JPH0653326B2 - 孔ぐり工具用アタッチメント - Google Patents

孔ぐり工具用アタッチメント

Info

Publication number
JPH0653326B2
JPH0653326B2 JP63187125A JP18712588A JPH0653326B2 JP H0653326 B2 JPH0653326 B2 JP H0653326B2 JP 63187125 A JP63187125 A JP 63187125A JP 18712588 A JP18712588 A JP 18712588A JP H0653326 B2 JPH0653326 B2 JP H0653326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
main body
gear
cam
shaft
operating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63187125A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0236005A (ja
Inventor
秀雄 溝口
Original Assignee
秀雄 溝口
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 秀雄 溝口 filed Critical 秀雄 溝口
Priority to JP63187125A priority Critical patent/JPH0653326B2/ja
Publication of JPH0236005A publication Critical patent/JPH0236005A/ja
Publication of JPH0653326B2 publication Critical patent/JPH0653326B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Drilling And Boring (AREA)
  • Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主としてマシニングセンタ等の工作機械の回
転主軸に装着して穴加工を行う孔ぐり工具用のアタッチ
ンメント構造に関する。
〔従来の技術〕
穴加工に用いる汎用ミリングマシン,フライス盤及びマ
シニングセンタの主軸には、各種の刃物をアタッチメン
ト式として取り付けることが通常である。アタッチメン
トは製品の穴径や粗加工から仕上げ加工までに応じた刃
物工具を主軸に簡単に着脱できることが一つの特長であ
る。そして、近来では、マシニングセンタによる加工に
も応用できるように、自動交換可能としたものも既に開
発されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
マシニングセンタの導入によって、機械加工の方法は旧
来の専用機によるものとは異なる体系が採られるように
なった。つまり、ワークをマシニングセンタの加工台に
載せてしまえば、必要とする加工が最終段階まで無人で
可能となることから作業全般に改善が行われるようにな
った。
しかし、マシニングセンタによる生産性の向上やその他
の改善は可能であっても、刃物工具が摩耗したときにこ
れを交換することは従来方法と何ら変わりはない。そし
て、この刃物工具の交換作業は、アタッチメントを主軸
から取り外して新しい刃物工具をこのアタッチメントに
装着する要領で行われる。そして、この作業はオペレー
タが定期的に行うことは無論であり、工具交換の際にマ
シニングセンタ自体の保守点検を兼ねることが多い。
このように、マシニングセンタを導入して加工精度や生
産性の向上及びオペレータの作業負担の軽減は可能であ
っても、摩耗工具の交換作業はオペレータによる作業が
必要である。一方、マシニングセンタの導入は生産性の
向上を主な目的としたものであり、マシニングセンタと
ワーク取替パレットとの組み合わせによる全自動24時間
の無人運転が通常である。
ところが、ワークの大量生産に対しては、刃物工具の摩
耗も速く、アタッチメントを主軸から取り外して行う工
具交換の頻度も高い。このため、一つの刃物工具に対し
て複数のアタッチメントを予め用意しておき、主軸に対
するアタッチメントの交換時間のみを稼動停止時間とし
て生産性の低下を招かないようにしている。しかし、複
数のアタッチメントを準備するのは、経済的にみて不利
