JP2000091869A - 弾性表面波フィルタとこれを用いた通信機器 - Google Patents

弾性表面波フィルタとこれを用いた通信機器

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賢 松波
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和紀 西村
Tsutomu Igaki
努 井垣
Shigeru Tsuzuki
茂 都築
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低挿入損失、かつ優れた通過帯域内特性を持
つ弾性表面波フィルタとこれを用いた通信機器を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 圧電基板11の上に、入力IDT電極1
6、出力IDT電極17を有し、入、出力IDT電極1
6,17はそれぞれ互いに交差する櫛電極対12a,1
2bおよび13a,13bとこれらを接続する引き出し
電極14a,14bおよび15a,15より構成されて
いる。また、櫛電極対12a,12b,13a,13b
は、交差部において異なった線幅を有する二本の櫛電極
で構成されている。櫛電極対12a,12b,13a,
13bの線幅の細い櫛電極の線幅をL1、線幅の太い櫛
電極の線幅をL2、その線幅比率をL2/L1としたと
き、線幅比率を1.0より大きくしたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無線通信機器の高周
波回路などに使用される弾性表面波フィルタの低挿入損
失化、高性能化に関するものであり、特に一方向性電極
を利用したトランスバーサル型の弾性表面波フィルタと
これを用いた通信機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】CDMA用のIFフィルタのように比較
的広帯域でかつ通過帯域内の位相特性の平坦性が重要な
場合は、トランスバーサル型の弾性表面波フィルタが使
用されている。一方でよく知られているようにトランス
バーサル型の弾性表面波フィルタは、挿入損失が大きい
ので一方向性電極を利用したトランスバーサル型の弾性
表面波フィルタが期待され、検討されている。
【0003】以下、従来の一方向性電極を利用したトラ
ンスバーサル型の弾性表面波フィルタについて説明す
る。
【0004】図22(a)は従来の一方向性電極を利用
したトランスバーサル型の弾性表面波フィルタのインタ
ーディジタルトランスデューサ電極(以下IDT電極と
する)の上面図であり、図22(b)に図22(a)の
黒枠で囲んだ部分の拡大図を示す。
【0005】図22に示すタイプの一方向性電極はEW
C−SPUDT(Electrode With Controlled Single P
hase Unidirectional Transducer)と呼ばれるものの一
つであり、基本的な構成として波長λの1/4幅のλ/
4幅櫛電極100aを一本と波長λの1/8幅のλ/8
幅櫛電極100b二本による合計三本の櫛電極100
a,100bによる基本単位が一波長内に構成されてい
る。EWC−SPUDTは弾性表面波の励起中心に対し
て反射器による反射中心が非対称な関係にあることから
伝搬方向性が生じる。図22に示した構成では、膜厚や
櫛電極100a,100bの対数の設定により比較的強
い方向性が得られ図22の櫛電極配置のIDT電極では
図面右方向に向かって方向性が付くことになる。
【0006】また、図21に示すような通信機器の送受
信回路において、ミキサー83の出力側に上記構成を有
する弾性表面波フィルタを用いていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記構成によると十分
な方向性は得られるものの、一方で弾性表面波の励起効
率が悪いため挿入損失が思いのほか良くならないという
問題を有していた。
【0008】そこで本発明は、さらに低挿入損失でかつ
優れた通過帯域内特性を持つ弾性表面波フィルタとこれ
を用いた通信機器を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の弾性表面波フィルタは、圧電基板と、この圧
電基板上に設けた一波長内に四本の櫛電極を有する少な
くとも二つのIDT電極とを備え、少なくとも一つのI
