JP7367423B2 - 断熱二重容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器本体と、容器本体の外周に取付けられた外装スリーブとからなる断熱二重容器に関する。
熱湯等を入れるのに適した断熱二重容器として、容器本体と、容器本体の外周に取付けられた紙製の外装スリーブとからなる断熱二重容器が知られている。この容器の容器本体としては、紙カップなどの紙容器や、合成樹脂の容器などであり、その容器本体に接着される外装スリーブとを備え、外装スリーブの下端に内向きの下がわカール部を設けられることにより、容器本体と外装スリーブとの間に空間を設け、容器に断熱性を付与している。
しかしながら、このような容器では、外装スリーブを手で把持して容器を持ち上げるため、外装スリーブにある程度の強度を持たせることが必要であり、外装スリーブの材料としてかなり厚みのある紙等を使用しなければならない。そのため、前記外装スリーブを紙製のブランク板から筒状に形成するための胴貼り部であって、前記胴貼り部の下端となる内向きの下がわカール部の形成を容易にするために、前記ブランク板の角部の切断加工を施している。(特許文献1)。
そのために、前記胴貼り部の下端となる内向きカール部が上方に向って十分なカールを得ることができずに、前記内向きカール部の先端と前記容器本体の胴部または糸尻部との距離が大きくなることがあった。そのため例えば、容器本体の紙カップの糸尻部がわから、前記外装スリーブの上方の開口部へ挿入してセットする際に、前記糸尻部が前記内向きカール部の先端を引っ掛けることにより、前記内向きカール部の形状が損傷することがあった。
また、電子レンジ調理対応容器として、本体容器がフラットボトム形状をしている断熱二重容器がある。(特許文献2)。
このような容器では、電子レンジ調理時に高温となる本体容器に触れないようにするために、外装スリーブの下がわカール部を前記本体容器の底部より下方に位置させて、前記下がわカール部を手指で支えることで、前記断熱二重容器を把持する。このようにすることで、手指が本体容器の底部に触れにくくさせることができる。
但し、前記下がわカール部を前記断熱二重容器の下方に突出させると、前記下がわカールが全般に視認されるようになる。そのような状況では、外装スリーブの胴貼り部の角切断部が大きすぎると、カールの不完全さが目立ってしまう。
また、従来の断熱二重容器では、容器本体の底部(紙カップの糸尻部の下端を含む。)より外装スリーブの下がわカールが上方に位置する場合は、前記下がわカール部と前記容器本体の胴部が接触するので、前記下がわカールが固定され、その形状を維持しやすい。
しかし、前記下がわカールが前記容器本体の底部より下方に位置すると、下がわカール部と内がわ容器が接触しづらくなり、下がわカール部を押さえにくくなる。そのために、下がわカールがその形状を保持しにくくなり、所望のカール部の形状から、カールが平板状に戻ろうとして開いてしまうことがある。この現象をカール戻りと呼ぶ。
特開2002-255147号公報 特開2014-169093号公報
本発明はこのような状況を鑑みてなされたものであって、外装スリーブの下がわカール部を容易に形成でき、良好なカール形状を得ることができるとともに、カール戻りを軽減できる断熱二重容器を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態の断熱二重容器は、
胴部22および前記胴部22の下端に配置された底部23を有する容器本体11と、筒状の外装スリーブ30からなる断熱二重容器において、
前記外装スリーブ30の下端には、前記外装スリーブ30を容器の中心がわに向けてカールさせてなる下がわカール部31と、
前記外装スリーブ30の上縁部の近傍には、前記容器本体11の胴部22に対して接合される接合部12と、
前記外装スリーブ30は、前記下がわカール部31と前記接合部12との間の少なくとも一部では、前記胴部22の外がわに空間を確保しつつ配置され、かつ前記外装スリーブ30となる帯状のブランク板60の両端部を、所望の幅で互いに重ね合される胴貼り部32を有し、かつ前記容器本体11の周囲に備えられ、
前記胴貼り部32の内がわとなる内がわ胴貼り代61は、前記下がわカール部31に対応する下がわカール代63の領域からそれ以外の領域にわたって切断され、
前記胴貼り部32の外がわとなる外がわ胴貼り代62は、前記下がわカール部31に対応する下がわカール代63の領域内で切断され、
前記下がわカール部31に対応する下がわカール代63の領域であって、前記内がわ胴貼り代61と前記外がわ胴貼り代62とが重なり合う領域Aの面積は、前記胴貼り部32の幅と下がわカール代63の領域が重なり合う領域の面積の50%未満であり、
前記内がわ胴貼り代61と前記外がわ胴貼り代62とが重なり合う領域Aの最も下端の位置Bと、前記外装スリーブ30のブランク板60の下端の延長線との距離が、前記下がわカール代63の領域の上下方向の幅の1/3以下である、ことを特徴としている。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において、前記容器本体11が紙を主体とした容器としてもよい。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において、前記容器本体11が紙カップであってもよい。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において、前記容器本体11がフラットボトム形状であってもよい。