JP2001118286A - 光学記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

光学記録媒体およびその製造方法

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JP2001118286A
JP2001118286A JP29231499A JP29231499A JP2001118286A JP 2001118286 A JP2001118286 A JP 2001118286A JP 29231499 A JP29231499 A JP 29231499A JP 29231499 A JP29231499 A JP 29231499A JP 2001118286 A JP2001118286 A JP 2001118286A
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gas
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magneto
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Kazutomo Miyata
一智 宮田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グレインサイズを小さくして、記録/再生を
行う浮上型ヘッドの浮上特性および走行特性を向上させ
るとともに、積層膜の腐蝕を抑制して、耐久性を向上さ
せる。 【解決手段】 スパッタリング法により、ディスク基板
2上に下地層3を形成する。ArガスにN2 ガスを添加
した混合ガスを用いたスパッタリング法により、下地層
3上にAlTiNを成膜することによって熱拡散層4を
形成する。このスパッタリング法に用いられる混合ガス
中のN2 ガスの分圧を、0.5〜10%、好ましくは1
〜9%とする。熱拡散層4上に、第1の誘電体層5、光
磁気記録再生層6および第2の誘電体層7を順次積層し
て、光磁気ディスク1を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、光学記録媒体お
よびその製造方法に関し、特に、基板上に熱拡散層、記
録再生層および誘電体層が積層され、誘電体層側から光
を入射させて情報信号の記録/再生を行う光学記録媒体
に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの発達、普及ととも
に、磁気記録媒体や光学記録媒体などの外部メモリは、
高速化、大容量化の方向へと進歩している。
【0003】光学記録媒体においては、光磁気ディスク
や相変化型光ディスクなどのように、基板上に記録再生
層や誘電体層などが順に積層されて構成され、この積層
膜における記録再生層に光を入射させることにより情報
信号の読み出しや書き込みが行われるものが普及してき
ている。これらの光学記録媒体においても、現在、高密
度化の研究が進められている。
【0004】このような光学記録媒体の高密度化に伴
い、光学記録媒体の情報信号の読み出しや書き込みを行
うための光学ヘッドにおいて、スポット径を小径化する
ことによる高解像度化が不可欠となっている。そのた
め、高解像度化に関しても種々研究が進められている。
【0005】この記録再生層に入射する光のスポット径
を小径化するためには、光学レンズの開口数(Numerica
l Aperture、NA)を高める、いわゆる高NA化を図る
必要が生じるとともに、光源の短波長化を図る必要が生
じる。このような高NA化を実現するためには、光学レ
ンズと光学記録媒体との距離を短くする必要がある。こ
こで、この方法による高密度化に関する研究の一例を以
下に挙げる。
【0006】すなわち、光学ヘッドにおいては、ハード
ディスク装置などに採用されている浮上型磁気ヘッドの
技術を応用して、光学レンズをスライダに搭載した浮上
型光学ヘッドを形成し、この浮上型光学ヘッドを光学記
録媒体の基板上の記録再生層や誘電体層などからなる積
層膜と対向するように浮上させ、光学記録媒体に対し
て、積層膜側から情報信号の読み出しや書き込みを行う
研究が進められている。
【0007】このように、浮上型光学ヘッドを積層膜と
対向するように浮上させて情報信号の読み出しや書き込
みを行う場合、浮上型光学ヘッドからの光は、積層膜側
から入射される。そのため、浮上型光学ヘッドからの光
は基板を透過しない。これにより、従来用いられてい
る、光学ヘッドからの光を記録再生層に基板を介して入
射させる場合に比べ、光学レンズと光学記録媒体との距
離を大幅に短くすることができる。
【0008】このように、光学レンズと光学記録媒体と
の距離を短くすることが可能になることにより、光学レ
ンズを高NA化することが可能となる。そして、記録再
生層に入射する光のスポット径を小径化することができ
るので、光学ヘッドの高解像度化が可能となる。
【0009】以上のように、浮上型光学ヘッドを基板上
の積層膜と対向するように浮上させて、情報信号の読み
出しや書き込みを行うようにした場合、浮上型光学ヘッ
ドからの光は積層膜側から記録再生層に照射される。そ
のため、浮上型光学ヘッドにより情報信号の読み出しや
書き込みが行われる光学記録媒体における基板上の積層
