JPH0652720A - 絶縁性組成物 - Google Patents

絶縁性組成物

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JPH0652720A
JPH0652720A JP20385392A JP20385392A JPH0652720A JP H0652720 A JPH0652720 A JP H0652720A JP 20385392 A JP20385392 A JP 20385392A JP 20385392 A JP20385392 A JP 20385392A JP H0652720 A JPH0652720 A JP H0652720A
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JP
Japan
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polysiloxane
group
present
inorganic filler
insulating composition
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JP20385392A
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Inventor
Masato Inoue
正人 井上
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐火電線の耐火層や、防災パテ等として用い
る絶縁性組成物に関し、硬化させて用いれば、常温温度
範囲において優れた可撓性を有し、高温にさらされると
焼結し、優れた形態維持特性を有し、かつ、焼結前後に
おいて、優れた破壊電圧値を有する絶縁性組成物を提供
する。 【構成】 ポリシロキサンと、無機充填剤と、式 【化15】 [式中、Z1 、Z2 、Z3 の少なくとも1つは、親水基
または加水分解性の官能基である]で表わされる相溶化
剤とを含む、絶縁性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁性組成物に関し、
特に、耐火電線等の耐火層や、防災パテ等として好適な
絶縁性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】耐高温性に優れた絶縁性組成物には極め
て多種多用なものがある。
【0003】中でも硬化させれば、常温温度範囲ではエ
ラストマー、または、樹脂状物となり、高温環境下にお
いては、セラミックス化し、形態の保持と、前記絶縁性
(耐火性)を保持し得るような絶縁性組成物に対する要
求は強い。
【0004】このような要望に応える絶縁性組成物とし
ては、以下に示す種々のものがある。
【0005】たとえば、特開昭64−56766号公報
には、ポリシロキサンと、タルク粉末と、無機繊維とを
混練してなる絶縁性組成物が知られている。この絶縁性
組成物は、無機繊維を用いることにより、無機繊維の絡
み合い等により、特に、高温環境下において、セラミッ
クス化した後において、機械的強度や靭性の向上を図る
ことにより、優れた形態維持特性を有する。
【0006】また、たとえば、特公平3−28763号
公報には、ポリシロキサンと、無機充填剤と、チタンカ
ップリング剤およびシランカップリング剤とから選ばれ
る濡れ角度減少剤とを混練してなる絶縁性組成物が知ら
れている。この耐火性組成物は、チタンカップリング剤
またはシランカップリング剤を用いることにより、混練
時に無機充填剤をポリシロキサン中に均一に分散させる
ことにより、押出加工性に優れるとともに、高温環境下
においては、セラミックス化した後において破壊電圧の
向上を図っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
64−56766号公報記載の絶縁性組成物は、高温環
境下におけるセラミックス化後の状態における形態維持
特性については考慮しているものの、硬化させて、常温
温度範囲において、エラストマー状にして用いる際の可
撓性や、常温温度範囲における破壊電圧値がなお、満足
