JPH0649204A - ポリオキサゾリン変性シランおよびその製造方法 - Google Patents

ポリオキサゾリン変性シランおよびその製造方法

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JPH0649204A JP22335592A JP22335592A JPH0649204A JP H0649204 A JPH0649204 A JP H0649204A JP 22335592 A JP22335592 A JP 22335592A JP 22335592 A JP22335592 A JP 22335592A JP H0649204 A JPH0649204 A JP H0649204A
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 本発明は文献未載の新規なポリオキサゾリ
ン変性シランおよびその製造方法の提供を目的とするも
のである。 【構成】 本発明のポリオキサゾリン変性シランは、
一般式 【化21】 (ここにR1 、R2 、R4 は1価炭化水素基、R3 は2
価炭化水素基、R5 は水素原子、1価炭化水素基、アミ
ノ基、アルコキシシリル基を含む1価炭化水素基、Xは
ハロゲン原子、aは0〜3、bは1〜500 、c、d、e
はそれぞれ0または1でc+d+e=1)で示されるも
のであり、このものはオキサゾリンをハロアルキルシラ
ンで開環反応させるか、この開環化合物をアミノ化合物
と反応させること、さらにはこれをイオン交換すること
によって得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は文献未載の新規なポリオ
キサゾリン変性シラン、特には防曇剤、帯電防止剤、繊
維処理剤、塗料添加剤、樹脂改質材、各種基材の表面処
理剤として有用とされる新規なポリオキサゾリン変性シ
ランおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオキサゾリン変性シランの製造方法
としては次式
【化2】
【化3】 によるものが知られている(機能材料誌 1990年11月
号、第18〜21頁)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法はい
ずれもメチルトシレート、アリルトシレートなどのトシ
レートを使用するものであるためにこの調製に手間がか
かり、あまり簡便な合成法ではなく、この簡易な方法が
求められている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不利
を解決した文献未載の新規なポリオキサゾリン変性シラ
ンおよびその製造方法に関するもので、このポリオキサ
ゾリン変性シランは次の一般式(1)
【化4】 (ここにR1 、R4 は炭素数1〜10の1価炭化水素基、
2 は炭素数1〜6の1価炭化水素基、R3 は炭素数1
〜10の2価炭化水素基、R5 は水素原子、炭素数1〜10
の1価炭化水素基またはアミノ基、アルコキシシリル基
を含有する1価炭化水素基、Xはハロゲン原子、aは0
〜3の正数、bは1〜500 の正数、c、d、eはそれぞ
れ0または1でc+d+e=1)で示されるものであ
り、この製造方法はオキサゾリンをハロアルキルシラン
で開環反応させることを特徴とするものである。
【0005】すなわち、本発明者らはポリオキサゾリン
変性シランの新しい合成方法について種々検討した結
果、オキサゾリンをハロアルキルシランと反応させる
と、このオキサゾリンはトシレートを用いなくてもこの
ハロアルキルシランで開環反応することを見出し、これ
によれば上記した一般式(1)で示される新規なポリオ
キサゾリン変性シランの得られることを確認して本発明
を完成させた。
【0006】本発明のポリオキサゾリン変性シランは前
記した一般式(1)で示されるもので、このR1 、R4
はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチ
ル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基などのアル
ケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール基など
から選択される炭素数1〜10の1価炭化水素基、R2
1 と同じであるが炭素数が1〜6である1価炭化水素
基、R3 はメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基などから選択される炭素数1〜10の2価炭化水
素基、R5 は水素原子、またはR1 と同じ炭素数1〜10
の1価炭化水素基、あるいはアミノ基、メトキシシリル
基、エトキシシリル基などのアルコキシシリル基を含有
する1価炭化水素基、Xはハロゲン原子であり、aは0
〜3の正数、bは1〜500 の正数、c、d、eはそれぞ
れ0または1でc+d+e=1とされるものである。
【0007】このポリオキサゾリン変性シランはオキサ
ゾリンをハロアルキルシランで開環反応させることによ
って得ることができる。このオキサゾリンは公知のもの
であり、これには式
【化5】 で示される2−オキサゾリンが例示されるが、これは2
−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサ
ゾリン、2−ブチル−2−オキサゾリン、2−フェニル
−2−オキサゾリン、2−デシル−2−オキサゾリンと
すればよく、これらの中では2−メチル−2−オキサゾ
リン、2−エチル−2−オキサゾリンが好適なものとさ
れる。
【0008】また、ここに使用されるハロアルキルシラ
ンとしてはこのハロゲン原子が、Cl、Brのいずれの
ものであってもよいが、そのものの製造の容易性、なら
びにオキサゾリンとの反応性からはBrのものとするこ
とがよい。したがって、このハロアルキルシランとして
は(C6H13O)3SiC3H6Br
【化6】
【化7】 (C5H11O)3SiC3H6Br、(C4H9O)3SiC3H6Br 、(C3H7O)3S
iC3H6Br 、(C2H5O)3SiC3H6Br 、(CH3O)3SiC3H6Br、
(CH3O)2CH3SiC3H6Br 、(CH3O)2C2H5SiC3H6Br、(CH
3O)(CH3)2SiC3H6Br 、(CH3)3SiC3H6Br 、(C2H5)3SiC3
H6Br、(C2H5O)3SiCH2Br、(CH3O)3SiCH2Br 、(CH3O)2
CH3SiCH2Br、(CH3O)2C2H5SiCH2Br 、(CH3O)(CH3)2SiC
H2Br、(CH3)3SiCH2Br、(C2H5)3SiCH2Br 、(C4H9)3Si
CH2Br 、(C10H21)3SiCH2Br 、(CH3O)3SiCH2CH2Br、
(C2H5O)3SiCH2CH2Br 、(CH3O)2CH3SiCH2CH2Br 、(C2
H5O)2CH3SiCH2CH2Br、(C2H5O)2CH3SiC6H13Br 、(CH
3O)3SiC10H21Br などが例示されるが、これらはそのB
rをCl,Iなどに代えたものであってもよい。
【0009】このオキサゾリンとハロアルキルシランと
の反応はオキサゾリンの開環反応により得られる反応生
成物が高粘度なものとなるので、溶剤系で行なうことが
よい。この溶剤は反応系が均一になるものであればどの
ようなものであってもよく、これにはトルエン、四塩化
炭素、酢酸エチル、メタノール、エタノール、ジオキサ
ン、アセトン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド
などが例示されるが、これらの中では極性の非プロトン
溶剤であるアセトニトリルが好適とされる。
【0010】この反応は−20℃〜200 ℃の範囲で行えば
よいが、特には40℃〜120 ℃とすることがよく、この反
応時間は反応温度および反応試剤の種類により異なるけ
れども、通常この反応は1時間〜8時間で完結する。ま
た、この反応はハロアルキルシランとしてブロモアルキ
ルシラン、イオドアルキルシランを使用する場合には溶
剤中でオキサゾリンと加熱するだけで進行するがクロロ
アルキルシランを使用する場合にはNaIなどの触媒を使
用することが必要とされる。
【0011】この反応終了後、溶剤を留去すると、一般
式(2)
【化8】 (ここにR1 、R2 、R3 、R4 、X、a、bは前記に
同じ)で示されるポリオキサゾリン変性シランを得るこ
