JPH064919A - 光磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

光磁気記録媒体の製造方法

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JPH064919A
JPH064919A JP16640292A JP16640292A JPH064919A JP H064919 A JPH064919 A JP H064919A JP 16640292 A JP16640292 A JP 16640292A JP 16640292 A JP16640292 A JP 16640292A JP H064919 A JPH064919 A JP H064919A
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sputtering
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Kazuoki Motomiya
一興 本宮
Yoshihisa Saito
善久 斉藤
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光磁気特性の再現性に優れた光磁気記録媒体
を安定に製造する。 【構成】 希土類−鉄族遷移金属を構成成分とする光磁
気記録媒体をスパッタ法により製造する方法に於て、ス
パッタ装置のスパッタ室内からの放出ガスを含むリーク
ガスのリーク速度を3×10-8Pa・m3/sec以下に保ちな
がら、該スパッタ室内の圧力を1×10-5Pa以下にした
後、光磁気記録媒体を成膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光磁気記録媒体の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光磁気記録媒体は、レーザー光に
よる書き込み及び読み出しが可能な光磁気ディスクとし
て、大容量のデータファイルなどに広く利用されてい
る。この光磁気記録媒体は、ガラス、プラスチックなど
の透明基板上に、スパッタ法により誘電体保護層、記録
層、無機保護層、更に、金属反射層を積層した多層構造
の形態により、高いCN比が得られるので広く利用され
ている。
【0003】更に、光磁気記録媒体のCN比を高めるた
めに、希土類元素と鉄族遷移金属を主体とする非晶質合
金薄膜の単一層、あるいは、キュリー温度、保磁力が異
なる磁性層を交換結合させた2層以上のものが記録層と
して用いられている。
【0004】しかしながら、これら希土類金属は、非常
に酸化され易いという性質がある。そのため、プラスチ
ック等の放出ガスが多量に出る基板上に光磁気記録媒体
を形成する場合は、80℃の大気中で3時間以上加熱す
るなどの前処理を行って、基板に含まれる水分を主に除
去して、成膜時の基板からの放出ガス量を減少させてい
る。
【0005】又、水分除去のために、スパッタ装置自体
にも対策を施している。例えば、基板を装填する室と、
スパッタ室とを別個に設けて、スパッタ室の真空度を高
め、スパッタ時の不純物ガス量を減少させたり、真空ポ
ンプとして、クライオポンプを使用して、放出ガスの主
成分である水分をできるだけ排除するように設けたスパ
ッタ装置を用いて、光磁気記録媒体を製造している。
【0006】従来、光磁気記録媒体を作製するための成
膜条件またはスパッタ装置の能力は、到達真空度により
判断し、装置の評価または管理を行っていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、異なるスパッタ装置を使用する場合
に、到達真空度が同一である条件下でも、同一の光磁気
特性をもつ光磁気記録媒体を得ることができないという
問題点があった。又、ターゲット交換等のメンテナンス
後に装置を新たに立ち上げた場合、メンテナンス前と同
様の特性を持つ光磁気記録媒体が得られないという問題
点があった。特に、Gd、Nd及びTb元素のように酸
化され易い希土類元素を用いた磁性層をもつ光磁気記録
媒体の場合にはこの傾向が顕著であった。更に、クライ
オポンプのような吸着式真空ポンプでは、ある一定量以
上のガスを吸着すると、排気能力が低下し、到達真空度
が同一でも光磁気記録媒体の特性に異常が認められると
いう問題点があった。
