JPH0648246U

JPH0648246U - 衛星通信用受信機の地対地干渉除去のための弾性表面波フィルター

Info

Publication number: JPH0648246U
Application number: JP043557U
Authority: JP
Inventors: 永昊崔
Original assignee: Samsung Electronics Co Ltd
Current assignee: Samsung Electronics Co Ltd
Priority date: 1987-08-19
Filing date: 1993-08-09
Publication date: 1994-06-28
Also published as: KR890004492A; GB8819388D0; KR900008524B1; JPS6481517A; DE3827962A1; GB2209898A; GB2209898B; US4954795A

Abstract

(57)【要約】（修正有）【目的】衛星通信用受信機において地対地干渉を除去
する弾性表面波フィルタを提供する。【構成】入力端信号をスイッチＳＷを通じてＩＦ用入
力インタデジタル変換器ＩＤＴ₁と地上干渉信号抑制用
入力インタデジタル変換器ＩＤＴ₂とに供給する。ＩＤ
Ｔ₁，ＩＤＴ₂では入出力がを満足するように電極の重なる部分の大きさに対応する
重み係数Ａ_nを定め、隣接電極間隔を調節して時間遅延
Ｄ_nを定める。また、逆フーリエの変換に依り±ＢＷ帯
域幅を持ちながら干渉信号の周波数帯域ｆ_Nのゲインが
減少するように構成する。ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂からの表
面弾性波が一定時間遅延後検出するＩＤＴ₃を設け、広
帯域の周波数応答を可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、衛星信号を受信する衛星通信用受信機のシステムにおいて、地上局と地上局との間に送信される信号の干渉を除去するための地対地干渉除去フィルターに関するもので、特に弾性表面波素子を利用して３．７−４．２ＧＨｚのＣ帯域衛星通信用受信システムの中の衛星通信用受信機において地対地干渉を除去するフィルターを構成する弾性表面波フィルターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、衛星通信用受信機において地上局間の干渉を除去するために使用されているフィルターは一般的に受信機システムの内部には組みこまれずに外部に形成される別個のフィルターを構成していた。このフィルターはノッチフィルターの一種で、中間周波数を中心として干渉信号が存在するｆ_Nの周波数を除去する役割をするフィルターであり、このフィルターは一般的にコイルとコンデンサーを利用して同調回路を構成する。また、数ＧＨｚ帯域に周波数が増大するとストリップ線路を利用して不要な部分の周波数帯が除去される。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

以上のような従来の衛星通信用受信機において使用されている地上局間の干渉を除去するためのフィルター構成は中間周波数帯域において図１に示したようにコイルとコンデンサーを利用して構成されており除去すべき周波数を選択するにはコイルとコンデンサーを調整しなければならないので製造工程が長びき、寸法的にもかさばるといった短所がある。これに対してストリップ線路を利用してこのようなフィルターを構成することもできるが、この場合は使用周波数の帯域が数ＧＨｚでなければならず、中間周波数においてストリップ線路を利用しようとするとかさばってしまい、衛星通信用受信機に内蔵させることができず、外部にフィルターを構成してやらなければならないという問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、以上のような問題点を解決し、衛星通信用受信機に内蔵させることもできる干渉除去用フィルターを弾性表面波素子を利用して構成したものである。弾性表面波素子では圧電物質の上に蒸着された２基のインタデジタル変換器（通常ＩＤＴと略称する）の幾何学的構造にしたがって安定した周波数の応答が得られ、筐体も小型で、同調作業も不要であり、作業時間を短縮できると同時に特に小型なので、衛星通信用受信機の内部において中間周波数用帯域通過フィルターに地対地干渉を抑制するフィルターを共に構成することが可能となり、このような弾性表面波素子を利用した衛星通信用受信機の地対地干渉の除去を目的とする弾性表面波フィルターを提供することができる。

