JPH0656532A - 窒化珪素質焼結体の製造方法 - Google Patents

窒化珪素質焼結体の製造方法

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JPH0656532A
JPH0656532A JP4236560A JP23656092A JPH0656532A JP H0656532 A JPH0656532 A JP H0656532A JP 4236560 A JP4236560 A JP 4236560A JP 23656092 A JP23656092 A JP 23656092A JP H0656532 A JPH0656532 A JP H0656532A
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JP
Japan
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sialon
silicon nitride
powder
sintered body
sintering aid
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Application number
JP4236560A
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English (en)
Inventor
Yoshio Ukiyou
良雄 右京
Shigetaka Wada
重孝 和田
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Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結助剤の添加量を増やすことなく、α−サ
イアロンの存在量が高い窒化珪素質焼結体を製造する方
法を提供する。 【構成】 平均粒径が0.6μm以上の窒化珪素粉末
と、窒化珪素をα−サイアロンに変化させるための焼結
助剤の粉末とを混合するとともにこれらを焼成すること
によりα−サイアロンを含有する窒化珪素質焼結体を製
造する。 【効果】 α−サイアロンの存在量が高い窒化珪素質焼
結体を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、α−サイアロンを有す
る窒化珪素質焼結体を製造する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】窒化珪素(Si3 4 )質焼結体は、高
温強度、耐熱衝撃性、耐食性が優れているために、ガス
タービン部材、熱交換器材料、高温用ベアリングあるい
は製鋼用高温ロール材等の耐熱構造材料に使用されてい
る。
【0003】このSi3 4 に焼結助剤として使用した
窒化アルミニウム(AlN)やイットリア(Y2 3
等が固溶することによりサイアロンと呼ばれるものが生
成する。このサイアロンは、共有結合性が強いため硬
く、しかも靱性の高いものである。サイアロンには、結
晶形態によりαとβとの2種類のものが存在する。α−
サイアロンは、一般式MX (Si、Al)12(O、N)
16(0<X≦2、MはLi、Mg、Ca、Y等のうちの
少なくとも1種)で示されるものであり、β−サイアロ
ンは、一般式Si6-Z AlZ Z 8-z (0<Z≦4.
2)で示されるものである。そのうち、α−サイアロン
は、β−サイアロンよりも硬いため、α−サイアロンを
有する焼結体は、高硬度となる。また、α−サイアロン
を有する焼結体は、焼結助剤成分の大部分がα−サイア
ロン内に固溶して粒界のガラス相が少なくなるため、高
温強度等の高温特性が良好である。
【0004】α−サイアロンを有する窒化珪素質焼結体
を製造するには、Si3 4 粉末と、Si3 4 をα−
サイアロンに変化させるための焼結助剤の粉末とを混合
するとともに焼成することによりなされている。該Si
3 4 をα−サイアロンに変化させるための焼結助剤と
しては、Y2 3 等の酸化物およびAlN等の窒化物よ
りなる。
【0005】従来のα−サイアロンを有する焼結体を製
造する方法として、平均粒径が0.5μm以下のSi3
4 粉末と、原料全体に対して4〜15重量%のAlN
およびY2 3 等のSi3 4 をα−サイアロンに変化
させるための焼結助剤粉末とを混合し、この混合物を成
形し、その後焼成させることにより焼成時にSi3 4
の一部をα−サイアロンに変化させる方法(特開昭58
−185484号、特開昭59−182276号)があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法では、生成するα−サイアロンの量は少なく、β−
