JPH0753842Y2 - 刃先位置調整可能な中ぐり工具 - Google Patents
刃先位置調整可能な中ぐり工具Info
- Publication number
- JPH0753842Y2 JPH0753842Y2 JP1989056387U JP5638789U JPH0753842Y2 JP H0753842 Y2 JPH0753842 Y2 JP H0753842Y2 JP 1989056387 U JP1989056387 U JP 1989056387U JP 5638789 U JP5638789 U JP 5638789U JP H0753842 Y2 JPH0753842 Y2 JP H0753842Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tool
- ratchet
- ratchet wheel
- pawl
- moving member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は刃先位置調整可能な中ぐり工具に関するもので
あり、特に、刃先位置の正逆両方向の調整を可能にする
技術に関するものである。
あり、特に、刃先位置の正逆両方向の調整を可能にする
技術に関するものである。
従来の技術 刃先位置調整の可能な中ぐり工具として、例えば、実開
昭63−67003号に記載されたものがある。これは、
(イ)軸方向に延びる嵌合穴を備えるとともに、後部に
おいて工作機械の回転軸に取り付けられる工具本体と、
(ロ)有底円筒状を成し、前記嵌合穴に回転可能かつ軸
方向移動不能に嵌合されるとともに底部の軸心から外れ
た部分において軸方向に平行な軸心を有するピニオンお
よびそのピニオンと同心かつ一体的なラチェットホイー
ルを備えた外筒と、(ハ)後橋部外周面の一部に前記ピ
ニオンと噛み合うギヤを備えた軸部と前記外筒の内側に
嵌合される円筒部とを備えるとともに、その円筒部の外
周面と内周面とが偏心している偏心スリーブと、(ニ)
前記ラチェットホイールに係合する爪を備え、前記外筒
の円周方向に往復移動可能に前記工具本体に保持された
移動部材と、(ホ)前記偏心スリーブの円筒部の内側に
嵌合される円形断面の軸部を備え、前記工具本体の前部
によりさらに前方に突出した部分において刃具を保持す
る刃具保持部材と、(ヘ)その刃具保持部材の前記工具
本体に対する半径方向の相対移動を許容しつつ相対回転
は阻止する相対回転阻止手段とを含むように構成され
る。
昭63−67003号に記載されたものがある。これは、
(イ)軸方向に延びる嵌合穴を備えるとともに、後部に
おいて工作機械の回転軸に取り付けられる工具本体と、
(ロ)有底円筒状を成し、前記嵌合穴に回転可能かつ軸
方向移動不能に嵌合されるとともに底部の軸心から外れ
た部分において軸方向に平行な軸心を有するピニオンお
よびそのピニオンと同心かつ一体的なラチェットホイー
ルを備えた外筒と、(ハ)後橋部外周面の一部に前記ピ
ニオンと噛み合うギヤを備えた軸部と前記外筒の内側に
嵌合される円筒部とを備えるとともに、その円筒部の外
周面と内周面とが偏心している偏心スリーブと、(ニ)
前記ラチェットホイールに係合する爪を備え、前記外筒
の円周方向に往復移動可能に前記工具本体に保持された
移動部材と、(ホ)前記偏心スリーブの円筒部の内側に
嵌合される円形断面の軸部を備え、前記工具本体の前部
によりさらに前方に突出した部分において刃具を保持す
る刃具保持部材と、(ヘ)その刃具保持部材の前記工具
本体に対する半径方向の相対移動を許容しつつ相対回転
は阻止する相対回転阻止手段とを含むように構成され
る。
移動部材の往復移動によりラチェットホイールが回転
し、それに伴うピニオンの回転がギヤを介して偏心スリ
ーブの回転に変換されるようになっているのであり、ピ
ニオン,ギヤ,偏心スリーブおよび相対回転阻止手段
が、ラチェットホイールの回転を刃具の刃先位置の調
整、すなわち刃具の工具本体の半径方向の移動に変換す
る運動変換装置として機能するのである。
し、それに伴うピニオンの回転がギヤを介して偏心スリ
ーブの回転に変換されるようになっているのであり、ピ
ニオン,ギヤ,偏心スリーブおよび相対回転阻止手段
が、ラチェットホイールの回転を刃具の刃先位置の調
整、すなわち刃具の工具本体の半径方向の移動に変換す
る運動変換装置として機能するのである。
この中ぐり工具は、移動部材を一定量移動させることに
よって刃先位置を一定微小量ずつ調整し得るため、作業
者が調整を行う場合に、必要量の調整を確実に行うこと
ができ、また、流体圧シリンダを移動部材に作用させ、
あるいは中ぐり工具を移動させることによって静止部材
を移動部材に作用させる等により、自動的に刃先位置の
調整を行うことも容易となる。
よって刃先位置を一定微小量ずつ調整し得るため、作業
者が調整を行う場合に、必要量の調整を確実に行うこと
ができ、また、流体圧シリンダを移動部材に作用させ、
あるいは中ぐり工具を移動させることによって静止部材
を移動部材に作用させる等により、自動的に刃先位置の
調整を行うことも容易となる。
刃先位置調整の可能な中ぐり工具にはさらに、刃具を保
持する刃具保持部材を工具本体の半径方向に弾性変形さ
せて刃先位置を変更するものがある。この種の中ぐり工
具は、例えば、(a)軸方向に延びる嵌合穴を備えると
ともに、後部において工作機械の回転軸に取り付けら
れ、前部において刃具保持部材を介して刃具を保持する
工具本体と、(b)後端部外周面の一部におねじ部を備
え、前記嵌合穴に軸方向移動可能かつ回転不能に嵌合さ
れたロッドと、(c)前記工具本体に回転可能かつ軸方
向移動不能に保持され、内周面に前記おねじ部と螺合す
るめねじ部が形成されるとともに外周面にラチェット歯
を備えたラチェットホイールと、(d)前記ラチェット
歯に係合する爪を備え、前記ラチェットホイールの外周
面に対する接線にほぼ平行な方向に往復移動可能に前記
工具本体に保持された移動部材と、(e)その移動部材
を前記爪が前記ラチェット歯を乗り越える後退方向に付
勢する付勢手段と、(f)前記工具本体に前記嵌合穴か
ら半径方向に延びて前記刃具保持部材に達する状態で形
成された保持穴、その保持穴に摺動可能に保持された摺
動部材、および前記ロッドの前端部に軸方向に傾斜して
形成され、ロッドの前記軸方向移動に伴って前記摺動部
材を半径方向外向きに押し出し、前記刃具保持部材を弾
性変形させて前記刃具の刃先位置を変更する傾斜面を含
む刃先位置変更手段とを含むように構成される。
持する刃具保持部材を工具本体の半径方向に弾性変形さ