膜は、基板を介して光が入射するように構成された光学
記録媒体におけると逆の順序に積層されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、積層膜
側から光が入射される光学記録媒体においては、従来の
光学記録媒体のような成膜面を保護するための紫外線硬
化膜などからなる保護膜が設けられていない。そのた
め、従来の光学記録媒体のように、保護膜により積層膜
の腐蝕を防止することができないため、記録媒体の腐蝕
が大きな問題となっている。例えば、光学記録媒体にお
いて反射層(熱拡散層)としてAg(銀)膜を用いる
と、Agよりも記録再生層の方が腐蝕してしまう。その
ため、反射膜(熱拡散層)として、一般的にAl(アル
ミニウム)膜が用いられる。
【0011】しかしながら、反射層としてAl膜を用い
た場合、情報信号の記録/再生に浮上型型光学ヘッドを
用いると、その浮上特性や走行性に問題が生じてしま
う。すなわち、ハードディスクなどにおいては浮上特性
の観点から適した下地が選択される。ところが、上述し
た光学記録媒体において反射層としてAl膜を用いる
と、そのグレインサイズが大きくなってしまい、浮上型
光学ヘッドにおける浮上特性が満足されないという問題
が生じる。
【0012】グレインサイズを小さくするには、熱拡散
層としてAl膜を用いる代わりにAgを用いればよい。
しかしながら、上述したように、熱拡散層としてAgを
用いると、腐蝕の問題が生じてしまう。
【0013】このように、グレインサイズの縮小化によ
る浮上型光学ヘッドの浮上特性および走行特性の向上
と、腐蝕を抑制することによる光学記録媒体の保存耐久
性の向上とはトレードオフの関係であった。そのため、
浮上型光学ヘッドにおける浮上特性および走行特性の向
上と、光学記録媒体の保存耐久性の向上とをともに実現
することができる技術の開発が熱望されていた。
【0014】したがって、この発明の目的は、基板上に
形成された積層膜側から光を入射して記録/再生を行う
光学記録媒体において、浮上型光学ヘッドの浮上特性お
よび走行特性を向上させることができるとともに、基板
上に設けられた積層膜の腐蝕を抑制し、耐久性に優れた
光学記録媒体およびその製造方法を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の第1の発明は、基板上に、下層から少な
くとも熱拡散層、記録再生層および誘電体層が順に設け
られ、誘電体層が存在する側から光を入射させることに
より、情報の記録/再生を行うようにした光学記録媒体
において、熱拡散層が、少なくとも窒素ガスを含むガス
を用いて成膜されたアルミニウム膜またはアルミニウム
合金膜からなることを特徴とするものである。
【0016】この第1の発明において、浮上型ヘッドの
浮上特性および走行特性を確保するために、典型的に
は、窒素ガスを含むガスを用いて成膜されたアルミニウ
ム膜またはアルミニウム合金膜から構成される拡散層の
グレインサイズは、0.03μm以上0.04μm以下
である。
【0017】この発明の第2の発明は、基板上に、下層
から少なくとも熱拡散層、記録再生層および誘電体層が
順に設けられ、誘電体層が存在する側から光を入射させ
ることにより、情報の記録/再生を行うようにした光学
記録媒体の製造方法において、少なくとも窒素ガスを含
むガスを用いてアルミニウムまたはアルミニウム合金を
成膜することにより、熱拡散層を形成するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0018】この発明の第3の発明は、基板上に、下層
から少なくとも熱拡散層、記録再生層および誘電体層が
順に設けられ、誘電体層が存在する側から光を入射させ
ることにより、情報の記録/再生を行うようにした光学
記録媒体において、熱拡散層が窒化されたアルミニウム
膜またはアルミニウム合金膜からなり、熱拡散層のグレ
インサイズが0.04μm以下であることを特徴とする
ものである。
【0019】この第3の発明において、典型的には、熱
拡散層のグレインサイズは、0.03μm以上である。
【0020】この発明において、成膜された熱拡散層に
おけるグレインサイズの縮小化を図りつつ、金属として
の機能を保持するために、典型的には、熱拡散層の成膜
に用いられるガス中の窒素ガスの分圧は、典型的には
0.5%以上10%以下であり、好適には1%以上9%
以下である。また、グレインサイズを小さくするために
は、窒素ガスの代わりに、酸素ガスや二酸化炭素ガスを
用いることが考えられるが、これらの酸素ガスや二酸化
炭素ガスでは、記録媒体の保存耐久性が悪くなってしま
うため、この発明においては、窒素ガスが用いられる。
また、この発明において、典型的には、ガスは、アルゴ
ンガスと窒素ガスとの混合ガスである。
【0021】この発明において、典型的には、熱拡散層
はスパッタリング法により形成される。また、この発明
において、典型的には、熱拡散層の形成の際のスパッタ
リング法に用いられるターゲットは、AlTi、AlM
g、AlSi、AlCu、AlTa、AlAg、AlP
tおよびAlAuからなる群より選ばれた少なくとも1
種類のAl合金、またはAlからなる。また、この発明
において、熱拡散層の形成の際のスパッタリングにおけ
る圧力は、典型的には0.5Pa以下である。