サイアロンの量が多くなる。α−サイアロンの量を多く
するために、AlNやY2 3 等の焼結助剤の添加量を
多くすることが考えられている。これは、焼結助剤を多
くすることにより原料中のα−窒化珪素と焼結助剤との
反応が生じやすくなり、α−サイアロンが生成しやすく
なるためである。しかし、焼結助剤の量が多くなると焼
結体中のガラス相が増加し、焼結体の高温での強度が低
下してしまう。
【0007】また、焼結温度を下げ、焼結時間を短くす
ることによってもわずかにα−サイアロンの量が増加す
るが、焼結条件がきびしくなり、緻密で特性の優れた焼
結体が得られにくいという問題が生じる。
【0008】本発明の目的は、上記従来技術の問題点に
鑑みなされたものであり、焼結助剤の添加量を増加させ
ることなく、α−サイアロンの含有量の多い窒化珪素質
焼結体を製造する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化珪素粉末
と、窒化珪素をα−サイアロンに変化させるための焼結
助剤の粉末とを混合するとともに焼成することによりα
−サイアロンを有する窒化珪素質焼結体を製造する方法
において、上記窒化珪素粉末は、平均粒径が0.6μm
以上であることを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方
法である。
【0010】
【作用】本発明では、原料中の窒化珪素粉末の平均粒径
が0.6μm以上とすることにより生成したα−サイア
ロンからβ−サイアロンへの変態を抑制することができ
る。この理由は明確ではないが、以下のように推定され
る。
【0011】原料中の窒化珪素粉末は、焼成時に焼結助
剤のAlNやY2 3 等が固溶することによりα−サイ
アロンに変化する。このα−サイアロンは、焼成温度の
ような高温では不安定であり、焼成時に生成した液相中
に溶解し、その後再析出時にβ−サイアロンに変態する
傾向がある。従来使用されている窒化珪素粉末は平均粒
径が0.5μm以下の非常に細かい粒子であり、このよ
うな細かな粒子では特に上記β−サイアロンへの変態の
傾向が大きくなる。
【0012】本発明では、窒化珪素粉末は平均粒径が
0.6μm以上の粗いものであるため、生成したα−サ
イアロンは高温における安定性が高く、液相中に溶解し
にくくなる。従って、上記β−サイアロンへ変態する割
合が少なくなる。このように、本発明では、α−サイア
ロンからβ−サイアロンへの変態を抑制することがで
き、α−サイアロンの含有量の高い窒化珪素質焼結体を
製造することができる。
【0013】また、AlNやY2 3 等の焼結助剤の添
加量を増やすことなくα−サイアロンの含有量を増加さ
せるため、焼結助剤量増加による焼結体の高温での強度
低下を防止することができる。
【0014】
【発明の効果】本発明の窒化珪素質焼結体の製造方法
は、焼結助剤の添加量を増加させることなく、α−サイ
アロンの含有量の多い窒化珪素質焼結体を製造すること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明をより具体的にした具体例を説
明する。
【0016】(具体例)本発明は、平均粒径が0.6μ
m以上の窒化珪素(Si3 4 )粉末と、該Si3 4
をα−サイアロンに変化させるための焼結助剤粉末を混
合して混合物を調製するとともに該混合物を焼成するこ
とによりα−サイアロンを含有する窒化珪素質焼結体を
製造する方法である。
【0017】Si3 4 粉末としては、平均粒径が0.
6μm以上とする。該平均粒径が0.6μm未満のもの
では、焼成により生成したα−サイアロンがβ−サイア
ロンへ変態しやすくなるためα−サイアロンの含有量の
多い焼結体を製造することができない。
【0018】また、Si3 4 粉末の平均粒径の上限と
しては、15μmとするのがよい。平均粒径が15μm
を越えると焼成条件が厳しくなるためである。
【0019】上記Si3 4 粉末の平均粒径を測定する
には、透過型電子顕微鏡(TEM)を使用し、目視ある
いは撮影した写真により粒子一つずつの粒径を測定して
その平均を取ることにより求める。
【0020】Si3 4 をα−サイアロンに変化させる
ための焼結助剤としては、例えば、Yを含有するα−サ
イアロンを製造する場合、Y2 3 とAlNとの組み合
わせ、Y2 3 とAlNとAl2 3 との組み合わせ、
YNとY2 3 とAl2 3との組み合わせ等が挙げら
れる。
【0021】また、焼結助剤粉末としては、細かいもの
がよく、平均粒径が0.2〜0.6μmの範囲のものが
望ましい。この範囲のものであれば、該焼結助剤がSi
3 4 粒子に固溶しやすいためα−サイアロンを生成し
やすい。
【0022】該焼結助剤の配合量としては、Si3 4