せて刃先位置を変更するものがある。この種の中ぐり工
具は、例えば、(a)軸方向に延びる嵌合穴を備えると
ともに、後部において工作機械の回転軸に取り付けら
れ、前部において刃具保持部材を介して刃具を保持する
工具本体と、(b)後端部外周面の一部におねじ部を備
え、前記嵌合穴に軸方向移動可能かつ回転不能に嵌合さ
れたロッドと、(c)前記工具本体に回転可能かつ軸方
向移動不能に保持され、内周面に前記おねじ部と螺合す
るめねじ部が形成されるとともに外周面にラチェット歯
を備えたラチェットホイールと、(d)前記ラチェット
歯に係合する爪を備え、前記ラチェットホイールの外周
面に対する接線にほぼ平行な方向に往復移動可能に前記
工具本体に保持された移動部材と、(e)その移動部材
を前記爪が前記ラチェット歯を乗り越える後退方向に付
勢する付勢手段と、(f)前記工具本体に前記嵌合穴か
ら半径方向に延びて前記刃具保持部材に達する状態で形
成された保持穴、その保持穴に摺動可能に保持された摺
動部材、および前記ロッドの前端部に軸方向に傾斜して
形成され、ロッドの前記軸方向移動に伴って前記摺動部
材を半径方向外向きに押し出し、前記刃具保持部材を弾
性変形させて前記刃具の刃先位置を変更する傾斜面を含
む刃先位置変更手段とを含むように構成される。
特公昭59−50446号公報に記載の中ぐり工具は、その一
例である。この中ぐり工具の工具本体内には、ロッドが
嵌合され、ロッドのおねじ部にラチェットホイールが螺
合されるとともに、揺動アームの一端部が工具本体の軸
線に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられてい
る。揺動アームの他端部には、爪保持アームの一端部が
揺動アームの回動軸線に平行な軸線まわりに回動可能に
取り付けられている。爪保持アームはラチェット歯に噛
み合う爪を有して移動部材として機能し、工具本体との
間に配設されたスプリングにより、爪がラチェット歯を
乗り越える後退方向に付勢されている。
例である。この中ぐり工具の工具本体内には、ロッドが
嵌合され、ロッドのおねじ部にラチェットホイールが螺
合されるとともに、揺動アームの一端部が工具本体の軸
線に平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられてい
る。揺動アームの他端部には、爪保持アームの一端部が
揺動アームの回動軸線に平行な軸線まわりに回動可能に
取り付けられている。爪保持アームはラチェット歯に噛
み合う爪を有して移動部材として機能し、工具本体との
間に配設されたスプリングにより、爪がラチェット歯を
乗り越える後退方向に付勢されている。
また、工具本体にはカムリングが相対回転可能に嵌合さ
れている。カムリングの内周面には、カムリングの中心
線に向かって突出したカム突起が設けられている。揺動
アームにはカム突起に係合する係合突部が設けられてお
り、爪保持アームを介して加えられるスプリングの付勢
力により、係合突部がカム突起に係合するようにされて
いる。
れている。カムリングの内周面には、カムリングの中心
線に向かって突出したカム突起が設けられている。揺動
アームにはカム突起に係合する係合突部が設けられてお
り、爪保持アームを介して加えられるスプリングの付勢
力により、係合突部がカム突起に係合するようにされて
いる。
主軸を回転可能に保持する主軸ヘッドには係止棒が設け
られており、刃先位置の調整時には、係止棒がカムリン
グに係合させられてカムリングの回転が阻止される。こ
の状態で主軸が回転させられ、揺動アームに設けられた
係合突部が主軸の1回転当たり1回カム突起に係合し、
揺動アームおよび爪保持アームが回動させられて、爪が
ラチェット歯に係合し、ラチェットホイールを回転させ
る。それによりロッドが前進させられ、摺動部材が傾斜
面により工具本体から半径方向外向きに押し出され、押
し出された摺動部材が刃具保持部材を弾性変形させるこ
とによって刃先位置が調整される。ラチェットホイール
に形成されためねじ部,おねじ部を備えたロッドおよび
摺動部材により、ラチェットホイールの回転を刃具の工
具本体の半径方向の移動に変換する運動変換装置が構成
されているのである。
られており、刃先位置の調整時には、係止棒がカムリン
グに係合させられてカムリングの回転が阻止される。こ
の状態で主軸が回転させられ、揺動アームに設けられた
係合突部が主軸の1回転当たり1回カム突起に係合し、
揺動アームおよび爪保持アームが回動させられて、爪が
ラチェット歯に係合し、ラチェットホイールを回転させ
る。それによりロッドが前進させられ、摺動部材が傾斜
面により工具本体から半径方向外向きに押し出され、押
し出された摺動部材が刃具保持部材を弾性変形させるこ
とによって刃先位置が調整される。ラチェットホイール
に形成されためねじ部,おねじ部を備えたロッドおよび
摺動部材により、ラチェットホイールの回転を刃具の工
具本体の半径方向の移動に変換する運動変換装置が構成
されているのである。
このように、工具本体に、ロッドと、そのロッドの後端
部において移動部材の往復移動をロッドの回転に変換す
るためのラチェットホイールとを螺合し、ラチェットホ
イールの回転によりロッドを移動させて刃先位置を変更
するようにすれば、嵌合穴の直径を小さくし得、工具本
体の肉厚を厚くすることができる。しかも、刃具に切削
抵抗が作用していない状態においても、刃具保持部材は
それ自身の弾性力で摺動部材に密着し、さらに摺動部材
およびロッド前端部を工具保持体の嵌合穴内周面に押し
付けているため、切削抵抗が作用した場合にも刃具の刃
先位置は殆ど変わらない。中ぐり工具全体の刃具支持剛
性を高くし得るのであり、加工精度が向上し、あるいは
重切削が可能となる利点がある。
部において移動部材の往復移動をロッドの回転に変換す
るためのラチェットホイールとを螺合し、ラチェットホ
イールの回転によりロッドを移動させて刃先位置を変更
するようにすれば、嵌合穴の直径を小さくし得、工具本
体の肉厚を厚くすることができる。しかも、刃具に切削
抵抗が作用していない状態においても、刃具保持部材は
それ自身の弾性力で摺動部材に密着し、さらに摺動部材
およびロッド前端部を工具保持体の嵌合穴内周面に押し
付けているため、切削抵抗が作用した場合にも刃具の刃
先位置は殆ど変わらない。中ぐり工具全体の刃具支持剛
性を高くし得るのであり、加工精度が向上し、あるいは
重切削が可能となる利点がある。
考案が解決しようとする課題 前記特公昭59−50446号公報に記載の中ぐり工具は、刃
具を刃先の摩耗につれて工具本体の半径方向外向きに移
動させ得るのみ、すなわち正方向の刃先位置調整を行い
