JPH0653687A - 電磁波シ−ルド材及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シ−ルド材及びその製造方法

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JPH0653687A
JPH0653687A JP4222112A JP22211292A JPH0653687A JP H0653687 A JPH0653687 A JP H0653687A JP 4222112 A JP4222112 A JP 4222112A JP 22211292 A JP22211292 A JP 22211292A JP H0653687 A JPH0653687 A JP H0653687A
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哲男 斎藤
Koji Tomuro
康二 戸室
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昭夫 荷見
Eiichi Sato
栄一 佐藤
Shinichi Kuwana
進一 桑名
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工容易な繊維質素材を対象に、磁界波と電
界波とを吸収する高性能の電磁波シ−ルド材を開発す
る。 【構成】 本発明シ−ルド材は、繊維質素材の表面に、
4wt%以上の高濃度のボロンを含有させた磁界シ−ル
ド性に優れたアモルファス合金の被膜を形成し、当該ア
モルファス合金の被膜の上に電界シ−ルド性に優れた銀
の被膜とを多層的に形成し、難燃性を付与するシラノ−
ル塩を含浸させて成る。その結果、磁界波及び電界波と
も90db以上のシ−ルド効果を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報通信機器等に対す
る電磁波シ−ルド材に関し、更に詳細には、加工、取扱
が容易な繊維質素材にシ−ルド特性に優れる被膜を多層
的に形成した電磁波シ−ルド材に関する。
【0002】
【発明の背景】近年、各種の情報通信,医療機器,精密
機器等の制御分野において、また、電化製品,自動車等
の日常生活品の分野においても高度に自動化された電子
機器が広く使用されているが、それに伴い、電子機器か
ら漏洩する電磁波は他の電子機器に障害を及ぼし、精密
機器の誤動作や作業者の生命に関わるような大きな事故
を引き起こしており、高度なレベルでの電磁波障害対策
が望まれている。その中で、繊維質素材は加工及び取扱
が容易なので、電磁波シ−ルド材を施す対象として好適
な素材である。
【0003】
【従来の技術】従来、この繊維質素材に電磁波シ−ルド
技術を施した例としては、(a)繊維材料の裏面にアモ
ルファスの金属シ−トを有して成る敷物を形成したもの
(特開昭63−35207号公報)、(b)アモルファ
ス金属薄膜層を含有する芯層と繊維シ−トの補強層とか
ら成るアモルファス金属シ−ト(特開平1−10573
4号公報)、(c)溶射金属層を40〜60μmの膜厚
で形成したカ−テン布等のシ−ルド材(特開平1−17
1300号公報)、(d)金属を表裏の一面に蒸着する
不織布(特開平4−93243号公報)等が提案されて
いる。
【0004】しかし、(a)及び(b)に示されるアモ
ルファス金属膜は、主にロ−ル法といわれる回転するロ
−ル上で金属を急冷して非晶質を形成する手法によるも
ので、製法が複雑であるから製造コストが高いと共に、
金属層が繊維に馴染み難い欠点を有している。又、
(c)及び(d)に示される繊維材料に金属を溶射する
方法、或いは、金属を蒸着する方法は、単に繊維材料に
金属層を形成しようとするものであるから、電磁波シ−
ルド効果特に磁界波シ−ルドの効果が充分でなく、又、
製造が工業的量産に適さない等の難点がある。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
