JPH0654404B2 - 転写装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、移動する転写材担持シート上に転写材を担持
し、該転写材に転写電界を付与して感光体や絶縁体等か
ら成る像担持体上に形成されたトナー画像を該転写材上
に重ねて転写を行う転写装置に関するものであり、例え
ば電子写真複写機やプリンター等の転写装置として好適
に使用することができる。

従来の技術及び問題点 本発明は、上述のように、トナー画像を有する感光体や
絶縁体等の像担持体に転写材を１回又は複数回対面させ
ることにより像担持体上のトナー画像を転写材に転写
し、白黒又はカラーの画像を得んとする例えば電子写真
複写機、プリンター等の種々の画像形成装置が市販され
ており、又数多く提案されている。

第７図にはフルカラー画像を形成するためのカラー電子
写真複写機の一例が示される。

本例において、カラー電子写真複写機は、像担持体であ
るドラム形状の電子写真感光体、つまり感光ドラム１が
矢印方向に回転自在に担持され、該感光ドラム１の周り
にコロナ帯電器２、露光光学系３、現像装置４、転写装
置５、クリーナー６が配置される。

光学系３は原稿走査部３ａと色分解フイルタ３ｂから成
り、帯電器２にて一様に帯電された感光ドラム１に各分
解色画像毎に光像を照射し、潜像を形成する。現像装置
４は回転現像装置とされ、中心軸４ｂの周りに４個の現
像器、つまりイエロー現像器４Ｙ、マゼンタ現像器４
Ｍ、シアン現像器４Ｃ、ブラツク現像器４Ｂを配置し、
所定の現像器を感光ドラム１に対向した現像位置へと回
転させて感光ドラム１上の潜像を現像し、感光ドラム１
上にトナー画像を形成する。

更に、感光ドラム１上のトナー画像は転写材カセツト７
より搬送系及び転写装置５を介して感光ドラム１と対向
した位置に供給された転写材に転写される。転写装置５
は、本例ではシリンダ５ａ、転写帯電器５ｂ、転写材を
把持し搬送する転写材グリツパー５ｃ、内側帯電器５
ｄ、外側帯電器５ｅとを有し、シリンダ５ａの周面開口
域には誘電体から成る転写材担持シリンダー５ｆが円筒
状に張設されている。

更に説明すると、上述のようにドラム状とされる転写装
置、つまり転写ドラム５が回転するに従つて感光ドラム
１上のトナー像は転写材帯電器５ｂにより転写材担持シ
ート５ｆに担持された転写材上に転写され、同時に該転
写材は転写材担持シート５ｆに吸着される。感光ドラム
１はクリーナー６で残余のトナーが除去された後引き続
き次の画像形成プロセスを行なう。

このように転写材担持シート５ｆに吸着搬送される転写
材には所望数の色画像が転写され、フルカラー画像が形
成される。斯るカラー画像形成方法は当業者には周知の
技術であるのでこれ以上の説明は省略する。

このようにして４色のトナー像の転写が終了すると転写
材は転写ドラム５から分離された熱ローラ定着器９を介
してトレイ１０に排紙される。

上述の如く、カラー電子写真複写機においては、転写ド
ラム５にはその周面開口部には転写材を保持するための
転写材担持体、つまり誘電体から成る転写材担持シート
５ｆから張られているが、該転写ドラム５の周面近傍に
は感光ドラム１、現像装置４、クリーナー６等の現像剤
（トナー）を保持、又は収納したユニット群が配置され
ており、斯るユニツト群から飛散した不所望のトナーが
付着することにより転写ドラム５上の転写材担持シート
が汚損されることがある。更には、、トナー像が転写さ
れ未だ定着が行なわれていない転写材を転写ドラム５か
ら分離する時などに該転写材がジヤム（転写材が機械中
に詰まった状態）となつた時には、転写材担持シートに
転写材上のトナーが付着し、該転写材担持シート５ｆは
該トナーによつてひどく汚される。

従つて、転写装置５には転写材担持シート５ｆ上に付着
したトナーを除去する目的で転写材担持シートクリーナ
ー、即ち清掃手段１１が設けられる。転写材担持シート
５ｆのクリーニングは通常、転写に先立ち行なわれる転
写ドラム５の前回転時に行なわれるが、前記したように
転写材のジヤム等の後には随時行われる。