であるほか、主軸からいちいちアタッチメントを取り外
して新たなものを装着する方法では、交換時間の短縮に
も限界がある。このため、マシニングセンタによる加工
精度の向上は確保されても、生産性の上昇には限度があ
り、マシニングセンタ導入の価値も低下してしまう。
そこで、本発明は、単一のアタッチメントに複数の刃物
工具を装着し、主軸から取り外すことなく連続加工を可
能として生産性を更に向上させることを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の孔ぐり工具用アタッチメントは、以上の目的を
達成するために、マシニングセンタ等の主軸に着脱され
るシャンクを一体化した本体と、該本体を回転自在に支
持し前記主軸に対して絶対静止する作動環と、前記本体
と偏心して設けられ該本体内で軸線周りに回転可能且つ
軸線方向に移動可能であって前記主軸側に向けて弾性付
勢された作動軸と、該作動軸の先端に連結され放射状に
複数のバイトを装着したバイトホルダと、前記作動環の
内部であって前記本体の外周に回転自在に同軸配置され
該本体に備えた衛星歯車に噛合するインターナルギヤ
と、前記作動環に連接され前記インターナルギヤの外周
面及び前記本体の周面に形成したカムに同時に突き当た
る方向に弾性付勢され且つ前記インターナルギヤの周方
向の一部に設けた切欠に係合して該インターナルギヤの
回転を拘束する作動爪と、前記本体の内部に固定され前
記バイトホルダを向く面と反対側の面にカム部を形成し
た環状の軸方向カムと、前記衛星歯車に噛合し且つ前記
軸方向カムのカム部に当接して該軸方向カムを前記作動
軸のバイトホルダ側に圧下する環状の揺動歯車と、前記
本体と同軸上に配置され一端に前記作動軸の一端に備え
る従動歯車と噛合する内歯車を形成すると共に前記軸方
向カム及び揺動歯車を貫通する軸部を備えた工具切換歯
車と、前記工具切換歯車の軸部に対して回転方向のみの
係合関係を持つインデックス環及び該インデックス環の
周面にラチェット係合可能であって前記主軸の逆回転の
ときに前記インデックス環を回転駆動するインデックス
爪とを備え、前記主軸の逆回転時には、前記本体の回転
に伴う前記カムの変位によって前記作動爪を前記インタ
ーナルギヤの切欠に係合させて該インターナルギヤの回
転を拘束可能とすると共に、前記衛星歯車から前記摺動
歯車への回転の伝達によって、前記軸方向カムによる前
記作動軸の先端方向の移動及びこれに続く前記インデッ
クス環の回転駆動を可能としたことを特徴とする。
〔実例例〕
以下、図面に示す実施例により本発明の特徴を具体的に
説明する。
第1図は本発明の一実施例を示すアタッチメントの縦断
面図、第2図は底面図、第3図は第2図のI−I線矢視
による縦断面図、第4図から第9図は第3図の各矢視位
置による横断面図、第10図は全体の分解斜視図である。
アタッチメントの本体1は中空円筒状であり、その上端
をカップリング2a及び接続ボルト2bによってシャンク2
に一体化されている。本体1の内部には、作動軸3が本
体1と一体回転可能に収納され、この作動軸3の下端に
バイトホルダ4を一体化している。また、本体1の上端
部の周面には作動環5がニードルベアリング5aによって
回転自在に取り付けられている。この作動環5にはマシ
ニングセンタの固定座に挿入されてアタッチメント全体
の姿勢及び位置決めを行うための位置決めロッド5bを備
えている。
本体1は、作動軸3をその軸線周りに回転自在及び軸線
方向に移動自在に収納する空洞状の収納チャンバ1aを軸
線方向に設け、これに連通した上端部を作動部チャンバ
1bとしている。そして、作動部チャンバ1bは本体1と同
軸上に形成され、一方収納チャンバ1aは、第1図及び第
6図に示すように本体1及び作動部チャンバ1bの芯に対
して偏心量eだけ偏心した軸線を持っている。また、作
動部チャンバ1bと収納チャンバ1aとの境目部分には、複
数の穴1cを軸線方向に設け、この穴1cの中に圧縮コイル
スプリング6を設けている。更に、作動部チャンバ1bの
周壁には、半径方向に対向する位置に一対の凹部1dが形
成されている(第3図及び第5図)。
また、第9図に示すように、収納チャンバ1aと外部とを
連絡する開口1eを3個所に設け、この中にピン7を嵌め
込んでいる。ピン7は、スプリング7aによって中心方向
に付勢され、保持ビス7bがこのスプリング7aを拘束して
いる。更に、本体1の上端側の周面にはカム8を設ける
と共に下端には軸線方向に突き出るキー9を形成してい
