JPH0657779B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH0657779B2
JPH0657779B2 JP61019113A JP1911386A JPH0657779B2 JP H0657779 B2 JPH0657779 B2 JP H0657779B2 JP 61019113 A JP61019113 A JP 61019113A JP 1911386 A JP1911386 A JP 1911386A JP H0657779 B2 JPH0657779 B2 JP H0657779B2
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【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はエチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90
%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂と
疎水性熱可塑性樹脂に特殊変性ポリエチレン系重合体を
配合した均一混合性と成形性の改良された樹脂組成物に
関する。
B.従来技術 エチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90%以上の
エチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂と疎水性熱
可塑性樹脂のブレンド組成物は特徴ある物性を備えてい
る。殊に、各種疎水性熱可塑性樹脂とエチレン成分含有
率20〜55モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物樹脂との多層共押出成形時に、疎
水性熱可塑性樹脂あるいはエチレン−酢酸ビニル共重合
体けん化物樹脂層に代えてブレンド組成物を使用した
り、あるいは、疎水性熱可塑性樹脂層とエチレン−酢酸
ビニル共重合体けん化物樹脂層との中間にブレンド組成
物の層を設けることができる。また、ブレンド組成物単
独を溶融押出成形し、さらに必要に応じて延伸および/
あるいは熱処理して得られるフイルム、シートあるいは
ボトルなどの成形物は気体遮断性と力学的性質に優れて
いる。このような各種疎水性熱可塑性樹脂とエチレン−
酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂層とのブレンド組成物
の特徴は従来も知られていたが、この組成物は一般に均
一混合性、成形性が悪く、押出成形によりフイルム、シ
ートあるいはボトルなどを成形すると、不均一な相分離
異物を生じるとか、樹脂特にエチレン−酢酸ビニル共重
合体けん化物樹脂が不溶化してゲル状物が発生しやす
く、とくに長時間運転によりこの異物が増加して成形物
の外観を損ねる事が知られている。こうして各種疎水性
熱可塑性樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
樹脂とのブレンド組成物はその優れた特徴にもかかわら
ず押出成形が実用的に全く実施出来ないか、出来ても極
く短時間しか運転できないのが実情であった。
例えば特公昭51-43423号公報にはポリオレフイン(a)お
よびエチレン含有量が25〜50モル%、けん化度が90%以
上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物(b)をa:
b=90:10〜10:90の重量比で含有し且つ(a)+(b)100
重量部当り0.5〜15重量部の、主鎖または側鎖にカルボ
ニル基を120〜1400meq/100g重合体の濃度で有する熱可
塑性重合体(c)を含有するブレンド物からなる層が前記
(a),(b)から成る群より選ばれた重合体からなる層と同
時溶融押出しを行ない、樹脂積層構造物を中空成形出来
る事が公知である。そして主鎖または側鎖にカルボニル
基を120〜1400meq/100g重合体の濃度で有する熱可塑性
重合体の例としてデユポン社から市販されているアイオ
ノマーがあげられている。
しかしながら、側鎖にカルボニル基を120〜1400meq/100
g重合体の濃度で有する熱可塑性重合体をけん化度が90
%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物もしく
はエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物とポリオレフ
インの混合物とブレンドすると、成形性が悪く、押出成
形によりフイルム、シートあるいはボトルなどを成形す
ると、不均一な相分離異物を生じるとか、樹脂特にエチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂が不溶化してゲ
ル状物が発生しやすく、とくに長時間運転によりこの異
物が増加して成形物の外観を損ねるものであった。