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において前記外装スリーブ30の下がわカール部31の下端の位置が、前記容器本体11の底部14よりも下方であってもよい。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において、前記外装スリーブ30の下がわカール部31が、前記容器本体11の底部14よりも下方に位置し、かつ離間していてもよい。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において、前記容器本体11が合成樹脂製であってもよい。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において、前記容器本体11が合成樹脂製であり、前記外装スリーブ30の下がわカール部31の下端の位置が、前記容器本体11の底部14よりも下方であってもよい。
また、本発明の一実施形態の断熱二重容器において、前記容器本体11が合成樹脂製であり、前記外装スリーブ30の下がわカール部31が、前記容器本体11の底部14よりも下方に位置し、かつ離間していてもよい。
前記外装スリーブ30の胴貼り部32の内がわとなる内がわ胴貼り代61は、前記下がわカール部31に対応する下がわカール代63の領域からそれ以外の領域にわたって切断され、かつ前記下がわカール部31に対応する下がわカール代63の領域であって、前記内がわ胴貼り代61と前記外がわ胴貼り代62とが重なり合う領域Aの面積は、前記胴貼り部32の幅と下がわカール代63の領域が重なり合う領域の面積の50%未満であることから、前記内向きカール部31の形成が容易に行われ、形状も安定する。
前記胴貼り部32の幅と下がわカール代63の領域が重なり合う領域の面積とは、縦(上下)方向の辺の長さが、前記下がわカールカール代63の上下方向の幅であり、横(左右)方向の辺の長さが、前記胴貼り部32の幅となる矩形の面積である。
さらに、前記胴貼り部32の外がわとなる外がわ胴貼り代62と前記内がわ胴貼り代61とが重ねられた領域Aの最も下端の位置Bと、前記外装スリーブ30の下端部74の延長線との距離Yが、前記下がわカール代63の領域の上下方向の幅Xの1/3以下であることから、カール戻りが生じにくく、経時に渡って前記内向きのカール部31の形状が安定する。
本発明によれば、外装スリーブの内向きカール部を容易に形成でき、さらに、形成された内向きカール部の形状を経時に渡って保持することができる。
したがって、前記外装スリーブを容器本体の外周に備えた断熱容器の品質を向上させ、良品率の向上が図れる。
本発明の外装スリーブのブランク板の平面図である。 従来技術の外装スリーブのブランク板の平面図である。 (a)本発明の下がわカール加工前の外装スリーブの胴貼り部の下部の拡大図であり、(b)従来技術の下がわカール加工前の外装スリーブの胴貼り部の下部の拡大図である。 本発明の第一の実施形態の断熱二重容器の断面図である。 本発明の第四の実施形態の断熱二重容器の断面図である。 本発明の第五の実施形態の断熱二重容器の断面図である。 本発明の第六の実施形態の断熱二重容器の断面図である。 本発明の第六の実施形態の外装スリーブの下がわカール部の胴貼り部の拡大図である。
以下、本発明について図面を用いながら説明する。但し、本発明はこれら具体的に例示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
<本発明の第一の実施形態>
第一の実施形態による断熱二重容器10について、以下に図面等を用いて説明する。
図1は、本発明の断熱二重容器10の外装スリーブ30のブランク板60を示しており、図2は従来技術の外装スリーブ30のブランク板60を示している。
図1のブランク板60を加工してなる外装スリーブ30の形状と、図2のブランク板60を加工してなる外装スリーブ30の形状は略同じである。
図1のブランク板60の形状と、図2のブランク板60の形状の違いは、両図のブランク板60の左がわの側端部67の下部の角切断部65の違いである。
図1と図2のブランク板60の表面がわが容器の外面がわとなり、上がわが断熱二重容器の上がわとなる。以後の説明、図面にも上記の位置関係を適用する。
図1のブランク板60の左がわの縁は、前記ブランク板60を筒状に胴貼りした際に外がわとなる外がわ側端部67である。前記外がわ側端部67に隣接して外がわ胴貼り代62があり、前記外がわ胴貼り代62の下端には角切断線72がある。前記角切断線72により切断削除された領域は角切断部65である。
図1のブランク板60の右がわの縁は、前記ブランク板60を筒状に胴貼りした際に内がわとなる内がわ側端部66である。前記内がわ側端部66に隣接して内がわ胴貼り代61があり、前記内がわ胴貼り代61の下端には角切断線71がある。前記角切断線71により切断削除された領域は角切断部64である。
本実施形態のブランク板60を筒状に曲げて、前記内がわ胴貼り代61の外がわと、前記外がわ胴貼り代62の内がわを重ね合わせて接合する。前記ブランク板60は扇型のため、前記ブランク板60の左右両端を貼り合わせて筒状にすると、逆円錐台状となる。
筒状にされた前記ブランク板60の胴貼り部32の下部の拡大図を図3(a)に示す。
また、図3(b)は、図2に示された従来技術のブランク板60を筒状に胴貼りして、前記ブランク板60の胴貼り部32の下部の拡大図である。
図3は、容器の外がわから見ている図である。
図3(a)についてさらに詳しく説明する。
前記外がわ胴貼り代62が容器の外がわに、前記内がわ胴貼り代61が容器の内がわとなるように重ねられ、外装スリーブ30の胴貼り部32は形成されている。前記胴貼り部32の幅は、前記内がわ側端部66と前記外がわ側端部67の距離である。
