JP3224455B2 - 弾性表面波素子 - Google Patents
弾性表面波素子Info
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- input electrode
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は弾性表面波素子に係り、
特にTVのIF(中間周波)フィルタ、VTRの発振用
の共振器、コードレス電話用VCO(Voltage Controll
ed Oscillator ;電圧制御発振器)、自動車電話・携帯
電話用フィルタ等に使用される弾性表面波フィルタに関
する。
特にTVのIF(中間周波)フィルタ、VTRの発振用
の共振器、コードレス電話用VCO(Voltage Controll
ed Oscillator ;電圧制御発振器)、自動車電話・携帯
電話用フィルタ等に使用される弾性表面波フィルタに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の弾性表面波フィルタを図9を用い
て説明する。例えば水晶基板、LiNbO3 基板、Li
TaO3 基板等を用いた圧電基板上に、複数の櫛形電極
50a,50b,…,50fが並列に配置され、それぞ
れ入力端子52に接続されている。こうして、入力信号
により弾性表面波を励振する入力電極54が形成されて
いる。
て説明する。例えば水晶基板、LiNbO3 基板、Li
TaO3 基板等を用いた圧電基板上に、複数の櫛形電極
50a,50b,…,50fが並列に配置され、それぞ
れ入力端子52に接続されている。こうして、入力信号
により弾性表面波を励振する入力電極54が形成されて
いる。
【0003】また、この入力電極54の櫛形電極50
a,50b,…,50fと交互に、複数の櫛形電極56
a,56b,…,56eが配置され、それぞれ出力端子
58に接続されている。こうして、入力電極54からの
弾性表面波を受信する出力電極60が形成されている。
更に、これら入力電極54及び出力電極60を構成する
一連の櫛形電極の最外側には、同様の櫛形電極からなる
反射器62a,62bが形成されている。こうして、入
力電極54及び出力電極60からなる6入力5出力の多
段型入出力電極構造の弾性表面波フィルタが構成されて
いる。
a,50b,…,50fと交互に、複数の櫛形電極56
a,56b,…,56eが配置され、それぞれ出力端子
58に接続されている。こうして、入力電極54からの
弾性表面波を受信する出力電極60が形成されている。
更に、これら入力電極54及び出力電極60を構成する
一連の櫛形電極の最外側には、同様の櫛形電極からなる
反射器62a,62bが形成されている。こうして、入
力電極54及び出力電極60からなる6入力5出力の多
段型入出力電極構造の弾性表面波フィルタが構成されて
いる。
【0004】通常、このような弾性表面波フィルタは、
入力電極54の櫛形電極50a,50b,…,50fに
より、入力端子52に印加されたインパルス電圧を電磁
波の10-5倍程度の波長の弾性表面波に変換し、圧電基
板の表面を伝搬させた後、出力電極60の櫛形電極56
a,56b,…,56eによって弾性表面波を再び電圧
信号に逆変換し、出力端子58から出力する機能を有す
る。
入力電極54の櫛形電極50a,50b,…,50fに
より、入力端子52に印加されたインパルス電圧を電磁
波の10-5倍程度の波長の弾性表面波に変換し、圧電基
板の表面を伝搬させた後、出力電極60の櫛形電極56
a,56b,…,56eによって弾性表面波を再び電圧
信号に逆変換し、出力端子58から出力する機能を有す
る。
【0005】そしてこの2回の変換の際に、櫛形電極5
0a,50b,…,50f及び櫛形電極56a,56
b,…,56eの形状により、周波数の選択が可能であ
るため、フィルタ機能又は共振器機能をもつ。また、伝
搬速度を電磁波の10-5倍程度に遅くすることが可能で
あるため、遅延素子としても使用することができる。従
って、これらの機能を利用して、安価で調整が不要なフ
ィルタ、共振器、遅延線として、TVのIFフィルタ、
VTRの発振用の共振器、コードレス電話用VCO、自
動車電話・携帯電話用フィルタ等に応用されている。
0a,50b,…,50f及び櫛形電極56a,56
b,…,56eの形状により、周波数の選択が可能であ
るため、フィルタ機能又は共振器機能をもつ。また、伝
搬速度を電磁波の10-5倍程度に遅くすることが可能で
あるため、遅延素子としても使用することができる。従
って、これらの機能を利用して、安価で調整が不要なフ
ィルタ、共振器、遅延線として、TVのIFフィルタ、
VTRの発振用の共振器、コードレス電話用VCO、自
動車電話・携帯電話用フィルタ等に応用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、弾性表面波
フィルタを自動車電話・携帯電話の分野で使用する場合
には、低損失、高抑圧のバンドパスフィルタとしての性
能が要求される。具体的には、最大の挿入損失が3〜5
dB以下であり、サイドローブ抑圧度が25dB以上で
あることが必要とされる。
フィルタを自動車電話・携帯電話の分野で使用する場合
には、低損失、高抑圧のバンドパスフィルタとしての性
能が要求される。具体的には、最大の挿入損失が3〜5
dB以下であり、サイドローブ抑圧度が25dB以上で
あることが必要とされる。
【0007】このため、上記図9に示すような多段型入
出力電極構造が採用され、更には、櫛形電極の電極指の
対数を変化させる対数重み付け、電極指の一部を間引き
する間引き電極、入力電極と出力電極との間に他の櫛形
電極を介在させて従属接続するカスケード接続等を用い
ることにより、改良が図られてきた。しかしながら、こ
のように弾性表面波フィルタの特性改善を図るために電
極構造を複雑にすると、却って通過周波数帯域での挿入
損失が増大するという問題が生じる。例えば、多段型入