DT電極において、互いに交差するとともに異なった線
幅の櫛電極対を少なくとも一対有し、細い櫛電極の線幅
(L1)と太い櫛電極の線幅(L2)の線幅比率(L2
/L1)を1より大きくしたものであり、従来技術に示
した一方向性電極と同様にEWC−SPUDTの一種と
考えることができ、弾性表面波の伝搬方向性が生じる原
理は同じであり、上記目標を達成することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、圧電基板と、この圧電基板上に設けた一波長内に四
本の櫛電極を有する少なくとも二つのIDT電極とを備
え、少なくとも一つのIDT電極において、互いに交差
するとともに異なった線幅の櫛電極対を少なくとも一つ
有し、細い櫛電極の線幅(L1)と太い櫛電極の線幅
(L2)の線幅比率(L2/L1)を1より大きくした
弾性表面波フィルタであり、十分な一方向性を有すると
ともに弾性表面波の励振効率に優れた低挿入損失のもの
である。
【0011】請求項2に記載の発明は、全ての櫛電極対
が線幅の異なる櫛電極で構成される場合(数3)を満た
す構成とした請求項1に記載の弾性表面波フィルタであ
り、通過帯域内のリップルが小さく、通過帯域外減衰量
の大きなものである。
【0012】
【数3】
【0013】請求項3に記載の発明は、異なる線幅の櫛
電極対と同じ線幅の櫛電極対が混在する場合、異なる線
幅の櫛電極対において(数4)を満たす構成とした請求
項1に記載の弾性表面波フィルタであり、通過帯域内の
リップルが小さく、通過帯域外減衰量の大きなものであ
る。
【0014】
【数4】
【0015】請求項4に記載の発明は、一つのIDT電
極において異なった線幅の櫛電極対を少なくとも二対有
し、これらを逆方向に配置した請求項1から請求項3の
いずれか一つに記載の弾性表面波フィルタであり、弾性
表面波の一方向性を制御することができ、不十分な方向
性あるいは過度の方向性等による通過帯域内のリップル
を制御し、より優れたフィルタ特性を得られるものであ
る。
【0016】請求項5に記載の発明は、IDT電極の
内、入力用IDT電極と出力用IDT電極とは線幅比率
が異なる構成とした請求項1から請求項4のいずれか一
つに記載の弾性表面波フィルタであり、弾性表面波の一
方向性を制御することができ、不十分な方向性あるいは
過度の方向性等による通過帯域内のリップルを制御し、
より優れたフィルタ特性を得られるものである。
【0017】請求項6に記載の発明は、入力IDT電極
と出力IDT電極とは櫛電極の中心間距離が異なる構成
とした請求項5に記載の弾性表面波フィルタであり、弾
性表面波の一方向性を制御することができ、不十分な方
向性あるいは過度の方向性等による通過帯域内のリップ
ルを制御し、より優れたフィルタ特性を得られるもので
ある。
【0018】請求項7に記載の発明は、入力IDT電極
あるいは出力IDT電極の少なくとも一方において櫛電
極の中心間距離が二種類以上存在する構成とした請求項
6に記載の弾性表面波フィルタであり、弾性表面波の一
方向性を制御することができ、不十分な方向性あるいは
過度の方向性等による通過帯域内のリップルを制御し、
より優れたフィルタ特性を得られるものである。
【0019】請求項8に記載の発明は、櫛電極のメタラ
イゼーションレシオが0.45〜0.65である請求項
1から請求項7のいずれか一つに記載の弾性表面波フィ
ルタであり、弾性表面波の一方向性を制御することがで
き、不十分な方向性あるいは過度の方向性等による通過
帯域内のリップルを制御し、より優れたフィルタ特性を
得られるものである。
【0020】請求項9に記載の発明は、櫛電極の主成分
はアルミニウムを主成分とする金属であり、かつ櫛電極
膜厚hと弾性表面波の波長λとの膜厚比率(h/λ)が
0.005〜0.035である請求項1から請求項8の
いずれか一つに記載の弾性表面波フィルタであり、弾性
表面波の一方向性を制御することができ、不十分な方向
性あるいは過度の方向性等による通過帯域内のリップル
を制御し、より優れたフィルタ特性を得られるものであ
る。
【0021】請求項10に記載の発明は、圧電基板は2
8°〜42°回転Yカットの水晶基板である請求項1か
ら請求項9のいずれか一つに記載の弾性表面波フィルタ
であり、要求される使用温度範囲で最適な温度特性を有
する弾性表面波フィルタが得られる。
【0022】請求項11に記載の発明は、ミキサーと、