る。
作動チャンバ1bの中には、内歯車の工具切換歯車10の下
端部及び軸方向カム11がそれぞれ収納されている。工具
切換歯車10は逆T字状の縦断面を持ち、下端の内周に内
歯車10aを形成し、上側に軸部10bを形成してその上端
をカップリング2aの保持孔2a-1に回転自在且つ軸線方向
へ移動可能に嵌め込んでいる。また、軸部10bには軸線
方向に孔10b-1 を設け、下端から押さえロッド10cが工
具切換歯車10と共に軸線方向に移動可能に挿入されてい
る。
一方、作動軸3の上端部は工具切換歯車10の内歯車10a
内に入り込み、上端には従動歯車12を固定してこれを内
歯車10aに噛合されている。そして、作動軸3の上端に
はリング3aによって拘束されるベアリング環3bを介して
圧縮コイルスプリング6の付勢力を上に向け受けてい
る。また、作動軸3の周壁が本体1に設けたピン7に対
応する位置には、保持溝3cが軸線方向に3本設けられ
る。これらの保持溝3cは作動軸3の中心に対して120 度
の角ピッチを持って形成され、ピン7に整合したときこ
のピン7がスプリング7aの付勢力によって保持溝3cの中
に嵌まり込み、本体1に対する作動軸3の姿勢を位置決
めする。
軸方向カム11は、本体1と同軸上として作動部チャンバ
1bの中に固定されるもので、第11図にその詳細を示す。
第11図(a)は平面図及び同図(b)は一部切欠正面図であ
り、工具切換歯車10が回転可能に挿通する孔11aを開け
ると共に、上面にはカム部11b及び下面にはベアリング
受座11cを凹状に形成している。カム部11bは、第11図
(c)に示すように山部11d及び谷部11eを所定の角ピッ
チで形成したプロフィルを持っている。また、外周には
2個の突起11fを半径方向に突き出し、これを本体1の
回部1dに挿入することにより、軸方向カム11は作動部チ
ャンバ1b内で軸線方向に移動可能に組み込まれる。更
に、ベアリング受座11cにはベアンリング環11gを納
め、これを工具切換歯車10との間に介装することによっ
てこの工具切換歯車10を回転可能としている。
ここで、作動軸3,工具切換歯車10及び軸方向カム11
は、それぞれ独立した部材であるが、これらひずれも本
体1の中で軸線方向に移動可能である。すなわち、軸方
向カム11は外周に設けた突起11fを本体1の凹部1dに挿
入しているので、凹部1dの軸線方向の長さに対応したス
トロークで軸線方向に移動可能である。そして、この軸
方向カム11にベアリング11gを介装して連接された工具
切換歯車10は作動部チャンバ1bの中で軸線方向に移動可
能であり、またこの移動に伴って作動軸3は押さえロッ
ド10cにより圧下されて下に移動する。このように、作
動軸3,工具切換歯車10及び軸方向カム11は一体となっ
て本体1内で軸線方向に移動可能である。
本体1の上端外周には大径のインターナルギヤ13が回転
自在に配置され、本体1に設けた2個の衛星歯車14をこ
れに噛合せている。このインターナルギヤ13の周壁に
は、所定の周方向長さを持ち且つ深さが一様な切欠13a
が形成されている。また、本体1の上端部には、衛星歯
車14に噛み合う外歯車15aを形成した揺動歯車15を組み
込んでいる。揺動歯車15はベアリング環15bを介して工
具切換歯車10の軸部10b周りで回転可能である。一方、
衛星歯車14は第3図に示すように、カップリング2aを本
体1に一体化する締結ボルト14aを軸として回転可能に
取り付けられている。
第12図(a)は揺動歯車15の平面図、同図(b)は一部切欠正
面図であり、中央にベアリング環15bが嵌まり込む孔15
cを開け、上面には環状帯の一部を切欠した平面形状を
持つ軸方向スペーサ15dを形成すると共に、ピン15eを
設けている。また、下面にはリブ15fを設けてこれにロ
ーラ15gを回転可能に取り付けられている。揺動歯車15
の軸方向スペーサ15dとカップリング2aとの間には、ベ
アリング環2c及びプレート2dを介装し、衛星歯車14によ
って揺動歯車15は本体1内で回転可能である。更に、ロ
ーラ15gは半径方向の2個所に設けられ、その位置を軸
方向カム11のカム部11bに合わせている。すなわち、第
11図(c)に示したカム部11bの山部11d及び谷部11eの
上面をローラ15gが同第11図(c)の矢印で示す方向に相
対的に転動するようにし、これらの山部11d及び谷部11
eを通過するときに軸方向カム11を軸線方向に移動させ
る。そして、二つのローラ15gが共に谷部11eに位置し