図3(a)に、下がわカール部31の領域の境界線68が示され、前記外装スリーブ30の下がわカール部31を形成する際は、前記下がわカール部31の領域の境界線68と本実施形態のブランク板60の下端部74に挟まれた下がわカール代63が使用されて、前記外装スリーブ30の内がわに向って下がわカール部31が形成される。
前記下がわカール代63の領域において、前記内がわ胴貼り代61と前記外がわ胴貼り代62とが重なり合う領域の面積は、前記下がわカール代63と前記胴貼り部32が重なり合う領域B(図3(a)にハッチングで表示)の面積の50%未満である。このことから、前記下がわカール部31を加工する際には、加工に要する力が少なくて済む。また、前記下がわカール部31の胴貼り部32の部分の加工性が良くなるため、カール加工の形状不良が少なくなる。
また、外がわ胴貼り代62の角切断部65が従来技術のブランク板60(図3(b)参照)の角切断部65より小さいことから、カール加工前の胴貼りされたブランク板60の胴貼り部32を外がわから目視すると、前記ブランク板60の切り取られた部分が少なくなり、前記ブランク板60の面が大きい。
胴貼りされた本実施形態のブランク板60の下端部74に内向きカール加工を行うと、前記胴貼り部32の下がわカール部31は、前記胴貼り部32以外の場所の下がわカール部31と同様に、容器の径方向の断面(容器の中心軸を含む鉛直面)を見ると、より完全なカール形状に近くなる。
前記外がわ胴貼り代62の角切断部65が大きくなると、前記下がわカール部31の先端が中途となり、前記下がわカール部31が不完全となる。そのため、前記下がわカール部31の保形性が劣り、経時によりカール戻りが発生することがある。
ブランク板60の形状について説明する。
ブランク板60の形状は、逆円錐台状の断熱二重容器10の外がわの外装スリーブ30の形状であり、特許文献1などに記載されている扇型の形状をしている。本実施形態のブランク板60も同様の扇形の形状をしている。
本実施形態の外がわ胴貼り代62の下部の角切断部65は、以下のような形状であることが望ましい。
本実施形態の外装スリーブ30の胴貼り部32の外がわ胴貼り代62と、前記内がわ胴貼り代61とが重ねられた領域のうち、最も下端となる位置Bと、外がわ側端部67の方向へ延びる前記ブランク板60の下端部の延長線との距離Yが、下がわカール代63の領域の上下方向の幅Xの1/3以下であることが望ましい。(図3(a)参照)。
なお、ブランク板60の加工精度(抜き精度)や、外装スリーブ30の組み立て精度が良くなく、ブランク板60を筒状に加工する際に、内がわ胴貼り代61と外がわ胴貼り代62が適切な位置で重なり合わずに、上下方向にズレて貼り合わされてしまう場合がある。
その場合でも、図3(a)のブランク板60の左がわにある外がわ側端部67の下がわの角部Cが、前記ブランク板60の下端部74より下がわに突出することは望ましくない。理由はその突出した前記角部Cが、次工程のカール加工工程で、カール不良を誘発する虞れがあるからである。
上記状況を避けるために、前記距離Yは、前記距離Xの1/10以上であることが望ましい。
前記ブランク板60は扇型であることから、前記ブランク板60の下端部74は円弧である。従って、前記外がわ側端部67の方向へ延びる前記ブランク板60の下端部の延長線は円弧であるが、ここでは、前記延長線の長さが前記ブランク板60の下端部74の長さより極めて短いため、直線で近似してもよい。その場合は、前記外がわ胴貼り代62の角切断線72と前記ブランク板60の下端部74との交点を起点として、前記ブランク板60の下端部74(円弧)の接線を描くようにすればよい。
前記位置Bと前記延長線との距離Yが、前記下がわカール代63の幅の1/3以下であれば、容器の径方向(容器の中心軸を含む鉛直面)の断面において、下がわカール部31のカールの先端が上方向を向くまで巻かれる。
外装スリーブ30を作製するには、まず、ブランク板60の内がわ胴貼り代61と外がわ胴貼り代62を重ね合わせて接合し、筒状となった前記ブランク板60の下端部74に内向きのカール加工を施した下がわカール部31を備えた、外装スリーブ30を作製する。前記カール加工は、前記下がわカール部31の形状に合わせた溝形状を有する金型を押し当てて加工してもよい。
つぎに、前記外装スリーブ30を容器本体11の外がわに被せて、断熱二重容器10を製作する。容器本体11としては特に限定されないが、本実施形態では例示として、市場で多く用いられる紙カップ20を用い、前記紙カップ20と前記外装スリーブ30を組み合わせた断熱二重容器10を図4に示す。
前記紙カップ20は、その胴部22の上縁部に、その胴部22の部材を外向きにカールさせたトップカール部21を備えている。また、その胴部22の下部には、その胴部22の部材を内がわに且つその先端を上向きに折り返した間隙に、周縁部を下向きに折り曲げた部分を差し込むように接合した底部23を備えており、前記胴部22と前記底部23の接合箇所である糸尻部24とを備えている。
前記紙カップ20と前記外装スリーブ30は、前記紙カップ20のトップカール部21の下がわ直下、若しくは近傍の位置である前記胴部22の外がわと、前記外装スリーブ30の上がわの内がわとが、接合されている。
上記の接合方法については、接着剤(エマルジョン系、ホットメルト系など)が良く、エマルジョン系の接着剤は、紙カップ20と外装スリーブ30との空隙が無い場合に好んで用いられる。ホットメルト系の接着剤は、紙カップ20と外装スリーブ30との空隙がある場合に好んで用いられる。