このミキサーの出力側にその入力側を接続した請求項1
から請求項10のいずれか一つに記載の弾性表面波フィ
ルタと、この弾性表面波フィルタの出力側にその入力側
を接続したアンプとを備えた通信機器であり、アンプの
素子因数の低減あるいはアンプでの消費電力の低減が可
能となる等、性能、コストに優れたものである。
【0023】以下本発明の実施の形態について図面を参
照しながら説明する。
【0024】(実施の形態1)図1は本発明による弾性
表面波フィルタの上面図であり、圧電基板11の上に入
力IDT電極16、出力IDT電極17を有し、入、出
力IDT電極16,17はそれぞれ互いに交差する櫛電
極対12a,12bおよび13a,13bとこれらを接
続する引き出し電極14a,14bおよび15a,15
bにより構成されている。また、櫛電極対12a,12
b,13a,13bは、交差部において異なった線幅を
有する二本の櫛電極で構成されている。さらに入、出力
IDT電極16,17はアルミニウムあるいはアルミニ
ウム合金を用いて形成されたものである。
【0025】このようにして構成された弾性表面波フィ
ルタの櫛電極対12a,12b,13a,13bの線幅
の関係を詳細に示したのが図2(a),(b)であり、
図2(b)は図2(a)において点線で囲んだ部分の拡
大図である。
【0026】図2において線幅の細い櫛電極の線幅をL
1、線幅の太い櫛電極の線幅をL2、その線幅比率をL
2/L1としたとき、線幅比率と弾性表面波フィルタの
挿入損失の関係を調べた結果が図3に示すグラフであ
る。この実験は圧電基板11として、28°〜42°回
転Yカットの水晶基板を用い、簡単にするため入、出力
IDT電極16,17は同じ構成で図1に示すように伝
搬方向が互いに向き合うように配置し、また櫛電極対1
2a,12b,13a,13bはそれぞれ25対とし、
25対の線幅比率は同じものを用いた。
【0027】我々の実験において櫛電極対12a,12
b,13a,13bの電極膜厚に関わらず、弾性表面波
の伝搬方向性は、線幅比率が3付近で最も大きくなるこ
とが確認された。しかしながら、弾性表面波フィルタの
挿入損失は、全く意外なことに線幅比率が3より大きい
ところで最も小さいことが図3よりわかる。
【0028】線幅比率はかなり大きな値でも挿入損失の
増加は大きくないが、大きすぎると、櫛電極対12a,
12b,13a,13bにおいて細い方の櫛電極の幅が
非常に小さくなり、製造工程上の課題が生じ量産に適し
ていない。例えば中心周波数が111.9MHzで、線
幅比率が7、メタライゼーションレシオ[半波長内の
入、出力IDT電極16,17の櫛電極対12a,12
b,13a,13bの電極指幅の総和/伝搬する弾性表
面波の半波長:(L1+L2)/(2/λ)]が0.5
の時、櫛電極対12a,12b,13a,13bの細い
方の櫛電極の幅は0.88μmという小さな値になるの
である。
【0029】従って弾性表面波の一方向性を制御し、不
十分な方向性あるいは逆に過度の方向性等による通過帯
域内群遅延偏差のリップルを制御し、より優れたフィル
タ特性を得るためには、線幅比率を1.0より大きく、
好ましくは3.0以上5.0未満の範囲にすることが必
要である。参考までに付け加えると線幅比率が1のとき
は従来から一般的に用いられているλ/8電極幅の双方
向電極となり、これと比較すると本発明の構成による低
挿入損失化の効果が図3によりはっきり確認できる。
【0030】また、本発明においてはメタライゼーショ
ンレシオも弾性表面波フィルタの挿入損失に大きくかか
わるファクターであり、図4にメタライゼーションレシ
オと挿入損失との関係を示す。櫛電極対12a,12
b,13a,13bの電極膜厚により若干異なるが、挿
入損失を小さくするためには、メタライゼーションレシ
オは0.4〜0.7、好ましくは0.5〜0.6とすれ
ばよいことがわかる。
【0031】更に、入、出力IDT電極16,17は、
アルミニウムを主成分とする金属で形成したものである
が、入、出力IDT電極16,17を構成する櫛電極の
膜厚hと弾性表面波の波長λとの膜厚比率(h/λ)を
0.005〜0.035とすることが望ましい。
【0032】以上本実施の形態のような構成にすること
によって一方向性を制御し、低挿入損失でかつ通過帯域
内特性の良い弾性表面波フィルタを得ることができる。
【0033】(実施の形態2)図5は本実施の形態2に
