JPH0657151A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0657151A
JPH0657151A JP3354060A JP35406091A JPH0657151A JP H0657151 A JPH0657151 A JP H0657151A JP 3354060 A JP3354060 A JP 3354060A JP 35406091 A JP35406091 A JP 35406091A JP H0657151 A JPH0657151 A JP H0657151A
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thermoplastic resin
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一夫 岸田
Kiyokazu Kitai
潔一 北井
Masahiro Kaneda
正弘 兼田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱可塑性樹脂100重量部に対し、メタクリ
ル酸メチル単位と、前記メタクリル酸メチル単位と共重
合可能な他のビニル系単量体単位を次式(I); 【化3】 (式中、Rは炭素数10〜24のアルキル又はアルケニ
ル;Mはナトリウム又はカリウム)で示される乳化剤の
存在下で乳化重合させて得られた熱可塑性樹脂用加工助
剤を0.1〜40重量部配合した熱可塑性樹脂組成物。 【効果】 優れた成形加工性を有し、また成形加工時の
加熱によっても成形体の表面に好ましくない着色を生じ
ることがなく、さらには、得られた成形体から水に溶出
する物質がほとんどないため、水質汚染の問題がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは、加工性に優れ、また加熱成形し
た場合においても熱着色することが少なく、さらには得
られた成形体を水と接触する状態で用いた場合にも水質
を悪化させるような溶出物が流出することが少ない熱可
塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂、特に塩化ビニル系樹脂は
各種の物理的性質及び化学的性質が優れているために、
種々の分野で広く用いられている。しかしながら、かか
る塩化ビニル系樹脂は、その加工可能温度と熱分解温度
が近接していることから、成形加工が可能な温度領域が
著しく狭小になり、またゲル化速度が遅いことなど、加
工性が劣るという問題点を有している。
【0003】かかる問題点を解消せんとして、塩化ビニ
ル系樹脂に可塑剤を配合する方法が行われているが、こ
の方法によればある程度は上記の問題点は改善されるも
のの、加熱成形時において配合した可塑剤が揮散してし
まうために充分に当初の目的を達成することが困難なこ
と、また得られる成形品の機械的性質が低下するという
新たな問題が生じる。
【0004】また、塩化ビニル系樹脂の成形加工時にお
けるゲル化速度を促進したり、また深絞り成形を可能に
したり、さらには長時間の成形加工時においても、成形
体表面に変わらぬ光沢を保持したり、得られた成形体の
表面を平滑にすることなどの、いわゆる加工性の向上を
目的として、メタクリル酸メチルを主成分とする共重合
体を加工助剤として配合する方法が提案されている(例
えば、特公昭49−19095号公報、同50−376
99号公報、同52−1746号公報、同51−338
21号公報及び同53−2898号公報参照)。
【0005】かかる特定の共重合体からなる加工助剤を
配合した塩化ビニル系樹脂組成物は、成形加工時におけ
るゲル化速度が速く、また高温での引張伸度が増大する
結果、深絞り成形が可能になるばかりでなく、真空成形
や異形押出し等の適用も可能となるために、硬質塩化ビ
ニル系樹脂分野における二次加工性を大幅に改善するこ
とができる。また、上記の特公昭52−1746号公報
に開示された塩化ビニル系樹脂組成物は、その成形品に
フィッシュアイの発生が少ないことから、硬質樹脂分野
のみならず、軟質樹脂分野への適用が可能となるもので
ある。
【0006】しかしながら、かかる塩化ビニル系樹脂中
に配合された加工助剤である共重合体は、一般に製造の
容易さなどから乳化重合法により製造されるために、共
重合体中に乳化剤が残存することが避けられず、この残
存した乳化剤が熱可塑性樹脂に悪影響を及ぼすという問
題点がある。例えば、成形加工時における熱により成形
体の表面に乳化剤残渣に起因する着色が生じたり、ま
た、かかる塩化ビニル系樹脂組成物をパイプ等に成形
し、これを水と接触する状態で用いた場合に、残存した
乳化剤が水に溶出してしまい、これが水質を悪化させる
原因となったりする。さらには、食品容器等の構成材料
として用いた場合に、乳化剤残渣が食品に溶出し食品の
味や香りが損なわれてしまうことがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
特定の共重合体からなる加工助剤を配合した塩化ビニル
