JPH0651695B2 - 2―オキソ―1,3―ジオキソラン誘導体 - Google Patents

2―オキソ―1,3―ジオキソラン誘導体

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JPH0651695B2
JPH0651695B2 JP7825688A JP7825688A JPH0651695B2 JP H0651695 B2 JPH0651695 B2 JP H0651695B2 JP 7825688 A JP7825688 A JP 7825688A JP 7825688 A JP7825688 A JP 7825688A JP H0651695 B2 JPH0651695 B2 JP H0651695B2
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祥雄 井上
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T Hasegawa Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、香料、医薬或いは農薬の合成中間体として有
用な従来の文献には記載されていない新規化合物及びそ
れらの製法に関する。
更に詳しくは、本発明は、医薬、農薬もしくは香料物質
として有用な例えば、下記式(a) 式中Rは低級アルキル基及びアリール基よりなる群か
ら選ばれた基を示す、 で表されるフラノン類の合成の際の中間体として有用な
新規な下記式(1) 式中、Rは低級アルキル基及びアリール基よりなる群
から選ばれた基を示し、波線はシス又はトランス結合を
示す、 で表される2−オキソ−1,3−ジオキソラン誘導体に
関する。
更に本発明は、上記基(1)の化合物を包含して下記式
(1)−1 式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基及
び複素環式基よりなる群から選ばれた基を示し、R
びRは、夫々、水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、複素環式基及
びオルガノシリル基よりなる群から選ばれた基を示し、
波線はシス又はトランス結合を示す、 で表される2−オキソ−1,3−ジオキソラン誘導体の
製法にも関する。
(従来の技術) 従来、上記式(a)化合物に包含される香料物質として
有用な例えば、2,2−ジメチル−5−フエニル−2
(H)−3−フラノン[上記式(a)において、R
フエニル基である場合の化合物)の合成法に関して、下
記反応式で示した方法が知られている(Chemist
ry Letters,1973,425〜426参
照)。
しかしながら、かかる従来提案された方法に於いては、
反応工程数が長く、また、反応操作が煩雑であり、更に
加えて収率が低いという難点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、香料、医薬或いは農薬などを合成する
に際し、上記従来提案のごとき難点を回避し、安価且つ
入手容易な原料を用いて簡単な操作で合成することので
きる例えば、上記式(a)の化合物のごときフラノン類
の合成に有用な中間体及びそれらの製造方法を提供する
ことにある。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記式(a)の化合物を簡単に製造する
方法について鋭意研究を行ってきた。その結果、下記式
(3)の末端アセチレンアルコールもしくは下記式
(4)のアセチレンアルコールから容易に合成すること
のできる本発明の新規な上記式(1)の化合物を使用す
れば、上記式(a)の化合物が好純度且つ好収率でしか
も工業的に簡単な操作で有利に合成できることを見出し
本発明を完成した。更に研究を進めた結果、本発明の上
記式(1)の化合物を包含して下記式(1)−1の化合
物も容易に合成できることを見出し本発明を完成した。
本発明の上記式(1)の化合物を包含して式(1)−1
を合成するには、(A)末端アセチレンアルコールを原
料とする場合は、下記式(2) RCOX (2) 式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基及
