JPH0649882B2 - 永久磁石用合金粉末組成物 - Google Patents

永久磁石用合金粉末組成物

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JPH0649882B2
JPH0649882B2 JP2129201A JP12920190A JPH0649882B2 JP H0649882 B2 JPH0649882 B2 JP H0649882B2 JP 2129201 A JP2129201 A JP 2129201A JP 12920190 A JP12920190 A JP 12920190A JP H0649882 B2 JPH0649882 B2 JP H0649882B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はFeBR系永久磁石用合金粉末組成物に関する。
永久磁石材料は一般家庭用の各種電気製品から大型コン
ピュータの周辺機器に至るまで巾広い分野で使用されて
いる極めて重要な電気関連部材の一つである。特に近年
の電気・電子機器の小型化・高性能化の要求に伴い永久
磁石も益々高性能化が求められている。
現在の代表的な永久磁石材料としてはアルニコ・フェラ
イトおよび希土類・コバルト磁石材料がある。
高残留磁束密度,高保磁力を有する永久磁石材料として
開発された希土類コバルト磁石材料ではあるがコバルト
を50〜60重量%も含むうえ希土類鉱石中にあまり含
まれていないサマリウムSmを使用するため大変高価であ
る。このため用途が限定されてしまい特に磁気特性から
小型では付加価値の高いところに使用されているにすぎ
ない。
希土類磁石材料がもっと広い分野で安価に,かつ多量に
使用されるようになるためには高価なコバルトを含ま
ず、希土類元素として鉱石中に比較的多量に含有されて
いるNd,Pr,Ce,Laなどのような軽希土類元素
を主成分とすることが必要である。このような軽希土類
元素を用いる永久磁石材料の開発が試みられている。そ
の一つとしてRFe系化合物(ここでRは希土類金属
の少なくとも一種)が検討された。
クラーク(A.E.Clark)は,スパッタリングに
より非晶質TbFe2を作成したところ4.2゜Kで29.5
MGOeのエネルギー積をもち、更にこれを300〜5
00℃で熱処理すると,室温で保磁力iHc=3.4k
Oe,最大エネルギー積(BH)max=7MGOeを
示すことを見い出した。同様な研究はSmFeについ
ても行なわれ,77゜Kで9.2MGOeの最大エネルギ
ー積を示すことが報告されている。
また,クーン(N.C.koon)等は(Fe,B)
0.9Tb0.05La0.05のリボンを超急冷法に
より作成した後,875゜K付近で焼鈍すると保磁力iH
cが9kOeをこえることを見い出した。しかしこの場
合磁化曲線の角形性と当然のことながら配向性が悪く,
その結果最大エネルギー積(BH)maxは低い(N.
C.Koon外Appl.Phys.Lett.39
(10),1981,840〜842頁,IEEE T
ransaction on Magnetics,V
ol.MAG−18,No.6,1982,1448〜1
450頁)。
さらにクロート(J.J.Croat)およびカバコフ
(L.Kabacoff)等はPrFeおよびNdFe
組成のリボンを超急冷法により作製し,室温において8
kOeに近い保磁力iHcを報告している(L.Kab
acoff他,J.Appl.Phys.53(3)1
981,2255〜2257頁,J.J.Croat
IEEE Vol.18 No.6 1442〜144
7)。これらの超急冷リボン又はスパッタ薄膜はそれ自
体として使用可能な実用永久磁石材料ではなく,これら
のリボンや薄膜からは実用永久磁石を得ることは出来な
い。
即ち、従来のFeBR系超急冷リボン又はRFe系スパ
ッタ薄膜からは任意の形状・寸法を有するバルク永久磁
石体を得ることは出来ない。これまでに報告されたFe
BR系リボンの磁化曲線は角形性が悪く,従来慣用の磁
石材料に対抗できる実用永久磁石材料とはみなされなか
った。また,上記スパッタ薄膜及び超急冷リボンは,い