系樹脂等の熱可塑性樹脂は、前記共重合体中に残存する
乳化剤により、成形加工時における熱着色の問題及び残
存する乳化剤による水質の汚染や食品汚染の問題などが
ある。
【0008】したがって本発明は、かかる問題点を解消
し、塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂に配合された加
工助剤に、その製造時に用いた乳化剤が残存していた場
合においても、上記したような問題点が生じることのな
い熱可塑性樹脂組成物の提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成すべく検討を行った結果、熱可塑性樹脂に配合さ
れた加工助剤中に、その製造時に用いた乳化剤が残存し
ている場合でも、前記乳化剤が熱可塑性樹脂に何ら悪影
響を及ぼすことのない乳化剤を見出して、本発明を完成
するに到った。
【0010】すなわち、本発明の熱可塑性樹脂組成物
は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、メタクリル酸
メチルに基づく単位35〜99.9重量%と、前記メタ
クリル酸メチルと共重合可能な他のビニル系単量体に基
づく単位0.1〜65重量%とから構成されている重合
体からなる熱可塑性樹脂用加工助剤であって、前記重合
体が次式(I);
【0011】
【化2】
【0012】(式中、Rは炭素数10〜24のアルキル
基又はアルケニル基を表し;Mはナトリウム又はカリウ
ムを表す)で示される乳化剤の存在下で乳化重合法を適
用して得られる熱可塑性樹脂用加工助剤0.1〜40重
量部を配合してなることを特徴とする。
【0013】本発明に用いる熱可塑性樹脂用加工助剤
は、所定量のメタクリル酸メチルとこれと共重合可能な
他のビニル系単量体とを、特定の乳化剤及び重合開始
剤、必要に応じて他の触媒の存在下に乳化重合せしめる
ことによって得ることができる。
【0014】本発明で用いるメタクリル酸メチルと共重
合可能な他のビニル系単量体としては、例えば、アクリ
ル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステ
ル、芳香族ビニル化合物及びシアン化ビニル化合物等か
ら選ばれる1種以上を用いることができる。
【0015】かかるビニル系単量体の中で、アクリル酸
アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が2〜
10のものが好ましく、例えば、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸
イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル
及びアクリル酸2−エチルヘキシル等を挙げることがで
きる。
【0016】メタクリル酸アルキルエステルとしては、
炭素数2〜4のものが好ましく、例えば、メタクリル酸
エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル及びメタクリル酸ターシャリブチル等を挙げることが
できる。
【0017】芳香族ビニル化合物としては、スチレン、
α−置換スチレン、核置換スチレン及びその誘導体、例
えば、α−メチルスチレン、クロルスチレン及びビニル
トルエン等を挙げることができる。
【0018】さらにシアン化ビニル化合物としては、例
えば、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル等を挙
げることができる。かかるビニル系単量体は、樹脂改質
剤の使用目的に応じて適宜選択して用いるができる。
【0019】メタクリル酸メチルと、これと共重合可能
なビニル系単量体との配合は、重合反応を行い得られた
共重合体において、メタクリル酸メチルに基づく単位が
35〜99.9重量%であり、他のビニル系単量体に基
づく単位が0.1〜65重量%になるように行う。
【0020】この場合、メタクリル酸メチル単量体が3
5重量%未満であれば、塩化ビニル系樹脂との相溶性が
悪化し、目的とする加工性付与効果が得られず、成形品
の透明性が悪化する。また、共重合可能なビニル系単量
体単位が0.1重量%未満であれば、適当な加工性付与
効果があるものの、成形品中にフィッシュアイ(未ゲル
化物)が発生しやすい。
【0021】本発明で用いる乳化剤は、上記式(I)で
示される化合物である。式(I)中において基Rは炭素
数10〜24のアルキル基又はアルケニル基であるが、
特に炭素数12〜18のアルキル基又はアルケニル基が
好ましい。また、Mはナトリウム又はカリウムである。
【0022】式(I)で示される化合物は、これを乳化
剤として用いた場合には、その臨界ミセル濃度が極めて
低いことから、重合中生成する重合体粒子数を増大し、
重合速度が速く、また、重合転化率を高めることがで
き、また前記粒子の凝集物の発生は極めて少なく、重合
後のラテックスの機械的安定性も優れている。
【0023】かかる式(I)で示される化合物の使用量
は、単量体成分の合計量100重量部に対して、0.1
〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部である。使
用量が0.1重量部未満の場合は、重合反応の安定性が
低下し、また10重量部を超える場合は、得られる共重
合体中に残存する乳化剤の量が多くなりすぎるために、
加工助剤として使用した場合に樹脂の成形品の物理的性
質を低下させる。
【0024】本発明で用いる重合開始剤としては、通常
の過硫酸塩などの無機開始剤又は有機過酸化物、アゾ化
合物等を単独で用いるか、あるいは上記化合物と亜硫酸
塩、亜硫酸水素塩、チオ硫酸塩、第一金属塩、ナトリウ
ムホルムアルデヒドスルホキシレート等とを組み合わ
せ、レドックス系開始剤として用いることもできる。重
合開始剤として好ましい過硫酸塩は過硫酸ナトリウム、
過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等であり、有機過
酸化物としては、tert−ブチルヒドロペルオキシド、ク
メンヒドロペルオキシド、過酸化ベンゾイル、過酸化ラ
ウロイル等を挙げることができる。
【0025】重合方法は、使用した重合開始剤の分解温
度以上に加熱しながら、通常の乳化重合法と同様にして
行うことができ、1段又は2段以上の重合を行うことが
できる。なお、この重合反応において、得られる共重合
体の分子量や分子量分布は加工助剤としての特性に大き
な影響を及ぼすことから、重合条件を適宜設定したり、
連鎖移動剤を用いたりして分子量等を調節することが好
ましい。すなわち、得られる共重合体の還元粘度ηsp/
c(但し、100mlのクロロホルム中に、0.1gの共
重合体を溶解せしめた溶液について、オストワルド粘度
計を用いて25℃で測定した値)が、2〜0.1であ
り、好ましくは1.5〜0.1になるように重合反応を
行うことが望ましい。
【0026】共重合体の回収は重合反応終了後、生成し
た共重合体ラテックスを塩析もしくは酸析凝固させ、共
重合体を沈澱せしめたのち、これを分離し、洗浄して粉
末状で回収するか、又は噴霧乾燥もしくは凍結乾燥を行
うことにより、粉末状で回収することができる。
【0027】このようにして得られた加工助剤は、熱可
塑性樹脂の加工助剤として適用が可能であるが、かかる
熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポ
リカーボネイト樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル
樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体系樹脂、メ
タクリル酸メチル−スチレン共重合体系樹脂及びABS
樹脂等を挙げることができる。これらの樹脂の中で、塩
化ビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル以外にも、塩
化ビニルに基づく単位を70重量%以上含有する共重合
体を用いることができる。塩化ビニル系樹脂としては、
かかる共重合体を用いる場合に、塩化ビニルと共重合可
能なモノマーとしては、エチレン、プロピレン、臭化ビ
ニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、アクリル酸エステ
ル及びメタクリル酸エステル等を用いることができる。
【0028】加工助剤を熱可塑性樹脂に配合する場合
は、好ましくは粉末状態で、例えば、リボンブレンダー
又はヘンシェルミキサー等を用いて混合する。また、成
形加工する場合は、さらに例えばミキシングロール又は
バンバリーミキサー等を用いて混練りしたのち、押出機
又は射出成形機等によって行う。
【0029】加工助剤の配合量は、熱可塑性樹脂100
重量部に対して0.1〜40重量部であり、好ましくは
0.1〜30重量部である。配合量が0.1重量部未満
の場合は、樹脂の加工性の改良が不充分であり、また4
0重量部を超える場合は、樹脂が本来有している機械的
性質が損なわれてしまう。なお、熱可塑性樹脂に加工助
剤を配合する場合には、必要に応じて、公知の安定剤、
可塑剤、滑剤、着色剤及び耐衝撃性改質剤等を合わせて
配合することもできる。
【0030】
【実施例】以下実施例を掲げ、本発明をさらに詳しく説
明する。なお、以下において、「部」及び「%」は各々
「重量部」及び「重量%」を表す。
【0031】実施例1 反応容器に溶存酸素を窒素で置換したイオン交換水20
0部を仕込み、さらに基Rが炭素数16、17及び18
のアルキル基であり、Mがカリウムである3種の式
(I)で示される化合物の混合物からなる乳化剤1部と
過硫酸カリウム0.3部を仕込んだ。次いで、撹拌しな
がら反応容器内を65℃に昇温せしめたのち、メタクリ
ル酸メチル85部、アクリル酸メチル10部、アクリル
酸ブチル5部及びtert−ドデシルメルカプタン0.05
部からなる混合物を1時間に亘って滴下した。滴下終了
後、容器内を同温度でさらに2時間保持し、反応を終了
させ、共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99.