上記電磁波シ−ルド材に関して鋭意研究を重ねた結果、
加工の容易な紙を主体とした繊維質素材を対象とし、磁
界波シ−ルド特性に優れたアモルファスの金属層と電界
波シ−ルド特性に優れた結晶性の金属層との組合せを着
想し、且つ、その製造法を開発し、電磁波シ−ルド効果
に優れ且つ安価に量産が可能な電磁波シ−ルド材を得よ
うとするものである。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明は、その目的を
達成するために、先ず、加工や取扱が容易で、且つ、経
済的に量産が可能な紙、布、等の繊維質素材を、電磁波
シ−ルド素材の対象とする。この繊維質素材は、後工程
との関連から液体の浸透性に優れたものが望ましく、紙
では、和紙、壁紙が、繊維では、木綿、羊毛等の天然繊
維が好適である。浸透性の悪い合成繊維には、水和性処
理を施すのが良い。
【0007】次いで、この導電性のない繊維質素材に後
述の無電解メッキ法により金属膜を形成するため、触媒
核を生成させ、素材にその核を定着させる活性化処理を
施す。従来、この方法として最も一般的に行なわれてい
るのは、塩化第一スズと塩化パラジウムで活性化する二
液法による処理であるが、この方法では、触媒核となる
パラジウムイオンの定着や素材内部への拡散が不十分
で、良好な合金膜を形成することが出来ない。そこで、
触媒核が素材深部まで形成できる最適な処理条件を開発
するため、塩化パラジウム濃度、塩化パラジウム溶液の
pH及び浴温について検討した。先ず、触媒核を素材深
部まで侵入させるには、処理液の温度を高くして、触媒
を活性化させる必要があり、それには、高温で不安定な
塩化第一スズを除いて、塩化パラジウム単独の一液性と
し、溶液温度を55〜75℃の高温領域とした。次い
で、この塩化パラジウムをそのまま無電解メッキ浴中に
持込むと、メッキ液を分解してメッキ反応を阻害する虞
があるので、これを十分に洗浄する必要があり、従っ
て、当該塩化パラジウムを触媒核として作用させるに
は、この水洗浄に耐える強い吸着力が必要となる。そこ
で、塩化パラジウムの濃度とpHを検討したところ、濃
度を0.05〜1.5g/Lとすることにより、適当量
の塩化パラジウムが繊維質素材の深部まで侵入可能とな
り、且つ、pHを4.5〜6.5とすると、強酸側から
弱酸側に移行し、イオンとしての塩化パラジウムが適当
量遊離し、繊維質素材となんらかの化学吸着で結び付く
ことが可能となった。以上の結果、塩化パラジウム濃度
が0.05〜1.5g/L、pHが4.5〜6.5、浴
温55〜75℃の溶液中に3〜5分浸漬することにより
触媒核を素材深部まで形成可能となる。
【0008】それを写真撮影したのが図3で、従来の二
液法がメッキ不良部を残しているのに対し、本発明法の
ものは、繊維の表面全体に合金膜が形成されている。同
様に、図4の200倍の映像から、従来二液法が中央に
白い金属の未着部を残しているのに対し、本発明法のも
のは一本の各繊維にまで合金膜が形成されている。又、
図5のSEM像より、電磁波シ−ルド紙は、均一なカッ
ト面が得られていることが解る。図6は、電磁波シ−ル
ド紙断面のNiの特性X線像の分布を示し、本法で開発
した無電解めつきプロセスを適用した試料は、従来の二
液法に比較して試料内部までNiメッキが浸透している
ことが解り、この結果は、図5のシ−ルド紙断面写真の
結果と良く一致する。
【0009】上記活性化処理が終了したら、次いで、当
該活性化処理した繊維質素材の表面に、透磁率が高く磁
気を引き込む特性に優れたアモルファス金属膜と、電界
波シ−ルドに優れた結晶性金属膜との、夫々シ−ルド特
性を異にする膜を多層的に形成する。そこで、先ず、繊
維質素材に、無電解メッキによってアモルファス金属膜
を形成するが、このメッキ膜のアモルファス化を促すに
は、メッキ膜が成長する過程で、P(リン)及びB(ボ
