JP2516216Y2 - 和 服 - Google Patents

和 服

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JP2516216Y2
JP2516216Y2 JP1903691U JP1903691U JP2516216Y2 JP 2516216 Y2 JP2516216 Y2 JP 2516216Y2 JP 1903691 U JP1903691 U JP 1903691U JP 1903691 U JP1903691 U JP 1903691U JP 2516216 Y2 JP2516216 Y2 JP 2516216Y2
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Japan
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seam
piping
iron
tape
kimono
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JP1903691U
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恵美子 石川
眞壽士 小島
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は和服に関する。
【0002】
【従来の技術と考案が解決しようとする課題】従来、和
服を縫製する際には、脇合せを例にとると次の作業工程
を必要としていた。 接ぎ合わせ地縫い(本縫い) きせ位置折りアイロン(アイロン) 縫代割りアイロン(アイロン) 左右縫代端折りアイロン(アイロン) 左右縫代端くけ(手縫い) そして、これら各工程には次の問題点があった。すなわ
ち、の接ぎ合わせ地縫い工程においては、縫代が広い
ため縫い目が蛇行しやすい。のきせ位置折りアイロン
工程においては、地縫い縫い目蛇行によりきせ量が変動
しやすい。の縫代割りアイロン工程、の左右縫代端
折りアイロン工程においては、付与したきせを誤って消
すことがある。の左右縫代端くけ工程においては、縫
代幅方向や縫い目方向にズレを生じ、くけ縫い目の蛇行
や地縫いとくけ縫目の間にねじれしわを生じやすい。加
えて、〜の工程は手作業で行なわれるため、時間が
かかり作業効率が悪かった。
【0003】ここで、図2Bで示すように、「きせ」1
とは、本縫い縫い目が着用中に割れてタテ糸のずれるの
を防ぐとともに、本縫い縫い目が表に現れぬよう隠すた
め、縫目から一定幅を保持しつつ生地を折り返してアイ
ロン掛けすることにより形成された縫目近傍の余り部分
(ゆとり部分)をいう。
【0004】また、「くけ」5もしくは「くける」と
は、図2Bにおいて示すように縫代4を折り曲げて表地
に目立たないよう小針で縫い付けることをいう。
【0005】このようにして縫製された接合部は、着
用、洗濯を繰り返している間に、きせ1が徐々に消えて
きて、外観品位を落とすばかりでなく、縫い目における
タテ糸のずれ量も増加し、破損の原因ともなっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本考案の和服は次の構成を有する。すなわち、きせ
1を有する縫い目がパイピングテープ3により縫い代4
をくるんでなる構造を有することを特徴とする和服であ
る。
【0007】以下、本考案の和服について図1を参照し
つつ詳細に説明する。本考案において、和服とは、単衣
の着物、長襦袢、羽織、コートなど縫い目部分にきせを
有する着物をいう。和服生地素材としては、合成繊維織
物、絹織物のいずれでも良い。合成繊維としてはウォッ
シャブル性、耐久性に優れる観点からポリエステルが好
ましい。
【0008】本考案の和服は、きせ1を有する縫い目が
パイピングテープ3により縫い代4をくるんでなるパイ
ピング構造を有するものであるが、襟および袖以外の接
合部がかかるパイピング構造を有するものであると、縫
い目部分のきせ量2の変動を防止でき、縫製作業の効率
を向上させ、裁ち端の織糸がほつれるのを防止できる等
の観点から好ましい。なお、襟および袖の接合部につい
ては、通常きせを形成することはない。
【0009】かかる本考案の和服の接合部は、図1に示
すように接合すべき裁断片(以下、パーツ)の両縫い代
部分にパイピングテープ3をかぶせつつ一定幅の縫代4
を確保して地縫いすることで形成することができる。
