JPH0658645A - 吸着式冷却システム - Google Patents

吸着式冷却システム

Info

Publication number
JPH0658645A
JPH0658645A JP21426392A JP21426392A JPH0658645A JP H0658645 A JPH0658645 A JP H0658645A JP 21426392 A JP21426392 A JP 21426392A JP 21426392 A JP21426392 A JP 21426392A JP H0658645 A JPH0658645 A JP H0658645A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adsorber
adsorption
passage
bypass passage
adsorbent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP21426392A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Yamada
泰生 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanden Corp
Original Assignee
Sanden Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanden Corp filed Critical Sanden Corp
Priority to JP21426392A priority Critical patent/JPH0658645A/ja
Priority to US08/066,984 priority patent/US5333471A/en
Publication of JPH0658645A publication Critical patent/JPH0658645A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Sorption Type Refrigeration Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 再生行程を終了した一方の吸着器の熱を他方
の吸着器の加熱に再利用できるようにし、COPの向上
を図り得る吸着式冷却システムを提供する。 【構成】 各吸着器20,21と冷却容器22とを連結
する第1及び第2蒸気往路32,33間に、各蒸気往路
32,33を冷却容器22を介さずに連通するバイパス
通路34を設けるとともに、吸着または再生行程が次の
行程に切換わる際にバイパス通路34を所定時間だけ開
放し、各吸着器20,21の一方の熱の一部を他方へ移
動させることにより、再生行程を終了した吸着器20
(21)の熱が排熱とならずに再利用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用、住棟用または
船舶用の空気調和装置や、要冷蔵の食品または医薬品の
輸送コンテナ用冷却装置等に適用可能な吸着式冷却シス
テムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、空気調和装置や冷凍装置等に用い
られる冷却システムとしては、ヒートポンプ式等が一般
的に知られているが、最近ではゼオライト等からなる吸
着材を用いた吸着式冷却システムが提案されている。
尚、これに関連した従来技術としては、例えば特開昭6
2−5060号公報に記載されたものがある。
【0003】図8は吸着式冷却システムの基本的な原理
を示すもので、吸着器1と冷却容器2とを開閉バルブ3
を有する管路4によって連結した単一の吸着式冷却シス
テムである。吸着器1内にはゼオライト等からなる吸着
材1aが収容されており、吸着材1aには加熱または冷
却用の熱交換パイプ5が接触している。冷却容器2内に
は吸着媒体としての水が入っており、この水には冷却し
ようとする空気が流通する冷却パイプ6が熱的に接触
し、吸着器1、管路4及び冷却容器2内は真空になって
いる。また、管路4の冷却容器2側には外気と熱交換す