5%であり、該ラテックス中には凝集物の発生はほとん
どなく、また、該ラテックスの機械的安定性は極めて良
好であった。
【0032】得られた共重合体ラテックスを撹拌しなが
ら、1%硫酸水溶液に添加して生成した共重合体を沈澱
せしめた。次いで、沈澱した共重合体を分取したのち、
洗浄、脱水及び乾燥の各処理を行い、粉末状の加工助剤
を得た。
【0033】実施例2 反応容器に、溶存酸素を窒素で置換したイオン交換水2
00部を仕込み、さらに基Rが炭素数12、13及び1
4のアルキル基であり、Mがカリウムである3種の式
(I)で示される化合物の混合物からなる乳化剤1.2
部と過硫酸カリウム0.5部を仕込んだ。次いで、撹拌
しながら反応容器内を70℃に昇温せしめたのち、メタ
クリル酸メチル35部、アクリル酸エチル5部及びn−
オクチルメルカプタン0.02部からなる混合物を、撹
拌しながら1時間に亘って滴下した。
【0034】滴下終了後、同温度で2時間保持して、第
1段の重合を行った。次いで、反応容器内を撹拌しなが
らスチレン30部、アクリル酸エチル25部及びn−オ
クチルメルカプタン0.3部からなる混合物を2時間に
亘って滴下した。滴下終了後、同温度で1時間保持して
第2段の重合を行った。次いで、反応容器内を撹拌しな
がら、メタクリル酸メチル5部を1時間に亘って滴下し
たのち、さらに同温度で2時間保持して第3段の重合を
行い、共重合体ラテックスを得た。重合転化率は99.
9%であり、該ラテックス中には凝集物の発生はほとん
どなく、また、該ラテックスの機械的安定性は極めて良
好であった。得られた共重合体ラテックスを実施例1と
同様に処理して、粉末状の加工助剤を得た。
【0035】比較例1 実施例1で用いた乳化剤の代わりに、半硬化牛脂脂肪酸
石けんを1部用いた以外は、実施例1と同様にして加工
助剤を得た。
【0036】実施例3〜4及び比較例2〜3塩化ビニル系樹脂組成物の調製 平均重合度700の塩化ビニル樹脂100部に、ジブチ
ル錫マレート1.8部、ステアリン酸ブチル1部及び滑
剤0.7部の共通配合組成に、上記実施例1、2及び比
較例1で得られた加工助剤を各々3部ずつ配合したの
ち、ヘンシェルミキサーを用いて、120℃になるまで
混合し、3種類の塩化ビニル樹脂組成物を得た。
【0037】得られた3種類の樹脂組成物を用いて、下
記の各試験を行った。なお、比較試験例として、加工助
剤を配合しない以外は上記と同一組成の組成物を用い
た。結果を表1に示す。
【0038】1)ブラベンダープラスチコーダーを用い
て、混練り温度185℃、回転数30 rpm、充填量60
g及び余熱5分間の条件下で、混練り抵抗が最大値を示
すまでの時間(分)、すなわちゲル化時間(分)を測定
した。この時間が短いほどゲル化が早く、加工が容易で
あることを表す。
【0039】2)Τ−ダイ付のスクリュー径が40mmの
一軸押出し機(押出し機温度C1 =140℃、C2 =1
60℃、C3 =180℃及びC4 =190℃、ダイス温
度195℃)を用いて、厚さ0.2mmのシートを調製
し、そのフィルム外観を肉眼で判定した。判定基準は次
のとおりである。 A;光沢が良く、平滑な表面である。 B;光沢がなく、表面に肌荒れがある。
【0040】3)2)で得られたシート表面の未ゲル化
物の数を肉眼で判定した。判定基準は次のとおりであ
る。 A;ほとんどない。 B;やや多い。
【0041】4)2)で得られたシートを4×3cmの大
きさに切断したものを、アルミニウム製の枠で固定した
のち、185℃に調温したギヤオーブン中に入れ、熱着
色の状態を肉眼で判定した。判定基準は次のとおりであ
る。 A;黄帯色がほとんどない。 B;やや黄帯色が見られた。
【0042】
【表1】
【0043】表1から明らかなとおり、実施例1及び2
で得られた加工助剤を配合した組成物は、加工性が優れ
ており、また耐熱着色性に優れていた。