すべきものではなく、かつ、高温環境下におけるセラミ
ックス化後の状態における破壊電圧値もなお、満足すべ
きものではない。
【0008】また、特公平3−28763号公報記載の
絶縁性組成物は、押出加工性に優れているものの、硬化
させて、常温温度範囲において、エラストマー状にして
用いる際の可撓性や、常温温度範囲における破壊電圧値
がなお、満足すべきものではなく、かつ、高温環境下に
おけるセラミックス化後の状態における破壊電圧値もな
お、満足すべきものではない。
【0009】本発明は、上記した問題を解決するために
なされたものであって、硬化させて用いた場合、常温温
度範囲において、優れた可撓性を有し、かつ、常温温度
範囲において、優れた破壊電圧値を有し、かつ、高温環
境下において、セラミックス化した後の状態において
も、すぐれた形態維持特性と、優れた破壊電圧値を有す
る絶縁性組成物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従う絶縁性組成
物は、ポリシロキサンと、無機充填剤と、式
【0011】
【化2】
【0012】[式中、Z1 、Z2 、Z3 の少なくとも1
つは、親水基、または、加水分解性の官能基である]で
表わされる相溶化剤とを含む。
【0013】
【作用】ポリシロキサンに充填する無機充填剤は、ポリ
シロキサンの補強、加熱時の難燃性、焼結前後における
電気絶縁性や、焼結後における形態維持に重要な成分で
ある。
【0014】また、ポリシロキサンは、常温温度範囲に
おいて、本発明に従う絶縁性組成物を硬化させて、エラ
ストマー状にして用いる際の可撓性や、本発明に従う絶
縁性組成物の焼結後における形態維持に重要な成分であ
る。
【0015】ところで、絶縁性組成物を硬化させて、エ
ラストマー状にして用いる際に、常温温度範囲において
優れた可撓性を発揮させたり、焼結前後において優れた
破壊電圧値を有し、また、焼結後において、優れた形態
維持特性を発揮させたりするには、ポリシロキサン中に
無機充填剤を均一に分散させる必要がある。
【0016】従来、ポリシロキサン中に無機充填剤を均
一に分散させるためには、シランカップリング剤や、チ
タンカップリング剤が用いられている。
【0017】シランカップリング剤は、一般に、相互に
なじみの悪い無機材料(ガラス、シリカ、金属、粘土な
ど)と有機材料(高分子など)の両者と化学結合できる
官能基を持つ有機珪素化合物であり、式
【0018】
【化3】
【0019】[式中、R1 およびR2 はアルキル基、ビ
ニル基、アクリル基、メタクリル基、エポキシ基、アミ
ノ基、または、その誘導体からなる有機基を示す]の一
般式を持つ。
【0020】シランカップリング剤は、無機材料と、有
機材料の双方と強い化学結合を形成して、無機材料と、
有機材料の材料界面の橋渡しをし、無機材料と、有機材
料の濡れ角度を改善する。
【0021】また、チタンカップリング剤は、一般に相
互に馴染みの悪い無機材料(ガラス、シリカ、金属、粘
度など)と有機材料(高分子など)の両者と化学結合で
きる官能基を持つ有機チタン化合物であり、式
【0022】
【化4】
【0023】[式中、R3 およびR4 は、アルキル基、
または、置換アルキル基を示し、Xはアクリロイル基、
メタクリロイル基、スルホニル基、または、ホスフォリ
ル基を示し、mおよびnは、1〜3の数を示す]の一般
式を持つ。
【0024】チタンカップリング剤も、シランカップリ
ング剤と同様に、無機材料と、有機材料の双方と強い化
学結合を形成して、無機材料と、有機材料の材料界面の
橋渡しをし、無機材料と、有機材料の濡れ角度を改善す
る。
【0025】シランカップリング剤のR1 は、有機質と
はよく反応し、また、チタンカップリング剤のR4 は、
有機質とはよく反応する。
【0026】すなわち、R1 、R4 は、有機質と反応す
るため、C、H、O、N、Cl、Br等の元素で構成さ
れる官能基である。R1 、R4 は、ポリエチレンや、エ
チレン−プロピレンゴム等のゴム等とはよく反応する。
【0027】しかしながら、R1 、R4 は、シロキサン
結合の繰返し単位
【0028】
【化5】
【0029】を主鎖に持つジメチルシリコーンや、メチ
