JPH0652704A - 自動車用ヘッドライト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は自動車用のヘッドライトに関し、傾
いたビームを使用して、特に、道路の端により近い側に
おけるビームの光度および視程距離を充分大きくするこ
とを目的とする。 【構成】 反射器１と、光源２と、スクリーン３と、レ
ンズ４とを備え、このスクリーン３は、段差が２度形成
されたスクリーン・エッジ３１を有し、スクリーン・エ
ッジ３１の中心部３３と各段差との間の垂直距離ｙ１、
ｙ２が、スクリーン３とレンズ４との間の距離とレンズ
４の厚さの関数であるような予め定められた値を有し、
光源２ならびにレンズ４のレンズ軸４１が、反射器１の
反射器軸１２の下方に配置されるように構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車用ヘッドライトに
関し、好ましくは、傾いたビームの光度が道路の端によ
り近い側において改良されたヘッドライトに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術、および、発明が解決しようとする課題】
欧州設計の通常のヘッドライトの傾いたビームは、水平
ライン上で上方に向かう非対称の１５°の楔形をなして
いる。このような形状のビームは、照明を強くし、か
つ、ドライバの光学的な方向づけを改善する。しかしな
がら、上記のヘッドライトは、道路の端により近い側に
おけるコントラストが良好でない。また一方で、米国設
計のヘッドライトの傾いたビームは、道路の端により近
い側において、水平ライン上またはこの水平ラインの下
方でおおよそ水平方向に進むようになっている。このよ
うな形状のビームは、視程距離を減少させ、かつ、自動
車の安全速度の上限を減少させるという問題が生ずる。

【０００３】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、特に道路の端により近い側における視程距離が
充分大きくなると共に、自動車の安全速度が改善される
ような自動車用ヘッドライトを提供することを目的とす
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段、および、作用】上記目的
を達成するために、本発明のヘッドライトは、反射器
と、光源と、開口、好ましくは、スクリーンと、レンズ
とを備える。上記開口には、切り込みエッジが形成され
ている。この切り込みエッジは、ヘッドライトの水平ラ
インの下方において２つの部分に分かれている。さら
に、上記レンズは、対物レンズとして作用する。この対
物レンズは、反射器からの光のバックグラウンドにおい
て開口の暗い領域のコントラストを表現すると共に、こ
の光から、傾いたビームを生成する。

【０００５】このような構成により、道路の端からより
離れた側と道路の端により近い側のいずれにおいても、
幾何学的に近似した明暗の境界が、水平ラインの下方に
形成される。このために、ヘッドライトの照明効率や、
自動車により近い道路の端近傍の明るいスペースや、視
程距離が増加する。この結果、本発明のヘッドライトに
より、自動車の安全速度の上限が改善されると共に、自
動車の運転の際の光学的な案内手段が改善される。

【０００６】

【実施例】以下添付図面を用いて本発明の実施例を詳細
に説明する。図１は、本発明のヘッドライトの一実施例
を示す垂直断面図である。図１におけるヘッドライト
は、反射器１と、この反射器１の反射器軸１２の下方に
位置する光源２と、反射器１の反射器軸１２の下方にス
クリーン・エッジ３１を有するスクリーン３とを備え
る。さらに、上記ヘッドライトは、同様に反射器１の反
射器軸１２の下方に位置するレンズ軸４１を有するレン
ズ４を備える。

【０００７】このような構成では、光源２やスクリーン
３やレンズ４を反射器軸１２からずらして配置すること
により、光線（ビーム）中のスクリーン３により吸収さ
れる部分が減少するので、ヘッドライトの光度が増加す
る。さらに、厚さｄを有するレンズ４は、スクリーン３
と距離ｘＦを隔てて配置されている。図２は、本発明の
ヘッドライトの一実施例の開口を示す正面図である。こ
こでは、開口としてスクリーン３（図１）を用いた場合
において、このスクリーン３の部分を拡大して示す。な
お、前述した構成要素と同様のものについては、同一の
参照番号を付して表すこととする。

【０００８】図２においては、光の進行方向に対し反対
の側から見た場合（図１および図２中に“Ｐ”で示す）
のスクリーン３が図示されている。このスクリーン３の
スクリーン・エッジ３１には、段差が２度形成されてい
る。スクリーン３のスクリーン・エッジ３１の部分３２
における垂直距離ｙ１は、自動車に対しより近くの道路
の端５１（図３）の側における部分３２と中心部３３と
の間の垂直距離で定義され、次の（１）式により表され
る。

【０００９】 ｙ１＝（０．００５〜０．０２６）＊（ｘＦ＋ｄ／３）…（１） また一方で、スクリーン３のスクリーン・エッジ３１に
おける垂直距離ｙ２は、自動車に対しより遠くの（自動
車からより離れた）道路の端５３（図３）の側における
部分３４と中心部３３との間の垂直距離で定義される。
さらに、スクリーン３のスクリーン・エッジ３１の外側
の部分３２および３４間の総距離ｙ１＋ｙ２は、次の
（２）式により表される。

【００１０】 ｙ１＝（０．００８〜０．０４４）＊（ｘＦ＋ｄ／３）…（２） さらに、スクリーン３のスクリーン・エッジ３１の中心
部３３の段差と、ヘッドライトの垂直ラインｙとの間の
距離ｚ１は、より近くの道路の端５１の側にあり、次の
（３）式により表される。 ｚ１＝（０〜０．４４）＊（ｘＦ＋ｄ／３）…（３） さらに、スクリーン３のスクリーン・エッジ３１の中心
部３３の幅ｚ１＋ｚ２は、次の（４）式により表され
る。