ロン)のようなメタロイド元素を、結晶成長点に吸着、
混入させ、その結晶成長を阻止するようにする。そこ
で、第一の手段として、Ni−P合金膜を形成する方法
と、第二の手段として、ニッケル中に比較的高濃度のボ
ロンをを含ませたNi−B合金膜を形成する方法の二種
類の方法を検討した。
【0010】先ず、Ni−Pによる方法は、硫酸ニッケ
ル等の金属塩と次亜リン酸塩等の還元剤を主成分とし、
これにアンモニア等の錯化剤及びpH調整剤、緩衝剤を
加えてメッキ液を調整し、このメッキ浴中に上記触媒核
を施した繊維質素材を浸し、メッキ反応を促す。する
と、塩化パラジウムの触媒核を中心に、還元剤とニッケ
ル金属塩との還元反応で水素ガスが多量に発生すると共
に、そのガスの発生で溶液中に対流が惹起され、その対
流が触媒核を形成した繊維質素材の深部まで及んで、繊
維質素材内部が攪拌状態でメッキ反応が進行する。従っ
て、繊維質素材の内部まで均一な合金膜が形成され、こ
のことは、図3及び図4に示す顕微鏡写真で確認され
る。そのメッキ反応の際、金属塩が還元作用を受けて金
属被膜を形成し、ニッケルの場合、本来立方晶形の結晶
が成長するはずであるが、このとき、メタロイド元素と
してのPが結晶格子点に混入し、立方晶形となるべき結
晶成長を妨げて、アモルファス化した状態の金属膜を形
成する。従って、ここに磁界波シ−ルド性に優れた合金
膜が形成される。Pの混入割合は、多いほうがアモルフ
ァス化する傾向が強くなるが、他の条件とも均衡させて
8〜15wt%が適当である。
【0011】次に、Ni−B合金膜について説明する
と、当該Ni−B合金膜は、熱的安定性に優れ、結晶阻
害化も強いのでアモルファス合金膜としての特性に優れ
るが、しかし、Bを結晶阻害化元素(還元剤)としたメ
ッキは、メッキ浴が不安定で分解しやすいため、未だ実
用化が困難な状態にある。そこで、本発明では、結晶化
阻害化元素でPよりもその効果が大きいBを多く含ん
だ、メッキ膜を作製するため、メッキ浴組成,還元剤の
種類と添加方法,メッキ条件について種々検討した。先
ず、メッキ浴の安定性に及ぼすpHの影響を検討したと
ころ、図7に示す如く、pH11.5〜12.5で高い
Bを含んで安定であり、pH11.5以下及びpH1
2.5以上ではBを含む割合が減少した。これは、pH
11.5以下ではメッキ浴が不安定であり、逆に、pH
12.5以上では、合金膜析出反応が急激に起こる為と
考えられる。次いで、上記pHに対応させて、主成分と
して塩化ニッケルを0.05mo1/L に調製し、これに錯化剤
として酒石酸ナトリウム0.4mo1/L ,アンモニア水,安定
剤として鉛塩,添加剤としてホウ砂,チオ尿素等を加
え、メッキ浴温度65゜Cで行った。当該錯化剤は、ア
ルカリ性溶液中で生じる沈殿を防ぐため、金属イオンを
錯イオンの状態にするもので、この錯化剤には、有機酸
のアルカリ塩(酢酸ナトリウム,酒石酸ナトリウム,ク
エン酸ナトリウム,こはく酸ナトリウム等),チオグリ
コ−ル酸,アンモニア,ヒドラジン,トリエタノ−ルア
ミン,エチレンジアミン,グリシン,o-アミノフェノ−
ル,ピリジン等が利用できる。そして、ホウ素を含む還
元剤として水素化ホウ素ナトリウムを用いるが、これは
そのままではメッキ浴が不安定で、合金膜を適切に析出
させることができない。そこで、分解の原因となる過剰
の水素化ホウ素ナトリウムの存在を調整し、メッキ反応
に必要最小限の量を存置させる方法を着想した。その方
法を具体化すべく検討したところ、図8に示す如く、メ
ッキ浴槽と分離させて還元剤の槽を独立させて設け、そ
の還元剤槽から定量ポンプで定期的に毎分,4×10-5
〜4×10-4molの範囲でメッキ液中に添加する手段
を創製した。これによれば、メッキ浴の分解が抑えられ
ると共に、メッキ反応の速度も充分に迅速化できる。
【0012】上記Ni−PとNi−Bの合金膜のアモル
ファス化した状態のX線回折図が、図9で、夫々、回折
図がブロ−ド化し、結晶がアモルファス化していること