ルフェニルシリコーンや、メチルビニルシリコーン等の
シリコーンゴムのようなポリシロキサンに対しては反応
しない。
【0030】これに対し、本発明に従う絶縁性組成物で
用いる相溶化剤は、上記したように、主鎖にシロキサン
結合
【0031】
【化6】
【0032】を有する。そして、上記相溶化剤の式中、
親水基、または、加水分解性の官能基である、Z1 、Z
2 、Z3 の少なくとも1つが無機充填剤と化学結合を形
成し、相溶化剤の主鎖であるシロキサン結合
【0033】
【化7】
【0034】の繰り返し部
【0035】
【化8】
【0036】が、絶縁性組成物のポリシロキサンと相溶
する。本発明に従う絶縁性組成物は、上記した相溶化剤
を用いることにより、相溶化剤が、無機充填剤と、ポリ
シロキサンの界面の橋渡しをし、無機充填剤と、ポリシ
ロキサンの濡れ角度を改善すると考えられる。
【0037】すなわち、相溶化剤の親水基、または、加
水分解性の官能基である、Z1 、Z 2 、Z3 の少なくと
も1つが、無機充填剤と結合し、相溶化剤の主鎖である
ポリシロキサン
【0038】
【化9】
【0039】が、絶縁性組成物のベースとして用いるポ
リシロキサンと相溶するとにより、ベースとして用いる
ポリシロキサンと無機充填剤の界面の結合が良好となる
結果、本発明に従う絶縁性組成物は、ポリシロキサン中
に、無機充填剤を均一に分散させることができる。
【0040】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を説明する
が、本発明は、これらの実施例により何ら限定されるも
のではない。
【0041】実施例1〜7 表1にその組成が示される14の絶縁性組成物を調整し
た。
【0042】表1において、実施例1〜7は、本発明に
従う絶縁性組成物であり、比較例1〜7は、本発明の範
囲外にある例であり、本発明と比較するために調整した
絶縁性組成物である。
【0043】表1に示す各種材料を調整し、オープンロ
ールにて、通常の方法に従い20分間混練した後、約2
50℃の温度で、10分間プレスして、厚さ約1mm、
幅13cm、長さ17cmのシートを作成した。
【0044】得られたシートを常温で、100V/秒の
割合で昇圧して、シートが絶縁破壊に至った電圧を測定
することにより、破壊電圧値を測定した。
【0045】結果を表1に示す。なお、表1中で使用し
た相溶化剤、PRX413(東レダウコーニング)、B
Y16−848(東レダウコーニング)、X−22−1
70B(信越化学)の化学構造、および、粘度等の製品
特性を以下に説明する。
【0046】PRX413(東レダウコーニング) 式
【0047】
【化10】
【0048】粘度:約90センチストークス(CSt) BY16−848(東レダウコーニング) 式
【0049】
【化11】
【0050】[式中、Rはアルキル基を示す] 粘度:約55センチストークス(CSt) X−22−170B(信越化学) 式
【0051】
【化12】
【0052】[式中、Rはアルキル基を示す] 粘度:約38センチストークス(CSt)
【0053】
【表1】
【0054】表1において、比較例1は、本発明に従う
相溶化剤、または、シランカップリング剤や、チタンカ
ップリング剤を一切用いることなく調整した絶縁性組成
物である。
【0055】また、比較例2〜4は、シランカップリン
グ剤として、メチルトリメトキシシランを用いて調整し
た絶縁性組成物である。
【0056】また、比較例5〜7は、チタンカップリン
グ剤として、イソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ートを用いて調整した絶縁性組成物である。
【0057】表1の結果より明らかなように、実施例1
〜7の破壊電圧値は、22KV/mm〜26KV/mm
といずれも高い値を示した。
【0058】これに対して、相溶化剤、または、シラン
カップリング剤や、チタンカップリング剤を一切用いる
ることなく調整した比較例1は、破壊電圧値は、17K
V/mmと、実施例1〜7よりも低い値を示した。
【0059】また、シランカップリング剤、または、チ
タンカップリング剤を用いた比較例2〜7の破壊電圧値
