JP2013545678A - 改良された紙コップ - Google Patents

Abstract

本願発明は、上縁部（２）、下縁部（３）、一対の対向する側縁部（４，５）、表面、及び裏面を有している側壁部材（１）であって、前記側縁部（４，５）のそれぞれ及び前記上縁部（２）が上角部を規定しており、前記側縁部が重複され、重複側部シーム（６）に沿って密封される、側壁部材（１）と、前記側壁部材の前記下縁部に密封した周囲リップ（８）を有する底部部材（７）と、を備える紙コップであって、前記紙コップは、前記側壁部材（１）の前記上縁部（２）に取り付けられた少なくとも１つの剛性又は略剛性のリム構造（９）をさらに備えており、前記底部部材（７）の紙の重量は、前記側壁部材（１）の紙の重量より大きいとされる、紙コップに関する。

Description

本願発明は一般的に、熱可塑性物質で覆われた紙コップに関し、特に、飲料用自動販売機又は類似の装置に意図された紙コップに関係する。

ポリエチレン製カップが安価であり、且つ自動販売機のために必須な柔らかさを呈するので、ポリエチレン製カップが、暖かい又は冷たい飲料用自動販売機で一般的に使用されることは周知である。

ポリエチレン製カップの外壁の断熱特性及びその上部リムにおける剛性は、その内容物の高い温度にかかわらず、カップを快適に保持することを可能にする。

ポリエチレン製カップの欠点は、ポリエチレン製カップが生物分解可能ではない点、容易に再利用することができない点、又は電子オーブン加熱可能ではない点である。

反対に、紙コップは、再利用可能であり、且つ生物分解可能である。しかしながら、それらの外壁のための紙の単一のシートを使用しているそのような紙コップは、自動販売機における使用のためにあまりにも高い剛性を有する側縁部を提供し、且つあまりにも高価である。

暖かい飲料用の紙コップが製造される板紙（ｐａｐｅｒｂｏａｒｄ）の断熱特性を高めるための複数の方法が開発されてきた。

そのような板紙の１つは、特許文献１に開示されている。特許文献１によれば、断熱板紙が、厚さを増すために、それ故に、板紙の断熱特性を高めるために、その中で架橋された繊維を有する少なくとも１つの層を備えている。

他の戦略は、紙コップを通じた熱伝達問題に対処しようと試みた。

この問題に対処する１つの方法は、コップを二重にすることである。しかしながら、二重のカッピングは費用を増加させるだけではなく、製造された無駄な材料の量及び紙コップの剛性も増加させる。

特に冷たい飲料のために、再利用可能である断熱ホルダーを設計しようとの試みが存在する。

それにもかかわらず、それらの紙コップのいずれも、自動販売機内で使用されるのに十分な柔らかさを提供していない。さらに、それらの紙コップは高価であり、その内容物の高い温度にもかかわらず、快適に保持されることができない。

米国特許第７，０５６，５６３号明細書

それ故に、自動販売機内で使用されるのに十分な柔らかさを提供する改良された費用のかからない紙コップの必要性が存在する。

本願発明の実施形態は、上縁部、下縁部、一対の対向する側縁部、表面、及び裏面を有している側壁部材であって、前記側縁部のそれぞれ及び前記上縁部が上角部を規定しており、前記側縁部が重複され、重複側部シームに沿って密封される、側壁部材と、前記側壁部材の前記下縁部に密封した周囲リップを有する底部部材と、を備える紙コップであって、前記紙コップは、前記側壁部材の前記上縁部に取り付けられた少なくとも１つの剛性又は略剛性のリム構造をさらに備えており、前記底部部材の紙の重量は、前記側壁部材の紙の重量より大きいとされる、紙コップを提供する。

前記底部部材の前記紙の重量は、２４０ｇｓｍと４００ｇｓｍとの間とされており、前記側壁部材の前記紙の重量は、１５０ｇｓｍと２４０ｇｓｍとの間とされる。

第１の実施形態において、前記リム構造は、巻かれた上縁部内に包括されたリングからなる。

第２の実施形態において、前記リム構造は、その上縁部に隣接して前記側壁部材の前記裏面に接着されたリングからなる。

前記リム構造は、プラスチック及び／又は金属のリングとされる。

好ましくは、前記側壁部材は、円錐台の紙コップを形成するのに適切な略台形形状を有しており、前記リム構造が環状リングである。

付属的に、前記側壁部材及び／又は前記底部部材の前記裏面及び／又は前記表面は、生物分解性のフィルムによって被覆される。

前記生物分解性のフィルムは、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、バイオポリマー、又は堆肥を作るのに最適な生物分解性プラスチックによって製造される。