び複素環式基よりなる群から選ばれた基を示し、Xはハ
ロゲン原子を示す、 で表される酸ハロゲン化物と下記式(3) 式中、R及びRは夫々、水素原子、アルキル基、ア
ルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル
基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカル
ボニル基、アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、複
素環式基及びオルガノシリル基よりなる群から選ばれた
基を示す、 で表される末端アセチレンアルコールと炭酸ガスとを、
周期率表第VIII族金属触媒及び第一銅イオンの存在下に
反応させることにより行われる。
又、(B)アセチレンアルコールを原料とする場合は下
記式(4) 式中、Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基及
び複素環式基よりなる群から選ばれた基を示し、R
びRは、夫々、水素原子、アルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、シクロ
アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、
アルキルチオ基、アルコキシアルキル基、複素環式基及
びオルガノシリル基よりなる群から選ばれた基を示す、 で表されるアセチレンアルコールを有機溶媒中、炭酸ガ
スと反応させることにより行われる。
本発明の式(1)の化合物を包含して式(1)−1の化
合物の製造方法を反応式で示すと、例えば下記のとおり
である。
(A)末端アセチレンアルコールを原料とする場合 (B)アセチレンアルコールを原料とする場合 本発明の上記式(1)の化合物を包含して上記式(1)
−1の化合物の製造方法を、上記反応式に従って以下に
詳細に説明する。
(A)法 原料として用いられる前記式(3)のアセチレンアルコ
ールは、例えば、Synthesis,777(197
7)に記載される方法によつて、容易に合成することが
できる。
本発明の反応は、一般的にはオートクレーブ中で末端ア
セチレンアルコール化合物[式(3)]、酸ハロゲン化
物式[(2)]及び炭酸ガスとを第一銅イオン及び周期
率表第VIII族遷移触媒の存在下に接触させることにより
行われる。その際、反応の進行と共に生成するハロゲン
化水素を捕捉するために、塩基の共存下に行うのが好適
である。本反応は、無溶媒でも或いは溶媒中でも進行す
るので、溶媒を用いるか否かは用いる出発原料の性状や
反応条件を考慮して適宜選択すれば良い。
本発明で用いれる上記式(2)の酸ハロゲン化物R
OXにおいてRの例としては、例えば、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチルな
どのごときアルキル基、殊に低級アルキル基;例えば、
フエニル、ナフチル、シンナミル、ベンジル、フエニル
エチル、メトキシフエニル、ヒドロキシフエニルのごと
きベンゼン環に他の置換基をもつアリール基;ビニル、
プロペニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ブタジエ
ニルなどのごときアルケニル基、チエニル、フリル、ピ
リジルなどのごとき複素環式基、特にヘテロ原子とし
て、S、O、Nを1〜2個含有する5〜6員の複素環式
基などが包含され、又これらのR基には反応に不活性
な置換基が結合していてもよく、この場合の反応に不活
性な置換基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、カ
ルバモイル基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、ハロゲン原子、スルホニル基、スルフイニ
ル基、スルフエニル基、シアノ基、アシロキシ基、シリ
ル基、ニトロ基、ホルミル基などを挙げることができ
る。又、Xとしては、臭素、ヨウ素、塩素などのごとき
ハロゲンを例示することができる。又、上記式(1)の
化合物におけるRの低級アルキル及びアリール基につ