を示し、磁界波シ−ルド効果の高い合金膜が形成でき
た。
【0013】次いで、上記無電解メッキ法によりアモル
ファスメッキ膜が形成されたのを利用し、その上に結晶
性の高い純粋な金属膜を電気メッキ法により析出させ
る。そこで、先ず、Cu,Co,Ni,Zn,Ag,A
u等の陽イオンを含むメッキ液を調製し、そこに無電解
メッキを行なった電磁波シ−ルド素材をカソ−ドに取り
付け、電極に通電して電解メッキする。この電解メッキ
は、下地メッキ膜との密着性に優れ、内部応力の少ない
高結晶性メッキ膜を得るよう、メッキ浴中の金属イオン
濃度、アノ−ドの材質、メッキ浴温度、メッキ時の電
圧、電流密度、pH等を調整する。この結晶性金属の中
で、銀を用いたものは、銅と比較して、その電磁波シ−
ルド性が特に良く、図1及び図2に示す如く減衰率が9
0%以上となり、大きなシ−ルド効果を示した。
【0014】又、本発明では、電磁波シ−ルド紙の内部
までNi−P,Ni−B等の耐酸化性に優れた合金膜の
形成が可能であるため、メッキ前の素材に比べ特別な処
理をしなくても難燃性は大幅に向上するが、更に、薬剤
を用いて難燃化処理をすることによりさらに燃えにくな
ることが認められた。この薬剤とは、シラノ−ル塩で、
これを繊維質素材に含浸させ易いよう末端をNa基又は
F基を付与して親水性とする。このシラノ−ル塩を含浸
させた繊維質素材は、火災の際には、結合水の存在で蒸
発による潜熱吸収で吸熱し、又、120℃〜400℃で
シラノ−ルから水分子が遊離し、酸素を遮断する膜を形
成し、更に高温になるとシラノ−ルがセラミックス化す
る等して難燃性を発揮する。
【0015】斯して、繊維質素材の表面に磁界シ−ルド
性に優れたアモルファス合金の被膜を形成し、当該アモ
ルファス合金の被膜の上に電解シ−ルド性に優れた結晶
性金属の被膜を多層的に形成して成る電磁波シ−ルド材
が得られる。ここで多層的としたのは、少なくとも2層
以上という意味で、アモルファス合金被膜と結晶性金属
被膜とを3層,4層・・・と重ねても良いことを示す。
当該電磁波シ−ルド材は、電磁波の磁界波と電界波とに
夫々分れて作用し、アモルファスの合金膜が透磁性に優
れるため主に磁界波を吸収し、それが表面のみでなく繊
維質素材の深部にまで達するので、何重かに渡って遮蔽
層を形成し、優れたシ−ルド効果を発揮する。その結
果、後述の実施例に基づくデ−タを示した図1に表わさ
れる如く、100KHz〜1GHzの周波数域で電界,磁
界シ−ルドとも90dB以上のシ−ルド効果が認めら
れ、これらの結果は、従来市販のシ−ルド紙と比較して
格段の効果を示している。次いで、その上に結晶性の高
い金属膜を形成する為、電界波を吸収し、それが上記と
同様に何重かに渡って遮蔽層を形成するので、高い電界
波シ−ルド効果を発揮し、図2に示す如く、従来市販の
シ−ルド紙が60dB以下なのに対し90dB以上と格
段の効果を示している。
【0016】
【発明の効果】以上の構成に基づく本発明シ−ルド材
は、磁界波と電界波の双方に対し遮蔽効果を発揮するの
で、互いが協働して相乗効果をもたらし、減衰率90%
以上という従来シ−ルド材にない高い効果を発揮する優
れた発明である。又、電磁波シ−ルド用素材として繊維
質素材を使用しているので、加工や取扱性に優れ、電子
機器部品や回路より発生する電磁波をシ−ルドするため
に必要な最適な形状に切って用いることが容易であり、
高度な電子機器の信頼性を更に向上させることが出来
る。また、低コストで製造出来るため、従来品の代替品
としての用途も期待できる。更に、特殊な難燃化処理と
表面処理技術により、熱に対する安定性が高く、燃焼の
危険性がほとんどない電磁波シ−ルド紙も作製が可能で
ある。
【0017】
【実施例1】磁界波シ−ルドをNi−Pの合金膜とし、
結晶性金属膜をAgとした2層メッキとした場合の実施
例を説明する。塩化パラジウム1g/L,pH5.0,
浴温70゜Cの活性化処理液に繊維質素材を5分間浸漬
