JPH065009B2 - V型エンジンのマフラー冷却装置 - Google Patents

V型エンジンのマフラー冷却装置

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JPH065009B2
JPH065009B2 JP62313715A JP31371587A JPH065009B2 JP H065009 B2 JPH065009 B2 JP H065009B2 JP 62313715 A JP62313715 A JP 62313715A JP 31371587 A JP31371587 A JP 31371587A JP H065009 B2 JPH065009 B2 JP H065009B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、V型エンジンのマフラー冷却装置に係り、特
に、V型エンジンを備えた乗用芝刈機、コンバインなど
における構造の改良に関する。
(従来の技術) 従来より、V型エンジンを搭載した乗用芝刈機やコンバ
インなどの作業機において、マフラーを冷却する手段と
しては、例えば特開昭62−55410号公報に記載さ
れるようなものがある。該公報にはV型エンジンを搭載
したシャーシの前端又は後端に、左右両端近傍に夫々排
気入口を設けたマフラーを水平に支持し、V型エンジン
の左右のシリンダからの排気管を夫々マフラーの左右両
端近傍の排気入口に接続した構造のものが記載されてい
る。そして、マフラーの冷却は専ら走行風によって行う
ようになっている。
(発明が解決しようとする課題) ところが、このように、走行風を利用してマフラーを冷
却するようにしたものにおいては、作業機の走行中にあ
っては良好に冷却が行えるが、走行速度の遅い作業機あ
るいは、作業機を据え置きで使用する場合などには、冷
却が十分に行えずマフラーが異常加熱を起こしたり、エ
ンジン停止後に余熱によって未燃焼ガスのアフターバー
ンが発生するなどの不具合がある。
本発明は、この点に鑑みてなされたものであって、簡単
な構成でもって、低速走行の作業機や作業機の据え置き
使用時にあってもマフラーを十分に冷却することができ
る構成を得ることを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明は、ラジエータを
冷却する冷却風を有効に利用することによってマフラー
及びその周辺部の冷却が行えるようにした。具体的に
は、V型エンジンのインテークマニホールドを、左右の
バンクに跨って且つこの左右のバンクとインテークマニ
ホールドとの間に通風空間が形成されるように配設す
る。また、前記V型エンジンのクランクシャフトの一端
側にラジエータを配設すると共に、該クランクシャフト
の一端に、前記ラジエータを冷却する冷却風を発生させ
るファンを連結する。そして、前記V型エンジンのエン
ジン本体と前記ラジエータとの間に、一端に前記ファン
に対向して開口する冷却風導入口を有し、他端が該冷却
風導入口から前記通風空間近傍を通過して両者間外側方
に延出され、該延出端に冷却風排出口を有し、該ラジエ
ータを通過した冷却風をエンジン本体外側方へ排出する
ダクトを配設する。また、前記ダクトの前記通風空間に
対応した部位に導風孔を設け、該導風孔における冷却風
流通方向下流側端縁部に、ダクト内を流通する冷却風の
一部を前記導風孔に導くように、ダクト内側面に立設さ
れた導風板を備えさせる。更に、前記通風空間の下流側
出口前方に、前記V型エンジンに連結された排気管及び
マフラーを配設する。そして、前記インテークマニホー
ルドの上流端にキャブレターを連繋し、該キャブレター
を、前記通風空間を流通する冷却風が当たらないよう
に、前記インテークマニホールドに対して前記通風空間
と反対側の位置に配設するような構成としている。
(作用) 上記の構成により本発明では、ファンの駆動に伴ってラ
ジエータを通過した後、ダクトを流通する冷却風は、エ
ンジン本体に当たることなしに、その一部が導風板によ
って導風孔に導かれ、通風空間に導入される。そして、
この通風空間に導入された冷却風は、排気管及びマフラ
ーに向って吹付けられて、この排気管及びマフラーを冷
却する。そし、このように、冷却風が通風空間を流通し
ている際には、キャブレターに、この冷却風が当たるよ
うなことはなく、また、前記冷却風がエンジン本体に当
たるようなこともない。従って、ラジエータを通過した
冷却風は、エンジン本体によって加熱されたり、キャブ
レター内を加熱して空燃比をずらせたり燃料沸騰を招く
ようなことなしに、排気管及びマフラーに導出されるこ
とになる。従って、従来から既存の左右のバンクとイン
テークマニホールドとでなる空間を有効に利用し、且つ
ダクト形状を改良するといった簡単な構成でもって排気
管及びマフラーの冷却を行うことができる。
(実施例) 次に本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は本例に係るV型エンジン1の一部を破断した縦
断面図、第2図は平面図である。V型エンジン1は第2
図に示すように水平に配置されており、平面視において
所定角度を存した左右のシリンダ2,2がV字形に配置
されており、該シリンダ2,2の先端部分にシリンダヘ
ッド2a,2aが配設されている。これによって本V型
エンジン1の左右のバンク1a,1aが形成されてい
る。また、左右のバンク1a,1aに跨って、前記各シ
リンダ2,2内に混合気を導入するインテークマニホー