【０００５】

【実施例】

以下別添の図面を追って本考案の実施例を詳細に説明する。地対地干渉除去用の弾性表面波フィルターは、２基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）と１基の出力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₃）とを圧電物質の上に取り付けて構成され、２基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ ₁ ，ＩＤＴ₂）は入力端（ＩＮ）に供給される電気的信号を機械的な変位にかえ圧電物質の表面を流れる弾性表面波を励起させると同時に２基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）の幾何学的構造を変化させる。基の入力インタデジタル変換器は中間周波帯域通過フィルターとして構成し、もう１基の入力インタデジタル変換器は中間周波数帯域において地上局間に発生した信号を抑制する周波数特性をもつようにそれぞれ構成する。

【０００６】なお、インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）により励起されて、一定時間遅延された弾性表面波を検出するように出力インタデジタル変換器（ＩＤＴ ₃ ）を構成し、このようなインタデジタル変換器（ＩＤＴ₁ＩＤＴ₃）の構成が図２に示されている。以上のような構成の前部に入力端（ＩＮ）の信号を切り替えるためのスイッチ（ＳＷ）をとり付け、オペレーターの選択によって地対地干渉を抑制する。

【０００７】地対地干渉抑制用の弾性表面波フィルターは２基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）及び１基の出力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₃）からなっているが、その設計はトランスバーサルフィルターの理論に基づいたものである。図３は、このようなトランスバーサルフィルターの基本構成図を示したもので、Ｖ_in（ｆ）を入力すると出力Ｖ_out（ｆ）は、

【０００８】

【数２】

【０００９】のように表わされるが、トランスバーサルフィルターの伝達関数Ｈ（ｆ）は（１）式から、

【００１０】

【数３】

【００１１】のようになる。弾性表面波素子の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）は（２）式と図３のトランスバーサルフィルターの原理を利用して設計することになるが、トランスバーサルフィルターの重み係数Ａ_nは入力デジタル変換器の場合、図４に図示したように電極と電極が重なる部分の大きさとなり、時間遅延Ｄ_nは電極と電極との間隔を調節することにより実現可能となる。

【００１２】この際、目標とする周波数応答Ｈ（ｆ）は、重み係数Ａ_nと時間遅延Ｄ_nを調節することにより得られるが、目標とする周波数応答が決まると逆フーリエ変換に依って重み係数Ａ_nと時間遅延Ｄ_nが決定され、入力インタデジタル変換器は安定した周波数特性を持つことになる。地対地干渉抑制用の弾性表面波フィルターでは上記の理論を利用して２基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）が設計されるが、その際インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁）の周波数応答が図５（イ）のように中心周波数ｆ_c を基準として±ＢＷ程度の帯域幅を持つように逆フーリエ変換に依ってその幾何学的構造を決定することが可能であり、またインタデジタル変換器（ＩＤＴ₂）は中心周波数ｆ_cを基準として±ＢＷ程度の帯域幅を持ち任意のｆ_N周波数においては基準周波数に比し１５dB以下の特性をもち図５のような周波数応答を満足させるように設計される。

【００１３】このように、設計された２基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ ₂ ）に入力端（ＩＮ）からスイッチを通じて電気的な信号が印加されるとインタデジタル変換器（ＩＤＴ₁）又はインタデジタル変換器（ＩＤＴ₂）から弾性表面波が印加され進行を始める。この弾性表面波は、出力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₃）を通じて再び電気的な信号として検出されるが、この時素子の全体周波数応答は入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）及び出力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₃）の周波数応答を各々Ｈ₁（ｆ），Ｈ₂（ｆ），Ｈ_out（ｆ）とすると以下のようになる。

【００１４】Ｈ_TOT（ｆ）＝Ｈ₁（ｆ）・Ｈ_out（ｆ），Ｈ_TOT（ｆ）＝Ｈ₂（ｆ）・Ｈ_out（ｆ），又はＨ_TOT（ｆ）＝Ｈ₁（ｆ）・Ｈ₂（ｆ）・Ｈ_out（ｆ）ここで、Ｈ_TOT（ｆ）は全体周波数応答である。したがって、入力インタデジタル変換を目標としている周波数応答が得られるよう設計し、出力インタデジタル変換器を広帯幅域の周波数応答が可能となるよう設計することに依って全体の周波数応答は入力インタデジタル変換器の周波数応答と等しくなる。