その他の接合方法でもよく、例えば前記紙カップ20の胴部22の外がわ及び/又は前記外装スリーブ30の内がわに熱接着性層を備えて、ヒートシールさせてもよい。
紙カップ20の胴部22と外装スリーブ30との接合部12と、前記下がわカール部31との間の少なくとも一部では、前記紙カップ20の胴部22の外がわと空間を確保しつつ、前記外装スリーブ30が配置されるので、その空間が断熱層の役割を持つ。高温の内容物を前記紙カップ20に入れた際には、その紙カップ20の胴部22は高温になるが、前記外装スリーブ30の胴部33の外面は高温にはならない。
図4の断熱二重容器10において、外装スリーブ30の下がわカール部31は、紙カップ20の糸尻部24の下端より上がわであるので、前記下がわカール部31は前記紙カップ20の糸尻部24と接する若しくは近接する位置となる。あるいは前記外装スリーブ30の高さ(上下方向の長さ)が低い(短い)場合は、前記下がわカール部31は前記紙カップ20の胴部22と接する若しくは近接する位置となる。
上記のような場合、前記外装スリーブ30の下がわカール部31は、前記紙カップ20と接するため、その下がわカール部31が戻ろうとする状態を抑制することができるが、本実施形態の外装スリーブ30の下がわカール部31自体にカールの戻りを抑制する保形性があるので、より望ましい。
なお、紙カップ20と外装スリーブ30を組み合わせる際は、前記紙カップ20の糸尻部24がわから、前記外装スリーブ30の上方の開口部を挿入してセットする。その際に、前記糸尻部24が前記外装スリーブ30の下がわカール部31の先端を引っ掛けることがなく、安定して断熱二重容器10の生産ができる。
<本発明の第二の実施形態>
本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態の断熱二重容器10において、容器本体11を、紙を主体とした紙容器とすることを特徴とする。
容器本体11、外装スリーブ30とも紙であるために、使用後の減容化が容易で、また焼却も容易である。また、古紙として回収してもよい。上述の紙容器としては、紙カップ、紙絞りトレー、ウェブコーナートレー、パルプモールド容器などでもよい。
<本発明の第三の実施形態>
本発明の第三の実施形態は、第一の実施形態の断熱二重容器10において、容器本体11を紙カップ20としたことを特徴とする。(図4参照)。容器本体11を紙カップ20とすると、その紙カップ20は高能力で生産されることから、断熱二重容器を低コストで製造できる。また、紙カップ20の上部にトップカール部21を、及び容器の下部に糸尻部24を有するため、断熱二重容器の強度が優れる。
<本発明の第四の実施形態>
本発明の第四の実施形態は、第一の実施形態の断熱二重容器10において、容器本体11をフラットボトム形状の紙容器としたことを特徴とする。
昨今では、簡便な調理方法の要求から、電子レンジ調理可能な容器が市場から求められている。かつ電子レンジ調理により内容物が高温になることから、断熱性を有する容器が所望されている。
容器本体11をフラットボトム形状の紙容器にすることにより、容器本体11から糸尻をなくすことができるので、糸尻に生じる焦げを防止できる。
ここでは、フラットボトム形状の紙容器として、胴部42と底部43が別部材からなる図5に記載のフラットボトム形状の紙カップ40を、例示して説明する。なお、本実施形態は、前記フラットボトム形状の紙カップに限られず、紙絞りトレー、ウェブコーナートレー、パルプモールド容器などでもよい。
フラットボトム形状の紙カップ40は、胴部42の上縁部に外向きのトップカール部41を有する。
前記フラットボトム形状の紙カップ40の胴部42の下端部は、内向きにほぼ直角に屈曲され、さらに屈曲された前記胴部42の先端部は上向きに折られ、さらに前記先端部は外向きに向けられるように折り返される。
前記底部43の部材は円形で、その周縁部が胴部42の下端部内にぴったりと嵌っている。前記底部43の部材の周縁部は、前記底部43の下がわで内向きに折り返されており、この底部43の部材の折り返し部分が、胴部42の下端部と、前記胴部42の折り返し部分との間に挟まれている。これらの互いに挟み込んでいる部分は少なくとも部分的に、好ましくは全面的に、互いに接合(接着、溶着など)されている。
<本発明の第五の実施形態>
本発明の第五の実施形態は、第四の実施形態の容器本体11がフラットボトム形状の紙カップ40である断熱二重容器10において、図6のように外装スリーブ30を下がわに伸ばして、下がわカール部31の位置を、前記フラットボトム形状の紙カップ40の底部43、または前記底部43の接合部44と接触しつつ、前記底部43の下がわに位置させることを特徴とする。
上記のようにすることで、前記断熱二重容器10を手指で把持する際に、手指が前記底部43と離れた前記下がわカール部31の下端を支えるため、高温となる前記底部43に触れることが少なくなる。また、手指にて前記下がわカール部31を支えた力は、前記下がわカール部31と接している前記底部43の接合部44を伝わって、容器本体11を支えるため、容器の把持が安定する。
前記外装スリーブ30の下がわカール部31は、前記フラットボトム形状の紙カップ40と接している場合は、前記カールが戻ろうとする状態を、前記フラットボトム形状の紙カップ40により抑制することができるが、本実施形態の外装スリーブ30の下がわカール部31自体にカールの戻りを抑制する保形性があるので、より望ましい。
図5のように外装スリーブ30の下がわカール部31が、紙カップ20の糸尻部24の下端より上がわである断熱二重容器10では、前記下がわカール部31は、その外がわ及び下がわからは視認できるが、内がわからは紙カップ20に遮蔽されるために視認できない。従って、前記下がわカール部31の内がわに美観上劣る箇所があっても隠蔽されている。
