JPH0650013B2 - 軒天井の構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、住宅等の軒天井を形成する際に用いる軒天
井の構造に関するものである。

〔背景技術〕

従来の軒天井の構造を第４図および第５図に示す。

軒先には、木材等からなる鼻隠し４が垂設してある。鼻
隠し４の内側には、木材等からなる野縁５が釘等の固着
具６で固定してある。

天井材支持具２は、第５図に示すように、アルミニウム
や硬質プラスチック等の押出し成形品等からなり、外壁
１に沿って固定してある。この天井材支持具２は、略溝
形断面に形成してあり、その上フランジ２ａは、下フラ
ンジ２ｂの先端よりも前方に突出し、かつ途中で折れ曲
がって上方に凸の山形断面を形成することにより、上フ
ランジ２ａの内面を横断面形状窪み面２ｄに形成した。
上フランジ２ａの先端と下フランジ２ｂの先端とが形成
した天井材３の嵌合方向Ｄに対する開口の寸法Ｌ_１（第
５図参照）は、嵌合方向Ｄに対して直角方向の寸法で、
天井材３の厚みよりも大きく形成してある。また、下フ
ランジ２ｂの先端から上フランジ２ａの先端までの垂直
距離Ｌ_２（第５図参照）は、天井材３の厚みと同じかそ
れよりもやや小さく形成してある。ウェブ２ｃには、こ
の天井材支持具２を外壁１に固定するための釘等の固着
具８が挿通できる固着具挿通孔が形成してある。下フラ
ンジ２ｂのウェブ２ｃ寄りには、天井材３の入り過ぎを
防止するための段部２ｅが形成してある。

天井材３は、表面に化粧を施した化粧合板等からなり、
一側３ａを外壁１に固定した天井材支持具２に嵌合して
あり、他側３ｂを鼻隠し４の内側に設けた野縁５に釘等
の固着具７で固定してある。

次に、軒天井の施工手順を説明する。軒先に設けた鼻隠
し４の内側に野縁５を固着具６で固定する。外壁１に天
井材支持具２を固着具８で固定する。天井材３の一側３
ａを天井材支持具２の開口に合わせて斜め下方から嵌合
する。天井材３の一側３ａを天井材支持具２に嵌合した
状態で天井材３の他側３ｂを押し上げて野縁５に当接さ
せ、固着具７で固定する。以上により軒天井が形成され
る。

しかし、この構造では、天井材支持具２で支持した天井
材３は、常に一定の角度（水平姿勢）に取付けられ、取
付角度の調整はできなかった。

〔発明の目的〕

この発明の目的は、天井材の取付角度の調整ができる軒
天井の構造を提供することである。

〔発明の開示〕

この発明の軒天井の構造は、軒先と外壁の外面に固定し
た天井材支持具との間を天井材で覆って形成し、天井材
支持具は、押出し成形品にて形成され、天井材の一側を
嵌合した略溝形断面部と、この略溝形断面部の外壁側面
に設けられ略溝形断面部の上下フランジに沿って延びる
上下延長片からなる延長部と上下延長片の外壁側端部に
設けられ延長部に対して鈍角に屈曲した前後立上片から
なる屈曲部とを有した断面略くの字形の中空外壁固定部
とを備えたことを特徴とするものである。

この発明の構成によれば、作業者が天井材支持具の中空
外壁固定部を適宜切断して固着具にて外壁に固定するこ
とで、天井材支持具と外壁との成す角度が変化する。す
なわち、中空外壁固定部の屈曲部を外壁に固定した状態
のとき天井材の傾斜角度は最大となり、中空外壁固定部
を完全に切断し略溝形断面部を外壁に固定した状態のと
き天井材は水平姿勢となり、中空外壁固定部を延長部の
途中で切断して外壁に固定した状態のとき天井材の傾斜
角度は最大傾斜角と水平姿勢との間の取付け角度とな
る。また、天井材支持具は、押出し成形品にて形成され
ており、切断し易い材質からなり、しかも中空外壁固定
部が、上下延長片からなる延長部と、前後立上片からな
る屈曲部とで構成されており、中空であることから、天
井材の取付角度が所望の角度となるように、容易に切断
できる。

実施例 この発明の一実施例を第１図ないし第３図に示す。図
は、天井材３と外壁１と固定部分を示しており、その他
の構成は第４図に示した例と同様であり、図示を省略す
る。

天井材支持具９は、第１図に示すように、アルミニウム
や硬質プラスチック等の押出し成形品からなり、外壁１
に沿って固定してある。天井材支持具９は、略溝形断面
部材９ｍと中空外壁固定部９ｅとから形成されている。
略溝形断面部９ｍの上フランジ９ａは、下フランジ９ｂ
の先端よりも前方に突出し、かつ途中で折れ曲がって上
方に凸の山形断面を形成することにより、上フランジ９
ａの内面を横断面形状窪み面９ｄに形成してある。中空
外壁固定部９ｅは、略溝形断面部９ｍの外壁１側面に設
けられ略溝形断面部９ｍの上下フランジ９ａ，９ｂに沿
って延びる上下延長形９ｇ，９ｈからなる延長部９ｆ
と、上下延長片９ｇ，９ｈの外壁１側端部に設けられ延
長部９ｆに対して鈍角に屈曲した前後立上片９ｊ，９ｋ
からなる屈曲部９ｉとを有した断面略くの字形に形成さ
れている。