【0010】この際、きせ量2が小さくなり地縫いの縫
い糸が見えるのを防止する一方、きせ量2が大きくなり
きせ1が消失するのを防止する観点から、パイピング縫
い目6からパイピングテープ折り曲げ端までのはみだし
代7は 0.5〜3 mmとするのが好ましい。上記はみ出し代
7を 2±1 mmとすれば、一方の生地を折返した後に特に
きせを形成しようとしなくても、すでにきせが形成され
ているという利点がありさらに好ましい。
【0011】パイピングテープの素材としては、縫製す
べき織物生地と同素材の織物が好ましく用いられる。和
服の縫合部位はすべて長尺であり、ねじれ防止の観点か
ら、パイピングテープの素材を織物とする場合には、正
バイアステープを用いるのが好ましい。なお、パイピン
グテープの素材として編物を用いる場合にはバイアス方
向に限らずタテ方向にも用いることができる。
【0012】きせかけアイロンの際、きせ量2のめやす
とし得る程度に適度な硬さを維持して作業効率を向上さ
せ、また、折り曲げ部分の厚み効果によるきせ部ふくら
みのソフト感を付与する一方、きせかけアイロンや仕上
げアイロンによる縫い代部分のアタリ(コテびかり)発
生を防止する観点からパイピングテープの厚さは0.06〜
0.3 mmとするのが好ましい。
【0013】また、パイピングテープ生地の色は表地に
近い色とすると薄地の和服の場合にも表から透けて見え
にくく好ましい。
【0014】接ぎ合せ部の縫い代4が小さすぎるための
縫い目ずれによる破損を防止する一方、該縫い代4が大
きすぎるための縫い代のおさまり位置不安定化を防止す
る観点から、パイピングの仕上り幅8は 5〜20mmとする
のが好ましく、 8〜14mmとするのがさらに好ましい。
【0015】パーツの接ぎ合わせは手縫いによっても良
いが、ミシン縫いの方が縫製効率の点から好ましい。
【0016】また、かかる本考案の和服の接合部は、縫
い代はすべて比較的狭いパイピングテープ3の中に納ま
っているため、くける工程を必要としないので縫製効率
を格段に向上することができるという効果を奏する。
【0017】また、和服は一般には小巾織物から裁断し
て縫製するが、122 cm、150 cmなどの広巾織物から各パ
ーツを裁断する場合もある。かかる場合に本考案の和服
の構成とすれば、縫代を大幅に小さくすることができる
ので、用尺を削減できコストダウンを達成できるという
効果をも有する。
【0018】さらに、本考案の和服の接合部における縫
い目構造は、パイピングテープ内部にくるまれた縫い代
の裁ち端のほつれを防止するので、着用頻度が多く、頻
繁に洗濯される和服であっても、長期にわたってほつれ
ることがなく長持ちするという効果も有する。
【0019】以下、実施例により、本考案の和服をさら
に詳細に説明する。
【0020】
【実施例】なお、実施例中、本考案の和服の縫い目構造
についての評価は次の方法によった。 <きせ量の蛇行> 地縫い縫い目からきせ折り端までの距離を2 mmとした場
合の振れ幅(mm)を測定し、その値により次の3段階に
判定した。 ○:0.3 mm以下,△:0.3 mmを越え0.6 mm未満,×:0.
6 mm以上 <きせアイロンの効果> 洗濯条件をJIS L 0216-104による水洗い洗濯3回とし、
洗濯前後において、付与したきせの維持状態を目視によ
り次の3段階に判定した。 ○:きせの必要な全ての縫い目にきせが維持されている
状態 △:部分的にきせが消えている状態 ×:全くきせがかかっていない状態 <くけ幅の蛇行> 地縫い縫い目からくけ縫い目までの所定距離に対するず
れ幅(mm)を測定し、その値により次の3段階に判定し
た。 ○:2 mm以下,△:2 mmを越え6 mm未満,×:6 mm以上 <くけ部のねじれしわ> くけ部縫い代部のねじれしわ発生状態を目視により次の
3段階に判定した。 ○:ねじれしわが全くない状態 △:ねじれしわが少しあるが、表からは目立たない状態 ×:ねじれしわが多く、表から目立つ状態 <作業効率> 1本の縫い目にかかる工程数により、次の3段階に判定
した。 ○:2工程,△:3工程,×:4工程以上 (実施例1) ポリエステル使い夏物着尺地の絽を単衣長着の左右身
頃、衽(おくみ)、衿および袖に裁断した。縫代は全て
1cmとし、余り分を裁ち落した。パイピング用テープと
しては、ポリエステルの羽二重織物からなる、厚さ0.09
5mm 、テープ幅40mmの正バイアステープを使用し、パイ
ピング仕上り幅を11.5mmとした。