【0008】従って、本発明は係る従来の実情に鑑みて
なされたものであって、上記問題点を解決し、スパッタ
装置の異なる場合、またはメンテナンス後に新たに立ち
上げた場合に、再現性のある光磁気特性を有する光磁気
記録媒体を安定して供給できる製造方法を提供し、更に
は、新規スパッタ装置の設計に役立てることを目的とし
ている。
【0009】
【課題を解決するための手段】スパッタ装置は真空装置
の1種であり、図1にその基本構成の模式図を示す。図
示のスパッタ装置は、1:真空チャンバー(スパッタ
室)、2:真空ポンプ、3:メインバルブ、4:真空
計、5:基板ホルダー、6:ターゲット(カソード)か
ら構成されている。一般にスパッタ室内は、大気圧から
真空に減圧されるため、その圧力差に耐えられるような
耐圧材料で耐圧構造をとっている。又、各構成部品は、
Oリングを介して真空シールされているが、必ず、ある
量のリークガスが存在する。又、スパッタ室内が真空に
保たれ、真空ポンプにより充分に排気されていても、ス
パッタ室内の内壁、ターゲット、基板、基板ホルダー等
の表面及び内部からの放出ガスが必ず存在する。
【0010】ところで、前述のように、希土類−鉄族遷
移金属は非常に酸化され易い。中でも、Gd、Nd、T
b等の希土類金属は特に酸化され易い。そのため、スパ
ッタ室1内を真空にした後に、Arガス等の不活性ガス
を導入してスパッタする際に、放出ガスまたはリークガ
スが一定量より多い状態では、スパッタされた希土類元
素が、基板に到達するまでにそれら放出ガスや不純物ガ
スにより酸化され、本来の特性を有する垂直磁気膜とな
らない。
【0011】そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた
結果、従来の到達真空度に替わる新規な指標を見いだ
し、この新規パラメーターにより以下の条件下にスパッ
タ装置を制御することによって、希土類金属が酸化され
ずに、所望の光磁気特性を有する希土類−鉄族遷移金属
からなる磁性膜が安定して得られることを見い出した。
即ち、スパッタ室内の放置特性から算出した放出ガスを
含むリークガスのリーク速度Qを3×10-8Pa・m3/sec
以下に保ちながら、該スパッタ室内を1×10 -5Pa以下
に真空排気した後、希土類−鉄族遷移金属を成膜するこ
とである。
【0012】放置特性とは、真空排気を停止後、経過時
間に対する真空度の変化を意味する。リーク速度Qは、
この放置特性から以下のようにして求めることができ
る。即ち、スパッタ室と真空ポンプとを隔離するメイン
バルブを閉じて、閉じた時間からT秒間の間、真空系の
圧力を一定時間毎に測定する。このT秒後の圧力Pを用
いてリーク速度Qを算出する。算出する際の仮定とし
て、放出ガス及びリークにより排気が停止されたスパッ
タ室内の圧力は上昇するものとする。そのときの圧力
は、チャンバーの容積Vにより決定される。メインバル
ブを閉じた直後の圧力をP0、T秒後の圧力をPとす
る。スパッタ室内に増加したガス量は、(P−P0)×
Vである。一方、リークガス及び放出ガスによるガス量
は、Q×Tである。これらが等しいとして、次式が導出
される。但し、P0は無視できるほど小さいので次式に
は記述しない。
【0013】
【数1】Q=PV/T [Pa・m3/sec] 式中、Qは放出ガスを含むリーク速度、Pはメインバル
ブを閉じてからのT秒後の圧力、Vはスパッタ室の容積
である。
【0014】又、本発明者らは、スパッタ室内の上記放
置特性から算出した放出ガスを含むリークガスのリーク
速度を3×10-8Pa・m3/sec以下に保ちながら、該スパ
ッタ室内の圧力を1.0×10-5Pa以下にした後、磁性
層を成膜し、前記真空度を保ったまま前記磁性層成膜後
から10分以内に、前記磁性層の上に次の磁性層を成膜
することにより、希土類−鉄族遷移金属の膜の表面の希
土類元素が酸化されず、所望の交換結合特性を有する希
土類−鉄族遷移金属多層膜が安定して得られることを見
い出した。
【0015】従って、上記本発明の目的は、希土類−鉄
族遷移金属を構成成分とする光磁気記録媒体をスパッタ
法により製造する方法において、スパッタ装置のスパッ
タ室内からの放出ガスを含むリークガスのリーク速度を
3×10-8Pa・m3/sec以下に保ちながら、該スパッタ室
内の圧力を1×10-5Pa以下にした後、光磁気記録媒体
を成膜することにより達成される。
