JPH0648474U - 紙製耐熱カップ容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】簡単な構造により紙製でありながら良好な耐熱
性を有するカップ容器を提供することにある。 【構成】底とテーパー状の胴とを有する耐水紙カップ状
容器において、下部にカール部を有する紙製のリング体
を前記テーパー状の胴に外嵌し、リング体の上部のみを
テーパー状の胴の上縁部に固着した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は紙製耐熱カップ容器に関する。

【０００２】

【従来の技術及びその技術的課題】

即席めん類や即席味噌汁など即席食品は乾燥された状態で使い捨て容器に収容 され、熱湯を注入して食される。このような食品の容器として発泡スチロール系 の断熱容器が汎用されているが、焼却時に有毒ガスを発生したり、煙が発生した り、耐火物を損傷するなど、公害を引き起こす難点があることから、紙製のカッ プ容器が使用されている。 しかし紙製のカップ容器は断熱性に乏しいため胴部が非常に高温となり、容器 を手に持って飲食することが困難である。この対策として、従来ではカップ状の 本体の外周に引き起こし可能な取手部材を取付けたりしていたが、スタックの障 害となりやすい点，片持ち式のため強度が弱く、容量の大きな即席めん類の容器 には適用しがたい点に問題があった。即席めんの容器においては、カップ状本体 の外周にコルゲート加工を施した筒体を固着したりする構造が採用されていたが 、製作に工程がかかり、コスト高になるという問題があった。

【０００３】 本考案は前記のような問題点を解消するために考案されたもので、その目的と するところは、簡単な構造により紙製でありながら良好な耐熱性を有するカップ 容器を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため本考案は、底とテーパー状の胴とを有する耐水紙カッ プ状容器において、下部にカール部を有する紙製のリング体を前記テーパー状の 胴に外嵌し、リング体の上部のみをテーパー状の胴の上縁部に固着したものであ る。 本考案による紙製耐熱カップ容器は、即席めん、即席味噌汁、即席スープ、即 席しるこなどの容器、さらに自動販売機などによって販売されるコーヒー、ココ アなどの熱湯性飲料物の容器に好適である。

【０００５】

【実施例】

図１ないし図３は本考案による紙製耐熱カップ容器の第１実施例を示している 。 １はテーパー状の胴、２は底であり、それぞれ耐水性、耐油性などの良好な 単層または複層の紙材からなっている。テーパー状の胴１は、下端部に内側に屈 曲した折り返し部１０が形成され、その折り返し部１０と胴下端内面間に底２の フランジ部２０が挟着されている。また、テーパー状の胴１の上縁外周には、端 部３０の外面３００を胴部周面に接触させるように屈曲した外向きのカール部３ が形成されている。

【０００６】 ４は直筒状をなした紙製のリング体であり、帯紙を縁部がラップするようにス パイラル状に巻回した紙管を所要長さに切断した単層または複層の紙材からなっ ている。前記リング体４には下端部に内向きのカール部４０が形成されている。

【０００７】 このリング体４は、内径Ｄ₁がテーパー状の胴１の上縁部の外径Ｄと同一かそ れよりも少し小さくなっており、図１のように、テーパー状の胴１にカール部４ ０が下方にあるように外嵌され、上部がテーパー状の胴１の上縁部に固着されて いる。 詳しくは、図２のようにリング体４の上縁部４１はテーパー状の胴１の上縁部 外周と外向きカール部３間に前記した径の関係により強嵌され、外向きカール部 ３の端部外面３００によってテーパー状の胴１の上縁部外周に強圧されており、 さらに好ましくはテーパー状の胴１の上縁部外周あるいはさらにカール部３と接 合されている。この接合はテーパー状の胴１の上縁部外周に接着剤Ｓを塗布して 強嵌することで実現してもよいし、耐水性を得るためテーパー状の胴１又は／及 びリング体４にポリエチレンなどによる被膜が施されている場合には、高周波、 熱あるいは超音波を作用させて被膜を融着させ、接合をはかってもよい。 しかし、リング体４のカール部４０は、図１に示すようにテーパー状の胴１と 接触しておらず、リング体４とテーパー状の胴１との間には断熱用の空隙５が形 成されている。