さらに、側壁部材の表面は、レリーフを形成するために少なくとも部分的にエンボス加工されてもよい。

本願発明における他の特徴及び利点は、添付した図面を参照して、限定されていない例示の方法によって付与されて、以下の説明中に当業者に明白になるであろう。

本願発明による紙コップの分解斜視図である。 本願発明による紙コップの断面図である。 本願発明による紙コップの第２の実施形態における断面図である。

様々な図面において、同一の参照符号は、同一の要素又は類似の要素を指し示すように使用される。

図１及び図２を参照すると、紙コップは、上縁部２、下縁部３、一対の対向する側縁部４及び５、表面、及び裏面を有する側壁部材１を備える。側縁部４及び５のそれぞれと上縁部２は、上角部を画定する。側縁部４及び５は互いに重複され、重複側部シーム６に沿って互いに密封される。さらに、紙コップは、側壁縁部１の下縁部に密封された周囲リップ８を有する底部部材７を備える。

本願発明による紙コップは、側縁部材の上縁部に取り付けられた剛性又は略剛性のリム構造９をさらに備える。

この特定の実施形態において、側壁部材１は、紙コップの上部でカール部１０を含んでいる円錐台状の紙コップを形成するのに適した略台形状を有しており、前記紙コップは、従来のコップ装置（ｃｕｐ ｍａｃｈｉｎｅ）で製造される。

紙コップを製造するための従来のコップ装置は、例えば、容器が形成される複数のマンドレルを有するタレット（ｔｕｒｒｅｔ）を含む。該タレットは、複数のコップ形成手順が生じる様々なワークステーションとともに協働してマンドレルを順次回転させる。

例示的な手順において、円形状の底部部材は、一のワークステーションで切断され、マンドレルを通じて適用された真空によってマンドレルの端部に取り付けられる。この手順中に、底部部材の外側縁部又はリップは、下向きに折り曲げられる。その次のワークステーションにおいて、側壁部材は、マンドレルの周りに巻き付けられる。側壁部材は加熱され、紙コップの側部に沿って略長手方向に延在する重複側部シームに沿って密封される。通常、板紙は、ポリエチレンなどの熱可塑性物質で被覆され、又は、プラスチックシートが使用されることができる。それによって、底部部材及び側壁部材は加熱されることができ、互いに密封される。いくつかの用途において、側壁部材は、底部部材のリップ８を超えて延在するフラップ１１を含んでおり、このフラップ１１は、リップ８を覆うように折り曲げられる。底部仕上げステーションにおいて、フラップ１１は、紙コップの底部の内側凹部領域からリップ８に対して押圧される。ポリエチレンを加熱し、しっかりと側壁、側壁フラップ、及び底部フラップ蓋を互いに押圧することによって、底部シールが形成され、紙コップには、窪んだ領域を有する頑丈な底部領域が設けられる。それらは、様々な他のさらなるカップ形成手順が実施される他のワークステーションとされる場合がある。例えば、一のステーションは、より機能的な飲料容器及びより良い外見を提供するように、紙コップの上部又はリムでカール部１０を提供するために使用されることができる。

この手順中に、剛性又は略剛性のリング９で構成するリム構造は、前記リング９がカール部１０を形成する巻かれた上縁部において最終的に包括される方法で、紙コップの上部に位置付けられる。前記リム構造は、プラスチック及び金属のリングとされてもよい。それにもかかわらず、前記リム構造は、本願発明の技術範囲から逸脱することなく、任意の適切な剛性材料又は略剛性材料で得られることができる。

リム構造９が紙コップの上部を剛性化させ、それによって、使用者が、紙コップを押しつぶすことなく親指と人差し指との間で上から紙コップを保持することを可能にすることは理解されるべきである。

さらに、底部部材の紙の重量は、側壁部材の紙の重量より大きい。例えば、冷たい又は暖かい飲料用紙コップのために、底部部材の紙の重量は、２００ｇｓｍ（グラム毎平方メートル）と４００ｇｓｍとの間であり、側壁部材の紙の重量は、１５０ｇｓｍと２４０ｇｓｍとの間である。この方法において、本願発明による紙コップは、自動販売機における使用を可能にする十分な柔らかさを提供し、その内容物の高い温度にも関わらず快適に保持されることができる。さらに、側壁部材１のための低い紙の重量を使用することによって、紙コップの単位製造費用は従来の紙コップより低くなり、プラスチック製飲料コップの単位製造費用に近づく。

有利には、側壁部材及び／又は底部部材の裏面及び／又は表面は、紙コップの不透過性と底部部材及び側壁部材の密封とを確実にするために、生物分解性のフィルムで被覆される。前記生物分解性のフィルムは、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、バイオポリマー、又は堆肥を作るのに最適な生物分解性プラスチックによって製造されることができる。

付属的に、側壁部材１の表面は、図面に示されていないが、レリーフを形成するために少なくとも部分的にエンボス加工される。前記レリーフは、紙コップがその内容物の高い温度にも関わらず快適に保持されることができる方法で、使用者の手とコップとの間の接触領域を減少させる。