【0021】これら各パーツを次に示す工程で縫製し
た。 背縫い:左右後身頃の背縫代端を合わせ、パイピング
テープではさみ本縫いする。 衽付け縫い:左右衽と前身頃の生地端を合わせ、パイ
ピングテープではさみ本縫いする。 脇捨て縫い:前後身頃の生地端を合わせ、身八つ口止
まりから5cm 下まで本縫いで捨て縫いする。 脇縫い:a)後身頃の身八つ口下〜袖付け回り〜前身頃
の身八つ口止まりまで生地1枚でパイピングする。 b)身八つ口止まりから下を前後身頃の生地端を沿わせ、
2枚一緒に裾までパイピングする。 修正きせアイロン:各縫い目のパイピング折り端に生
地を沿わせ、アイロンをかけると一定幅にきせが形成さ
れる。
【0022】なお、袖付け、衿つけは常法により縫製し
た。図1Aは背縫い代端を合わせ、パイピングテープ3
ではさんで本縫いした後の状態、図1Bは一方の生地を
折返してアイロンをかけ、きせ1が形成された状態を示
す。きせ量2の蛇行はなく、作業効率も向上した。ま
た、きせの保持性も問題なかった。作業工程および得ら
れた和服についての評価結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】(比較例1) ポリエステル使い縮緬を用い、単衣長着の左右身頃、
衽、衿および袖に裁断した。この際、縫代余り分を裁ち
落さず、全て残した。
【0025】これら各パーツを次に示す従来の工程で縫
製した。すなわち、 接ぎ合わせ地縫い(ミシン) きせ位置折りアイロン(アイロン) 縫代割りアイロンおよび縫代片倒しアイロン(アイロ
ン) 左右縫代端折りアイロン(アイロン) 左右縫代端くけ(手縫い) 図2Aは接ぎ合わせ地縫いの後、きせ1が形成された状
態を示す。図2Bは手縫いにより左右縫代端をくけるこ
とにより、きせ1およびくけ部5が形成された最終段階
の縫い目構造を示す。作業工程および得られた和服につ
いての評価結果を表1に併せて示す。
【0026】(比較例2) ポリエステル使い縮緬を用い、単衣長着の左右身頃、
衽、衿および袖に裁断した。この際、縫代はオーバーロ
ック幅0.8cm に裁ち落とした。
【0027】これら各パーツを次に示す工程で背縫い、
衽付け縫い、脇縫いをした。 接ぎ合わせ地縫い(2本針4本糸オーバーロック) きせ位置折りアイロン(アイロン)図3はオーバーロ
ックをかけ、これを接ぎ合わせ地縫い9とし、その後に
きせ1を形成した状態を示す。作業工程および得られた
和服についての評価結果を表1に併せて示す。
【0028】
【考案の効果】本考案の和服は、きせを均一に形成する
ことができ、また、形成したきせの保持性を著しく向上
することができる。また、縫製作業効率も向上し、しか
も、縫い目近傍の生地端のほつれや縫い目ずれを防止す
ることができる。かかる本考案の和服は、特に着用、洗
濯頻度の高い業務用和服に最適なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の和服のパイピング構造の例を示す斜視
図であって、Aは背縫い代端を合わせ、パイピングテー
プ3ではさんで本縫いした後の状態、Bは一方の生地を
折返してアイロンをかけ、きせ1が形成された状態を示
す。
【図2】従来の和服の接合部、すなわち、パイピング構
造としないできせを形成した縫い目構造の例を示す斜視
図であって、Aは接ぎ合わせ地縫いの後、きせ1が形成
された状態、Bは手縫いにより左右縫代端をくけること
により、きせ1およびくけ部5が形成された最終段階の
縫い目構造を示す。
【図3】オーバーロックにより接合し、その後にきせを
形成した縫い目構造の状態の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1:きせ 2:きせ量 3:パイピングテープ 4:縫代 5:くけ 6:パイピング縫い目 7:はみ出し代 8:パイピングの仕上り幅 9:地縫い目 10:前身頃の裏面

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】きせを有する縫い目がパイピングテープに
    より縫い代をくるんでなる構造を有することを特徴とす
    る和服。
  2. 【請求項2】パイピング縫い目からパイピングテープ折
    り曲げ端までのはみだし代が 0.5〜3 mmであることを特
    徴とする請求項1の和服。
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