JPH0649301A - 熱可塑性樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物およびその成形体Info
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Abstract
℃以上のポリアミド(A)、特に好ましくは融点が30
0℃を超える特定の芳香族ポリアミド(A−1)、特定
の変性重合体(B)、分子量が500以上でTGA10
%減量温度が300℃以上であるヒンダードフェノール
系酸化防止剤(C)および分子量が600以上でTGA
10%減量温度が280℃以上である硫黄系酸化防止剤
(D)からなる。また、本発明の成形体は上記熱可塑性
樹脂組成物から形成される。 【効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、優れた熱安定
性を有している。
Description
脂組成物およびこの熱可塑性樹脂組成物からなる成形体
に関する。さらに詳しくは本発明は、加熱によって靱性
の低下が少なく、長期にわたり耐熱性の低下が少なく、
軽量な熱可塑性樹脂組成物およびこの熱可塑性樹脂組成
物からなる成形体に関する。
性、耐油性、成形性、剛性および強靱性などの特性に優
れているため、電動工具、一般工業部品、機械部品、電
子部品、自動車内外装部品、エンジンルーム内部品およ
び自動車電装部品などの種々の機能部品を形成するため
の樹脂として利用されている。これらの用途では、ポリ
アミド樹脂に非常に高い耐熱性が必要とされるために、
従来の脂肪族ポリアミドに代わって、ポリアミド46、
ポリアミド6T6、ポリアミド6T10、ポリアミド6
TI、ポリアミド6TI6、ポリアミド6TI10、ポ
リアミドMXD6、ポリアミドPXD6などの高融点ポ
リアミドが用いられることが多くなっている。
芳香族ジカルボン酸を用いて、この芳香族ジカルボン酸
とジアミンとを重縮合させることにより得られるポリア
ミド、すなわち芳香族ポリアミドは特に融点が高く、短
期耐熱性に優れる。さらにこの芳香族ポリアミドは上記
のように優れた短期耐熱性を有すると共に、吸水率が低
いので、成形品が吸水することに伴って生ずる寸法精度
の低下および物性の変動などの問題がないという利点を
も有する。
が高いため、コンパウンドを調製する際あるいは成形の
際の加工温度が脂肪族ポリアミドよりも高くなる。それ
ゆえ、成形体に加工時に熱劣化、ガス焼けといった問題
を生じやすい。また、短期耐熱性には優れているものの
長期耐熱性に関してはそれほど良好ではなく、従って成
形物を高温で長期間使用すると著しく脆化する。
成形体には、例えば自動車部品等の機械部品のように、
長期間にわたって高温の環境に晒されるものもあり、こ
れらの部品の信頼性向上のために、樹脂成形品の長期耐
熱性を改良することが強く望まれていた。
芳香族ジカルボン酸を用いて、この芳香族ジカルボン酸
とジアミンとを重縮合させることにより得られるポリア
ミド、すなわち芳香族ポリアミドは、特に融点が高く、
短期耐熱性に優れる。このような特に優れた短期耐熱性
に加えて、吸水率が低いので、成形品が吸水することに
伴って生ずる寸法精度の低下および物性の変動などの問
題がないという利点をも有する。
性に関してはさらに改善の余地があり、これらの高融点
ポリアミドにおける伸び、耐衝撃性等の靱性を向上させ
るための種々の提案がなされている。そして、これらの
特性の向上と共に吸水率をさらに低下させるはかるため
方法として、ポリオレフィン、ゴム等を用いてポリマー
アロイを形成する方法が提案されている。その例として
は、本出願人の出願に係る特願平3-312733号明細書で提
案した組成物がある。この組成物は、具体的にはポリア
ミドと特定の変性α-オレフィン系重合体とを含む組成
物である。この組成物から形成された成形品において
は、伸び、耐衝撃性等の靱性は著しく改良されている。
すなわち、高融点ポリアミドとポリオレフィンあるいは
ゴムをアロイ化することによって耐熱性と靱性とを併有
する成形品を得ることができる樹脂組成物とすることが
できる。
アミド、および、この高融点ポリアミドとポリオレフィ
ンあるいはゴムとのポリマーアロイは、コンパウンド製
造時、あるいは成形時等には加工温度を高くする必要が
ある。それゆえ、加工時の熱劣化、ガス焼けといった問
題を生じやすい。また、この成形体は短期耐熱性は優れ
ているが、長期耐熱性はそれほど良好ではないため、こ
れらのポリアミドから得られた成形品を高温で長期間使
用すると、著しく劣化することがある。
たって高温の環境に晒されながら使用されるものもあ
り、これらの部品の信頼性向上のために、樹脂成形品の
長期耐熱性を改良することが強く望まれていた。
て、上述のようなポリアミドに他の樹脂を配合する方法
の他に、ポリアミドに種々の安定剤を配合する方法が知
られている。例えば特開平2-212533号、同2-214752号、
同2-173059号公報および同62-273256号等の公報には、
ポリアミド66、ポリアミド(ε-カプロラクタム)/
66等の脂肪族ポリアミドに、各々特定のフェノール系
安定剤、硫黄系安定剤およびリン系安定剤を配合したポ
リアミド樹脂組成物が開示されている。ところが、これ
らの公報に開示されている組成物を構成する主な樹脂
は、脂肪族ポリアミドであり、この脂肪族ポリアミドの
融点は芳香族ポリアミドの融点よりも相当低いことが知
られている。従って、上記公報に記載されているように
脂肪族ポリアミドに上記の安定剤を配合した組成物から
得られた成形体は良好な耐熱性を示すが、これを芳香族
ポリアミド系アロイに適用しようとしても、芳香族ポリ
アミドの融点が高いため、コンパウンドを製造する際、
あるいは成形の際に配合した安定剤により発泡を引き起
こすという問題があることが判明した。
アミドと特定のフェノール系安定剤、硫黄系安定剤およ
び銅化合物とからなる組成物が開示されている。しかし
ながら、この組成物において、銅化合物は充分な耐熱老
化性を発揮するには必須の構成成分であり、この銅化合
物と特定のフェノール系安定剤および硫黄系安定剤とを
併用することにより組成物の耐熱安定性は向上するが、
反面、安定剤として配合した銅化合物により金属害が発
生することがある。すなわち、従来のポリアミドで採用
されていた安定剤処方は、脂肪族ポリアミドを中心にし
て案出された処方であり、このような処方は融点の高い
芳香族ポリアミドの安定剤処方としては必ずしも満足の
できるものではなかった。
く、さらに衝撃強度および耐熱性に優れると共に軽量な
成形体を製造するのに適した熱可塑性樹脂組成物および
この樹脂組成物から形成された成形体を提供することを
目的としている。
際および成形等の加工の際に発泡せず、金属害を有さ
ず、成形時のガス焼けがなく、かつ、耐熱性、靱性、低
吸水性、および耐熱老化性に優れた成形体を製造するこ
とができる熱可塑性樹脂組成物およびこの樹脂組成物か
ら形成された成形体を提供することを目的としている。
可塑性樹脂組成物)は、(A)融点が280℃以上のポ
リアミド、(B)グラフト変性α-オレフィン重合体、
式[III]または[IV]で表される環状オレフィンの開
環重合体のグラフト変性物あるいは該環状オレフィンと
エチレンとの付加重合体である環状オレフィン共重合体
のグラフト変性物、グラフト変性芳香族ビニル系炭化水
素・共役ジエン共重合体またはその水素化物、および、
カルボキシル基およびカルボン酸金属塩を側鎖に含むエ
チレン系共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一
種類の変性重合体、(C)分子量が500以上であり、
かつ空気中で測定した熱重量分析曲線における10%減
量温度が300℃以上であるヒンダードフェノール系酸
化防止剤、および(D)分子量が600以上であり、か
つ空気中で測定した熱重量分析曲線における10%減量
温度が280℃以上である硫黄系酸化防止剤からなる酸
化防止剤からなる樹脂組成物であり、該ポリアミド
(A)および変性重合体(B)の合計100重量部に対
して前記変性重合体(B)が2〜100重量部の範囲内
の量で含有されていることを特徴としている。
0または正の整数であり、rは0または1であり、R1
〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選
ばれる原子もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結
合して単環または多環の基を形成していてもよく、かつ
該単環または多環の基が二重結合を有していてもよく、
また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
デン基を形成していてもよい。
整数であり、mおよびnは0、1または2であり、R1
〜R19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、
脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素
基およびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もし
くは基を表し、R9が結合している炭素原子とR13が結
合している炭素原子またはR10が結合している炭素原子
とR11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原
子数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
く、また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR
19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成
していてもよい。
(A)として、(A−1) テレフタル酸成分単位40
〜100モル%と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボ
ン酸成分単位0〜50モル%および/または炭素原子数
4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位0〜60モル%
とからなるジカルボン酸成分単位と、脂肪族ジアミン成
分単位および/または脂環族ジアミン成分単位からなる
ジアミン成分単位とからなる繰返し単位から構成され、
そして、30℃濃硫酸中で測定した極限粘度が0.5〜
3.0dl/gの範囲内にあり、かつ融点が290℃を超え
る芳香族ポリアミドを用いた組成物(第2の熱可塑性樹
脂組成物)が特に優れた耐熱性を示す。この場合に硫黄
系酸化防止剤(D)は、次式[VI]で示される硫黄系酸
化防止剤であることが好ましい。
炭化水素基を表し、R2は、炭素原子数1〜5の二価の
炭化水素基を表す。
タ(エリスチル-テトラ-β-メルカプトラウリル)プロ
ピオネートであることが特に好ましい。さらに、本発明
の成形体は、上記熱可塑性樹脂組成物からなることを特
徴としている。
点280℃以上のポリアミド(A)と特定の変性重合体
(B)とからなる樹脂成分、並びに、分子量が500以
上で、かつ、空気中で測定した熱重量分析曲線における
10%減量温度が300℃以上であるヒンダードフェノ
ール系酸化防止剤(C)および分子量が600以上で、
かつ、空気中で測定した熱重量分析曲線における10%
減量温度が280℃以上である硫黄系酸化防止剤(D)
からなる酸化防止剤とからなる樹脂組成物である。この
ような組成を有することにより、コンパウンドを調製す
る際の加熱によっても発泡せず、金属害を有さず、成形
時のガス焼けがなく、かつ、耐熱性、低吸水性および耐
熱老化性に優れた成形体を成形可能な樹脂組成物を得る
ことができる。
は、上記第1の熱可塑性樹脂組成物において、ポリアミ
ド(A)として特定の芳香族ポリアミド(A−1)を用
い、かつ、硫黄系安定剤として特定の化合物を用いた組
成物である。このような組成にすることによってさらに
耐熱老化性を改善し、さらにガス焼けの少ない成形体を
成形可能な樹脂組成物を得ることができる。