は、12KV/mm〜16KV/mmであり、いずれも
実施1〜7よりも低い値を示した。
【0060】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う絶縁性組成物は、常温温度範囲での破壊電圧が著し
く向上している。
【0061】実施例8〜14 表2に示す各種材料を調整し、オープンロールにて、常
法に従い20分間混練した後、直径1.35mmの銅線
上に押出被覆し、銅線上に耐火層を形成した。
【0062】次に、この耐火層を有する銅線を、250
℃の温度で1分間加硫して電線を作成した。
【0063】作製した電線を用いて、本発明に従う絶縁
性組成物の常温での可撓性試験、燃焼後の焼結体の形状
維持特性試験、および、外焼結体の破壊電圧値を測定し
た。
【0064】本発明に従う絶縁性組成物の常温温度範囲
における可撓性は、作製した電線を自己径と同径のドラ
ム(直径2.35mm)に巻付け、電線に被覆した絶縁
性組成物の表面に亀裂が認められない場合を良、認めら
れる場合を不良とすることにより評価した。結果を表2
に示す。
【0065】本発明に従う絶縁性組成物の焼結後の焼結
体の形状維持特性試験は、作製した電線をJIS A1
304に規定された加熱曲線に従って、常温から30分
間で840℃まで加熱し、本発明に従う電線の耐火層を
燃焼し、燃焼後の焼結体の表面に亀裂が認められない場
合を良、認められる場合を不良とすることにより評価し
た。結果を表2に示す。
【0066】また、本発明に従う絶縁性組成物の焼結体
の破壊電圧は、上記のようにして、電線を840℃まで
加熱した後、この温度に保持した状態で、100V/秒
の割合で昇圧して、電線に被覆した耐火層が絶縁破壊に
至った電圧を測定することにより評価した。結果を表2
に示す。
【0067】表2において、実施例8〜14は、本発明
に従う絶縁性組成物を耐火層として用いた耐火電線であ
り、比較例8は、本発明に従う相溶化剤、または、シラ
ンカップリング剤や、チタンカップリング剤を一切用い
ることなく調整した絶縁性組成物を銅線に被覆した電線
である。
【0068】また、比較例9〜11は、シランカップリ
ング剤を用いて調整した絶縁性組成物を銅線に被覆した
電線であり、比較例12〜14は、チタンカップリング
剤を用いて調整した絶縁性組成物を銅線に被覆した電線
である。
【0069】
【表2】
【0070】表2の結果より明らかなように、実施例8
〜14は、常温での可撓性試験において、いずれも亀裂
が認められなかった。
【0071】これに対し、比較例では、比較例8〜14
のすべてにおいて亀裂が認められた。
【0072】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う絶縁性組成物は、常温での可撓性が著しく優れてい
る。
【0073】また、表2の結果より明らかなように、実
施例8〜14は、燃焼後の焼結体の形状維持特性試験に
おいて、いずれも亀裂が認められなかった。
【0074】これに対し、比較例では、比較例8〜14
のすべてにおいて亀裂が認められた。
【0075】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う絶縁性組成物は、燃焼後の焼結体の形状維持特性が
著しく優れている。
【0076】また、表2の結果より明らかなように、焼
結体の破壊電圧値は、4.6KV/mm〜5.2KV/
mmといずれも高い値を示した。
【0077】これに対して、比較例8は、破壊電圧値が
2.2KV/mmと、実施例8〜14に比較して半分以
下の低い値を示した。
【0078】また、比較例9〜14の破壊電圧値も、
1.6KV/mm〜2.4KV/mmと実施例8〜14
に比較して約半分、あるいは、半分以下の低い値を示し
た。
【0079】以上の結果から明らかなように、本発明に
従う絶縁性組成物は、高温にさらされて燃焼した場合、
燃焼後の焼結体の破壊電圧が著しく向上している。
【0080】なお、実施例では、本発明に従う相溶化剤
として上記した3種類しか示していないが、式
【0081】
【化13】
【0082】で表わされる構造を持ち、X、Yが水素原
子、アルキル基、フェニル基なる群から選択され、