【0022】また、この発明において、基板から熱拡散
層に水分が拡散するのを防止するとともに、熱拡散層と
基板との密着性を向上させるために、基板と熱拡散層と
の間に下地層を設けるようにする。この下地層は、典型
的にはスパッタリング法により形成される。また、下地
層のグレインサイズの縮小を図り浮上型光学ヘッドの浮
上特性および走行特性の悪化を抑制するとともに、応力
の増加の防止を図り基板の反りを防止するために、典型
的には、スパッタリングの圧力を0.2Pa以上0.5
Pa以下に制御する。また、この下地層は、典型的には
SiN(窒化シリコン)などの誘電体から構成される。
【0023】この発明において、記録再生層を構成する
希土類合金は、典型的には、Tb18(FeCo1582
Tb18(FeCo1082、Tb18(FeCo2082、T
21(FeCo1579、Tb21(FeCo1079、Tb
21(FeCo2079、Tb24(FeCo1576、Tb24
(FeCo1076、Tb24(FeCo2076、および、
これらの組成においてTbを、Dy(ジスプロシウ
ム)、NdTb(ネオジウム・テルビウム)またはGd
(ガドリニウム)に置換したものからなる群より選ばれ
た少なくとも1種類の希土類合金である。また、この発
明において、好適には、記録再生層は、TbFeCo膜
とGdFeCo膜との積層膜から構成され、具体的な組
成については、TbFeCoの組成が上述の組成と同様
であり、GdFeCoの組成がGd28(FeC
1572、Gd32(FeCo1568、Gd28(FeCo
2572またはGd32(FeCo2568の組成である。ま
た、この発明において、好適には、記録再生層を構成す
る合金として、TbFeCoCr合金、TbFeCoN
i合金、TbFeCoSi合金などの4元系合金や、D
yFeCo合金やGdFeCo合金などの3元系合金を
用いることも可能である。また、この発明において、記
録再生層として、TbFeCo合金、TbFeCoCr
合金、TbFeCoNi合金、TbFeCoSi合金、
DyFeCo合金およびGdFeCo合金からなる群よ
り選ばれた少なくとも2種類の希土類合金を積層させた
積層膜を用いることも可能である。上述した希土類合金
は、記録/再生に用いられる光源の波長や、要求される
機能によって最適化される。
【0024】上述のように構成されたこの発明の第1の
発明および第2の発明による光学記録媒体およびその製
造方法によれば、窒素ガスを含むガスを用いてアルミニ
ウムまたはアルミニウム合金を成膜して、熱拡散層を形
成していることにより、熱拡散層の上層に形成される記
録再生層の腐蝕を抑制することができる。
【0025】この発明の第3の発明による光学記録媒体
によれば、熱拡散層として、グレインサイズが0.04
μm以下の窒化されたアルミニウム膜またはアルミニウ
ム合金膜を用いていることにより、記録/再生に用いら
れる浮上型光学ヘッドの浮上特性および走行特性を確保
することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態
の全図においては、同一または対応する部分には同一の
符号を付す。
【0027】まず、この発明の第1の実施形態による光
磁気ディスクについて説明する。図1はこの第1の実施
形態による光磁気ディスク1を示す。なお、この第1の
実施形態による光磁気ディスク1は、例えば浮上型光学
ヘッドのような記録再生層に近い位置にある光学ヘッド
により、基板上の積層膜が設けられている側から光が入
射されて、情報信号の記録/再生が行われる形式の光磁
気ディスクである。
【0028】図1に示すように、この第1の実施形態に
よる光磁気ディスク1は、ディスク基板2上に下地層
3、熱拡散層4、第1の誘電体層5、光磁気記録再生層
6および第2の誘電体層7が順次積層されて構成されて
いる。
【0029】ディスク基板2は、例えば射出成形法によ
り樹脂材料をディスク状に成形したものである。この樹
脂材料としては、例えばアモルファスポリオレフィンや
ポリカーボネートなどが用いられる。
【0030】また、ディスク基板2上に設けられた下地
層3は、ディスク基板2に含有された水分(H2 O)が
熱拡散層4などに拡散するのを防止するためのものであ
る。このように水分の拡散を防止することにより、熱拡
散層4などにおける腐蝕の発生を低減することができ
る。また、下地層3は、この下地層3を設けない場合に
比して、熱拡散層4とディスク基板2との間の密着性を
向上させるためのものである。また、この下地層3は、
例えば窒化シリコン(SiN)などの誘電体から構成さ
れる。また、下地層3の膜厚は5〜10nmから選ば
れ、この第1の実施形態においては例えば10nmに選
ばれる。
【0031】また、下地層3上に設けられた熱拡散層4
は、光磁気記録再生層6に入射される光に起因して発生
する熱を拡散するためのものである。この熱拡散層4に
光磁気記録再生層6で発生した熱を拡散させることによ
り、光磁気記録再生層6における記録マークの大きさを
コントロールする。これによって、記録再生特性が良好
な状態に維持される。また、熱拡散層4は、例えば膜厚
が40nmのAlTiN膜からなり、後述する製造方法
により、そのグレインサイズが0.03〜0.04μm
となるように制御されている。
【0032】また、熱拡散層4上に設けられた第1の誘