ずれも本質上等方性であり、これらから磁気異方性の実
用永久磁石材料を得ることは,事実上不可能である。
このように,これまでに希土類,鉄系合金の永久磁石材
料を得るため多くの研究者によって試みられた結果はど
れも実用永久磁石材料を得るには不適当であった。
従って本発明の目的は上述の従来提案されている永久磁
石材料の欠点を解消し,新規な実用永久磁石材料を工業
的に製造できる新規な永久磁石材用合金粉末組成物を提
供することを目的とする。
さらに具体的には,本発明は,室温以上で良好な磁気特
性を有し,任意の形状・寸法に成形可能であり,磁化曲
線の角形性が高くさらに磁気異方性又は等方性を有する
実用永久磁石材料であってしかもRとして資源的に豊富
な軽希土類元素を主として有効に使用できるものを得る
ための最適な永久磁石用合金粉末組成物を得ることを目
的とする。
本発明者等は先にSm,Coを必ずしも用いる必要のな
いFeBR系永久磁石材料を発明した(特願昭57−1
45072)。このFeBR系永久磁石材料は,従来知
られているRCoやRCo17化合物とは異なる新
しい化合物を基礎とし,特にボロン(B)は,従来の,た
とえば非晶質合金作成時の非晶質促進元素又は粉末治金
法における焼結促進元素として添加されるものではな
く、このFeBR系永久磁石材料の実態的内容を構成す
る磁気的に安定で高い磁気異方性定数を有するR−Fe
−B化合物の必須構成元素であることを明らかにした。
(なお、上記FeBR系永久磁石材料に基づき,適当な
ミクロ組織を形成することによって磁気異方性焼結永久
磁石が得られることも明らかにした。
本発明者等は前記目的を達成するためにさらに永久磁石
用合金粉末組成物についても鋭意研究の結果,本発明に
至ったものである。
即ち本発明によれば,原子百分率において8〜30%の
R(但しRはYを包含する希土類元素の少なくとも一
種),2〜28%のB,および残部Feおよび不可避の
不純物からなる組成であり、0.3〜80μmの平均粒
度であることを特徴とする,FeBR系永久磁石用粉末
合金組成物により上記目的が達成される。
以下本発明について詳述する。
本発明は実用的なFeBR系永久磁石材料を工業的に生
産するためのFeBR系合金粉末組成物であり,また前
記先願と同様にR−Fe−B三元化合物に基づく結晶質
合金粉末である。本発明の合金粉末組成物は必ずしもC
oを含有する必要がなく又Rとしては資源的に豊富な軽
希土類元素を用いることができ必ずしもSmを必要とせ
ずあるいはSmを主体とする必要もないので原料が安価
でありきわめて有用である。
本発明において,永久磁石材料を得るためにFeBR系
の上記組成の合金粉末組成物を調製する。
以下磁気異方性永久磁石材料を得る場合を基本として説
明する。
本発明においてホウ素BはFe・xB・15Ndの例を
第1図に示すようにまず永久磁石材料として必要な保磁
力iHcが1kOe以上であることからこれを満たすた
めには2%(以下%は合金中の原子百分率を示す)以上
でなければならずハードフェライトの残留磁束密度Br
4KGを越えるためには28%以下でなければならな
い。又Rは量が多いほどiHcが高くなり永久磁石とし
て好ましいが(92−x)Fe・8B・xNdの例を第
2図に示すようにiHcを1kOe以上とするには8%
以上でなければならない。しかしRは非常に酸化されや
すいため高R含有合金の粉末は燃えやすく又取扱いが困
難となることから30%以下が望ましい。
本発明で用いられるB(ホウ素)としては純ボロン又は
フェロボロンがあるが不純物としてAl,Si,C等を
含むものも用いることが出来る。希土類元素RはYを包
含し軽希土類及び重希土類を包含する希土類元素であ
り、そのうちの一種以上を用いる。即ちRとしては,N
d,Pr,La,Ce,Tb,Dy,Ho,Er,E
u,Sm,Gd,Pm,Tm,Yb,Lu,及びYが包
含される。通常Rは軽希土類をもって足り特にNd,P
rなどが好ましい。またRのうち一種をもって足りるが
実用上は二種以上の混合物(ミッシュメタル,ジジム
等)を入手の便宜等から用いることもでき,La,C
e,Pm,Sm,Eu,Gd,Er,Tm,Yb,L
u,Yは他のR(Nd,Pr,Dy,Ho,Tb),特
