JPH0648621Y2 - 磁気ディスク装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、磁気ディスクをジャケット内に収納している
磁気ディスク装置に関する。

〔考案の概要〕

本考案の磁気ディスク装置は、磁気ディスクを保持する
センタコア部のディスクが貼着される金属製偏平状ヨー
クの中央窓孔には、ジャケットの一方の開口部に臨むセ
ンタコアを合成樹脂材をもって成形し、ディスク非貼着
面には、リング状に突出してジャケットの他方の開口部
に臨むと共にディスク貼着面側においてはほぼ同一平面
状となるようにスカートを合成樹脂材をもって成形する
ことにより、ヨークに対して磁気ディスクを皺が生じる
ことなく、偏平状に密接させて確実に貼着保持できると
共にヨークとジャケットの開口部との間隔部がスカート
により閉塞されて磁気ディスクはジャケット内に安定し
て収納保持されると共に埃等の付着が防止されて常に確
実に記録再生が行われるものである。

〔従来の技術〕

従来、写真機と同様にして静止画像を記録媒体に記録
し、又は此れより再生する装置が提案されている。とこ
ろで、これに使用する為に提案されている磁気ディスク
装置は、第１図に示すように構成されている。

これについて説明すると、（１）はそのジャケット、
（２）は円形開口部、（３）はセンタコア部であって、
円形の金属製ヨーク（４）の中央部に窓孔が設けられ、
これにアウトサート成形により合成樹脂材をもってセン
タコア（５）が固定され、ヨーク（４）上には磁気ディ
スク（７）が貼着されて、磁気ディスク装置が構成され
ている。この磁気ディスク装置は第１図に示すプレーヤ
装置の回転台（モータスピンドル）（８）上に装着され
て使用される。この回転台（８）は磁性体又は非磁性体
にて形成され、その一面上には回転台（８）を中心とし
て、基準面を構成する複数の柱状部材（９）が取付けら
れ、その上面が基準面（10），（9a）となされ、ヨーク
（４）の下面の基準面（10）に当接されるようになされ
ている。又柱状部材（９）の近傍には磁石が配置され、
これにより、回転台（８）上に載置された磁気ディスク
装置のヨーク（４）を、柱状部材（９）上に載置し、回
転台（８）と共に回転させるようになされている。よっ
てヨーク（４）の下面の基準面（10）が回転台（８）の
柱状部材（９）の基準面（9a）に当接されて磁気ディス
ク（７）は正位置に保持され、この状態で回転される。

〔考案が解決しようとする課題〕

このような磁気ディスク装置では、必然的にジャケット
（１）の円形開口部（２）の下側開口（2a）を通じて、
ジャケット（１）とヨーク（４）との間から埃等の異物
が侵入し易くなり、且つ磁気ディスク装置の不使用時に
おいてジャケット（１）内が見え、不体裁となって商品
価値が低下する等の欠点があった。

これを回避するにはジャケット（１）の円形開口部
（２）の下側開口（2a）に、ジャケット（１）内方向に
折曲する環状のスカートを形成することが考えられる
が、この構成では磁気ディスクが、所定平面で回転する
ための余裕がなくなる欠点がある。

本考案は上述した欠点を解決するもので、ジャケットの
開口部と磁気ディスクのセンタコア部との隙間をほぼ塞
ぎ、埃等の侵入を防止すると共に、磁気ディスクをセン
タコア部に確実に密着して貼着できて安定して保持でき
るようにすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案は両面の中央部に開
口部が形成されたジャケットに、センタコア部に保持さ
れたディスクが収容されて成る磁気ディスク装置であっ
て、センタコア部は、中央部に窓孔を有しディスクが貼
着される金属製の偏平状ヨークと、この偏平状ヨークの
窓孔に合成樹脂材をもって成形されてジャケットの一方
の開口部に臨むセンタコアと、偏平状ヨークに窓孔を中
心とする周方向に所要間隔で設けられ内部にブリッジを
有する透孔に合成樹脂材を充填し、ディスク非貼着面側
にはリング状に突出され、ディスク貼着面側はほぼ同一
平面になるように成形されてジャケットの他方の開口部
に臨むスカートから形成されて、スカートにより、ジャ
ケットの開口部とヨークとの間隔部を塞ぐように構成し
たものである。

〔作用〕

このように、本考案の磁気ディスク装置は、ジャケット
の一方の開口部にはヨークに成形されたセンタコアが臨
み、また、他方の開口部にはヨークに成形されたスカー
トが臨んで開口部とヨークとの間隔部を塞ぐので、ジャ
ケットの開口部とセンタコア部との隙間が塞がれてジャ
ット内への埃等の侵入が防止される。また、ヨークのデ
ィスク貼着面側はスカートの成形合成樹脂材がはみ出さ
れることなく同一平面であるから、磁気ディスクは皺が
生じることなく偏平状に密接して貼着され安定して保持
される。

〔実施例〕

以下本考案の実施例を第２図及び第４図によって説明す
る。但し第１図との対応部分には同一符号を付してその
説明を省略する。

本例におけるジャケット（１）の円形開口部（２）は、
ジャケット（１）の回転台（モータスピンドル）（８）
側に対向する下側開口（2a）の方が上側開口（2b）より
大きな径となるように穿設するを可とする。

そして、ヨーク（４）の下面に対して、ジャケット
（１）の下側開口（2a）に接近してスカート（11）を取
付ける。

このスカート（11）は、断面矩形のリング状部材であっ
てヨーク（４）の適宜な複数箇所に設けられた透孔（1
3）とその内部のブリッジ（14）を利用し、センタコア
（５）と共に、アウトサート成形により形成される。

