本発明は、飲料が充填された飲料容器、特に、容器本体及び容器本体に密封接合されたフタ材を備えた密封容器と、密封容器上に配置されたキャップとを有する飲料容器に関する。
現在市場に見られるジユース、コーラ、スープなど液体飲料用の飲料容器は、容器本体をシート状のフタ材で密封して形成された飲料容器が多く見られる。
これらの飲料容器は、フタ材にストローを突き刺して飲んだり、もしくは、フタ材をむしる、もしくははがして飲む形態になっている。ウォーマーなどによるホット販売や、レンジで加熱して飲むことを考えると、ストローでは熱くて飲むことが出来ない。フタ材を剥いて飲む場合には、こぼれたり、やけどをしたりする危険性がある。
また、コップ容器のフタをはがして飲む場合、そのシーリング具合(特に、ヒートシールの場合など。)によっては、フタ材が貼られているフランジ面の端面が鋭利になってしまうことがあり、飲む際に口を切ってしまうことがある。
容器本体をシート状のフタ材で密封して形成された飲料容器において、消費者が上記のとおりの問題なしで、飲料を飲むことができる構成を提供することが望まれる。
他方、密封用のシート状のフタ材を用いない飲料容器は、下記の点において、望ましくない。
例えば、無菌充填システムによって、飲料が充填された飲料容器を製造することが広く行われている。この無菌充填システムによって飲料容器を製造すると、飲料が充填された後に、飲料容器が加熱処理されないため、飲料の味、風味等を良好に維持するこができる。無菌充填システムにおいて飲料を容器に充填するとき、容器が殺菌処理される。容器の材料がプラスチックの場合、高温加熱による殺菌処理をすることができない。このため、無菌充填システムにいおいて飲料を容器に充填する前に、容器は薬液及び洗浄液によって殺菌洗浄処理される。容器を構成する部材の形状が複雑であると、殺菌洗浄処理を適切に行うことができないので、容器を構成する部材は、単純な形状、例えば、コップ形状の容器本体及び容器本体を密封するシート状部材のフタ材によって構成されるのが好ましく、シート状部材であるフタ材用いないで、容器本体と複雑な形状を有するキャップを直接熔融もしくは接着するような容器形態は、殺菌の保証の問題から好ましくない。
本発明に従うと、上記のとおりの課題を解決するために、
容器本体及び容器本体に密封接合されたフタ材を備えた密封容器と、密封容器上に配置されたキャップとを具備し、
該キャップが、フタ材を破り、飲料を飲むための開口を形成するための機構を備えていることを特徴とする飲料が充填されている飲料容器
が提供される。
本願発明に従う飲料容器においては、容器本体及び容器本体に密封接合されたフタ材を備えた密封容器に飲料が例えば無菌充填システムによって充填される。
容器本体は、PP、PET、PE、PSなどのプラスチック、ガラス、金属、紙などによって形成することができる。
フタ材は、アルミ箔、蒸着複合シート、ラミネートフイルム等のシート状部材によって、形成される。
キャップは、PP、L.LDPE(リニアローデンポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)などのプラスチックなどによって形成することができる。
上記のとおり、本発明に従う飲料が充填されている飲料容器は、容器本体及び容器本体に密封接合されたフタ材を備えた密封容器を具備するため、飲料を比較的簡易な方法で充填することができる。そして、キャップが、フタ材を破り、飲料を飲むための開口を形成するための機構を備えているから、消費者は、飲料をこぼしたりすることなく、容易に飲料を飲むための開口を形成することができる。
次に、添付図面を参照して、本発明の好適実施例を説明する。
図1〜3を参照して、第1の実施例に従う飲料容器10を説明する。
この飲料容器10は、コップ本体12とフタ材14とからなる密封容器16、及びキャップ18とを具備する。
密封容器16には、例えば、無菌充填システムによって、滅菌された飲料が充填されている。コップ本体12には、フタ材14が、熱圧着等により接合されており、密封容器16の内部は、外部から密封されている。
コップ本体12は、その上部に、フランジ19及びフランジ19の外周縁から下方に延びている外側壁20を有する。外側壁20は、キャップ18を支持する、径方向即ち半径方向外側に突出した複数の支持部22を備えている。支持部は、円周上に3箇所以上設けるのが好ましい。偶数個設ける場合には、直径方向の両端に対になるように、設けるのが好ましい。この実施例では、4つの支持部を有し、図1には、その2つの支持部のみが示されている。支持部22は、図1〜3に示したとおり、下方に凹んでおり平坦な底面を有する凹部24と、凹部24の左右両側の凸状部26とを有する。凸状部26は、凹部24の底面から略垂直に上昇する側面と半円状の上端部と下方に傾斜する傾斜部とを有する。