出力電極構造においてサイドローブ抑圧度を大きくする
ためにカスケード接続を行うと、サイドローブ抑圧度は
15dBから25dBに改善される反面、通過帯域での
挿入損失が3〜5dBから5〜6dBに悪化する。
出力電極構造が採用され、更には、櫛形電極の電極指の
対数を変化させる対数重み付け、電極指の一部を間引き
する間引き電極、入力電極と出力電極との間に他の櫛形
電極を介在させて従属接続するカスケード接続等を用い
ることにより、改良が図られてきた。しかしながら、こ
のように弾性表面波フィルタの特性改善を図るために電
極構造を複雑にすると、却って通過周波数帯域での挿入
損失が増大するという問題が生じる。例えば、多段型入
出力電極構造においてサイドローブ抑圧度を大きくする
ためにカスケード接続を行うと、サイドローブ抑圧度は
15dBから25dBに改善される反面、通過帯域での
挿入損失が3〜5dBから5〜6dBに悪化する。
【0008】そこで本発明は、挿入損失を増大させるこ
となく、サイドローブ抑圧度を大きくして、素子特性を
向上させることができる弾性表面波素子を提供すること
を目的とする。
となく、サイドローブ抑圧度を大きくして、素子特性を
向上させることができる弾性表面波素子を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、圧電基板
と、前記圧電基板上に設置され、入力信号によって所定
の中心周波数をもつ弾性表面波を励振する櫛形電極から
なる入力電極と、前記入力電極からの弾性表面波の伝搬
路に配置され、前記入力電極からの弾性表面波を受信す
る櫛形電極からなる出力電極とを有する弾性表面波素子
において、前記入力電極の中心周波数よりも高い抑圧領
域の周波数を中心周波数とする第1のサブ入力電極と、
前記入力電極の中心周波数よりも低い抑圧領域の周波数
を中心周波数とする第2のサブ入力電極とを有し、前記
第1のサブ入力電極及び前記第2のサブ入力電極が、そ
れぞれ前記入力電極に並列に接続されて設置されている
ことを特徴とする弾性表面波素子によって達成される。
と、前記圧電基板上に設置され、入力信号によって所定
の中心周波数をもつ弾性表面波を励振する櫛形電極から
なる入力電極と、前記入力電極からの弾性表面波の伝搬
路に配置され、前記入力電極からの弾性表面波を受信す
る櫛形電極からなる出力電極とを有する弾性表面波素子
において、前記入力電極の中心周波数よりも高い抑圧領
域の周波数を中心周波数とする第1のサブ入力電極と、
前記入力電極の中心周波数よりも低い抑圧領域の周波数
を中心周波数とする第2のサブ入力電極とを有し、前記
第1のサブ入力電極及び前記第2のサブ入力電極が、そ
れぞれ前記入力電極に並列に接続されて設置されている
ことを特徴とする弾性表面波素子によって達成される。
【0010】
【0011】また、上記の弾性表面波素子において、前
記第1のサブ入力電極及び前記第2のサブ入力電極から
の弾性表面波の伝搬方向がそれぞれ、前記入力電極から
前記出力電極への弾性表面波の伝搬方向と異なっている
ことが望ましい。
記第1のサブ入力電極及び前記第2のサブ入力電極から
の弾性表面波の伝搬方向がそれぞれ、前記入力電極から
前記出力電極への弾性表面波の伝搬方向と異なっている
ことが望ましい。
【0012】
【作用】本発明は、所定の中心周波数をもつ入力電極及
び出力電極からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波
フィルタにおいて、入力電極の中心周波数と異なる中心
周波数をもつサブ入力電極が入力電極と並列に接続され
ていることにより、入力端子に入力された所定のインパ
ルス電圧信号のうち、サブ入力電極の中心周波数近傍の
ものは、殆どサブ入力電極を通過し、入力電極を通過し
なくなる。
び出力電極からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波
フィルタにおいて、入力電極の中心周波数と異なる中心
周波数をもつサブ入力電極が入力電極と並列に接続され
ていることにより、入力端子に入力された所定のインパ
ルス電圧信号のうち、サブ入力電極の中心周波数近傍の
ものは、殆どサブ入力電極を通過し、入力電極を通過し
なくなる。
【0013】また、サブ入力電極に対する出力電極が設
置されていないため、サブ入力電極を通過した信号が出
力側に現れることは殆どない。従って、入力電極の通過
域の挿入損失を増大させることなく、そのサイドローブ
抑圧度Yを増大することができる。
置されていないため、サブ入力電極を通過した信号が出
力側に現れることは殆どない。従って、入力電極の通過
域の挿入損失を増大させることなく、そのサイドローブ
抑圧度Yを増大することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて具
体的に説明する。図1は本発明の第1の実施例による弾
性表面波バンドパスフィルタを示す平面図である。例え
ば36°Ycut−LiTaO3 基板からなる圧電基板
上に、その36°Ycut−LiTaO3 基板のX方向
に並列に配置された複数の櫛形電極10a,10bから
なる入力電極12が形成され、入力端子14に接続され
ている。また、この入力電極12の櫛形電極10a,1
0bと交互に配置された複数の櫛形電極16a,16
b,16cからなる出力電極18が形成され、出力端子
20に接続されている。更に、これら36°Ycut−
LiTaO3 基板のX方向に並列された一連の櫛形電極
10a,10b,16a,16b,16cの両外側に
は、同様の櫛形電極からなる反射器22a,22bが形
成されている。
体的に説明する。図1は本発明の第1の実施例による弾
性表面波バンドパスフィルタを示す平面図である。例え
ば36°Ycut−LiTaO3 基板からなる圧電基板
上に、その36°Ycut−LiTaO3 基板のX方向
に並列に配置された複数の櫛形電極10a,10bから
なる入力電極12が形成され、入力端子14に接続され
ている。また、この入力電極12の櫛形電極10a,1
