JPH0649840U - 防振装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 薄鋼板を略直角三角形状に成形した複数の平
等強さ梁２を、固定板１の長手方向へ所定の間隔を置き
且つ固定板１の幅方向の一方の端部と他方の端部とに交
互にその直角部が向くよう固定板１上に並べ固定して成
るブロック３を２箇設け、一方のブロック３上に他方の
ブロック３を、各ブロック３，３の平等強さ梁２の板面
が互いに直交するように積み重ね且つ上部のブロック３
の上面に配管６の取付用固定板４を取付ける。 【効果】 配管６の振動は上下のブロック３，３に伝達
され、地震力の大きさに対応して平等強さ梁２が撓み振
動を歪みエネルギとして消費せしめ振動を減衰させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、地震時に変位する配管の防振装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

床面上に直接固定された非免振構造物と床面上に防振材を介して設置された免 振構造物との間を接続した配管は、地震時に非免振構造物の振動や配管自体の振 動を免振構造物へ伝達する可能性があるので、従来から防振装置により支持され ている。

【０００３】 図３は従来の配管の防振装置の概略を表す平面図である。７は非免振構造物、 ８は免振構造物、９は配管であり、該配管９に直交する方向へ伸縮し得るコイル バネ１０と、該コイルバネ１０との間に前記配管９を挟みコイルバネ１０と対称 する方向へ延びる粘性ダンパ１１との組合せによる複数の防振装置１２を、配管 ９に直交する面内に放射状に配設している。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述の防振装置１２では、配管９に直交する面内にコイルバネ １０や粘性ダンパ１１が放射状に突出する形となるので空間的に大きなスペース を必要とし、その上複雑な構造であり、コストが嵩むなどの問題があった。

【０００５】 本考案は、前述の実情に鑑み、複数の薄板製平等強さ梁を固定板上に立設する ことによりコンパクトで高い減衰能を有する防振装置を提供することを目的とし てなしたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、薄板により形成した複数の平等強さ梁を水平固定板に梁板面が互い に平行するよう所定の間隔を置いて立設した少なくとも２箇のブロックを備え、 一方のブロック上に他方のブロックを、各ブロックの梁板面が互いに直交するよ うに順次２箇以上基礎上に積み重ね最上部のブロック上に防振対象物を取付け得 るようにした構成としている。

【０００７】

【作用】

従って、本考案では、平等強さ梁が梁板面に直交する方向へ撓むことによる歪 みエネルギーとして振動を吸収する。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照しつつ説明する。

【０００９】 図１は本考案の防振装置の概略を表す側面図、図２は図１のＩＩ−ＩＩ矢視図 である。

【００１０】 １は基礎１３に対して固定された固定板、２は薄鋼板を略直角三角形状に成形 し、頂部にかかる水平力による曲げモーメントに対して頂部から基部に至る間の 応力が均一となるような断面とした複数の平等強さ梁であり、該平等強さ梁２を 前記固定板１上に固定板１長手方向へ所定の間隔を置き、且つ固定板１幅方向の 一方の端部と他方の端部とに交互に平等強さ梁２の直角部を向けて並べ、基部を 固定板１面に固定して形成したブロック３を２箇設ける。

【００１１】 次いで、一方のブロック３上に他方のブロック３を、各ブロック３，３の平等 強さ梁２の板面が互いに直交するように積み重ねる。

【００１２】 さらに、上部のブロック３上に固定板４を設け、該固定板４上の中央部にフラ ンジ５を設け、該フランジ５を介して配管６を支持する。

【００１３】 地震による水平力を配管６が受けて振動すると、該振動はフランジ５を介して 上下のブロック３，３に伝達され、地震力の大きさに対応して平等強さ梁２が撓 むことにより振動を平等強さ梁２の歪みエネルギとして消費せしめ振動を減衰さ せる。

【００１４】 前記によれば、互いに平行する平等強さ梁２を固定板１上に立設したブロック ３を平等強さ梁２の板面が互いに直交するよう積み重ねた防振装置としたので、 二次元の各方向の振動に対応し得る高い減衰能を付加することが可能となり、し かも大きなスペースを必要としない簡単な構造であるため、コストの削減を図り 得る。

【００１５】 なお、本考案は前述の実施例にのみ限定されるものではなく、例えば、ブロッ クを３箇以上積み重ねるようにしてもよいこと、平等強さ梁の頂部または基部と 固定板との接続部をピンヒンジとしてもよいこと、ブロックを積み重ねる箇所は 任意の必要箇所でよいこと、最上部のブロック上への防振対象物の取付けに図示 以外の種々の方式を採用し得ること、その他、本考案の要旨を逸脱しない範囲内 において種々変更を加え得ることは勿論である。

【００１６】

【考案の効果】

本考案の防振装置によれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し得る。

【００１７】 Ｉ）二次元の各方向の振動に対応し得る。

【００１８】 ＩＩ）高い減衰能を付加することが可能である。

【００１９】 ＩＩＩ）構造が簡単なのでコストの削減を図り得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の防振装置の概略を表す側面図である。

【図２】図１のＩＩ−ＩＩ矢視図である。

【図３】従来の防振装置の一例の概略を表す平面図であ
る。

【符号の説明】

１ 固定板 ２ 平等強さ梁 ３ ブロック ６ 配管（防振対象物） １３ 基礎

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄板により形成した複数の平等強さ梁を
   水平固定板に梁板面が互いに平行するよう所定の間隔を
   置いて立設した少なくとも２箇のブロックを備え、一方
   のブロック上に他方のブロックを、各ブロックの梁板面
   が互いに直交するように順次２箇以上基礎上に積み重ね
   最上部のブロック上に防振対象物を取付け得るよう構成
   したことを特徴とする防振装置。