る凝縮器7が設けられている。この冷却システムでは、
管路4の開閉バルブ3を開くと、図8(a)に示すように
吸着材1aの吸着作用により冷却容器2内の水が蒸発し
て水蒸気となり、管路4を通って吸着器1内の吸着材1
aに吸着される。これにより、冷却容器2内の水が蒸発
する際の潜熱が冷却容器2側から吸収されるため、冷却
容器2内の温度が低下し、冷却パイプ6内の空気が冷却
される。このような操作を吸着行程という。次に、吸着
材1aに吸着された水を冷却容器2に戻す操作を行う。
即ち、図8(b) に示すように熱交換パイプ5に外部熱源
からの高温空気を流通させることによって吸着材1aを
加熱し、吸着材1aに吸着されている水を分離させる。
これにより、水蒸気となった水分が管路4を通って凝縮
器7で水となり、冷却容器2に回収される。このような
操作を再生行程という。尚、この場合の吸着とは吸着材
の分子間に水の分子が保持されている状態を示し、この
状態で吸着材を加熱することにより水が吸着材から分離
して再生される。
【0004】しかしながら、前述した単一の吸着式冷却
システムでは吸着行程と再生行程とを同一のシステムで
交互に行わなければならないため、連続的な冷却を行う
ことができない。そこで、図9に示すように二つの吸着
器8,9を有する二連の吸着式冷却システムが提案され
ている。各吸着器8,9はそれぞれ開閉バルブ10,1
1を有する管路12,13によって一つの冷却容器14
に連結され、冷却容器14内の水には前述と同様の冷却
パイプ15が熱的に接触している。また、各吸着器8,
9内の吸着材8a,9aにはそれぞれ熱交換パイプ1
6,17が熱的に接触しており、各管路12,13には
それぞれ凝縮器18,19が設けられている。この冷却
システムでは、例えば一方の吸着器8において吸着行程
を行わせると同時に、他方の吸着器9においては再生行
程を行わせる。そして、各吸着器8,9がそれぞれの行
程を終了した時点で逆の動作を行わせるよう切換操作す
る。その際、再生行程を終了した吸着器9は高温になっ
ているため、熱交換パイプ17に低温または常温の空気
を流通して吸着材9aを冷却する。このような操作を周
期的に繰り返すことによって連続的な冷却を行うことが
可能となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記二連の
吸着式冷却システムにおいては、例えば吸着器8で吸着
行程を終了すると吸着器8内が低温低圧となっているた
め、次の再生行程で再び加熱される。これに対して、再
生行程を終了した吸着器9では吸着器9内が高温高圧と
なっているため、次の吸着行程で再び冷却され、吸着器
9の熱は排熱として放出されてしまう。従って、これら
各行程が切換わる度に多大な熱エネルギーを必要とする
ため、システム全体の熱損失が大きくなり、COP(成
績係数)の低下を来すという問題点があった。
【0006】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、再生行程を終了した
一方の吸着器の熱を他方の吸着器の加熱に再利用できる
ようにし、COPの向上を図り得る吸着式冷却システム
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項1では、吸着材を収容した一対の吸
着器と、冷却対象物に熱的に接触する冷却容器と、各吸
着器と冷却容器とを連結する吸着媒体流通路と、各吸着
器を択一的に冷却する冷却手段と、各吸着器を択一的に
加熱する加熱手段とを備え、一方の吸着器を冷却するこ
とによって冷却容器内の吸着媒体を該吸着器内に吸着さ
せる吸着行程と、他方の吸着器を加熱することによって
該吸着器内の吸着媒体を分離させ冷却容器内に戻す再生
行程とを各吸着器において交互に行わせる吸着式冷却シ
ステムにおいて、前記吸着媒体流通路を前記各吸着器及
び冷却容器をそれぞれ連結し互いに前記バイパス通路で
連結された吸着媒体往路と、該バイパス通路から分岐し
て前記冷却容器に連結された吸着媒体復路とから構成す
るとともに、該バイパス通路における吸着媒体復路の分
岐点の両側、各吸着媒体往路及び吸着媒体復路にそれぞ
れ開閉バルブを設け、前記各行程が開始された段階では