電体層5は、光学的エンハンスメントの効果を得るため
のものである。この第1の誘電体層5は例えば膜厚が1
0nmのSiN膜からなる。
【0033】また、第1の誘電体層5上に設けられた光
磁気記録再生層6は、情報信号を記録するためのもので
ある。この光磁気記録再生層6は、希土類金属のTbと
遷移金属のFeおよびCoとからなる希土類合金から構
成される。また、この光磁気記録再生層6の膜厚は例え
ば23nmである。
【0034】また、光磁気記録再生層6上に設けられた
第2の誘電体層7は、光磁気ディスク1の光学的な効率
の向上を図るためのものである。この第2の誘電体層7
は、例えば膜厚が76nmのSiN膜からなる。このよ
うに、光磁気記録再生層6上に設けられる第2の誘電体
層7としてSiN膜を用いていることにより、光磁気記
録再生層6における第2の誘電体層7側からの腐蝕を低
減することができる。
【0035】次に、以上のように構成された光磁気ディ
スク1の製造方法について説明する。
【0036】この第1の実施形態による光磁気ディスク
1の製造方法においては、まず、成膜用のディスク基板
2を、大気解放可能に構成された第1のスパッタリング
チャンバー内の所定位置に載置する。次に、第1のスパ
ッタリングチャンバー内の真空引きを行うことによっ
て、内部の圧力を例えば5×10-5Paとする。
【0037】続いて、ディスク基板2を第1のスパッタ
リングチャンバーから第2のスパッタリングチャンバー
に真空搬送し、その所定位置に載置する。このとき、こ
の第2のスパッタリングチャンバー内の圧力は例えば5
×10-5Paである。
【0038】次に、例えば放電ガスとしてAr(アルゴ
ン)ガスにN2 ガスを添加した混合ガスを用いSiから
なるターゲットを用いた反応性スパッタリング(リアク
ティブスパッタリング)法により、ディスク基板2上に
SiNを成膜する。これによって、SiNからなる下地
層3が形成される。ここで、スパッタリングの圧力にお
いては、圧力が低すぎると下地層3の応力が高くなり、
光磁気ディスク1に反りなどが発生してしまう。他方、
スパッタリングの圧力が高すぎると下地層3におけるグ
レインサイズが大きくなり、結果的に浮上型光学ヘッド
の浮上特性が悪化してしまう。これらの観点から、下地
層3の成膜の際のスパッタリングの圧力は、典型的には
0.2〜0.5Paから選ばれ、この第1の実施形態に
おいては、例えば0.4Paに選ばれる。
【0039】次に、下地層3が形成されたディスク基板
2を、第2のスパッタリングチャンバー内から第3のス
パッタリングチャンバー内に搬送し、その所定位置に載
置する。次に、第3のスパッタリングチャンバー内の真
空引きを行い、内部の圧力を例えば5×10-5Paとす
る。
【0040】次に、例えば放電ガスとしてArガスにN
2 ガスを添加した混合ガスを用いAlTiからなるター
ゲットを用いたスパッタリング法により、下地層3上に
AlTiNを成膜する。これによって、AlTiNから
なる熱拡散層4が形成される。この熱拡散層4の成膜に
おけるスパッタリングの圧力は、0.2〜0.5Paか
ら選ばれ、この第1の実施形態においては、例えば0.
2Paに選ばれる。
【0041】また、このスパッタリング法における混合
ガス中のN2 ガスの分圧は、典型的には0.5〜10
%、好適には1〜9%から選ばれる。これは次のような
理由による。
【0042】すなわち、本発明者が、熱拡散層4に関し
て、グレインサイズ、消光係数kおよび屈折率nのN2
ガス分圧依存性を測定したところ、表1に示す結果が得
られた。
【0043】
【表1】
【0044】表1に示される消光係数kのN2 ガス分圧
依存性を図3に示す。表1および図3から、第3のスパ
ッタリングチャンバー内に導入される混合ガス中のN2
ガスの分圧の増加にともない、消光係数kが急激に増加
することがわかる。特に、混合ガス中のN2 ガスの分圧
が10%を超えると、消光係数が0に漸近することがわ
かる。このとき、AlTiNからなる熱拡散層4は半導
体や誘電体としての性質が強くなってしまう。そして、
熱拡散層4が半導体や誘電体としての性質を強く示すよ
うになると、熱拡散層4は、必要な熱拡散の機能を果た
さなくなってしまう。そこで、成膜されるAlNが金属
としての性質を維持し、熱拡散の機能を果たすようにす
るためには、混合ガス中のN2 ガスの分圧を10%以
下、好適には9%以下にするのが好ましい。
【0045】また、表1に示されるグレインサイズのN
2 ガス分圧依存性を図4に示す。表1および図4から、
第3のスパッタリングチャンバー内に導入される混合ガ
ス中のN2 ガスの分圧の低下にともない、熱拡散層4を
構成するAlTiNのグレインサイズが急激に大きくな
ることがわかる。特に、導入される混合ガス中のN2
スの分圧を0%とし、スパッタリングチャンバー内に導
入されるガスを純粋なArガスのみとした場合において
は、グレインサイズ、粗さRaが大きく、浮上特性が満
足できない程度になる。また、浮上型光学ヘッドにおけ
る十分な浮上特性および走行特性を得ることができなく
なってしまう。そこで、浮上型光学ヘッドにおける十分
な浮上特性および走行特性を得るためには、熱拡散層4
のグレインサイズを0.03〜0.04μmに制御する
ことが望ましく、そのためには、混合ガス中のN2 ガス