天井材支持具９の使用に際しては、天井材３の傾斜角度
が大きい場合には、第１図に示すように、製造されたも
のをそのまま用い、中空外壁固定部９ｅの屈曲部９ｉを
利用して外壁１に固定する。天井材３の傾斜角度が緩や
かな場合は、第２図に示すように、中空外壁固定部９ｅ
の延長部９ｆを途中で切断し、ウェブ９ｃを利用して外
壁１に固定する。天井材３を水平に設置する場合は、第
３図に示すように、中空外壁固定部９ｅを完全に切断し
て、ウェブ９ｃを利用して外壁１に固定する。

このように構成された軒天井の構造によると、中空外壁
固定部９ｅが延長部９ｆと屈曲部９ｉとで構成されてお
り、屈曲部９ｉを外壁１に固定した状態（第１図）のと
き天井材３の傾斜角度は最大となり、中空外壁固定部９
ｅを完全に切断し略溝形断面部９ｍを外壁１に固定した
状態（第３図）のとき天井材３は水平姿勢となり、延長
部９ｆの途中で切断して外壁１に固定した状態（第２
図）のとき天井材３の傾斜角度は最大傾斜角と水平姿勢
との間の取付角度となる。このように、中空外壁固定部
９ｅを様々に切断して用いることにより、天井材３を種
々の角度に取付けることができる。

また、天井材支持具９は、押出し成形品にて形成されて
おり、切断し易い材質からなる。しかも、中空外壁固定
部９ｅが、上下延長形９ｇ，９ｈからなる延長部９ｆ
と、前後立上形９ｊ，９ｋからなる屈曲部９ｉとで構成
されており、中空であることから、切断し易く、かつ軽
量であるため施工性に優れるという利点がある。

なお、前記実施例において、天井材支持具９は、外壁１
を形成した後にその表面に固定していたが、外壁１をパ
ネルで形成する場合には、パネル形成時に予め固定して
おいてもよい。

また、前記実施例において、天井材支持具９を外壁１に
沿った長尺物として形成していたが、短冊状に形成した
ものを複数個設けてもよい。

〔発明の効果〕

この発明の構成によれば、作業者が天井材支持具の中空
外壁固定部を適宜切断して固着具にて外壁に固定するこ
とで、天井材支持具と外壁との成す角度が変化する。す
なわち、中空外壁固定部の屈曲部を外壁に固定した状態
のとき天井材の傾斜角度は最大となり、中空外壁固定部
を完全に切断し略溝形断面部を外壁に固定した状態のと
き天井材は水平姿勢となり、中空外壁固定部を延長部の
途中で切断して外壁に固定した状態のとき天井材の傾斜
角度は最大傾斜角と水平姿勢との間の取付角度となり、
天井材の取付角度を調整することができる。また、天井
材支持具は、押出し成形品にて形成されており、切断し
易い材質からなり、しかも中空外壁固定部が、上下延長
片からなる延長部と、前後立上片からなる屈曲部とで構
成されており、中空であることから、天井材の取付角度
が所望の角度となるように、容易に切断できるという効
果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例の部分断面図、第２図はこ
の発明の一実施例の部分断面図、第３図はこの発明の一
実施例の部分断面図、第４図は従来例の断面図、第５図
は従来例の部分断面図である。 １…外壁、３……天井材、９……天井材支持具、９ａ…
…上フランジ、９ｂ……下フランジ、９ｅ……中空外壁
固定部、９ｆ……延長部、９ｇ……上延長片、９ｈ……
下延長片、９ｉ……屈曲部、９ｊ…前立上片、９Ｋ……
後立上片、９ｍ……略溝形断面部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】軒先と外壁（１）の外面に固定した天井材
   支持具（９）との間を天井材（３）で覆って形成した軒
   天井の構造において、 前記天井材支持具（９）は、押出し成形品にて形成さ
   れ、前記天井材（３）の一側を嵌合した略溝形断面部
   （９ｍ）と、この略溝形断面部（９ｍ）の外壁側面に設
   けられ前記略溝形断面部（９ｍ）の上下フランジ（９
   ａ，９ｂ）に沿って延びる上下延長片（９ｇ，９ｈ）か
   らなる延長部（９ｆ）と前記上下延長片（９ｇ，９ｈ）
   の外壁側端部に設けられ前記延長部（９ｆ）に対して鈍
   角に屈曲した前後立上片（９ｊ，９ｋ）からなる屈曲部
   （９ｉ）とを有した断面略くの字形の中空外壁固定部
   （９ｅ）とを備えたことを特徴とする軒天井の構造。