得るのみで、逆方向の調整を行い得ないものである。
具を刃先の摩耗につれて工具本体の半径方向外向きに移
動させ得るのみ、すなわち正方向の刃先位置調整を行い
得るのみで、逆方向の調整を行い得ないものである。
それに対して、前記実開昭63−67003号に記載された中
ぐり工具には、前記ラチェットホイール,爪,移動部材
等が2組設けられて、正方向の刃先位置調整も逆方向の
刃先位置調整も可能とされている。しかし、ラチェット
ホイールが正方向調整用と逆方向調整用との2個設けら
れており、それらラチェットホイールの回転が、各ラチ
ェットホイールと一体的に回転する各ピニオンにより共
通のギヤに伝達されるようになっており、構造が複雑で
あって小型化が困難である。
ぐり工具には、前記ラチェットホイール,爪,移動部材
等が2組設けられて、正方向の刃先位置調整も逆方向の
刃先位置調整も可能とされている。しかし、ラチェット
ホイールが正方向調整用と逆方向調整用との2個設けら
れており、それらラチェットホイールの回転が、各ラチ
ェットホイールと一体的に回転する各ピニオンにより共
通のギヤに伝達されるようになっており、構造が複雑で
あって小型化が困難である。
本考案は、特公昭59−50446号公報や実開昭63−67003号
公報に記載された種類の中ぐり工具、すなわち、軸方
向に延びる嵌合穴を備えるとともに、後部において工作
機械の回転軸に取り付けられ、前部において刃具保持部
材を介して刃具を保持する工具本体と、その工具本体
の嵌合穴内に回転可能に配設され、外周面にラチェット
歯を備えたラチェットホイールと、前記ラチェット歯
に係合する爪を備え、ラチェットホイールの外周面に対
する接線にほぼ平行な方向に往復移動可能に前記工具本
体に保持された移動部材と、その移動部材を前記爪が
前記ラチェット歯を乗り越える後退方向に付勢する付勢
手段と、前記工具本体の嵌合穴内に配設され、前記ラ
チェットホイールの回転を前記刃具保持部材に保持され
た刃具の工具本体の半径方向の移動に変換する運動変換
装置とを含む刃先位置調整可能の中ぐり工具において、
刃先位置の正逆位置の正逆両方向の調整を簡単な構成で
この可能とすることを課題として為されたものである。
公報に記載された種類の中ぐり工具、すなわち、軸方
向に延びる嵌合穴を備えるとともに、後部において工作
機械の回転軸に取り付けられ、前部において刃具保持部
材を介して刃具を保持する工具本体と、その工具本体
の嵌合穴内に回転可能に配設され、外周面にラチェット
歯を備えたラチェットホイールと、前記ラチェット歯
に係合する爪を備え、ラチェットホイールの外周面に対
する接線にほぼ平行な方向に往復移動可能に前記工具本
体に保持された移動部材と、その移動部材を前記爪が
前記ラチェット歯を乗り越える後退方向に付勢する付勢
手段と、前記工具本体の嵌合穴内に配設され、前記ラ
チェットホイールの回転を前記刃具保持部材に保持され
た刃具の工具本体の半径方向の移動に変換する運動変換
装置とを含む刃先位置調整可能の中ぐり工具において、
刃先位置の正逆位置の正逆両方向の調整を簡単な構成で
この可能とすることを課題として為されたものである。
課題を解決するための手段 そして、第一の考案の要旨は、上記工具本体,ラチ
ェットホイール,爪を備えた移動部材,付勢手段お
よび運動変換装置を含む刃先位置調整可能な中ぐり工
具において、上記ラチェットホイールを共通のラチェッ
トホイールとして上記移動部材を2個、それぞれの爪と
共通のラチェットホイールのラチェット歯との係合によ
るラチェットホイールの回転方向が互いに逆向きになる
状態で設けるとともに、2個の移動部材の各爪のそれぞ
れについて、移動部材の後退方向の移動時に爪が少なく
とも1個のラチェット歯を乗り越えた後にその爪をラチ
ェット歯から離脱した位置に保つ爪離脱位置保持装置を
設けたことにある。
ェットホイール,爪を備えた移動部材,付勢手段お
よび運動変換装置を含む刃先位置調整可能な中ぐり工
具において、上記ラチェットホイールを共通のラチェッ
トホイールとして上記移動部材を2個、それぞれの爪と
共通のラチェットホイールのラチェット歯との係合によ
るラチェットホイールの回転方向が互いに逆向きになる
状態で設けるとともに、2個の移動部材の各爪のそれぞ
れについて、移動部材の後退方向の移動時に爪が少なく
とも1個のラチェット歯を乗り越えた後にその爪をラチ
ェット歯から離脱した位置に保つ爪離脱位置保持装置を
設けたことにある。
第二の考案の要旨は、中ぐり工具を、さらに、工具本体
の外周面に回転可能に嵌合され、ラチェットホイールと
回転伝達可能に連携させられた操作リングを含むものと
したことにある。
の外周面に回転可能に嵌合され、ラチェットホイールと
回転伝達可能に連携させられた操作リングを含むものと
したことにある。
作用 第一の考案に係る中ぐり工具において、2個の移動部材
のうちの一方が付勢手段の付勢力に抗して前進させられ
れば、その一方に備えられた爪によりラチェットホイー
ルが回転させられ、その回転が運動変換装置により変換
されることによって、刃具保持部材に保持された刃具の
刃先が半径方向外向きに移動させられる。また、他方の
移動部材が前進させられれば、ラチェットホイールが上
記一方の移動部材の移動時とは逆向きに回転させられ、
刃先が半径方向内向きに移動させられる。
のうちの一方が付勢手段の付勢力に抗して前進させられ
れば、その一方に備えられた爪によりラチェットホイー
ルが回転させられ、その回転が運動変換装置により変換
されることによって、刃具保持部材に保持された刃具の
刃先が半径方向外向きに移動させられる。また、他方の
移動部材が前進させられれば、ラチェットホイールが上
記一方の移動部材の移動時とは逆向きに回転させられ、
刃先が半径方向内向きに移動させられる。
刃先位置の調整時には、これら2個の移動部材が択一的
に前進させられる。一方の移動部材の移動による刃先位
置の調整時には、他方の移動部材の爪は爪離脱位置保持
装置によってラチェット歯から離脱した位置に保たれて
おり、ラチェットホイールの回転を妨げることがない。
2個の移動部材が1個のラチェットホイールを共用する
場合、一方の移動部材の移動による刃先位置の調整的に
他方の移動部材に設けられた爪がラチェット歯に係合し
ていれば、一方の移動部材が前進してラチェットホイー
ルを回転させようとするとき、ラチェット歯が他方の移
動部材の爪に係合しており、かつ、他方の移動部材は付
勢手段により後退端位置に保たれていてそれ以上後退で
きず、ラチェットホイールの回転を妨げる。それに対
し、他方の移動部材の爪がラチェット歯から離脱した位