の分圧を0.5%以上、好適には1%以上にするのが好
ましい。
【0046】次に、AlTiNからなる熱拡散層4が形
成されたディスク基板2を、第3のスパッタリングチャ
ンバーから第4のスパッタリングチャンバーに搬送し、
その所定位置に載置する。その後、第4のスパッタリン
グチャンバー内の真空引きを行うことによって、内部の
圧力を例えば5×10-5Paとする。
【0047】次に、例えば放電ガスとしてArガスにN
2 ガスを添加した混合ガスを用い、例えばSiからなる
ターゲットを用いたスパッタリング法により、熱拡散層
4上にSiNを成膜する。これによって、SiNからな
る第1の誘電体層5が形成される。ここで、第1の誘電
体層5の形成における圧力は、0.2〜0.5Paから
選ばれ、この第1の実施形態においては、例えば0.4
Paに選ばれる。
【0048】次に、第1の誘電体層5が形成されたディ
スク基板2を、第4のスパッタリングチャンバーから第
5のスパッタリングチャンバーに搬送し、その所定位置
に載置する。その後、第5のスパッタリングチャンバー
内の真空引きを行うことによって、内部の圧力を例えば
5×10-5Paとする。
【0049】次に、例えば放電ガスとしてArガスを用
いTbFeCoからなるターゲットを用いたスパッタリ
ング法により、第1の誘電体層5上にTbFeCoを成
膜する。これによって、TbFeCoからなる光磁気記
録再生層6が形成される。このスパッタリング法におい
ては、スパッタリングの圧力は、0.2〜0.5Paか
ら選ばれ、この第1の実施形態においては、例えば0.
2Paに選ばれる。また、TbFeCo以外にDyFe
CoやGdFeCo、あるいはこれらの合金膜を積層さ
せた多層構造とすることも可能である。
【0050】次に、光磁気記録再生層6が形成されたデ
ィスク基板2を、第5のスパッタリングチャンバーから
第6のスパッタリングチャンバーに搬送し、その所定位
置に載置する。その後、第6のスパッタリングチャンバ
ー内の真空引きを行うことによって、内部の圧力を例え
ば5×10-5Paとする。
【0051】次に、例えば放電ガスとしてArガスにN
2 ガスを添加した混合ガスを用いSiからなるターゲッ
トを用いたリアクティブスパッタリング法により、光磁
気記録再生層6上にSiNを成膜する。これによって、
SiNからなる第2の誘電体層7が形成される。このス
パッタリング法においては、スパッタリングの圧力は、
0.2〜0.5Paから選ばれ、この第1の実施形態に
おいては、例えば0.4Paに選ばれる。
【0052】その後、第6のスパッタリングチャンバー
から、全ての膜が形成されたディスク基板2を搬出す
る。以上により、目的とするこの第1の実施形態による
光磁気ディスク1が製造される。
【0053】以上説明したように、この第1の実施形態
によれば、熱拡散層4の形成の際のスパッタリング法に
おいて、放電ガスとして、ArガスにN2 ガスを0.5
〜10%、好適には1〜9%の分圧になるように添加し
た混合ガスを用いていることにより、熱拡散層4として
金属の性質を維持しているAlTiNを用いることがで
きるので、光磁気記録再生層6の腐蝕を抑制することが
できる。また、熱拡散層4のグレインサイズを0.03
〜0.04μm程度に小さくすることができるので、浮
上型光学ヘッドにおける良好な浮上特性および走行特性
を確保することができる。
【0054】さらに、上述した製造方法と同様な方法に
より、光磁気記録再生層6の代わりに相変化記録層を用
いた相変化型の光ディスクなども製造した。この光ディ
スクにおいても、光磁気ディスク1におけると同様の効
果が確認された。
【0055】次に、この発明の第2の実施形態による光
磁気ディスクについて説明する。なお、この第2の実施
形態による光磁気ディスク1の構造は、図1に示すと同
様である。
【0056】また、この第2の実施形態による光磁気デ
ィスク1においては、第1の実施形態と異なり、熱拡散
層4はAlNから構成される。その他の光磁気ディスク
1の構成については、第1の実施形態におけると同様で
あるので、説明を省略する。
【0057】次に、この第2の実施形態による光磁気デ
ィスク1の製造方法について説明する。
【0058】この第2の実施形態による光磁気ディスク
1の製造方法においては、まず、第1の実施形態におけ
ると同様にして、ディスク基板2を第2のスパッタリン
グチャンバー内の所定位置に載置する。
【0059】次に、例えば放電ガスとしてArガスを用
いSiNからなるターゲットを用いたスパッタリング法
により、ディスク基板2上にSiNからなる下地層3を
形成する。ここで、下地層3の成膜におけるスパッタリ
ングの圧力は、第1の実施形態におけると同様の理由か
ら、0.2〜0.5Paから選ばれる。
【0060】次に、第1の実施形態と同様にして、ディ
スク基板2を第3のスパッタリングチャンバー内に搬送
する。その後、例えば放電ガスとしてArガスにN2
スを添加した混合ガスを用いAlからなるターゲットを
用いたスパッタリング法によって、下地層3上にAlN
(窒化アルミニウム)を成膜する。これにより、AlN
からなる熱拡散層4が形成される。この熱拡散層4の膜
厚は、必要とされる熱特性のコントロールのために調整
する。また、この熱拡散層4の形成におけるスパッタリ
ング法においては、スパッタリングの圧力は例えば0.