ているときには、軸方向カム11は最も上に移動した位置
にあり、これは第1図及び第3図の場合に相当してい
る。また、ローラ15gが山部11dにの載るときには、軸
方向カム11は最も下の位置まで移動する。このように、
揺動歯車15を本体1内で軸線方向への移動を伴わずに回
転のみを行うようにすることで、揺動歯車15によって軸
方向カム11をその軸線方向に往復移動させることができ
る。
揺動歯車15の上面には、バイトホルダ4の工具を交換す
るためのインデックス環16とインデックス爪17とが配置
される。インデックス環16は、四角形の孔16a設けてこ
れを工具切換歯車10の軸部10bにこの四角形断面部分に
嵌め込み、工具切換歯車10と一体回転可能とすると共
に、工具切換歯車10が軸線方向に移動できるようにして
いる。また、インデックス環16の周面には複数のラチェ
ット歯16bが形成されている。一方、インデックス爪17
は、揺動歯車15のピン15eの回転可能に枢着されてい
る。そして、第4図に示すように、このインデックス爪
17はスプリング17aによってピン15e周りに付勢され、
インデックス爪17の先端がラチェット歯16bに係合する
ような構成としている。また、本体1には、インデック
ス爪17の基端側に係合して先端がインデックス環16のラ
チェット歯16bから離れる姿勢とするための戻しピン17
bが設けられている。
更に、作動環5の周壁に開口5cを設け、この中に作動爪
18をピン18aによって枢着している。作動爪18は、第5
図に示すように、先端部分をL字状に曲げた平面形状を
持つと共にスプリング18bによって付勢され、本体1の
カム8及びインターナルギヤ13の周面に同時に当接する
ように配置される。そして、インターナルギヤ13の切欠
13aの中に嵌まり込んだときには、このインターナルギ
ヤ13の回転を拘束可能である。
作動軸3の先端に一体化されるバイトホルダ4は、第2
図に示すように3本の異なるバイトB−1,B−2,B
−3を着脱自在に備えている。これらのバイトB−1,
B−2,B−3は、バイトホルダ4に120 度の角ピッチ
で設けた3本の装着溝4b〜4dに装着されている。また、
バイトホルダ4は、第1図に示すように本体1の下端に
嵌め込まれ、その上端部が作動軸3の外周に嵌合して一
体化されている。そして、バイトを交換するときには、
作動軸3と一体となって本体1の中で回転可能であり、
任意のバイトを切削可能な位置に設定する構成を持つ。
このようなバイトホルダ4の回転に対し、本体1との位
置決めを行うためのキー溝4aが設けられ、この中に本体
1のキー9が嵌まり込むことにより、バチオホルダ4を
本体1に一体化する。なお、キー溝4aはバイトB−1,
B−2,B−3の本数に合わせて、第13図の平面図に示
すように120 度の角ピッチで3個所に形成されている。
第14図は、作動環5からバイトホルダ4までの連動系を
示す斜視図であり、既に説明したように作動環5内に回
転可能に配置したインターナルギヤ13,衛星歯車14,揺
動歯車15及び軸方向カム11が連動して作動軸3をその軸
線方向に移動させる系を持っている。また、インデック
ス環16及びインデックス爪17は工具切換歯車10を回転駆
動し、作動軸3を介してバイトホルダ4を回転させる。
そして、このような作動軸3の回転及び軸線方向への移
動は、互いに連動して行われ、キー溝4aからキー9が抜
け出るまで作動軸3を軸線方向に押出した後、インデッ
クス環16及びインデックス爪17の作動によって作動軸3
を120 度回転させ、その後再び別のキー溝4aにキー9を
嵌まり込ませてバイトホルダ4を作動軸3に一体化させ
る。このような動作によって、第15図に示すように、3
本のバイトB−1,B−2,B−3の内のいずれか任意
のものを切削可能な位置に設定できる。以上の動作を以
下に説明する。
第16図は、バイトを交換するときの作動環5に対する各
部材の作動を示す縦断面図である。作動環5はその位置
決めロッド5bをマシニングセンタの固定座に環め込むこ
とによって固定され、常に静止状態を保っている。
第16図(a)は、マシニングセンタに装着した状態であっ
て、主軸の回転によってアタッチメント全体を回転さ
せ、切削位置にあるバイトによって孔ぐり加工が可能な
状態である。このとき、インターナルギヤの切欠13aの
周方向の端部13a−1と本体1のカム8の端部8aとはほ
ぼ一致している。また、インデックス爪17はその基端部
を本体1に設けた戻しピン17bに係合した位置にあり、