とができる。
【0012】この一般式(2)で示されるポリオキサゾ
リン変性シランはこれを前記した溶剤に溶解するか、あ
るいは上記した反応生成物からこれを単離せず溶剤と共
にして、アミノ化合物と反応させると一般式(3)
【化9】 (ここにR1 、R2 、R3 、R4 、X、a、bは前記に
同じ)で示されるポリオキサゾリン変性シランを得るこ
とができる。
【0013】ここで使用されるアミノ化合物は一級、二
級のアミノ化合物であればどのようなものでもよく、こ
れは通常の脂肪族、芳香族のアミノ化合物のほかにけい
素含有アミノ化合物であってもよい。このアミノ化合物
としてはアンモニア、CH3NH2、C2H5NH2 、C3H7NH2 、C4
H9NH2 、C6H13NH2、C7H15NH2、C8H17NH2、C9H19NH2、C
10H21NH2
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】 (CH3)2NH、(C2H5)2NH 、(C4H9)2NH 、(C10H21)CH3NH 、
(C10H21)C2H5NH、(C10H21)C4H9NH、ピペリジン、モルホ
リン、ピペラジン、Nメチルピペラジン、エチレンジア
ミン、N−メチルエチレンジアミン、ジエチレントリア
ミンなどが例示される。
【0014】また、このけい素含有アミノ化合物として
は(C2H5O)3Si(CH2)3NH2 、(CH3O)3Si(CH2)3NH2、(C2H
5O)2CH3Si(CH2)3NH2、(C4H9O)2CH3Si(CH2)3NH2、(CH3O)
3Si(CH2)3NH(CH2)3NH2、(CH3O)3SiCH2NH2 、(CH3O)3Si
(CH2)2NH2、(CH3O)3Si(CH2)4NH2、(CH3O)3Si(CH2)3NHCH
3、(CH3O)3Si(CH2)3NH C2H5、(CH3O)3Si(CH2)3NH C4H9
【化14】
【化15】
【化16】 (CH3O)(CH3)2 Si(CH2)3NH2、(CH3O)3Si(CH2)3NH(CH2)2NH
2、(CH3O)2CH3Si(CH2)3NH(CH2)2NH2 などが例示される。
【0015】この一般式(2)で示されるポリオキサゾ
リン変性シランとアミノ化合物との反応におけるアミノ
化合物の添加量は通常0.5 〜2モル、特には1〜1.5 モ
ルとすればよいが、この反応温度は−20℃〜200 ℃、特
には40℃〜120 ℃とすればよく、この反応時間は1時間
〜8時間とすればよい。
【0016】また、このようにして得られた一般式
(2)で示されるポリオキサゾリン変性シランはこれを
イオン交換樹脂を用いて脱HXすると一般式(4)
【化17】 (ここにR1 、R2 、R3 、R4 、X、a、bは前記に
同じ)で示されるポリオキサゾリン変性シランを得るこ
とができる。
【0017】このようにして得られた一般式(2)、
(3)、(4)で示されるポリオキサゾリン変性シラン
はR4 の炭素数が少ない場合には親水性のものとなる
が、これらの化合物は加水分解性基を有しているので、
基材に固着させることができ、したがってこれは耐久性
のある防曇剤、帯電防止剤、繊維処理剤、塗料添加剤、
樹脂改質材、各種基材の表面処理剤として有用とされ、
4 が炭素数の多いものであるときに、このものは疎水
性となるが、このような化合物も防曇剤、帯電防止剤以
外の上記した用途には有利に使用することができる。
【0018】実施例 つぎに本発明の実施例をあげる。 実施例1 2−エチル−2−オキサゾリン 990g(10モル)、ブロ
モプロピルトリエトキシシラン 285g(1モル)および
アセトニトリル 850gを3リットルのフラスコに仕込
み、窒素通気下、アセトニトリル還流下に5時間反応を
行なったのち、アセトニトリルを減圧下にストリップし
たところ、黄色固体 1,210g(収率95%)が得られた
が、このものはBr量の測定値が理論値6.3 %のとこ
ろ、測定値が6.5 %であることからほぼ理論通りである
ことが確認された。
【0019】ついでこの黄色固体についてその13CNM
RとIRをしらべたところ、このNMRが図1に示した
とおりのものであり、IRチャートが図2に示したとお