しかし、本実施形態の外装スリーブ30の下がわカール部31の内がわは、外部より視認できるようになる。
従来技術のブランク板60を用いた外装スリーブ30の下がわカール部31の胴貼り部32には、図8(b)のように、前記ブランク板60の外がわ胴貼り代62の角切断部65が顕在するので、前記下がわカール部31が不完全となっている。
但し、本実施形態の外装スリーブ30の下がわカール部31の胴貼り部32は、前記ブランク板60の外がわ胴貼り代62の角切断部65の形状が適切であるために、図8(a)のように、前記下がわカール部31の胴貼り部32は、前記下がわカール部31の先端が上方に向くまでカールしており、カールが完了している。そのため前記下がわカール部31の外観が優れているので、前記下がわカール部31の内がわは、外部より視認できるようになっても、外観が優れているので問題がない。
外装スリーブ30の下がわカール部31の形状は、図6のようにその下端部74が、上向きかつ外向きであってもよい。また、図5のように、その下端部74が下向きになるまで巻かれてもよい。
本実施形態以外であっても、外装スリーブ30の下がわカール部31の形状は、図6のようにその下端部74が、上向きかつ外向きであってもよい。また、図5のように、その下端部74が下向きになるまで巻かれてもよい。
図1に記載されている、外装スリーブ30のブランク板60の下がわカール部31の領域の境界線68を、図6に示している。その境界線68は、前記外装スリーブ30の垂直断面において、直線状の胴部33から、曲線状である下がわカール部31に遷移する点である。
<本発明の第六の実施形態>
本発明の第六の実施形態は、第五の実施形態の容器本体がフラットボトム形状の紙カップ40である断熱二重容器10において、図7のように前記外装スリーブ30のさらに下がわに伸ばして、前記下がわカール部31の位置を、前記フラットボトム形状の紙カップ40の底部43と離間しつつ、前記底部43の下がわに位置させる。
上記のようにすることで、前記断熱二重容器10を手指で把持する際に、手指が前記底部43と大きく離れて、前記下がわカール部31の下部を支えるため、高温となる前記底部43に触れる虞れがさらに少なくなる。
また、前記下がわカール部31が他の箇所と触れないため、カール戻りの抑制ができず、カール戻りが発生しやすい状態ではある。しかし、本実施形態の外装スリーブ30の下がわカール部31の胴貼り部32は、前記ブランク板60の外がわ胴貼り代62の角切断部65の形状が適切であるために、前記ブランク板60のカール代63の領域において、前記内がわ胴貼り代61と外がわ胴貼り代62が適切に重なっている。したがって、前記下がわカール部31の形状の保形性に優れるため、前記下がわカール部31の形状が安定し、カール戻りが少なくなる。
また、第五の実施形態と同様、前記外装スリーブ30の下がわカール部31の内がわが視認されるが、前記下がわカール部31の胴貼り部32の外観が優れているため、外部から視認されても問題はない。
図1の外装スリーブ30のブランク板60を用いて作製した本実施形態の断熱二重容器10の底部を、図8(a)に示す。図2の外装スリーブ30のブランク板60を用いて作製した本実施形態の断熱二重容器10の底部を、図8(b)に示す。
図8(a)の下がわカール部31は、胴貼り部32にすき間が見られず外観が良好である。図8(b)の下がわカール部31は、胴貼り部32にすき間が見られ外観が良好ではない。
<本発明の第七の実施形態>
本発明の第七の実施形態は、第一の実施形態の容器本体11を合成樹脂製の容器としたものである。容器本体11の形状としては、糸尻部を有する容器、フラットボトム形状の容器のどちらでもよく、その成形方法は、射出成形、ブロー成形、シート成形など公知の成形方法から選択される。材質はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなど公知の材質から適宜選定される。容器本体11についてガスバリア性が要求される場合は、適宜ガスバリア性を有するフィルム、シートを積層させてもよい。
本実施形態の断熱二重容器では、電子レンジ調理時に過熱する部分を持たないので、電子レンジ調理用途に適する。
<本発明の第八の実施形態>
本発明の第八の実施形態は、容器本体11を合成樹脂製の容器とした第七の実施形態に、さらに第五の実施形態の外装スリーブ30を組み合わせたものである。
容器本体11の電子レンジ調理適性は第七の実施形態と同様である。また、外装スリーブ30の特徴は第五の実施形態と同様のため、詳細な説明、図面は割愛する。
<本発明の第九の実施形態>
本発明の第九の実施形態は、容器本体11を合成樹脂製の容器とした第七の実施形態に、さらに第六の実施形態の外装スリーブ30を組み合わせたものである。
容器本体11の電子レンジ調理適性は第七の実施形態と同様である。また、外装スリーブ30の特徴は第六の実施形態と同様のため、詳細な説明、図面は割愛する。
次に本発明の具体的実施例について説明する。
(実施例1)
まず、容器本体となる紙カップを準備した。口内径94mm、トップカール部の外径100mm、トップカール部の厚さ3.7mm、底部外径70mm、高さ94mm、満注容量453mlの紙カップの断熱二重容器であった。概略、図4のような形状の断熱二重容器であった。
前記紙カップの胴部の積層体の層構成は、
(外がわ) PP20μm(PHA03A サンアロマー製) /
紙220g/m2(COC HCV O&Cアイボリーボード製) /