置に保たれていれば、ラチェットホイールの回転が妨げ
られることはなく、2個の移動部材を択一的に移動さ
せ、刃先位置を工具本体の半径外向きにも内向きにも調
整することができる。
に前進させられる。一方の移動部材の移動による刃先位
置の調整時には、他方の移動部材の爪は爪離脱位置保持
装置によってラチェット歯から離脱した位置に保たれて
おり、ラチェットホイールの回転を妨げることがない。
2個の移動部材が1個のラチェットホイールを共用する
場合、一方の移動部材の移動による刃先位置の調整的に
他方の移動部材に設けられた爪がラチェット歯に係合し
ていれば、一方の移動部材が前進してラチェットホイー
ルを回転させようとするとき、ラチェット歯が他方の移
動部材の爪に係合しており、かつ、他方の移動部材は付
勢手段により後退端位置に保たれていてそれ以上後退で
きず、ラチェットホイールの回転を妨げる。それに対
し、他方の移動部材の爪がラチェット歯から離脱した位
置に保たれていれば、ラチェットホイールの回転が妨げ
られることはなく、2個の移動部材を択一的に移動さ
せ、刃先位置を工具本体の半径外向きにも内向きにも調
整することができる。
移動部材は、自動で移動させてもよく、手動で移動させ
てもよい。自動で移動させる場合、例えば、流体圧シリ
ンダのピストンロッドにより直接あるいは他部材を介し
て間接的に移動部材を前進させ、あるいは中ぐり工具を
移動させることによって静止部材を移動部材に作用させ
る。手動で移動させる場合、例えば、作業者が工具を用
いて移動部材を前進させる。
てもよい。自動で移動させる場合、例えば、流体圧シリ
ンダのピストンロッドにより直接あるいは他部材を介し
て間接的に移動部材を前進させ、あるいは中ぐり工具を
移動させることによって静止部材を移動部材に作用させ
る。手動で移動させる場合、例えば、作業者が工具を用
いて移動部材を前進させる。
第二の考案に係る中ぐり工具においては、操作リングを
回転させればラチェットホイールが回転させられ、ロッ
ドが移動させられて刃先位置が変更される。このとき、
2個の移動部材の爪はいずれも爪離脱位置保持装置によ
ってラチェット歯から離脱した位置に保持されており、
操作リングの回転によるラチェットホイールの回転を妨
げることはない。操作リングの回転方向,回転量を換え
ることにより、刃先位置を正逆いずれの方向にも任意の
量調整することができる。
回転させればラチェットホイールが回転させられ、ロッ
ドが移動させられて刃先位置が変更される。このとき、
2個の移動部材の爪はいずれも爪離脱位置保持装置によ
ってラチェット歯から離脱した位置に保持されており、
操作リングの回転によるラチェットホイールの回転を妨
げることはない。操作リングの回転方向,回転量を換え
ることにより、刃先位置を正逆いずれの方向にも任意の
量調整することができる。
効果 このように第一の考案によれば、刃先位置を正逆いずれ
の方向にも調整することができ、調整精度の高い中ぐり
工具を得ることができる。しかも、2個の移動部材が1
個のラチェットホイールを共用しており、中ぐり工具を
簡単な構成で安価に提供することが可能となる。
の方向にも調整することができ、調整精度の高い中ぐり
工具を得ることができる。しかも、2個の移動部材が1
個のラチェットホイールを共用しており、中ぐり工具を
簡単な構成で安価に提供することが可能となる。
第二の考案によれば、第一の考案の効果に加えて、操作
リングを作業者が手動で回転させることにより刃先位置
を調整することができ、手動による刃先位置の調整を極
めて容易に行うことが可能になる。
リングを作業者が手動で回転させることにより刃先位置
を調整することができ、手動による刃先位置の調整を極
めて容易に行うことが可能になる。
実施例 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
る。
第1図において、10は中ぐり工具の工具本体である。工
具本体10は軸方向に延びる嵌合穴12を備えた本体部14
と、その後部において図示しない工作機械の回転主軸に
取り付けられる取付部16とから成っている。取付部16は
後端へ向かう程直径が減少するテーパ軸状の部材であ
り、ボトルネック18の外周面に一対の係合切欠20が形成
され、この係合切欠20と工作機械側の係合部との係合に
より回転主軸との相対回転が防止されるようになってい
る。また、取付部16の中心には軸方向に延びる段付の貫
通穴22が形成されており、後端にプルスタッド24が取り
付けられている。取付部16の貫通穴22は前端に向かうほ
ど直径が大きくされており、その前端側開口に本体部14
の後端に形成されて小径部26が嵌合され、本体部14の端
面28と取付部16の端面30とが密着させられた状態で4本
のボルト32(第1図には破線で1本のみ示す)により結
合されている。この状態では嵌合穴12と貫通穴22とが同
心的に連通させられる。
具本体10は軸方向に延びる嵌合穴12を備えた本体部14
と、その後部において図示しない工作機械の回転主軸に
取り付けられる取付部16とから成っている。取付部16は
後端へ向かう程直径が減少するテーパ軸状の部材であ
り、ボトルネック18の外周面に一対の係合切欠20が形成
され、この係合切欠20と工作機械側の係合部との係合に
より回転主軸との相対回転が防止されるようになってい
る。また、取付部16の中心には軸方向に延びる段付の貫
通穴22が形成されており、後端にプルスタッド24が取り
付けられている。取付部16の貫通穴22は前端に向かうほ
ど直径が大きくされており、その前端側開口に本体部14
の後端に形成されて小径部26が嵌合され、本体部14の端
面28と取付部16の端面30とが密着させられた状態で4本
のボルト32(第1図には破線で1本のみ示す)により結
合されている。この状態では嵌合穴12と貫通穴22とが同
心的に連通させられる。
本体部14は、前端部において第2図に示すように3対の
刃具保持部材34,36,38を保持している。刃具保持部材3
4,36,38は、それぞれチップ40,42,44を保持しており、
本体部14の直径方向に隔たった2箇所に取り付けられた
チップ40,42が中仕上げ加工を、それらチップ40,42から
90度隔たったチップ44が仕上げ加工を行うものとされて
いる。本実施例においては、後に詳述するように、チッ
プ44の刃先位置調整が行われるようになっている。本体
部14には、第1図に示すように、各チップ40,42,44へ切
削液を供給するためのクーラント穴46が形成されてお
り、各スペーサ48の貫通穴50を通って各刃具保持部材3