いても上述のRのアルキル基及びアリール基と同様の
基をあげることができる。
しかして、前記式(2)の酸ハロゲン化物の具体例とし
ては、例えば、酢酸クロリド、イソ酪酸クロリド、ピバ
リン酸ブロミド等のごときアルキル酸ハロゲン化物;安
息香酸クロリド、桂皮酸クロリド、p−メトキシ安息香
酸クロリド、p−アミノ安息香酸クロリドなどのごとき
芳香族酸ハロゲン化物及びその芳香核に上記の如き反応
に不活性な置換基を有する置換体;アクリル酸クロリ
ド、クロトン酸ブロミド、セネシオン酸クロリド、チグ
リン酸クロリドなどのごとき不飽和アルケニル酸ハロゲ
ン化物などを好ましく挙げることができる。
本発明で用いる前記式(3)の末端アセチレンアルコー
ル化合物において、R及びRの具体例としては、例
えば、水素原子;メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブ
チルなどのごときアルキル基;フエニル、ナフチルなど
のアリール基;ビニル、アリル、プロペニル、ブテニ
ル、ブタジエニルなどのアルケニル基;ベンジル、β−
フエニルエチルなどのアラルキル基;シクロヘキシル、
シクロオクチルなどのシクロアルキル基;エチニル、フ
エニルエチニルなどのアルキニル基;及びチエニル、フ
リル、ピリジルなどの複素環式基;メトキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル
基;メトキシ、エトキシ、プロボキシ、ブトキシなどの
アルコキシ基;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ
などのアルキルチオ基;メトキシエチル、エトキシメチ
ル、メトキシプロピルなどのアルコキシアルキル基;オ
ルガノシリル基などの基をあげることができる。上記の
及びRは同一の基であつても良いし、或いは相異
なつても良い。
しかして、本発明で用いる式(3)の末端アセチレンア
ルコール化合物の具体例としては、プロパギルアルキ
ル、3−ブチン−2−オール、6−ヘプチン−2−オー
ル、2−メチル−3−ブチン−2−オール、1−ペンテ
ン−4−イン−3−オール、1−ヘキセン−5−イン−
4−オール、3−ビニル−1−ペンテン−4−イン−3
−オール、1−フエニル−2−プロピン−1−オール、
1−ベンジル−2−プロピン−1−オール、1−p−ト
リル−2−プロピン−1−オール、1−シクロヘキシル
−2−プロピン−1−オール、1,1−ジフエニル−2
−プロピン−1−オール、1−ピロリル−2−ピロピン
−1−オール、1−フリル−2−プロピン−1−オー
ル、1−チエニル−2−ピロピン−1−オールなどを挙
げることができる。
本発明で用いる第一銅イオンとしては、例えば塩化第一
銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、臭化第一銅などを
好ましく例示することができる。
又、本発明で用いる遷移金属錯体触媒としては、周期律
表第VIII族金属を含有する化合物であれば、いずれの金
属を含有するものでも使用可能であるが、特にパラジウ
ム系、ニツケル系、コバルト系、鉄系、ルテニウム系、
ロジウム系及び白金系触媒が好ましい。パラジウム系触
媒としては、例えば、テトラキストリフエニルホスフイ
ンパラジウム、トリストリフエニルホスフインパラジウ
ム、テトラキストリフエニルアルシンパラジウム、ジベ
ンジリデンアセトンパラジウム、カルボニルトリストリ
フエニルホスフインパラジウム、無水マレイン酸ビスト
リフエニルホスフインパラジウムなどの零価パラジウム
錯体;ジクロロビストリフエニルホスフインパラジウ
ム、ジクロルビスベンゾニトリルパラジウム、ジブロモ
ビストリフエニルアルシンパラジウム、ジクロル−1,
1−ビスジフエニルホスフイノフエロセンパラジウム、
ジクロル−1,1−ビストリフエニルアルシノフエロセ
ンパラジウム、ジクロル−α,ω−ビスジフエニルホス
フイノアルカンパラジウム(アルカンは炭素数1〜10
の直鎖、分枝鎖のもの)、ジクロル−α,α−ジフエニ
ルホスフイノ−O−キシレンパラジウム、塩化パラジウ
ム、酢酸パラジウム、ビスアセタトビストリフエニルホ
スフインパラジウムなどの二価パラジウム塩又は錯体;