をα−サイアロンに変化させるのに必要な量のみでよ
い。焼結助剤が多いと焼結体中のガラス相が増加して高
温強度が低下するおそれがある。そのため、焼結助剤の
配合量としては、原料粉末全体に対して7〜18重量%
の範囲が望ましい。
【0023】本発明におけるSi3 4 粉末と焼結助剤
粉末との混合物に、さらに強度、靱性の向上を目的とし
て炭化物、窒化物等の添加剤を添加してもよい。
【0024】Si3 4 粉末と上記焼結助剤粉末とを混
合するとともに焼成する。焼成は、ホットプレス等の加
圧焼成でも常圧焼成でもよい。焼成条件としては、16
50〜1900℃の温度で0.5〜10時間加熱するの
がよい。なお、加圧焼成の場合には、圧力200〜30
0kg/cm2 の範囲で加圧するのがよい。形成される
焼結体の気孔率を減少させるには、焼成温度や圧力等を
調整することにより達成することができる。
【0025】なお、焼成の前に上記混合物を成形してお
いてもよい。該成形は、金型プレス、ラバープレス、押
し出し、スリップキャスト、射出成形等の方法により行
うことができる。
【0026】以下、本発明の実施例を説明する。
【0027】(実施例) 実施例1 平均粒径が0.6μm、0.8μm、および1.0μm
のSi3 4 粉末(α化率95%以上)に、Y2 3
末(平均粒径0.3μm)およびとAlN粉末(平均粒
径0.5μm)を7wt%、9wt%、および11wt
%添加し、ボールミルで混合した。なお、Y2 3 粉末
とAlN粉末とはモル比で1:9となるようにした。こ
の混合粉末を成形後、1850℃、1時間、圧力20M
Paの条件でホットプレスにより焼結して焼結体を製造
した。
【0028】また、比較のため、平均粒径が0.2μm
のSi3 4 粉末(α化率95%以上)を用い、それ以
外は上記と同様な条件で焼結体を製造した。
【0029】上記得られた焼結体の結晶相は、実施例、
比較例ともα−サイアロンおよびβ−サイアロンであっ
た。また、X線回折法により焼結体中のα−サイアロン
の存在量を求め、また、ビッカース硬度計(荷重500
g)により硬さを求めた。その結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】なお、表1中、α−サイアロンの存在比は
焼結体のα−サイアロンとβ−サイアロンとの存在量の
合計を1としたときのα−サイアロンの存在量である
(以下の表2中でも同様)。
【0032】表1より明らかなように、Si3 4 粉末
の平均粒径が0.6μm以上を使用した焼結体が、α−
サイアロンの存在量が多く、かつ硬度も高いことが分か
る。従って、同じ量のα−サイアロンを含むSi3 4
質焼結体を製造する場合、Si3 4 粉末の平均粒径が
0.6μm以上を使用することにより焼結助剤の量を少
なくすることができる。
【0033】実施例2 実施例1と同様な原料粉末を1850℃、8時間、N2
中で焼結して焼結体を製造した。なお、焼結助剤の添加
量は9wt%および11wt%とした。その後、実施例
1と同様にして焼結体中のα−サイアロンの存在量およ
び硬度を求めた。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】表2より明らかなように、実施例1と同
様、Si3 4 粉末の平均粒径が0.6μm以上を使用
した焼結体が、α−サイアロンの存在量が多く、かつ硬
度も高いことが分かる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化珪素粉末と、窒化珪素をα−サイア
    ロンに変化させるための焼結助剤の粉末とを混合すると
    ともにこれらを焼成することによりα−サイアロンを有
    する窒化珪素質焼結体を製造する方法において、 上記窒化珪素粉末は、平均粒径が0.6μm以上である
    ことを特徴とする窒化珪素質焼結体の製造方法。
JP4236560A 1992-08-11 1992-08-11 窒化珪素質焼結体の製造方法 Pending JPH0656532A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006052337A (ja) * 2004-08-12 2006-02-23 Fujikura Ltd サイアロン蛍光体およびその製造方法
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JP2020066562A (ja) * 2018-10-26 2020-04-30 国立大学法人秋田大学 WC−Si3N4系複合セラミックス及びその製造方法

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