2Paに選ばれる。また、このスパッタリング法に用い
られる混合ガス中のN2 ガスの分圧は、第1の実施形態
におけると同様の理由から、典型的には0.5〜10
%、好適には1〜9%から選ばれる。
【0061】次に、AlNからなる熱拡散層4が設けら
れたディスク基板2を、第3のスパッタリングチャンバ
ーから第4のスパッタリングチャンバーに搬送し、その
所定位置に載置する。その後、第4のスパッタリングチ
ャンバー内の真空引きを行うことによって、内部の圧力
を例えば5×10-5Paとする。
【0062】次に、例えば放電ガスとしてArガスを用
いSiNからなるターゲットを用いたスパッタリング法
により、熱拡散層4上にSiNを成膜する。これによっ
て、SiNからなる第1の誘電体層5が形成される。こ
こで、スパッタリングの圧力は0.2〜0.5Paから
選ばれ、この第2の実施形態においては例えば0.4P
aに選ばれる。
【0063】その後、第1の実施形態と同様にしてプロ
セスを進めて、光磁気記録再生層6を形成した後、第6
のスパッタチャンバー内の所定位置に載置し、真空引き
を行う。
【0064】次に、例えば放電ガスとしてArガスにN
2 ガスを添加した混合ガスを用い、SiNからなるター
ゲットを用いたスパッタリング法により、光磁気記録再
生層6上にSiNを成膜する。これによって、SiNか
らなる第2の誘電体層7が形成される。ここで、スパッ
タリングの圧力は0.2〜0.5Paから選ばれ、この
第2の実施形態においては、例えば0.4Paに選ばれ
る。
【0065】その後、第6のスパッタリングチャンバー
から、全ての膜が形成されたディスク基板2を搬出す
る。以上により、目的とするこの第2の実施形態による
光磁気ディスク1が製造される。
【0066】この第2の実施形態によれば、AlNから
なる熱拡散層4を形成する際のスパッタリング法におい
て、Arガスに、N2 ガスを0.5〜10%、好適には
1〜9%の分圧になるように添加した混合ガスを用いて
いることにより、第1の実施形態と同様の効果を得るこ
とができる。
【0067】次に、この発明の第3の実施形態による光
磁気ディスクについて説明する。図2にこの第3の実施
形態による光磁気ディスク11を示す。なお、この第3
の実施形態による光磁気ディスク11は、例えば浮上型
光学ヘッドのように、記録再生層に近い位置にある光学
ヘッドにより、基板における積層膜が設けられている側
から光が入射されて、情報信号の読み出しや書き込みが
行われる形式の光磁気ディスクである。
【0068】図2に示すように、この第3の実施形態に
よる光磁気ディスク11は、ディスク基板12上に下地
層13、熱拡散層14、光磁気記録再生層15および誘
電体層16とが順次積層されて構成されている。
【0069】ディスク基板12は、例えば射出成形法に
より樹脂材料をディスク状に成形したものである。この
樹脂材料としては、例えばアモルファスポリオレフィン
やポリカーボネートなどが用いられる。
【0070】また、ディスク基板12上に設けられた下
地層13は、ディスク基板12に含有される水分が熱拡
散層14および光磁気記録再生層15に拡散するのを防
止するためのものである。このように、水分の拡散を防
止することにより、熱拡散層14および光磁気記録再生
層15における腐蝕の発生を低減することができる。ま
た、下地層13は、この下地層13を設けていない場合
に比べ、熱拡散層14とディスク基板12との間の密着
性を向上させるためのものである。また、下地層13
は、例えばSiNなどの誘電体からなり、膜厚は5〜1
0nmから選ばれる。
【0071】また、下地層13上に設けられた熱拡散層
14は、光磁気記録再生層15に入射された光に起因し
て発生する熱を拡散するためのものであり、熱を拡散さ
せることにより、光磁気記録再生層15の記録マークの
大きさをコントロールし、記録再生特性を良好なものと
するためのものである。
【0072】また、熱拡散層14上の設けられた光磁気
記録再生層15は、情報信号を記録するためのものであ
る。光磁気記録再生層15は、例えばTbFeCoから
構成される。
【0073】また、光磁気記録再生層15上に設けられ
た誘電体層16は、光磁気ディスク1の光学的な効率の
向上を図るためのものである。誘電体層16は、例えば
SiNからなる。このように、誘電体層16としてSi
Nを用いていることにより、光磁気記録再生層15にお
ける誘電体層16側からの腐蝕を低減することができ
る。
【0074】次に、以上のように構成された光磁気ディ
スク11の製造方法について、説明する。
【0075】この第3の実施形態による光磁気ディスク
11の製造方法においては、まず、成膜用のディスク基
板12を、大気解放可能に構成された第1のスパッタリ
ングチャンバー内の所定位置に載置する。次に、第1の
スパッタリングチャンバー内の真空引きを行うことによ
って、内部の圧力を例えば5×10-5Paとする。
【0076】続いて、ディスク基板12を第1のスパッ
タリングチャンバーから第2のスパッタリングチャンバ
ーに真空搬送し、その所定位置に載置する。このとき、
この第2のスパッタリングチャンバーの内部の圧力は例
えば5×10-5Paである。
【0077】次に、例えば放電ガスとしてArガスにN
2 ガスを添加した混合ガスを用いSiからなるターゲッ
トを用いたリアクティブスパッタリング法により、ディ
スク基板12上にSiNを成膜する。これによって、S
iNからなる下地層13が形成される。ここで、スパッ
タリングの圧力は、第1の実施形態におけると同様の理
由から、0.2〜0.5Paから選ばれ、この第3の実
施形態においては、例えば0.4Paに選ばれる。
