JPH0650975U - ２段積み車両運搬車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ２段積み車両運搬車Ｃの下床の乗込角を緩く
して車高の低い車両でも積み込めるようにする。 【構成】 ２段の車両積載床を備え、上床１２は前端部
をシャーシフレーム２に立設した支柱１３の上端部に枢
支し、支柱下端部と上床１２との間にチルトシリンダ１
４を取付ける。下床１２は前方下部にステイを設け、ス
テイの下端に下床１１とシャーシフレーム１２との間に
敷設された下床傾斜用のガイドレールに沿って転動する
ガイドローラを取付け、シャーシフレーム２の後部には
複数の支持ローラを備えた支持フレームを枢支し、シャ
シフレーム２と下床１１との間に下床１１を移動傾斜さ
せる移動用シリンダを設け、下床後端に道板兼用の後あ
おり１５を取付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両を２段に積載することのできる２段積み車両運搬車に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、上床と下床の２段の車両積載床を備えた２段積み車両運搬車では、図４ 及び図５に示すように、下床１１はキャブ１後方のシャーシフレーム２上に固定 し、後部を傾斜させて後端に道板兼用の後あおり１５を回動可能に取付け、上床 １２は前端部を下床１１に立設した支柱１３の上端部に枢支し、上床１２と下床 １１との間には上床１２を傾動させるチルトシリンダ１４を取付けている。

【０００３】 この２段積み車両運搬車Ｃに車両１６を積み込む際には、先ず、図４に示すよ うに、後あおり１５を後方へ回動させて地面７に接地させ、チルトシリンダ１４ を縮小して上床１２を下方へ傾動させ、車両１６を自走させて上床１２に積み込 む。その後、チルトシリンダ１４を伸長して上床１２を上方へ傾動させ、車両１ ６を自走させて下床１１に積み込む。車両１６を下ろす際に、この逆の手順とな る。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような２段積み車両運搬車Ｃでは、下床１１がシャーシフレーム ２上に固定されていて、下床１１の後部の傾斜が通常１２°〜１３°となり、ス ポーツ車等の車高の低い車両１６は下面１６Ｂが下床１１の屈曲部１１Ｂに当た るため積み込むことができない。また、チルトシリンダ１４が下床１１の支柱１ ３と屈曲部１１Ｂとのほぼ中間に取り付けられているため、積み込む車両１６の 車幅が制限される。

【０００５】 本考案は、２段積み車両運搬車における上記問題を解決するものであって、下 床の乗込角を緩くして車高の低い車両でも容易に積み込むことができ、積み込む 車両の車幅による制限を少なくすることのできる２段積み車両運搬車を提供する ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上床と下床の２段の車両積載床を備えた２段積み車両運搬車におい て、上床は前端部をシャーシフレームに立設した支柱の上端部に枢支し、支柱下 端部と上床との間には上床を傾動させるチルトシリンダを取付け、下床は前方下 部にステイを設け、ステイの下端に下床とシャーシフレームとの間に敷設された 下床傾斜用のガイドレールに沿って転動するガイドローラを取付け、シャーシフ レームの後部には前記下床を支持しスライドさせる複数の支持ローラを備えた支 持フレームを枢支し、シャシフレームと下床との間に下床を移動傾斜させる移動 用シリンダを設け、下床後端に道板兼用の後あおりを回動可能に取付けることに より、上記課題を解決している。

【０００７】

【作用】

車両を積み込む際には、移動用シリンダを縮小させる。すると、下床はシャー シフレームの後部に軸支された支持フレームの支持ローラ上を後方へ移動する。 このとき、ステイの下端に取付けられたガイドローラがガイドレールに沿って転 動するため、支持フレームが支軸を中心として回動し、下床は傾斜して後端が地 面に接地する。そこで後あおりを後方へ回動させて地面に接地させ、チルトシリ ンダを縮小して上床を下方へ傾動させ、車両を自走させて上床に積み込む。

【０００８】 その後、チルトシリンダを伸長して上床を上方へ傾動させ、車両を自走させて 下床に積み込む。車両の下床への積み込みが終わると、移動用シリンダを伸長さ せる。すると、下床は支持フレームの支持ローラ上を前方へ移動する。このとき 、ステイの下端に取付けられたガイドローラがガイドレールに沿って転動し、下 床は水平状態となってシャーシフレーム上に戻る。 車両を下ろす際はこの逆の手順となる。

【０００９】 下床の移動により下床の後端を地面に接地せさたときの傾斜角度は小さく、車 両の積み降ろしは容易に行うことができる。また、チルトシリンダを支柱下端部 に取付けているため、積み込む車両の車幅による制限は少なくなる。