その先端はインデックス環16のラチェット歯車16bから
離れている。
ここで主軸を逆転させると、本体1及びこれに組み込ん
だインターナルギヤ13が一体となって作動環5の中で図
中の矢印方向へ回転する。このとき、インターナルギヤ
13は本体1と一体回転するので、噛み合ってみる衛星歯
車14は回転せず、揺動歯車15も同様に回転はしない。
主軸の逆転によって本体1が回転を続けると、第16図
(b)のように作動爪18部分に切欠13a及びカム8のそれ
ぞれの端部13a−1,8aとが同時に到達する。そして、
作動爪18はスプリング18bの付勢力によって径が次第に
小さくなっていくプロフィルを持つカム8の周面にガイ
ドされ、インターナルギヤ13の切欠13aの中に入り込
む。この後、本体1及びインターナルギヤ13が更に回転
すると、作動爪18の先端が切欠13aの周方向の端部13a
−2に突き当たり、インターナルギヤ13は作動爪18によ
ってロックされ、本体1のみが回転を続ける。インター
ナルギヤ13のロック停止の後には、本体1に設けた衛星
歯車14は、本体1は回転を続けインターナルギヤ13は停
止していることから、反時計方向に回転を始める。
衛星歯車14に噛合している揺動歯車15は、この衛星歯車
14の回転によって同図(b)の矢印方向の回転を始める。
そして、基端部を戻しピン17bによって拘束されていた
インデックス爪17は、揺動歯車15の回転に伴ってこの戻
しピン17bから離れ、スプリング17aによってその先端
側がインデックス環16のラチェット歯16bに係合可能と
なる。
第16図(c)はこのインデックス爪17の先端がラチェット
歯16bに係合した直後の状態を示し、揺動歯車15は回転
開始から45度の角度回転している。このとき、揺動歯車
15のローラ15gは第11図(c)で示したように、谷部11e
から上レベルの山部11dへ相対的に移動し、レベル差分
だけ軸方向カム11は第1図において下降する。したがっ
て、軸方向カム11にベアリング環11gによって連接され
ている工具切換歯車10も軸方向カム11と共に下降し、作
動軸3も同様に下に移動する。この動作によって作動軸
3が本体1の下端から突き出るようになり、第14図のよ
うにバイトホルダ4のキー溝4aと本体1のキー9とが外
れる。その結果、バイトホルダ4を含めて作動軸3は本
体1に対して回転可能となる。なお、第17図及び第18図
に作動軸3が下に移動したときの縦断面図を示し、第19
図,第20図及び第21図に第17図の各矢視位置による横断
面図を示す。
第16図(c)の状態から更に主軸が回転すると、第16図(d)
のようにインデックス環16がインデックス爪17によって
回転させられ、これに伴って工具切換歯車10も反時計方
向に回転する。この工具切換歯車10の回転は、従動歯車
12を介して作動軸3に伝達され、その先端に取り付けて
いるバイトホルダ4を回転させる。
ここで、インデックス環16及びインデックス爪17による
作動軸3の回転角度は120 度に設定される。このような
設定は、第16図(c),(d)に示す揺動歯車15の回転開始か
ら完了するまでの揺動歯車15の回転角度に基づいて行わ
れる。すなわり、第16図(c)では動作爪18はカム8の小
径部分の領域に含まれているので、作動爪18は切欠13a
の端部13a-2に係合しており、インターナルギヤ13は静
止している。このため、本体の回転に伴ってインデック
ス爪17とインデックス環16との係合により、作動軸3は
回転を続ける。そして、第16図(d)のように本体1が回
転してカム8の端部8bに作動爪18が当たるようになる
と、作動爪18は切欠13aから抜け出でる。その結果、第
16図(a)の場合と同様にインターナルギヤ13は本体1と
一体になって回転し、衛星歯車14は回転を停止すると同
時に作動軸3もその回転が止まる。したがって、インデ
ックス環16のラチェット歯車16bにインデックス爪17が
係合した直後から、作動爪18が切欠13aから抜け出るま
でに作動軸3が120 度回転できるように、インターナル
ギヤ13,揺動歯車15の外歯車15a,工具切換歯車15の内
歯車10a及び従動歯車12に歯数を設定しておけばよい。
たとえばこれらの歯車の歯数の比は80:48:28:24とす
る等である。
以上の作動軸3の回転によって、たとえば第15図(a)の
位置関係にある各バイトB-1,B-2,B-3が、同図(b)のよう
に変化する。また、同図(b)から同図(c)及び同図(c)か
ら同図(a)への位置の変化も同様に可能である。そし