【0016】又、本発明は、希土類−鉄族遷移金属を交
換結合させた2層以上の磁性層を有する光磁気記録媒体
をスパッタ法により製造する方法において、スパッタ装
置のスパッタ室内からの放出ガスを含むリークガスのリ
ーク速度を3×10-8Pa・m3/sec以下に保ちながら、該
スパッタ室内の圧力を1.0×10-5Pa以下にした後、
磁性層を成膜し、前記真空度を保ったまま前記磁性層成
膜後から10分以内に、前記磁性層の上に次の磁性層を
成膜することを特徴とする光磁気記録媒体の製造方法で
ある。
【0017】本発明においては、スパッタ室内の真空度
を調整したり、リークバルブによる調整等によりリーク
速度Qを上記値に調整するものである。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0019】尚、本実施例及び比較例に於て、PC基板
は80℃の大気中で3時間以上加熱する前処理を施すも
のとする。
【0020】実施例1 図1に示すような、ロードロック室をもたないバッチ式
のスパッタ装置のスパッタ室1内に4つのカソード6を
取り付けた。第1のカソードにはSiターゲットが、第
2のカソードにはTbターゲットが、第3のカソードに
はFeCoターゲットが、第4のカソードにはAlター
ゲットがそれぞれ取り付けられている。真空計4として
は、B−A型電離真空計を、真空ポンプ2としては、ク
ライオポンプを用いている。
【0021】スパッタ室内の容積Vは、9×10-2m3
ある。基板ホルダーは、自公転式でφ130のPC基板
が4枚取り付け可能である。
【0022】次に、所定の前処理を施したφ130のP
C基板を4枚基板ホルダーにセットした後、スパッタ室
内を5Paまで粗引きし、その後クライオポンプに切り換
えて、高真空に排気した。24時間排気し、各ターゲッ
トをプレスパッタした後、メインバルブを閉じて、放置
特性のデータを取得した。到達真空度は、8×10-6Pa
であった。メインバルブを閉じて30分後のスパッタ室
の圧力は、6×10-4Paであった。式1より、リーク速
度Qは、 Q=3×10-8Pa・m3/sec であった。
【0023】この状態で、再び、メインバルブを空け、
スパッタ室内を真空排気した。そして、Arガスと、窒
素ガスとをスパッタ室内に導入し、Siターゲットを用
いてRF反応性スパッタによりφ130のPC基板上に
SiNの誘電体膜を1000Å形成した。その後、真空
状態を破らずに、Tb及びFeCoターゲットを用いて
同時放電により250ÅのTbFeCo膜を、次いでS
iターゲットを用いてSiNの誘電体膜を300Å、更
に、Alターゲットを用いてAl膜を500Å形成し、
多層膜構造の光磁気記録媒体を作製した。この記録媒体
の反射率は、ミラー部で20%であった。又、2400
rpm に於ける半径30mmでの記録感度は、3.5mw、
再生CN比は、50dBであった。消去磁界は、−30
0Oeであった。TbFeCo膜の飽和磁化は、200em
u/ccであった。
【0024】繰り返し再現性をみるため、上記プロセス
を繰り返し、光磁気記録媒体を3ロット作製した。各記
録媒体の作製前には、リーク速度Qが3×10-8Pa・m3/
sec以下になっていることを確認してから、光磁気記録
媒体を作製した。
【0025】得られた3ロットの光磁気記録媒体は、反
射率、記録感度、CN比、消去磁界感度について変化が
なかった。又、各記録媒体におけるTbFeCo膜の飽
和磁化は、測定誤差内のばらつきであった。
【0026】比較例1 比較例として、到達真空度のみにより成膜可能と判断し
て光磁気記録媒体を作製した場合を以下に示す。スパッ
タ装置は実施例と同一のものを用いた。
【0027】所定の前処理を施したφ130のPC基板
4枚を基板ホルダーにセットして、実施例1と同じプロ
セスを経て、真空排気を行った。そして、到達真空度を
1×10-5Pa以下にした後、光磁気記録媒体を作製し
た。再現性をみるために、同じプロセスにより、3ロッ
トの光磁気記録媒体を作製した。得られた光磁気記録媒
体の光磁気特性を調べた結果を表1に示す。
【0028】
【表1】 実施例2 図2に示すようなロードロック室7、脱気室8、スパッ
タ室9(5室)から構成されたインラインスパッタ装置
を用いて、光磁気記録媒体を作製した。
【0029】この装置においては、希土類−鉄族遷移金
