JPH065773Y2 - チャック - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、回転軸に刃具に着脱自在に取り付けるための
チャックに関するもので、このチャックは主として歯科
治療器具の回転軸に取り付けるものである。

（従来の技術） 従来、チャックの止体は、止体と共に、回転軸に装
着するコイルバネの伸張力によって閉じるようになって
いる。

そこで、止体の止力を強くするためにコイルバネの
線材の径を太くすると、歯科用治療器械のコントラヘッ
ドのように回転軸の径が小さいものでは、チャックが収
容できなくなる問題があった。又、コイルバネは重量バ
ランスが不揃いなので、回転軸が高速回転するコントラ
ヘッド等では回転軸の回転斑、軸受の異常摩耗等を発生
する問題があった。

上述のごとき問題点を解決するために、本出願人は、先
に、コイルバネを使用することなく止力を得ることの
できるチャックについて提案した。

第２図は、本出願人が先に提案したチャックを具備した
歯科用コントラヘッドの構成を示す図で、図中、１はヘ
ッドケース２に軸受３を介して回動自在に取り付けた回
転軸、４は回転軸１の中間部外周壁面上に放射方向に突
設した歯車、５は内径が他の部分よりも小さい後部５ａ
及びその近傍の管壁に溝穴６を中心線方向に切った筒状
の止体で、この止体５はその前部５ｂが回転軸１の
先端部に圧入、固着されるが、その他の部分は図示の如
く回転軸１の中に遊挿されている。７は先端部の管壁を
切り欠いて傾斜面７ａを有する凸部７ｂを形設した筒状
の開閉体で、この開閉体７は、凸部７ｂの先端部が溝穴
６に嵌入された状態で、回転軸１に中心線方向に移動自
在に挿着されている。８は回転軸１の内側後端に螺着さ
れた抜止めリングで、この抜止めリング８は開閉体７が
図中上下方向に移動する範囲を規制している。９はヘッ
ドケース１の上端部に螺着した取付リング１０に図中上
下方向に移動自在に保持されたヘッドカバー、１１は取
付リング１０に取り付けられた回転軸１の抜止めリン
グ、１２はヘッドカバー９と抜止めリング１１との間に
介装されたコイルバネで、このコイルバネ１２はその伸
張力によってヘッドカバー９を図中上方に付勢してい
る。１３は、中心軸が回転軸１の中心軸に対して直角に
なるように、軸受１４を介してヘッドケース２に回動自
在に取り付けた動力伝達軸、１５は動力伝達軸１３の先
端に固着した歯車で、この歯車１５は歯車４に噛合して
おり、動力伝達軸１３が駆動されると回転軸１が回動す
る。

従って、コイルバネ１２の伸張力に抗して押し込んだヘ
ッドカバー９を開閉体７に当接させた上、ヘッドカバー
９と共に開閉体７を図中下方に押圧すると、凸部７ｂが
溝穴６の中に圧入さて、傾斜面７ａによって止体５の
後部５ａが放射方向に押し開かれ、所謂チャックが開い
た状態になるので、刃具１６（点線で図示）の挿脱がで
きるようになる。又、ヘッドカバー９に加えていた力を
取り去ると、ヘッドカバー９は、コイルバネ１２の伸張
力によって図中上方に押し上げられて、元の位置に復帰
すると共に、止体５の後部５ａはその復元力によって
元の位置に復帰して、所謂チャックが閉じた状態になる
上、開閉体７は傾斜面７ａに加わる止体５の後部５ａ
の復元力によって図中上方に押し上げられて、元の位置
に復帰するので、刃具１６が図示の如く止される。

而して、上記従来のチャックによると、回転軸１と止
体５が圧入等の方法で一体的に構成されているため、チ
ャックが損耗して心振れなどを起こしたような場合、チ
ャックのみを交換することができず、回転軸１を含むベ
アリング３、回転歯車（エアータービン式のものであれ
ば、回転羽根）等も一緒に交換しなければならず、ユー
ザサイドでの交換が困難であった。