て、作動軸3は本体1に対して偏心量eだけ偏心してい
るので、作動軸3の回転によって設定されるバイトは、
第15図に示すように右を向いた姿勢としたときに本体1
の周壁よりも外側に突き出すことができる。なお、作動
軸3が120 度回転したときには、ピン7が保持溝3cの中
に嵌まり込み、本体1内で作動軸の回転を拘束する。こ
のため、作動環5等の連動によって回転する作動軸3
は、最終的にはピン7と保持溝3cによって位置決めされ
る。
ここで、第16図(d)の状態から更に本体1か回転して動
作爪18は切欠13aの中に入り込んでも、本体1のカム8
と切欠13aとは同図(d)に示す関係で回転するので、作
動爪18がインターナルギヤ13をロックすることはない。
つまり、図示のように、切欠13aに対応する部分のカム
8の端部8bは作動爪18を切欠13から抜き出すようにガイ
ドし、本体1が何回転してもインターナルギヤ13の回転
が停止することはない。このため、揺動歯車15やインデ
ックス環16及びインデックス爪17による作動軸の軸線方
向への移動や回転は一切行われない。したがって、マシ
ニングセンタの主軸を正確に120 度回転させてバイトの
交換を行う必要はなく、マニュアル操作でも、作動爪18
が一旦切欠13aの中に嵌まり込み再びこれから抜け出る
までの過程が可能な範囲の回転角度とすれば簡単に操作
可能である。
以上のバイトの回転による切削位置への設定までの操作
が終わると、再び作動軸3を本体1内に納めるように作
動させる。第16図(e)は、主軸の逆転を停止したときの
状態を示すもので、同図(d)でも説明したように、カム
8の端部8aと切欠13aの端部13a-2とほぼ一致し、切欠
13に作動爪18が係合しないようになっている。なお、前
記のように主軸を任意の角度で停止できるので、作動環
5に対する本体1やインターナルギヤ13の姿勢は図示の
例に限られるものではないことは無論である。
この第16図(e)において、主軸を正転させると、本体1
が図中の矢印方向へ回転する。この場合、第16図(a)と
同様にインターナルギヤ13は本体1と一体になって回転
するので、衛星歯車14は回転せず、したがって作動軸3
は第16図(d)で設定された本体1に対する相対回転角度
のまま保持される。
そして、主軸が更に正転してゆくと、作動爪18がカム8
の小径部分にガイドされ、第16図(f)のようにインター
ナルギヤ13の切欠13aに嵌まり込んでインターナルギヤ
13をロックする。このため、衛星歯車14が回転を始め、
第16図(b)とは逆向きに揺動歯車15を回転させ、第11図
(c)おいてカム部11bの山部11dの位置していたローラ1
5gが谷部11e方向へ移動する。その結果、軸方向カム1
1は作動部チャンバ1b内を上昇し、作動軸3も本体1内
を上昇する。更に、主軸が正転すると、第16図(g)のよ
うに摺動歯車15が回転を続け、インデックス爪17の基
端部が戻しピン17bに係合し、先端がラチェット歯16b
から離れるようになる。
このような主軸の正転の間に、作動軸3は本体1内を上
昇し、キー9に別のキー溝4aが嵌まり込み、本体1とバ
イトホルダ4とが一体化される。
そして、更に主軸が正転すると、第16図(h)のようにイ
ンデックス爪17が完全にインデックス環16から離れ、カ
ム8の端部8aにガイドされて作動爪18が切欠13aから抜
け出る。この状態で主軸を正転させると、作動爪18は一
旦切欠13aの中に嵌まり込むが、カム8の端部8aにガイ
ドされて切欠13aから抜け出る。このため、主軸を正転
させて切削加工する場合、本体1や作動環5等を手で操
作したりすることなく、直ぐに孔ぐり用の切削具として
ライン中で稼働させることが可能となる。
また、バイトホルダ4に設けるバイトB-1,B-2,B-3をそ
れぞれ異なったものとすれば、孔の加工径も異なったも
のに設定できる。すなわち、第15図に示すように、各バ
イトB-1,B-2,B-3はその刃先が半径方向に突き出ている
ので、この半径方向の突き出し量が異なるものとすれ
ば、刃先の先端位置を変えることができる。したがっ
て、たとえば3本のバイトB-1,B-2,B-3をそれぞれ粗削
り,中削り及び仕上げ加工用のものとし、その刃先の先
端を仕上げ加工用のものが最も半径方向に突き出るよう
にし、中削り及び粗削り用のものは順に突き出しを小さ
くしておけば、バイトホルダ4を交換するこなく、孔ぐ
り加工が可能となる。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明の孔ぐり工具用アタッチ