4,36,38の連通孔52と連通させられている。
刃具保持部材34,36,38を保持している。刃具保持部材3
4,36,38は、それぞれチップ40,42,44を保持しており、
本体部14の直径方向に隔たった2箇所に取り付けられた
チップ40,42が中仕上げ加工を、それらチップ40,42から
90度隔たったチップ44が仕上げ加工を行うものとされて
いる。本実施例においては、後に詳述するように、チッ
プ44の刃先位置調整が行われるようになっている。本体
部14には、第1図に示すように、各チップ40,42,44へ切
削液を供給するためのクーラント穴46が形成されてお
り、各スペーサ48の貫通穴50を通って各刃具保持部材3
4,36,38の連通孔52と連通させられている。
本体部14の嵌合穴12内にはロッド54が嵌合されている。
ロッド54は中央部に軸方向に延び、クーラント穴46に連
通するクーラント穴56を備えている。ロッド54の後端部
は貫通穴22内へ嵌入させられており、クーラント穴56の
後端部に形成されためねじ部58に、貫通穴22側から挿通
された中空のボルト60の先端部が螺合されている。ボル
ト60は貫通穴22内においてスプリング62により取付部16
の後端側へ付勢されているため、ロッド54全体が工具本
体10の後端側(第1図において右側)へ付勢されてい
る。また、ロッド54の中央部には長穴64が形成されてお
り、本体部14に固定されたキー部材66の先端が長穴64と
係合させらることにより、ロッド54の嵌合穴12内での回
転が防止されている。
ロッド54は中央部に軸方向に延び、クーラント穴46に連
通するクーラント穴56を備えている。ロッド54の後端部
は貫通穴22内へ嵌入させられており、クーラント穴56の
後端部に形成されためねじ部58に、貫通穴22側から挿通
された中空のボルト60の先端部が螺合されている。ボル
ト60は貫通穴22内においてスプリング62により取付部16
の後端側へ付勢されているため、ロッド54全体が工具本
体10の後端側(第1図において右側)へ付勢されてい
る。また、ロッド54の中央部には長穴64が形成されてお
り、本体部14に固定されたキー部材66の先端が長穴64と
係合させらることにより、ロッド54の嵌合穴12内での回
転が防止されている。
ロッド54の後端部が外周面にはおねじ部68が形成されて
いる。おねじ部68は、第3図に示すようにリード角23°
の4条のねじ山69を備えており、ナット70の内周面に形
成されためねじ部71と螺合されている。ナット70は貫通
穴22の前部近傍に回転可能かつ軸方向の移動不能に嵌合
されており、軸方向に隔たった2箇所に、外周面にラチ
ェット歯72が形成されたラチェットホイール部73と、外
周面に歯が形成されたギヤ部75とを備えている。
いる。おねじ部68は、第3図に示すようにリード角23°
の4条のねじ山69を備えており、ナット70の内周面に形
成されためねじ部71と螺合されている。ナット70は貫通
穴22の前部近傍に回転可能かつ軸方向の移動不能に嵌合
されており、軸方向に隔たった2箇所に、外周面にラチ
ェット歯72が形成されたラチェットホイール部73と、外
周面に歯が形成されたギヤ部75とを備えている。
第3図に示すように、ラチェットホイール部73のラチェ
ット歯72には移動部材76の爪78が係合されている。移動
部材76は、取付部16の弦に沿って形成された案内穴80内
に挿入されている。案内穴80と貫通穴22とは部分的に干
渉し合っており、貫通穴22内のラチェットホイール部73
の一部が案内穴80に臨むようにされている。移動部材76
の前端に形成された軸方向穴77の底部と案内穴80の底部
との間にはスプリング82が配設され、常には移動部材76
を後退端位置(第3図において左端位置)に付勢してい
る。移動部材76にはそれを一直径上において貫通する長
穴84が形成され、その長穴84に取付部16に固定のピン86
が挿入されることによって、移動部材76の回転が防止さ
れるとともに、軸方向の移動範囲が規定されている。ま
た、移動部材76の外周面には、その軸心に平行かつ軸方
向に所定の長さをもって平面部88が形成され、そこに設
けられた軸方向の溝90内に爪78が設けられているのであ
る。爪78は移動部材76に固定のピン92によってラチェッ
ト歯72を含む平面内で回動可能に支持されている。爪78
は、その頭部がスプリング94によってラチェット歯72側
に付勢される一方、ピン92を挟んで反対側の端部が、溝
90の底部から突出する図示しない調整ボルトに当接させ
られている。この調整ボルトは爪78がラチェット歯72と
最適な状態で係合できるように調節されるものである。
爪78のピン92を挟んで頭部とは反対側の端部の溝90の底
面側の面には、ピン92から遠ざかるほど溝90の底面から
離れる向きに傾斜する係合面95が形成されている。移動
部材76がスプリング82により付勢されて後退端位置へ移
動させられた状態では、係合面95がピン86に係合し、斜
面の作用により爪78がラチェット歯72から離脱した位置
に保たれている。ピン86および係合面95が爪離脱位置保
持装置を構成しているのである。
ット歯72には移動部材76の爪78が係合されている。移動
部材76は、取付部16の弦に沿って形成された案内穴80内
に挿入されている。案内穴80と貫通穴22とは部分的に干
渉し合っており、貫通穴22内のラチェットホイール部73
の一部が案内穴80に臨むようにされている。移動部材76
の前端に形成された軸方向穴77の底部と案内穴80の底部
との間にはスプリング82が配設され、常には移動部材76
を後退端位置(第3図において左端位置)に付勢してい
る。移動部材76にはそれを一直径上において貫通する長
穴84が形成され、その長穴84に取付部16に固定のピン86
が挿入されることによって、移動部材76の回転が防止さ
れるとともに、軸方向の移動範囲が規定されている。ま
た、移動部材76の外周面には、その軸心に平行かつ軸方
向に所定の長さをもって平面部88が形成され、そこに設
けられた軸方向の溝90内に爪78が設けられているのであ
る。爪78は移動部材76に固定のピン92によってラチェッ
ト歯72を含む平面内で回動可能に支持されている。爪78
は、その頭部がスプリング94によってラチェット歯72側
に付勢される一方、ピン92を挟んで反対側の端部が、溝
90の底部から突出する図示しない調整ボルトに当接させ
られている。この調整ボルトは爪78がラチェット歯72と
最適な状態で係合できるように調節されるものである。
爪78のピン92を挟んで頭部とは反対側の端部の溝90の底
面側の面には、ピン92から遠ざかるほど溝90の底面から