おける弾性表面波フィルタの上面図、図6は図5の要部
拡大上面図であり、圧電基板21の上に入力IDT電極
26、出力IDT電極27を有し、入、出力IDT電極
26,27はそれぞれ互いに交差する櫛電極対22a,
22bおよび23a,23bとこれらを接続する引き出
し電極24a,24bおよび25a,25bより構成さ
れている。また、櫛電極対22a,22b,23a,2
3bは、異なった線幅を有する二本の櫛電極でそれぞれ
構成されている。
【0034】さらに入、出力IDT電極26,27はア
ルミニウムあるいはアルミニウム合金を用いて形成され
たものである。
【0035】図6を見るとわかるように、入力IDT電
極26において、引き出し電極24bに接続される一対
の櫛電極対22bの細い櫛電極と線幅の太い櫛電極の線
幅間の距離をγ、櫛電極対22bの細い櫛電極と交差す
る引き出し電極24aに接続される櫛電極対22aの太
い櫛電極との距離の1/2をα、櫛電極対22bの太い
櫛電極と交差する引き出し電極24aに接続される櫛電
極対22aの細い櫛電極との距離の1/2をβとする
と、γ>α+βとなっている。
【0036】また、実施の形態1と同様に、線幅比率を
1.0より大きく、好ましくは3.0以上5.0未満の
範囲にすることが必要である。
【0037】さらに、メタライゼーションレシオも0.
4〜0.7、好ましくは0.5〜0.6とすればよい。
【0038】さらにまた、入、出力IDT電極26,2
7は、アルミニウムを主成分とする金属で形成したもの
であるが、入、出力IDT電極26,27を構成する櫛
電極の膜厚hと弾性表面波の波長λとの膜厚比率(h/
λ)を0.005〜0.035とすることが望ましい。
【0039】図7(a)は、線幅の異なる櫛電極対10
0対からなる正規型電極で、膜厚比率0.015、線幅
比率3、α=β=0.41、γ=2の時の弾性表面波フ
ィルタの方向性が強い方の電機−機械変換特性を図7
(b)は同じく方向性が弱い方の電機−機械変換特性を
示したものである。また参考のために図8(a)に、線
幅比率の異なる櫛電極100対からなる正規型電極で、
膜厚比率0.015、線幅比率3、α=β=1、γ=2
の時の弾性表面波フィルタの方向性が強い方の電機−機
械変換特性を、図8(b)に同じく方向性が弱い方の電
機−機械変換特性を示す。
【0040】図7と図8を比較するとわかるように、本
実施の形態の方が対称性に優れているので、さらに通過
帯域内偏差を小さく、通過帯域外減衰量を大きくするこ
とができる。
【0041】また、参考のために図9に圧電基板21と
して28°〜42°回転Yカットの水晶基板を用い、中
心周波数が110MHzで、櫛電極対が100対の場合
の膜厚比率0.005,0.010,0.015,0.
020,0.030のそれぞれにおける、α+β(<
γ)の最適値を示す。
【0042】(実施の形態3)図10は本実施の形態3
における弾性表面波フィルタの上面図であり、図11は
同要部拡大上面図であり、圧電基板31の上に入力ID
T電極36、出力IDT電極37を有し、入、出力ID
T電極36,37はそれぞれ互いに交差する櫛電極対3
2a,32bおよび33a,33bとこれらを接続する
引き出し電極34a,34bおよび35a,35bより
構成されている。また、櫛電極対32a,32b,33
a,33bは、それぞれ異なった線幅を有する二本の櫛
電極で構成されているものと、同じ線幅を有する二本の
櫛電極で構成されているものとが混在している。
【0043】さらに入、出力IDT電極36,37はア
ルミニウムあるいはアルミニウム合金を用いて形成され
たものである。
【0044】このようにして構成された弾性表面波フィ
ルタの櫛電極対32a,32b,33a,33bの線幅
の関係を詳細に示したのが図11である。
【0045】図11を見るとわかるように、入力IDT
電極36において引き出し電極34aに接続される一対
の櫛電極対32aの細い櫛電極と線幅の太い櫛電極の線
幅間の距離をγ、櫛電極対32aの細い櫛電極と交差す
る引き出し電極34bに接続される櫛電極対32bの櫛
電極との距離の1/2をα、櫛電極対32aの太い櫛電
極と交差する引き出し電極34bに接続される櫛電極対
32bの櫛電極との距離の1/2をβとすると、γ>α
+βとなっている。さらにα<βとなっている。
【0046】本実施の形態3においても、実施の形態1
と同様に線幅比率を1.0より大きく、好ましくは3.