またデユポン社から市販されているアイオノマーは密度
が0.93g/cm3以上であるためか、ブレンド組成物の均一
混合性が充分でなく良好な成形物が得られないものであ
った。
C.本発明が解決しようとする問題点 本発明等は、このような均一混合性不良、成形性不良を
解消し、かかるブレンド組成物の優れた特徴を実用化す
る事を目的として、外観の美しい成形物を得んとするも
のである。
D.問題を解決するための手段 本発明は(A)(i)密度が0.905〜0.87g/cm3のポリエチレン
系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水
物をグラフトし、これに前記エチレン性不飽和カルボン
酸もしくは該カルボン酸無水物成分に対し0.02〜0.3当
量の周期律第Ia族金属の水酸化物または炭酸塩からな
る金属化合物を配合するか、または(ii)前記金属化合物
配合組成物を密度が0.905〜0.87g/cm3のポリエチレン系
重合体に両者の合計量に対し1〜60重量%配合した混合
物、(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90
%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂、
および(C)飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ
塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体および密度0.91g/cm3以上のポリエチレンから
なる群より選ばれる少なくとも1種の疎水性熱可塑性樹
脂、からなる樹脂組成物である。
E.発明の効果 上記本発明の樹脂組成物を用いて成形した場合には、各
種疎水性熱可塑性樹脂とエチレン−酢酸ビニル共重合体
けん化物樹脂との均一混合性不良、成形性不良が顕著に
改善され、外観の美しい共押出成形品、あるいは気体遮
断性と力学的性質に優れた成形物が得られる。
F.本発明のより詳細な説明 本発明の最大の特徴は(A)成分の原料もしくは(A)成分の
一部として密度が0.905〜0.87g/cm3のポリエチレン系重
合体をベースとして用いることである。密度が0.905g/c
m3を越えて大きなものであると本発明の効果である均一
混合性、成形性が充分でなく、密度が0.87g/cm3未満の
ポリエチレン系重合体は製造工程通過性が充分でなく、
工業的に安定な供給が出来ていないので好適でない。こ
のようなポリエチレン系重合体の製造方法に制限はない
が、例えばチーグラー型の触媒をもちいて、重合温度が
10〜80℃でエチレンとα−オレフインとを共重合する方
法がある。α−オレフインとしては炭素数3〜8の化合
物が用いられ、例えばプロピレン、ブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチルペンテン−1、オクテン−1等があ
る。さらに第三モノマーとしてブタジエン、1,4−ヘキ
サジエン、1,5−ヘキサジエン、ビニルノルボルネン、
エチリデンノルボルネンおよびジシクロペンタジエンな
どの各種ジエン類を加えて共重合することも出来る。ま
た市販されているものとしては、例えば三井石油化学社
から上市されているタフマーA−4085,タフマーA−40
90,タフマーP−0180,タフマーP−0480とか日本ユニ
カー社から上市されているフレツクスレジンDFDA−
1137NT7,フレツクスレジンDFDA−1138NTなど
がある。
グラフトに用いられるエチレン性不飽和カルボン酸、ま
たはその無水物としてはマレイン酸、アクリル酸、メタ
クリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、
無水イタコン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸または
その無水物等があげられるが、中でも無水マレイン酸が
好適である。グラフトにあたつてはエチレン、スチレ
ン、酢酸ビニル、ビニルエーテル等の共単量体と同時に
共グラフトする事ができる。グラフト量は0.001〜6重
量%で良いが、中でも0.01〜5重量%が均一混合性、成
形性の面で更に好適である。
グラフトの方法に特に制限は無いが、ポリエチレン系共
重合体にエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物
と、ジベンゾイルパーオキサイド、ジブチルパーオキサ
イド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾ
エイト、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒド
ロパーオキサイド等の有機過酸化物とを共存させて、両
者に化学的結合が生じるように加熱反応させる方法があ
げられる。反応は例えばベンゼン、トルエン、キシレ