ヨードパラトリルビストリフエニルアルシンパラジウ
ム、ヨードフエニルビストリフエニルホスフインパラジ
ウム、クロロベンゾイルビストリフエニルホスフインパ
ラジウム、ヨードメチルビストリブチルホスフインパラ
ジウム、ジメチル−1,2−ビスジフエニルホスフイノ
エタンパラジウム、ジヒドリドビストリシクロヘキシル
ホスフインパラジウムなどの有機又は水素化パラジウム
錯体などを挙げることができるが、さらに、反応系中で
有機ハロゲン化物と反応して有機パラジウムハロゲン化
物を生ずるパラジウム化合物も、パラジウム系触媒の前
駆体として反応系に添加することができる。また、これ
らの触媒にホスフイン類、ホスフアイト類、ホスフイナ
イト類、第3級アミン類、ピリジン塩基類、ビピリジン
などの配位子を添加し、反応に用いても良い。
ニツケル系、コバルト系、鉄系、ルテニウム系、ロジウ
ム系及び白金系触媒についても、上述のパラジウム系触
媒と同様に、ニツケル、コバルト、鉄、ルテニウム、ロ
ジウム及び白金の各種の零価錯体;二価又は三価塩又は
錯体;及び有機又は水素化錯体などを例示することがで
きる。
この反応で生成するハロゲン化水素の捕捉剤としては種
々の塩基が使用でき、有機塩基及び無機塩基のいずれで
も使用可能である。有機塩基としては、例えば、下記式
(4) 式中、R、R及びRは同一もしくは相異なり、各
々、水素原子;或いはメチル、エチル、プロピル、ブチ
ルなどのアルキル基;シクロヘキシル基;フエニル、ト
リルなどのアリール基;ベンジル基のようなアラルキル
基;又はこれらの有機基に置換基を導入したものなどを
表すことができ、或いはR、R及びRはこれらが
結合しているNと一緒になつて、さらにN、O、Sなど
のヘテロ原子を含む複素環を形成していてもよく、さら
に、R、R及びRの中の少なくとも1つが連結鎖
となつてこれらモノアミンの少なくと2つが結合したジ
アミン、トリアミンなどのポリアミンを構成していても
よい、 で表されるアミン類が包含され、また、無機塩基として
は、例えば、カセイソーダ、カセイカリ、水酸化カルシ
ウムなどの苛性アルカリ;炭酸カルシウム、炭酸ナトリ
ウム、炭酸水素ナトリウムなどの金属炭酸塩;酸化カル
シウム、酸化バリウムなどの塩基性金属酸化物などが挙
げられる。本発明において用いるのに特に好ましいの
は、トリアルキルアミン類である。
本発明において、溶媒の存在下に行う場合の溶媒として
は、例えば、ヘキサン、ベンゼン、エーテル、テトラヒ
ロドフラン、ヘキサメチルホスホトリアミド、ジメチル
ホルムアミド、アセトニトリル、アセトンなどが好適に
用いられるが、アルコール類、カルボン酸類などの活性
なプロトン源となるものを除く通常用いられている溶媒
であれば任意に用いることができる。溶媒として水を用
いることもできるが、その場合に水と非混和性の有機溶
媒との2相系で用いるのが望ましい。このような2相系
の溶媒においては、前記の塩基として無機塩基が好適に
用いられ、そして第四級アンモニウム塩や第四級ホスホ
ニウム塩のような相間移動剤の共存下に反応させるのが
好ましい。反応条件下で液体であるアミン類を塩基成分
として用いる場合は、これを大過剰に用いて溶媒として
の働きを同時にもたせるのも本発明の方法の有利な態様
の1つである。
本発明の反応は、通常のカルボニル化反応と同様の条件
下で実施することができる。炭酸ガスの分圧は使用する
触媒の種類に依存し、また一般的にはその分圧の高いほ
ど目的物の収率を高めるので有利であるが、その分圧が
余りにも高くなると逆に反応速度を低下させ、且つ装置
的不利益を生じる。従って、本発明で用いうる炭酸ガス
の分圧は、一般的には、常圧〜70気圧、好ましくは1
0〜50気圧の範囲内である。使用する炭素ガスは、純
粋なものであつてもよいが、窒素、メタン、アルゴンな
どの不活性ガスで稀釈されたものであつてもよい。前記
式(2)の酸ハロゲン化物と式(3)の末端アセチレン
アルコールとのモル比は厳密に制限されるものではな
く、いずれか一方を過剰に用いても反応の生起を妨げる
ものではなく、通常は50:1〜1:50の範囲内で適
宜えらばれる。また、必要に応じて用いられる塩基の量
は、酸ハロゲン化物に対して等モル以上であればよく、
一般的には、酸ハロゲン化物1モル当たり約1〜50モ