PP40μm(PHA03A サンアロマー製) (内がわ)
であった。
前記積層体は、押し出しラミネート、ドライラミネートにより積層され、そしてロール状にされた。前記ロール状の積層体は、プラテン抜きで、所定の形状のブランク板に抜かれ、積み重ねて保管された。
フラットボトム形状の紙カップの底部の部材は、幅94mmの帯状の底紙ロールを準備した。
底部の積層体の層構成は、
(外がわ) PP20μm(PHA03A サンアロマー製) /
紙220g/m2(COC HCV O&Cアイボリーボード製) /
PP40μm(PHA03A サンアロマー製) (内がわ)
であった。
前記ブランク板は紙カップ成型機に供給され、その両端がシールされ筒状の胴部が作製された。
つぎに、底紙ロールが紙カップ成型機に供給され、前記紙カップ成型機の機内にて所定の形状に抜かれた後、外縁部が全周に渡り下向きに折り曲げられて底部の部材ができた。その底部の部材の外縁部を、前記胴部の下がわが内向きに折り返された空隙に挟み込まれた後に接合されて、シールされ、糸尻部が完成した。接合前に接合に必要箇所が加熱されているのでヒートシールできた。
つぎに、前記胴部に上がわに外向きのカール加工を行い、糸尻部を有する一般的な紙カップ形状の紙カップが完成した。
外装スリーブを作製するために、図1のようなブランク板を準備した。
幅は300mm、高さは115mmであり、上縁部の円弧の曲率半径は422mm、下端部の曲率半径は324mmであった。
前記ブランク板の外がわ胴貼り代の角切断部は、図3(a)のように、X=6mm、Y=1.9mmであった。したがって、YはXの1/3以下であった。
前記ブランク板の両端部が接着剤によるシールを行なわれ、筒状に加工された。つぎに筒状にされたブランク板の下がわに内向きカール加工を施されて、外装スリーブが完成した。
外装スリーブの層構成は、
紙310g/m2(UFコート 王子マテリア製)
であった。上記のコートボール紙は、強度及びコストパフォーマンスが優れている。
そして、前記フラットボトム形状の紙カップの外がわに、前記外装スリーブを嵌め合わせて、紙カップのトップカール部の下がわで接合して、断熱二重容器は完成した。
前記外装スリーブの下がわカール部は、前記紙カップの底部より上方に位置した。(図4参照)。
前記外装スリーブの材質(層構成)は、上記に記載した内容には限られない。前記断熱二重容器の用途、使用環境、コスト、要求性能に応じて、適宜選定される。例えば、高湿度環境下など、水分を吸収しやすい環境では、紙基材層の両面若しくは片面に合成樹脂層を設けて、防湿性を向上させてもよい。
前記紙カップの成型方法、前記外装スリーブの製造方法、前記断熱二重容器の製造方法(前記紙カップと前記外装スリーブの接合方法など)は、それぞれの材質の材料などの要因により、適宜選定されてもよい。
(実施例2)
口内径94mm、トップカール部の外径100mm、トップカール部の厚さ3.7mm、底部外径76mm、高さ86mm、満注容量453mlのフラットボトム形状の紙カップの断熱二重容器であった。概略、図6のような形状の断熱二重容器であった。
容器本体の材質、層構成、紙カップ成型工程までは、実施例1と同じであった。
成型した紙カップの糸尻部を全周に渡って内がわに倒して、必要箇所に加熱を行い、前記底部と加圧することで固定し、フラットボトム形状の紙カップが完成した。
つぎに、実施例1と同じような手順で外装スリーブを作製して、前記外装スリーブと前記フラットボトム形状の紙カップが組み合わされて、断熱二重容器が完成した。
外装スリーブの材質、形状は実施例1と同じであった。
(実施例3)
口内径94mm、トップカール部の外径100mm、トップカール部の厚さ3.7mm、底部外径74mm、高さ92mm、満注容量453mlのフラットボトム形状の紙カップの断熱二重容器であった。概略、図7のような形状の断熱二重容器であった。
容器本体となるフラットボトム形状の紙カップは、実施例2と同じであった。
外装スリーブの材質は実施例1と同じであるが、高さが大きくなった。外装スリーブのブランク板の大きさは、幅は300mm、高さは120mmであり、上縁部の円弧の曲率半径は422mm、下端部の曲率半径は319mmであった。
前記ブランク板の外がわ胴貼り代の角切断部は、実施例1と同じく、(図3(a)を参照)、X=6mm、Y=1.9mmであった。したがって、YはXの1/3以下であった。
(実施例4)
実施例1においては容器本体が紙カップであったが、本実施例では前記紙カップと同じサイズであり、射出成形により作製されたポリプロピレン製のカップを用意した。
その他の外装スリーブ、断熱二重容器の製造方法は、実施例1と同じであった。
(実施例5)
実施例2においては容器本体がフラットボトム形状の紙カップであったが、本実施例では前記フラットボトム形状の紙カップと同じサイズであり、シート成形により作製されたポリプロピレン製のカップを用意した。
その他の外装スリーブ、断熱二重容器の製造方法は、実施例2と同じであった。
(実施例6)
外装スリーブの高さが異なる(高い)以外は、実施例5の断熱二重容器と同じ材質、製造方法で作製された。
(比較例1)
外装スリーブの形状が異なる以外は、実施例1の断熱二重容器と同じ材質、製造方法で作製された。前記ブランク板の外がわ胴貼り代の角切断部は図3(b)の通り、X=6mm、Y=3.9mmである。したがって、YはXの1/3を超えていた。
(比較例2)
容器本体がフラットボトム形状の紙カップであること以外は、比較例1の断熱二重容器と同じ材質、製造方法で作製された。
(比較例3)
外装スリーブの高さが異なる(高い)以外は、比較例2の断熱二重容器と同じ材質、製造方法で作製された。