0bと交互に配置された複数の櫛形電極16a,16
b,16cからなる出力電極18が形成され、出力端子
20に接続されている。更に、これら36°Ycut−
LiTaO3 基板のX方向に並列された一連の櫛形電極
10a,10b,16a,16b,16cの両外側に
は、同様の櫛形電極からなる反射器22a,22bが形
成されている。
【0015】こうして、入力信号により弾性表面波を励
振する入力電極12とその弾性表面波を受信する出力電
極18からなる2入力3出力の多段型入出力電極構造の
弾性表面波フィルタが構成されている。ここで、入力電
極12の櫛形電極10a,10bの電極指の対数は、そ
れぞれ22対であり、出力電極18の櫛形電極16a,
16b,16cの電極指の対数は、それぞれ30対であ
る。ここで、入力電極12の櫛形電極10a,10bの
電極指の対数と出力電極18の櫛形電極16a,16
b,16cの電極指の対数との比が約0.73に設計さ
れているのは、弾性表面波フィルタの通過帯域幅を確保
するためである。また、各櫛形電極の電極指の周期は
4.8μmである。従って、この入力電極12及び出力
電極18からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波フ
ィルタの中心周波数f0 はf0 =836MHzであり、
その通過帯域幅は25MHzである。
振する入力電極12とその弾性表面波を受信する出力電
極18からなる2入力3出力の多段型入出力電極構造の
弾性表面波フィルタが構成されている。ここで、入力電
極12の櫛形電極10a,10bの電極指の対数は、そ
れぞれ22対であり、出力電極18の櫛形電極16a,
16b,16cの電極指の対数は、それぞれ30対であ
る。ここで、入力電極12の櫛形電極10a,10bの
電極指の対数と出力電極18の櫛形電極16a,16
b,16cの電極指の対数との比が約0.73に設計さ
れているのは、弾性表面波フィルタの通過帯域幅を確保
するためである。また、各櫛形電極の電極指の周期は
4.8μmである。従って、この入力電極12及び出力
電極18からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波フ
ィルタの中心周波数f0 はf0 =836MHzであり、
その通過帯域幅は25MHzである。
【0016】そして櫛形電極24a,24bからなるサ
ブ入力電極26及び櫛形電極28a,28bからなるサ
ブ入力電極30が設置され、それぞれ入力端子14に接
続されている点に本実施例の特徴がある。ここで、サブ
入力電極26の櫛形電極24a,24b及びサブ入力電
極30の櫛形電極28a,28bは、それぞれ入力電極
12及び出力電極18を構成する櫛形電極10a,10
b,16a,16b,16cの配列方向、即ち36°Y
cut−LiTaO3 基板のX方向と直角方向に並列さ
れている。
ブ入力電極26及び櫛形電極28a,28bからなるサ
ブ入力電極30が設置され、それぞれ入力端子14に接
続されている点に本実施例の特徴がある。ここで、サブ
入力電極26の櫛形電極24a,24b及びサブ入力電
極30の櫛形電極28a,28bは、それぞれ入力電極
12及び出力電極18を構成する櫛形電極10a,10
b,16a,16b,16cの配列方向、即ち36°Y
cut−LiTaO3 基板のX方向と直角方向に並列さ
れている。
【0017】また、サブ入力電極26の櫛形電極24
a,24bの電極指の周期は4.6μmであり、従って
このサブ入力電極26の中心周波数f1 はf1 =861
MHzである。また、サブ入力電極30の櫛形電極28
a,28bの電極指の周期は5.0μmであり、従って
このサブ入力電極30の中心周波数f2 はf2 =811
MHzである。
a,24bの電極指の周期は4.6μmであり、従って
このサブ入力電極26の中心周波数f1 はf1 =861
MHzである。また、サブ入力電極30の櫛形電極28
a,28bの電極指の周期は5.0μmであり、従って
このサブ入力電極30の中心周波数f2 はf2 =811
MHzである。
【0018】尚、入力電極12の櫛形電極10a,10
b、出力電極18の櫛形電極16a,16b,16c、
サブ入力電極26の櫛形電極24a,24b、及びサブ
入力電極30の櫛形電極28a,28bは、それぞれ厚
さ170nmのAl−Cuスパッタ膜から形成されてい
る。次に、図1の弾性表面波バンドパスフィルタの通過
特性を、図2に示す模式図を用いて説明する。
b、出力電極18の櫛形電極16a,16b,16c、
サブ入力電極26の櫛形電極24a,24b、及びサブ
入力電極30の櫛形電極28a,28bは、それぞれ厚
さ170nmのAl−Cuスパッタ膜から形成されてい
る。次に、図1の弾性表面波バンドパスフィルタの通過
特性を、図2に示す模式図を用いて説明する。
【0019】本発明者らの実験によれば、サブ入力電極
26、30が存在しない場合の入力電極12の通過特性
は、図2(a)に示されるように、中心周波数f0 =8
36MHzの通過域をもち、その挿入損失は3.5dB
であり、その両側の抑圧領域におけるサイドローブ抑圧
度Yは17dBであった。また、入力電極12及びサブ
入力電極30が存在せず、サブ入力電極26単独の場合
の通過特性は、図2(b)に示されるように、中心周波
数f1 =861MHzとなる。また、入力電極12及び
サブ入力電極26が存在せず、サブ入力電極30単独の
場合の通過特性は、図2(c)に示されるように、中心
周波数f2=811MHzとなる。
26、30が存在しない場合の入力電極12の通過特性
は、図2(a)に示されるように、中心周波数f0 =8
36MHzの通過域をもち、その挿入損失は3.5dB
であり、その両側の抑圧領域におけるサイドローブ抑圧
度Yは17dBであった。また、入力電極12及びサブ
入力電極30が存在せず、サブ入力電極26単独の場合
の通過特性は、図2(b)に示されるように、中心周波
数f1 =861MHzとなる。また、入力電極12及び