各吸着器がそれぞれ密閉されるよう前記各バルブを開放
または閉鎖し、その後に吸着行程を行っている方の吸着
器が吸着媒体往路を介して冷却容器に、再生行程を行っ
ている方の吸着器が吸着媒体往路の一部、バイパス通路
及び吸着媒体復路を介して冷却容器にそれぞれ連通する
よう各バルブを開放または閉鎖し、各行程が次の行程に
切換わる際には一時的に各吸着器が吸着媒体往路の一部
及びバイパス通路を介して互いに連通するよう各バルブ
を開放または閉鎖する構成としている。
【0008】また、請求項2では、前記バイパス通路に
前記吸着媒体復路の分岐点を含む弁室と、該弁室の内部
に移動自在に収容された弁体とを設けてバイパス通路の
各開閉バルブを一体に構成するとともに、該バイパス通
路の両側間に圧力差が生ずることにより前記弁体が吸着
行程を行っている吸着器側のバイパス通路を閉じて再生
行程を行っている吸着器側のバイパス通路と吸着媒体復
路とを連通する位置に移動し、該圧力差が減少すること
により弁体がバイパス通路の両側を連通する位置に移動
するよう構成している。
【0009】
【作用】請求項1の吸着式冷却システムによれば、ま
ず、各吸着器において吸着または再生行程が開始された
段階では各吸着器がそれぞれ密閉されるよう各バルブが
開放または閉鎖し、吸着側の吸着器が冷却され、再生側
の吸着器が加熱される。この時、各吸着器は密閉状態に
あるため、吸着側の吸着器内の圧力が降下し、再生側の
吸着器内の圧力が上昇する。この後、吸着行程を行って
いる方の吸着器が吸着媒体往路を介して冷却容器に、再
生行程を行っている方の吸着器が吸着媒体往路の一部、
バイパス通路及び吸着媒体復路を介して冷却容器にそれ
ぞれ連通するよう各バルブが開放または閉鎖する。これ
により、冷却容器内の吸着媒体が低圧下で蒸発するとと
もに、吸着媒体往路を経て吸着器の吸着材に吸着され
る。その際、吸着媒体の蒸発潜熱によって冷却容器内の
熱が奪われる。一方、再生側の吸着器では吸着材に吸着
されている吸着媒体が高圧下で分離して再生され、吸着
媒体往路の一部、バイパス通路及び吸着媒体復路を経て
冷却容器内に戻される。また、各行程が次の行程に切換
わる際には一時的に各吸着器が吸着媒体往路の一部及び
バイパス通路を介して互いに連通するよう各バルブが開
放または閉鎖する。これにより、各吸着器が冷却容器を
介さずに連通することから、再生行程を終了した高温高
圧の一方の吸着器内の熱の一部が吸着行程を終了した低
温低圧の他方の吸着器内に移動し、再生行程を終了した
吸着器の熱が排熱とならずに再利用される。
【0010】また、請求項2の吸着式冷却システムによ
れば、請求項1の作用を有するとともに、バイパス通路
の両側間に圧力差が生ずると弁室内の弁体が吸着行程を
行っている吸着器側のバイパス通路を閉じて再生行程を
行っている吸着器側のバイパス通路と吸着媒体復路とを
連通する位置に移動し、該圧力差が減少すると弁体がバ
イパス通路の両側を連通する位置に移動することから、
バイパス通路の開閉が一箇所で行われる。
【0011】
【実施例】図1乃至図4は本発明の一実施例であり、本
発明の吸着式冷却システムを適用した車両用空気調和装
置を示すものである。図中、20,21は吸着材20,
21aを収容した第1及び第2吸着器、22は吸着媒体
としての水を収容した冷却容器、23は凝縮器、24は
車内側の熱交換器である。
【0012】各吸着器20,21は、詳細図を省略した
が両端にヘッダ−パイプを有する熱交換器型に形成さ
れ、各ヘッダ−パイプ間に配設された多数のチューブ内
にはゼオライト等からなる吸着材が収容されている。各
吸着器20,21は互いに間隔をおいて配置され、その
間には車両のエンジン(図示せず)に接続された排ガス
導入路25の吐出口が臨み、各吸着器20,21は互い
の対向面がやや排ガス導入路25の吐出口側へ向くよう
斜めに配置されている。また、各吸着器20,21の反
対側には第1及第2送風路26,27の一端がそれぞれ
臨み、各送風路26,27の他端は外気導入路28及び
排気送風路29の他端と十字路状に接続されている。外
気導入路28の他端は車両の進行方向側に、排気送風路
29の他端は車両の進行方向反対側に向かってそれぞれ
