JPH0655112B2 - 養魚飼料 - Google Patents

養魚飼料

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JPH0655112B2
JPH0655112B2 JP60236421A JP23642185A JPH0655112B2 JP H0655112 B2 JPH0655112 B2 JP H0655112B2 JP 60236421 A JP60236421 A JP 60236421A JP 23642185 A JP23642185 A JP 23642185A JP H0655112 B2 JPH0655112 B2 JP H0655112B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、養魚飼料に起因する海洋汚濁を防止すると共
に、海底に沈下することのない浮遊性で魚の捕食率が高
い養魚用および集魚用飼料およびその製造法に関する。
(従来の技術および問題点) 近年、わが国の漁業をとりまく環境は一段と厳しさを増
し、経済水域などの国際的な制約によって漁場は著しく
狭められている。このため、海面養殖による養魚が急速
に増加し、タイ、ハマチ、ヒラメ、アジ、トラフグ、ギ
ンザケ等の海面養殖が盛んになっている。しかし、現
在、海面養殖での飼料としては、多獲魚であるイワシ、
サバ、アミエビ等をミンチ、切断、丸の形状で投与して
いるため、水溶性栄養成分の溶出が多く、かつ、水中で
のばらけが多いため魚の捕食率が低いという欠点があ
る。このため、最近は魚粉、油粕、ビタミン類、ミネラ
ル類およびその他の養魚用飼料原料に粘結剤を混合攪拌
した後、生餌粉砕物と混練成形して造粒した養魚飼料
(以下モイストペレットと称す)が急速に普及しつつあ
る。
モイストペレットは粘結剤の使用により粒状に造粒され
ているため、餌の散逸が防止でき、餌の効率が高まると
共に、水溶性栄養成分の溶出が低減でき海洋汚濁の防止
に効果がある。また、モイストペレットは魚粉、油粕と
共にビタミン類、ミネラル類などの栄養素や治療薬の均
一混合も可能である。これまで、モイストペレットの粘
結剤として、カルボキシメチルセルロース(以下CMC
と略称する)やアルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分
子を使用することは、特公昭41−13773号公報に
記載されている。しかし、これ等の水溶性高分子を使用
したモイストペレットは、粘結力および耐海水性が弱
く、海水に投与すると短時間で破砕し、水中への散逸が
著しく、餌料による海洋汚濁を発生させ好ましくない。
また、アルギン酸ナトリウム水溶液とカルシウム塩を主
成分として使用した養魚飼料の製造法は、特公昭57−
46350号公報に記載されている。しかし、アルギン
酸ナトリウムは、天然物であるため産地によって成分が
異なり、品質が不安定であるという問題点を有してい
る。
(問題を解決するための手段) 本発明者は、これらの問題点を改良するべく鋭意検討の
結果、魚粉、油粕、ビタミン類、ミネラル類およびその
他の養魚用飼料原料に粘結剤として部分酸型カルボキシ
メチルセルロースアルカリ金属塩を混合攪拌した後、イ
ワシ、サバ、イカナゴ、アミエビ等の生魚および冷凍魚
を粉砕したミンチと混練成形して造粒すると、極めて良
好な押出作業性を示すと共に、得られたモイストペレッ
トはベタつきがなく肌が美麗で保型性が優れている。更
に、本発明の粘結剤を使用して造粒したモイストペレッ
トをハマチに給餌した結果、海水中への水溶性栄養素の
溶出がなく、浮遊性に優れ、魚の捕食率が良好で海洋汚
染上著しく良好なことを見出し本発明を完成するに到っ
た。
即ち、本発明は養魚用飼料原料に、粘結剤として部分酸
型カルボキシメチルセルロースアルカリ金属塩を配合し
た養魚飼料に関するものである。ここで、養魚用飼料原
料としては魚粉、油粕、ビタミン類、ミネラル類その他
の養殖魚用粉末飼料原料および生餌粉砕物が挙げられ
る。また、部分酸型カルボキシメチルセルロースアルカ
リ金属塩は無水グルコース単位当りのカルボキシメチル
基による全置換度(X)が0.42〜3.00であり、その中で
酸型のカルボキシメチル基による置換度(Y)が全置換
度(X)中の5〜98%〔但し、Xが2.00未満の場合は
置換度(Y)は(1.25X−0.5)を越えない値とする)
で残余のカルボキシメチル基がアルカリ金属塩である。
ここで、全置換度(X)が0.42未満では水溶性にならな
いので粘結性が発現しない。更に、部分酸型カルボキシ
メチルセルロースアルカリ金属塩は水に可溶であり、1
%水溶液粘度が25℃で300cps以上のものが好まし
い。ここで、1%水溶液粘度が25℃で300cps未満
では粘度が低すぎて粘結力が不足し、海水中でのばらけ
が多く海洋汚濁が発生する。更に、部分酸型カルボキシ
メチルセルロースの残余のアルカリ金属塩はリチウム・
ナトリウム・カリウム・ルビジウム・またはセシウム塩
であり、通常はナトリウム塩が好ましく使用される。
本発明における部分酸型カルボキシメチルセルロースア
ルカリ金属塩は、公知の方法(例えば特開昭60−26
001号明細書記載の方法)に従って得られる。即ち、
全置換度(X)が0.42〜3.00のアルカリ金属塩型CMC
を室温で水に溶解した後、無機酸を原料CMCのカルボ
キシル基の化学当量に対して酸型カルボキシメチルセル
ロースの置換度(Y)に相当する化学当量分添加し、十