キャップ18は、上部に位置する天井部28とコップ本体12の外側壁20を覆う側壁30とを有する。天井部28には、下方に延びている円筒状の飲み口部32が設けられている。飲み口部32は、円筒状に限らず、種々の断面形状の筒状の部材から構成することができる。側壁30には、半径方向内側に略矩形状に凹んでおり内側から見ると突出しているリブ34が設けられている。リブ34は、外側から見れば凹んだ形状であり、内側から見れば、突出した形状である。リブ34は、コップ本体12の支持部22と同じ数設けられ、リブ34の下方部分は、支持部22の凹部24を合致した形状を有する。図2に示したとおり、側壁30の内側面には、円周方向に延びている細長い凸部である嶺部36が設けられている。図2に示された状態では、嶺部36は、支持部22の下端に接している。
飲料容器10は、消費者に提供される時点においては、図2に示した状態にある。即ち、コップ本体12とフタ材14とからなる密封容器16内には、飲料が収容されており、キャップ18は、リブ34の可動部分が、支持部22の凹部24に乗っている状態の位置にある。キャップ18の飲み口部32の下端38はフタ材14の上方に位置し、フタ材14には接していない。キャップ18のリブ34は、コップ本体12の支持部22の凹部24内に配置されているため、弱い力を加えた場合では、キャップ18は、下方に下げることはできず、その中心軸線の周りを回すこともできない。また、キャップ18の側壁30の内側に設けられた嶺部36は、支持部22の下端に接しているため、弱い力を加えた場合では、キャップ18を上方に上げることはできない。
コップ本体12及びキャップ18は、例えばプラスチックで形成されており、キャップ18の中心軸の周りに、人の手で加えることができる範囲の比較的強い回転力を加えると、リブ34が凸部26を乗り越えるので、キャップ18は、その中心軸の周りに回転することができる。キャップ18を回転して、キャップ18のリブ34を、コップ本体の2つの支持部22の中間に位置に移動させた後に、キャップ18を押し下げると、キャップ18に設けられた飲み口部32の下端がフタ材14を破り、図3に示した状態になる。この状態にて、消費者は飲み口部32から飲料を飲むことができる。
フタ材14を破った後に、飲料がコップ本体12とキャップ18との間からこぼれないように、キャップ18を押し下げた後に、コップ本体12とキャップ18とのが密着するように構成されている。
図4〜7を参照して、第2の実施例に従う飲料容器110を説明する。
この飲料容器110は、コップ本体112とフタ材114とからなる密封容器116、及びキャップ118とを具備する。
密封容器116には、滅菌された飲料が充填されており、コップ本体112には、フタ材114が、熱圧着等により接合されている。
コップ本体112は、その上部に、フランジ119を有する。フランジ119には、等しい角度間隔で、4つの半円形の凹部140を有する。
キャップ118は、上部に位置する天井部128とコップ本体112のフランジ119を覆う側壁130とを有する。天井部128には、下方に延びている筒状の飲み口部132が設けられている。飲み口部132の下端138は、フタ材114を破り易いように、ギザギザになっている。側壁130には、半径方向内側に突出した半円形断面のリブ134が設けられている。リブ134は、コップ本体112の凹部140と同じ数設けられ、キャップ118をコップ本体112に対して回転して、リブ134と凹部140が一致した位置になると、4つのリブ134がそれぞれの凹部140を通って下方に移動できるように、リブ134と凹部140が、配置され、寸法付けられている。図6に示したとおり、側壁130の下方端の内側に円周方向に延びる下方嶺部142が設けられており、図7に示したとおり、側壁130の下方端付近の内側にリブ134の間において円周方向に延びる上方嶺部144が設けられている。
飲料容器110は、消費者に提供される時点においては、図6に示した状態にある。即ち、密封容器116内には、飲料が収容されており、キャップ118は、コップ本体112のフランジ119を覆う位置にある。キャップ118の飲み口部132の下端138は、フタ材114の上方に位置し、フタ材114には接していない。キャップ118のリブ134と、コップ本体112の凹部140とは一致した位置にない。図6に示したとおり、コップ本体112のフランジ119の上面は、キャップ118のリブ134の下端に接しており、キャップ118は、密封容器116に対して下方に移動できない。また、コップ本体112のフランジ119の下面は、側壁130の下方嶺部142に接しており、弱い力を加えた場合では、キャップ118は、密封容器116に対して上方に移動できない。強い力を加えると、キャップ118は、変形して、密封容器116に対して上方に移動でき、キャップ118を密封容器から外すことができる。上記のとおり、コップ本体112のフランジ119は、キャップ118のリブ134の下端と側壁130の下方嶺部142とに挟まれており、これらに圧接しているため、弱い力を加えた場合では、キャップ118は、密封容器116に対して中心軸の周りに回転することはできない。