外部に開放され、給気及び排気が効果的に行われるよう
になっている。また、外気導入路28内には強制給気用
の送風機30が設置されている。更に、各送風路26,
27、外気導入路28及び排気送風路29の交差部に
は、各風路の二つずつを切換可能に連通するフラップ3
1が設けられている。即ち、このフラップ31は二位置
に切換わるように回動し、一方の位置では第1送風路2
6と外気導入路28、第2送風路27と排気送風路29
とがそれぞれ連通し、他方の位置では第1送風路26と
排気送風路29、第2送風路27と外気導入路28とが
それぞれ連通するようになっている。
【0013】冷却容器22は第1蒸気往路32を介して
第1吸着器20に、第2蒸気往路33を介して第2吸着
器21にそれぞれ連結されており、各蒸気往路32,3
3には開閉バルブV1,V2が設けられている。本実施
例では冷却容器22内に収容した吸着媒体に水を用いた
が、アルコール等、他の液体を用いることもできる。ま
た、各蒸気往路32,33は、互いに分岐接続されたバ
イパス通路34によって互いに連通できるようになって
おり、バイパス通路34には二つの開閉バルブV3,V
4が設けられている。更に、バイパス通路34における
各開閉バルブV3,V4の中間には蒸気復路35の一端
が分岐接続され、蒸気復路35には開閉バルブV5が設
けられている。尚、バイパス通路34は機能的には蒸気
復路35の一部を構成するものでもある。また、蒸気復
路35の他端は凝縮器23に接続され、凝縮器23は細
径の凝縮通路36を介して冷却容器22に連結されてい
る。尚、各通路の流通断面は、蒸気復路35及びバイパ
ス通路34の断面積が蒸気往路32(33)の断面積の
約50%に、凝縮通路36の断面積が蒸気復路35及び
バイパス通路34の断面積の約0.6%にそれぞれ設定
されている。
【0014】熱交換器24は冷却容器22内の水に熱的
に接触する冷却パイプ37に連結され、冷却パイプ37
に設けたポンプ38により冷却容器22側との間で水,
ブライン等の熱媒体を循環するようになっている。ま
た、熱交換器24は冷却対象物である車内空気の吸入通
風路39と吹出通風路40との間に配置され、以下に述
べる構成は周知の車両用空気調和装置に設けられている
ものである。即ち、吸入通風路39内には送風機41が
設置されるとともに、吸入通風路39の途中には外気導
入路42が接続され、外気導入路42はフラップ43に
よって開閉できるようになっている。また、吹出通風路
40は運転席や助手席等に設けられた複数の吹出口44
に分岐し、各吹出口44にはルーバ45が設けられてい
る。更に、吹出通風路40の途中にはエンジンのラジエ
ータ(図示せず)に連結された加熱パイプ46が設置さ
れ、暖房時や除湿時の再加熱用として使用される。この
加熱パイプ46では、開閉バルブ47を開放することに
よりラジエータの冷却水(高温)を流通し、吹出通風路
40内の空気を加熱できるようになっている。また、加
熱パイプ46の風上側にはフラップ48が設けられ、こ
のフラップ48を任意の位置に設定することにより、加
熱パイプ46を通る空気量を調整できるようになってい
る。
【0015】以上の構成において、例えば第1吸着器2
0で吸着行程を、第2吸着器21で再生行程を行ってい
るときは、フラップ31を図中実線で示す位置に設定
し、第1送風路26と外気導入路28、第2送風路27
と排気送風路29とをそれぞれ連通する。これにより、
排ガス導入路25の高温空気(排気ガス)が各吸着器2
0,21の間に給送され、外気導入路28の低温空気
(外気)が図中破線矢印で示すように第1送風路26を
経て第1吸着器20に給送される。その際、第1吸着器
20を通過した空気が第2吸着器21に向かって吹出さ
れるため、この空気の流れによって排ガス導入路25か
ら吐出した空気が第2吸着器21に向かって流れ、第2
吸着器21に給送される。これにより、第2吸着器21
が加熱され、第2吸着器21を通過した空気は図中実線
矢印で示すように第2送風路27及び排気送風路29を
経て外部に排出される。一方、第1吸着器20に給送さ
れた低温空気は第1吸着器20を冷却するとともに第1
吸着器20の熱を吸収し、排ガス導入路25から吐出す
