JPH0654712U - 裾 芯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 綿を使わず、和服の用途によって薄いものか
ら厚いものまで色々の厚さのものを選択でき、そして、
縫い代も希望のままに出せ、しかも、伸び縮みのない裾
芯を提供することを目的とする。 【構成】 ナイロンとポリエステル、ポリエステルとレ
イヨン等の適当幅の化学繊維の不織布、或いは、綿の不
織布の側端部側に芯糸を長さ方向を一致させて置き、不
織布の該側端部を折り返して縫い代を残して芯糸をくる
み込むと共に、折り返した該側端部を止着する。必要に
応じて化学繊維の不織布の芯糸をくるみ込む側の面にネ
ットを貼着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、和服に使用する裾芯の改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、和服の裾に重みを加えて着た姿を美しくすると共に歩行するときの裾 さばきを美しくし、同時に、布地の擦り切れを防止するために、和服の袷の裾 の裏地に裾芯を入れている。裾芯は和服の用途によって薄いものから厚いもの まで色々の厚さのものが必要である。例えば、普段着や外出着には薄いものが 使用され、礼装用には厚めのものが使用される。このように、多種多様な裾芯 が必要とされるため、従来は、適当な厚さの綿を適当な幅に折ったり、綿を縒 ったりしたものが裾芯として使用されていた。

【０００３】 しかし、綿を均一な厚さに折ったり、縒ったりして希望の縫い代の裾芯を作 るには熟練が必要であるし、必要に応じて手作りで作る裾芯を使用して和服を 縫製するには可なりの技術が必要であり、更に、裾芯に綿を使用した場合、和 服を長い期間着用していると、綿の繊維が生地の織り目から抜け出して来て、 和服の外観を損なう不都合がある。また、和服を長い期間着用していると、裾 芯である綿が固くなったり伸び縮みしてしまい、和服の外観を損なうこともあ る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこで、本考案は、綿を使わず、和服の用途によって薄いものから厚いもの まで色々の厚さのものを選択でき、そして、縫い代も希望のままに出せ、しか も、伸び縮みのない裾芯を提供することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案は、適当幅の化学繊維若しくは綿の不 の不織布の側端部側に芯糸を長さ方向を一致させて置き、不織布の該側端部を 折り返して縫い代となる余白を残して芯糸をくるみ込むと共に、折り返した該 側端部を止着したものである。

【０００６】 考案者の実験によれば、本考案の実施に際し採択する化学繊維の不織布とし ては、薄い裾芯用としてはナイロン７０％、ポリエステル３０％のものが、厚 い裾芯用としてはポリエステル５０％、レイヨン５０％のものが最適である。 芯糸としては、ポリエステル１００％毛糸を適当な太さに縒ったものが最適で ある。不織布の側端部の止着を縫製により行う場合には綿１００％の糸を使用 するのが最適である。

【０００７】 また、厚い裾芯の場合、引張によって伸びてしまうことがあるが、これを防 止するため、不織布の芯糸をくるみ込む側の面にネットを貼着すると有効であ る。考案者の実験によれば、１００％レイヨン製のネットが最適である。

【０００８】 不織布の該側端部を折り返して芯糸をくるみ込んだ際に残す余白は、裾芯の 縫い代であり、その幅は裾芯の厚さ、言い換えれば裾芯を使用する和服の用途 によって適宜選択される。裾芯の芯糸側の側端部から不織布の止着部までの幅 も裾芯を使用する和服の用途によって適宜選択される。

【０００９】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【００１０】 図１は、本考案の第１の実施例を示すもので、ナイロン７０％、ポリエステ ル３０％の不織布１の側端部側に、ポリエステル１００％毛糸を適当な太さに 縒って形成した芯糸２を長さ方向を一致させて置き、該不織布１の該側端部を 折り返し、縫い代３を残して芯糸２をくるみ込むと共に、折り返した該側端部 を綿１００％の糸４で縫着したものである。