本願発明による紙コップの第２の実施形態によれば、図３を参照すると、紙コップは、前述した方法と同一の方法で、上縁部２と、下縁部３と、一対の対向する側縁部４及び５と、表面と、裏面とを有する側壁部材１であって、前記側縁部４及び５のそれぞれと上縁部２とは、上角部を規定している。側縁部４及び５は互いに重複され、重複側部シーム６に沿って互いに密封される。さらに、紙コップは、側壁部材１の下縁部に密封された周囲縁部８を有する底部部材７を備える。

側壁部材１は、紙コップの上部にカール部１０を含んでいる円錐台の紙コップを形成するのに適した略台形形状を有する。前記紙コップは、従来のコップ装置で製造される。前記側壁部材は底部部材のリップ８を超えて延在するフラップ１１を含み、このフラップ１１は、リップ８を覆うように折り曲げられる。

本願発明による紙コップは、側壁部材の上縁部に取り付けられた剛性又は略剛性のリム構造９をさらに備える。

リム構造は、その上縁部に隣接して、すなわち上部カール部１０に隣接して、側壁部材１の裏面上に、任意の適切な手段によって接着されたリングからなる。前記リングは、剛体又は略剛体のプラスチックからなり、環状の形状を呈する。

本願発明による紙コップが、異なる形状、例えば円錐台形状、卵型形状、平行六面体形状、又は台形形状などを呈することができ、剛性又は略剛性のリム構造９が、本願発明の技術範囲から逸脱することなく、対応する形状、例えば円形、卵型形状、矩形形状、又は正方形形状等を有することができることは明らかである。

さらに、本願発明による紙コップは、食料工業及び飲料工業において幅広い用途を見出すことができ、例えば、ヨーグルトのための容器、又は電子オーブン加熱可能な食糧（ペースト、ライス、等）のための容器として使用されることができる。

特許請求の範囲における参照符号は、請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。「備える」との動詞の使用及びその活用が、いずれかの請求項において規定されたそれらと比較して、任意の他の要素の存在を排除するものではないことは、明らかである。要素に先行する「１つの」との用語は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。

１ 側壁部材
２ 上縁部
３ 下縁部
４ 側縁部
５ 側縁部
６ 重複側部シーム
７ 底部部材
８ 周囲リップ
９ リム構造
１０ カール部
１１ フラップ

Claims (10)

1. 上縁部（２）、下縁部（３）、一対の対向する側縁部（４，５）、表面、及び裏面を有している側壁部材（１）であって、前記側縁部（４，５）のそれぞれ及び前記上縁部（２）が上角部を規定しており、前記側縁部が重複され、重複側部シーム（６）に沿って密封される、側壁部材（１）と、
   前記側壁部材の前記下縁部に密封した周囲リップ（８）を有する底部部材（７）と、
   を備える紙コップであって、
   前記紙コップは、前記側壁部材（１）の前記上縁部（２）に取り付けられた少なくとも１つの剛性又は略剛性のリム構造（９）をさらに備えており、
   前記底部部材（７）の紙の重量は、前記側壁部材（１）の紙の重量より大きいとされることを特徴とする、紙コップ。
2. 前記底部部材（７）の前記紙の重量は、２４０ｇｓｍと４００ｇｓｍとの間とされることを特徴とする、請求項１に記載の紙コップ。
3. 前記側壁部材（１）の前記紙の重量は、１５０ｇｓｍと２４０ｇｓｍとの間とされることを特徴とする、請求項１又は２に記載の紙コップ。
4. 前記リム構造（９）は、カール部を形成している巻かれた上縁部内に包括されたリングからなることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の紙コップ。
5. 前記リム構造（９）は、その上縁部に隣接して前記側壁部材の前記裏面に接着されたリングからなることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載の紙コップ。
6. 前記リム構造（９）は、プラスチック及び／又は金属のリングとされることを特徴とする、請求項１〜５のいずれか一項に記載の紙コップ。
7. 前記側壁部材（１）は、円錐台の紙コップを形成するのに適切な略台形形状を有しており、前記リム構造（９）が環状リングであることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載の紙コップ。
8. 前記側壁部材（１）及び／又は前記底部部材（７）の前記裏面及び／又は前記表面は、生物分解性のフィルムによって被覆されることを特徴とする、請求項１〜７のいずれか一項に記載の紙コップ。
9. 前記生物分解性のフィルムは、ポリ乳酸（ＰＬＡ）、バイオポリマー、又は堆肥を作るのに最適な生物分解性プラスチックによって製造されることを特徴とする、請求項８に記載の紙コップ。
10. 前記側壁部材（１）の前記表面は、レリーフを形成するために少なくとも部分的にエンボス加工されることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか一項に記載の紙コップ。

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