(評価)
実施例1~6、比較例1~3とも各1,000個のサンプルを作製した。
評価結果を表1及び表2にまとめる。表1には断熱二重容器の形状の評価、及び製造工程での評価を記載している。表2には、電子レンジ調理適性の評価、及び総合評価を記載している。
実施例1の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部にカールの巻き不良は発生しなかった。
また、紙カップと外装スリーブを組み合わせる工程では、前記紙カップの糸尻部が、前記外装スリーブの下がわカール部に嵌る際の動作が、引っかかることがなくスムースで安定していた。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りはなく良好であった。
実施例2の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部には、カールの巻き不良は発生しなかった。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りはなく良好であった。
また、前記外装スリーブの下がわカール部の胴貼り部の内がわが、容器本体で隠されることがないので視認されるようになった。前記外装スリーブのブランク板の外がわ胴貼り代が適切な形状であるため、前記胴貼り部の空隙が少なく外観が良好であった。
実施例3の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部には、カールの巻き不良は発生しなかった。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りはなく良好であった。
また、前記外装スリーブの下がわカール部の胴貼り部の内がわが、容器本体で隠されることがないので視認されるようになった。前記外装スリーブのブランク板の外がわ胴貼り代が適切な形状であるため、前記胴貼り部の空隙が少なく外観が良好であった。
実施例4の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部にカールの巻き不良は発生しなかった。
また、ポリプロピレン製のカップと外装スリーブを組み合わせる工程では、前記ポリプロピレン製のカップの糸尻部が、前記外装スリーブの下がわカール部に嵌る際の動作が、引っかかることがなくスムースで安定していた。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りはなく良好であった。
実施例5の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部には、カールの巻き不良は発生しなかった。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りはなく良好であった。
また、前記外装スリーブの下がわカール部の胴貼り部の内がわが、容器本体で隠されることがないので視認されるようになった。前記外装スリーブのブランク板の外がわ胴貼り代が適切な形状であるため、前記胴貼り部の空隙が少なく外観が良好であった。
実施例6の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部には、カールの巻き不良は発生しなかった。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りはなく良好であった。
また、前記外装スリーブの下がわカール部の胴貼り部の内がわが、容器本体で隠されることがないので視認されるようになった。前記外装スリーブのブランク板の外がわ胴貼り代が適切な形状であるため、前記胴貼り部の空隙が少なく外観が良好であった。
比較例1の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部にカールの巻き不良は発生しなかった。
また、フラットボトム形状の紙カップと外装スリーブを組み合わせる工程では、前記フラットボトム形状の紙カップの糸尻部が、前記外装スリーブの下がわカール部に嵌る際の動作が、引っかかる気配があった。断熱二重容器の最終製品では、カール不良は見られなかったが、長期間の生産では、カール不良が発生する虞れがあった。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りはなく良好であった。
比較例2の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部には、カールの巻き不良は発生しなかった。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、弱いカール戻りが発生した容器があった。
また、前記外装スリーブの下がわカール部の胴貼り部の内がわが、容器本体で隠されることがないので視認されるようになった。前記胴貼り部の空隙が多く外観が劣った。
比較例3の断熱二重容器を作製する際には、外装スリーブの下がわカール部には、カールの巻き不良は発生しなかった。
また、前記断熱二重容器の作製後、1日経って、前記外装スリーブの形状を観察したところ、カール戻りが全数発生した。
また、前記外装スリーブの下がわカール部の胴貼り部の内がわが、容器本体で隠されることがないので視認されるようになった。前記胴貼り部の空隙が多く外観が劣った。
電子レンジ調理用途の断熱容器としての総合評価としては、実施例3が◎であり、実施例2が○である。容器本体が紙カップである実施例1と比較例1では、長時間の電子レンジ調理時に、糸尻が焦げる虞れがあるので×とした。