キャップ118に、中心軸の周りに、人の手で加えることができる範囲の比較的強い回転力を加え、キャップ118を回転して、キャップ118のリブ134を、コップ本体112の凹部140と一致した位置に移動させる。そして、キャップ118を押し下げると、キャップ118に設けられた飲み口部132の下端138がフタ材114を破り、図7に示した状態になり、フランジ119は、キャップ118の側壁130の上方嶺部144の上方に移動し、この位置に保持される。この状態にて、消費者は飲み口部132から飲料を飲むことができる。
図8〜11を参照して、第3の実施例に従う飲料容器210を説明する。第3の実施例に従う飲料容器210は、第1及び2の実施例に従う飲料容器と類似した構造を有するので、主に、これらと相違する点を説明する。
コップ本体212の外側壁220には、等しい角度間隔で、L字状棚からなる6つの支持部222が設けられている。支持部222は、水平部246と鉛直部248とを有し、これらが略Lを形成している。
キャップ218の天井部228には、下方に延びている円筒状の飲み口部232が設けられている。キャップ218の側壁230には、半径方向内側に突出した半円形断面のリブ234が設けられている。リブ234は、1つの支持部222の水平部246の上に2つ配置され、従って12個設けられている。
支持部222及びリブ234の配置位置及び数は、この態様に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
1つ水平部246の上に配置される2つのリブ234の間の間隔は、水平部246の長さより若干短く、鉛直部248が設けられていない側の水平部246の端部から隣接するL字状棚の220鉛直部248までの長さL1よりも若干短い。従って、キャップ218を少し回転させると、まず、水平部246の上に配置された2つのリブ234の一方は、水平部246から外れる。しかし、2つのリブ234の他方は、水平部246に残るので、キャップは押し下げることはできない。更にキャップ218を回転させると、他方のリブ234も、水平部246から外れ、2つのリブ234が、鉛直部248が設けられていない側の水平部246の端部と隣接する支持部222の鉛直部248との間に位置することになり、キャップ218を押し下げることができる。
また、この実施例に従う飲料容器210のキャップ218の下端には、袖部250が設けられている。図10に示したとおり、袖部250には、密封容器216上にキャップ218を配置したとき、支持部222の水平部246の下に位置する円周方向に延びている下方嶺部252が、設けられている。密封容器216に対してキャップ218に上方に弱い力を加えても、この下方嶺部252が設けられているので、キャップ218を密封容器216から外すことができない。
図10に示したとおり、密封容器216上にキャップ218を配置したとき、支持部222の水平部246の上に位置する円周方向に延びている溝によって形成された肉薄の部分である切断線254よって、袖部250がキャップ218の本体と連結されている。図10に示した袖部250の一方の端に設けられたつまみ部256つまみ、半径方向外側に引っ張ることより、切断線254によって、袖部250がキャップ218の本体から徐々に分離され、ついには、袖部250がキャップ218の本体から完全に分離される。この状態で、密封容器216に対してキャップ218に上方に力を加えれば、キャップ218を密封容器216から外すことができる。
飲料容器210は、消費者に提供される時点においては、図10に示した状態にある。キャップ218に、中心軸の周りに右方向(上から見て時計回転方向)に回転力を加えて、回転させると、支持部222の水平部246の上に位置していた2つのリブ234が、隣接する2つの支持部222の間に移動し、この位置において、キャップ218を押し下げると、キャップ218に設けられた飲み口部232の下端238がフタ材214を破り、図11に示した状態になり、外側壁220は、キャップ218の側壁230の上方嶺部259の上方に移動し、この位置に保持される。この状態にて、消費者は飲み口部232から飲料を飲むことができる。
図12〜14を参照して、第4の実施例に従う飲料容器310を説明する。第4の実施例に従う飲料容器310は、第1〜3の実施例に従う飲料容器と類似した構造を有するので、主に、これらと相違する点を説明する。
コップ本体312の外側壁320には、3つの台形の支持部322が設けられている。支持部322の数は、これに限定されない。支持部322は、水平の頂部平面358と左斜面360及び右斜面362と水平の底部平面364とを有する。更に、コップ本体312の外側壁320には、支持部322の頂部平面358の上部左右において、半径方向外側に突出している半円形断面の左凸部366及び右凸部368が設けられている。