サブ入力電極26が存在せず、サブ入力電極30単独の
場合の通過特性は、図2(c)に示されるように、中心
周波数f2=811MHzとなる。
【0020】ここで、図2(b)、(c)の中心周波数
f1 =861MHz及び中心周波数f2 =811MHz
は、図2(a)における通過帯域の両側の抑圧領域にそ
れぞれ位置し、図2(a)の中心周波数f0 =836M
Hzは、図2(b)、(c)における抑圧領域に位置し
ている。続いて、入力電極12と共にサブ入力電極2
6、30が入力端子14に接続されている図1の弾性表
面波バンドパスフィルタの通過特性を求めると、図2
(d)に示されるように、中心周波数f0 =836MH
z、挿入損失3.6dBの通過域をもち、その両側の抑
圧領域におけるサイドローブ抑圧度Yは35dBであっ
た。
f1 =861MHz及び中心周波数f2 =811MHz
は、図2(a)における通過帯域の両側の抑圧領域にそ
れぞれ位置し、図2(a)の中心周波数f0 =836M
Hzは、図2(b)、(c)における抑圧領域に位置し
ている。続いて、入力電極12と共にサブ入力電極2
6、30が入力端子14に接続されている図1の弾性表
面波バンドパスフィルタの通過特性を求めると、図2
(d)に示されるように、中心周波数f0 =836MH
z、挿入損失3.6dBの通過域をもち、その両側の抑
圧領域におけるサイドローブ抑圧度Yは35dBであっ
た。
【0021】即ち、図2(a)のサブ入力電極26、3
0が存在しない場合と比較すると、挿入損失は殆ど変化
がなかったが、サイドローブ抑圧度Yは17dBから3
5dBに大幅に増大した。従って、通過帯域における挿
入損失を増大させることなく、サイドローブ抑圧度Yを
最大75%改善することができた。このことは、以下の
ように説明することができる。即ち、入力端子14に所
定のインパルス電圧信号が入力されたとき、入力信号の
うちf1 =861MHz近傍の周波数をもつものは、入
力電極12においては抑圧領域となるため、その殆どが
サブ入力電極26を通過する。同様に、入力信号のうち
f2 =811MHz近傍の周波数をもつものも、入力電
極12においては抑圧領域となるため、その殆どがサブ
入力電極30を通過する。
0が存在しない場合と比較すると、挿入損失は殆ど変化
がなかったが、サイドローブ抑圧度Yは17dBから3
5dBに大幅に増大した。従って、通過帯域における挿
入損失を増大させることなく、サイドローブ抑圧度Yを
最大75%改善することができた。このことは、以下の
ように説明することができる。即ち、入力端子14に所
定のインパルス電圧信号が入力されたとき、入力信号の
うちf1 =861MHz近傍の周波数をもつものは、入
力電極12においては抑圧領域となるため、その殆どが
サブ入力電極26を通過する。同様に、入力信号のうち
f2 =811MHz近傍の周波数をもつものも、入力電
極12においては抑圧領域となるため、その殆どがサブ
入力電極30を通過する。
【0022】しかし、サブ入力電極26、30に対する
出力電極は設置されていないため、しかもサブ入力電極
26、30から励振された弾性表面波の伝搬方向と出力
電極18の櫛形電極16a,16b,16cの配列方向
とが直交しているため、その信号が出力電極18によっ
て受信されることは殆どない。このため、中心周波数f
0 =836MHz近傍以外の周波数をもつ抑圧領域の信
号が入力電極12を通過することは大幅に減少し、サイ
ドローブ抑圧度Yが増大する。
出力電極は設置されていないため、しかもサブ入力電極
26、30から励振された弾性表面波の伝搬方向と出力
電極18の櫛形電極16a,16b,16cの配列方向
とが直交しているため、その信号が出力電極18によっ
て受信されることは殆どない。このため、中心周波数f
0 =836MHz近傍以外の周波数をもつ抑圧領域の信
号が入力電極12を通過することは大幅に減少し、サイ
ドローブ抑圧度Yが増大する。
【0023】このように第1の実施例によれば、中心周
波数f0 =836MHzの入力電極12及び出力電極1
8からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波フィルタ
において、サブ入力電極26、30が入力電極12に並
列に接続されて設置されており、これらサブ入力電極2
6、30の中心周波数f1 =861MHz及び中心周波
数f2 =811MHzが入力電極12の中心周波数f0
の両側の抑圧領域に位置し、更にサブ入力電極26、3
0からの弾性表面波の伝搬方向が入力電極12から出力
電極18への弾性表面波の伝搬方向と直交していること
により、f1 =861MHz及びf2 =811MHz近
傍の周波数の信号はその殆どがサブ入力電極26、30
を通過し、中心周波数f0 =836MHz近傍以外の周
波数をもつ抑圧領域の信号が入力電極12を通過するこ
とは殆どなくなるため、挿入損失を増大させることな
く、サイドローブ抑圧度Yを大きくすることができる。
波数f0 =836MHzの入力電極12及び出力電極1
8からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波フィルタ
において、サブ入力電極26、30が入力電極12に並
列に接続されて設置されており、これらサブ入力電極2
6、30の中心周波数f1 =861MHz及び中心周波
数f2 =811MHzが入力電極12の中心周波数f0
の両側の抑圧領域に位置し、更にサブ入力電極26、3
0からの弾性表面波の伝搬方向が入力電極12から出力
電極18への弾性表面波の伝搬方向と直交していること
により、f1 =861MHz及びf2 =811MHz近
傍の周波数の信号はその殆どがサブ入力電極26、30
を通過し、中心周波数f0 =836MHz近傍以外の周
波数をもつ抑圧領域の信号が入力電極12を通過するこ
とは殆どなくなるため、挿入損失を増大させることな
く、サイドローブ抑圧度Yを大きくすることができる。
【0024】次に、本発明の第2の実施例による弾性表