は、上記第1の熱可塑性樹脂組成物が有している優れた
特性を有すると共に、特に耐熱性等の特性が良好であ
る。上記のような熱可塑性樹脂組成物から形成される本
発明の成形体は、短期耐熱性に優れるだけでなく、優れ
た長期耐熱性を有している。
およびその用途について具体的に説明する。本発明の熱
可塑性樹脂組成物は、以下に示すような特定の融点のポ
リアミド(A)および特定の変性重合体(B)からなる
少なくとも二種類の樹脂成分と、特定のヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤(C)および特定の硫黄系酸化防止
剤(D)からなる少なくとも2種類の酸化防止剤とから
なる。
(A)は、融点が280℃以上、好ましくは300℃を
超え340℃以下のポリアミドである。このように融点
が280℃以上、好ましくは300℃を超え340℃以
下のポリアミドを用いることにより、本発明の組成物か
ら得られる成形体の耐熱老化性が良好になる。
には、ジアミンとジカルボン酸とから形成されるポリア
ミドと、ジアミンとジカルボン酸とアミノカプロン酸ま
たはラクタムからなる共重合ポリアミド樹脂とがある。
1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,9-ジア
ミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデ
ン、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4-
トリメチルヘキサメチレンジアミンのような脂肪族ジア
ミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4-
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p-アミノ
シクロヘキシルメタン)のような脂環族ジアミン、およ
び、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミンのよ
うな芳香族のジアミンを挙げることができる。
ン酸、スベリン酸、ドデカンジカルボン酸およびセバシ
ン酸のような脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカ
ルボン酸のような脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸およ
びジフェニルジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸
を挙げることができる。
類の例としては、ε-カプロラクタムおよびアミノカプ
ロン酸を挙げることができる。上記ジアミン、ジカルボ
ン酸、あるいは、アミノカプロン酸またはラクタム類か
ら製造される融点が280℃以上のポリアミドの例とし
ては、具体的には、ポリアミド46、ポリアミド6T、
ポリアミド6TI、ポリアミド6T6、ポリアミド6T
I10、ポリアミドMXD6、ポリアミドPXD6およ
びポリアミド(6T/6)等を挙げることができる。こ
れらのポリアミドは単独で、または2種類以上を混合し
て用いることもできる。
30℃の温度で測定した極限粘度[η]は、通常は0.
5〜3.0 dl/g、好ましくは0.5〜2.8 dl/g、特に
好ましくは0.6〜2.5 dl/gの範囲にある。
リアミドは、上記のように融点が280℃以上のポリア
ミド(A)であるが、本発明においては、上記ポリアミ
ド(A)の中でも以下に記載する芳香族ポリアミド(A
−1)を使用することにより極めて熱安定性に優れた組
成物を得ることができる。
る芳香族ポリアミド(A−1)は、特定のジカルボン酸
成分単位[a]と、特定の脂肪族ジアミン成分単位また
は脂環族ジアミン成分単位[b]とからなる繰返し単位
から構成されている。
ン酸成分単位[a]は、必須成分単位としてテレフタル
酸成分単位(a-1)を有している。このようなテレフタル
酸成分単位(a-1)を有する繰返し単位は、次式[I−a]
で表わすことができる。
族あるいは脂環族の炭化水素基、好ましくは炭素原子数
4〜18のアルキレン基を表わす。
記[I−a]で表される成分単位である必要はなく、上
記のようなテレフタル酸成分単位(a-1)の一部が他のジ
カルボン酸成分単位であってもよい。
酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン
酸成分単位(a-2)と脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)と
がある。
分単位(a-2)の例としては、イソフタル酸成分単位、2-
メチルテレフタル酸成分単位およびナフタレンジカルボ
ン酸成分単位を挙げることができる。テレフタル酸以外
の芳香族ジカルボン酸から誘導される成分単位として
は、特にイソフタル酸成分単位が好ましい。
ルボン酸成分単位(a-2)のうち、本発明において特に好
ましいイソフタル酸成分単位を有する繰返し単位は、次
式[I−b]で表わすことができる。
あるいは脂環族の炭化水素基、好ましくは炭素原子数4
〜18のアルキレン基を表わす。
常は炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12のアルキ
レン基を有する脂肪族ジカルボン酸から誘導される。こ
のような脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)を誘導する
ために用いられる脂肪族ジカルボン酸の例としては、コ
ハク酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸を
挙げることができる。本発明において、脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位としては、特にアジピン酸成分単位および
セバシン酸成分単位が好ましい。
のジカルボン酸として、脂肪族ジカルボン酸成分単位(a
-3)を有する繰返し単位は次式[II]で表わすことがで
きる。
味であり、nは通常2〜18、好ましくは4〜10の整
数を表わす。
リアミド(A−1)を形成するジアミン成分単位[b]
は、炭素原子数4〜18の脂肪族アルキレンジアミンお
よび脂環族ジアミンから誘導することができる。
体的な例としては、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノ
ヘキサン、トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジ
アミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノ
ノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカ
ンおよび1,12-ジアミノドデカンを挙げることができ
る。また、脂環族ジアミンの具体的な例としては、ジア
ミノシクロヘキサンを挙げることができる。
ては、直鎖脂肪族アルキレンジアミンから誘導された成
分単位が好ましく、このような直鎖脂肪族アルキレンジ
アミンとしては、1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミノ
オクタン、1,10-ジアミノデカン、1,12-ジアミノドデカ
ンおよびこれらの混合物が好ましい。さらに、これらの
中でも、1,6-ジアミノヘキサンが特に好ましい。
る全ジカルボン酸成分(100モル%)中におけるテレ
フタル酸成分単位(a-1)の含有率は40〜100モル
%、好ましくは45〜100モル%、さらに好ましくは
50〜100モル%、特に好ましくは50〜80モル%
であり、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単
位(a-2)の含有率は0〜50モル%、好ましくは0〜3
0モル%であり、そして、脂肪族ジカルボン酸成分単位
(a-3)の含有率は0〜60モル%、好ましくは0〜50
モル%、特に好ましくは0〜20モル%である。
は、芳香族ジカルボン酸成分単位として、上記の主成分
単位であるテレフタル酸成分単位、さらにイソフタル酸
成分単位に代表されるテレフタル酸以外の二価の芳香族
カルボン酸から誘導される成分単位および上述の脂肪族
ジカルボン酸成分単位を有する繰返し単位の外に、少量
のトリメリット酸あるいはピロメリット酸のような三塩
基性以上の多価カルボン酸から誘導される成分単位を含
有していてもよい。本発明の組成物を構成する芳香族ポ
リアミド(A−1)中に、このような多価カルボン酸か
ら誘導される成分単位は、通常は0〜5モル%含有され
ている。
リアミド(A−1)は、前記式[I-a]で表わされる繰
返し単位を主な繰返し単位とする芳香族ポリアミドと、
前記式[I-b]で表わされる繰返し単位を主な繰返し単
位とする芳香族ポリアミドとからなる混合物であっても
よい。この場合、式[I-a]で表わされる繰返し単位を
主な繰返し単位とする芳香族ポリアミドの含有率は、通
常は50重量%以上、好ましくは60重量%以上であ
る。
て、濃硫酸中30℃の温度で測定した極限粘度[η]
は、通常は0.5〜3.0 dl/g、好ましくは0.5〜2.
8 dl/g、特に好ましくは0.6〜2.5 dl/gの範囲にあ
る。また、この芳香族ポリアミド(A−1)は、従来か
ら使用されている脂肪族ポリアミドよりも高い融点を示
す。すなわち本発明で使用される芳香族ポリアミド(A
−1)は290℃を超える融点を融点、好ましくは30
0℃を超える融点を有しており、この融点が好ましくは
305〜340℃の範囲内、さらに好ましくは310〜
340℃の範囲内にある芳香族ポリアミドを含有する組
成物が特に優れた耐熱性を有している。さらに、この芳
香族ポリアミドの非晶部におけるガラス転移温度は通常
は80℃以上である。融点および非晶部のガラス転移温
度が上記の範囲内にある芳香族ポリアミドを使用するこ
とにより、成形体が高温に晒される場合であっても、こ
の樹脂が溶融状態になりにくい。さらに上記の芳香族ポ
リアミドは成形性に優れているため、この芳香族ポリア
ミドを用いることにより、成形体の製造が容易になる。
また、この芳香族ポリアミドは、非晶部におけるガラス
転移温度が80℃以上であるので、高温に晒された場合
であっても寸法変化が発生しにくい。
するため、従来の脂肪族ポリアミドの問題点とされてい
た吸水性に関しても低い値を示す。本発明の熱可塑性樹
脂組成物には、グラフト変性α-オレフィン重合体(B-
1)、特定の環状オレフィンの開環重合体のグラフト変性
物あるいはこの環状オレフィンとエチレンとの付加重合
体である環状オレフィン共重合体のグラフト変性物(B-
2)、グラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン
共重合体またはその水素化物(B-3)、および、カルボキ
シル基およびカルボン酸金属塩を側鎖に含むエチレン系
共重合体(B-4)よりなる群から選ばれる少なくとも一種
類の変性重合体(B)が配合されている。
るグラフト変性α-オレフィン重合体(B-1)は、低結晶性
乃至非晶性のグラフト変性α-オレフィンランダム弾性
共重合体である。
共重合体(B-1)は、異なるα-オレフィンから誘導される
二種類の繰返し単位がランダムに配置された共重合体の
グラフト変性物である。
弾性共重合体は、低結晶性乃至非晶性の共重合体である
が、実質的に非晶性であることが好ましい。すなわち、
X線回折法により測定した結晶化度が10%以下、好ま
しくは5%以下であり、特に好ましくは0%である。従
って、このグラフト変性α-オレフィンランダム弾性共
重合体には、明確な融点を示さないものが多い。さら
に、このように結晶化度が低いため、このグラフト変性
α-オレフィンランダム弾性共重合体は軟質であり、こ
の弾性共重合体の引張りモジュラスは、通常は0.1kg
/cm2以上20000kg/cm2未満、好ましくは1kg/cm
2〜15000kg/cm2の範囲内にある。
ンダム弾性共重合体のメルトインデックス(190℃で
測定)は、通常は0.1〜30g/10分、好ましくは1.