離れる向きに傾斜する係合面95が形成されている。移動
部材76がスプリング82により付勢されて後退端位置へ移
動させられた状態では、係合面95がピン86に係合し、斜
面の作用により爪78がラチェット歯72から離脱した位置
に保たれている。ピン86および係合面95が爪離脱位置保
持装置を構成しているのである。
移動部材76には二点鎖線で示す入力部材96が当接させら
れるようになっており、入力部材96がエアシリンダのピ
ストンロッド等、図示しない駆動部材により前進させら
れると、移動部材76がスプリング82の付勢力に抗して、
案内穴80の底面に当接するまで前進させられる。その過
程で、爪78がラチェット歯72に係合して、ナット70を第
3図において反時計方向に1ピッチ分の角度回転させ
る。移動部材76の後退時には、爪78はナット70を回転さ
せない。また、取付部16には、ナット70を挟んで移動部
材76と対称な位置に案内穴98が形成され、移動部材76と
同様な移動部材100が挿入されており、入力部材101によ
り移動部材100を往復移動させればナット70が逆方向、
すなわち時計方向に回転させられる。移動部材100に、
移動部材76におけると同様に回動可能に取り付けられた
爪がラチェット歯72に係合してナット70を回転させるの
である。この爪は、移動部材76に取り付けられた爪78と
同様に、爪に形成された係合面とピン86とを含む爪離脱
位置保持装置により、移動部材100がスプリング82によ
り付勢されて後退端位置へ移動させられた状態では、ラ
チェット歯72から離脱した位置に保たれている。
れるようになっており、入力部材96がエアシリンダのピ
ストンロッド等、図示しない駆動部材により前進させら
れると、移動部材76がスプリング82の付勢力に抗して、
案内穴80の底面に当接するまで前進させられる。その過
程で、爪78がラチェット歯72に係合して、ナット70を第
3図において反時計方向に1ピッチ分の角度回転させ
る。移動部材76の後退時には、爪78はナット70を回転さ
せない。また、取付部16には、ナット70を挟んで移動部
材76と対称な位置に案内穴98が形成され、移動部材76と
同様な移動部材100が挿入されており、入力部材101によ
り移動部材100を往復移動させればナット70が逆方向、
すなわち時計方向に回転させられる。移動部材100に、
移動部材76におけると同様に回動可能に取り付けられた
爪がラチェット歯72に係合してナット70を回転させるの
である。この爪は、移動部材76に取り付けられた爪78と
同様に、爪に形成された係合面とピン86とを含む爪離脱
位置保持装置により、移動部材100がスプリング82によ
り付勢されて後退端位置へ移動させられた状態では、ラ
チェット歯72から離脱した位置に保たれている。
一方、ギヤ部75はピニオン102と噛み合わされている。
ピニオン102は取付部16に設けられたノックピン104に支
持されており、取付部16の外周面に嵌合された調整リン
グ106のインタナルギヤ部とも噛み合わされている。調
整リング106の外周面には目盛110が刻まれており、作業
者が調整リング106を手で回すことによってもナット70
が回転させられるようになっている。したがって、移動
部材100の往復移動あるいは調整リング106の時計方向の
回転によりロッド54が前進させられ、移動部材76の往復
移動あるいは調整リング106の反時計方向の回転により
ロッド54が後退させられる。
ピニオン102は取付部16に設けられたノックピン104に支
持されており、取付部16の外周面に嵌合された調整リン
グ106のインタナルギヤ部とも噛み合わされている。調
整リング106の外周面には目盛110が刻まれており、作業
者が調整リング106を手で回すことによってもナット70
が回転させられるようになっている。したがって、移動
部材100の往復移動あるいは調整リング106の時計方向の
回転によりロッド54が前進させられ、移動部材76の往復
移動あるいは調整リング106の反時計方向の回転により
ロッド54が後退させられる。
前記刃具保持部材38は、本体部14の外周面に形成された
凹部113内に収容されるとともに、後部が一対のボルト1
12により本体部14に固定されており、中央の刃具保持部
114が前方へ長く突出している。チップ44はこの刃具保
持部114に刃先が本体部14の外周面より突出する状態で
固定されており、刃具保持部114の後端部にはスペーサ4
8側へ開口した切欠116が長手方向に直角な方向に形成さ
れている。また、刃具保持部114の前端部には調整ねじ1
18が螺合されている。調整ねじ118の先端は、本体部14
の保持穴120に摺動可能に保持された摺動部材122の一端
に当接させられている。保持穴120は、本体部14の嵌合
穴12から半径方向に延び、スペーサ48を貫通して刃具保
持部材38へ達しており、摺動部材122が保持穴120内を摺
動して嵌合穴12側へも刃具保持部材38側へも突出可能と
されている。
凹部113内に収容されるとともに、後部が一対のボルト1
12により本体部14に固定されており、中央の刃具保持部
114が前方へ長く突出している。チップ44はこの刃具保
持部114に刃先が本体部14の外周面より突出する状態で
固定されており、刃具保持部114の後端部にはスペーサ4
8側へ開口した切欠116が長手方向に直角な方向に形成さ
れている。また、刃具保持部114の前端部には調整ねじ1
18が螺合されている。調整ねじ118の先端は、本体部14
の保持穴120に摺動可能に保持された摺動部材122の一端
に当接させられている。保持穴120は、本体部14の嵌合
穴12から半径方向に延び、スペーサ48を貫通して刃具保
持部材38へ達しており、摺動部材122が保持穴120内を摺
動して嵌合穴12側へも刃具保持部材38側へも突出可能と
されている。
ロッド54の前端部は、第2図に示すように、ほぼ軸方向
に切り欠かれ、その切欠部の中央に突条130が形成され
ている。突条130の頂面132は前方へ向かうほど軸心に接
近する斜面とされている。この突条130にはシュー134が
係合させられている。シュー134は中央部に突条130と係
合する溝136を備え、前端に、本体部14の前端面に係合
して軸方向の移動を防止する係合片138を備えている。
また、シュー134の頂面には硬質の合金材が埋め込まれ
た当接部140が形成されており、摺動部材122の一端が当
接させられるようになっている。
に切り欠かれ、その切欠部の中央に突条130が形成され
ている。突条130の頂面132は前方へ向かうほど軸心に接