にNd,Prとの混合物として用いることができる。な
おRは純希土類元素でなくとも良く工業上入手可能な範
囲で製造上不可避な不純物(他の希土類元素,Ca,M
g,Fe,Ti,C,O等)を含有するものも用いるこ
とが出来る。
本発明において永久磁石材料には製造上不可避な不純物
の存在を許容できる。C,S,P,Cu,Ca,Mg,
O,Si等を所定限度内で含むこともでき製造上の便
宜,低価格化に資する。Cは有機結合剤からS,P,C
u,Ca,Mg,O,Si等は原料,製造工程からも含
有されることがある。C4.0%以下,P3.5%以
下,S2.5%以下,Cu3.5%以下,Ca,Mg各
4%以下,Si5%以下(但しこれらの合計は,各成分
のうち最大値以下)とすることが実用上好ましい。(な
お等方性の場合P,Cu3.3%以下が好ましい。)な
お、合金粉末の状態においては,処理工程,空気からの
吸着成分(水分,酸素等)が含まれ易いが,これらは焼
結時に除去することができる。但し,必要に応じ工程,
保存に注意する。
本発明の永久磁石用合金粉末組成物を用いた永久磁石材
料は原子百分率で8〜30%のR(但しRはYを包含す
る希土類元素の少なくとも一種),2〜28%のB,残
部Feおよび不可避の不純物において保磁力iHcは1
kOe以上,残留磁束密度Brが4kG以上の磁気特性
を示し最大エネルギー積(BH)maxはハードフェラ
イト(〜4MGOe程度)と同等以上となる(磁気異方
性の場合)。軽希土類特にNdとPrの一種又は二種を
Rの主成分(即ち全R中50%以上)とし12〜24%
のR,3〜27%のB,残部Fe及び不可避の不純物の
組成において最大エネルギー積(BH)maxが7MG
Oe以上を示し好ましい範囲である。最も好ましくは軽
希土類(特にNd,Pr)をRの主成分(同上)とし1
2〜20%のR,4〜24%のB,残部Feおよび不可
避の不純物の組成であり最大エネルギー積(BH)ma
xは10MGOe以上を示し,最高33(BH)max
以上に達する。
本発明の永久磁石用合金粉末組成物を用いた永久磁石材
料は典型的には焼結体として得られ,その製造方法は基
本的に粉末治金法的方法である。焼結体の密度は理論密
度の約80%以上が得られ,95%以上が磁気特性上好
ましく,さらに好ましくは96%以上であり,最高99
%以上にも達する(各実施例及び第4図参照)。
第3図にFeBR系磁石材料の代表例として75Fe・
10B・15Nd(異方性)の初磁化曲線1,および第
1,第2両象眼の減磁曲線2を示す。初磁化曲線1は低
磁界で急激に立ち上がり飽和に達する。減磁曲線2はき
わめて角形性が高い。初磁化曲線1の形から本磁石の保
磁力が反転磁区の核発生によって決まる,いわゆるニュ
ークリエーション型永久磁石であることがわかる。また
減磁曲線2の高い角形性はこの磁石が曲型的な高性能磁
石であることを示している。
参考までに従来知られているFeBR系の例として7
0.5Fe・15.5B・7Tb・7Laのアモルファ
ス合金のリボンの減磁曲線3を示すが角形性を全く示さ
ない。
以下本発明の永久磁石用合金粉末組成物の製造,及びこ
れを用いた高性能永久磁石材料の製造について詳細に説
明する。
一般に希土類金属は化学的に非常に活性であり空気中の
酸素と結びつきやすく容易に酸素と反応し希土類酸化物
をつくるので、溶解,粉砕,成形,焼結等の各工程を還
元性雰囲気または非酸化性雰囲気中で行うことが必要で
ある。
まず、所定組成の合金組成の合金粉末を調製する。一例
として,上記組成範囲内で原料を所定の組成に秤量配合
した後,高周波誘導炉等により溶解を行いインゴットと
し,次いで粉砕する。粉末平均粒度0.3〜80μmの
範囲で保磁力(iHc)は1kOe以上となる。平均粒
度0.3μmより小さくなると酸化が急激に進行し,目
的とする合金が得られ難くなるためFeBR系永久磁石
材料の高性能品の安定的製造上好ましくない。また粉末
粒度80μmを越えると保磁力iHcは1kOe以下と
なり磁石材料の性能保持上好ましくない。上記範囲内の
粒度を有する粉末において本発明の組成範囲内で組成の
異なる二種類以上の粉末を組成の調整または焼結時の緻
密化を促進させるために混合して用いることもできる
(RリッチもしくはBリッチのもの等のFe−B−Rの