面波バンドパスフィルタを、図3に示す平面図を用いて
説明する。尚、上記図1の弾性表面波バンドパスフィル
タと同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略
する。この第2の実施例においては、上記第1の実施例
のサブ入力電極26、30の代わりに、櫛形電極32
a,32bからなるサブ入力電極34及び櫛形電極36
a,36bからなるサブ入力電極38が設置され、入力
端子14に接続されている。
面波バンドパスフィルタを、図3に示す平面図を用いて
説明する。尚、上記図1の弾性表面波バンドパスフィル
タと同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略
する。この第2の実施例においては、上記第1の実施例
のサブ入力電極26、30の代わりに、櫛形電極32
a,32bからなるサブ入力電極34及び櫛形電極36
a,36bからなるサブ入力電極38が設置され、入力
端子14に接続されている。
【0025】そしてサブ入力電極26及びサブ入力電極
30を構成する櫛形電極24a,24b及び櫛形電極2
8a,28bの配列方向と入力電極12及び出力電極1
8を構成する櫛形電極10a,10b,16a,16
b,16cの配列方向とが直交している上記第1の実施
例に対し、サブ入力電極34、38を構成する櫛形電極
32a,32b及び櫛形電極36a,36bが、入力電
極12及び出力電極18を構成する櫛形電極10a,1
0b,16a,16b,16cの配列方向と同一直線上
に並列されている点に特徴がある。即ち、サブ入力電極
34、38からの弾性表面波の伝搬方向と入力電極12
から出力電極18への弾性表面波の伝搬方向とが一致し
ている。
30を構成する櫛形電極24a,24b及び櫛形電極2
8a,28bの配列方向と入力電極12及び出力電極1
8を構成する櫛形電極10a,10b,16a,16
b,16cの配列方向とが直交している上記第1の実施
例に対し、サブ入力電極34、38を構成する櫛形電極
32a,32b及び櫛形電極36a,36bが、入力電
極12及び出力電極18を構成する櫛形電極10a,1
0b,16a,16b,16cの配列方向と同一直線上
に並列されている点に特徴がある。即ち、サブ入力電極
34、38からの弾性表面波の伝搬方向と入力電極12
から出力電極18への弾性表面波の伝搬方向とが一致し
ている。
【0026】ここで、サブ入力電極34の櫛形電極32
a,32bの電極指の周期は櫛形電極24a,24bの
電極指の周期と等しく、またサブ入力電極38の櫛形電
極36a,36bの電極指の周期は櫛形電極28a,2
8bの電極指の周期と等しいため、サブ入力電極34の
中心周波数f1 はサブ入力電極26の中心周波数f1と
同じであり、またサブ入力電極38の中心周波数f2 は
サブ入力電極30の中心周波数f2 と同じである。
a,32bの電極指の周期は櫛形電極24a,24bの
電極指の周期と等しく、またサブ入力電極38の櫛形電
極36a,36bの電極指の周期は櫛形電極28a,2
8bの電極指の周期と等しいため、サブ入力電極34の
中心周波数f1 はサブ入力電極26の中心周波数f1と
同じであり、またサブ入力電極38の中心周波数f2 は
サブ入力電極30の中心周波数f2 と同じである。
【0027】次に、図3の弾性表面波バンドパスフィル
タの通過特性を、図4に示す模式図を用いて説明する。
図4(a)に示すように、サブ入力電極34、38が存
在しない場合の入力電極12の通過特性は、上記図2
(a)と同じであり、中心周波数f0 =836MHz、
挿入損失3.5dB、サイドローブ抑圧度Y=17dB
であった。
タの通過特性を、図4に示す模式図を用いて説明する。
図4(a)に示すように、サブ入力電極34、38が存
在しない場合の入力電極12の通過特性は、上記図2
(a)と同じであり、中心周波数f0 =836MHz、
挿入損失3.5dB、サイドローブ抑圧度Y=17dB
であった。
【0028】これに対して、図3に示すようにサブ入力
電極34、38が入力端子14に接続されている場合に
は、図4(b)に示されるように、中心周波数f0 =8
36MHz、挿入損失3.4dB、サイドローブ抑圧度
Y=25dBであった。即ち、図4(a)に示すサブ入
力電極26、30が存在しない場合と比較すると、上記
第1の実施例の場合と同様に、挿入損失は殆ど変化しな
い状態で、サイドローブ抑圧度Yは17dBから25d
Bに増大した。
電極34、38が入力端子14に接続されている場合に
は、図4(b)に示されるように、中心周波数f0 =8
36MHz、挿入損失3.4dB、サイドローブ抑圧度
Y=25dBであった。即ち、図4(a)に示すサブ入
力電極26、30が存在しない場合と比較すると、上記
第1の実施例の場合と同様に、挿入損失は殆ど変化しな
い状態で、サイドローブ抑圧度Yは17dBから25d
Bに増大した。
【0029】但し、上記図2(d)と比較すると、サイ
ドローブ抑圧度Yの改善度合いは上記第1の実施例の場
合の35dBよりも小さい。これは、サブ入力電極3
4、38を構成する櫛形電極32a,32b及び櫛形電
極36a,36bが出力電極18の櫛形電極16a,1
6b,16cの配列と同一直線上に配列されており、サ
ブ入力電極34、38から励振された弾性表面波の一部
が出力電極18によって受信され、出力側に現れること
によるものである。
ドローブ抑圧度Yの改善度合いは上記第1の実施例の場
合の35dBよりも小さい。これは、サブ入力電極3
4、38を構成する櫛形電極32a,32b及び櫛形電
極36a,36bが出力電極18の櫛形電極16a,1
6b,16cの配列と同一直線上に配列されており、サ
ブ入力電極34、38から励振された弾性表面波の一部
が出力電極18によって受信され、出力側に現れること
によるものである。
【0030】このように第2の実施例によれば、中心周
波数f0 =836MHzの入力電極12及び出力電極1
8からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波フィルタ
において、その中心周波数f0 の両側の抑圧領域に位置
する中心周波数f1 =861MHz及び中心周波数f2
=811MHzをもつサブ入力電極34、38が入力電
極12と並列に接続されていることにより、これらサブ
入力電極34、38からの弾性表面波の伝搬方向が入力
電極12から出力電極18への弾性表面波の伝搬方向と
同一方向であっても、挿入損失を増大させることなく、
サイドローブ抑圧度Yを大きくすることができる。
波数f0 =836MHzの入力電極12及び出力電極1
8からなる多段型入出力電極構造の弾性表面波フィルタ
において、その中心周波数f0 の両側の抑圧領域に位置
する中心周波数f1 =861MHz及び中心周波数f2
=811MHzをもつサブ入力電極34、38が入力電
極12と並列に接続されていることにより、これらサブ
入力電極34、38からの弾性表面波の伝搬方向が入力
電極12から出力電極18への弾性表面波の伝搬方向と
同一方向であっても、挿入損失を増大させることなく、
サイドローブ抑圧度Yを大きくすることができる。
【0031】但し、上記第1及び第2の実施例の比較か
ら、サブ入力電極を配置するレイアウト上の制約がある
場合を除き、サブ入力電極から励振された弾性表面波の
伝搬方向が、入力電極12から出力電極18への伝搬方
向と異なっていることが望ましい。次に、本発明の第3
の実施例による弾性表面波バンドパスフィルタを、図5
に示す平面図を用いて説明する。尚、上記図1の弾性表
面波バンドパスフィルタと同一の構成要素には同一の符
号を付して説明を省略する。
ら、サブ入力電極を配置するレイアウト上の制約がある
場合を除き、サブ入力電極から励振された弾性表面波の
伝搬方向が、入力電極12から出力電極18への伝搬方
向と異なっていることが望ましい。次に、本発明の第3
の実施例による弾性表面波バンドパスフィルタを、図5
に示す平面図を用いて説明する。尚、上記図1の弾性表
面波バンドパスフィルタと同一の構成要素には同一の符
号を付して説明を省略する。
【0032】この第3の実施例は、上記第1の実施例に
おける2つのサブ入力電極26、30の内、一方のサブ
入力電極30が存在せず、中心周波数f1 =861MH
zの通過域をもつサブ入力電極26だけが配置されてい
る点に特徴がある。次に、図5の弾性表面波バンドパス
フィルタの通過特性を、図6に示す模式図を用いて説明
する。
おける2つのサブ入力電極26、30の内、一方のサブ
入力電極30が存在せず、中心周波数f1 =861MH
zの通過域をもつサブ入力電極26だけが配置されてい
る点に特徴がある。次に、図5の弾性表面波バンドパス
フィルタの通過特性を、図6に示す模式図を用いて説明
する。
【0033】図6(a)に示されるように、サブ入力電
極26が存在しない場合の入力電極12の通過特性は、
上記図2(a)と同じであり、中心周波数f0 =836
MHz、挿入損失3.5dB、サイドローブ抑圧度Y=
17dBであった。また、図6(b)に示されるよう
に、入力電極12が存在せず、サブ入力電極26単独の
場合の通過特性は、上記図2(b)と同じであり、中心
周波数f1 =861MHzとなる。
極26が存在しない場合の入力電極12の通過特性は、
上記図2(a)と同じであり、中心周波数f0 =836
MHz、挿入損失3.5dB、サイドローブ抑圧度Y=
17dBであった。また、図6(b)に示されるよう
に、入力電極12が存在せず、サブ入力電極26単独の
場合の通過特性は、上記図2(b)と同じであり、中心
周波数f1 =861MHzとなる。
【0034】これに対して、入力電極12と共にサブ入
力電極26が入力端子14に接続されている図5の弾性
表面波バンドパスフィルタは、図6(c)に示されるよ
うに、中心周波数f0 =836MHz、挿入損失3.3
dBの通過域をもち、その高周波側の抑圧領域における
サイドローブ抑圧度Yは33dBであり、低周波側の抑
圧領域におけるサイドローブ抑圧度Yは16dBであっ
た。
力電極26が入力端子14に接続されている図5の弾性
表面波バンドパスフィルタは、図6(c)に示されるよ
うに、中心周波数f0 =836MHz、挿入損失3.3
dBの通過域をもち、その高周波側の抑圧領域における
サイドローブ抑圧度Yは33dBであり、低周波側の抑
圧領域におけるサイドローブ抑圧度Yは16dBであっ
た。
【0035】即ち、図6(a)に示すサブ入力電極26
が存在しない場合と比較すると、上記第1の実施例の場
合と同様に、挿入損失は殆ど変化しない状態で、通過域
帯の高周波側におけるサイドローブ抑圧度Yは17dB
から33dBに増大したが、低周波側におけるサイドロ
ーブ抑圧度Yは16dBと殆ど変化しなかった。このよ
うに第3の実施例によれば、中心周波数f0 =836M
Hzの入力電極12及び出力電極18からなる多段型入
出力電極構造の弾性表面波フィルタにおいて、中心周波
数f1 =861Mのサブ入力電極26が入力電極12と
並列に接続されていることにより、サブ入力電極26が
存在しない場合における挿入損失を増大させることな
く、高周波側のサイドローブ抑圧度Yを大きくすること
ができる。
が存在しない場合と比較すると、上記第1の実施例の場
合と同様に、挿入損失は殆ど変化しない状態で、通過域
帯の高周波側におけるサイドローブ抑圧度Yは17dB
から33dBに増大したが、低周波側におけるサイドロ
ーブ抑圧度Yは16dBと殆ど変化しなかった。このよ
うに第3の実施例によれば、中心周波数f0 =836M
Hzの入力電極12及び出力電極18からなる多段型入
出力電極構造の弾性表面波フィルタにおいて、中心周波
数f1 =861Mのサブ入力電極26が入力電極12と
並列に接続されていることにより、サブ入力電極26が
存在しない場合における挿入損失を増大させることな
く、高周波側のサイドローブ抑圧度Yを大きくすること
ができる。
【0036】次に、本発明の第4の実施例による弾性表