【００１０】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例の２段積み車両運搬車の下床を後方へ移動傾斜させ た状態を示す側面図、図２は、２段積み車両運搬車に車両を積み込んだ状態を示 す側面図、図３は、下床の移動傾斜機構の側面図である。ここで、２段積み車両 運搬車Ｃは、上床１２と下床１１の２段の車両積載床を備えている。

【００１１】 上床１２は前端部がシャーシフレーム２に立設した支柱１３の上端部に枢支さ れており、支柱１３の下端部と上床１２との間には上床１２を上下に傾動させる チルトシリンダ１４が取付けけられている。 下床１１とシャーシフレーム２との間には、後方にせり上がる傾斜案内部３ａ を有する下床傾斜用のガイドレール３が設けられている。下床１１には前方下部 にステイ５が設けられており、このステイ５の下端には、ガイドレール３に沿っ て転動するガイドローラ６が取付けられている。シャーシフレーム２の後部には 、下床１１を支持しスライドさせる複数の支持ローラ８を備えた支持フレーム９ が支軸１０で回動可能に枢支されている。支持フレーム９の下部には、支持脚９ Ｌが設けられている。シャシフレーム２と下床１１との間には、下床移動用シリ ンダ（図示略）が設けられている。下床１１後端には道板兼用の後あおり１５が 回動可能に取付けられている。

【００１２】 車両１６を積み込む際には、下床移動用シリンダを縮小させる。すると、下床 １１はシャーシフレーム２の後部に軸支された支持フレーム９の支持ローラ８上 を後方へ移動する。このとき、ステイ５の下端に取付けられたガイドローラ６が ガイドレール３に沿って転動するため、支持フレーム９が支軸１０を中心として 回動し、下床１１は傾斜して後端が地面７に接地する。そこで後あおり１５を後 方へ回動させて地面７に接地させ、チルトシリンダ１４を縮小して上床１２を下 方へ傾動させ、車両１６を自走させて上床１２に積み込む。

【００１３】 その後、チルトシリンダ１４を伸長して上床１２を上方へ傾動させ、２台目の 車両１６を自走させて下床１１に積み込む。車両１１の下床への積み込みが終わ ると、下床移動用シリンダを伸長させる。すると、下床１１は支持フレーム９の 支持ローラ８上を前方へ移動する。このとき、このとき、ステイ５の下端に取付 けられたガイドローラ６がガイドレール３に沿って転動し、下床１１は水平状態 となってシャーシフレーム２上に戻る。

【００１４】 車両を下ろす際はこの逆の手順となる。 下床１１の移動により、下床１１の後端を地面に接地せさたときの傾斜角度は 小さくなり、この実施例では９°以下にすることだできた。従って、車両１６の 積み下ろしは容易に行うことができる。また、チルトシリンダ１４を支柱１３の 下端部に取付けているため、積み込む車両１６の車幅による制限は少なくなる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の２段積み車両運搬車は、下床の乗込角が緩くな り車高の低い車両でも容易に積み込むことができる。また、積み込む車両の車幅 による制限を少なくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の２段積み車両運搬車の下床
を後方へ移動傾斜させた状態を示す側面図である。

【図２】２段積み車両運搬車に車両を積み込んだ状態を
示す側面図である。

【図３】下床の移動傾斜機構の側面図である。

【図４】従来の２段積み車両運搬車の説明図である。

【図５】従来の２段積み車両運搬車の説明図である。

【符号の説明】

１ キャブ ２ シャシフレーム ３ ガイドレール ５ ステイ ６ ガイドローラ ８ 支持ローラ ９ 支持フレーム １０ 支軸 １１ 下床 １２ 上床 １３ 支柱 １４ チルトシリンダ １５ 後あおり １６ 車両

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上床と下床の２段の車両積載床を備えた
   ２段積み車両運搬車であって、前記上床は前端部をシャ
   ーシフレームに立設した支柱の上端部に枢支し、支柱下
   端部と上床との間には上床を傾動させるチルトシリンダ
   を取付け、前記下床は前方下部にステイを設け、該ステ
   イの下端に下床とシャーシフレームとの間に敷設された
   下床傾斜用のガイドレールに沿って転動するガイドロー
   ラを取付け、シャーシフレームの後部には前記下床を支
   持しスライドさせる複数の支持ローラを備えた支持フレ
   ームを枢支し、シャシフレームと下床との間に下床を移
   動傾斜させる移動用シリンダを設け、下床後端に道板兼
   用の後あおりを回動可能に取付けたことを特徴とする２
   段積み車両運搬車。