転写材担持シートクリーナー１１は、第８図に概略図示
されるように、本例では円筒状とされる転写材担持シー
ト支持手段であるシリンダ５ａの周面開口部に張設され
た転写材担持シート５ｆの外側にフアーブラシクリーナ
ー１１ａを、又内側にバツクアツプブラシ１１ｂが配設
されて構成される。従来バツクアツプブラシ１１ｂは、
フアーブラシ１１ａの周面と円筒状とされる転写材担持
シート５ｆの外周面との接点（クリーニングポイント）
Ａと、転写ドラム５のつまり円筒状転写材担持シート５
ｆの中心点Ｏと結んだ直線上に配設されており、転写材
担持シート５ｆに対し所定大きさの押し圧を加えるため
に大略略１ｍｍの食い込み量ｄを持たせてあつた。

このような状態で転写ドラム５を第８図で矢印方向に回
転させるとバツクアツプブラシ１１ｂの先端は転写材担
持シート５ｆにより回転方向に付勢され、本来設定して
あつた該転写材担持シート５ｆとの当接位置Ａより下流
側へとずれてしまう。本発明者等の研究の結果による
と、斯る状態となると、該フアーブラシ１１ａによる付
勢力Ｆ_ｚは、第９図に図示するように、フアーブラシ１
１ａのクリーニングポイントＡには付加されず、該クリ
ーニングポイントＡには弱い押し圧しか加わらずクリー
ニング不良となり、次回コピー時の転写材の裏汚れとな
つて現れることが分かつた。更に、転写材担持シート５
ｆにも第９図に図示するように、Ｓ時型の歪みが加わ
り、シートの耐久寿命を縮める原因の一つとなることが
分かつた。

発明の目的 本発明の目的は、転写材担持体のクリーニング効果を向
上せしめ、且つ転写材担持体の耐久性をも延ばすことの
できる転写装置を提供することである。

問題点を解決するための手段 上記目的は本発明に係る転写装置にて達成される。要約
すれば本発明は、転写材を担持し、そしてトナー像を有
する像担持体と前記転写材を対面させ、前記像担持体上
のトナー像を前記転写材に転写せしめる転写装置におい
て、前記転写材を保持して前記像担持体の転写位置に該
転写材を搬送案内するための転写材担持体と、該転写材
担持体を支持駆動する転写材担持体支持手段と、前記転
写材担持体を清掃する手段と、前記転写材担持体を挟ん
で前記清掃手段と対向する位置に該転写材担持体に当接
する弾性体を有した押当て手段とを具備し、転写装置作
動時において、前記押当て手段の弾性体先端と転写材担
持体との実質的当接点が、前記清掃手段と転写材担持体
との当接点と重なるように前記押当て手段の取付け位置
が転写装置移動方向に対し上流側に所定距離だけずらし
て設定されていることを特徴とする転写装置である。

実施例 次に、本発明に係る転写装置について図面を参照して更
に詳しく説明する。

本発明に係る転写装置は、種々の画像形成装置に利用す
ることができ、種々の構成とし得るが、本明細書では上
記第７図に関連して説明した転写装置５を参照して説明
する。つまり、本実施例にて、転写装置５は、本実施例
では円筒状とされる転写材担持シート支持手段、即ち、
シリンダ５ａ、転写帯電器５ｂ、転写材を把持し搬送す
る転写材グリツパー５ｃ、内側帯電器５ｄ、外側帯電器
５ｅとを有し、前記シリンダ５ａの周面開口域には、誘
電体の転写材担持体（本実施例ではシート状の転写材担
持シート）５ｆが張られた、所謂、転写ドラムとされ
る。該転写ドラム５には更に、転写材担持シート５ｆ上
に付着したトナーを除去する目的で転写材担持シートク
リーナー（清掃手段）１１が設けられる。転写材担持シ
ートのクリーニングは通常、転写に先立ち前回転時に行
なわれるが、転写材がジヤム等を起した場合には随時行
われる。