ン、クロルベンゼン、t−ブチルベンゼン、クメン等の
溶媒の存在下もしくは無存在下に100〜240℃の温度で行
なう事ができるが、トルエンとかキシレン等の溶媒の存
在下に110〜200℃で行なうほうが均一な製品が得られる
のでより好適である。
周期律第Ia族金属の水酸化物または炭酸塩からなる金
属化合物としては、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、など
があるが、中でも炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等の周期律第Ia族金属
の水酸化物または炭酸塩からなる金属化合物が好適に用
いられる。とりわけ水酸化ナトリウムが好適に用いられ
る。金属水酸化物の配合量が0.02当量未満であると成形
体の全体に波状の模様ができるとか、凹凸ができるなど
本発明の目的とする工業的に有用な成形体は得られな
い。0.3当量を越えて配合すると変性共重合体が着色す
るとか、流動性が不良となり、成形材料としては不適当
な物となり好ましくない。
本発明において密度が0.86g/cm3未満のポリエチレン系
重合体にエチレン性不飽和カルボン酸またはその無水物
をグラフトし、エチレン性不飽和カルボン酸またはその
無水物成分に対し0.02〜0.3当量の金属水酸化物または
塩からなる金属化合物を配合した組成物はそのままで好
適に使用できるが、場合によつては該金属水酸化物配合
組成物と密度が0.91〜0.86g/cm3のポリエチレン系重合
体とをブレンドして使用することができる。その場合該
金属水酸化物配合組成物の配合割合は該変性共重合体の
特性にもよるが、全組成物(該金属化合物配合組成物と
ポリエチレン系重合体の両者の合計量)に対し1〜60重
量%で良いが、2〜40重量%が製造価格、成形性等の面
でさらに好適な場合が多い。
また本発明に言う(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体け
ん化物樹脂とはエチレンと酢酸ビニルの共重合体中の酢
酸ビニル単位を加水分解したものであるが、エチレン単
位の含有率が20〜55モル%で酢酸ビニル単位の90%以上
を加水分解したけん化物樹脂が酸素などの気体の遮断性
が良好であり好適に用いられる。エチレン成分が20モル
%以下であると成形性が低下するのでこのましくない。
またエチレンの含有率が55モル%を越えると、成形性は
低下しないものの、該樹脂の最も特徴とする気体の遮断
性が低下して不満足なものとなる。該エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物樹脂は20〜55モル%の領域内のエ
チレン含有率を持つ2種またはそれ以上のエチレン成分
含有率の異なる該樹脂のブレンド物であつて良い。該樹
脂の酢酸ビニル成分のけん化度は90%以上が好適であ
り、90%未満では該遮断性が低下するので好ましくな
い。さらにホウ酸、ホウ砂などのホウ素化合物で処理し
たエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化合物、ケイ素含
有オレフイン性不飽和単量体、α−オレフイン、N−ビ
ニルピロリドン等の第三成分をエチレンおよび酢酸ビニ
ルとともに共重合し、けん化して得られる変性樹脂につ
いても溶融成形性があり、気体の遮断性等エチレン−酢
酸ビニル共重合体けん化物樹脂本来の有益な諸物性を害
しない範囲のものであれば本発明の効果を享受すること
ができる。
本発明において(C)疎水性熱可塑性樹脂としては加熱溶
融成形可能な樹脂であり、飽和ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、エチレンと
酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸エチル等
のアクリル酸エステル類との共重合体、ポリプロピレ
ン、および密度0.91g/cm3以上のポリエチレン(通常の
低密度、中密度、高密度ポリエチレン、プロピレンとエ
チレンの共重合体など)から選ばれるが、中でも密度0.
91g/cm3以上の通常のポリエチレン、ポリカーボネート
がさらに好適に用いられる。
密度0.91g/cm2以上の通常のポリエチレンとしては例え
ば下記のものがある。
i 高圧法ポリエチレン:1000気圧以上の高圧下でラジ
カル開始剤の存在下に重合された樹脂 ii 中圧法ポリエチレン:Cr2O3の様な触媒の存在下
に、30〜40気圧、100〜150℃で重合された樹脂 iii 低圧法ポリエチレン:トリエチルアルミニウムと
四塩化チタンを組合せた触媒を用い、0〜7気圧,60〜
80℃で重合された樹脂 iv LLDPE:溶液重合法あるいは気相流動層型重合
法によりα−オレフインを共重合した樹脂 ポリカーボネートは分子内に炭酸成分とジオール成分と
が炭酸エステル結合を介して線状に結合したものであ
る。ジオール成分としては4,4′ジヒドロキシジフエニ