0〜20g/10分、特に好ましくは2.0〜15g/10
分の範囲内にある。さらに、GPCにより測定したMw
/Mnの値は、通常は5.5以下、好ましくは4.5以
下、特に好ましくは3.5以下である。
ランダム弾性共重合体のガラス転移温度(Tg)は、通常
は−150〜+50℃、好ましくは−80〜−20℃の
範囲内にあり、このグラフト変性α-オレフィンランダ
ム弾性共重合体について135℃のデカリン中で測定し
た極限粘度[η]は、通常は0.2〜10dl/g、好まし
くは1〜5dl/gの範囲内にある。またその密度は、通常
は0.82〜0.96g/cm3、好ましくは0.84〜0.9
2g/cm3の範囲内にある。
レフィンランダム弾性共重合体(B-1)の具体的な例とし
ては、エチレンを主体に調製されるグラフト変性エチレ
ン・α-オレフィン共重合体ゴム(i)と、プロピレンを主
体に調製されるグラフト変性プロピレン・α-オレフィ
ン共重合体ゴム(ii)とを挙げることができる。
ンダム弾性共重合体について、その代表的な例である
(i)グラフト変性エチレン・α-オレフィン共重合体ゴ
ム、および(ii)グラフト変性プロピレン・α-オレフィ
ン共重合体ゴムを例にしてさらに詳しく説明する。
ィン共重合体ゴム(i)を構成するα-オレフィンとして
は、通常は炭素原子数3〜20のα-オレフィンが使用
される。このα-オレフィンの例としては、プロピレ
ン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペン
テン-1、オクテン-1、デセン-1およびこれらの混合物を
挙げることができる。このうち特にプロピレンおよび/
またはブテン-1が好ましい。
ィン共重合体ゴム(ii)を構成するα-オレフィンとして
は、通常は炭素原子数4〜20のα-オレフィンが使用
される。このα-オレフィンの例としては、ブテン-1、
ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテ
ン-1、デセン-1およびこれらの混合物を挙げることがで
きる。このうち特にブテン-1が好ましい。
は、その特性を損なわない範囲内で、ジエン化合物から
誘導される成分単位等のようなα-オレフィンから誘導
される成分単位以外の成分単位を含んでいてもよい。
に含まれることが許容される成分単位の例としては、1,
4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-メチル-1,5-ヘ
キサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエンおよび7-メチ
ル-1,6-オクタジエンのような鎖状非共役ジエンから誘
導される成分単位;シクロヘキサジエン、ジシクロペン
タジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノル
ボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-
2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン
および6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネ
ンのような環状非共役ジエンから誘導される成分単位;
2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデ
ン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネンおよび2-プロペ
ニル-2,2-ノルボルナジエン等のジエン化合物から誘導
される成分単位;並びに、環状オレフィンから誘導され
る成分単位を挙げることができる。このα-オレフィン
ランダム弾性共重合体中における上記のようなジエン成
分単位の含有率は、通常は10モル%以下、好ましくは
5モル%以下である。
オレフィン共重合体ゴム(i)においては、エチレンとα-
オレフィンとのモル比(エチレン/α-オレフィン)
は、α-オレフィンの種類によっても異なるが、一般に
は10/90〜99/1、好ましくは50/50〜95
/5である。上記モル比は、α-オレフィンがプロピレ
ンである場合には、50/50〜90/10であること
が好ましく、α-オレフィンが炭素原子数4以上のα-オ
レフィンである場合には80/20〜95/5であるこ
とが好ましい。
レフィン共重合体ゴム(i)を形成するエチレン・α-オレ
フィン共重合体の例としては、エチレン・プロピレン共
重合体、エチレン・ブテン-1共重合体、エチレン・4-メ
チルペンテン-1共重合体、エチレン・ヘキセン-1共重合
体、エチレン・オクテン-1共重合体およびエチレン・デ
セン-1共重合体のような2成分系の共重合体;エチレン
・プロピレン・1,4-ヘキサジエン共重合体、エチレン・
プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、エチレン
・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合
体、エチレン・プロピレン・2,5-ノルボルナジエン共重
合体、エチレン・ブテン-1・ジシクロペンタジエン共重
合体、エチレン・ブテン-1・1,4-ヘキサジエン共重合体
およびエチレン・ブテン-1・5-エチリデン-2-ノルボル
ネン共重合体のような多成分系の共重合体を挙げること
ができる。
フィン共重合体ゴム(ii)において、プロピレンとα-オ
レフィンとのモル比(プロピレン/α-オレフィン)
は、α-オレフィンの種類によっても異なるが、50/
50〜95/5であることが好ましい。上記モル比は、
α-オレフィンが1-ブテンである場合には、50/50
〜90/10であることが好ましく、α-オレフィンが
炭素原子数5以上のα-オレフィンである場合には80
/20〜95/5であることが好ましい。
オレフィン共重合体ゴム(ii)を形成するプロピレン・α
-オレフィン共重合体の例としては、プロピレン・ブテ
ン-1共重合体、プロピレン・4-メチルペンテン-1共重合
体、プロピレン・ヘキセン-1共重合体、プロピレン・オ
クテン-1共重合体、プロピレン・デセン-1共重合体、プ
ロピレン・ジシクロペンタジエン共重合体、プロピレン
・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体およびプロピ
レン・2,5-ノルボルナジエン共重合体のような2成分系
の共重合体;プロピレン・ブテン-1・ジシクロペンタジ
エン共重合体、プロピレン・ブテン-1・1,4-ヘキサジエ
ン共重合体およびプロピレン・ブテン-1・5-エチリデン
-2-ノルボルネン共重合体のような多成分系の共重合体
を挙げることができる。
-オレフィンランダム弾性共重合体(B-1)は、上記のよう
な未変性のα-オレフィンランダム弾性共重合体を不飽
和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物あるいは不飽和
カルボン酸誘導体を用いてグラフト変性することにより
製造される。
しては、アクリル酸、メタクリル酸、α-エチルアクリ
ル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタ
ル酸、エンドシス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,5-
ジカルボン酸(ナジック酸TM)およびメチル-エンドシ
ス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,5-ジカルボン酸
(メチルナジック酸TM)を挙げることができる。また、
不飽和カルボン酸無水物の好適な例としては、無水マレ
イン酸、無水シトラコン酸、無水ナジック酸および無水
メチルナジック酸を挙げることができる。さらに、不飽
和カルボン酸誘導体としては、上記の不飽和カルボン酸
の酸ハライド化合物(例:塩化マレイル)、イミド化合
物(例:マレイミド)、エステル化合物(例:マレイン酸
モノメチル、マレイン酸ジメチルおよびグリシジルマレ
エート)を挙げることができる。
るいは組み合わせて使用することができる。このような
グラフト変性剤のうちでは、不飽和カルボン酸無水物を
使用することが好ましく、無水マレイン酸または無水ナ
ジック酸が特に好ましい。
ダム弾性共重合体にこのようなグラフト変性剤をグラフ
ト重合させる方法の例としては、未変性のα-オレフィ
ンランダム弾性共重合体を溶媒に懸濁もしくは溶解させ
て、この懸濁液もしくは溶液にグラフト変性剤を添加し
てグラフト反応させる方法(溶液法)、および、未変性
のα-オレフィンランダム弾性共重合体とグラフト変性
剤との混合物を溶融させながらグラフト反応させる方法
(溶融法)等を挙げることができる。
ト変性剤の使用量はその反応性を考慮して適宜設定され
るが、一般には、未変性のα-オレフィンランダム弾性
共重合体100重量部に対して、1〜10重量部の範囲
内の量で使用される。
未反応のα-オレフィンランダム弾性共重合体100重
量部あたり、グラフト変性剤が通常は0.01〜10重
量部、好ましくは0.05〜5重量部の割合でグラフト
重合したグラフト変性α-オレフィンランダム弾性共重
合体を得ることができる。
は、ラジカル開始剤を使用することにより、グラフト効
率を向上させることができる。ここで使用されるラジカ
ル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステ
ルおよびアゾ化合物など公知のラジカル開始剤を使用す
ることができる。ラジカル開始剤を使用する場合に、こ
の使用量は未変性のα-オレフィンランダム弾性共重合
体100重量部に対して、通常は0.01〜20重量部
である。
ランダム弾性共重合体(B-1)の中でも、エチレン含有量
35〜50モル%であり実質的に非晶性のグラフト変性
エチレン・プロピレンランダム共重合体ゴム若しくはグ
ラフト変性エチレン・α-オレフィンランダム共重合体
ゴムを使用することにより、靱性に優れた成形体を得る
ことができる。
オレフィン開環重合体のグラフト変性物あるいは環状オ
レフィン共重合体のグラフト変性物(B-2)は、環状オレ
フィンの開環重合体のグラフト変性物あるいはこの環状
オレフィンとエチレンとの付加重合体である環状オレフ
ィン共重合体をグラフト変性することにより得られる変
性重合体(以下、本発明では両者(B-2)を包括的に「グ
ラフト変性環状オレフィン系重合体」と記載することも
ある)である。本発明でB成分として使用されるグラフ
ト変性環状オレフィン系重合体は、非晶質であり、これ
を含むポリアミド組成物は、他の変性ポリオレフィンを
含有するポリアミド組成物と比較すると、剛性を保持し
つつ、成形後の反りが低減されるとの優れた特性を有す
るようになる。
[III]または[IV]で表される化合物が使用される。
まず、式[III]で表される環状オレフィンについて説
明する。
0または正の整数であり、rは0または1である。な
お、rが1の場合には、RaおよびRbは、それぞれ独立
に、下記の原子または炭化水素基を表し、rが0の場合
には、それぞれの結合手が結合して5員環を形成する。
bは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または
炭化水素基である。ここで、ハロゲン原子の例として
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子
を挙げることができる。また、炭化水素基は、それぞれ
独立に、通常は、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭
素原子数3〜15のシクロアルキル基である。より具体
的にはアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル
基を挙げることができる。またシクロアルキル基の例と
しては、シクロヘキシル基を挙げることができる。