キャップ318の側壁330には、支持部322に対応する位置に3つのリブ334が設けられている。リブ334は、半径方向内側に突出した略直方体形状を有する。図13に示したとおり、リブ334の幅は、左凸部366と右凸部368との間隔に略等しい。
更に、図12に示したとおり、キャップ318の側壁330には、リブ334の間において中間高さ位置において内側に突出している中間凸部370と、リブ334の左右に隣接して下方位置において内側に突出している下方凸部372とを有する。
飲料容器310は、消費者に提供される時点においては、図13に示した状態にある。即ち、キャップ318のリブ334が、コップ本体312の左凸部366と右凸部368の間に位置しており、リブ334の底部は支持部322の頂部平面358に接している。このため、弱い力では、キャップ318は、コップ本体312に対して中心軸の周りに回転せず、下方に力を加えても、コップ本体312に対して下方に移動しない。更に、キャップ318の下方凸部372が、支持部322の底部平面364に接しているので、キャップ318は、弱い力では、コップ本体312に対して上方に移動しない。
キャップ318に、中心軸の周りに強い回転力を加えて、例えば右に回転させると、キャップ318及びコップ本体312が若干変形し、キャップ318のリブ334が、コップ本体312の左凸部366を乗り越える。そして、キャップ318のリブ334の下端が、支持部322の一方の左斜面360に接触しながら移動する。
これらの移動によって、キャップ318は、図13に示した位置から、コップ本体312に対して、高さ位置を維持したまま少し右に回転し、そして、右に回転しながら徐々に降下し、図14に示した位置に移動する。このとき、キャップ318の中間凸部370が、左に位置していた支持部322の下に入り込み、支持部222の底部平面364に接する位置になる。この状態においては、キャップ318は、弱い力では、コップ本体312に対して上方に移動しない。
図14に示した状態にて、消費者は飲み口部332から飲料を飲むことができる。
キャップ318は、上記のとおりの移動をするので、密封容器316のフタ材314は、太い円弧状の開口が形成されることになる。
図15〜17を参照して、第5の実施例に従う飲料容器311を説明する。第4の実施例に従う飲料容器311は、第1〜4の実施例に従う飲料容器と類似した構造を有するので、主に、これらと相違する点を説明する。
コップ本体313の外側壁321には、3つの台形の支持部323が設けられている。支持部323は、水平の頂部平面359と左斜面361と水平の底部平面365とを有する。第4の実施例と異なり、右斜面はない。更に、コップ本体313の外側壁321には、支持部323の頂部平面359の上部左において、半径方向外側に突出している半円形断面の左凸部367が設けられており、支持部323の頂部平面359の上部右において、左凸部367に比べ大きく半径方向外側に突出している矩形断面の右凸部369が設けられている。
キャップ319の側壁331には、支持部323に対応する位置に3つのリブ335が設けられている。リブ335は、半径方向内側に突出した略直方体形状を有する。更に、リブ335の下方端内側には内側に突出し円周方向に延びている嶺部375を有する。図16に示したとおり、リブ335の幅は、左凸部367と右凸部369との間隔に略等しい。
更に、図15に示したとおり、キャップ319の側壁331には、リブ335の間において側壁331の高さの全長にわたり延びている中間凸部371を有し、この中間凸部371の下方端内側には内側に突出し周方向に延びている嶺部377を有する。
飲料容器311は、消費者に提供される時点においては、図16に示した状態にある。即ち、キャップ319のリブ335が、コップ本体313の左凸部367と右凸部369の間に位置している。このため、左方向(上から見て反時計回転方向)に強い回転力を加えても、リブ335の嶺部375が矩形断面の右凸部369に当たり回転しない。右方向には弱い回転力を加えた場合には、リブ335の嶺部375が半円形断面の左凸部367に当たり回転しない。リブ335の嶺部375の底部が支持部323の頂部平面359に接しているため、下方に力を加えても、コップ本体313に対して下方に移動しない。更に、キャップ319の中間凸部371の嶺部377が、キャップ319の外壁部331の下端に接しているため、キャップ318は、弱い力では、コップ本体313に対して上方に移動しない。
キャップ319に、中心軸の周りに強い回転力を加えて、右に回転させると、キャップ319及びコップ本体313が若干変形し、キャップ319のリブ335の嶺部375が、コップ本体313の左凸部367を乗り越える。そして、キャップ319のリブ335の下端が、支持部323の左斜面361に接触しながら移動する。