し、水洗後、主成分として硫酸ニッケル0.1moI/L, 還元
剤として次亜リン酸ナトリウム0.15moI/L,安定剤として
酢酸ナトリウム0.2moI/L, クエン酸ナトリウム0.05moI/
L,添加剤としてチオ尿素10ppm 等を加え、メッキ浴温度
90゜CpH5.0で無電解Ni−Pメッキを10分間行
った。水洗後、無電解めつきを行った試料に対し、通常
の方法で電解銀メッキは数分行い、水洗ご一昼夜自然乾
燥し、電磁場シ−ルド材を作製した。(青化銀26g/L,青
化カリ18g/L,炭酸カリ15g/L,電流密度0.2A/dm2, 電解電
圧2〜4V,メッキ温度;常温)電磁場シ−ルド効果は、シ
−ルド材評価器(アト゛ハ゛ンチスト,17301A)により測定した。
それを示したのが図1及び図2で、100KHz〜1G
Hzの周波数域で電界,磁界シ−ルドとも平均90dB
以上のシ−ルド効果が認められ、これらの結果は、後述
の実施例2より若干劣るが、35μm銅箔より磁界波及
び電界波シ−ルドで格段に勝っている。次に、シ−ルド
材の難燃化処理をシラノ−ル塩に浸漬,乾燥することに
より行い、処理後の電磁場シ−ルド効果を測定し、処理
によりシ−ルド性が低下しないことを確認した。
【0018】
【実施例2】磁界波シ−ルドをNi−Bの合金膜とし、
結晶性金属膜をAgとした2層メッキとした場合の実施
例を説明する。塩化パラジウム1g/L,pH5.0,
浴温70゜Cの活性化処理液に繊維質素材を5分間浸漬
し、水洗後主成分として塩化ニッケルを0.05moI/L,錯化
剤として酒石酸ナトリウム0.4moI/Lとアンモニア水,安
定剤として亜鉛,添加剤としてホウ砂,チオ尿素を加え
めつき浴を調整し、メッキ浴温度65゜C,pH12.
5でNi−B皮膜の形成を行った。なお、還元剤には、
水素化ホウ酸ナトリウムを用いたが、安定な状態でめつ
きを行うため図8の装置により毎分最大4x10-4moI相当
量をメッキ液中に添加する方法により行った。水洗後、
無電解メッキを行った試料に対し、通常の方法で電解銀
メッキを数分行い、水洗後、一昼夜自然乾燥し、電磁場
シ−ルド材を作製した。(青化銀26g/L,青化カリ15g/L,
電流密度0.2A/dm2,電解電圧2〜4V,メッキ温度;常温)
電磁場シ−ルド効果は、シ−ルド材評価器(アト゛ハ゛ンチスト,
17301A)により測定した。その結果を、実施例1と同様
図1及び図2に示したが、電界,磁界シ−ルドとも平均
98dB以上のシ−ルド効果が認められ、これらの結果
は、35μm銅箔よりも電界シ−ルドで10dB磁界シ
−ルドにおいては20dB以上勝って、本例が最も優れ
た効果を発揮することを確認した。次に、シ−ルド材の
難燃化処理をシラノ−ル塩に浸漬,乾燥することにより
行い、処理後の電磁場シ−ルド効果を測定し、処理によ
りシ−ルド性が低下しないことを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明シ−ルド材の実施例1及び2に基づく磁
界波のシ−ルド効果を示すグラフ図である。
【図2】本発明シ−ルド材の実施例1及び2に基づく電
界波のシ−ルド効果を示すグラフ図である。
【図3】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材の表面を比較した拡大
写真図で、(A)が従来法で、(B)が本発明方法によ
る。
【図4】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材の断面を比較した20
0倍の拡大写真図で、(A)が従来法で、(B)が本発
明方法による。
【図5】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材の断面を比較したSE
M写真図で、(A)が従来法で、(B)が本発明方法に
よる。
【図6】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材を比較したX線写真図