る高温空気と合流して第2吸着器21に給送される。こ
れにより、第1吸着器20で発生した吸着熱(顕熱)が
第2吸着器21の加熱に利用される。更に、排ガス導入
路25から吐出される排気ガスの量はエンジンの回転数
等、車両の走行状態によって変化するため、第2吸着器
21を通過する空気の量が一定になるよう送風機30を
図示しない制御装置等によって制御する。即ち、排ガス
導入路25の風量が減少したとき送風機30の回転数を
上げ、外気導入路28の風量を増加させる。また、各吸
着器20,21において前述とは逆の行程を行う場合、
フラップ31を図中一点鎖線の位置に切換えることによ
り、排気送風路29及び外気導入路28の空気の流通方
向が変わり、第1吸着器20が加熱、第2吸着器21が
冷却される。
【0016】次に、本実施例における吸着式冷却システ
ム、即ち各吸着器20,21及び冷却容器22間の動作
を、図2の原理図及び図3のP−1/T線図を参照して
説明する。尚、図2では説明を容易にするために各構成
部分を図1と若干異なった形状で図示してある。また、
図3においてPは水蒸気圧、Tは温度であり、図中に示
されている数値は一例である。
【0017】即ち、第1吸着器20で吸着行程を、第2
吸着器21で再生行程を行う場合には、まず、各行程が
開始された段階では開閉バルブV1,V2,V3,V4
を閉じ、開閉バルブV5を開く。これにより、第1吸着
器20内の温度が含水量6%の水等量線上で150℃ま
で冷却され(C′→D)、第2吸着器21内の温度は含
水量22%の水等量線上で150℃まで加熱される
(A′→B)。この時、各吸着器20,21は密閉状態
にあるため、図3の線図では第1吸着器20内の水蒸気
圧P1 は10mbarまで降下し、第2吸着器21内の水蒸
気圧P2 は450mbarまで上昇する。尚、P3 はP1 及
びP2 の平均値である。次に、開閉バルブV2,V3を
閉じたままで、開閉バルブV1,V4,V5を開く。こ
れにより、冷却容器22内の水が10mbarの圧力下で蒸
発するとともに、第1蒸気往路32を経て第1吸着器2
0の吸着材20aに吸着される。その際、水の蒸発潜熱
によって冷却容器22内の熱が奪われる。そして、第1
吸着器20内の冷却を続けることにより、冷却容器22
内の水が順次吸着材20aに吸着され、第1吸着器20
内が最終的に70℃まで冷却される(D→A)。一方、
第2吸着器21内は450mbarの圧力下で280℃まで
加熱され(B→C)、第2吸着器21の吸着材21aに
吸着されている水が分離して再生され、バイパス通路3
4及び蒸気復路35を経て凝縮器23に流入する。そし
て、凝縮器23内で凝縮した水は凝縮通路36を通って
冷却容器22内に戻される。このような操作は1分〜1
日の周期で行われる。また、各蒸気往路32,33、蒸
気復路35及び凝縮通路36の流通断面積が順に小さく
なっているのは、この順に水蒸気の密度が大きくなるか
らで(凝縮通路36内では液体)、特に凝縮通路36で
は冷却容器22から蒸発して行く水とほぼ同量の流量に
なるのが望ましい。
【0018】前述の行程が終了した時点では、再生行程
を行った第2吸着器21内は約280℃の高温となって
おり、吸着行程を終えた第1吸着器20は約70℃の低
温となっている。ここで、各吸着器20,21を前述と
逆の行程に切換える前に以下に述べる中間行程を行うこ
とによって各吸着器20,21間のエンタルピーの差を
排熱とならないよう再利用する。即ち、開閉バルブV
1,V2,V5を閉じた状態で、バイパス通路34の開
閉バルブV3,V4のみを開放し、各吸着器20,21
を冷却容器22を介さずに連通させる。これにより、第
2吸着器21内の熱の一部が第1吸着器20内に移動
し、次に再生行程を行おうとする第1吸着器20内の温
度が上昇するとともに、吸着行程を行おうとする第2吸
着器21内の温度が低下する。この中間行程は前記吸着
/再生行程の切換周期の1%〜5%程度の時間だけ行
う。尚、中間行程は図3の線図にはプロットできない
が、吸着/再生行程の一部であると言える。
【0019】このようにして、各吸着器20,21にお
ける吸着行程→中間行程→再生行程→中間行程→吸着行
程…を周期的に繰り返すことにより、冷却容器22内が