ル程度の範囲内で使用される。勿論、これより多量の塩
基を用いることもできるが、反応上は格別有益な結果を
もたらすものではない。遷移金属触媒の使用量は特に制
約されず、その種類や反応条件等に応じて広範囲で変え
ることができるが、一般的には、酸ハロゲン化物1モル
に対して、約1/100モル程度以下、好ましくは約1/200〜
約1/1000モルの範囲内である。又、前記銅(I)触媒の
使用量についても適宜に選択されるが、例えば、酸ハロ
ゲン化物1モルに対して約1/10〜1/1000モル程度の範囲
が好ましく使用される。
本発明の反応は、用いる式(2)の酸ハロゲン化物の構
造によつて室温でも進行するが、一般的には、好ましい
反応速度を得るために、約300℃程度までの温度に加
熱するのが好都合である。しかし、本発明の反応は、あ
まりに高温で行うと、アセチレン結合の原料及び生成物
の分解重合が起こるので、好ましい反応温度は約50℃
〜約150℃の範囲内である。
本発明の反応により得られる前記式(1)の化合物を包
含して前記式(1)−1の化合物の反応混合物からの分
離精製は、それ自体既知の方法で行うことができ、例え
ば、先ず、反応溶液を遠心分離、濾過などの固−液分離
手段に付すことにより又は反応溶液を水洗することによ
り副生した塩類を除去した後、例えば、エーテルのごと
き溶媒で抽出して、エーテル層を水洗、希酸性水溶液で
洗浄した後、更に水洗を繰り返し、次に蒸留等の精製手
段に付することによつて実施することができる。
(B)法 まず原料として用いる前記式(4)のアセチレンアルコ
ールは、Synthesis,777頁,1977年に
記載の方法により容易に合成することができる。
上述のようにして合成される式(4)のアセチレンアル
コールから本発明の式(1)の化合物を包含して式
(1)−1の化合物を合成する反応は、通常は、オート
クレーブ中でアセチレンアルコール[式(4)]と炭酸
ガスとを接触させることにより行われる。上記反応は有
機溶媒中で行うのが有利であり、これに使用される有機
溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、テトラヒド
ロフラン、ジメチルスルフイド、アセトニトリル、トリ
エチルアミンのごとき溶媒がしばしば採用される。これ
らの有機溶媒の使用量には特別の制約はなく適宜に選択
されるが、例えば、前記式(4)の化合物に対して約
0.5〜約20重量倍程度の範囲が好適である。又、こ
の反応は炭酸ガスの圧力下に行うのが有利であり、一般
的には約1〜約70気圧、好ましくは約10〜約50気
圧程度の範囲である。使用する炭酸ガスは純粋なもので
あってもよいが、窒素、アルゴン、ヘリウムなどのごと
き不活性ガスで稀釈されたものであってもよい。反応温
度は、高温すぎると生成物の分離が生じる恐れがあるの
で、約150℃程度以下で行うのが好ましい。又反応時
間は使用する溶媒の種類、使用量或いは炭酸ガスの圧力
の程度などにより適宜選択されるが、一般的には約1〜
約10時間程度の範囲で行われる。反応生成物は、カラ
ムクロマトグラフイー或いは再結晶のごとき手段で精製
して目的化合物が好純度で得られる。
本発明で用いられる前記式(4)のアセチレンアルコー
ルにおいて、R、R及びRの具体例は上記の
(A)で述べた基と同一の基を挙げることができる。
以上述べた如くして製造される前記式(1)の化合物を
包含して前記式(1)−1の化合物は、例えば、下記反
応式に示したように前記式(1)を包含して下記式
(1)−1の化合物を有機溶媒の存在下もしくは不存在
下に、150℃〜200℃程度の温度下に加熱せしめる
だけで香料として有用な下記式(a)の化合物に容易に
転換することができる。
以下に本発明の式(1)の化合物を包含して式(1)−
1化合物の製造方法を実施例を挙げて説明する。
(実施例) 実施例(1) 2−メチル−5−フエニル−5−オキソ−3−ペンテン
−2,3−ジオール炭酸エステルの合成。
安息香酸クロリド(10ミリモル)、2−メチル−3−
ブチン−2−オール(10ミリモル)、ジクロルビスト
リフエニルホスフインパラジウム(20ミリグラム)、
ヨウ化第一銅(20ミリグラム)をトリエチルアミン
((20ミリリットル)とともに100ccオートクレー