近する斜面とされている。この突条130にはシュー134が
係合させられている。シュー134は中央部に突条130と係
合する溝136を備え、前端に、本体部14の前端面に係合
して軸方向の移動を防止する係合片138を備えている。
また、シュー134の頂面には硬質の合金材が埋め込まれ
た当接部140が形成されており、摺動部材122の一端が当
接させられるようになっている。
したがって、ロッド54が前進させられれば、突条130の
頂面132がシュー134を介して摺動部材122を押し、摺動
部材122が保持穴120内を摺動して刃具保持部材38を弾性
変形させることにより、チップ44の刃先が工具本体10の
半径方向外向き、つまりプラス方向に移動させられる。
また、ロッド54が後退させられれば、刃具保持部材38が
自身の弾性力により元の位置に復帰し、刃先が半径方向
内向き、つまりマイナス方向に移動させられる。すなわ
ち、本実施例においては、保持穴120,摺動部材122,突条
130,シユー134等が刃先位置変更手段を構成しているの
である。なお、摺動部材122と刃具保持部材38との相対
の位置は調整ねじ118を操作することにより調整するこ
とができる。
頂面132がシュー134を介して摺動部材122を押し、摺動
部材122が保持穴120内を摺動して刃具保持部材38を弾性
変形させることにより、チップ44の刃先が工具本体10の
半径方向外向き、つまりプラス方向に移動させられる。
また、ロッド54が後退させられれば、刃具保持部材38が
自身の弾性力により元の位置に復帰し、刃先が半径方向
内向き、つまりマイナス方向に移動させられる。すなわ
ち、本実施例においては、保持穴120,摺動部材122,突条
130,シユー134等が刃先位置変更手段を構成しているの
である。なお、摺動部材122と刃具保持部材38との相対
の位置は調整ねじ118を操作することにより調整するこ
とができる。
本体部14の前端にはダンパ142の入れられたケース144が
ボルト146により固定されている。ダンパ142は切削抵抗
に伴う工具本体10の振動を減衰させるためのものであ
る。ケース144は本体部14と共同して、係合片138を半径
方向には移動可能であるが軸方向には実質的に移動不能
に挟み、シュー134の軸方向の移動を阻止する役割を果
たす。
ボルト146により固定されている。ダンパ142は切削抵抗
に伴う工具本体10の振動を減衰させるためのものであ
る。ケース144は本体部14と共同して、係合片138を半径
方向には移動可能であるが軸方向には実質的に移動不能
に挟み、シュー134の軸方向の移動を阻止する役割を果
たす。
以上のように構成された中ぐり工具において、工具本体
10の取付部16が工作機械の回転主軸に固定され、工具が
回転させられることにより、チップ40,42および44によ
り中ぐり加工が行われる。このとき、プルスタッド24の
軸方向穴から貫通穴22,ボルト32の内部,クーラント穴5
6,46を経て各チップ40,42,44に切削液が供給される。
10の取付部16が工作機械の回転主軸に固定され、工具が
回転させられることにより、チップ40,42および44によ
り中ぐり加工が行われる。このとき、プルスタッド24の
軸方向穴から貫通穴22,ボルト32の内部,クーラント穴5
6,46を経て各チップ40,42,44に切削液が供給される。
中ぐり加工時にチップ44に作用する切削抵抗の半径方向
の成分は、刃具保持部材38,調整ねじ118,摺動部材122,
シュー134およびロッド54の前端部を介して本体部14の
嵌合穴12の内周面に受けられ、周方向の成分は、刃具保
持部材38を介して本体部14の凹部113の側面で受けられ
る。チップ44の刃先位置の微調整を行う場合には、入力
部材101を任意の回数駆動すればプラス方向に、入力部
材96を駆動すればマイナス方向に任意の量だけ変更する
ことができる。入力部材101または96を駆動すれば、移
動部材100または76が移動して爪78およびラチェットホ
イール部73を介してナット70を一定角度回転させ、おね
じ部68およびめねじ部71の作用でロッド54が進退させら
れ、摺動部材122が進退させられて、チップ44の刃先位
置が変更されるのである。
の成分は、刃具保持部材38,調整ねじ118,摺動部材122,
シュー134およびロッド54の前端部を介して本体部14の
嵌合穴12の内周面に受けられ、周方向の成分は、刃具保
持部材38を介して本体部14の凹部113の側面で受けられ
る。チップ44の刃先位置の微調整を行う場合には、入力
部材101を任意の回数駆動すればプラス方向に、入力部
材96を駆動すればマイナス方向に任意の量だけ変更する
ことができる。入力部材101または96を駆動すれば、移
動部材100または76が移動して爪78およびラチェットホ
イール部73を介してナット70を一定角度回転させ、おね
じ部68およびめねじ部71の作用でロッド54が進退させら
れ、摺動部材122が進退させられて、チップ44の刃先位
置が変更されるのである。
移動部材76,100のうち、一方の移動部材の移動時に他方
の移動部材の爪78は爪離脱位置保持装置によってラチェ
ット歯72から離脱した位置に保たれており、一方の移動
部材の移動による刃先位置の調整を他方の移動部材が妨
げることがない。
の移動部材の爪78は爪離脱位置保持装置によってラチェ
ット歯72から離脱した位置に保たれており、一方の移動
部材の移動による刃先位置の調整を他方の移動部材が妨
げることがない。
刃先位置は、作業者が調整リング106を手で回すことに
よっても調整することができる。調整リング106を回転
させれば、ピニオン102,ギヤ部75を介してナット70が回
転させられ、ロッド54が進退させられて刃先位置が変更
される。調整リング106の回転方向を変えることによ
り、刃先位置の移動方向を変えることができ、調整時に
は、作業者は目盛り110を見ながら調整リング106を適宜
の方向に適宜の量回転させる。調整リング106の操作に
よる刃先位置の調整時には、2個の移動部材76,100は後
退端位置にあって爪78がラチェット歯72から離脱した位
置に保たれており、調整リング106の回転によるナット7
0の回転を妨げることがない。
よっても調整することができる。調整リング106を回転
させれば、ピニオン102,ギヤ部75を介してナット70が回
転させられ、ロッド54が進退させられて刃先位置が変更
される。調整リング106の回転方向を変えることによ
り、刃先位置の移動方向を変えることができ、調整時に
は、作業者は目盛り110を見ながら調整リング106を適宜