【0044】実施例5 反応容器に溶存酸素を窒素で置換したイオン交換水20
0部を仕込み、さらにメタクリル酸メチル55部、アク
リル酸エチル5部、n−オクチルメルカプタン0.02
部、基Rが炭素数12、13及び14のアルキル基であ
り、Mがカリウムである3種の式(I)で示される化合
物の混合物からなる乳化剤1.2部並びに過硫酸カリウ
ム0.2を一括仕込んだ。次いで、容器内を窒素で置換
したのち、65℃に昇温せしめ、同温度で2時間加熱・
撹拌して第1段の重合を行った。
【0045】その後、反応容器中にメタクリル酸メチル
34部及びアクリル酸ブチル6部からなる混合物を、容
器内を65℃に保持し、かつ撹拌しながら1時間に亘っ
て滴下した。滴下終了後、さらに同温度で2時間保持
し、第2段の重合を行い共重合体ラテックスを得た。該
ラテックス中には凝集物の発生はほとんどなく、また該
ラテックスの機械的安定性も極めて良好であった。得ら
れた共重合体ラテックスを実施例1と同様に処理して、
粉末状の加工助剤を得た。
【0046】比較例4 実施例5で用いた乳化剤の代わりに、ジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウムを1部用いた以外は実施例5と同様
にして加工助剤を得た。
【0047】実施例6及び比較例5 実施例5及び比較例4で得た加工助剤の各々20gを、
100mlのイオン交換水に添加したのち、50℃で30
分間保持したのち、さらに80℃で3時間保持した。そ
の後、No. 5Cのろ紙を用いて吸引ろ過した。次いで、
得られたろ液を蒸発乾固した場合の残渣の重量から水へ
の溶出物の量を求めた。また、ろ液の性状を肉眼で観察
した。結果を表2に示す。
【0048】
【表2】
【0049】表2から明らかなとおり、実施例5で得ら
れた加工助剤は、水に対する溶出物が非常に少なかっ
た。
【0050】実施例7及び比較例6〜7塩化ビニル系樹脂組成物の調製 平均重合度700の塩化ビニル樹脂100部、メタクリ
ル酸メチル−ブタジエン−スチレン共重合体であるメタ
ブレン(登録商標)C−201(商品名;三菱レイヨン
(株)製)、オクチル錫メルカプチド系安定剤2部、エ
ポキシ系安定剤1部、ステアリン酸ブチル0.8部及び
脂肪酸のポリグリコールエステル0.3部の共通配合組
成に、実施例5及び比較例4で得られた加工助剤の各々
1.5部を配合したのち、ヘンシェルミキサーを用い
て、120℃まで昇温して混合を行い、2種類の塩化ビ
ニル系樹脂組成物を得た。
【0051】得られた各樹脂組成物を用いてスクリュー
径40mmのブロー成形機によりボトル成形を行い、下記
の各評価を行った。なお、比較例として、加工助剤を配
合しない以外は上記と同一組成の組成物を用いた。結果
を表3に示す。
【0052】1)成形時におけるパリソンのドローダウ
ン A;ダイスウェルが大きくドローダウンなし。 B;ダイスウェルが小さくドローダウンする。
【0053】2)ボトル外観の肉眼による判定 A;光沢が良好で、かつ肌荒れがない。 B;光沢に乏しく、肌荒れが目立つ。
【0054】3)ボトル壁の未ゲル化物発生状態の肉眼
による観察 A;未ゲル化物がほとんど認められない。 B;未ゲル化物が少し認められた。
【0055】4)水に対する溶出物量 得られたボトルを市販の無臭の中性洗剤で洗浄したの
ち、ボトル内部にイオン交換水を満たし、50℃で10
時間以上保持した。その後、内容液をNo. 5Cのろ紙で
ろ過した。次いで、得られたろ液を蒸発乾固せしめて得
られた残渣を四塩化炭素に溶解させ、IR測定を行っ
た。
【0056】5)味覚テスト 得られたボトルを市販の無臭の中性洗剤で洗浄したの
ち、イオン交換水をボトル内に満たし、次いで50℃で
3時間保持した場合のイオン交換水の味を調べた。判定
は、味覚に鋭敏なパネル員5名により行った。表示は、
パネル員5名中3名以上が味の変化がないと判断したも
