JPH0655317A - 裏ばり取り方法及びこれに用いる裏ばり取り工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一つの工具で穴明けと裏ばり取りを行う。 【構成】 ドリル先端の超硬チップで被加工物に貫通穴
を設けた後に、ドリルを偏心させながら回転させつつ上
昇させ、超硬チップのシャンク部側に設けた切刃で裏ば
りを切削し、ドリルを元位置に戻して貫通穴から抜く裏
ばり取り方法。及びドリルの先端にシャンク部よりを外
側に突出させた超硬チップを固定し、この超硬チップの
シャンク部側に裏ばり用の切刃を設けた裏ばり取り工
具。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は裏ばり取り方法及びこれ
に用いる裏ばり取り工具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】マシニングセンタ等で、貫通穴をドリル
加工すると裏ばりが生ずる。この裏ばりの除去は、ドリ
ル加工後に、ホルダからドリルを取り去り、裏ばり取り
専用工具をホルダに取り付けて除去するようになってい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】裏ばり取り専用工具
は、ばり取りが一定しなかったり、或は工具寿命が短か
ったりして正確な作業が困難であった。更に加工時間が
多くかかる等の不経済なところがあった。そこで、本発
明においてはドリル加工と裏ばり取り加工を同一工具で
行うことができるようにするのが目的である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、ドリル先端の超硬チップで被加工物に貫通
穴を設けた後に、ドリルを偏心させながら回転させつつ
上昇させ、超硬チップのシャンク部側に設けた切刃で裏
ばりを切削し、ドリルを元位置に戻して貫通穴から抜く
裏ばり取り方法を構成する。

【０００５】又、ドリルの先端にシャンク部よりを外側
に突出させた超硬チップを固定し、この超硬チップのシ
ャンク部側に裏ばり用の切刃を設けた裏ばり取り工具を
構成する。

【０００６】

【作用】本発明は前記のように構成したもので、ドリル
を回転させながら下降させて超硬チップで被加工物に貫
通穴を設け、超硬チップを貫通穴から下側へ突出させ
る。その後ドリルを偏心させながら回転させつつ上昇さ
せ、シャンク部側の切刃で裏ばり取りを行う。その後、
ドリルを中心に戻して貫通穴から抜取る。

【０００７】

【実施例】本発明の第１実施例を図１乃至図３に基づい
て詳細に説明する。ドリル１の先端切刃部２に２個の超
硬チップ３，３を取付ける。この超硬チップ３，３の外
径はシャンク部４よりも若干突出するようになってお
り、シャンク部４側の段差部に裏ばり用の切刃５を形成
する。

【０００８】前記のドリルを用いて本発明方法を説明す
る。図３にで示すように被加工物６の上方にドリル１
を位置させ、で示すように貫通穴７を形成する。この
際、被加工物６の裏側に裏ばり８が生ずる。ドリル１は
貫通穴７が形成された後も下降を続け、切刃５が貫通穴
７から突出した時に一時ドリル１の回転を停止させる。

【０００９】次に、に示すようにドリル１の中心を水
平方向に変位させ、ドリル１を低速回転させながら上昇
させ、シャンク部４側の切刃５で裏ばり８を切削する。
この際、ドリル１はに示すように中心から円周方向に
変位させながら裏ばり８を切削すると同時に面取りを行
う。前記作業が完了した後にドリル１の回転を停止さ
せ、ドリル１を元位置に戻し（参照）上昇させ、被加
工物６からドリル１を抜取る。

【００１０】次に、本発明方法に用いることができるド
リルを図４，５について説明すると、本実施例はいわゆ
るスローアウエイドリル１´で、シャンク部４に２個の
切欠溝９，９を設け、この切欠溝９，９の先端に内側用
の超硬チップ１０と外側用の超硬チップ１０を取付けて
いる。この超硬チップ１０，１０は図４に示すようにほ
ぼ３角形状をなし、その一辺に少し角度を変えて２個の
刃部１１，１１を形成する。そして、刃部１１，１１が
摩耗した際には超硬チップ１０，１０を回転させて他の
部分の刃部１１´，１１´を使用するようになってい
る。

【００１１】本発明方法においては、これを利用するも
ので、図４において外側の超硬チップ１０はシャンク部
４よりも外側に突出している。そして、刃部１１，１１
で被加工物に貫通穴を設け、この状態においてシャンク
部４側に位置した刃部１１´でドリル１を偏心させなが
ら回転させ、上昇中に裏ばりを切削する。

【００１２】

【発明の効果】本発明は前記のような構成、作用を有す
るから貫通穴を設ける同じドリルで裏ばり取りを行うこ
とができるので、工具を付け代える必要がなく加工時間
を短縮することができ、且つ正確な加工を行うことがで
きる。又、工具寿命を長くすることができる。

【００１３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明方法に用いるドリルの一実施例の正面
図。

【図２】図１の正面図。

【図３】加工状態を説明するための図で（ａ）は正面
図、（ｂ）平面図。

【図４】他のドリルの正面図。

【図５】図４の平面図。

【符号の説明】

１ ドリル １´ ドリル ２ 先端切刃部 ３ 超硬チップ ４ シャンク部 ５ 切刃 ６ 被加工物 ７ 貫通穴 ８ 裏ばり ９ 切欠溝 １０ 超硬チップ １１ 刃部 １１´ 刃部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドリル先端の超硬チップで被加工物に貫
   通穴を設けた後に、ドリルを偏心させながら回転させつ
   つ上昇させ、超硬チップのシャンク部側に設けた切刃で
   裏ばりを切削し、ドリルを元位置に戻して貫通穴から抜
   くことを特徴とする裏ばり取り方法。
2. 【請求項２】 ドリルの先端にシャンク部よりを外側に
   突出させた超硬チップを固定し、この超硬チップのシャ
   ンク部側に裏ばり用の切刃を設けたことを特徴とする裏
   ばり取り工具。