【0078】次に、下地層13が形成されたディスク基
板12を、第2のスパッタリングチャンバー内から第3
のスパッタリングチャンバー内に搬送し、その所定位置
に載置する。次に、第3のスパッタリングチャンバー内
の真空引きを行い、内部の圧力を例えば5×10-5Pa
とする。
【0079】次に、例えば放電ガスとしてArガスにN
2 ガスを添加した混合ガスを用いAlからなるターゲッ
トを用いたスパッタリング法により、下地層13上にA
lNを成膜する。これにより、AlNからなる熱拡散層
4が形成される。ここで、この熱拡散層4の成膜におけ
るスパッタリングの圧力は、0.2〜0.5Paから選
ばれ、この第3の実施形態においては、例えば0.2P
aに選ばれる。
【0080】また、このスパッタリング法における混合
ガス中のN2 ガスの分圧は、第1の実施形態におけると
同様の理由から、典型的には0.5〜10%、好適には
1〜9%から選ばれる。
【0081】次に、AlNからなる熱拡散層14が形成
されたディスク基板12を、第3のスパッタリングチャ
ンバーから第4のスパッタリングチャンバーに搬送し、
その所定位置に載置する。その後、第4のスパッタリン
グチャンバー内の真空引きを行うことによって、内部の
圧力を例えば5×10-5Paとする。
【0082】次に、例えば放電ガスとしてArガスを用
いTbFeCoからなるターゲットを用いたスパッタリ
ング法により、熱拡散層14上にTbFeCoを成膜す
る。これによって、TbFeCoからなる光磁気記録再
生層15が形成される。このスパッタリング法において
は、スパッタリングの圧力は、0.2〜0.5Paから
選ばれ、この第3の実施形態においては例えば0.2P
aに選ばれる。また、TbFeCo以外にDyFeCo
やGdFeCo、あるいはこれらの合金膜を積層させた
多層構造とすることも可能である。
【0083】その後、第1の実施形態におけると同様に
してプロセスを進め、目的とするこの第3の実施形態に
よる光磁気ディスク11を製造する。
【0084】この第3の実施形態に光磁気ディスクおよ
びその製造方法によれば、熱拡散層14の形成の際のス
パッタリング法において、放電ガスとして、Arガスに
2ガスを0.5〜10%、好適には1〜9%の分圧と
なるように添加した混合ガスを用いていることにより、
第1の実施形態におけると同様の効果を得ることができ
る。
【0085】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0086】例えば、上述の実施形態において挙げた数
値、材料はあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと
異なる数値、材料を用いてもよい。
【0087】また、例えば上述の第1および第2の実施
形態においては、下地層3、第1の誘電体層5および第
2の誘電体層7としてSiNを用いており、第3の実施
形態においては、下地層13および誘電体層16として
SiNを用いているが、SiNの代わりに、SiO
2 (酸化シリコン)や、誘電体としての性質を有するA
lNなどを用いることも可能である。また、これらの下
地膜3、13、第1の誘電体層5、第2の誘電体層7お
よび誘電体層16の形成に用いられるスパッタリング装
置の電源としては、高周波(RF)電源や直流(DC)
電源を用いることができる。
【0088】また、例えば上述の実施形態において、T
bFeCoからなるターゲットを用いたスパッタリング
法により、TbFeCoからなる光磁気記録再生層6、
15を形成しているが、Tbからなるターゲット、Fe
からなるターゲットおよびCoからなるターゲットを用
いた同時スパッタリング法により、TbFeCoを成膜
するようにしてもよい。
【0089】また、例えば上述の実施形態においては、
この発明を光磁気ディスクに適用しているが、光磁気デ
ィスク以外の記録方式の異なる他の光学記録媒体に適用
することが可能である。例えば、この発明を、記録再生
層の相変化を利用して信号の記録/再生を行う相変化型
の光ディスクなどに適用することが可能である。
【0090】また、例えば上述の実施形態において、光
磁気記録再生層6、15として、異なる性質の光磁気記
録再生層を積層した多層構造としてもよい。また、光磁
気記録再生層と光磁気記録再生層以外との多層膜によ
り、磁気的超解像や磁区拡大再生を行うことが可能な構
造にしてもよい。
【0091】また、例えば上述の実施形態においては、
TbFeCoからなる光磁気記録再生層6、15の形成
を、TbFeCoからなるターゲットを用いたスパッタ
リング法により行っているが、TbFeCoからなる光
磁気記録再生層6、15の形成を、Tbからなるターゲ
ット、FeからなるターゲットおよびCoからなるター
ゲットを用いた同時スパッタリング法により行うように
してもよい。また、TbFeCoにCr(クロム)、N
i(ニッケル)、またはSi(シリコン)などの添加物
が混入していてもよい。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の第1の
発明および第2の発明によれば、下層から熱拡散層、記
録再生層および誘電体層が順次積層され、この誘電体層
側より光が入射されて情報の記録/再生が行われる光学
記録媒体において、熱拡散層が、少なくとも窒素ガスを
含むガスを用いて成膜されたアルミニウム膜またはアル
ミニウム合金膜から構成されていることにより、熱拡散
層におけるグレインサイズを小さくすることができるの
で、記録/再生に用いられる浮上型光学ヘッドにおける
良好な浮上特性および走行特性を確保することができ、