これらの移動によって、キャップ319は、図16に示した位置から、コップ本体313に対して、高さ位置を維持したまま少し右に回転し、そして、右に回転しながら徐々に降下し、図17に示した位置に移動し、飲み口部333がフタ材315を破る。このとき、キャップ319の中間凸部371の左側部が、隣接するリブ335の右側部に当たるため、これ以上右に回転できない。そして、今度は、キャップ319を左に回転すると、リブ335の嶺部375が、支持部323の下に入り込み、リブ335の嶺部375が、支持部323の底部平面365に接する位置になる。この位置においては、キャップ319は、弱い力では、コップ本体313に対して上方に移動しない。
この位置において、消費者は飲み口部333から飲料を飲むことができる。
図18〜20を参照して、第6の実施例に従う飲料容器410を説明する。第6の実施例に従う飲料容器410は、第1〜5の実施例に従う飲料容器と類似した構造を有するので、主に、これらと相違する点を説明する。
コップ本体412の外側壁420には、等しい角度間隔で、4つの棚状の支持部422が設けられている。支持部422は、右端の上部鉛直壁464と、上部鉛直壁464の下端に連結された上部水平壁466と、上部水平壁466の左端に連結された傾斜壁468と、傾斜壁468の下端に連結された下部水平壁470と、下部水平壁470の左端に連結された下部鉛直壁472によって構成されている。
キャップ418の側壁430には、等しい角度間隔で、4つのリブ434が設けられている。リブ434は、半径方向内側に突出しており、半円形断面を有する。
飲料容器410は、消費者に提供される時点においては、図19に示した状態にある。即ち、キャップ418のリブ434が、支持部422の上部鉛直壁464に接触して、上部水平壁366上に位置している。
キャップ418に、中心軸の周りに回転力を加えて、矢印で示したとおりに右に回転させると、キャップ418のリブ434が、上部鉛直壁464に接触した上部水平壁466上の位置から、上部水平壁466上を左に移動し、傾斜壁468に沿って徐々に降下し、飲み口部432がフタ材414を破る。そして、キャップ418のリブ434は、下部水平壁470に沿って左に進み、図20に示したとおりの下部鉛直壁472に接触した下部水平壁470上の位置に至る。図20に示した状態にて、消費者は飲み口部432から飲料を飲むことができる。
図21には、第6の実施例を若干修正した第7の実施例が示されている。この第7の実施例に従う飲用容器409は、コップ本体412の外側壁420に上下方向の延びる半円断面形状の凸部474を備えている。この凸部474は、支持部419の上部水平壁466の左端の上部に位置する。飲料容器409は、消費者に提供される時点においては、キャップ418に設けられたリブ434が、上部鉛直壁464と凸部474との間に位置に保持されている。キャップ418を比較的強い力で矢印に示したとおりの右方向に回転すると、コップ本体412及びキャップ418がそれぞれ半径方向内側及び外側に若干変形することによって、キャップ418に設けられたリブ434が、凸部474を越え進む。以後の作動は、第6の実施例に従う飲用容器410と同様である。
図22も、第6の実施例を若干修正した第8の実施例が示されている。この第8の実施例に従う飲用容器411は、上部水平壁466の左端に半径方向の延びる半円断面形状の凸部476を備えている。飲料容器411は、消費者に提供される時点においては、キャップ418に設けられたリブ434が、上部鉛直壁464と凸部476との間に位置している。キャップ418を比較的強い力で矢印に示したとおりの右方向に回転すると、キャップ418及び上部水平壁466がそれぞれ上下方向に若干変形することによって、キャップ418に設けられたリブ434が、凸部476を越え進む。以後の作動は、第6の実施例に従う飲用容器410と同様である。
図23〜25を参照して、第9の実施例に従う飲料容器510を説明する。第9の実施例に従う飲料容器510は、第1〜8の実施例に従う飲料容器と類似した構造を有するので、主に、これらと相違する点を説明する。
飲料容器510のコップ本体512の上端の外周には、ねじ山578とねじ山578の下に位置する棚部580とを備えている。棚部580は、その端部のつまみ部582を半径方向外側に引っ張ることによって、切断線586に沿ってコップ本体512から切り離すことができる。
キャップ518の側壁530の内面には、コップ本体512のねじ山578と螺合するねじ山584が設けられている。
飲料容器510は、消費者に提供される時点においては、図24に示した状態にある。即ち、キャップ518の側壁530の下端が、コップ本体512の棚部580の上面に接している。このため、キャップ518は、下に移動するように回転することができない。
飲料を飲むときは、棚部580の端部のつまみ部582を半径方向外側に引っ張り、棚部580を、コップ本体512からむしり取る。そして、キャップ518を右方向に回転する。これによって、キャップ518は徐々に降下し、飲み口部532がフタ材514を破り、消費者は、飲み口部532からコップ本体512内の飲料を飲むことができる。