ルド12が配設されている。このような構成により、前
記バンク1a,1aの内側面と前記インテークマニホー
ルド12の側面との間で図1における上下方向に延びる
通風空間8が形成されている。また、この通風空間8
は、図2に示すように、平面視においては略台形状を呈
している。
また、本V型エンジン1の上方、つまり図1において上
下方向に延びるクランクシャフト7の一端側には、エン
ジン冷却水の冷却が行われるラジエータ9が配設されて
おり、このラジエータ9の下側には、外気を冷却風とし
てラジエータ9内部に導入するファン3が配設されてい
る。また、このファン3は、前記エンジン1のクランク
室4内に位置するクランクシャフト7の上端部に連結さ
れている。
そして、前記エンジン1において前記左右のバンク1
a,1aを除いた部分であるエンジン本体1bとラジエ
ータ9との間には、該ラジエータ9を通過した冷却風を
排出するためのダクト10が配設されている。このダク
ト10は、前記ファン3の下側から第1図における右方
向に延び、前記通風空間8の上方を通過するように配設
されている。また、該ダクト10には、前記ラジエータ
9及びファン3に対向する上面が開放されて成る冷却風
導入口10aと、冷却風の流通下流端(図1における右
側端)が開放されて成る冷却風排出口10bとを備えて
いる。これによって、前記ファン3の駆動に伴ってラジ
エータ9を通過した冷却風は冷却風導入口10aからダ
クト10内に導入された後、冷却風排出口10bから排
出されるような構成とされている。更に、このダクト1
0は、エンジン本体1bに対向する下面(前記冷却風導
入口10aの下側に位置する面)のうち、クランクシャ
フトの挿通部分以外の部分が閉塞されており、これによ
って、ラジエータ9を通過した冷却風がエンジン本体1
bに当たらないようになっている。
そして、本例の特徴とする構成の一つとして、前記ダク
ト10には導風孔15及び導風板11が設けられてい
る。夫々について説明すると、導風孔15は、前記ダク
ト10において、前記通風空間8に対応した位置に開口
されて成っている。また、導風板11は、前記ダクト1
0の内周面に立設された板材であって、その立設位置
は、前記導風孔15の開口縁のうちダクト10内での冷
却風の流通方向下流側端縁部分に設定されている。ま
た、その上端位置は、ダクト10の高さ方向の略中央位
置に設定されていると共に、この上端部分が冷却風の流
通方向上流側に僅かに湾曲されている。このような構成
により、ダクト10内を流通する冷却風の一部は、この
導風板11によって導風孔15に導かれ、該導風孔15
から前記通風空間8に導かれるようになっている。更
に、前記導風孔15の開口縁のうちダクト10内での冷
却風の流通方向上流側部分には案内部16が形成されて
いる。この案内部16の形状としては、前記エンジン本
体1bの外側面に近接して該外側面に沿つて延びてこの
エンジン本体1bの外側面を覆うようになっており、こ
れによって、前記導風孔15から導出された冷却風が前
記ダクトと10とエンジン本体1bとの間に巻き込まれ
て冷却風がエンジン本体1bによって加熱されるような
ことがないようになっている。
次に、エンジン1の排気系について説明する。本エンジ
ン1の排気系は、各バンク1a,1aのシリンダヘッド
2a,2aに接続された排気管5と、該排気管5の下流
端に接続されたマフラー6とより成っており、前記排気
管5は、前記エンジン1をマウントしているシャーシ1
4に沿つて配設されており、前記マフラー6は、前記シ
ャーシ14の側端縁に対向して位置されている。
また、前記インテークマニホールド12における混合気
の流通方向上流側にはキャブレター13が連繋されてお
り、このキャブレター13の配設位置は、このインテー
クマニホールド13に対して前記通風空間8と反対側位
置に配設されている。このため、前記通風空間8を流通
する冷却風がキャブレター8に当たらないようになって
いる。
次に、上記の構成による本例の作用について述べると、
エンジン本体1は2点鎖線で示したシャーシ14上に搭
載され作業を遂行する。作業工具はクランクシャフト7
の下端に取付けらえる(図示省略)。クランクシャフト
7の上端のファン3はクランクシャフト7と共に回転
し、外気を冷却風としてラジエータ9の上方から取り入
れ、該冷却風がラジエータ9を通過することにより、該
ラジエータ9が冷却される。その後、冷却風は、ダクト
10の冷却風導入口10aから冷却風排出口10bに向
って流通されて排出される。そして、本例の特徴とする
作用として、前記ダクト10内を流通する冷却風の一部
は、前記導風板11によって導風孔15に案内され、該
導風孔15から通風空間8に導かれる。このようにし
て、冷却風が通風空間8を流通する際、上述したよう
に、キャブレター13には冷却風が当たらないようにな
っているので、該キャブレター13が加熱されることが
なく、空燃比が最適値に設定されることになるばかりで
なく、燃料が沸騰するようなトラブルも起こらない。ま
た、導風孔15は、通風空間8に対応した部位に設けら
れているために、冷却風がエンジン本体1bに当たって
加熱されてしまうようなことがないようになっているた
めに、該冷却風は加熱されるようなことなしに通風空間
8を流通することになる。そして、このようにして通風
空間8を流通した冷却風は、該通風空間8から図1にお
ける下方に送られ排気管5及びマフラー6に向って吹付
けられ、該排気管5及びマフラー6が冷却されることに