連続的に冷却される。尚、図4は前記各行程における各
バルブV1,V2,V3,V4,V5の開閉状態を示す
ものである。
【0020】ここで、再び図1に戻り車内側の空調動作
について説明する。即ち、前記冷却システムによって冷
却容器22内が冷却されることにより、冷却容器22内
の冷却パイプ37が冷却され、低温となった冷却パイプ
37内の熱媒体が熱交換器24に流入する。一方、吸入
通風路39内に吸入された車内空気は熱交換器24に給
送され、熱交換器24によって冷却される。そして、冷
却された空気は吹出通風路40を経て各吹出口44から
車内へ吹出される。その際、外気導入路42のフラップ
43を操作することにより、必要に応じて吸入通風路3
9内に外気を導入することができる。また、加熱パイプ
46のフラップ48を操作することにより、吹出通風路
40内の空気が加熱される。
【0021】このように、本実施例の吸着式冷却システ
ムによれば、各吸着器20,21と冷却容器22とを連
結する第1及び第2蒸気往路32,33間に、各蒸気往
路32,33を冷却容器22を介さずに連通するバイパ
ス通路34を設けるとともに、吸着または再生行程が次
の行程に切換わる際にバイパス通路34を所定時間だけ
開放し、各吸着器20,21の一方の熱の一部を他方へ
移動させるようにしたので、各吸着器20,21間のエ
ンタルピーの差を排熱とならないよう再利用することが
でき、COP(成績係数)を格段に向上させることがで
きる。また、前記各行程において、各行程が開始された
段階では各吸着器20,21をそれぞれ密閉状態にして
圧力上昇及び圧力降下を十分に行った後、各蒸気往路3
2,33の開閉バルブV1,V2を開くようにしたの
で、吸着及び再生行程が高効率で行われ、冷却能力をよ
り向上させることができる。
【0022】図5及び図6は本発明の他の実施例を示す
もので、前記バイパス通路34の開閉バルブV3,V4
の機能を有するものである。即ち、50はバイパス通路
34と蒸気通路35との分岐点に設けられた弁室、51
は弁室50に移動自在に収容された弁体である。
【0023】弁室50は弁体51が余裕を持って移動可
能な箱形に形成され、その内側にはT字状に分岐するバ
イパス通路34及び蒸気復路35が開口し、蒸気復路3
5は重力方向下向きに延びている。また、各開口部の周
縁には弁体51を気密状態で受容するテーパ状の弁座5
0aが形成されている。
【0024】弁体51はフッ素系やシリコーン等のゴム
製中空球からなり、各弁座50a間を自由に移動できる
ようになっている。即ち、バイパス通路34の一方の弁
座50a及び弁体51が前記開閉バルブV3を、バイパ
ス通路34の他方の弁座50a及び弁体51が前記開閉
バルブV4をそれぞれ構成している。
【0025】以上の構成により、バイパス通路34の両
側間に圧力差が生ずると、弁体51が吸着行程を行って
いる吸着器側のバイパス通路34(例えば図5の左側)
の弁座50aに移動する。これにより、吸着行程を行っ
ている吸着器側のバイパス通路34が閉鎖され、再生行
程を行っている吸着器側のバイパス通路34(図5では
右側)と蒸気復路35とが連通する。この状態は図3の
線図におけるD→AまたはB→Cに対応している。ま
た、各行程が終了に近づいてバイパス通路34の両側間
における圧力差が減少し、前記開閉バルブV5(図示せ
ず)が閉じると、開閉バルブV5が閉じたときの衝撃及
び重力の作用で弁体51がバイパス通路34の弁座50
aから蒸気復路35の弁座50aに移動し、バイパス通
路34の両側が連通する。この状態は前記中間行程に対
応している。尚、蒸気復路35は前記開閉バルブV5
(図示せず)によっても閉鎖されるので、この時の弁体
51はバイパス通路34の各弁座50aから離れていれ
ばよい。次に、各行程が切換わるとバイパス通路34の
両側間における圧力差が逆方向に生ずるため、弁体51
は前述の反対のバイパス通路34の弁座50aに移動す
る。
【0026】また、図6は図5の変形例を示すもので、
弁室50を間にしてバイパス通路34の両側に接続する
補助通路52及びこれを開閉するバルブ53を設けたも
のである。この構成においては、弁体51がバイパス通
路34の何れか一方の弁座50aにあるときは補助通路