図26〜28を参照して、第10の実施例に従う飲料容器610を説明する。第10の実施例に従う飲料容器610は、第1〜9の実施例に従う飲料容器と類似した構造を有するので、主に、これらと相違する点を説明する。
飲料容器610のコップ本体612の上端の外周には、キャップ618の内側設けられたねじ山と螺合するねじ山678とねじ山678の下に位置する複数個の棚部680とを備えている。棚部680は、図26に示したとおり、隣接する棚部680との間に間隙を有する。棚部680の各々は、コップ本体612の外側壁620の下端に肉薄部682において連結されている。
コップ本体612の複数個の棚部680は、キャップ618の下端で、比較的弱い力によって下方に押された場合には、変形しないが、比較的強い力によって下方に押された場合には、棚部680はそれぞれの肉薄部682を中心に90°回転して、棚部680は、図27に示したとおりの水平方向から、図28に示したとおりの鉛直方向に向きが変わる。
飲料容器610は、消費者に提供される時点においては、図27に示した状態にある。即ち、キャップ618の側壁630の下端が、コップ本体612の複数の棚部680の上面に接している。このため、キャップ618は、弱い力では、下に移動するように回転することができない。
飲料を飲むときは、キャップ618を強い力で回転する。キャップ618の下端が、複数個の棚部680を押し下げ、棚部680はそれぞれの肉薄部682を中心に90°回転する。これによって、キャップ618は徐々に降下し、飲み口部632がフタ材を614を破り、消費者は、飲み口部632からコップ本体612内の飲料を飲むことができる。
図29には、第10の実施例を若干修正した第11の実施例に従う飲料容器611が示されている。この第11の実施例に従う飲料容器611においては、棚部680の外側端が、それに隣接する棚部の外側端につなぎ部684によって連結されている。
このつなぎ部684を設けることによって、棚部680が薄肉部682において折り畳まれるときに、複数の棚部680が同時にもしくは次々と折り畳まれるため、安定した締め込み、畳み込みを行うことができる。
図30〜39には、飲み口部の変形態様が示されており、これらの飲み口部は、第1乃至第11の実施例に従う飲料容器の飲み口部として使用でき、特に、キャップが密封容器の中心軸の周りを回転し、同時に押し下げられる実施例、即ち第4乃至第11の実施例に従う飲料容器に好適に用いることができる。
図30及び31に示した飲料容器は、キャップ18の天井部28から下方に延びている飲み口部686を有する。この飲み口部686は、全体として、円筒形をしており、斜めに切断された下方端を有する。キャップ18が押し下げられるとき、飲み口部686の下方端によって、密封容器16のフタ材14を容易に破ることができる。
図32及び33に示した飲料容器は、キャップ18の天井部28から下方に延びている飲み口部688を有する。この飲み口部688は、円筒形部分の下方内側に、下方に切断縁を有する略三角形部材689が固定されている。キャップ18が押し下げられるとき、略三角形部材689の下方の切断縁によって、密封容器16のフタ材14を容易に破ることができる。
図34及び35に示した飲料容器は、キャップ18の天井部28から下方に延びている飲み口部690を有する。この飲み口部690の上方部分は、円筒形部分692であり、下方部分は、四角断面形状を有する筒状部分694になっている。キャップ18が押し下げられるとき、四角断面形状を有する筒状部分694の下方の角部によって、密封容器16のフタ材14を容易に破ることができる。
図36及び37に示した飲料容器は、キャップ18の天井部28から下方に延びている飲み口部696を有する。この飲み口部696は、下方に向けて、1つの直径方向の幅が徐々に狭くなり、この直径方向と垂直な方向の幅は変わらない形状(図37参照)を有する。上記幅が徐々に狭くなる飲み口部696の直径方向は、キャップ18の半径方向と一致する方向であるのが好ましい。キャップ18が押し下げられるとき、図示した態様では、キャップ18は、その中心軸を中心に回転し、飲み口部696の下方端の狭くなった縁697が、密封容器16のフタ材14を破る。
図38及び39に示した飲料容器は、キャップ18の天井部28から下方に延びている飲み口部698を有する。この飲み口部698は、下方部分は、全体として斜めに傾斜した形状を有する。キャップ18が押し下げられるとき、図示した態様では、キャップ18は、その中心軸を中心に回転し、飲み口部698の下方端の鋭角になった縁699が、密封容器16のフタ材14を破る。
図40〜44を参照して、第12の実施例に従う飲料容器710を説明する。第12の実施例に従う飲料容器710は、第1〜11の実施例に従う飲料容器と類似した構造を有するので、主に、これらと相違する点を説明する。