0以上5.0未満の範囲にすることが必要である。
【0047】さらに、メタライゼーションレシオも0.
4〜0.7、好ましくは0.5〜0.6とすればよい。
【0048】さらにまた、入、出力IDT電極36,3
7は、アルミニウムを主成分とする金属で形成したもの
であるが、入、出力IDT電極36,37を構成する櫛
電極の膜厚hと弾性表面波の波長λとの膜厚比率(h/
λ)を0.005〜0.035とすることが望ましい。
【0049】図12(a)は線幅の異なる櫛電極対50
対と同じ線幅の櫛電極40対からなり、膜厚比率0.0
15、線幅比率3、α=0.15、β=0.67、γ=
2の時の弾性表面波フィルタの方向性が強い方の電機−
機械変換特性を、図12(b)は同じく方向性が弱い方
の電機−機械変換特性を示す。
【0050】また、図13(a)は線幅の異なる櫛電極
対50対と同じ線幅の櫛電極対40対からなり、膜厚比
率0.015、線幅比率3、α=β=0.41、γ=2
の時の弾性表面波フィルタの方向性が強い方の電機−機
械変換特性を、図13(b)は同じく方向性が弱い方の
電機−機械変換特性を示したものである。
【0051】図12、図13を比較するとわかるよう
に、線幅の異なる櫛電極対と同じ線幅の櫛電極対が混在
する場合は、α<βとする方がより対称性に優れること
となり、通過帯域内偏差を小さく、通過帯域外減衰量を
大きくすることができる。
【0052】また、参考のために図14、図15に圧電
基板31として28°〜42°回転Yカットの水晶基板
を用い、中心周波数が110MHzで線幅の異なる櫛電
極対50対、同じ線幅の櫛電極対40対からなる正規型
電極の場合の膜厚比率0.005,0.010,0.0
15,0.020,0.030のそれぞれの場合につい
て、α,βの最適値を示す。この場合、α<β,α+β
<γの関係は成り立つようにする。
【0053】(実施の形態4)図16は本実施の形態4
における弾性表面波フィルタの上面図であり、圧電基板
51上に櫛電極対52a,52b,53a,53b,5
4a,54b,55a,55b及び引き出し電極56
a,56b,57a,57bよりなる入、出力IDT電
極58,59を形成している。アルミニウムあるいはア
ルミニウム合金を主成分とする入、出力IDT電極5
8,59の内部の櫛電極対52a,52b,53a,5
3bは、異なった線幅の櫛電極で形成し、入、出力ID
T電極58,59の両端部側の櫛電極対54a,54
b,55a,55bは同じ線幅の櫛電極で形成したもの
である。
【0054】このように入力IDT電極58と出力ID
T電極59を異なる線幅比率を有する櫛電極対で形成す
ることにより、一方向性を制御し低挿入損失でかつ通過
帯域内特性の良いトランスバーサル型弾性表面波フィル
タを得ることができる。
【0055】(実施の形態5)図17は本発明における
CDMA用IFフィルタの特性を示す図である。挿入損
失は中心周波数において8.17dBである。また比較
のために従来のEWC−SPUDTによるCDMA用I
Fフィルタの特性を図18に示す。挿入損失は中心周波
数において13.23dBである。従来のものと比べ本
発明のCDMA用IFフィルタは挿入損失を5dB程度
小さくすることができ挿入損失の低減に対して大きな効
果があることがわかる。
【0056】(実施の形態6)図19は線幅比率が3
で、一方向性を制御した弾性表面波フィルタの特性を示
す図である。通過帯域内リップルは約0.3dBと低挿
入損失で通過帯域内特性に優れたものであることがわか
る。また比較のため、線幅比率が3で一方向性を制御し
ていない弾性表面波フィルタの特性を図20に示す。通
過帯域内リップルは1.0dBである。一方向性を制御
したものは、制御しないものに比べて通過帯域内リップ
ルを約0.7dB小さくすることができ、通過帯域内特
性に対して大きな効果を有することがわかる。
【0057】(実施の形態7)図21は本発明の弾性表
面波フィルタを用いた通信機器の送受信回路図である。
【0058】本発明の弾性表面波フィルタは、送、受信
IFバンドパスフィルタとして利用できるが、特に受信
回路のIFバンドパスフィルタとして利用されることが