のを○、味の変化があったと判断したものが×である。
【0057】
【表3】
【0058】実施例8〜12及び比較例8〜12 下記の各熱可塑性樹脂100部に、実施例1で得た加工
助剤を3部配合したものと配合しないものを、各々ヘン
シェルミキサーで混合した。得られた混合物を、スクリ
ュー径40mmの押出機を用いてペレット化したのち、8
0℃で1時間以上乾燥を行った。次いで、スクリュー径
40mmのブロー成形機を用いて、樹脂ごとに下記の異な
る温度でボトル成形を行い、実施例3及び7に準じて表
4に記載の各試験を行った。
【0059】(1)ABS樹脂(ダイヤペット(登録商
標)ABS#3001;商品名、三菱レイヨン(株)
製)成形温度:C1 =180℃、C2 =200℃、C3
=200℃、ヘッド=200℃、ダイス=200℃
【0060】(2)スチレン樹脂(スチロールNF−2
0;商品名、出光石油化学(株)製)成形温度:C1
160℃、C2 =180℃、C3 =200℃、ヘッド=
200℃、ダイス=210℃
【0061】(3)ポリカーボネイト樹脂(ノバレック
ス7022;商品名、三菱化成工業(株)製)成形温
度:C1 =230℃、C2 =260℃、C3 =270
℃、ヘッド=270℃、ダイス=280℃
【0062】(4)ポリエチレン樹脂(ハイゼックス7
000F;商品名、三井石油化学工業(株)製)成形温
度:C1 =150℃、C2 =165℃、C3 =175
℃、ヘッド=175℃、ダイス=175℃
【0063】(5)ポリエステル樹脂(ダイヤナイト
(登録商標)A−200;商品名、三菱レイヨン(株)
製)成形温度:C1 =280℃、C2 =280℃、C3
=280℃、ヘッド=260℃、ダイス=260℃
【0064】
【表4】
【0065】表4から明らかなとおり、実施例1の加工
助剤を配合した熱可塑性樹脂は、その種類が異なった場
合にも、全て同様な優れた加工性等が認められた。
【0066】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、優れた
成形加工性を有し、また、成形加工時に通常加えられる
熱によっても成形体の表面に好ましくない着色を生じる
ことがない。さらには、得られた成形体を水と接触する
状態で用いた場合でも、成形体から水に溶出する物質が
ほとんどないことから、水の味を悪化させたり、悪臭を
発生させたりするような水質汚染の問題が生じることが
ない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂100重量部に対して、 メタクリル酸メチルに基づく単位35〜99.9重量%
    と、前記メタクリル酸メチルと共重合可能な他のビニル
    系単量体に基づく単位0.1〜65重量%とから構成さ
    れている重合体からなる熱可塑性樹脂用加工助剤であっ
    て、 前記重合体が次式(I); 【化1】 (式中、Rは炭素数10〜24のアルキル基又はアルケ
    ニル基を表し;Mはナトリウム又はカリウムを表す)で
    示される乳化剤の存在下で乳化重合法を適用して得られ
    る熱可塑性樹脂用加工助剤0.1〜40重量部を配合し
    てなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、塩化ビニル系樹脂、ア
    クリロニトリル−スチレン系樹脂、メタクリル酸メチル
    −スチレン系樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネイト樹
    脂、ポリエチレン樹脂及びポリエステル樹脂からなる群
    より選ばれた少なくとも一種である請求項1記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
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