分混合攪拌を行った後、その溶液を有機溶媒中に少量ず
つ添加して沈澱させる。次に、その沈澱物を40重量%
以下量の水を含有する有機溶媒で精製し、室温で風乾し
て得る。この部分酸型カルボキシメチルセルロースアル
カリ金属塩は、吸水性に優れているため、生餌中の水分
を保水して適度な強度のモイストペレットを造粒するこ
とができると考えられる。
本発明における魚粉は養魚用飼料に使われるものでホワ
イトフィッシュミール、ブラウンフィッシュミールが代
表的で、動物性蛋白源である。更に動物性原料としては
肉粉および肉骨粉、フェザーミール、血粉、脱脂粉乳、
南極オキアミミール、イカミールなどがある。
また、油粕は植物性原料で穀類、糟糠類、大豆および大
豆粕、でん粉類、グルテンミール、ルーサンミールなど
がある。更に、ビタミン類はビタミンB1、B2、B6
B12、C、ナイアシン、パントテン酸カルシウム、塩化
コリン、葉酸、ピオチン、イノシトール、パラアミノ安
息香酸などが配合される。ミネラル類はリン、カルシウ
ム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムなどを要求に
応じて配合される。
本発明における生餌粉砕物と粉末配合飼料とを混練成形
するに際しては、養殖魚の餌食いの状況に応じて前者を
80〜30重量%、後者を20〜70重量%の割合とす
る。また、粘結剤として部分酸型カルボキシメチルセル
ロースアルカリ金属塩は粉末配合飼料中に0.5〜10重
量%、好ましくは2〜4重量%混合することにより優良
なモイストペレットを得ることができる。また、粘結剤
として本発明の部分酸型カルボキシメチルセルロースア
ルカリ金属塩に養魚飼料用に使用しうる水溶性高分子化
合物、例えばカルボキシメチルセルロース、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチ
ルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセ
ルロース、アルギン酸ナトリウム、グァーガムなどを併
用することも可能である。
また、本発明の部分酸型カルボキシメチルセルロースア
ルカリ金属塩を粘結剤としてモイストペレットを混練成
形する方法は、特に難しい条件はなく通常養魚飼料に使
用される魚粉、油粕、ビタミン類、ミネラル類およびそ
の他の養魚用飼料原料に部分酸型カルボキシメチルセル
ロースアルカリ金属塩を添加し、ミキサーにより十分混
合攪拌した後、生魚および冷凍魚を粉砕したミンチと共
にニーダーで均一混練し、造粒機により造粒してモイス
トペレットを得る。
以下に本発明の実施例並びに比較例を挙げて説明する。
(実施例) 例中の部および%は重量基準を意味する。
実施例1 65%ホワイトフィッシュミール39部大豆粕5部、ビ
タミンB1およびその他のビタミン類混合物2部とカルシ
ウム、リンその他のミネラル類混合物2部に、粘結剤と
して下記の性状を有する部分酸型カルボキシメチルセル
ロースナトリウム塩2部を粉末ミキサーに投入して均一
混合し、粉末飼料を得た。
(1)ナトリウム塩型カルボキシメチル基の置換度
0.31 (2)酸型カルボキシメチル基の置換度 0.71 (3)1%水溶液の粘度(25℃) 690cps (4)水に対する溶解性 完溶 更に、生魚イワシをクラッシャーにより切断粉砕し、イ
ワシ生餌を得た。次に、イワシ生餌50部と粉末飼料5
0部をニーダーに投入し均一混練した後、造粒機を用い
て造粒し、直径9.6mmのモイストペレットを得た。造粒
して得られたモイストペレットがベタつきがなく、肌が
美麗で粒揃いの良好なペレットを得た。更に、押出作業
性も優良であった。次に、得られたモイストペレットを
海水中に投与してハマチを給餌したが、海水への溶出は
見られず、魚の捕食率は良好であった。
実施例2〜6 実施例1と同様な方法で粘結剤として第1表に性状を示
す部分酸型カルボキシメチルセルロースナトリウム塩を
使用してモイストペレットを混練成形した結果、いずれ
も良好なモイストペレットを得た。
比較例1 実施例1と同様な方法で粘結剤として置換度が0.65、1
%水溶液の粘度は25℃で850cpsのカルボキシメチ
ルセルロースナトリウム塩を使用して混練成形した結
果、得られたモイストペレットはベタつきがひどく(評
価結果×)、肌が悪く(評価結果×)粒も不揃い であった。更に、押出作業性も不良(評価結果×)であ
った。
比較例2 実施例1と同様な方法で粘結剤としてアルギン酸ナトリ
ウム1部とグァーガム1部を混合使用して混練成形した
結果、得られたモイストペレットはベタつきはやや悪く 肌もや悪く 押出作業性も劣った

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】養魚用飼料原料に粘結剤として、無水グル
    コール単位当たりのカルボキシメチル基による全置換度
    (X)が0.42〜3.00であり、Xが2.00以上
    3.00以下の場合には酸型のカルボキシメチル基によ
    る置換度(Y)がX中の5〜98%であり、Xが0.4
    2以上2.00未満の場合にはYが(1.25X−0.
    5)を越えない値であり、残余のカルボキシメチル基が
    アルカリ金属塩である部分酸型カルボキシメチルセルロ
    ースアルカリ金属塩を配合することを特徴とする養魚飼
    料。
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