りのものであることから、式
【化18】 で示されるポリオキサゾリン変性シラン(I)であるこ
とが確認された。
【0020】実施例2 実施例1で得られたポリオキサゾリン変性シラン(I)
510g(0.4 モル)、アミノプロピルトリエトキシシラ
ン88g(0.4 モル)およびアセトニトリル 400gを2リ
ットルのフラスコに仕込み、窒素通気下、アセトニトリ
ル還流下に5時間反応を行なったのち、アセトニトリル
を減圧下にストリップしたところ、黄色固体 550g(収
率92%)が得られたが、このものはBr量の測定値が理
論値5.3%のところ、測定値が5.5 %であることからほ
ぼ理論通りであることが確認された。
【0021】ついで、この黄色固体についてその13CN
MRとIRをしらべたところ、このNMRが図3に示し
たとおりのものであり、IRチャートが図4に示したと
おりのものであることから、このものは式
【化19】 で示されるポリオキサゾリン変性シラン(II)であるこ
とが確認された。
【0022】実施例3 2−エチル−2−オキサゾリン 297g (3モル)、ブロ
モヘキシルジエトキシメチルシラン 297g(1モル)お
よびアセトニトリル 390gを2リットルのフラスコに仕
込み、窒素通気下、アセトニトリル還流下に5時間反応
を行なったのち、アセトニトリルを減圧下にストリップ
したところ、黄色固体 534g(収率90%)が得られたの
で、このものについてNMR、IRをしらべたところ、
このものは式
【化20】 で示されるポリオキサゾリン変性シラン(III )である
ことが確認された。
【0023】
【発明の効果】本発明はポリオキサゾリン変性シランお
よびその製造方法に関するもので、これは前記したよう
に文献未載の新規な一般式(1)で示されるポリオキサ
ゾリン変性シランおよびオキサゾリンをハロアルキルシ
ランで開環反応させること、またこの開環化合物をアミ
ノ化合物と反応させること、さらにはこれをさらにイオ
ン交換することを特徴とするポリオキサゾリン変性シラ
ンの製造方法に関するものであるが、このポリオキサゾ
リン変性シランは加水分解性基を有しているので、基材
に固着することがき、したがってこれは防曇剤、帯電防
止剤、繊維処理剤、塗料添加剤、樹脂改質材、表面処理
剤として有用とされるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1で得られたポリオキサゾ
リン変性シラン(I)のNMR図を示したものである。
【図2】 本発明の実施例1で得られたポリオキサゾ
リン変性シラン(I)のIRチャートを示したものであ
る。
【図3】 本発明の実施例2で得られたポリオキサゾ
リン変性シラン(II)のNMR図を示したものである。
【図4】 本発明の実施例1で得られたポリオキサゾ
リン変性シラン(II)のIRチャートを示したものであ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 (ここにR1 、R4 は炭素数1〜10の1価炭化水素基、
    2 は炭素数1〜6の1価炭化水素基、R3 は炭素数1
    〜10の2価炭化水素基、R5 は水素原子、炭素数1〜10
    の1価炭化水素基またはアミノ基、アルコキシシリル基
    を含有する1価炭化水素基、Xはハロゲン原子、aは0
    〜3の正数、bは1〜500 の正数、c、d、eはそれぞ
    れ0または1でc+d+e=1)で示されるポリオキサ
    ゾリン変性シラン。
  2. 【請求項2】オキサゾリンをハロアルキルシランで開環
    反応させることを特徴とするポリオキサゾリン変性シラ
    ンの製造方法。
  3. 【請求項3】ハロアルキルシランをオキサゾリンで開環
    反応させて得た開環化合物をアミノ化合物と反応させる
    ことを特徴とするポリオキサゾリン変性シランの製造方
    法。
  4. 【請求項4】ハロアルキルシランをオキサゾリンで開環
    反応させて得た開環化合物をアミノ化合物と反応させた
    のち、イオン交換することを特徴とするポリオキサゾリ
    ン変性シランの製造方法。
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