R16とが、R17とR18とが、さらにR15とR17とが、R
16とR18とが、R15とR18とが、あるいは、R16とR17
とがそれぞれ結合して(互いに共同して)、単環または
多環の構造を形成していてもよく、しかも、このように
して形成された単環または多環の構造が二重結合を有し
ていてもよい。
示す。
よび2の番号を賦した炭素原子は、式[III]におい
て、R15(R16)およびR17(R18)で表される基が結
合している脂環構造の炭素原子を表す。
とでアルキリデン基を形成していてもよい。このような
アルキリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキ
リデン基を挙げることができ、具体的な例としては、エ
チリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基
を挙げることができる。
ついて説明する。
好ましくは0〜3である。また、mおよびnは0、1ま
たは2である。さらに、qは0または正の整数であり、
好ましくは0または1である。
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基である。ここ
で、ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子およびヨウ素原子を挙げることができる。
また、炭化水素基の例としては、炭素原子数1〜10の
アルキル基、炭素原子数5〜15のシクロアルキル基、
炭素原子数6〜12の芳香族基、炭素原子数1〜10の
アルコキシ基を挙げることができる。アルキル基の具体
的な例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル
基、イソブチル基、n-アミル基、ネオペンチル基、n-ヘ
キシル基、n-オクチル基、n-デシル基および2-エチルヘ
キシル基等を挙げることができる。シクロアルキル基の
具体的な例としては、シクロヘキシル基、メチルシクロ
ヘキシル基およびエチルシクロヘキシル基等を挙げるこ
とができる。また、芳香族基の具体的な例としては、ア
リール基およびアラルキル基を挙げることができ、具体
的にはフェニル基、トリル基、ナフチル基、ベンジル
基、フェニルエチル基およびビフェニル基等を挙げるこ
とができる。これらの基は低級アルキル基を有していて
もよい。また、アルコキシ基の例としては、メトキシ
基、エトキシ基およびプロポキシ基を挙げることができ
る。これらの基はハロゲン原子で置換されていてもよ
い。
素原子とR13が結合している炭素原子またはR11が結合
している炭素原子とは、直接あるいは炭素原子数1〜3
のアルキレン基を介して結合していてもよい。すなわ
ち、上記2個の炭素原子がアルキレン基を介して結合し
ている場合には、R9およびR13が、または、R10およ
びR11が互いに共同して、メチレン基(-CH2-)、エチレ
ン基(-CH2CH2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-)のう
ちのいずれかのアルキル基を形成していることが好まし
い。
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の好ましい例と
しては、n=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環
を形成している以下に記載する基を挙げることができ
る。
と同じ意味である。前記式[III]または[IV]で表わ
される環状オレフィンは、シクロペンタジエン類と相応
するオレフィン類あるいは相当する環状オレフィン類と
を、ディールス・アルダー反応を利用して縮合させるこ
とにより製造することができる。
または[IV]で表わされる環状オレフィンとしては、具
体的には、以下に記載する化合物およびこれらの誘導体
を挙げることができる。
トリシクロ[4.3.0.12,5]-3-デセン誘導体、トリシク
ロ[4.3.0.12,5]-3-ウンデセン誘導体、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン誘導体、ペンタシク
ロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導体、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]-4-ヘキサデセ
ン誘導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3
-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン
誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]-3-
ペンタデセン誘導体、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.1
10,13.02,7.09,14]-4-ヘプタデセン誘導体、ヘプタシ
クロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]-4-エ
イコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.1
12,17.02,7.011,16]-5-エイコセン誘導体、ヘプタシク
ロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]-5-ヘン
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.12,9.14,7.1
11,18.03,8.012,17]-5-ヘンエイコセン誘導体、オクタ
シクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.
012,17]-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.
14,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5-ペ
ンタコセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.
116,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン誘
導体。
オレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,10,10a-ヘキサヒ
ドロアントラセン誘導体、シクロペンタジエン-アセナ
フチレン付加物。
V]で表される環状オレフィンの具体的な化合物の例と
しては、以下に記載する化合物を挙げることができる。
[IV]で表される環状オレフィンの中では、式[III]
で表される環状オレフィンを使用することが好ましい。
この式[III]で表される環状オレフィンは、入手が容
易であると共に、この環状オレフィンから誘導された繰
り返し単位を有するグラフト変性物を含有するポリアミ
ド樹脂組成物は成形性に優れている。
合わせて使用することができる。本発明で使用される環
状オレフィン共重合体は、エチレンと環状オレフィンと
の共重合体である。この環状オレフィン共重合体中にお
けるエチレンから誘導される繰り返し単位と環状オレフ
ィンから誘導される繰り返し単位とのモル比は、得られ
る環状オレフィン共重合体の特性を考慮して適宜設定す
ることができるが、通常は40:60〜80:20、好
ましくは50:50〜75:25の範囲内のモル比で含
有されている。
体には、エチレンの他に他のオレフィン化合物を共重合
させることもできる。ここでエチレンおよび上記式で表
される環状オレフィンと共重合させることができる他の
オレフィン化合物の例としては、プロピレン、1-ブテ
ン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1
-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセ
ン、1-オクタデセンおよび1-エイコセン等の炭素原子数
が3〜20のα-オレフィン;シクロペンテン、シクロ
ヘキセン、3-メチルシクロヘキセン、シクロオクテンお
よび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデン
等のシクロオレフィン; 1,4-ヘキサジエン、4-メチル
-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、1,7-
オクタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2
-ノルボルネンおよび5-ビニル-2-ノルボルネン等の非共
役ジエン類;ノルボルネン-2、5-メチルノルボルネン-
2、5-エチルノルボルネン-2、5-イソプロピルノルボル
ネン-2、5-n-ブチルノルボルネン-2、5-i-ブチルノルボ
ルネン-2、5,6-ジメチルノルボルネン-2、5-クロロノル
ボルネン-2、2-フルオロノルボルネン-2および5,6-ジク
ロロノルボルネン-2等のノルボルネン類を挙げることが
できる。
で表わされる環状オレフィンとの反応は、通常は、炭化
水素溶媒中で行われる。ここで用いられる炭化水素溶媒
の例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよび灯
油等の脂肪族炭化水素;シクロヘキサンおよびメチルシ
クロヘキサン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン
およびキシレン等の芳香族炭化水素を挙げることができ
る。さらに環状オレフィン共重合体の調製の際に使用で
きる重合性不飽和単量体のうちで反応温度において液体
である化合物を反応溶媒として用いることもできる。こ
れらの溶媒は単独で、あるいは組合わせて使用すること
ができる。
で表わされる環状オレフィンとの反応の際には、触媒と
して、通常は、反応溶媒として用いる炭化水素溶媒に可
溶性のバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とか
らなる触媒などが使用される。
I]で表される環状オレフィンは、次式[III-A]で表さ
れる構造を形成していると考えられる。
R1〜R18並びにRaおよびRbは[III]と同じ意味であ
る。
から誘導される繰返し単位は、次式[IV-A]で表わされ
る構造を形成していると考えられる。
びR1〜R19は[IV]と同じ意味である。
位が上記式[III-A]または[IV-A]で表される構造を
有してエチレンから誘導される繰り返し単位とランダム
に結合している。このことは、この環状オレフィン共重
合体について測定した13C−NMRスペクトルの結果か
ら確認することができる。
ン系樹脂は、必要により脱灰工程、濾過工程、析出工程
などを経て精製される。例えば脱灰工程は、反応液をア
ルカリ水溶液と接触させることにより樹脂中に残存する
触媒残渣を除去する工程である。また、析出工程は、反
応液を、樹脂に対する貧溶媒中に投入して反応溶媒中に
溶解している樹脂を析出させる工程である。
常5以下、通常は1以下である。また、上記環状オレフ
ィン共重合体について135℃のデカリン中で測定した
極限粘度[η]は、通常は0.01〜20dl/gであ
り、特に0.05〜10dl/g、さらには0.08〜8dl
/gであること好ましい。
一般に非晶性または低結晶性であり、好ましくは非晶性
である。従って、この環状オレフィン共重合体は良好な
透明性を有している。また、この環状オレフィン共重合
体についてX線による結晶化度を測定すると、通常は5
%以下、その多くは0%であり、示差走査型熱量計(D
SC)で融点を測定しても融点が観察されないものが多
い。
性質としてガラス転移温度(Tg)および軟化温度(T
MA)が高いことを挙げることができる。ガラス転移温