転写材担持シートクリーナー１１は、第１図に概略図示
されるが第８図に関連して説明したと同様に、シリンダ
５ａの周面開口部に張設された転写材担持シート５ｆの
外側にフアーブラシクリーナー１１ａを、又内側にバツ
クアツプブラシ１１ｂが配設されて構成される。

本発明に従えば、転写材担持シート５ｆの静止時、つま
り転写ドラム５の静止時におけるバツクアツプブラシ１
１ｂの転写材担持シート５ｆに対する当接位置ａが、フ
アーブラシ１１ａの転写材担持シート５ｆに対する接点
Ａより転写材担持シート５ｆの回転方向上流側へと距離
ｌだけズレており、転写材担持シート５ｆの回転時、つ
まり転写ドラム５の回転時にはバツクアツプブラシ１１
ｂの先端が転写材担持シート５ｆにより該転写材担持シ
ートの回転方向へと付勢され、その結果バツクアツプブ
ラシ１１ｂの転写材担持シート５ｆに対する実質的当接
位置ａがファーブラシ１１ａの転写材担持シートに対す
る接点Ａと重なるように構成される。

従つて、本発明に従えば、第２図に示されるように、バ
ツクアツプブラシ１１ｂの転写材担持シートと対する押
し圧Ｆ_Ｚとフアーブラシ１１ａのシートに対する押し圧
Ｆ_Ｉとが接点Ａ（ａ）でシート５ｆを介して加わり適度
な圧力をもつて転写材担持シート５ｆのクリーニングを
行うことができる。又、斯る構成によると転写材担持シ
ート５ｆに第９図に示したようなＳ字型歪みが発生する
ことはなく、転写材担持シート５ｆの耐久性を増すこと
ができる。

バツクアツプブラシ１１ｂの転写材担持シート５ｆに対
する当接位置ａを上流側へずらす量ｌは、ブラシ１１ｂ
の毛の長さ、毛の材質、毛の太さ、植毛密度、及び転写
ドラムの周速、転写材担持シート５ｆの材質などの条件
により種々に設定し得るが、一般的には次のようなこと
が言える。

第３図〜第５図は転写材担持シート５ｆとバツクアツプ
ブラシ１１ｂとの関係を拡大して図示しているが、第３
図で、Ｐはバツクアツプブラシの支持点、ｄはバツクア
ツプブラシ１１ｂの転写材担持シートへの進入量、Ａは
図示されていないフアーブラシ１１ａと転写材担持シー
ト５ｆとの接点を示すが、支持点Ｐを軸としてバツクア
ツプブラシ１１を下流側へと回転させたとき、ブラシ１
１ｂの長さと、支持点Ｐから転写材担持シート５ｆまで
の距離（ＰＢ）とが等しくなるような点Ｂがある。この
ときの回転角をθとする。

次に、第４図において転写ドラム５、つまり転写材担持
シート５ｆを回転しながらバツクアツプブラシ１１ｂ
を、上記の如き本発明の条件を満足するように点Ｐを中
心として上流側へθ′だけ回転させる。このとき、角度
θ及びθ′はθ＞θ′とされ、従つてこの範囲で最適条
件を見つければ良いことになる。

本発明者等は、次に示すような種々の材料、寸法形状の
ブラシを用意し、特定の条件を設定してθ′を測定し
た。

ブラシの材料としては、ナイロン、ポリプロピレン、テ
フロン、アクリル、レーヨンの５種類を使用し、寸法形
状、その他の条件は一定とした。即ち、毛の長さ４１ｍ
ｍ、植毛密度約１０，０００本／ｉｎｃｈ、進入量１ｍ
ｍ、転写ドラムの周速は１６０ｍｍ／ｓｅｃとした。

結果は表１に示す通りであり、一般に柔らかいブラシほ
ど大きく移動させる必要がある。

上記条件に従い転写材担持シート５ｆのクリーニング実
験を行なつたところ、従来転写ドラムを数回転しても落
ちなかつたトナー汚れが、転写ドラム１回転で掻き落と
された。又、転写材担持シートの耐久性も従来の２〜３
倍に増大することが分かつた。