ル−1,1−エタン、4,4′ジヒドロキシジフエニル−1,1
−プロパン、4,4′ジヒドロキシジフエニルスルフオン
等が用いられる。
本発明の組成物を構成する(C)および(B)の重量比は1:
99〜99.9:0.1の範囲から選ばれる。但し、実質的な見
地からは(C)疎水性熱可塑性樹脂、(B)エチレン成分含有
率20〜55モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物樹脂の組成比としては、どちらか
一方の樹脂の量が多い組成が力学的あるいは気体遮断性
など特徴ある物性が発揮される点で特に重要である。疎
水性熱可塑性樹脂が多い組成としては、(C)疎水性熱可
塑性樹脂:(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん
化度90%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
樹脂の重量比として60:40〜99.9:0.1、とりわけ70:3
0〜99.7:0.3のものが挙げられ、一方(B)成分の多い組
成としては(C)疎水性熱可塑性樹脂:(B)エチレン成分含
有率20〜55モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸
ビニル共重合体けん化物樹脂の重量比として1:99〜4
0:60、とりわけ5:95〜30:70の範囲のものが本発明
効果の点でとくに重要である。また均一混合性、成形性
を改善する(A)(i)密度が0.905〜0.87g/cm3のポリエチレ
ン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸またはその無
水物をグラフトし、これに前記エチレン性不飽和カルボ
ン酸またはその無水物成分に対し0.02〜0.3当量の周期
律第Ia族金属の水酸化物または炭酸塩からなる金属化
合物を配合するか、または(ii)該金属化合物配合組成物
と密度が0.905〜0.87g/cm3のポリエチレン系重合体とを
配合した混合物の添加量はそれぞれの成分の種類に応じ
て均一混合性改良効果が得られ、なおかつ組成物の力学
的物性、透明性、気体遮断性等の諸物性を損なわない範
囲で調製されるが、多くの場合(A)の量は(C)疎水性熱可
塑性樹脂と(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん
化度90%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物
樹脂の重量の和((C)+(B))100重量部に対して0.1〜50重
量部、とりわけ1〜30重量部の範囲で用いられる。50重
量部を越えて用いられると(C)疎水性熱可塑性樹脂およ
び(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂を主
体とする本発明の組成物の力学的物性、透明性、気体遮
断性等の諸物性を損なわれ易く好ましく無い場合が多
い。逆に0.1部未満であると(C)疎水性熱可塑性樹脂およ
び(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90%
以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂の組
合せにもよるが均一混合性が充分で無い時がある。
本発明の樹脂組成物を得るためのブレンド方法には特に
制限は無く、三者をドライブレンドする方法、あるいは
(A)成分を(C)疎水性熱可塑性樹脂または(B)エチレン成
分含有率20〜55モル%、けん化度90%以上のエチレン−
酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂の全部または一部にあ
らかじめ配合しておく方法が任意に選ばれる。
本発明において前記(A)が、(B)エチレン成分含有率20〜
55モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸ビニル共
重合体けん化物樹脂と(C)疎水性熱可塑性樹脂との均一
混合性、成形性を顕著に向上させる機構は充分に明らか
ではないが、(B)エチレン成分含有率20〜55モル%、け
ん化度90%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化
物樹脂と(C)疎水性熱可塑性樹脂の溶融系におけるレオ
ロジー的効果、不純物の化学的作用等が複雑に組合わさ
つた状態において(A)(i)密度が0.905〜0.87g/cm3のポリ
エチレン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸または
その無水物をグラフトし、これにエチレン性不飽和カル
ボン酸またはその無水物成分に対し0.02〜0.3当量の周
期律第Ia族金属の水酸化物または炭酸塩からなる金属
化合物を配合するか、または(ii)前記金属化合物配合組