度(Tg)が通常230℃以下、好ましくは50〜23
0℃、多くの場合100〜200℃の範囲内に測定され
る。そして、本発明ではこの軟化温度が、通常は70〜
180℃、好ましくは90〜180℃の範囲内にある環
状オレフィン共重合体を使用する。またこの環状オレフ
ィン共重合体の熱分解温度は、通常は350〜420
℃、多くの場合370〜400℃の範囲内にある。この
環状オレフィン共重合体の機械的性質として、この樹脂
自体の引張り弾性率は、通常1×104 〜5×104Kg
/cm2の範囲内にあり、引張り強度も通常300〜15
00Kg/cm2の範囲内にある。また、この共重合体自体
の密度は、通常0.86〜1.10g/cm3、その多くが
0.88〜1.08g/cm3の範囲にある。
るグラフト変性環状オレフィン共重合体(B-2)は、上記
のような未変性の環状オレフィン共重合体を不飽和カル
ボン酸、不飽和カルボン酸無水物または不飽和カルボン
酸誘導体を用いてグラフト変性することにより製造され
る。ここで使用される不飽和カルボン酸、不飽和カルボ
ン酸無水物および不飽和カルボン酸誘導体の例として
は、前述した未変性のα-オレフィンランダム弾性共重
合体を変性する際に掲げたグラフト変性剤を挙げること
ができる。このグラフト変性剤は、単独であるいは組み
合わせて使用することができる。
カルボン酸無水物を使用することが好ましく、無水マレ
イン酸または無水ナジック酸が特に好ましい。上記のよ
うな未変性の環状オレフィン共重合体に、上記のような
グラフト変性剤をグラフト重合させるには、上記α-オ
レフィンランダム弾性共重合体の変性の際に説明した溶
液法および溶融法等の方法を採用することができる。
は、その反応性を考慮して使用量が設定されるが、一般
には、未変性の環状オレフィン共重合体100重量部に
対して、1〜10重量部の割合で使用される。グラフト
反応を行う際には、上記と同様に有機ペルオキシド、有
機ペルエステルおよびアゾ化合物などのラジカル開始剤
を使用することができる。
未反応の環状オレフィン共重合体100重量部あたり、
グラフト変性剤が通常は0.01〜10重量部、好まし
くは0.05〜5重量部の割合でグラフト重合したグラ
フト変性環状オレフィン共重合体を得ることができる。
は、ラジカル開始剤を使用することにより、グラフト効
率を向上させることができる。ここで使用されるラジカ
ル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステ
ルおよびアゾ化合物など公知のラジカル開始剤を使用す
ることができる。ラジカル開始剤は、未変性の環状オレ
フィン共重合体100重量部に対して、通常は0.01
〜20重量部の量で使用される。
環状オレフィン共重合体とほぼ同等の特性を有する。ま
た環状オレフィンの開環重合体のグラフト変性物(B-2)
は、上記式[III]または[IV]で表される環状オレフ
ィンを開環させて(共)重合させた環状オレフィン開環
重合体にグラフト変性剤を反応させることにより得られ
るグラフト変性物である。
式[III]で表される環状オレフィンを、ルテニウム、
ロジウム、パラジウム、オスミウム、インジウムあるい
は白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチ
ルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒;チタン、
パラジウム、ジルコニウムあるいはモリブデン等の金属
のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機
アルミニウムとからなる触媒の存在下に開環させながら
(共)重合させることにより製造することができる。
式[III]で表される環状オレフィンの少なくとも一部
は[III-B]で表される構造を形成していると考えられ
る。
およびRbは、式[III]におけるのと同じ意味である。
の少なくとも一部は[IV-B]で表される構造を有してい
ると考えられる。
R19は、式[IV]におけるのと同じ意味である。
は、分子内にある二重結合に水素添加して用いてもよ
い。グラフト変性開環重合体(B-2)は、上記のような未
変性の開環重合体を不飽和カルボン酸、不飽和カルボン
酸無水物または不飽和カルボン酸誘導体を用いてグラフ
ト変性することにより製造される。ここで使用される不
飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物および不飽和
カルボン酸誘導体の例としては、前述した未変性のα-
オレフィンランダム弾性共重合体を変性する際に掲げた
グラフト変性剤を挙げることができる。このグラフト変
性剤は、単独であるいは組み合わせて使用することがで
きる。上記のグラフト変性剤のうちでは、不飽和カルボ
ン酸無水物を使用することが好ましく、無水マレイン酸
または無水ナジック酸が特に好ましい。
のようなグラフト変性剤をグラフト重合させるには、上
記α-オレフィンランダム弾性共重合体の変性の際に説
明した溶液法および溶融法等の方法を採用することがで
きる。
は、その反応性を考慮して使用量が設定されるが、一般
には、未変性の開環重合体100重量部に対して、1〜
10重量部の割合で使用される。グラフト反応を行う際
には、上記と同様に有機ペルオキシド、有機ペルエステ
ルおよびアゾ化合物などのラジカル開始剤を使用するこ
とができる。
未反応の開環重合体100重量部あたり、グラフト変性
剤が通常は0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜
5重量部の割合でグラフト重合したグラフト変性開環重
合体を得ることができる。
は、ラジカル開始剤を使用することにより、グラフト効
率を向上させることができる。ここで使用されるラジカ
ル開始剤としては、有機ペルオキシド、有機ペルエステ
ルおよびアゾ化合物など公知のラジカル開始剤を使用す
ることができる。ラジカル開始剤は、未変性の開環重合
体100重量部に対して、通常は0.01〜20重量部
の量で使用される。
体について135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、通常は0.01〜20dl/gであり、特に0.
05〜10dl/g、さらには0.08〜8dl/gである
こと好ましい。
一般に非晶性または低結晶性であり、好ましくは非晶性
であり、優れた透明性を有している。また、X線による
結晶化度を測定すると、通常は5%以下、その多くは0
%であり、示差走査型熱量計(DSC)で融点を測定し
ても融点が観察されないものが多い。
移温度(Tg)は、通常230℃以下、好ましくは50
〜230℃、多くの場合100〜200℃の範囲内に測
定される。そして、本発明ではこの軟化温度が、通常は
70〜180℃、好ましくは90〜180℃の範囲内に
あるグラフト変性開環重合体を使用することが好まし
い。またこのグラフト変性開環重合体の熱分解温度は、
通常は350〜420℃、多くの場合370〜400℃
の範囲内にある。このグラフト変性開環重合体自体の引
張り弾性率は、通常1×104 〜5×104Kg /cm2の
範囲内にあり、引張り強度も通常300〜1500Kg/
cm2の範囲内にある。また、この密度は、通常0.86〜
1.10g/cm3、その多くが0.88〜1.08g/cm3
の範囲にある。
るグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共
重合体またはその水素化物(B-3)は、芳香族ビニル系炭
化水素と共役ジエン系化合物とのランダム共重合体ある
いはブロック共重合体のグラフト変性物であり、さらに
本発明においてはこれらの共重合体の水素化物のグラフ
ト変性物を使用することもできる。
・共役ジエン共重合体またはその水素化物の具体的な例
としては、スチレン・ブタジエンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴム、スチ
レン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、水素
添加スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、
水素添加スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体ゴムおよびスチレン・ブタジエンランダム共重合体ゴ
ム等を挙げることができる。
ル系炭化水素から誘導される繰返し単位と共役ジエンか
ら誘導される繰返し単位とのモル比(芳香族ビニル炭化
水素/共役ジエン)は、通常は10/90〜70/30
である。また、水素添加した共重合体ゴムとは、上記の
共重合体ゴム中に残存する二重結合の一部または全部を
水素化した共重合体である。
共重合体またはその水添物について135℃のデカリン
中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01〜10
dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲内にあり、ガ
ラス転移温度(Tg)は、通常は0℃以下、好ましくは
−10℃以下、特に好ましくは−20℃以下である。ま
た、X線回折法により測定した結晶化度は0〜10%、
好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範囲内
にある。
ニル系炭化水素・共役ジエン共重合体は、上記のような
未変性の芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体
を、上記グラフト変性α-オレフィンランダム弾性共重
合体(B-1)の製造方法と同様に、不飽和カルボン酸、不
飽和カルボン酸無水物あるいは不飽和カルボン酸誘導体
を用いてグラフト変性することにより製造される。
和カルボン酸無水物あるいは不飽和カルボン酸誘導体の
例としては、上記グラフト変性α-オレフィンランダム
弾性共重合体を製造する際に使用される化合物を挙げる
ことができ、このようなグラフト変性剤は、単独である
いは組み合わせて使用することができる。
飽和カルボン酸無水物を使用することが好ましく、無水
マレイン酸または無水ナジック酸が特に好ましい。上記
のような未変性の共重合体またはその水素化物にこのよ
うなグラフト変性剤とグラフト重合させるには、上記α
-オレフィンランダム弾性共重合体の変性の際に説明し
た溶液法および溶融法等の方法を採用することができ
る。
は、その反応性を考慮して使用量が設定されるが、一般
には、未変性の芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共
重合体または水素化物100重量部に対して、1〜10
重量部の割合で使用される。グラフト反応を行う際に
は、上記と同様に有機ペルオキシド、有機ペルエステル
およびアゾ化合物などのラジカル開始剤を使用すること
ができる。
未反応の芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体
または水素化物100重量部あたり、グラフト変性剤が
通常は0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重
量部の量でグラフト重合したグラフト変性芳香族ビニル
系炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物を
得ることができる。
ル系炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物
は、低結晶性乃至非晶性の共重合体であり、実質的に非
晶性であることが好ましい。すなわち、X線回折法によ
り測定した結晶化度が10%以下、好ましくは7%以下
であり、特に好ましくは5%以下のグラフト変性共重合
体が使用され、さらに結晶化度が実質的に0%であるグ
ラフト変性共重合体が好ましく使用される。従って、こ
のグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共
重合体またはその水素化物には、明確な融点を示さない
ものが多い。さらに、結晶化度が低いため、このグラフ
ト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体ま
たはその水素化物は軟質であり、引張りモジュラスは、
通常は0.1kg/cm2以上20000kg/cm2未満、好ま
しくは1kg/cm2〜15000kg/cm2の範囲内にある。
化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物のメル
トインデックス(190℃で測定測定した値)は、通常
は0.1〜30g/10分、好ましくは1.0〜20g/10
分、特に好ましくは2.0〜15g/10分の範囲内にあ
る。
炭化水素・共役ジエン共重合体またはその水素化物のガ
ラス転移温度(Tg)は、通常は−150〜+50℃、好
ましくは−80〜−20℃の範囲内にあり、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.0
1〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/gの範囲内にある。
上記のようなグラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・
共役ジエン共重合体またはその水素化物を使用すること
により、靱性に優れた成形体を得ることができる。 な
お、上記グラフト変性α-オレフィン重合体(B-1)および
グラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重
合体または水素化物(B-3)は、所望の変性率になるよう
に未変性重合体と変性剤との量などを調整して製造され
たグラフト変性物であってもよいし、予め高グラフト率
の変性物を調製した後所望のグラフト率になるように未
変性重合体で希釈したグラフト変性物であってもよい。
るカルボキシル基およびカルボン酸金属塩基を側鎖に有
するエチレン系共重合体(B-4)は、次式[V]で表される
複数の繰り返し単位を有している。
独立に水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基で
あり、また、Mは、元素周期律表Ia族、Ib族、IIa
族、IIb族またはIIIa族の金属イオンであり、具体的に
はNa、K、MgおよびZn等を挙げることができる。
塩基を側鎖に有するエチレン系共重合体(B-4)は、例え
ばエチレンと(メタ)アクリル酸とを共重合させ、次い
でこの共重合体の有するカルボキシル基の一部に上記金
属イオンを導入することにより調製することができる。
塩基を側鎖に有するエチレン系共重合体(B-4)の例とし
ては、アイオノマー樹脂を挙げることができる。このよ
うなカルボキシル基およびカルボン酸金属塩基を側鎖に
有するエチレン系共重合体中において、上記[V-A]、
[V-B]および[V-C]で表される繰り返し単位の量は適
宜設定することができるが、上記式[V-A]で表される
繰り返し単位1モルに対して、式[V-B]で表される繰
り返し単位は通常は0.03〜0.30モル、式[V-
C]で表される繰り返し単位は通常は0.01〜0.2
0モルの量で含有されている。
ン重合体(B-1)、環状オレフィン開環重合体のグラフト
変性物または環状オレフィン共重合体のグラフト変性物
(B-2)、グラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエ
ン共重合体またはその水素化物(B-3)、および、カルボ
キシル基およびカルボン酸金属塩を側鎖に含むエチレン
系共重合体(B-4)は、単独で使用することもできるし、
組み合わせて使用することもできる。
の特性を損なわない範囲内で他の重合体あるいは共重合
体を含んでいてもよい。本発明の熱可塑性樹脂組成物に
おいて、上記のような変性重合体(B)は、ポリアミド
(A)および/または芳香族ポリアミド(A−1)10
0重量部に対して2〜100重量部、好ましくは5〜2
0重量部、特に好ましくは7〜13重量部配合されてい
る。上記のような量で変性重合体(B)を配合すること
により、靱性、耐熱性、低吸水性等の諸特性のバランス
が優れた成形体を製造可能な組成物とすることができ
る。
ことにより、熱劣化による成形体のの靱性の低下を効率
的に抑制することができる。本発明の熱可塑性樹脂組成
物は、さらに、特定のヒンダードフェノール系酸化防止
剤(C)および硫黄系酸化防止剤(D)を含有してい
る。
系酸化防止剤(C)は、500以上、好ましくは540
以上、さらに好ましくは600以上の分子量を有してい
る。さらにこのヒンダードフェノール系酸化防止剤
(C)について空気中で測定した熱重量分析曲線におけ
る10%減量温度(TGA)は、300℃以上、好まし
くは320℃以上、さらに好ましくは350℃以上であ
る。
クデンキ(株)製の熱分析装置TG−DTAを用いて、1
0℃/分の昇温速度の測定条件で測定して得られた曲線
をいう。
ェノール系以外に種々のタイプの酸化防止剤があるが、
ヒンダードフェノール系以外のフェノール系酸化防止剤
を使用したのでは、成形体の耐熱性が充分に向上しな
い。
剤であっても、分子量が500℃に満たないか、あるい
は、空気中で測定した熱重量分析曲線における10%減
量温度が300℃に満たないヒンダードフェノール系酸
化防止剤は、コンパウンドを調製する際、あるいは成形
体を製造する際の加熱によって分解するので組成物の酸
化安定機能が減失する。さらに、こうした加熱による酸
化防止剤の分解に伴って組成物に発泡が生ずるので成形
体に欠陥が生じ易い。
ール系酸化防止剤の例としては、n-オクタデシル-3-(4'
-ヒドロキシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオ
ネート:(分子量530、TGA10%減量温度305℃)、
1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチル
フェニル)ブタン:(分子量544、10%減量温度32
3℃)、1,3,5-トリメチル-2,4,6ートリス(3,5,-ジ−ter
t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)ベンジルベンゼン:
(分子量774、TGA10%減量温度338℃)、1,3,5-ト
リス(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-tert-ブチルベンジル)-s-
トリアジン-2,4,6-(1H,3H,5H)-トリオン:(分子量78
3、TGA10%減量温度347℃)、エチレングリコール-
ビス〔3,3-ビス(3'-tert-ブチル-4'-ヒドロキシフェニ
ル)ブチレート〕:(分子量794、TGA10%減量温度3
44℃)、テトラキス〔メチレン-3(3,5-ジ-tert-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン:
(分子量1176、TGA10%減量温度355℃)、3,9-ビ
ス〔2-{3-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフ
ェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル〕
2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン:(分
子量741、TGA10%減量温度372℃)、1,6-ヘキサン
ジオール-ビス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート〕:(分子量639、TGA10%
減量温度314℃)、トリエチレングリコール-ビス〔3
-(3-tert-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プ
ロピオネート〕:(分子量587、TGA10%減量温度31
1℃)、N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-tert-ブチル
-4-ヒドロキシシンナムアミド):(分子量637、TGA
10%減量温度330℃)、N,N'-ビス〔3-(3,5-ジ-tert-
ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラ
ジン:(分子量553、TGA10%減量温度304℃)、2,
2'-オキサミド-ビス-エチル-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-
ヒドロキシフェニル)プロピオネート:(分子量69
7、TGA10%減量温度323℃)、2,2'-メチレン-ビス
(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)テレフタレー
ト:(分子量810、TGA10%減量温度327℃)、1,3,
5-トリス〔(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート:
(分子量1045、TGA10%減量温度346℃)、2,2'-
チオ-ジエチレンビス〔3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート〕、および、2,2-ビス
〔4-{2-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシン
ナモイルオキシ)}エトキシフェニル〕プロパン:(分
子量836)を挙げることができる。
わせて使用することができる。このようなヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤の中でも、2官能以上のフェノー
ル系酸化防止剤が好ましく、3,9-ビス〔2-{3-(3-tert
-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニ
ルオキシ}-1,1-ジメチルエチル〕2,4,8,10-テトラオキ
サスピロ〔5,5〕ウンデカン、N,N'-ヘキサメチレンビス
(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシシンナムアミド)、
1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチル
フェニル)ブタンおよびn-オクタデシル-3-(4'-ヒドロ
キシ-3',5'-ジ-tert-ブチルフェニル)プロピオネート
が特に好ましい。
ドフェノール系酸化防止剤(C)と共に特定の硫黄系酸
化防止剤が配合されている。本発明で使用される硫黄系
酸化防止剤(D)は、600以上、好ましくは620以
上、さらに好ましくは650以上の分子量を有してい
る。さらにこの硫黄系酸化防止剤(D)について空気中
で測定した熱重量分析曲線(TGA)における10%減
量温度は、280℃以上、好ましくは290℃以上、さ
らに好ましくは300℃以上である。
子量が600℃に満たないか、あるいは、空気中で測定
した熱重量分析曲線における10%減量温度が280℃
に満たない硫黄系酸化防止剤は、コンパウンドを調製す
る際、あるいは成形体を製造する際の加熱によって分解
するので組成物の酸化安定機能が減失する。さらに、こ
うした加熱による酸化防止剤の分解に伴って組成物に発
泡が生ずるので成形体に欠陥が生じ易い。
式[VI]で表される化合物が好ましく使用される。 (R1S−R2−COOCH2)4C ・・・[VI] 上記式[VI]において、R1は、通常は炭素原子数3〜
20、好ましくは5〜20の炭化水素基を表す。また、
R2は、通常は炭素原子数1〜5、好ましくは1〜3の
二価の炭化水素基を表す。なお、炭素原子に結合してい