本体容器がポリプロピレン製のカップである実施例4~6では、電子レンジ調理時に、容器本体が過熱することはなかったので、◎とした。
比較例2では、外装スリーブの下がわカール部のカール戻りが若干発生しているので△とした。比較例3は外装スリーブの下がわカール部のカール戻りがほぼ全数発生するので×とした。
電子レンジ調理をしない容器の断熱容器としては、お湯を注いで使用する用途などを想定している。その総合評価としては、実施例1、実施例3、実施例4、実施例6が最良であり、実施例2が良であった。
比較例1では、評価用のサンプル作成時には外装スリーブの下がわカール部にカール不良は生じなかったが、その生産時の挙動から長期間の生産では、カール不良が発生する虞れがあることから、評価を○~△とした。
比較例2では、外装スリーブの下がわカール部のカール戻りが若干発生しているので△とした。比較例3は外装スリーブの下がわカール部のカール戻りがほぼ全数発生するので×とした。
本発明では、外装スリーブの下がわカール部の外観が優れる断熱二重容器を提供できる。さらに、前記下がわカール部の保形性が優れるため、良好な下がわカール部の形状を保持できる断熱二重容器を提供できる。
10 断熱二重容器
11 容器本体
12 容器本体と外装スリーブの接合部
13 容器本体の胴部
14 容器本体の底部
20 紙カップ
21 紙カップのトップカール部
22 紙カップの胴部
23 紙カップの底部
24 紙カップの糸尻部
30 外装スリーブ
31 外装スリーブの下がわカール部
32 外装スリーブの胴貼り部
33 外装スリーブの胴部
40 フラットボトム形状の紙カップ
41 フラットボトム形状の紙カップのトップカール部
42 フラットボトム形状の紙カップの胴部
43 フラットボトム形状の紙カップの底部
44 フラットボトム形状の紙カップの底部の接合部
50 合成樹脂製のカップ
51 合成樹脂製のカップの胴部
52 合成樹脂製のカップの底部
60 外装スリーブのブランク板
61 内がわ胴貼り代
62 外がわ胴貼り代
63 下がわカール代
64 内がわ胴貼り代の角切断部
65 外がわ胴貼り代の角切断部
66 ブランク板の内がわ(右がわ)側端部
67 ブランク板の外がわ(左がわ)側端部
68 下がわカール部の領域の境界線
71 内がわ胴貼り代の角切断線
72 外がわ胴貼り代の角切断線
73 ブランク板の上縁部
74 ブランク板の下縁部

A 内がわ胴貼り代と外がわ胴貼り代が重なる領域
B 内がわ胴貼り代と外がわ胴貼り代が重なる領域の再下端
C ブランク板の外がわ側端部の下がわの角部

X 下がわカール代の領域の上下方向の幅
Y 領域Aの最も下端の位置Bと、前記外装スリーブの下端部の延長線との距離

Claims (9)

  1. 胴部および前記胴部の下端に配置された底部を有する容器本体と、
    筒状の外装スリーブからなる断熱二重容器において、
    前記外装スリーブの下端には、前記外装スリーブを容器の中心がわに向けてカールさせてなる下がわカール部と、
    前記外装スリーブの上縁部の近傍には、前記容器本体の胴部に対して接合される接合部と、
    前記外装スリーブは、前記下がわカール部と前記接合部との間の少なくとも一部では、前記胴部の外がわに空間を確保しつつ配置され、かつ前記外装スリーブとなる帯状のブランク板の両端部を、互いに重ね合される胴貼り部を有し、かつ前記容器本体の周囲に備えられ、
    前記胴貼り部の内がわとなる内がわ胴貼り代は、前記下がわカール部に対応する下がわカール代の領域からそれ以外の領域にわたって切断され、
    前記胴貼り部の外がわとなる外がわ胴貼り代は、前記下がわカール部に対応する下がわ
    カール代の領域内で切断され、
    前記下がわカール部に対応する下がわカール代の領域であって、前記内がわ胴貼り代と前記外がわ胴貼り代とが重なり合う領域Aの面積は、前記胴貼り部の幅と下がわカール代の領域が重なり合う領域の面積の50%未満であり、
    前記内がわ胴貼り代と前記外がわ胴貼り代とが重なり合う領域Aの最も下端の位置Bと、前記外装スリーブのブランク板の下端の延長線との距離が、前記下がわカール代の領域の上下方向の幅の1/3以下である、ことを特徴とする断熱二重容器。
  2. 前記容器本体が紙を主体とした容器であることを特徴とする請求項1に記載の断熱二重容器。
  3. 前記容器本体が紙カップであることを特徴とする請求項1または2に記載の断熱二重容器。
  4. 前記容器本体がフラットボトム形状であることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の断熱二重容器。
  5. 前記外装スリーブの下がわカール部の下端の位置が、前記容器本体の底部よりも下方であることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の断熱二重容器。
  6. 前記外装スリーブの下がわカール部が、前記容器本体の底部よりも下方に位置し、かつ離間していることを特徴とする請求項5に記載の断熱二重容器。
  7. 前記容器本体が合成樹脂製であることを特徴とする請求項1に記載の断熱二重容器。
  8. 前記外装スリーブの下がわカール部の下端の位置が、前記容器本体の底部よりも下方であることを特徴とする請求項7に記載の断熱二重容器。
  9. 前記外装スリーブの下がわカール部が、前記容器本体の底部よりも下方に位置し、かつ離間している特徴とする請求項8に記載の断熱二重容器。
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