目的 本考案は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、
特に、ユーザサイドで簡単の交換可能なチャック機構を
提案することを目的としてなされたものである。

構成 第１図は、本考案によるチャック機構をエアタービンハ
ンドピースに適用した一実施例を説明するための構成図
で、図中、第２図に示した従来技術と同様の作用をする
部分には、第２図の場合と同一の参照番号が付してあ
る。本実施例においては、第２図における動力伝達軸１
３、軸受１４、歯車１５、及び、回転軸１に取り付けら
れた歯車４に代えて、ノズル２０、タービン羽根２１が
用いられ、タービン羽根２１が回転軸１に固着されてい
る。２２はエアの通路、２３は水の通路、２４，２５は
Ｏリングである。回転軸１には、第２図と同様チャック
機構が設けられる。チャック機構が、止体５、溝穴
６、傾斜面７ａが形成された凸部７ｂを有する開閉体７
で構成され、ヘッドカバー９をコイルバネ１２の伸張力
に抗して押し込み、凸部７ａを溝穴６の中に圧入し、
止体５の後部５ａを押し開き、刃具１６（２点鎖線で図
示）を挿脱する点は第２図と同様である。

而して本考案においては、チャック機構の着脱・交換を
容易にするために、筒状体１８を設け、止体５の先端
部５ａにねじ部５′を形成した点において第２図には見
られない特徴を有するものである。

筒状体５ａは、回転軸１の内径に嵌合する外径を有し、
その一端部において止体５を嵌合させる。止体５に
は筒状体５ａを定位置に嵌合させるための段部１７を設
けるとよい。筒状体の先端部と止体とは溶接や溶着な
ど適宜の固着手段により一体化される。筒状体１８の他
端部にはフランジリング１９が設けられ、開閉体７の抜
け止めをする。したがって、止体５，開閉体７，筒状
体１８は一体化するよう組み立てられる。止体の前部
５ｂにはねじ部５′が設けられ、回転軸１の先端部に着
脱自在となるよう螺着される。両者の結合を強固にする
ために、回転軸１の下部に係止部１′を設けることがで
きる。なお、回転軸におけるねじ部の径を他に比してや
や小さくしておくと、回転軸と筒状体とをより密に嵌入
させることができる。

この実施例によれば、筒状体の上部に開閉体の抜け止め
のためのフランジリングを設けているので、チャック機
構がユニット化され、交換が容易にできる。なお、上記
実施例においては、上述したようにエアータービンハン
ドピースに適用したものを説明したが、回転軸に歯車を
設け、第２図と同様、モーターハンドピースに適用でき
ることは明らかである。

効果 以上の説明から明らかなように、本考案によると、歯科
用治療切削バー等を保持するチャック部を簡単に着脱可
能にしたので、該チャック部の交換をユーザサイドで行
うことができ、歯科治療の作業能率を格段に向上させる
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を具備した歯科用コントラ
ヘッドの中央縦断面図、第２図は、従来技術の一例を示
す図である。 １……回転軸、１ａ……回転軸１の先端部、５……止
体、５′……ねじ部、５ａ……止体の後部、５ｂ……
止体の前部、６……溝穴、７……開閉体、７ａ……傾
斜面、７ｂ……凸部、１６……刃具、１８……筒状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内径が前部よりも小さい後部を有し、その
   近傍の管壁に溝穴が中心線方向に切られた筒状の止体
   と、傾斜面を有する凸部が先端部に形成された筒状の開
   閉体と、前記止体の中間部にその先端部が溶着される
   と共に、前記開閉体が中心線方向に移動自在に挿着され
   る筒状体と、前記止体の前部が先端部に螺着される筒
   状の回転軸とからなり、前記開閉体が先端方向に押圧さ
   れると、前記凸部が前記溝穴に圧入されて前記止体の
   後部が放射方向に押し開かれることを特徴とするチャッ
   ク。