1 ,Z2 ,Z3 が水酸基、アルコキシル基、−NH2
なる群から選択される相溶化剤を種々用いた場合も同様
の効果が見られた。
【0083】なお、本発明に従う絶縁性組成物に含まれ
るポリシロキサンは、シロキサン結合
【0084】
【化14】
【0085】の繰り返しを主鎖として、シロキサン結合
中のSiの側基として、水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アニル基、または、フェニル基などを持つポリ
シロキサンであればどのようなポリシロキサンであって
も用いることができ、高温加熱により、それ自体セラミ
ックス状になるポリシロキサンであれば特に種類を選ば
ない。
【0086】どのような種類のポリシロキサンを使用す
るかは、用途、目的等に応じて、側基、粘度、重合度等
を調整すればよい。
【0087】たとえば、好ましいポリシロキサンとし
て、ジメチルシリコーン、メチルビニルシリコーン、メ
チルフェニルシリコーンなどのシリコーン樹脂や、シリ
コーンオイル、シリコーンワニス等を用いることができ
る。
【0088】本発明に用いるポリシロキサンは、常温
で、約10〜100000センチストークス(以下、C
Stと記載する)のものであれば好適に用いることがで
きる。
【0089】また、本発明においては、ポリシロキサン
の成分、組成、粘度等によって、必要に応じて、触媒、
加硫剤等を用いてもよい。どのような種類の触媒を使用
するかは、用いるポリシロキサンの成分、組成等、また
は、加硫剤の成分、組成等によっても異なるが、用途、
目的等に応じて決めればよい。このような触媒として、
たとえば、可溶性白金や、有機過酸化物を用いることが
できる。
【0090】また、上記ポリシロキサンに混練する別の
成分である無機充填剤としては、無機粉末や無機繊維等
を用いることができる。
【0091】本発明で用いる無機充填剤は、無機粉末の
みであってもよく、また、無機繊維のみであってもよ
く、また、無機粉末と、無機繊維の双方を含んでもよ
い。
【0092】しかしながら、本発明に従う絶縁性組成物
が、焼結後において優れた形態維持特性や優れた靭性を
有するためには、無機粉末と無機繊維の双方が含まれて
いる方が好ましい。
【0093】本発明で用いる無機充填剤に用いる無機粉
末としては、たとえば、マイカ、ガラス、アスベスト、
アルミナ、マグネシア、ジルコニア、ジルコンサンド、
炭化珪素、窒化珪素、または、窒化アルミナ等の粉末を
使用することができる。どのような種類の無機粉末を使
用するかは、用途、目的等に応じて決めればよい。この
ような無機粉末は天然源からとったものでもよく、ま
た、合成されたものでもよいが、いずれも微粉末状であ
ることが好ましい。また、2種以上の無機粉末を混合し
て使用してもよい。
【0094】また、無機粉末の平均粒子径も、用途、目
的等に応じて異なるが、耐火電線の耐火層として用いる
場合は、通常は、平均粒子径が約0.1μm〜200μ
mのものが好ましい。また、無機粉末の配合割合は、無
機繊維の種類、形態、添加量等、および、無機粉末の種
類、形態等、または、用途、目的等入力寄って異なる
が、耐火電線の耐火層として用いる場合は、通常、ポリ
シロキサン100重量部に対し、約150重量部〜35
0重量部の範囲であることが好ましい。
【0095】無機粉末を約350重量部以上用いた場合
は、混練したときに材料がまとまらないため、たとえ
ば、押出成形時に型崩れしたり、絶縁性組成物中に気泡
を巻き込みやすい。
【0096】また、無機粉末を約150重量部以下の量
で用いた場合は、絶縁性組成物が高温にさらされ、焼結
した場合、焼結後の焼結体の機械的強度や靭性が低下
し、形態維持の点で特性が低下する。
【0097】また、本発明で用いる無機充填剤に用いる
無機繊維としては、たとえば、シリカ−アルミナ繊維、
アルミナ繊維、ジルコニア繊維、炭化珪素繊維等の繊維
を使用することかできる。どのような種類の無機繊維を
使用するかは、用途、目的等に応じて決めればよい。こ
のような無機繊維は、天然からとったものでもよく、ま
た、合成されたものでもよく、また、2種以上の無機繊
維を混合して使用してもよい。