【００１５】一方、インタデジタル変換器において励起される弾性表面波は両方向に伝わるので、地対地干渉抑制用の弾性表面波フィルターは図６に示してあるように出力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₃）を中心にして２基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）を各々両側に配して入力端（ＩＮ）の信号をスイッチ（ＳＷ）を介して各入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）に供給し、干渉除去用のフィルターを構成することも可能である。その具体的な設計並びに作動特性は既に説明したとおりである。

【００１６】

【考案の効果】

上記のように本考案によれば従来の衛星通信用受信機において地上局間の干渉を抑制するために使用されているフィルターを衛星通信用受信機に必ず使用される中間周波数帯域通過フィルターと共に構成することにより、両入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）は独立しても動作できるし、同時にも動作可能であり、又、両入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）が合成され一つのフィルターとして動作することも可能であり、スイッチを利用することによって干渉信号の存在する場合とそうでない場合に切り替えて使用することができ、これに伴い寸法的な小型化が可能であると同時に安定した周波数応答が得られ作業性も向上するという利点が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】地対地干渉を除去するための従来のフィルター
の回路構成図である。

【図２】本考案の実施例の一つを示した地対地干渉抑制
用の弾性表面波フィルターの構成図である。

【図３】本考案の基本原理を説明するためのトランスバ
ーサルフィルターの基本構成図である。

【図４】本考案に適用される入力インタデジタル変換器
の基本構成図である。

【図５】本考案に依る周波数応答の特性図である。

【図６】本考案の他の実施例を示す地対地干渉抑制用の
弾性表面波フィルターの構成図である。

【符号の説明】

ＩＤＴ₁〜ＩＤＴ₃ インタデジタル変換器ＰＺ圧電物質ＳＷスイッチＡ₀〜Ａ_n 重み係数Ｄ₁〜Ｄ_n 時間遅延ＩＮ入力端ＯＵＴ出力端Ｖ_in 入力信号Ｖ_out 出力信号ＢＷ帯域幅ｆ_c 中心周波数ｆ_N 干渉信号周波数

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】衛星通信用受信機の中間周波数帯域にお
ける地対地干渉除去のための弾性表面波フィルターであ
って、弾性表面波を励起する圧電物質（ＰＺ）の上に２
基の入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）
を設け、入力端（ＩＮ）信号をスイッチ（ＳＷ）を通じ
て中間周波数帯域通過用入力インタデジタル変換器（Ｉ
ＤＴ₁）と地上干渉信号抑制用入力インタデジタル変換
器（ＩＤＴ₂）とに供給する構成を有し、入力インタデ
ジタル変換器（ＩＤＴ₁，ＩＤＴ₂）を重み係数Ａ_nと
時間遅延Ｄ_nとに相関関係を持つトランスバーサルフィ
ルターの設計理論に基づき、入力Ｖ_in（ｆ）に対して出
力Ｖ_out（ｆ）が【数１】の式を満足するように電極と電極が重なる部分の大きさ
に対応する重み係数Ａ_nを定め、また、隣接する電極と
電極との間の間隔を調節することにより時間遅延Ｄ_nを
定め、トランスバーサルフィルターの伝達関数が得られ
るように構成すると共に、逆フーリエの変換に依り±Ｂ
Ｗの帯域幅を持つか又は、±ＢＷ帯域幅を持ちながら干
渉信号が存在する周波数帯域ｆ_Nのゲインが減少するよ
うに構成し、該入力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₁，
ＩＤＴ₂）から放出された表面弾性波が一定時間の遅延
後検出する出力インタデジタル変換器（ＩＤＴ₃）を設
け、広帯域幅の周波数の応答ができるように構成したこ
とを特徴とするフィルター。