多いので、受信回路について説明する。
【0059】図21に示された受信回路はスーパーへテ
ロダイン回路であり、アンテナ80で受信された受信波
は、アンテナ共用器86で分岐され、LNA81、RF
バンドパスフィルタ82を通過後、ミキサー83にて中
間周波数へ変換される。本発明の弾性表面波フィルタ8
4はミキサー83の出力側に接続し、中間周波数を通過
させるIFバンドパスフィルタとして使用される。本発
明の弾性表面波フィルタ84を使用することで、IFア
ンプ85の素子因数を減らすあるいはIFアンプ85で
の消費電力を小さく抑えることができ、コスト、性能面
で優れた通信機器を得ることができる。
【0060】この弾性表面波フィルタ84は、入、出力
端子の少なくとも一方を平衡型とすることにより、通過
帯域外減衰量を安定して得られる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明は、低挿入損失で優
れた通過帯域内特性を持つ弾性表面波フィルタが提供で
きることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における弾性表面波フィ
ルタの上面図
【図2】(a)図1に示す弾性表面波フィルタの入力I
DTの上面図 (b)図2(a)の一部拡大上面図
【図3】図1に示す弾性表面波フィルタの線幅比率と挿
入損失の関係を示す特性曲線図
【図4】図1に示す弾性表面波フィルタのメタライゼー
ションレシオと挿入損失の関係を示す特性曲線図
【図5】本発明の実施の形態2における弾性表面波フィ
ルタの上面図
【図6】図5の要部拡大上面図
【図7】(a)本発明の実施の形態2における弾性表面
波フィルタの方向性が強い方の電機−機械変換特性図 (b)本発明の実施の形態2における弾性表面波フィル
タの方向性が弱い方の電機−機械変換特性図
【図8】(a)比較例の弾性表面波フィルタの方向性が
強い方の電機−機械変換特性図 (b)比較例の弾性表面波フィルタの方向性が弱い方の
電機−機械変換特性図
【図9】本発明の実施の形態2における線幅比率とα+
βの関係図
【図10】本発明の実施の形態3における弾性表面波フ
ィルタの上面図
【図11】図10の要部拡大上面図
【図12】(a)本発明の実施の形態3における弾性表
面波フィルタの方向性が強い方の電機−機械変換特性図 (b)本発明の実施の形態3における弾性表面波フィル
タの方向性が弱い方の電機−機械変換特性図
【図13】(a)比較例の弾性表面波フィルタの方向性
が強い方の電機−機械変換特性図 (b)比較例の弾性表面波フィルタの方向性が弱い方の
電機−機械変換特性図
【図14】本発明の実施の形態3における線幅比率とα
の関係図
【図15】本発明の実施の形態3における線幅比率とβ
の関係図
【図16】本発明の実施の形態4に示す弾性表面波フィ
ルタの上面図
【図17】本発明の一実施の形態におけるCDMA用I
Fフィルタとなる弾性表面波フィルタの特性曲線図
【図18】従来のCDMA用IFフィルタとなる弾性表
面波フィルタの特性曲線図
【図19】本発明の実施の形態6におけるCDMA用I
Fフィルタとなる弾性表面波フィルタの特性曲線図
【図20】本発明の一実施の形態における一方向性を制
御していないCDMA用IFフィルタとなる弾性表面波
フィルタの特性曲線図
【図21】一般的な通信機器の送受信回路図
【図22】(a)従来の弾性表面波フィルタのIDT電
極の上面図 (b)(a)において黒丸で囲んだ部分の拡大上面図
【符号の説明】
11 圧電基板 12a 櫛電極対 12b 櫛電極対 13a 櫛電極対 13b 櫛電極対 14a 引き出し電極 14b 引き出し電極 15a 引き出し電極 15b 引き出し電極 16 入力IDT電極 17 出力IDT電極 21 圧電基板 22a 櫛電極対 22b 櫛電極対 23a 櫛電極対 23b 櫛電極対 24a 引き出し電極 24b 引き出し電極 25a 引き出し電極 25b 引き出し電極 26 入力IDT電極 27 出力IDT電極 31 圧電基板 32a 櫛電極対 32b 櫛電極対 33a 櫛電極対 33b 櫛電極対 34a 引き出し電極 34b 引き出し電極 35a 引き出し電極 