の方向に適宜の量回転させる。調整リング106の操作に
よる刃先位置の調整時には、2個の移動部材76,100は後
退端位置にあって爪78がラチェット歯72から離脱した位
置に保たれており、調整リング106の回転によるナット7
0の回転を妨げることがない。
以上、本考案の一実施例を説明したが、シュー134とは
別の部材を介して摺動部材を傾斜面に当接させてもよ
く、あるいはシュー134を省略して傾斜面を直接摺動部
材に当接させる等、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で、本考案を実施することができ
る。
別の部材を介して摺動部材を傾斜面に当接させてもよ
く、あるいはシュー134を省略して傾斜面を直接摺動部
材に当接させる等、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で、本考案を実施することができ
る。
第1図は本考案の一実施例である中ぐり工具を示す正面
断面図である。第2図は第1図のII−II断面図であり、
第3図は第1図のIII−III断面図である。 10:工具本体、12:嵌合穴 14:本体部、16:取付部 38:刃具保持部材、44:チップ 54:ロッド、68:おねじ部 70:ナット、71:めねじ部 72:ラチェット歯、76:移動部材 78:爪、100:移動部材 120:保持穴、122:摺動部材 130:突条、132:頂面
断面図である。第2図は第1図のII−II断面図であり、
第3図は第1図のIII−III断面図である。 10:工具本体、12:嵌合穴 14:本体部、16:取付部 38:刃具保持部材、44:チップ 54:ロッド、68:おねじ部 70:ナット、71:めねじ部 72:ラチェット歯、76:移動部材 78:爪、100:移動部材 120:保持穴、122:摺動部材 130:突条、132:頂面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 鈴木 岳彦 愛知県豊田市吉原町平子26番地 富士精工 株式会社内 (72)考案者 藤田 勉 東京都港区浜松町2丁目4番1号 株式会 社日平トヤマ内 (72)考案者 岩見 栄輝 東京都港区浜松町2丁目4番1号 株式会 社日平トヤマ内 (56)参考文献 実開 昭63−67003(JP,U) 特公 昭59−50446(JP,B2) 特公 昭51−3438(JP,B2)
Claims (2)
- 【請求項1】軸方向に延びる嵌合穴を備えるとともに、
後部において工作機械の回転軸に取り付けられ、前部に
おいて刃具保持部材を介して刃具を保持する工具本体
と、 その工具本体の嵌合穴内に回転可能に配設され、外周面
にラチェット歯を備えたラチェットホイールと、 前記ラチェット歯に係合する爪を備え、前記ラチェット
ホイールの外周面に対する接線にほぼ平行な方向に往復
移動可能に前記工具本体に保持された移動部材と、 その移動部材を前記爪が前記ラチェット歯を乗り越える
後退方向に付勢する付勢手段と、 前記工具本体の嵌合穴内に配設され、前記ラチェットホ
イールの回転を前記刃具保持部材に保持された刃具の工
具本体の半径方向の移動に変換する運動変換装置とを含
む刃先位置調整可能な中ぐり工具において、 前記ラチェットホイールを共通のラチェットホイールと
して前記移動部材を2個、それぞれの爪と共通のラチェ
ットホイールのラチェット歯との係合によるラチェット
ホイールの回転方向が互いに逆向きになる状態で設ける
とともに、2個の移動部材の各爪のそれぞれについて、
移動部材の後退方向の移動時に爪が少なくとも1個のラ
チェット歯を乗り越えた後にその爪をラチェット歯から
離脱した位置に保つ爪離脱位置保持装置を設けたことを
特徴とする刃先位置調整可能な中ぐり工具。 - 【請求項2】前記工具本体の外周面に回転可能に嵌合さ
れ、前記ラチェットホイールと回転伝達可能に連携させ
られた操作リングを含むことを特徴とする請求項1に記
載の刃先位置調整可能な中ぐり工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989056387U JPH0753842Y2 (ja) | 1989-05-16 | 1989-05-16 | 刃先位置調整可能な中ぐり工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1989056387U JPH0753842Y2 (ja) | 1989-05-16 | 1989-05-16 | 刃先位置調整可能な中ぐり工具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02145909U JPH02145909U (ja) | 1990-12-11 |
JPH0753842Y2 true JPH0753842Y2 (ja) | 1995-12-13 |
Family
ID=31580165
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1989056387U Expired - Lifetime JPH0753842Y2 (ja) | 1989-05-16 | 1989-05-16 | 刃先位置調整可能な中ぐり工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753842Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5211627B2 (ja) * | 2007-10-09 | 2013-06-12 | 三菱マテリアル株式会社 | 切削工具 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5950466A (ja) * | 1982-09-17 | 1984-03-23 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 現像器 |
JPS5950446A (ja) * | 1982-09-17 | 1984-03-23 | Seiko Epson Corp | 非晶質感光ドラムの製造方法 |
-
1989
- 1989-05-16 JP JP1989056387U patent/JPH0753842Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02145909U (ja) | 1990-12-11 |
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