52のバルブ53を閉じておき、開閉バルブV5(図示
せず)と連動させてバルブ53を開くことにより、バイ
パス通路34の両側が補助通路52を介して連通する。
これにより、各バイパス通路34間の圧力差がなくな
り、弁体51が中立位置に移動してバイパス通路34の
両側が連通する。尚、この場合も蒸気復路35は前記開
閉バルブV5によって閉鎖されるので、蒸気復路35を
弁体51で閉鎖されない重力方向上向きに設けた例を示
した。
【0027】また、図7は図5及び図6の実施例におけ
る各バルブV1,V2,V3,V4,V5の開閉状態を
示すものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の吸着式
冷却システムによれば、各吸着器において吸着または再
生行程が次の行程に切換わる際、再生行程を終了した吸
着器の熱を排熱とならないよう再利用することができる
ので、COP(成績係数)を格段に向上させることがで
きる。
【0029】また、請求項2の吸着式冷却システムによ
れば、請求項1の効果を達成し得るとともに、バイパス
通路の開閉を一箇所で行うことができるので、コストダ
ウン及び装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す吸着式冷却システムを
備えた車両用空気調和装置の概略構成図
【図2】吸着式冷却システムの原理図
【図3】吸着式冷却システムの吸着/再生行程を示すP
−1/T線図
【図4】各開閉バルブの開閉状態を示す図
【図5】本発明の他の実施例を示すバルブの断面図
【図6】図5の変形例を示すバルブの断面図
【図7】他の実施例における各開閉バルブの開閉状態を
示す図
【図8】従来例を示す単一の吸着式冷却システムの原理
【図9】従来例を示す二連の吸着式冷却システムの原理
【符号の説明】
20…第1吸着器、21…第2吸着器、20a,21a
…吸着材、22…冷却容器、32…第1蒸気往路、33
…第2蒸気往路、34…バイパス通路、35…蒸気復
路、50…弁室、51…弁体、V1,V2,V3,V
4,V5…開閉バルブ。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸着材を収容した一対の吸着器と、冷却
    対象物に熱的に接触する冷却容器と、各吸着器と冷却容
    器とを連結する吸着媒体流通路と、各吸着器を択一的に
    冷却する冷却手段と、各吸着器を択一的に加熱する加熱
    手段とを備え、一方の吸着器を冷却することによって冷
    却容器内の吸着媒体を該吸着器内に吸着させる吸着行程
    と、他方の吸着器を加熱することによって該吸着器内の
    吸着媒体を分離させ冷却容器内に戻す再生行程とを各吸
    着器において交互に行わせる吸着式冷却システムにおい
    て、 前記吸着媒体流通路を前記各吸着器及び冷却容器をそれ
    ぞれ連結し互いに前記バイパス通路で連結された吸着媒
    体往路と、該バイパス通路から分岐して前記冷却容器に
    連結された吸着媒体復路とから構成するとともに、 該バイパス通路における吸着媒体復路の分岐点の両側、
    各吸着媒体往路及び吸着媒体復路にそれぞれ開閉バルブ
    を設け、 前記各行程が開始された段階では各吸着器がそれぞれ密
    閉されるよう前記各バルブを開放または閉鎖し、その後
    に吸着行程を行っている方の吸着器が吸着媒体往路を介
    して冷却容器に、再生行程を行っている方の吸着器が吸
    着媒体往路の一部、バイパス通路及び吸着媒体復路を介
    して冷却容器にそれぞれ連通するよう各バルブを開放ま
    たは閉鎖し、各行程が次の行程に切換わる際には一時的
    に各吸着器が吸着媒体往路の一部及びバイパス通路を介
    して互いに連通するよう各バルブを開放または閉鎖する
    構成としたことを特徴とする吸着式冷却システム。
  2. 【請求項2】 前記バイパス通路に前記吸着媒体復路の
    分岐点を含む弁室と、該弁室の内部に移動自在に収容さ
    れた弁体とを設けてバイパス通路の各開閉バルブを一体
    に構成するとともに、 該バイパス通路の両側間に圧力差が生ずることにより前