メントにおいては、マシニングセンタ等の主軸の逆転及
び正転に連動してバイトホルダをその軸線方向に進退さ
せたり軸線周りに回転させることで、必要とするバイト
を切削位置に設定するようにしている。このため、一つ
のバイトが摩耗しても、アタッチメントを主軸から取り
外すことなく他のものと簡単に交換でき、しかも主軸の
逆転及び正転を利用するので、交換作業も短くなる。し
たがって、稼動率の向上及び生産性の向上が図れ、マシ
ニングセンタ等に付属すれば、連続無人運転も可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のアタッチメントを示す縦断面図、第2
図は底面図、第3図は第2図のI−I線矢視による断面
図、第4図から第9図はそれぞれ第3図のII−II線,II
I−III線,IV−IV線,V−V線,VI−VI線及びVII−VII
線矢視による横断面図、第10図は全体の分解斜視図、第
11図(a)は軸方向カムの平面図、同図(b)は一部切欠正面
図、同図(c)はカム部の展開図、第12図(a)は揺動歯車の
平面図、同図(b)縦断面図、第13図はバイホルダの平面
図、第14図は作動環からバイトホルダまでの連動系の斜
視図、第15図はバイトホルダの底面図、第16図は作動環
に対する各部材の動きを示す横断面図、第17図及び第18
図は作動軸を突き出したときの縦断面図、第19図,第20
図及び第21図はそれぞれ第17図のVIII−VIII線,IX−IX
線及びX−X線矢視による断面図である。 1:本体、1a:収納チャンバ 1b:作動部チャンバ、1c:穴 1d:凹部、1e:開口 2:シャンク、2a:カップリング 2b:接続ボルト、2c:ベアリング環 2d:プレート、3:作動軸 3a:リング、3b:ベアリング環 3c:保持溝、4:バイトホルダ 4a:キー溝、4b〜4d:装着溝 5:作動環、5a:ニードルベアリング 5b:位置決めロッド、5c:開口 6:圧縮コイルスプリング 7:ピン、7a:スプリング 7b:保持ビス、8:カム 8a,8b:端部、9:キー 10:工具切換歯車、10a:内歯 10b:軸部、10b-1:孔 10c:押えロッド、11:軸方向カム 11a:孔、11b:カム部 11c:ベアリング受座、11d:山部 11e:谷部、11f:突起 11g:ベアリング環、12:従動歯車 13:インターナルギヤ 13a:切欠、13a−1,2:端部 14:衛星歯車、14a:締結ボルト 15:揺動歯車、15a:外歯車 15b:ベアリング環、15c:孔 15d:軸方向スペーサ 15e:ピン、15f:リブ 15g:ローラ、16:インデックス環 16a:孔、16b:ラチェット歯 17:インデックス爪、17a:スプリング 17b:戻しピン、18:作動爪 18a:ピン、18b:スプリング

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マシニングセンタ等の主軸に着脱されるシ
    ャンクを一体化した本体と、 該本体を回転自在に支持し前記主軸に対して絶対静止す
    る作動環と、 前記本体と偏心して設けられ該本体内で軸線回りに回転
    可能且つ軸線方向に移動可能であって前記主軸側に向け
    て弾性付勢された作動軸と、 該作動軸の先端に連結された放射状に複数のバイトを装
    着したバイトホルダと、 前記作動環の内部であって前記本体の外周に回転自在に
    同軸配置され該本体に備えた衛星歯車に噛合するインタ
    ーナルギヤと、 前記作動環に連接され前記インターナルギヤの外周面及
    び前記本体の周面に形成したカムに同時に突き当たる方
    向に弾性付勢され且つ前記インターナルギヤの周方向の
    一部に設けた切欠に係合して該インターナルギヤの回転
    を拘束する作動爪と、 前記本体の内部に固定され前記バイトホルダを向く面と
    反対側の面にカム部を形成した環状の軸方向カムと、 前記衛星歯車に噛合し且つ前記軸方向カムのカム部に当
    接して該軸方向カムを前記作動軸のバイトホルダ側に圧
    下する環状の揺動歯車と、 前記本体と同軸上に配置され一端に前記作動軸の一端に
    備える従動歯車と噛合する内歯車を形成すると共に前記
    軸方向カム及び揺動歯車を貫通する軸部を備えた工具切
    換歯車と、 前記工具切換歯車の軸部に対して回転方向のみの係合関
    係を持つインデックス環及びインデックス環の週面にラ