属からなる非晶質記録層は、希土類ターゲットと、鉄族
遷移金属ターゲットを同時に放電させ、各々のターゲッ
トに投入するパワーを制御することにより磁性膜の組成
を制御するものとする。そのために、予め、投入パワー
に対する飽和磁化の対応直線、即ち、検量線を作成する
必要がある。そこで、各ターゲットを所定のカソードに
取り付け、真空排気した。希土類−鉄族遷移金属の材料
としては、再生層用にGdFeCo、記録層用にTbF
eCoを使用した。検量線を作成する際に、各スパッタ
室のリーク速度が3×10-8Pa・m3/sec以下であるこ
と、到達真空度が1×10-5Pa以下であることを確認し
た。その後、この検量線を基に、所定の飽和磁化、膜厚
を有する光磁気記録媒体を5ロット作製した。光磁気記
録媒体の構成は、基板側から、PC基板/SiN膜/G
dFeCo膜/TbFeCo膜/SiN膜/Al膜とし
た。光磁気記録媒体を作製するに際して、PC基板は所
定の前処理が施され、ロードロック室に投入後、脱気室
で所定の脱気をした。上記のような記録媒体を作製した
後、紫外線硬化樹脂を膜面に塗布し、所定の面粗さに処
理した後、磁界変調による記録特性を評価した。
【0030】磁界変調記録により磁界感度を測定したと
ころ、5ロット全ての光磁気記録媒体の磁界感度とし
て、CN比が49dBとなる磁気ヘッドからの発生磁界
は100Oeであった。
【0031】比較例2 比較例として、実施例2と同一の装置を用いて、リーク
速度Qを調整せず、到達真空度が1.0×10-5Paの時
の検量線を作成し、この検量線を用いて実施例2と同様
に光磁気記録媒体を5ロット作製した。この記録媒体を
磁界変調記録により磁界感度評価した。その結果、CN
比が49dBとなる磁気ヘッドからの発生磁界が100
Oeであるものは全くなく、全て150Oe以上であり、且
つロット間の無視できないばらつきがみられた。
【0032】実施例3 開発用の小規模の成膜機で、光磁気記録媒体の成膜条件
を決定した。その際、スパッタ室内の放置特性によるリ
ーク速度が3×10-8Pa・m3/sec以下であること、到達
真空度が1×10-5Pa以下であるという装置条件下でそ
れぞれの膜の特性を決定した。量産成膜機を決定するに
際して、装置仕様として、本発明の仕様を盛り込んだ。
この量産成膜機を立ち上げ、試験成膜を行ったところ、
開発で得られた特性の光磁気記録媒体が安定して得られ
た。
【0033】実施例4 図1に示すような、ロードロック室をもたないバッチ式
のスパッタ装置のスパッタ室1内に4つのカソード6を
取り付けた。第1のカソードにはSiターゲットが、第
2のカソードにはTbターゲットが、第3のカソードに
はFeCoターゲットが、第4のカソードにはAlター
ゲットがそれぞれ取り付けられている。真空計4として
は、B−A型電離真空計を、真空ポンプ2としては、ク
ライオポンプを用いている。
【0034】スパッタ室内の容積Vは、9×10-2m3
ある。基板ホルダーは、自公転式でφ130のPC基板
が4枚取り付け可能である。
【0035】次に、所定の前処理を施したφ130のP
C基板を4枚基板ホルダーにセットした後、スパッタ室
内を5Paまで粗引きし、その後クライオポンプに切り換
えて、高真空に排気した。24時間排気し、各ターゲッ
トをプレスパッタした後、メインバルブを閉じて、放置
特性のデータを取得した。到達真空度は、8×10-6Pa
であった。メインバルブを閉じて30分後のスパッタ室
の圧力は、6×10-4Paであった。式1より、リーク速
度Qは、 Q=3×10-8Pa・m3/sec であった。
【0036】この状態で、再び、メインバルブを空け、
スパッタ室内を真空排気した。そして、Arガスと、窒
素ガスとをスパッタ室内に導入し、Siターゲットを用
いてRF反応性スパッタによりφ130のPC基板上に
SiNの誘電体膜を700Å形成した。その後、真空状
態を破らずに、Gd及びFeCoターゲットを用いて同
時放電により300ÅのGdFeCo膜を、Tb及びF
eCoターゲットを用いて同時放電により300ÅのT
bFeCo膜を、次いでSiターゲットを用いてSiN
の誘電体膜を300Å、更に、Alターゲットを用いて
Al膜を500Å形成し、多層膜構造の光磁気記録媒体
を作製した。GdFeCo膜の飽和磁化は150emu/cc
であった。TbFeCo膜の飽和磁化は200emu/ccで
あった。繰り返し再現性をみるため、上記プロセスを繰