【００１１】 ｚ１＋ｚ２＝（０．０３５〜０．１２２）＊（ｘＦ＋ｄ／３）…（４） ここで、スクリーン３のスクリーン・エッジ３１に位置
する、より近くの道路の端５１の側の部分３２と、この
スクリーン３のスクリーン・エッジ３１の中心部３３と
の間にある段差の角度θ１は、次の（５）式により表さ
れる。 θ１＝０〜６０°…（５） また一方で、スクリーン３のスクリーン・エッジ３１の
中心部３３と、このスクリーン３のスクリーン・エッジ
３１に位置する、より遠くの道路の端５３の側の部分３
４との間にある段差の角度θ２は、次の（６）式により
表される。

【００１２】θ２＝０〜７５°…（６） 図３は、本発明のヘッドライトによる光線の投影の様子
を説明するための道路の斜視図である。図３における道
路は、より近くの道路の端５１と、センターライン５２
と、より遠くの道路の端５３とからなる。図３では、本
発明のヘッドライトの傾いたビームの投影５が、イメー
ジにより示されている。暗い領域と明るい領域との境界
５４は、ヘッドライトの水平ラインｚの下方であってよ
り遠くの道路の端５３の側にある。投影５の中心部分５
５においては、このような境界は段差状に上昇する。さ
らに、より近くの道路の端５１においては、境界５６
は、ヘッドライトの水平ラインｚの上方で再び段差状に
上昇する。段差の角度θ１およびθ２は、要求される傾
いた光線の範囲や、要求される色補正に応じて選定され
る。

【００１３】上記のような本発明の構成により、ヘッド
ライトの照明効率が増加し、特に、より近くの道路の端
の側におけるドライバの前面のスペースの照明が改善さ
れる。この結果、視程距離および自動車の安全速度の上
限も改善される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のヘッドライトの一実施例を示す垂直断
面図である。

【図２】本発明のヘッドライトの一実施例の開口を示す
正面図である。

【図３】本発明のヘッドライトによる光線の投影の様子
を説明するための道路の斜視図である。

【符号の説明】

１…反射器 ２…光源 ３…スクリーン ４…レンズ １２…反射器軸 ３１…スクリーン・エッジ ４１…レンズ軸

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反射器（１）と、光源（２）と、スクリ
   ーン（３）と、レンズ（４）とを備える自動車用ヘッド
   ライトにおいて、 該スクリーン（３）は、段差が２度形成されたスクリー
   ン・エッジ（３１）を有し、 より近くの道路の端（５１）の側における該スクリーン
   （３）の該スクリーン・エッジ（３１）の部分（３２）
   と、該スクリーン・エッジ（３１）の中心部（３３）と
   の間の垂直距離（ｙ１）が、次の式により表され、 ｙ１＝（０．００５〜０．０２６）＊（ｘＦ＋ｄ／３） さらに、より遠くの道路の端（５３）の側における前記
   スクリーン（３）の前記スクリーン・エッジ（３１）の
   部分（３４）と、前記スクリーン・エッジ（３１）の前
   記中心部（３３）との間の垂直距離（ｙ２）に基づき、
   前記スクリーン（３）の前記スクリーン・エッジ（３
   １）の外側の部分（３２）および（３４）間の総距離
   （ｙ１＋ｙ２）が、次の式により表され、 ｙ１＝（０．００８〜０．０４４）＊（ｘＦ＋ｄ／３） ここで、ｘＦは、前記スクリーン（３）と前記レンズ
   （４）との間の距離であり、ｄは、該レンズ（４）の厚
   さであることを特徴とする自動車用ヘッドライト。
2. 【請求項２】 前記スクリーン（３）の前記スクリーン
   ・エッジ（３１）の前記中心部（３３）の段差と、前記
   ヘッドライトの垂直ライン（ｙ）との間の距離（ｚ１）
   が、前記のより近くの道路の端（５１）の側にあり、か
   つ、次の式により表され、 ｚ１＝（０〜０．４４）＊（ｘＦ＋ｄ／３） さらに、前記スクリーン（３）の前記スクリーン・エッ
   ジ（３１）の前記中心部（３３）の幅（ｚ１＋ｚ２）
   が、次の式により表され、 ｚ１＋ｚ２＝（０．０３５〜０．１２２）＊（ｘＦ＋ｄ／３） ここで、ｘＦは、前記スクリーン（３）と前記レンズ
   （４）との間の距離であり、ｄは、該レンズ（４）の厚
   さである請求項１記載の自動車用ヘッドライト。
3. 【請求項３】 前記スクリーン（３）の前記スクリーン
   ・エッジ（３１）に位置する、より近くの道路の端（５
   １）の側の部分（３２）と、前記スクリーン（３）の前
   記スクリーン・エッジ（３１）の前記中心部（３３）と
   の間にある段差の角度（θ１）が、θ１＝０〜６０°に
   より表され、 さらに、前記スクリーン（３）の前記スクリーン・エッ
   ジ（３１）の前記中心部（３３）と、前記スクリーン
   （３）の前記スクリーン・エッジ（３１）に位置する、
   より遠くの道路の端（５３）の側の部分（３４）との間
   にある段差の角度（θ２）が、θ２＝０〜７５°により
   表される請求項１または２記載の自動車用ヘッドライ
   ト。
4. 【請求項４】 前記光源（２）が、前記反射器（１）の
   反射器軸（１２）の下方に配置される請求項１、２また
   は３記載の自動車用ヘッドライト。
5. 【請求項５】 前記レンズ（４）の前記レンズ軸（４
   １）が、前記反射器（１）の前記反射器軸（１２）の下
   方に配置される請求項１、２、３または４記載の自動車
   用ヘッドライト。