上記実施例においてクリーニング手段としてはフアーブ
ラシ１１ａを示したが、クリーニング手段としてはこれ
に限定されるものではない。又、押し当て手段としても
特に上述のように平板状のブラシ１１ｂに限定されるも
のではなく、これ以外の弾性体を用いることも可能であ
る。

第５図には、バツクアツプブラシ１１ｂと転写材担持シ
ート５ｆとの実質的当接点ａをファーブラシ１１ａの転
写材担持シート５ｆに対する当接位置Ａに重ねるため
に、バツクアツプブラシ１１ｂの支持点Ｐの位置を移動
させた場合の実施例が示される。本実施例によれば、支
持点Ｐの移動量ｌ′は第３図の実施例の場合の移動量ｌ
に対して、一般にはｌ＞ｌ′の関係が成立するであろ
う。前記実施例と同様の寸法形状のバツクアツプブラシ
１１ｂを作製し、実験を行なつたところ、両実施例の場
合における前記ｌ、ｌ′の関係は表２に示す通りであつ
た。

第６図には、第５図に示す実施例に従つた場合のバツク
アツプブラシ１１ｂの位置調整のための具体的構成が示
される。本実施例にてバツクアツプブラシ１１ｂは支持
板１１ｄに取付けられるが、該支持板１１ｄの取付け孔
を長穴１１ｄとし、バツクアツプブラシ１１ｂの取付け
位置を該長孔に沿つて調整し、ビス１１ｅで支持板１１
ｄとバツクアツプブラシ１１ｂとの位置関係を固定すれ
ば良い。該構成は、支持点Ｐ′の調整が極めて簡単であ
るという利点がある。この方式によつて調整した後、ク
リーニング実験を行なつたが、前記同様の良好な結果を
得ることができた。

発明の効果 以上説明した如くに、本発明に係る転写装置は、バツク
アツプブラシの実質的当接位置を回転方向上流側へずら
すことにより、転写材担持体の良好なクリーニングを達
成し、と同時に転写材担持体の耐久性を増すことができ
るという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る転写装置の清掃手段部分を示す
概略断面図である。 第２図は、第１図の装置のバツクアツプブラシ、フアー
ブラシ及び転写材担持シート間の力作用関係を示す説明
図である。 第３図及び第４図は、第１図の転写装置におけるバツク
アツプブラシの調整方法を示す説明図である。 第５図は、第１図の転写装置におけるバツクアツプブラ
シの調整方法の他の実施例を示す説明図である。 第６図は、第５図の転写装置におけるバツクアツプブラ
シの取付構成を示す斜視図である。 第７図は、本発明に係る転写装置を適用し得るカラー電
子写真複写機の概略断面図である。 第８図は、従来の転写装置の清掃手段部分を示す概略断
面図である。 第９図は、第８図の装置におけるバツクアツプブラシ、
フアーブラシ及び転写材担持シート間の力作用関係を示
す説明図である。 ５：転写装置 ５ａ：転写材担持体支持手段 ５ｆ：転写材担持体 １１：清掃手段 １１ａ：フアーブラシ １１ｂ：バツクアツプブラシ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】転写材を担持し、そしてトナー像を有する
   像担持体と前記転写材を対面させ、前記像担持体上のト
   ナー像を該転写材に転写せしめる転写装置において、前
   記転写材を保持して前記像担持体の転写位置に該転写材
   を搬送案内するための転写材担持体と、該転写材担持体
   を支持駆動する転写材担持体支持手段と、前記転写材担
   持体を清掃する手段と、前記転写材担持体を挟んで前記
   清掃手段と対向する位置に設けられ、そして該転写材担
   持体に弾性的に当接する弾性体を有した押当て手段とを
   具備し、転写装置作動時において、前記押当て手段の弾
   性体先端と転写材担持体との実質的当接点が、前記清掃
   手段と転写材担持体との接点と重なるように前記押当て
   手段の取付け位置が転写装置移動方向に対し上流側に所
   定距離だけずらして設定されていることを特徴とする転
   写装置。
2. 【請求項２】転写材担持体支持手段は円筒状に形成さ
   れ、転写材担持体は誘電体から成る転写材担持シートで
   あり、前記円筒状支持手段の周面開口部に円筒状に張設
   されて成る特許請求の範囲第１項記載の転写装置。