【０００８】 図３は本考案の第２実施例を示しており、この実施例ではテーパー状の胴１に ストレート部１００が設けられおり、ストレート部１００の上縁部に外向きのカ ール部３が形成され、リング体４はこのストレート部１００に面接触し、上部が 外向きのカール部３に強嵌されると共に前記した方法により接合されている。 前記リング体４の長さＬは少なくとも手で把持するに十分な寸法を有している ことが必要であるが、必ずしも図１のような胴部長の１／３程度に限定されず、 図４のようにテーパー状の胴１の約１／２の長さ、図５のようにテーパー状の胴 １の約４／５の長さとするなど任意である。 また、リング体４は平滑面となっていてもよいし、場合によっては周部に紐出 しによってリング内方に突出する横筋部あるいは縦筋部を形成してもよい。これ らはリング体４の強度を高めると共に放熱リブとして機能する。また、筋部でな く間隔をおいて形成した内向き突起でもよい。 リング部４のカール部４０は内向きが好ましいが、リング部４の剛性が高いと きには外向きに形成されてもよい。 その他、図面において、６はテーパー状の胴１の上縁に貼られた蓋、７は即席 めんなどの食品である。 なお、本考案はリング体４を逆テーパー状に構成してもよい。ただ、この構成 では紙管を切断して作ることができないため、上記実施例よりもコストが高くな ることは避けられない。

【０００９】

【実施例の作用】

本考案による耐熱カップ容器は、別途作成したリング体４をテーパー状の胴１ に外嵌し、テーパー状の胴１の上縁部に向かって強嵌すればよく、リング体４の 上縁部４１の径が、テーパー状の胴１の径と同一がそれよりも少し小さいため、 リング体４の上縁部４１とテーパー状の胴１とが密に接触し、さらにリング体４ の上部４１の嵌挿によってカール部の端部３０が弾性変形し、反力によりリング 体４の上部４１をテーパー状の胴１に強圧する。さらに、リング体４の上部４１ はカール部の側面３００と接着剤などによって接合されるため、テーパー状の胴 １に強固に固着される。接合手段が接着剤の場合も、テーパー状の胴１の上縁部 外面に接着剤を塗布しておき、リング体４を強嵌するだけでよいため簡単である 。 食品たとえば即席めん７を食する場合には、テーパー状の胴１内に熱湯を注ぎ 、リング体４を手で把持するものであり、テーパー状の胴１は断熱性がないため 非常に高温となるが、テーパー状の胴１の外周にリング体４が外嵌しているため 指が直接テーパー状の胴１に触れず、しかも、リング体４はテーパー状の胴１と 上縁部で固着されているだけであり、リング体４とテーパー状の胴１とのあいだ には空隙５があり、リング体４のカール部４０が間隔保持起用を発揮してリング 体４とテーパー状の胴１との広い面積の接触を防止する。従って、空隙５がなく ならず、良好な断熱空間として機能するため、紙製でありながら良好な断熱性を 得ることができ、安定して飲食を行うことができる。また、リング部体は空隙５ によってスプリング性を有しているため、外方からテーパー状の胴１に加わる衝 撃を緩和することができ、食品７を安全に収容しておくことができる。

【００１０】 リング体４は紙材をスパイラル状に巻回した紙管で得られるためテーパー状の 胴１の上縁から下向きに一体に形成するよりも金型コストなどが安くなり、しか も、紙管の切断長さを選択することで断熱用把持部長さを自由に設定することが でき、使用温度などに応じた断熱効果を自在に得ることができる。また、リング 体４がテーパー状の胴１を外囲するため、テーパー状の胴１には印刷などの装飾 を施さなくてもよくなり、リング体４は直筒のため広告や商品説明などの印刷も 容易であり、紙管の製作と同時に行うことができる。

【００１１】

【考案の効果】

以上説明した本考案によるときには、底とテーパー状の胴とを有する耐水紙カ ップ状容器において、下部にカール部を有する紙製のリング体を前記テーパー状 の胴に外嵌し、リング体の上部のみをテーパー状の胴の上縁部に固着したので、 紙製でありながら良好な断熱性を具備させることができ、しかも、構造が簡単で 安価に製造することができるなどのすぐれた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案による紙製耐熱カップ容器の第１実施例
を示す部分切欠側面図である。

【図２】図１の部分拡大図である。

【図３】本考案の第２実施例を示す部分切欠側面図であ
る。

【図４】本考案においてリング体の長さを変えた実施例
を示す部分切欠側面図である。

【図５】本考案においてリング体の長さを変えた実施例
を示す部分切欠側面図である。

【符号の説明】

１ テーパー状の胴 ２ 底 ３ カール部 ４ リング体 ４０ カール部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】底とテーパー状の胴とを有する耐水紙カッ
   プ状容器において、下部にカール部を有する紙製のリン
   グ体を前記テーパー状の胴に外嵌し、リング体の上部の
   みをテーパー状の胴の上縁部に固着したことを特徴とす
   る紙製耐熱カップ容器。
2. 【請求項２】テーパー状の胴が上縁部に外向きのカール
   部を有し、リング体の上部がカール部内に強嵌されてい
   る請求項１に記載の紙製耐熱カップ容器。