    記弁体が吸着行程を行っている吸着器側のバイパス通路
    を閉じて再生行程を行っている吸着器側のバイパス通路
    と吸着媒体復路とを連通する位置に移動し、該圧力差が
    減少することにより弁体がバイパス通路の両側を連通す
    る位置に移動するよう構成したことを特徴とする請求項
    1記載の吸着式冷却システム。
JP21426392A 1992-05-26 1992-08-11 吸着式冷却システム Pending JPH0658645A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21426392A JPH0658645A (ja) 1992-08-11 1992-08-11 吸着式冷却システム
US08/066,984 US5333471A (en) 1992-05-26 1993-05-25 Adsorption cooling system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21426392A JPH0658645A (ja) 1992-08-11 1992-08-11 吸着式冷却システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0658645A true JPH0658645A (ja) 1994-03-04

Family

ID=16652857

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21426392A Pending JPH0658645A (ja) 1992-05-26 1992-08-11 吸着式冷却システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0658645A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016176632A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 カルソニックカンセイ株式会社 吸着式冷凍機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016176632A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 カルソニックカンセイ株式会社 吸着式冷凍機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5333471A (en) Adsorption cooling system
JPH02230068A (ja) 吸着式冷凍機とその運転方法
JP3592374B2 (ja) 吸着式冷却装置及びその冷熱出力制御方法
JPH0674594A (ja) 吸着式冷却装置
JP3831964B2 (ja) 吸着式冷凍機
JP2001213149A (ja) 乗物用空調装置
AU2006229152A1 (en) Humidity control system
JPH0658645A (ja) 吸着式冷却システム
JPH05322359A (ja) 吸着式冷却システム
JPH05322362A (ja) 吸着式冷却システム
JP3831963B2 (ja) 吸着式冷凍装置
JPH05322360A (ja) 吸着式冷却システム
JPH1163719A (ja) 冷凍装置
JPH0666455A (ja) 吸着式冷却システム
JP4022944B2 (ja) 吸着式冷凍装置
JP3282225B2 (ja) 吸着式空気調和装置
JP2008201199A (ja) 車両用空調装置
JPH0674595A (ja) 吸着式冷却システム
JP3733616B2 (ja) 吸着式冷凍装置
JPH0650628A (ja) 冷却装置
JP3358325B2 (ja) 吸着式冷凍装置の制御方法及び吸着式冷凍装置
JP4565539B2 (ja) 吸着冷凍機の運転方法
JP3334320B2 (ja) 空調装置
JP3713896B2 (ja) 吸着式冷凍装置
JP3921744B2 (ja) 吸着式冷凍装置