なる。また、この際、冷却風はシャーシ14に沿つて分
散されることになり、排気管5及びマフラー6をその全
体に亘って冷却することができる。また、この排気管5
及びマフラー6を冷却する冷却風は、温風であるがエン
ジン排気より温度がはるかに低い。例えば、エンジン排
気ガスはマフラー6までのマフラー排気管5の内部では
700〜800℃であり、管の表面温度は約450℃で
あるために、この冷却風により十分に冷却効果を発揮す
ることができる。従って、マフラー6および排気管5は
作業機が走行中は走行風によって冷却されるが、走行し
ないときでも十分に冷却することができることになるの
で、マフラー6の異常過熱が回避でき、エンジンを切っ
た後に未燃焼ガスによるアフターバーン現象の発生がな
い。
このように、本例の構成によれば、従来から既存の左右
のバンク1a,1aとインテークマニホールド12とで
なる空間を有効に利用し、且つダクト10の形状を改良
するといった簡単な構成でもって排気管5及びマフラー
6の冷却を行うことができる。
(発明の効果) 上述してきたように、本発明によれば、従来から既存の
左右のバンクとインテークマニホールドとで成る空間を
有効に利用し、且つダクト形状を改良するといった簡単
な構成でもって、走行風以外の冷却風によって排気管及
びマフラーの冷却を行うことができ、走行速度の遅い作
業機あるいは、作業機を据え置きで使用する場合などで
も、マフラーの十分な冷却が行え、該マフラーの異常加
熱や未燃焼ガスのアフターバーンの発生を回避すること
ができる。また、キャブレターに、この冷却風が当たら
ないようになっているために、キャブレターを加熱して
キャブレター内で生成される混合気の空燃比をずらせた
り燃料沸騰が生じるようなことが回避でき、更に、冷却
風がエンジン本体に当たるようなこともないので、冷却
風が、エンジン本体によって加熱されて冷却性能が低下
してしまうようなことも回避することができ。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を説明するための実施例を示す一部破断
縦断面図、第2図は第1図の平面図である。 1……エンジン本体、1a……バンク、1b……エンジ
ン本体、3……ファン、5……排気管、6……マフラ
ー、7……クランクシャフト、8……通風空間、9……
ラジエータ、10……ダクト、10a……冷却風導入
口、10b……冷却風排出口、11……導風板、12…
…インテークマニホールド、13……キャブレター、1
4……シャーシ、15……導風孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−211714(JP,A) 実公 昭55−45855(JP,Y2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】V型エンジンのインテークマニホールドが
    左右のバンクに跨って且つこの左右のバンクとインテー
    クマニホールドとの間に通風空間を形成するように配設
    されている一方、 前記V型エンジンのクランクシャフトの一端側にはラジ
    エータが配設されていると共に、該クランクシャフトの
    一端には、前記ラジエータを冷却する冷却風を発生させ
    るファンが連結されており、 前記V型エンジンのエンジン本体と前記ラジエータとの
    間には、一端に前記ファンに対向して開口する冷却風導
    入口を有し、他端が該冷却風導入口から前記通風空間近
    傍を通過して両者間外側法に延出され、該延出端に冷却
    風排出口を有し、該ラジエータを通過した冷却風をエン
    ジン本体外側方へ排出するダクトが配設されており、 前記ダクトの前記通風空間に対応した部位には導風孔が
    設けられ、 該導風孔における冷却風流通方向下流側端縁部には、ダ
    クト内を流通する冷却風の一部を前記導風孔に導くよう
    に、ダクト内側面に立設された導風板が備えられてお
    り、 前記通風空間の下流側出口前方には、前記V型エンジン
    に連結された排気管及びマフラーが配設されており、 前記インテークマニホールドの上流端にはキャブレター
    が連繋されており、該キャブレターは、前記通風空間を
    流通する冷却風が当たらないように、前記インテークマ
    ニホールドに対して前記通風空間と反対側の位置に配設
    されていることを特徴とするV型エンジンのマフラー冷
    却装置。
  2. 【請求項2】排気管は、エンジンをマウントしたシャー
    シに沿つて配設されていることを特徴とする請求項1記
    載のV型エンジンのマフラー冷却装置。
JP62313715A 1987-12-10 1987-12-10 V型エンジンのマフラー冷却装置 Expired - Lifetime JPH065009B2 (ja)

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US07/281,400 US4903485A (en) 1987-12-10 1988-12-08 Muffler cooling device for V-type engine

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JPH01155019A JPH01155019A (ja) 1989-06-16
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