で、(A)が従来法で、(B)が本発明方法による。
【図7】還元剤にホウ素を用いた場合の、pHとメッキ
浴の安定性の関係を示すグラフ図である。
【図8】還元槽を独立させたメッキ装置の態様を示す模
式的側面図である。
【手続補正書】
【提出日】平成5年3月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明シールド材の実施例1及び2に基づく磁
界波のシールド効果を示すグラフ図である。
【図2】本発明シールド材の実施例1及び2に基づく電
界波のシールド効果を示すグラフ図である。
【図3】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材の表面を比較した繊維
形状の拡大写真図で、(A)が従来法で、(B)が本発
明方法による。
【図4】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材の断面を比較した繊維
形状の200倍の拡大写真図で、(A)が従来法で、
(B)が本発明方法による。
【図5】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材の断面を比較した繊維
形状のSEM写真図で、(A)が従来法で、(B)が本
発明方法による。
【図6】従来の活性化処理方法と本発明の活性化処理方
法とによって得られる繊維質素材を比較した繊維形状の
X線写真図で、(A)が従来法で、(B)が本発明方法
による。
【図7】還元剤にホウ素を用いた場合の、pHとメッキ
浴の安定性の関係を示すグラフ図である。
【図8】還元槽を独立させたメッキ装置の態様を示す模
式的側面図である。
【図9】各配合割合のNi−P及びNi−Bの合金膜を
アモルファス化した状態のX線回折図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C25D 7/00 Y

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維質素材の表面に、磁界シ−ルド性に
    優れたアモルファス合金の被膜を形成し、当該アモルフ
    ァス合金の被膜の上に電解シ−ルド性に優れた結晶性金
    属の被膜を多層的に形成して成る電磁波シ−ルド材。
  2. 【請求項2】 繊維質素材の表面に、4wt%以上の高
    濃度のボロンを含有させた磁界シ−ルド性に優れたアモ
    ルファス合金の被膜を形成し、当該アモルファス合金の
    被膜の上に電界シ−ルド性に優れた銀の被膜とを多層的
    に形成して成る電磁波シ−ルド材。
  3. 【請求項3】 繊維質素材の表面に、4wt%以上の高
    濃度のボロンを含有させた磁界シ−ルド性に優れたアモ
    ルファス合金の被膜を形成し、当該アモルファス合金の
    被膜の上に電界シ−ルド性に優れた銀の被膜とを多層的
    に形成し、難燃性を付与するシラノ−ル塩を含浸させた
    電磁波シ−ルド材。
  4. 【請求項4】 (a)繊維質素材を、塩化パラジウム濃
    度が0.05〜1.5g/L、pHが4.5〜6.5、
    浴温55〜75℃の溶液中に数分間浸漬して、素材の深
    部にまで触媒核を形成し、 (b)主剤ニッケル化合物に、少なくともアンモニアを
    含む錯化剤を加えてメッキ浴を調製し、そこに還元剤を
    4×10-5〜4×10-4molの範囲で定量的に供給し
    つつ無電解メッキし、素材表面にアモルファス金属膜を
    形成し、 (c)陽イオンを含むメッキ液を調製し、上記アモルフ
    ァスメッキ膜を形成した繊維質素材をカソ−ドに取り付
    け、電極に通電して電解メッキを行い結晶性金属膜を形
    成することを特徴とする電磁波シ−ルド材の製造方法。
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