    チェット係合可能であって前記主軸の逆回転のときに前
    記インデックス環を回転駆動するインデックス爪とを備
    え、 前記主軸の逆回転時には、前記本体の回転に伴う前記カ
    ムの変位によって前記作動爪を前記インターナルギヤの
    切欠に係合させて該インターナルギヤの回転を拘束可能
    とすると共に、前記衛星歯車から前記揺動歯車への回転
    の伝達によって、前記軸方向カムによる前記作動軸の先
    端方向の移動及びこれに続く前記インデックス環の回転
    駆動を可能としたことを特徴とする孔ぐり工具用アタッ
    チメント。
JP63187125A 1988-07-26 1988-07-26 孔ぐり工具用アタッチメント Expired - Lifetime JPH0653326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63187125A JPH0653326B2 (ja) 1988-07-26 1988-07-26 孔ぐり工具用アタッチメント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63187125A JPH0653326B2 (ja) 1988-07-26 1988-07-26 孔ぐり工具用アタッチメント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0236005A JPH0236005A (ja) 1990-02-06
JPH0653326B2 true JPH0653326B2 (ja) 1994-07-20

Family

ID=16200553

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63187125A Expired - Lifetime JPH0653326B2 (ja) 1988-07-26 1988-07-26 孔ぐり工具用アタッチメント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0653326B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6011706U (ja) * 1983-07-06 1985-01-26 共立精機株式会社 中ぐりロツドの工具自動調整装置
JPH0144254Y2 (ja) * 1984-10-17 1989-12-21

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0236005A (ja) 1990-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0310442B2 (ja)
JPH078090Y2 (ja) 面取り機
JPH078087Y2 (ja) 面取り機
US6532849B1 (en) Complex tool
JPH0653326B2 (ja) 孔ぐり工具用アタッチメント
US4369007A (en) Fly cutter tool
JP2002137132A (ja) 工具の刃先位置決め機構
JPS5950446B2 (ja) 撓み型バイトホルダ調整装置
JPS5856103Y2 (ja) 切削加工機のダイヘッド
WO2018038276A1 (ja) 位置補正機能付き作業機械及びその位置補正方法。
JPS5937182B2 (ja) 切削工具における切刃交換装置
US4607550A (en) Turning machine for machining crankshafts
CN211387870U (zh) 加工中心组合式换刀臂
JPS5828446A (ja) 工作機械の刃具交換装置
JPS6338969Y2 (ja)
JP2562796Y2 (ja) 回転工具における工具駆動軸の位置決め装置
JPS6119881Y2 (ja)
JP6902691B2 (ja) 位置補正機能付き作業機械。
JPH0753842Y2 (ja) 刃先位置調整可能な中ぐり工具
SU1158300A1 (ru) Расточна головка
JPH06137345A (ja) 一方向クラッチ及び該一方向クラッチを利用した工作機械の割り出し装置
JPS6157148B2 (ja)
JPH0224584Y2 (ja)
TWM613748U (zh) 銑孔攻牙一體式刀具
JPH0222162Y2 (ja)