面波バンドパスフィルタを、図7に示す平面図を用いて
説明する。尚、上記図1の弾性表面波バンドパスフィル
タと同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略
する。この第4の実施例は、上記第1の実施例における
2つのサブ入力電極26、30の内、一方のサブ入力電
極26が存在せず、中心周波数f2 =811MHzの通
過域をもつサブ入力電極30だけが配置されている点に
特徴がある。
面波バンドパスフィルタを、図7に示す平面図を用いて
説明する。尚、上記図1の弾性表面波バンドパスフィル
タと同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略
する。この第4の実施例は、上記第1の実施例における
2つのサブ入力電極26、30の内、一方のサブ入力電
極26が存在せず、中心周波数f2 =811MHzの通
過域をもつサブ入力電極30だけが配置されている点に
特徴がある。
【0037】次に、図7の弾性表面波バンドパスフィル
タの通過特性を、図8に示す模式図を用いて説明する。
図8(a)に示されるように、サブ入力電極26が存在
しない場合の入力電極12の通過特性は、上記図2
(a)と同じく中心周波数f0 =836MHz、挿入損
失3.5dB、サイドローブ抑圧度Y=17dBであっ
た。また、図8(b)に示されるように、入力電極12
が存在せず、サブ入力電極30単独の場合の通過特性
は、上記図2(c)と同じく中心周波数f2 =811M
Hzとなる。
タの通過特性を、図8に示す模式図を用いて説明する。
図8(a)に示されるように、サブ入力電極26が存在
しない場合の入力電極12の通過特性は、上記図2
(a)と同じく中心周波数f0 =836MHz、挿入損
失3.5dB、サイドローブ抑圧度Y=17dBであっ
た。また、図8(b)に示されるように、入力電極12
が存在せず、サブ入力電極30単独の場合の通過特性
は、上記図2(c)と同じく中心周波数f2 =811M
Hzとなる。
【0038】これに対して、入力電極12と共にサブ入
力電極30が入力端子14に接続されている図7の弾性
表面波バンドパスフィルタは、図8(c)に示されるよ
うに、中心周波数f0 =836MHz、挿入損失3.7
dBの通過域をもち、その低周波側の抑圧領域における
サイドローブ抑圧度Yは30dBであり、高周波側の抑
圧領域におけるサイドローブ抑圧度Yは18dBであっ
た。
力電極30が入力端子14に接続されている図7の弾性
表面波バンドパスフィルタは、図8(c)に示されるよ
うに、中心周波数f0 =836MHz、挿入損失3.7
dBの通過域をもち、その低周波側の抑圧領域における
サイドローブ抑圧度Yは30dBであり、高周波側の抑
圧領域におけるサイドローブ抑圧度Yは18dBであっ
た。
【0039】即ち、図8(a)に示すサブ入力電極30
が存在しない場合と比較すると、上記第1の実施例の場
合と同様に、挿入損失は殆ど変化しない状態で、通過域
帯の低周波側におけるサイドローブ抑圧度Yは17dB
から30dBに増大したが、高周波側におけるサイドロ
ーブ抑圧度Yは18dBと殆ど変化しなかった。このよ
うに第4の実施例によれば、中心周波数f0 =836M
Hzの入力電極12及び出力電極18からなる多段型入
出力電極構造の弾性表面波フィルタにおいて、中心周波
数f2 =811Mのサブ入力電極30が入力電極12と
並列に接続されていることにより、サブ入力電極30が
存在しない場合における挿入損失を増大させることな
く、低周波側のサイドローブ抑圧度Yを大きくすること
ができる。
が存在しない場合と比較すると、上記第1の実施例の場
合と同様に、挿入損失は殆ど変化しない状態で、通過域
帯の低周波側におけるサイドローブ抑圧度Yは17dB
から30dBに増大したが、高周波側におけるサイドロ
ーブ抑圧度Yは18dBと殆ど変化しなかった。このよ
うに第4の実施例によれば、中心周波数f0 =836M
Hzの入力電極12及び出力電極18からなる多段型入
出力電極構造の弾性表面波フィルタにおいて、中心周波
数f2 =811Mのサブ入力電極30が入力電極12と
並列に接続されていることにより、サブ入力電極30が
存在しない場合における挿入損失を増大させることな
く、低周波側のサイドローブ抑圧度Yを大きくすること
ができる。
【0040】尚、送信周波数と受信周波数とが異なる自
動車電話・携帯電話等に使用するフィルタの場合、必ず
しも通過域の両側のサイドローブ抑圧度Yを増大する必
要はなく、互いに相手の通過域が存在する側のサイドロ
ーブ抑圧度Yさえ増大すればよい。従って、このような
場合には、上記第1の実施例のように通過域の両側のサ
イドローブ抑圧度Yを増大させる弾性表面波フィルタを
用いてもよいが、高周波側のサイドローブ抑圧度Yのみ
を増大させる第3の実施例と低周波側のサイドローブ抑
圧度Yのみを増大させる第4の実施例とを組み合わせる
ことにより、より低コストの弾性表面波フィルタを提供
することができる。
動車電話・携帯電話等に使用するフィルタの場合、必ず
しも通過域の両側のサイドローブ抑圧度Yを増大する必
要はなく、互いに相手の通過域が存在する側のサイドロ
ーブ抑圧度Yさえ増大すればよい。従って、このような
場合には、上記第1の実施例のように通過域の両側のサ
イドローブ抑圧度Yを増大させる弾性表面波フィルタを
用いてもよいが、高周波側のサイドローブ抑圧度Yのみ
を増大させる第3の実施例と低周波側のサイドローブ抑
圧度Yのみを増大させる第4の実施例とを組み合わせる
ことにより、より低コストの弾性表面波フィルタを提供
することができる。
【0041】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、圧電基板
上に設置され、所定の中心周波数をもつ弾性表面波を励
振し、受信する櫛形電極からなる入力電極及び出力電極
を有する弾性表面波素子において、入力電極の中心周波