成物と密度が0.91〜0.86のポリエチレン系重合体とを配
合した混合物が有効に作用しているものと推定される。
本発明の樹脂組成物にたいしては熱可塑性樹脂に慣用さ
れる他の添加剤を配合することができる。このような添
加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑
剤、帯電防止剤、滑剤、充填剤を挙げる事ができ、これ
らを本発明の作用効果が阻害されない範囲内でブレンド
することができる。添加剤の具体的な例としては次の様
なものが挙げられる。酸化防止剤:2,5−ジ−t−ブ
チルハイドロキノン、2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール、4,4′−チオビス−(6−t−ブチルフェ
ノール、2,2′メチレン−ビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール、テトラキス−[メチレン−3−
(3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]メタン、オクタデシル−3−
(3′,5−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、4,4′−チオビス−(6−t−
ブチルフェノール)等。紫外線吸収剤:エチル−2−シ
アノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2′−
ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−t−ブ
チル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン
等。可塑剤:フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フ
タル酸ジオクチル、ワックス、流動パラフィン、リン酸
エステル等。帯電防止剤:ペンタエリスリットモノステ
アレート、ソルビタンモノパルミテート、硫酸化オレイ
ン酸、ポリエチレンオキシド、カーボワックス等。滑
剤:エチレンビスステアロアミド、ブチルステアレート
等。着色剤:カーボンブラック、フタロシアニン、キナ
クリドン、インドリン、アゾ系顔料、酸化チタン、ベン
ガラ等。充填剤:グラスファイバー、アスベスト、マイ
カ、バラストナイト等。
本発明の樹脂組成物を得るための各成分の配合手段とし
ては、リボンブレンダー、高速ミキサー、ニーダー、ミ
キシングロール、バンバリーミキサー、押し出し機等が
例示される。
本発明の樹脂組成物は、周知の溶融押し出し成形機、圧
縮成形機、トランスファー成形機、射出成形機、吹き込
み成形機、熱成形機、回転成形機、ディップ成形機など
を使用して、フィルム、シート、チューブ、ボトル等の
任意の成形品に成形することができる。成形に際しての
押し出し温度は樹脂の種類、分子量、組成物の配合割合
あるいは押し出し機の性質等により適宜選択されるが、
多くの場合170℃〜350℃の範囲である。また本発
明の樹脂組成物は多層構造体の一層として使用できる
が、疎水性熱可塑性樹脂をP、エチレン成分含有率20
〜55モル%、けん化度90%以上のエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体けん化物樹脂をE、接着性樹脂層をD、本
発明の樹脂組成物の層をMとする時、M/E/M、M/
D/E、M/D/E/D/M、P/D/E/D/M、P
/E/P/M、P/M/D/E/D/M/P、P/M/
D/E/D/P等の層構成をとる時、成形性、均一混合
性にすぐれた美しい成形物を得る事ができる。この様な
多層成型材においては本発明のブレンド組成物は多層成
形物のスクラップで代用することもできる。多層成型方
法としては、一般的に樹脂の種類に対応する数の押し出
し機を使用し、この押し出し機内で溶融された樹脂の流
れを重ねあわせた層状態で同時押し出し成形するいわゆ
る共押し出し成形により実施される。別の方法として、
エキストルージョンコーチング、ドライラミネーション
等の多層成形方法も採用されうる。また本発明の樹脂組
成物の単独成形品、あるいは本発明の組成物を含む多層
成形物を一軸あるいは二軸延伸、深絞り、ブロー成形等
の工程を経る事によってより有利な物とする事ができ
る。また本発明で得られた積層体を更に合成樹脂フィル
ム、金属、紙等とラミネートすることもできる。こうし
て本発明の組成物で得られた成形物は、ブレンド組成物
が均一で外観が美しいだけで無く、均一混合性が良好で
均一であることから強度物性、気体遮断性など多くの優
れた特性を有しておりその工業的意義は誠に大きい。
以下、実施例をもって更に具体的に説明する。
G.実施例 実施例1 タフマーA−4085(密度が0.88g/cm,M
I(190℃、2160g)が3.6g/10分のポリ
エチレン系樹脂,三井石油化学社製)100重量部及び
無水マレイン酸12重量部を精製トルエン720重量部