【００１１】 上記第１の実施例は、薄い裾芯用として最適である。

【００１２】 図２は、本考案の第２の実施例を示すもので、綿１００％の不織布１の側端 部側に、ポリエステル１００％毛糸を適当な太さに縒って形成した芯糸２を長 さ方向を一致させて置き、該不織布１の該側端部を折り返し、縫い代３を残し て芯糸２をくるみ込むと共に、折り返した該側端部を綿１００％の糸４で縫着 したものである。

【００１３】 上記第２の実施例は、薄い裾芯用として、特に、裾芯の芯糸２側の側端部か ら縫着部までの幅が極めて小さいことが望まれる場合に最適である。

【００１４】 図３は、本考案の第３の実施例を示すもので、ポリエステル５０％、レイヨ ン５０％の不織布１の芯糸２をくるみ込む側の面に予め１００％レイヨン製の ネット５を貼着しておき、その側端部側に、ポリエステル１００％毛糸を適当 な太さに縒って形成した芯糸２を長さ方向を一致させて置き、該不織布１の該 側端部を折り返し、縫い代３を残して芯糸２をくるみ込むと共に、折り返した 該側端部を綿１００％の糸４で縫着したものである。

【００１５】 上記第３の実施例は、極く厚い裾芯用として最適である。

【００１６】 上記第３の実施例ほどは厚くなく、しかし、第１又は第２の実施例よりは厚 い裾芯としては、図示しないが、上記第３の実施例より薄いポリエステル５０ ％、レイヨン５０％の不織布１の側端部側に、ポリエステル１００％毛糸を適 当な太さに縒って形成した芯糸２を長さ方向を一致させて置き、該不織布１の 該側端部を折り返し、縫い代３を残して芯糸２をくるみ込むと共に、折り返し た該側端部を綿１００％の糸４で縫着したものが適当である。

【００１７】 次いで、上記第１乃至第３の実施例の使用を図４を参照して説明する。

【００１８】 図４において、符合６は和服の表地、７は和服の裏地を示している。表地６ の末端、及び、裏地７の末端はそれぞれ折り返され、裏地７の折り返されて袋 状となっている部分に第１乃至第３の実施例の裾芯が長さ方向に沿って内装さ れ、表地６と裏地７を縫着する縫糸８により、裾芯は縫い代３において和服の 裾内にしっかりと縫着される。

【００１９】

【考案の効果】

以上に説明したところから明らかな通り、本考案によれば、綿を材料としな いのでず、綿の繊維が生地の織り目から抜け出して来て、和服の外観を損なう ことはない。また、和服を長い期間着用しても、裾芯の伸び縮みがなく、和服 の外観は仕立てたときと変わらない。そして、和服の用途によって薄いものか ら厚いものまで色々の厚さのものを製造することができ、裾芯の縫い代も希望 のままに出せるし、和服の裾を縫製する際に予め裾と裾芯の縫い代を可能な限 り狭く設定しておくことが出来る等、優れた効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例の一部を切り欠いた斜視図

【図２】 本考案の別の実施例の一部を切り欠いた斜視
図

【図３】 本考案の別の実施例の一部を切り欠いた斜視
図

【図４】 本考案の実施例の使用状態における断面図

【符号の説明】

１ 不織布 ２ 芯糸 ３ 縫い代 ４ 糸 ５ ネット ６ 表地 ７ 裏地 ８ 縫糸

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 適当幅の化学繊維の不織布の側端部側に
   芯糸を長さ方向を一致させて置き、不織布の該側端部を
   折り返して縫い代を残して芯糸をくるみ込むと共に、折
   り返した該側端部を止着したことを特徴とする裾芯。
2. 【請求項２】 適当幅の綿の不織布の側端部側に芯糸を
   長さ方向を一致させて置き、不織布の該側端部を折り返
   して縫い代を残して芯糸をくるみ込むと共に、折り返し
   た該側端部を止着したことを特徴とする裾芯。
3. 【請求項３】 適当幅の化学繊維の不織布の芯糸をくる
   み込む側の面にネットを貼着した請求項１に記載の裾
   芯。
4. 【請求項４】 化学繊維の不織布がナイロンとポリエス
   テルの不織布である請求項１に記載の裾芯。
5. 【請求項５】 化学繊維の不織布がポリエステルとレイ
   ヨンの不織布である請求項１及び請求項３に記載の裾
   芯。