る4個の硫黄含有基は、同一の基であっても良いし、異
なっていてもよい。
例としては、ペンタ(エリスリチル-テトラ-β-メルカ
プトラウリル)プロピオネート:(分子量1160、TG
A10%減量温度300℃)を挙げることができる。
[VI]で表される化合物の他に次式[VII]で表される
化合物を使用することもできる。 S(R4-COOR3)2 ・・・[VII] ただし、上記式[VII]においてR3は、通常は炭素原子
数15〜30、好ましくは18〜30のアルキル基を表
し、R3中には硫黄原子が含まれていても良い。また、
R4は、アルキル基を有することもある二価の芳香族
基、アルキル基を有することもある二価の脂環族アルキ
ル基、二価のアルキル基、または、単結合を表す。
な例としては、ジステアリルチオ-ジ-1,1'-メチルプロ
ピオネート:(分子量696、TGA10%減量温度296
℃)、ミリスチルステアリルチオジプロピオネート:
(分子量626、TGA10%減量温度284℃)、ジステア
リルチオジプロピオネート:(分子量682、TGA10%減
量温度292℃)、および、ジステアリルチオジブチレ
ート:(分子量710、TGA10%減量温度296℃)を挙
げることができる。
式[VII]で表される化合物は、上記特定の芳香族ポリ
アミド(A−1)に配合すると特に優れた熱安定性を示
す。本発明の樹脂組成物において、ヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤(C)と硫黄系酸化防止剤(D)との合
計配合量は、樹脂成分100重量部に対して、0.2〜
4重量部の範囲内にあり、さらに0.5〜2重量部であ
ることが好ましい。また、本発明の樹脂組成物中におけ
るヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)および硫黄
系酸化防止剤(D)の配合重量比は1:5〜5:1の範
囲内にあり、さらに1:3〜3.5:1の範囲内にある
ことが好ましい。さらに1:1〜3:1の範囲にあるこ
とが特に好ましい。
防止剤および硫黄系酸化防止剤は、それぞれ組み合わせ
て使用することもできる。本発明の熱可塑性樹脂組成物
には、さらにその特性を損なわない範囲内で、無機充填
剤(材)、有機充填剤(材)、熱安定剤、耐候性安定
剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング
剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、天然油、合成油および
ワックス等の添加剤が配合されていてもよい。
維の好適な例としては、ガラス繊維、炭素繊維およびホ
ウ素繊維を挙げることができる。このような繊維状の充
填剤(材)としては特にガラス繊維が好ましい。ガラス
繊維を使用することにより、組成物の成形性が向上する
と共に、成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率等
の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上す
る。上記のようなガラス繊維の平均長さは、通常は、
0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、
アスペクト比が、通常は10〜2000、好ましくは3
0〜600の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比
がこのような範囲内にあるガラス繊維を使用することが
好ましい。このようなガラス繊維は、樹脂成分100重
量部に対して、通常200重量部以下の量で、好ましく
は5〜180重量部の量で、さらに好ましくは5〜15
0重量部の量で配合される。
明においては、粉末状、粒状、板状、針状、クロス状、
マット状等の形状を有する種々の充填材を使用すること
ができる。このような充填材の例としては、シリカ、シ
リカアルミナ、アルミナ、二酸化チタン、タルク、ケイ
ソウ土、クレー、カオリン、ガラス、マイカ、セッコ
ウ、ベンガラおよび酸化亜鉛などの粉状あるいは板状の
無機化合物、チタン酸カリウムなどの針状の無機化合
物、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフ
ェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフ
タルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ジ
アミノジフェニルエーテルとテレフタル酸(またはイソ
フタル酸)との縮合物およびパラ(メタ)アミノ安息香
酸の縮合物のような全芳香族ポリアミド;ジアミノジフ
ェニルエーテルと無水トリメリット酸または無水ピロメ
リット酸との縮合物のような全芳香族ポリアミドイミ
ド;全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリイミド、ポリ
ベンツイミダゾールおよびポリイミダゾフェナントロリ
ンのような複素環含有化合物;並びに、ポリテトラフル
オロエチレンなどを挙げることができる。これらは、粉
状、板状、繊維状あるいはクロス状物などの形態で使用
することができる。
材、特にタルクを使用することが好ましい。これらの充
填材は、2種以上混合して使用することもできる。ま
た、これらの充填材をシランカップリング剤あるいはチ
タンカップリング剤などで処理して使用することもでき
る。なお、このような粉末状の充填材の平均粒径は、通
常0.1〜200μm、好ましくは1〜100μmの範囲
内にある。
樹脂成分100重量部に対して、通常200重量部以下
の量で、好ましくは100重量部以下の量で、特に好ま
しくは0.5〜50重量部の量で使用される。
い範囲内で、耐熱性樹脂を配合することもできる。この
ような耐熱性熱可塑性樹脂の例としては、PPS(ポリ
フェニレンスルフィド)、PPE(ポリフェニレンエー
テル)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PEI
(ポリエーテルイミド)およびLCP(液晶ポリマー)
などを挙げることができ、さらにこれらの樹脂の変性物
を挙げることができる。特に本発明においてはポリフェ
ニレンエーテルおよびポリフェニレンスルフィドが好ま
しい。このような耐熱性熱可塑性樹脂の含有率は、通常
は50重量%未満、好ましくは0〜40重量%である。
リアミド(A)、変性重合体(B)、特定のヒンダード
フェノール系酸化防止剤(C)および特定の硫黄系酸化
防止剤(D)を混合した後、混練することにより製造す
ることができる。この際の混練温度は上記樹脂成分の中
で最も高い融点を有する樹脂、通常は芳香族ポリアミド
(A)の融点以上の温度に設定される。また、混練には
公知の溶融混練装置を使用することができる。
の場合、芳香族ポリアミド(A)中に変性重合体(B)
が微細に分散した状態になる。所謂ポリマーアロイを形
成する。
び変性重合体(B)と、上記特定のヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤(C)および硫黄系酸化防止剤(D)と
からなる本発明の熱可塑性樹脂組成物は、コンパウンド
を調製する際に発泡せず、金属害を有さず、成形時のガ
ス焼けがなく、かつ、この組成物から得られる成形体
は、耐熱性、低吸水性および耐熱老化性に優れる。
物の熱変形温度(加熱撓み温度、荷重:18.6Kgで測
定した値)は通常は70〜150℃、好ましくは80〜
120℃の範囲内にあり、熱可塑性でありながら非常に
高い耐熱性を示す。
05〜1.12、多くの場合1.08〜1.10程度で
あり、成形体を製造する際の樹脂として比較的広汎に使
用されているポリブチレンテレフタレートが1.31程
度、ナイロン66が1.14程度であることと比較する
と上記のような樹脂組成物から形成される成形体は軽量
である。
成物を用いて、通常の溶融成形法、例えば圧縮成形法、
射出成形法または押し出し成形法などを利用することに
より、所望の形状の成形体を製造することができる。
温度が280〜350℃程度に調製された射出成形機に
投入して溶融状態にして、所定の形状の金型内に導入す
ることにより成形体を製造することができる。
される成形体の形状に特に制限はなく、例えば電動工具
および一般工業部品、ギヤおよびカムなどのような機械
部品、ならびに、プリント配線基板および電子部品のハ
ウジングなどのような電子部品などを形成するための樹
脂として使用することができる。さらに、本発明の樹脂
組成物は、自動車内外装部品、エンジンルーム内部品お
よび自動車電装部品などを形成するための樹脂としても
好適である。
に樹脂および酸化防止剤を組み合わせることによって、
ナイロン66のような脂肪族ポリアミドを用いた場合に
は見られない優れた耐熱老化性改善効果が見られる。
を相互に連結するコネクターを製造するための樹脂とし
て有用性が高い。すなわち、上記のような樹脂組成物を
例えば射出成形機などを用いて調製されたコネクター
は、優れた耐熱性を有していることは勿論、このコネク
ターを一旦加熱した後の靱性の低下が少ない。近時、こ
のようなコネクターが備えられた電子部品は、赤外線リ
フロー方式などでハンダ付けされることが多くなってき
ており、従来のコネクターは、赤外線リフローなどによ
る加熱によってコネクターの靱性が低下することがあ
る。靱性の低下に伴って、コネクターの伸び率が低下す
るため、コネクター相互の接続作業(はめ込み作業)が
円滑に行えないことがある。また、車のエンジンルーム
内で使用されるような場合には加熱により靱性が低下
し、コネクターの耐久性が低下する。本発明の熱可塑性
樹脂組成物を使用して製造されたコネクターは、上記の
ような靱性の低下が少なく、加熱によっても必要な伸び
率が保持される。従って、コネクター相互の接続作業を
容易に行うことができ、耐久性も向上する。
環状オレフィン共重合体と、ヒンダードフェノール系酸
化防止剤および硫黄系酸化防止剤とからなる組成物はエ
ンジニアリングプラスチックとして特に優れた特性を有
している。
融点を有するポリアミド(A)および変性重合体(B)
と、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)お
よび硫黄系酸化防止剤(D)とを含有する。このような
構成を採ることにより本発明の熱可塑性樹脂組成物は、
コンパウンドを製造する際の加熱によって酸化防止剤が
分解することがなく、従ってコンパウンド製造の際ある
いは成形体製造の際に樹脂が発泡することがない。さら
に、本発明で使用される酸化防止剤が金属を含有してい
ないので金属害を招来することもない。また、上記特定
のヒンダードフェノール系酸化防止剤(C)および硫黄
系酸化防止剤(D)は、ポリアミド(A)および変性重
合体(B)からなるポリマーアロイに対して非常に優れ
た特性を賦与することができ、成形時のガス焼けがな
く、かつ、耐熱性、低吸水性および耐熱老化性に優れた
成形体を製造することができる。
詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定
的に解釈されるべきではない。使用原料 ポリアミドとして以下に記載する(A−1)〜(A−
3)を使用した。・芳香族ポリアミド(A−1):1,6-
ジアミノヘキサン、テレフタル酸、アジピン酸からなる
芳香族ポリアミド樹脂。テレフタル酸とアジピン酸のモ
ル比は55:45である。
通りである。 極限粘度(30℃濃硫酸中で測定)・・・1.6dl/g、 アミノ基含量 ・・・0.037ミリ当量
/g (メタクレゾール溶液中のパラトルエンスルホン酸によ
る滴定値) 融点 ・・・312℃ ガラス転移温度 ・・・80℃ ・芳香族ポリアミド(A−2):1,6-ジアミノヘキサ
ン、テレフタル酸、アジピン酸からなるポリアミド樹
脂。テレフタル酸とアジピン酸とのモル比は45:55
である。
ある。 極限粘度(30℃濃硫酸中で測定)・・・1.00dl/g アミノ基含量 ・・・0.037ミリ当