組成比の異るものの混合物,又はFe−B−R合金粉末
と,各成分元素もしくはその合金との混合物等)。なお
粉砕は通常の粉砕でよいが溶媒中で湿式で行なうことが
好ましく,アルコール系溶媒,ヘキサン,トリクロルエ
タン,トリクロルエチレン,キシレン,トルエン,フッ
素系溶媒,パラフィン系溶媒などを用いることができ
る。
次いで得られた所定の粒度を有する合金粉末を成形す
る。成形時の圧力は0.5〜8Ton/cm2の範囲で行
うことが好ましい。0.5Ton/cm2未満の圧力で
は,成形体の充分な強度が得られず永久磁石材料として
の実用上その取扱いが極めて困難となる。また8Ton
/cm2をこえると成形体の強度は非常にあがりその取扱
いの上で好ましくはなるが、プレスのパンチ,ダイス金
型の強度の点で連続的に成形を行う時に問題となるので
好ましくない。但しこの成形圧力は限定的ではない。さ
らに加圧成形時,磁気的異方性の磁石の材料を製造する
場合には加圧成形を行う時には磁界中で行うのであるが
その時の磁界は凡そ7〜13kOeの磁界中で行うこと
が好ましい。(また,等方性の永久磁石材料を製造する
場合は磁界をかけずに加圧成形を行う。)なお,必要に
応じ成形バインダ(助剤)を用いる。
以下典型例として,焼結体とする場合について述べる。
得られた成形体は900〜1200℃の温度,好ましく
は1000〜1180℃で焼結する。
焼結温度が900℃未満では永久磁石材料としての十分
な密度が得られず又所要の磁束密度が得られない。また
1200℃を越えると焼結体が変形し,配向がくずれ磁
束密度の低下と角形性の低下を来たし好ましくない。ま
た焼結時間は5分以上あればよいが余り長時間になると
量産性に問題があるので好ましい焼結時間は30分〜8
時間である。
焼結は還元性ないし非酸化性雰囲気で行う。焼結雰囲気
として不活性ガス雰囲気を用いる場合は定圧又は加圧雰
囲気でもよいが焼結体の緻密化を図る方法として減圧雰
囲気或いは減圧不活性雰囲気で行うことも可能である。
また焼結密度を上げる別の方法としては,還元性ガスで
あるHガス雰囲気中で行うことも用いられる。以上の
各工程を経て高磁束密度で磁気特性のすぐれた磁気的に
異方性(又は等方性)の焼結永久磁石材料を得ることが
できる。なお焼結温度と磁気特性の関連についての一例
を第4図に示す。
以上主として異方性の場合について説明したが,本発明
は等方性の場合をも含みその場合には,磁気特性が異方
性の場合よりは低いが,従来の等方性磁気材料と比べて
極めて優れた特性を有するものが得られる。
すなわち、等方性永久磁石材料の場合,合金粉末は,1
0〜25%のR,3〜23%のB,および残部Feおよ
び不可避の不純物からなるものが好ましい特性を付与で
きる。
本発明において,「等方性」とは,実質的に等方性であ
ることを意味し,プレスなどによって現れることのある
異方性を示すものも包含する。
等方性の場合も,R量が増加するに従ってiHcは増加
するが,Brは最大値を経た後減少する。かくて(B
H)max 2MGOe以上を満足するR量は10%以
上でかつ25%以下である。またB量が増大するに従
い、iHcは増大するがBrは最大値を経た後減少す
る。かくて(BH)max 2MGOe以上はB3〜2
3%の範囲である。
好ましくは軽希土類(特にNd,Pr)をRの主成分
(全R中50原子%以上)とし12〜20%のR,5〜
18%のB,残部Feの組成で(BH)max4MgO
e以上の高い磁気特性を示す。最も好ましく範囲として
Nd,Pr等の軽希土類をRの主成分とし12〜16%
のR,6〜18%のB,残部Feの組成では(BH)m
axが7MGOe以上で等方性永久磁石材料ではかつて
ない高い特性が得られる。
以下本発明の実施例について説明する。但し本発明は実
施例によって限定されるものではない。実施例で用いる
試料を次に製造工程により作成した。
(1)原料は希土類として99%以上のもの(不純物は主
として他の希土類金属,重量%以下原料純度についても
同じ)を用いた。鉄は純度99.9%の電解鉄を用い,
ボロンとしてはB19.4%を包含し残部がFeと不純
物としてAl,Siを含有するフェロボロン合金を用い