さらに、十分な保存耐久性を有する光学記録媒体を得る
ことができる。
【0093】この発明の第3の発明によれば、下層から
熱拡散層、記録再生層および誘電体層が順次積層され、
この誘電体層側から光を入射させることにより、情報の
記録/再生を行うようにした光学記録媒体において、窒
化されたアルミニウム膜またはアルミニウム合金膜から
なる熱拡散層のグレインサイズを0.04μm以下とし
ていることにより、光学記録媒体の記録/再生に用いら
れる浮上型光学ヘッドの浮上特性および走行特性を向上
させることができるとともに、腐蝕が抑制され、耐久性
に優れた光学記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態による光学記録媒体
を示す断面図である。
【図2】この発明の第3の実施形態による光学記録媒体
を示す断面図である。
【図3】熱拡散層における消光係数kのN2 ガス分圧依
存性を示すグラフである。
【図4】熱拡散層におけるグレインサイズのN2 ガス分
圧依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1、11・・・光磁気ディスク、2、12・・・ディス
ク基板、3、13・・・下地膜、4、14・・・熱拡散
層、5・・・第1の誘電体層、6、15・・・光磁気記
録再生層、7・・・第2の誘電体層、16・・・誘電体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 11/105 546 G11B 11/105 546F

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、下層から少なくとも熱拡散
    層、記録再生層および誘電体層が順に設けられ、 上記誘電体層が存在する側から光を入射させることによ
    り、情報の記録/再生を行うようにした光学記録媒体に
    おいて、 上記熱拡散層が、少なくとも窒素ガスを含むガスを用い
    て成膜されたアルミニウム膜またはアルミニウム合金膜
    からなることを特徴とする光学記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記ガスに対する上記窒素ガスの分圧
    が、0.5%以上10%以下であることを特徴とする請
    求項1記載の光学記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記ガスに対する上記窒素ガスの分圧
    が、1%以上9%以下であることを特徴とする請求項1
    記載の光学記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記熱拡散層のグレインサイズが0.0
    3μm以上0.04μm以下であることを特徴とする請
    求項1記載の光学記録媒体。
  5. 【請求項5】 基板上に、下層から少なくとも熱拡散
    層、記録再生層および誘電体層が順に設けられ、 上記誘電体層が存在する側から光を入射させることによ
    り、情報の記録/再生を行うようにした光学記録媒体の
    製造方法において、 少なくとも窒素ガスを含むガスを用いてアルミニウムま
    たはアルミニウム合金を成膜することにより、上記熱拡
    散層を形成するようにしたことを特徴とする光学記録媒
    体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記ガスに対する上記窒素ガスの分圧を
    0.5%以上10%以下とすることを特徴とする請求項
    5記載の光学記録媒体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記ガスに対する上記窒素ガスの分圧を
    1%以上9%以下とすることを特徴とする請求項5記載
    の光学記録媒体の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記熱拡散層をスパッタリング法により
    形成するようにしたことを特徴とする請求項5記載の光
    学記録媒体の製造方法。
  9. 【請求項9】 基板上に、下層から少なくとも熱拡散
    層、記録再生層および誘電体層が順に設けられ、 上記誘電体層が存在する側から光を入射させることによ
    り、情報の記録/再生を行うようにした光学記録媒体に
    おいて、 上記熱拡散層が窒化されたアルミニウム膜またはアルミ
    ニウム合金膜からなり、 上記熱拡散層のグレインサイズが0.04μm以下であ
    ることを特徴とする光学記録媒体。
  10. 【請求項10】 上記熱拡散層のグレインサイズが0.
    03μm以上であることを特徴とする請求項9記載の光
    学記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013253278A (ja) * 2012-06-06 2013-12-19 Geomatec Co Ltd アルミニウム合金膜とその製造方法

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US6924018B2 (en) 2001-10-12 2005-08-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Optical information recording medium
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