キャップ718の周縁が、コップ本体712の上端に、融着、接着剤等によって固定されている。
キャップ718には、1つの押込み部752を有する。この押込み部752の底面は図41に示したとおり5角形をしており、下方の辺は、キャップ718の中心軸をとおる直径方向に延びている下記のとおりのヒンジ754を形成している。この押込み部752の底面の他の4つの辺には、肉薄部756が形成されている。押込み部752の、ヒンジ754側に3つの嶺758が設けられていて、押込み部752が押されたとき、変形しないようになっている。また、図43に示したとおり、押込み部752のヒンジ754近くの下面には、ボス760が設けられている。
図42に示したとおり、キャップ718の押込み部752近く下面には、ボス760を収容する溝762を有する固定壁764が設けられている。溝762は、末広の肩部766と狭い首部768と円形の頭部770とを有する。溝762の末広の肩部766の断面形状は、ボス760の断面形状よりも大きく、狭い首部768の断面形状はボス760の断面形状よりも若干小さく、円形の頭部770の断面形状はボス7960の断面形状とほぼ等しい。このため、ボス760が、末広の肩部766から溝762に導入されると、狭い首部768を弾性的に押し広げ、円形の頭部770内に保持されることになる。
キャップ718の半径方向の、押込み部752の端部の下方端は、図43に示したとり、鋭角の先端部772が設けられている。下記のとおりキャップ718が押し下げられたとき、この先端部772がフタ材714を破る。鋭角の部分は、このように押込み部752の先端のみに設けることも、あるいは、押込み部752の下方端部に肉薄部756に沿って設けることもできる。
飲料容器710は、消費者に提供される時点においては、図43に示した状態にある。飲料を飲むときは、キャップ718の押込み部752を強い力で下方に押す。これによって、押込み部752の回りの肉薄部756が切断され、押込み部752は、ヒンジ754を中心に旋回し、押込み部752の先端部772がフタ材714を破り、消費者は、押込み部752によって開けられた開口からコップ本体712内の飲料を飲むことができる。先端部772は、押込み部の開口形状に沿ったものでも良いし、一部分でもかまわない。又、ノコギリ状形状などでも良く、フタ材を開けることを目的とする。押込み部752を図44に示した位置まで旋回させることによって、押込み部752の下面に設けられたボス760が、固定壁764の頭部770内に収容され、その位置を保持され、押込み部752が押し下げられた位置に保持される。
本発明の第1の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第1の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第1の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第2の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第2の実施例に従う飲料容器の平面図。
本発明の第2の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第2の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第3の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第3の実施例に従う飲料容器の平面図。
本発明の第3の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第3の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第4の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第4の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第4の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第5の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第5の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第5の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第6の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第6の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第6