この透孔（13）は第４図の部分拡大斜視図に示すように
形成してある。すなわち、透孔（13）としてヨーク
（４）に２つの円形孔（13a），（13b）を矩形溝で連通
するように穿設し、この矩形溝の中央下部にヨーク
（４）と一体に長方形のブリッジ（14）を矩形溝に橋渡
するように設ける。

そして、ヨーク（４）にスカート（11）をアウトサート
成形する際、この透孔（13）にも合成樹脂を一体的に充
填し、スカート（11）がこの透孔（13）及びブリッジ
（14）で支持されるようにする。このアウトサート成形
によりブリッジ（14）が透孔（13）内において、合成樹
脂材内に埋没されて芯材の状態になって、スカート（1
1）はヨーク（４）に堅固に固定支持される。

さらに、この場合、透孔（13）に充填した合成樹脂材
は、ヨーク（４）の上面（4a）と同一平面となるように
形成するもので、このように形成することにより、この
ヨーク（４）の上面（4a）に磁気ディスク（７）を貼着
したときの密着性を保つことができ磁気ディスク（７）
に皺が生ずることもない。

なお、センタコア（５）の中心部に設けた孔（12）には
回転台（８）の軸頭が挿通され、回転台（８）の柱状部
材（９）の基準面（9a）をヨーク（４）に設けた基準面
（10）に当接し、磁気ディスク（７）の回転平面を位置
決めし、磁力等により、磁気ディスク（７）を回転する
ように構成する。上述のように構成するのは、ヨーク
（４）の上面（4a）に貼着した磁気ディスク（７）の位
置決めをするための基準面（10）を一枚の金属製ヨーク
（４）に加工するのが容易であり、加工精度も高くする
ことができるからである。

本考案による装置では、ジャケット（１）の一方の回転
台（８）側の下側開口（2a）と、ヨーク（４）との間の
隙間Ａをスカート（11）が塞いでおり、又図示するよう
にジャケット（１）の他方の上側開口（2b）との隙間を
センタコア（５）で塞ぎ、ジャケット（１）内の磁気デ
ィスク（７）を埃等から保護している。

ここで、上述のスカート（11）を高硬度な材料を用いて
形成すれば、このスカート（11）の下端面（15）を基準
面とすることもできる。

また、このスカート（11）の下端面に回転台（８）との
間の滑り止め構造を設けることもできる。

さらに、スカート（11）が下側開口（2a）に密接するよ
うに軸着し、ガタが生じないようにすれば、磁気ディス
ク（７）を固定する為の構成をセンタコア（５）に設け
る等、センタコア（５）に対する設計上の自由度を増す
ことができる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように本考案装置によれば、ジャケットの
一方の開口部には、ヨークの中央窓孔に合成樹脂材によ
り成形されるセンタコアが臨み、また、他方の開口部に
は、ヨークに周方向に所要間隔で設けられた透孔に合成
樹脂材を充填して成形されるスカートが臨んで開口部と
ヨークとの間隔部を塞ぐので、ジャケットの開口とセン
タコア部との隙間が塞がれてジャケット内への埃等の侵
入を阻止し、磁気ディスク面への埃等の付着が防止され
る。

また、このスカートの成形において、合成樹脂材には透
孔内のブリッジが埋没されて芯材となることにより、剥
離防止のためにディスク貼着面側にはみ出して成形する
ことなく、スカートはヨークに対して確実に堅固に固着
されると共に、ヨークのディスク貼着面側は偏平状で、
磁気ディスクを皺が生じることなく密着性を保って貼着
できて、磁気ディスクは偏平状に保持され、常に確実に
記録再生が行われ信頼性が向上される等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気ディスクを収納するジャケットのセ
ンタコア部付近の縦断面図、第２図は本考案装置の第１
図と同等箇所を示す縦断面図、第３図はセンタコア部の
平面図、第４図はヨークにスカートをアウトサート成形
法で一体的に設けるための透孔部分を示す部分拡大斜視
図である。 （１）はジャケット、（２）は円形開口部、（2a）は下
側開口、（2b）は上側開口、（３）はセンタコア部、
（４）はヨーク、（５）はセンタコア、（11）はスカー
ト、（13）は透孔、（14）はブリッジである。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 秋山 勉 東京都品川区北品川６丁目７番35号 ソニ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−74719（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−107128（ＪＰ，Ｕ) 機械設計20［10］（1976−10）Ｐ．115 −123 発明協会公開技報 公技番号82−973

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両面の中央部に開口部が形成されたジャケ
   ットに、センタコア部に保持されたディスクが収容され
   て成る磁気ディスク装置であって、 上記センタコア部は、中央部に窓孔を有しディスクが貼
   着される金属製の偏平状ヨークと、この偏平状ヨークの
   窓孔に合成樹脂材をもって成形されて上記ジャケットの
   一方の開口部に臨むセンタコアと、上記偏平状ヨークに
   上記窓孔を中心とする周方向に所要間隔で設けられた内
   部にブリッジを有する透孔に合成樹脂材を充填し、ディ
   スク非貼着面側にはリング状に突出され、ディスク貼着
   面側はほぼ同一平面になるように成形されて上記ジャケ
   ットの他方の開口部に臨むスカートから形成されてな
   り、 上記スカートにより、上記ジャケットの開口部と上記ヨ
   ークとの間隔部を塞ぐようにしたことを特徴とする磁気
   ディスク装置。