ブ中に仕込み、炭酸ガス圧30気圧、70℃で3時間反
応する。終了後、エバボレータで濃縮、残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトにかけ、ベンゼンで溶出することによ
り標記化合物1.3gを得た。
収率;50%1 H−NMRδ(CDCl);1.89(6H,
S)、6.79(1H,S)、7.3〜8.1(5H,
m)。
実施例(2) 2,6−ジメチル−5−オキソ−3−ペンテン−2,3
−ジオール炭酸エステルの合成。
実施例(1)において、安息香酸クロリドの代りに2−
メチルプロピオン酸クロリドを用いた他は実施例(1)
と同様に行って、標記化合物を得た。
収率;65%1 H−NMRδ(CDCl);1.15(6H,d,
J=3.1)、1.81(6H,S)、6.11(1
H,S)。
実施例(3) 2−メチル−7−フエニル−5−オキソ−3,6−ヘブ
タジエン−2,3−ジオール炭酸エステルの合成。
実施例(1)において、PdCl(PPh/C
uIの代りにCoCl(PPh)/CuI、安息香
酸クロリドの代りに桂皮酸クロリド、炭酸ガス圧50気
圧及び100℃にした他は実施例(1)と同様に行っ
て、標記化合物を得た。
収率;57%1 H−NMRδ(CDCl);1.87(6H,
S)、6.35(1H,S)、6.70〜7.69(7
H,m)。
実施例(4) 2,6,6−トリメチル−5−オキソ−3−ヘプテン−
2,3−ジオール炭酸エステルの合成。
実施例(1)において、安息香酸クロリドの代りに2,
2−ジメチルプロピオン酸クロリドを用いた他は、実施
例(1)と同様に行って、標記化合物を得た。
収率;68%1 H−NMRδ(CDCl);1.10(9H,
S)、1.81(6H,S)、6.11(1H,S)。
実施例(4)〜(12) 下記表−2に示すような反応条件下で、下記表−1に示
す所定の酸ハロゲン化物及び末端アセチレンアルコール
を用いて、実施例(1)と同様にして各種2−オキソ−
1,3−ジオキソラン誘導体の合成を行った。
この場合、特記しない限り仕込みの酸ハロゲン化物、末
端アセチレンアルコール、塩基及び触媒のモル数は実施
例(1)と同一である。その結果を下記表−2にまとめ
て示す。
実施例(13) 2−メチル−5−フエニル−5−オキソ−3−ペンテン
−2,3−ジオール炭酸エステルの合成 2−メチル−5−フエニル−5−オキソ−3−ペンチン
−2−オール(5ミリモル)をトリエチルアミン5mlと
ともに100mlオートクレーブ中に仕込み炭素ガス圧1
0気圧下70℃で1時間反応する。反応終了後トリエチ
ルアミンを回収し、残渣をシリカゲルカラムクロマトに
かけ精製することにより標記化合物を収率68%で得
た。
実施例(14) 実施例(13)において、トリエチルアミンの代りにベ
ンゼンを用いた他は実施例(13)と同様に行って、2
−メチル−5−フエニル−5−オキソ−3−ペンテン−
2,3−ジオール炭酸エステルを収率35%で得た。
実施例(15) 5−オキソ−3−ヘキセン−2,3−ジオール炭酸エス
テルの合成。
実施例(13)において、2−メチル−5−フエニル−
5−オキソ−3−ペンチン−2−オールの代りに6−メ
チル−5−オキソ−3−ヘプチン−2−オールを用いた
他は実施例(13)と同様に行って、標記化合物を収率
53%で得た。
(発明の効果) 本発明は、香料、医薬或いは農薬の合成中間体として有
用な従来の文献には記載されていない新規化合物である
下記式(1) 式中、Rおよび波線は上記したと同義である、 で表される2−オキソ−1,3−ジオキソラン誘導体を
提供するにある。更に本発明は上記式(1)を包含して
下記式(1)−1 しち、R、R、R及び波線は上記したと同義であ
る、 で表される2−オキソ−1,3−ジオキソラン誘導体の
製造方法を提供するにある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(1) 式中、Rは低級アルキル基及びアリール基よりなる群
    から選ばれた基を示し、波線はシス又はトランス結合を
    示す、 で表される2−オキソ−1,3−ジオキソラン誘導体。
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