１７、駆動プーリ
１９、中間プーリ２０，２１およびドラムプーリ１８で
減速駆動伝達機構を構成しており、プーリピッチ径は例
えば駆動プーリ１９が３０ミリ、中間プーリ２０は９０
ミリ、中間プーリ２１は36ミリ、ドラムプーリ１８は７
２ミリとし減速比は各々1/3と1/2で最終減速比を1/6と
した。ドラム位置検出センサの構成は第２図の構成と同
一であり、ドラム歯車１０および切欠部１０ａがドラム
プーリ１８および切欠部１８ａに変わっただけである。

このように構成された第２の実施例は第１の実施例と同
様の動作を行ってカラー記録を完了するので説明を省略
する。ここで、もし仮に駆動プーリ１９、中間プーリ２
０，２１およびドラムプーリ１８の少なくともどれかひ
とつに歯ピッチむらもしくはピッチ円の偏心が存在する
と、ドラム３に回転むらが生じ画像のピッチむらとなっ
て表われる。しかしながらこの実施例の歯車の構成で
は、ドラムプーリ１８が１回転する間に中間プーリ２
０，２１は２回転し、中間プーリ２０が１回転する間に
駆動プーリ１９は３回転する。各プーリの持つ歯ピッチ
むらもしくはピッチ内の偏心によるドラム３の回転特性
は、各プーリの１回転毎に周期的にあらわれるので、１
色の記録を行う間の各プーリの相対的な位置関係は、他
の２色の記録中にも再現され、もって記録された画像の
ピッチむらを各々同一にし色ずれが減少する。

なお、第１の実施例において駆動歯車１２の歯数を３０
とし中間歯車１３，１４の歯数を各々９０と３６としド
ラム歯車１０の歯数を７２としたが、各々噛み合う歯車
間の減速比が１／整数になっておれば、これらの値は何
でもよい。また同様に第２の実施例においても各々タイ
ミングベルトで連結されたプーリ間の減速比が１／整数
であれば、各プーリのピッチ径はいくらでもよいことは
言うまでもない。

また、両実施例において、サーマルヘッド７はライン型
のものを用いたが、シリアル型のものを使用してもよい
し、インクの転写方法は溶融としたが昇華による転写で
もよい。さらに、記録する色の順をイエロー、マゼン
タ、シアンとしたが別の順でも同様の効果を得ることが
できる。

この他、インクシート４の一部にマークを施し、各色も
しくは先頭色の記録開始部分が発熱体素子７ａと対向す
る位置に停止するようセンサによって制御をしても同様
の効果を得ることができるし、単色の記録を複数回行う
ことによって濃度を増加させる手法を用いたカラー記録
装置に本発明の減速駆動伝達機構を採用しても同様の効
果を得ることができる。

さらに記録手段として熱転写記録以外の方法を用いても
同様の効果を得ることができる。

発明の効果 本発明は、カラー記録装置に於いて、減速駆動伝達機構
における各構成要素間の減速比が整数分の１になるよう
にすることにより、１色の記録中の任意の時点における
悪構成要素同士の相対的な位置関係を各色同じにし、も
って各構成要素に特有の回転むらに起因するプラテンロ
ーラの回転むらの特性を各色についても同一のものとな
し、色重ね記録時における色ずれを減少せしめ高画質の
カラー記録を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の実施例のカラー記録装における
記録開始状態を示す基本構成図、第２図は第１図のセン
サ付近を横から見た状態を示す部分拡大図、第３図は第
１図で受像紙を装着する状態を示す基本構成図、第４図
は第１図の記録を終了した状態を示す基本構成図、第５
図は本発明の第２の実施例におけるカラー記録装置の記
録開始状態を示す基本構成図である。 １……受像紙、２……紙ホルダ、３……ドラム（プラテ
ンローラ）、４……インクシート、７……サーマルヘッ
ド、１０……ドラム歯車、１１……モータ、１２……駆
動歯車、１３，１４……中間歯車、１６，１７……タイ
ミングベルト、１８……ドラムプーリ、１９……駆動テ
ープ、２０，２１……中間プーリ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｇ０３Ｇ 15/01 Ｙ Ｈ０４Ｎ 1/23 １０２ Ｃ 9186−5Ｃ 1/46 9068−5Ｃ 9/79 Ｈ 7916−5Ｃ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】受像紙をプラテンローラの外周面に略一重
   に巻回し、前記プラテンローラを複数回回転させながら
   前記受像紙上に一色ずつ重畳記録を行なって多色記録を
   得るよう構成し、駆動手段と、この駆動手段の回転を減
   少して前記プラテンローラに伝える減速駆動伝達機構を
   備え、この減速駆動伝達機構における各々の構成要素の
   減速比が整数分の１になるようにしたカラー記録装置。