量/g (メタクレゾール溶液中のパラトルエンスルホン酸によ
る滴定値) 融点 ・・・305℃ ガラス転移温度 ・・・77℃ ・脂肪族ポリアミド(A−3): ナイロン66 極限粘度(30℃濃硫酸中で測定)・・・1.26dl/g、 アミノ基含量 ・・・0.038ミリ当量
/g (メタクレゾール溶液中のパラトルエンスルホン酸によ
る滴定値) 融点 ・・・266℃ ガラス転移温度 ・・・53℃
タジエン・スチレンブロック共重合体に水素添加するこ
とにより得られる水素化スチレン・ブタジエン・スチレ
ンブロックコポリマー(旭化成工業(株)製:商品名タフ
テックH1041)と無水マレイン酸とをグラフト重合
体させて、無水マレイン酸グラフト変性水素化スチレン
・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー(B−1)
を得た。無水マレイン酸のグラフト量は2重量%であっ
た。
−2)の調製)13C-NMRで測定したエチレン含量が
62モル%、MFR(260℃)が15g/10分、135℃デ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.6dl/g、ガラ
ス転移温度が130℃である、エチレンと1.4.5.8-ジメ
タノ-1.2.3.4.4a.5.8.8a-オクタヒドロナフタレン(別
名:テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3-ドデセン、以
下「DMON」と記載することもある」とのランダム共
重合体5Kgに、50gの無水マレイン酸を25gのアセ
トンに溶解した溶液、および、有機過酸化物(日本油脂
(株)製、パーヘキシン25BTM)3gを加えて充分に混
合した後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM 45)によ
りシリンダー温度250℃で溶融下に反応を行い、ペレ
タイザーを用いてペレット化した。
量%であった。また135℃デカリン中で測定した極限
粘度[η]は0.42dl/gであり、またガラス転移温度
は(Tg)は145℃であった。
(B−2)の特性を次表aに示す。
に記載する(C−1)〜(C−4)の化合物を使用し
た。また表1にこの化合物の分子量およびTGA10%
減量を併せて記載する。
1)〜(D−3)の化合物を使用した。また表2にこの
化合物の分子量およびTGA10%減量を併せて記載す
る。
-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリト
ール-ジ-ホスファイト。
1に示すヒンダードフェノール系酸化防止剤および表2
に示す硫黄系酸化防止剤を表3に示す量で混合して二軸
押出機中で溶融混練してペレタイズした。使用した二軸
押出機は、池貝鉄工(株)製PCM-45であり、シリンダー温
度を320℃に設定した。こうして得られたペレットを
用いて射出成形により成形体を製造した。
出成形試験片を調製し、この試験片について、以下の項
目を測定した。 引張強度(TS):ASTM-D-638により測定した。
定した。 アイゾット衝撃強度:ASTM-D-256により測定した。測定
温度23℃、ノッチ有り。
めに、試験片を150℃で600時間および1000時
間アニールした後のTS、ELを上記の測定法で測定し
た。結果を表4に記載する。
正の整数であり、rは0または1であり、 R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
ら選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
デン基を形成していてもよい];
り、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
よびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは
基を表し、R9が結合している炭素原子とR1 3が結合し
ている炭素原子またはR10が結合している炭素原子とR
11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数
1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、ま
た、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは
互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成してい
てもよい]。
可塑性樹脂組成物)は、(A)融点が280℃以上のポ
リアミド、(B)グラフト変性α-オレフィン重合体、
式[III]または[IV]で表される環状オレフィンの開
環重合体のグラフト変性物あるいは該環状オレフィンと
エチレンとの付加重合体である環状オレフィン共重合体
のグラフト変性物、グラフト変性芳香族ビニル系炭化水
素・共役ジエン共重合体またはその水素化物、および、
カルボキシル基およびカルボン酸金属塩を側鎖に含むエ
チレン系共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも一
種類の変性重合体、(C)分子量が500以上であり、
かつ空気中で測定した熱重量分析曲線における10%減
量温度が300℃以上であるヒンダードフェノール系酸
化防止剤、および(D)分子量が600以上であり、か
つ空気中で測定した熱重量分析曲線における10%減量
温度が280℃以上である硫黄系酸化防止剤からなる酸
化防止剤からなる樹脂組成物であり、該ポリアミド
(A)100重量部に対して前記変性重合体(B)が2
〜100重量部の範囲内の量で含有されていることを特
徴としている。
て、濃硫酸中30℃の温度で測定した極限粘度[η]
は、通常は0.5〜3.0 dl/g、好ましくは0.5〜2.
8 dl/g、特に好ましくは0.6〜2.5 dl/gの範囲にあ
る。また、この芳香族ポリアミド(A−1)は、従来か
ら使用されている脂肪族ポリアミドよりも高い融点を示
す。すなわち本発明で使用される芳香族ポリアミド(A
−1)は290℃を超える融点を有し、好ましくは30
0℃を超える融点を有しており、この融点が好ましくは
305〜340℃の範囲内、さらに好ましくは310〜
340℃の範囲内にある芳香族ポリアミドを含有する組
成物が特に優れた耐熱性を有している。さらに、この芳
香族ポリアミドの非晶部におけるガラス転移温度は通常
は80℃以上である。融点および非晶部のガラス転移温
度が上記の範囲内にある芳香族ポリアミドを使用するこ
とにより、成形体が高温に晒される場合であっても、こ
の樹脂が溶融状態になりにくい。さらに上記の芳香族ポ
リアミドは成形性に優れているため、この芳香族ポリア
ミドを用いることにより、成形体の製造が容易になる。
また、この芳香族ポリアミドは、非晶部におけるガラス
転移温度が80℃以上であるので、高温に晒された場合
であっても寸法変化が発生しにくい。
Claims (6)
- 【請求項1】(A)融点が280℃以上のポリアミド、 (B)グラフト変性α-オレフィン重合体、次式[III]
または[IV]で表される環状オレフィンの開環重合体の
グラフト変性物あるいは該環状オレフィンとエチレンと
の付加重合体である環状オレフィン共重合体のグラフト
変性物、グラフト変性芳香族ビニル系炭化水素・共役ジ
エン共重合体またはその水素化物、および、カルボキシ
ル基とカルボン酸金属塩とを側鎖に含むエチレン系共重
合体よりなる群から選ばれる少なくとも一種類の変性重
合体、 (C)分子量が500以上であり、かつ空気中で測定し
た熱重量分析曲線における10%減量温度が300℃以
上であるヒンダードフェノール系酸化防止剤、および (D)分子量が600以上であり、かつ空気中で測定し
た熱重量分析曲線における10%減量温度が280℃以
上である硫黄系酸化防止剤からなる酸化防止剤からなる
樹脂組成物であり、 該ポリアミド(A)および変性重合体(B)の合計10
0重量部に対して前記変性重合体(B)が2〜100重
量部の範囲内の量で含有されていることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物; 【化1】 ・・・[III][式[III]中、nは0または1であり、m
は0または正の整数であり、rは0または1であり、 R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
ら選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
デン基を形成していてもよい]; 【化2】 ・・・[IV] [式[IV]中、pおよびqは0または1以上の整数であ
り、mおよびnは0、1または2であり、R1〜R
19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
よびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは
基を表し、R9が結合している炭素原子とR1 3が結合し
ている炭素原子またはR10が結合している炭素原子とR
11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数
1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、ま
た、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19とは
互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成してい
てもよい]。 - 【請求項2】 該ポリアミド(A)および変性重合体
(B)の合計100重量部に対するヒンダードフェノー
ル系酸化防止剤(C)と硫黄系酸化防止剤(D)との合
計の配合量が0.2〜4重量部の範囲内にあり、かつヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤(C)と硫黄系酸化防
止剤(D)との配合重量比が1:5〜5:1の範囲内に
あることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】融点が280℃以上のポリアミド(A)
が、 (A−1)テレフタル酸成分単位40〜100モル%
と、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0
〜50モル%および/または炭素原子数4〜20の脂肪
族ジカルボン酸成分単位0〜60モル%とからなるジカ
ルボン酸成分単位と、 脂肪族ジアミン成分単位および/または脂環族ジアミン
成分単位からなるジアミン成分単位とからなる繰返し単
位から構成され、そして、 30℃濃硫酸中で測定した極限粘度が0.5〜3.0dl/g
の範囲内にあり、かつ融点が290℃を超える芳香族ポ
リアミドであることを特徴とする請求項第1項記載の熱
可塑性樹脂組成物。 - 【請求項4】硫黄系酸化防止剤(D)が、次式[VI]で
示される化合物であることを特徴とする請求項第1項乃
至第3項のいずれかの項記載の熱可塑性樹脂組成物; (R1S−R2−COOCH2)4C ・・・[VI] [ただし、上記式[VI]において、R1は、炭素原子数
3〜20の炭化水素基を表し、R2は、炭素原子数1〜
5の二価の炭化水素基を表す]。 - 【請求項5】硫黄系酸化防止剤(D)が、ペンタ(エリ
スリチル-テトラ-β-メルカプトラウリル)プロピオネ
ートであることを特徴とする請求項第1項乃至第4項の
いずれかの項記載の熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項6】 前記第1項乃至第5項記載のいずれかの
項記載の熱可塑性樹脂組成物からなる樹脂成形体。
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