の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第7の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第8の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第9の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第9の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第9の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第10の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第10の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す図。
本発明の第10の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す図。
本発明の第11の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様を示す斜視図。
図30に示した本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様の部分断面図。
本発明に飲料容器の飲み口部の他の変形態様を示す斜視図。
図32に示した本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様の部分断面図。
本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様を示す斜視図。
図34に示した本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様の部分断面図。
本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様を示す斜視図。
図36に示した本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様の部分断面図。
本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様を示す斜視図。
図38に示した本発明に飲料容器の飲み口部の変形態様の部分断面図。
本発明の第12の実施例に従う飲料容器の斜視図。
本発明の第12の実施例に従う飲料容器の平面図。
本発明の第12の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す断面図。
本発明の第12の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成する前の構成を示す他の面における断面図。
本発明の第12の実施例に従う飲料容器の、飲料を飲むための開口を形成した後の構成を示す断面図。
符号の説明
10、110、210、310、410、510、610、710:飲料容器
12、112、212、312、412、512、612、712:コップ本体14、114、214、314、414、514、614、714:フタ材
16、116:密封容器
18、118、218、318、418、518、618、718:キャップ
19、119:フランジ
20、220、320、420、620:外側壁
22、222、322、422:支持部
24:凹部
26:凸部
28、128、228:天井部
30、130、230、330、430、530、630:側壁
32、132、232、332、432、532、632:飲み口部
34、134、234、334、434:リブ
38、138、238:下端
140:凹部
142:嶺部
144:嶺部
246:水平部
248:鉛直部
250:袖部
252:下方嶺部
254:切断線
256:つまみ部
257:上方嶺部
358:頂部平面
360:左斜面
362:右斜面
364:底部平面
366:左凸部
368:右凸部
370:中間凸部
372:下方凸部
359:頂部平面
361:左斜面
365:底部平面
367:左凸部
369:右凸部
371:中間凸部
375:嶺部
377:嶺部
464:上部鉛直壁
466:上部水平壁
468:傾斜壁
470:下部水平壁
472:下部鉛直壁
474:凸部
476:凸部
578:ネジ山
580:棚部
582:つまみ部
584:ネジ山
586:切断線
678:ねじ山
680:棚部
682:肉薄部
611:飲料容器
680:棚部
682:肉薄部
684:つなぎ部
752:押込み部
754:ヒンジ
756:肉薄部
758:嶺
760:ボス
762:溝
764:固定壁
766:末広部の肩部
768:首部
770:頭部
772:先端部