35b 引き出し電極 36 入力IDT電極 37 出力IDT電極 51 圧電基板 52a 櫛電極対 52b 櫛電極対 53a 櫛電極対 53b 櫛電極対 54a 櫛電極対 54b 櫛電極対 55a 櫛電極対 55b 櫛電極対 56a 引き出し電極 56b 引き出し電極 57a 引き出し電極 57b 引き出し電極 58 入力IDT電極 59 出力IDT電極 80 アンテナ 81 LNA 82 PFバンドパスフィルタ 83 ミキサー 84 弾性表面波フィルタ 85 IFアンプ 86 アンテナ共用器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井垣 努 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 都築 茂 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板と、この圧電基板上に設けた一
    波長(λ)内に四本の櫛電極を有する少なくとも二つの
    インターディジタルトランスデューサ電極とを備え、少
    なくとも一つのインターディジタルトランスデューサ電
    極において、互いに交差するとともに異なる線幅の櫛電
    極対を少なくとも一対有し、細い櫛電極の線幅(L1)
    と太い櫛電極の線幅(L2)の線幅比率(L2/L1)
    が1.0より大きくした弾性表面波フィルタ。
  2. 【請求項2】 全ての櫛電極対が線幅の異なる櫛電極で
    構成される場合(数1)を満たす構成とした請求項1に
    記載の弾性表面波フィルタ。 【数1】
  3. 【請求項3】 異なる線幅の櫛電極対と同じ線幅の櫛電
    極対が混在する場合、異なる線幅の櫛電極対において
    (数2)を満たす構成とした請求項1に記載の弾性表面
    波フィルタ。 【数2】
  4. 【請求項4】 一つのインターディジタルトランスデュ
    ーサ電極において、異なった線幅の櫛電極対を少なくと
    も二対有しこれらを逆方向に配置した請求項1から請求
    項3のいずれか一つに記載の弾性表面波フィルタ。
  5. 【請求項5】 インターディジタルトランスデューサ電
    極の内、入力用インターディジタルトランスデューサ電
    極と出力用インターディジタルトランスデューサ電極と
    は線幅比率が異なる構成とした請求項1から請求項4の
    いずれか一つに記載の弾性表面波フィルタ。
  6. 【請求項6】 入力インターディジタルトランスデュー
    サ電極と出力インターディジタルトランスデューサ電極
    とは櫛電極の中心間距離が異なる構成とした請求項5に
    記載の弾性表面波フィルタ。
  7. 【請求項7】 入力インターディジタルトランスデュー
    サ電極あるいは出力インターディジタルトランスデュー
    サ電極の少なくとも一方において櫛電極の中心間距離が
    二種類以上存在する構成とした請求項6に記載の弾性表
    面波フィルタ。
  8. 【請求項8】 櫛電極のメタライゼーションレシオが
    0.4〜0.7である請求項1から請求項7のいずれか
    一つに記載の弾性表面波フィルタ。
  9. 【請求項9】 櫛電極の主成分はアルミニウムあるいは
    アルミニウム合金であり、かつ櫛電極膜厚hと弾性表面
    波の波長λとの膜厚比率(h/λ)が0.005〜0.
    035である請求項1から請求項8のいずれか一つに記
    載の弾性表面波フィルタ。
  10. 【請求項10】 圧電基板は28°〜42°回転Yカッ
    トの水晶基板である請求項1から請求項9のいずれか一
    つに記載の弾性表面波フィルタ。
  11. 【請求項11】 ミキサーと、このミキサーの出力側に
    その入力側を接続した請求項1から請求項10のいずれ
    か一つに記載の弾性表面波フィルタと、この弾性表面波
    フィルタの出力側にその入力側を接続したアンプとを備
    えた通信機器。
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