り返し、光磁気記録媒体を3ロット作製した。各記録媒
体の作製前には、リーク速度Qが3×10-8Pa・m3/sec
以下になっていることを確認し、更に、第1の磁性層を
成膜後の放置圧力を1.0×10-5Pa以下にし、且つ放
置時間が10分間になるようにして光磁気記録媒体を作
製した。
【0037】得られた3ロットの光磁気記録媒体は反射
率、記録感度、CN比、消去磁界感度はどれも変化がな
かった。又、GdFeCo膜、TbFeCo膜の飽和磁
化は、測定誤差内のばらつきであった。
【0038】
【表2】 又、磁界変調記録の特性についても評価したところ、3
ロットの光磁気記録媒体の磁界変調記録における磁界感
度としては、CN比が49dBとなる磁気ヘッドからの
発生磁界は100Oeであった。
【0039】比較例3 リーク速度Qを3×10-8Pa・m3/sec以上とした以外は
実施例4と同様に光磁気記録媒体を3ロット作製した。
該記録媒体の光磁気特性を評価した結果を表3に示す。
(但し、第1の磁性層を成膜してから次の磁性層を成膜
するまでの放置圧力1.0×10-5Paとし、且つ放置時
間は5分間とした。) 比較例4 第1の磁性層を成膜してから、第2の磁性層を成膜する
までの放置圧力を1.0×10-5Pa以上にした以外は、
実施例4と同様に光磁気記録媒体を3ロット作製した。
該記録媒体の光磁気特性を評価した結果を表3に示す。
(但し、リーク速度Qは3×10-8Pa・m3/sec以下と
し、且つ放置時間は5分間とした。) 比較例5 第1の磁性層を成膜してから第2の磁性層を成膜するま
での放置時間を15分間とした以外は、実施例4と同様
に光磁気記録媒体を3ロット作製した。該記録媒体の光
磁気特性を評価した結果を表3に以下に示す。(但し、
放置圧力は1.0×10-5Paとし、リーク速度Qは3×
10-8Pa・m3/sec以下とした。)
【0040】
【表3】 比較例6 比較例3乃至5で作製した光磁気記録媒体の、磁界変調
記録方式における磁界感度も評価したが、CN比が49
dBとなる磁気ヘッドからの発生磁界が100Oe以下で
あるものは無く、全て150Oe以上であり、且つロット
間でバラついていた。
【0041】実施例5 図1に示すようなロードロック室を持たないバッチ式の
スパッタ装置内に於て、6つのカソード6が取り付けら
れている。第1のカソードにはSiターゲットが、第2
のカソードにはGdDyターゲットが、第3のカソード
にはTbターゲットが、第4のカソードにはFeターゲ
ットが、第5のカソードにはCoターゲットが、第6の
カソードにはAlターゲットが、それぞれ取り付けられ
ている。又、真空計4として、B−A型電離真空計を、
真空ポンプ2として、クライオポンプを使用している。
スパッタ室内の容積Vは9×10-23である。基板ホ
ルダーは、自公転式でφ130のPC基板が4枚取り付
け可能である。
【0042】所定の前処理を施したφ130のPC基板
を4枚基板ホルダーにセットした後、スパッタ室内を5
Paまで粗引きし、その後クライオポンプに切り換えて高
真空に排気した。24時間排気、各ターゲットをプレス
パッタした後、メインバルブを閉じて、放置特性のデー
タを取得した。到達真空度は、8×10-6Paであった。
メインバルブを閉じて30分後のスパッタ室内の圧力
は、6×10-4Paであった。これより、リーク速度Q=
3×10-8Pa・m3/secであった。
【0043】この状態で、再びメインバルブを空け、ス
パッタ室内を真空排気した。そして、Arガスと窒素ガ
スをスパッタ室内に導入し、Siターゲットを用いてR
F反応性スパッタにより、φ130のPC基板上にSi
Nの誘電体層を800Å形成した。その後、真空を破ら
ないで、GdDyとFeとCoターゲットを用いて同時
放電により200ÅのGdDyFeCo層を、TbとC
oターゲットを用いて同時放電により100ÅのTbC
o層を、TbとFeターゲットを用いて同時放電により
1200ÅのTbFe層を、Siターゲットを用いてS
iNの誘電体層を300Å、Alターゲットを用いてA
l層を250Å形成し、多層膜構造の光磁気記録媒体を
作製した。繰り返し再現性を見るために、上記プロセス
を3回繰り返して行った。この際、リーク速度Qが3×
10-8Pa・m3/sec以下になっていることを確認してか
ら、希土類−鉄族遷移金属層の成膜間の放置環境を1.