に溶解し180℃に保った。この溶液に攪拌下にクメン
ヒドロパーオキサイド1.3重量部を溶解した精製トル
エン溶液100重量部を2.0時間で連続的に添加し
た。添加終了後も引続き30分の後反応をおこなった。
冷却後大量のアセトン中に反応液を投入してポリマーを
析出させた。得られたポリマーを精製トルエンを溶剤と
し、アセトンを非溶剤として再沈精製を行なった。この
ものは無水マレイン酸成分を2.1重量%含有してい
た。
このようにして得られたポリマーに無水マレイン酸に対
して0.08当量の水酸化ナトリウム(NaOH)を含
有する水溶液を均一に添加し、一部乾燥後に、ベントつ
き押し出し機で減圧下に揮発物を追い出しながら溶融混
練ペレット化し、変性共重合体を得た。
次いで該変性共重合体20重量部と上記のタフマーA−
4085の80重量部をドライブレンドした後、溶融混
練ペレット化し、混合物を得た。
ミラソン27[密度0.918g/cm3の低密度ポリエチレンメル
トインデックス(190℃、2160g)2.0g/1
0分,三井石油化学社製]75重量部、エチレン−酢酸
ビニル共重合体けん化物樹脂[エチレン成分33モル
%、けん化度99.9%、メルトインデックス(190
℃、2160g)1.5g/10分]15重量部、上記
に得られた変性共重合体の混合物10重量部をドライブ
レンドした後、直径が40mm、L/D=24、圧縮比
3.8のフルフライト型スクリュウを有する押し出し機
に仕込み、巾550mmのフラットダイを使用して製膜
を実施した。運転条件は押し出し温度を160〜220
℃とし、ダイ温度を220℃とし、厚さが100μのフ
ィルムを巻き取り、8時間の連続運転を実施した。得ら
れたフィルムは、均一かつ良好な混合性を示し、混合性
不良とか安定性不良の相分離異物は見られなかった。
比較例1 変性共重合体を得るにあたってNaOHを無添加とする
以外は実施例1と同様にして行なった。次いで得られた
変性共重合体に実施例1と同様にしてタフマーA−40
85を混合し、さらにミラソン27、およびエチレン−
酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂(EVOH)を混合し
て、押し出し製膜を実施した。運転開始30分後から実
施例1には見られない不均一な相分離異物が見られはじ
め、その後は時間の経過と共に増大し、得られたフィル
ムの外観は極めて不良であった。
実施例2〜5、比較例2〜5 実施例1の方法に従いNaOHの添加量を変更して得た
変性共重合体の所定量とタフマーA−4085の所定量
をドライブレンドし、各種(A)成分とし実施例1に示
したミラソン27とEVOHとを第1表に示す割合でド
ライブレンドした後、実施例1と同様にして押し出し製
膜を実施した。得られたフィルムの膜面状態の評価を第
1表に合わせて示した。グラフトした無水マレイン酸に
対してNaOHを0.05当量添加した実施例2および
実施例3は良好な外観の成形物が得られた。またNaO
Hを0.1当量添加した実施例4および実施例5は極め
て良好な外観の成形物が得られた。結果は第1表に示
す。
NaOHを添加しない比較例2および比較例3は成形物
の表面には凸凹が数多く出来ており商品価値の乏しいも
のであった。NaOHを0.6当量添加すると変性共重
合体が褐色に着色し、かつ流動性が極めて悪いものであ
ったので製膜は実施しなかった(比較例4)。該変性共
重合体を併用しないで得られたフィルムの外観は極めて
不良であった(比較例5)。
実施例6〜9、比較例6〜9 タフマーA−4085にかえてフレックスレジンDFD
A−1138NT(密度0.90g/cm、MI(1
90℃、2160g)が0.4g/10分、日本ユニカ
ー社製)を用い、無水マレイン酸およびクメンヒドロパ
ーオキシドの使用量を変更し、かつNaOHにかえて炭
酸カリウム(K2CO3)を0.14当量用いる以外は実施
例1の方法と同様にして無水マレイン酸成分2.7%含
有する変性共重合体を得た。
上記に得た変性共重合体とタフマーP−0180(密度
0.88g/cm,MI4.5,三井石油化学社製)
と10:90にドライブレンドし、(A)成分とした。
酢酸ビニル成分の含有率が56モル%であるエチレン−
酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル成分の99.5%をけ
ん化する事によって得た[η]=0.96(フェノール
/水=85/15混合溶液中、30℃、dl/g)のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体けん化物を(B)成分と
し、ポリカーボネート([NOVAREX 7030]
三菱化成工業社製)を(C)成分とする。
内径60mmΦ,L/D=25の一軸スクリュウを備え
た押し出し機Iを180℃〜220℃とし、内径40m
mΦ,L/D=25の一軸のスクリュウを備えた押し出
し機IIを150℃〜220℃とし、内径90mmΦ,L