数と異なる中心周波数をもつ弾性表面波を励振する櫛形
電極からなるサブ入力電極が入力電極に並列に接続され
て設置されていることにより、入力信号のうちサブ入力
電極の中心周波数近傍のものは、殆どサブ入力電極を通
過し、入力電極を通過しなくなる。
上に設置され、所定の中心周波数をもつ弾性表面波を励
振し、受信する櫛形電極からなる入力電極及び出力電極
を有する弾性表面波素子において、入力電極の中心周波
数と異なる中心周波数をもつ弾性表面波を励振する櫛形
電極からなるサブ入力電極が入力電極に並列に接続され
て設置されていることにより、入力信号のうちサブ入力
電極の中心周波数近傍のものは、殆どサブ入力電極を通
過し、入力電極を通過しなくなる。
【0042】このため、サブ入力電極を通過した信号が
出力側に現れることは殆どなくなり、入力電極の通過域
の挿入損失を増大させることなく、そのサイドローブ抑
圧度を増大することができる。従って、弾性表面波素子
のバンドパスフィルタとしての性能を向上させることが
可能となる。
出力側に現れることは殆どなくなり、入力電極の通過域
の挿入損失を増大させることなく、そのサイドローブ抑
圧度を増大することができる。従って、弾性表面波素子
のバンドパスフィルタとしての性能を向上させることが
可能となる。
【図1】本発明の第1の実施例による弾性表面波バンド
パスフィルタを示す平面図である。
パスフィルタを示す平面図である。
【図2】図1の弾性表面波バンドパスフィルタの通過特
性を説明するための模式図である。
性を説明するための模式図である。
【図3】本発明の第2の実施例による弾性表面波バンド
パスフィルタを示す平面図である。
パスフィルタを示す平面図である。
【図4】図2の弾性表面波バンドパスフィルタの通過特
性を説明するための模式図である。
性を説明するための模式図である。
【図5】本発明の第3の実施例による弾性表面波バンド
パスフィルタを示す平面図である。
パスフィルタを示す平面図である。
【図6】図5の弾性表面波バンドパスフィルタの通過特
性を説明するための模式図である。
性を説明するための模式図である。
【図7】本発明の第4の実施例による弾性表面波バンド
パスフィルタを示す平面図である。
パスフィルタを示す平面図である。
【図8】図7の弾性表面波バンドパスフィルタの通過特
性を説明するための模式図である。
性を説明するための模式図である。
【図9】従来の弾性表面波バンドパスフィルタを示す平
面図である。
面図である。
10a,10b:櫛形電極 12:入力電極 14:入力端子 16a,16b,16c:櫛形電極 18:出力電極 20:出力端子 22a,22b:反射器 24a,24b,28a,28b:櫛形電極 26,30:サブ入力電極 32a,32b,36a,36b:櫛形電極 34,38:サブ入力電極 50a,50b,…,50f:櫛形電極 52:入力端子 54:入力電極 56a,56b,…,56e:櫛形電極 58:出力端子 60:出力電極 62a,62b:反射器
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/64 H03H 9/72
Claims (2)
- 【請求項1】 圧電基板と、前記圧電基板上に設置さ
れ、入力信号によって所定の中心周波数をもつ弾性表面
波を励振する櫛形電極からなる入力電極と、前記入力電
極からの弾性表面波の伝搬路に配置され、前記入力電極
からの弾性表面波を受信する櫛形電極からなる出力電極
とを有する弾性表面波素子において、 前記入力電極の中心周波数よりも高い抑圧領域の周波数
を中心周波数とする第1のサブ入力電極と、前記入力電
極の中心周波数よりも低い抑圧領域の周波数を中心周波
数とする第2のサブ入力電極とを有し、前記第1のサブ
入力電極及び前記第2のサブ入力電極が、それぞれ前記
入力電極に並列に接続されて設置されていることを特徴
とする弾性表面波素子。 - 【請求項2】 請求項1記載の弾性表面波素子におい
て、前記第1のサブ入力電極及び前記第2のサブ入力電極か
らの 弾性表面波の伝搬方向がそれぞれ、前記入力電極か
ら前記出力電極への弾性表面波の伝搬方向と異なってい
ることを特徴とする弾性表面波素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14785893A JP3224455B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 弾性表面波素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14785893A JP3224455B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 弾性表面波素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH077371A JPH077371A (ja) | 1995-01-10 |
JP3224455B2 true JP3224455B2 (ja) | 2001-10-29 |
Family
ID=15439850
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14785893A Expired - Fee Related JP3224455B2 (ja) | 1993-06-18 | 1993-06-18 | 弾性表面波素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3224455B2 (ja) |
-
1993
- 1993-06-18 JP JP14785893A patent/JP3224455B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH077371A (ja) | 1995-01-10 |
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