0×10-5Pa以下にし、且つ放置時間が10分以内にな
るようにして光磁気記録媒体を作製した。結果は、表4
に示す通りである。反射率、記録感度、CN比、消去磁
界感度は、いずれも変化がなかった。
【0044】
【表4】 比較例7 リーク速度Qを3×10-8Pa・m3/sec以上にした以外
は、実施例5と同様に光磁気記録媒体を3ロット作製し
た。該記録媒体の光磁気特性を評価した結果を表5に示
す。(但し、希土類−鉄族遷移金属層の成膜間の放置圧
力は1.0×10 -5Paとし、且つ放置時間は5分間とし
た。) 比較例8 希土類−鉄族遷移金属層の成膜間の放置圧力を1.0×
10-5Pa以上にした以外は実施例5と同様に光磁気記録
媒体を3ロット作製した。該記録媒体の光磁気特性を評
価した結果を表5に示す。(但し、リーク量Qは3×1
-8Pa・m3/sec以下とし、且つ放置時間は10分間とし
た。) 比較例9 希土類−鉄族遷移金属層の放置時間を15分間とした以
外は、実施例5と同様に光磁気記録媒体を3ロット作製
した。該記録媒体の光磁気特性を評価した結果を表5に
示す。(但し、希土類−鉄族遷移金属層の成膜間の放置
圧力は1.0×10-5Paとし、リーク速度Qは3×10
-8Pa・m3/sec以下とした。)
【0045】
【表5】 実施例6 開発用の小規模の成膜機で、光磁気記録媒体の成膜条件
を決定した。その際、スパッタ室内の放置特性によるリ
ーク速度Qが3×10-8Pa・m3/sec以下であるという条
件で希土類−鉄族遷移金属層の成膜間の放置特性が1.
0×10-5Pa以下とし、且つ放置時間が5分間になるよ
うにして、各々の膜の特性を決定した。量産成膜機を決
定するに際して、装置仕様として、本発明の仕様を盛り
込んだ。この量産成膜機を立ち上げ、試験を行ったとこ
ろ、開発用の小規模の成膜機で得られた特性と同等の光
磁気記録媒体が安定して得られた。
【0046】
【発明の効果】以上説明してきたように、従来技術には
ない新規な指標によりスパッタ装置を制御することによ
って、所望の特性を有する光磁気記録媒体を安定に製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スパッタ装置の基本構成を表す模式図である。
【図2】インライインスパッタ装置の基本構成を表す模
式図である。
【符号の説明】
1 スパッタ室(真空チャンバー) 2 真空ポンプ 3 メインバルブ 4 真空計 5 基板ホルダー 6 カソード 7 ロードロック室 8 脱気室 9 スパッタ室 10 ゲートバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類−鉄族遷移金属を構成成分とする
    光磁気記録媒体をスパッタ法により製造する方法におい
    て、スパッタ装置のスパッタ室内からの放出ガスを含む
    リークガスのリーク速度を3×10-8Pa・m3/sec以下に
    保ちながら、該スパッタ室内の圧力を1×10-5Pa以下
    にした後、光磁気記録媒体を成膜することを特徴とする
    光磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 希土類−鉄族遷移金属を交換結合させた
    2層以上の磁性層を有する光磁気記録媒体をスパッタ法
    により製造する方法において、スパッタ装置のスパッタ
    室内からの放出ガスを含むリークガスのリーク速度を3
    ×10-8Pa・m 3/sec以下に保ちながら、該スパッタ室内
    の圧力を1.0×10-5Pa以下にした後、磁性層を成膜
    し、前記真空度を保ったまま前記磁性層成膜後から10
    分以内に、前記磁性層の上に次の磁性層を成膜すること
    を特徴とする光磁気記録媒体の成膜方法。
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