/D=22のスクリュウを備えた同方向噛みあい二軸押
し出し機IIIを150〜225℃とし、各押し出し機か
らの溶融材料がひとつのダイ内で各々のマニホールによ
って広げられた後、当該ダイ内で合流し多層化されるタ
イプのフラットダイ式の三種三層共押し出し装置を用
い、押し出し機IIIには(M)上記(A):(B):
(C)を所定の比にドライブレンドした組成物を供給
し、押し出し機IIには(D)エチレン−酢酸ビニル系接
着性樹脂[アドマーVF600(三井石油化学)]を供
給し、押し出し機Iには(B)エチレン−酢酸ビニル共
重合体けん化物を供給し、ダイ温度225℃、引取り速
度4m/分で共押し出しを行ない、B/D/M(50μ
/50μ/450μ)の三層構成のシートを作成した。
得られたシートの表面の外観評価結果を第2表に示す。
グラフトした無水マレイン酸に対して炭酸カリウムを
0.14当量添加した実施例6〜9は良好な外観の成形
物が得られた。炭酸カリウムを0.01等量添加した比
較例6および比較例7は成形物の表面には凸凹が数多く
出来ており、商品価値の乏しいものであった。炭酸カリ
ウムを1.0当量添加すると変性共重合体が褐色に着色
し、かつ極めて流動性の悪いものであり、共押し出し成
形は実施しなかった(比較例8)。該変性共重合体樹脂
を用いる事なくタフマーP−0180のみを(A)成分
とした比較例9はシートに多くのブツがあり、商品価値
の乏しいものであった。結果は第2表にあわせて示す。
比較例10 タフマーA−4085にかえてミラソン12(密度0.
927g/cm,MI=3.0,三井石油化学社製)
を用いる以外は実施例6と同様にして成形を行ない、積
層シートを得た。該積層シートには多くのブツがあり、
商品価値の乏しいものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 27/06 LEQ 9166−4J 29/04 31/04 33/08 LJC 7921−4J 51/06 LLD 7308−4J LLE 7308−4J 67/02 LPA 8933−4J 69/00 LPP 9363−4J // B32B 27/28 102 8413−4F 27/32 101 8115−4F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(i)密度が0.905〜0.87g/cm3のポリエチ
    レン系重合体にエチレン性不飽和カルボン酸またはその
    無水物をグラフトし、これに前記エチレン性不飽和カル
    ボン酸またはその無水物成分に対し0.02〜0.3当量の周
    期律第Ia族金属の水酸化物または炭酸塩からなる金属
    化合物を配合するか、または (ii)前記金属化合物配合組成物を密度が0.905〜0.87g/c
    m3のポリエチレン系重合体に両者の合計量に対し1〜60
    重量%配合した混合物、 (B)エチレン成分含有率20〜55モル%、けん化度90%以
    上のエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物樹脂、およ
    び (C)飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ
    ニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、エレチン−酢酸
    ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合
    体および密度0.91g/cm3以上のポリエチレンからなる群
    より選ばれる少なくとも1種の疎水性熱可塑性樹脂から
    なり、かつ前記(C)と(B)の重量比は1:99〜99.9:0.1
    であり、前記(A)は(B)と(C)の重量の和100重量部に対し
    て0.1〜50重量部含有する樹脂組成物。
  2. 【請求項2】エチレン性不飽和カルボン酸無水物が無水
    マイレン酸である特許請求の範囲第1項に記載の樹脂組
    成物。
  3. 【請求項3】金属化合物が周期律第Ia族金属の水酸化
    物である特許請求の範囲第1項または第2項に記載の樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】金属化合物が水酸化ナトリウムである特許
    請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】疎水性熱可塑性樹脂がポリカーボネートで
    ある特許請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】疎水性熱可塑性樹脂が密度0.91g/cm3以上
    のポリエチレンである特許請求の範囲第1〜4項のいず
    れかに記載の樹脂組成物。
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