【0098】また、無機繊維の平均繊維長、平均繊維径
も用途、目的等に応じて異なるが、耐火電線の耐火層と
して用いる場合は、通常は、平均繊維長が約5μm〜1
00μmで、平均繊維径が約1μm〜10μmのものが
好ましい。
【0099】また、無機繊維の配合割合は、無機粉末の
種類、形態、添加量等、および、無機繊維の種類、形態
等、または、用途、目的等によって異なるが、耐火電線
の耐火層として用いる場合は、通常ポリシロキサン10
0重量部に対し、約10重量部〜50重量部の範囲であ
ることが好ましい。
【0100】無機繊維を約50重量部異常用いた場合
は、無機繊維のため、絶縁性組成物の表面が荒れ、常温
温度範囲での可撓性が低下する。
【0101】また、無機繊維を約10重量部以下の量で
用いた場合は、絶縁性組成物が高温にさらされ、焼結し
た場合、焼結後の焼結体の機械的強度や靭性が低下し、
形態維持の点で性能が低下する。
【0102】また、上記ポリシロキサンに混練する別の
成分である相溶化剤としては、種々のものを用いること
ができる。
【0103】上記した相溶化剤の一般式におけるZ1
2 、Z3 の少なくとも1つは、上記した一般式の末端
のSiに結合し得る基であって、親水基、または、加水
分解性の官能基であれば特に種類を選ばない。Z1 、Z
2 、Z3 の少なくとも1つとして、以下の場合に限定さ
れることはないが、たとえば、水酸基、メトキシル基、
エトキシル基、−NH2 基、水酸基を含むアルキル基等
を用いることができる。
【0104】Z1 、Z2 、Z3 は、同一の基であって
も、また、相異なる基であってもよい。
【0105】また、上記した一般式中のシロキサン結合
の繰返し単位中のSiに結合する基は、シロキサン結合
中のSiに結合し得る基であれば、特に種類を選ばな
い。
【0106】そのようなものとしては、たとえば、水素
原子、アルキル基、アルケニル基、アリル基、または、
フェニル基等がある。好ましい例としては、たとえば、
水素原子、メチル基、ビニル基、フェニル基等がある。
【0107】また、上記一般式中−SiZ1 2 3
に相対する末基については特に限定されることはない。
【0108】そのような置換基としては、Siに結合し
得る基であれば、いずれの置換基でもよく、親水基、ま
たは疎水基のいずれであってもよい。そのような置換基
としては、たとえば、水素原子、水酸基、アルコキシル
基、アルキル基、アルケニル基、アリル基、またはフェ
ニル基や、その誘導体からなる基を挙げることができ
る。好ましい例としては、水素原子、水酸基の他、メチ
ル基、フェニル基、およびその誘導体からなる有機基
や、−SiZ1 2 3 基等がある。
【0109】このような相溶化剤の具体例としては、前
述した化10,化11,化12に示す化合物等を挙げる
ことができる。
【0110】このような本発明に従う相溶化剤の配合割
合は、ポリシロキサンの種類、粘度等、無機充填剤の種
類、形態、添加量等、および、本発明に従う相溶化剤の
種類等、または、用途、目的等によって異なるが、耐火
電線の耐火層として用いる場合は、通常、ポリシロキサ
ン100重量部に対し約1重量部〜10重量部の範囲で
あることが好ましい。
【0111】本発明に従う相溶化剤を、約10重量部以
上用いた場合は、逆に相溶性が悪くなり好ましくない。
【0112】また、本発明に従う相溶化剤を、約1重量
部以下の量で用いた場合は、本発明に従う絶縁性組成物
を加硫し、エラストマー状とした場合、常温温度範囲に
おける可撓性が低下したり、また、本発明に従う絶縁性
組成物が高温にさらされ、焼結した場合、焼結後の焼結
体の機械的強度や靭性が低下し、形態維持の点で性能が
低下したり、また、焼結後の破壊電圧値が低下したりす
る。
【0113】また、本発明に従う絶縁性組成物は、いろ
いろの方法によることができるが、たとえば、以下のよ
うにして製造することができる。
【0114】すなわち、本発明に従う絶縁性組成物は、
オープンロール、または、ニーダ等通常一般に用いられ
ている混合装置を用いて、上記した各成分を均一に混練
することにより製造することができる。
【0115】また、粘度を適当に保つため、トルエン、
キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン等の有機溶媒を加えたり、加硫剤として、ポリジメチ
ルシロキサン等などを加えることもある。
【0116】なお、この場合、無機充填剤の一部を予め
ポリシロキサンに添加混合しておき、これにさらに、無
機充填剤、本発明に従う相溶化剤、および加硫剤を混練
してもよい。すなわち、各成分が均一に混練される限り
は、他の方法によってもよい。
【0117】以上のようにして得られる本発明の絶縁性
組成物は、常温では優れた押出加工性を有し、たとえ
ば、通常の押出機によって導体上に耐火層を形成して耐
火電線を製造することができる。
【0118】押出条件は、たとえば、スクリュー回転数
5〜50rpmで押出温度は、常温ないし100℃が好
適である。また、本発明による絶縁性組成物は、硬化剤
により硬化させれば、常温温度範囲ではエラストマーま
たは樹脂状物となり優れた可撓性を示すが、このような
硬化は、通常、100℃〜400℃の温度に数分ないし
数時間保持することにより行なうことかできる。
【0119】さらに、本発明に従う絶縁性組成物は、5
00℃〜1500℃の高温に加熱されると、焼結し、焼
結後の焼結体は、機械的強度、靭性、ならびに、破壊電
圧に優れている。したがって、耐火電線の耐火層として
好適に用いることができる。
【0120】
【発明の効果】以上詳細に説明したきたように、本発明
に従う絶縁性組成物は、以上のように構成されている結
果、常温温度範囲においては、エラストマー状または樹
脂状物となり、可撓性に優れた絶縁性組成物であり、ま
た、常温温度範囲において優れた破壊電圧を有し、か
つ、高温環境下において焼結した場合、焼結後の焼結体
はすぐれた形状維持特性と優れた破壊電圧を有してい
る。
【0121】したがって、本発明に従う絶縁性組成物を
導体に被覆して、耐火電線の耐火層として用いた場合、
この耐火電線は、常温温度範囲において優れた可撓性を
有するため、柔軟性を要求される箇所に好適に用いるこ
とができる。
【0122】また、本発明に従う絶縁性組成物を導体に
被覆して耐火電線の耐火層として用いた場合、この耐火
電線は、高温にさらされると、焼結し、その焼結体が優
れた形状維持特性を有するため、非常用電源回路用とし
て露出配線等として用いることができる。
【0123】また、本発明に従う絶縁性組成物を導体に
被覆して耐火電線の耐火層として用いた場合、この耐火
電線は、常温温度範囲においても、また、高温にさらさ
れ焼結した後においても優れた耐破壊電圧値を有してい
るため、従来の耐火電線より高電圧の使用にも耐えるこ
とができる。
【0124】なお、上述した耐火電線の耐火層は、単に
説明のためのものであり、本発明に従う絶縁性組成物を
耐火電線の耐火層に限定するものではない。本発明に従
う絶縁性組成物は、耐火電線の耐火層以外にも用いるこ
とができる。本発明は、他にも、ケーブルの耐火層、防
災パテ、電気絶縁テープ、電気絶縁シート等の電気絶縁
体として用いることができる他、耐火ボード、電気絶縁
性耐火基板の構成材料として有用である。
【0125】また、本発明に従う絶縁性組成物は、それ
自体で相当の強度を発現するため、敢えて補強基材を必
要としないが、取扱いの向上等の目的で、用途等に併せ
て、ポリエチレン、ポリプロピレン等の有機樹脂のフィ
ルムやシート、アルミナ−シリカ系のセラミックス紙
や、ガラスクロス等の繊維基材と用いてもよい。
【0126】その場合、本発明に従う絶縁性組成物は、
これらの補強基材の一面にのみ塗着しても、両面に塗着
してもいずれでもよい。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリシロキサンと、 無機充填剤と、 式 【化1】 [式中、Z1 、Z2 、Z3 の少なくとも1つは、親水
    基、または、加水分解性の官能基である]で表わされる
    相溶化剤とを含む、絶縁性組成物。
JP20385392A 1992-07-30 1992-07-30 絶縁性組成物 Pending JPH0652720A (ja)

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