所定の組成になるよう秤量配合を行った。
(2)磁石原料を高周波誘導を用いて溶解を行った。この
際ルツボとしてはアルミナルツボを用い水冷銅鋳型中に
鋳込みインゴットを作った。
(3)溶解で得られたインゴットを搗砕し−35mesh
にしたのち,さらにボールミルにより0.3〜80μm
のものが得られるように粉砕を行った。
(4)粉末を7〜13kOeの磁界中で0.5〜8Ton
/cm2の圧力で成形した。(但し等方性磁石材料を製造
する場合は磁界をかけないで成形した。) (5)成形体は900℃〜1200℃の温度で焼結を行っ
た。その際の雰囲気は還元性のガス,不活性ガス,又は
真空中で行った。
以下に上記工程により得られた焼結体から成る実施例を
示す。
実施例1 原子百分率で72Fe・8B・20Ndなる合金を上記
工程により平均粉末粒度3.3μmに紛砕し約10kO
eの磁界中で3Ton/cm2の圧力で成形体をつくりA
r大気圧雰囲気中,各温度で1時間焼結を行った時の焼
結密度と特性は次のようになった。
実施例2 77Fe・9B・9Nd・5Prなる合金を上記工程に
より平均粉末粒度2.8μmに粉砕し10kOeの磁界
中で1.5Ton/cm2の圧力で成形体をつくりAr2
00Torr雰囲気中,各温度で4時間焼結を行った時
の焼結密度と特性は次のようになった。
実施例3 77Fe・7B・16Prなる合金を平均粉末粒度4.
9μmに粉砕し10kOeの磁界中で5Ton/cm2
圧力で成形体をつくり1×10−4Torrの真空中
で,各温度で4時間焼結を行った時の焼結密度と特性は
次のようになった。
実施例4 79Fe・7B・14Ndなる合金を平均粉末粒度5.
2μmに粉砕し10kOeの磁界中で1.5Ton/cm
2の圧力で成形体をつくりAr雰囲気中で各温度,1時
間焼結を行った時の焼結密度と特性は次のようになっ
た。
実施例5 68Fe・17B・15Ndなる合金を平均粉末粒度
1.8μmに粉砕し10kOeの磁界中で2Ton/cm
2の圧力で成形体をつくり,Ar200Torr中雰囲
気で各温度,2時間焼結を行った時の焼結密度と特性は
次のようになった。
実施例6 77Fe・8B・15Ndなる合金を平均粉末粒度1.
5μmに粉砕し磁界中配向せずに成形を行い,得られた
成形体をAr雰囲気中で各温度,1時間焼結を行った時
の焼結密度と特性は次のようになった。
以上の実施例にみられるごとく、本発明のFeBR系永
久磁石用合金粉末組成物は磁気異方性,等方性いずれに
も成形可能であり、粉末治金的焼結法によって高性能か
つ任意の大きさの永久磁石材料,ひいては最終製品を作
りだすことができる。従来のスパッタリングや超急冷法
などの製造方法によってはかかる高特性の付与および任
意の形状を作ることは不可能なものである。したがって
本発明はFeBR系において,任意の形状の製品を安価
かつ高性能永久磁石材料として提供できる永久磁石用合
金粉末組成物を実現したものであり工業的に非常に有用
である。また本発明の合金粉末組成物は,実施例に例示
した以外にも永久磁石用として広汎な応用が可能である
ことは論をまたない。
【図面の簡単な説明】
第1図は(85−x)Fe・xB・15NdのB量
(x)と磁気特性Br,iHcの変化を示すグラフ, 第2図は(92−x)Ff・8B・xNdのNd量
(x)と磁気特性Br,iHcの変化を示すグラフ, 第3図は75Fe・10B・15Ndの場合の磁化曲線
を示すグラフ, 第4図は焼結温度と磁気特性の関連を示すグラフ, 第5図は合金粉末の平均粒度(μm)と保磁力iHc
(kOe)との関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子百分率において8〜30%のR,2〜
    28%のB,および残部Feおよび不可避の不純物から
    なる組成で平均粒度0.3〜80μmであることを特徴
    とするFeBR系永久磁石用合金粉末組成物。
JP2129201A 1990-05-21 1990-05-21 永久磁石用合金粉末組成物 Expired - Lifetime JPH0649882B2 (ja)

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