JPH0648209B2 - 流量計 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の目的］ 〈産業上の利用分野〉 本発明は、流量に比例して発生する単位時間のパルスの
数を計数して流量を算出する容積型流量計に関する。

〈従来の技術〉 本願出願人は、実願平１−２５３９８号明細書に於て、
流量に対応して回転する回転子に設けられた高分解能の
光学式回転センサから発生する流量用パルス信号の数を
低分解能の磁気式回転センサから発生する監視用パルス
信号の数と比較し、所定の設定値との一致・不一致から
流量測定の正常・異常を判断することによって信頼性を
向上させた流量計を提案している。この流量計によれ
ば、信頼性の高い安定した高分解能の流量測定が比較的
簡単に可能になる。

ところが、異常検出手段により異常が検出されると、表
示装置が流量用パルス信号を流量測定に不適当と判断し
て機能を停止させてしまう。このため、それ以後は流量
センサを修理・交換する等の必要な処置が完了するまで
流量を測定できなくなるという問題があった。

〈発明が解決しようとする課題〉 そこで、本発明の目的は、高分解能のセンサを用いて流
量を測定しかつ低分解能のセンサにより流量測定の正常
・異常を検出すると共に、異常が検出された場合でも、
機能を停止させることなく流量測定を続行し得ることに
よって信頼性をより一層向上させた流量計を提供するこ
とにある。

［発明の構成］ 〈課題を解決するための手段〉 上述の目的は本発明によれば、単位流量当り２個以上の
一定数の第１流量信号を発生する第１流量検出手段と、
前記単位流量当り前記第１流量信号に対して所定のｎ：
１の割合で少ない一定数の第２流量信号を発生する第２
流量検出手段と、実際に発生した前記第１流量信号の数
と前記第２流量信号の数との比をｎと比較して正常・異
常を判断する異常検出手段と、前記第１流量検出手段か
ら入力する前記第１流量信号を計数・処理しかつ流量を
表示する表示手段とを備える流量計であって、前記異常
検出手段が異常を検出した場合に、前記第１流量信号を
前記第２流量信号に切り換えて前記表示手段に出力する
出力切換手段と、前記表示手段に於て前記第１流量信号
を処理するための第１流量係数を前記第２流量信号を処
理するための前記第２流量係数に切り換えさせ、かつか
かる切換状態を表示させる補正手段とを備えることを特
徴とする流量計を提供することにより達成される。

〈作用〉 このようにすれば、高分解能の第１流量検出手段による
流量測定に異常が発生した場合でも、表示手段から異常
の発生を認識できるだけでなく、通常は専ら流量測定の
正常・異常の判断に使用される第２流量信号を用いて流
量測定を中断することなく実行することができる。

〈実施例〉 以下、本発明の好適実施例を添付の図面について詳しく
説明する。

第１図には、本発明を適用した非円形歯車式流量計に使
用される流量センサ１が示されている。ハウジング２の
内部には、１対の楕円形歯車３、４がそれぞれ枢軸５、
６に回動自在に軸支されている。両歯車３、４は互いに
歯合し、かつハウジング２の内周面７に摺接して、周知
のように流入側と流出側との圧力差によって流量センサ
１を通過する流量に比例した速度で回転する。

第２図に併せて示されるように、一方の歯車３の端面８
には、枢軸５を中心とした或る円周上に一定間隔で複数
の、例えば２ｎ個のスリット反射板９が配置されてい
る。流量センサ１のハウジング２側には例えばフォトイ
ンタラプタからなる光センサ１０が固定されている。こ
のスリット反射板９と光センサ１０とにより第１流量検
出手段１１が構成され、発光部１０ａからの光が反射板
９により反射されて受光部１０ｂにより感知され、電気
的パルス信号に変換される。従って、歯車３が１回転す
ると第１流量検出手段１１から２ｎ個の流量計測用の第
１パルス信号が出力される。

他方の歯車４の端面１２には、枢軸６を中心とした対称
位置に複数の、例えば２個の磁石１３が１８０度間隔で
埋設されている。同様に、ハウジング２側には磁気素子
等からなる磁気センサ１４が固定されている。この磁石
１３と磁気センサ１４とにより第２流量検出手段１５が
構成され、磁気センサ１４の近傍を磁石１３が通過する
と電気的パルス信号が発生する。従って、歯車４が１回
転すると通常は監視用信号として使用される２個の第２
パルス信号が第２流量検出手段１５から出力される。こ
の第２パルス信号は、予め前記第１パルス信号と異なる
位相を有するように設定される。

第３図には、流量センサ１とそれに接続された表示装置
２１とからなる本発明の流量計の構成全体が示されてい
る。

流量センサ１は、上述した第１流量検出手段１１及び第
２流量検出手段１５に加えて、両流量検出手段１１、１
５から前記第１及び第２パルス信号がそれぞれ入力する
出力切換手段１６と異常検出手段１７とを備える。異常
検出手段１７は、上述した実願平１−２５３９８号明細
書に開示されるように、第２流量検出手段１５からの第
２パルス信号を単安定マルチバイブレータにより波形整
形してリセット信号とし、かつこれに基づいて第１流量
検出手段１１から第１パルス信号のパルス数を計数し、
予め記憶されている第２パルス信号の１サイクルに対応
する第１パルス信号のパルス数、即ちｎと実際のパルス
数とを比較する。異常検出手段１７は、これらが一致す
る場合には流量測定の正常状態を表わす信号を発生し、
異なる場合には流量測定の異常を表わす信号を発生す
る。

出力切換手段１６は、通常は異常検出手段１７からの正
常信号に基づいて第１流量検出手段１１から入力する前
記第１パルス信号を表示装置２１に向けて出力する。し
かし、異常検出手段１７から異常信号が入力すると、出
力切換手段１６は、流量計測用の信号を第１パルス信号
から第２検出手段１５から入力する第２パルス信号に切
り換えて表示装置２１に出力する。

表示装置２１は、出力切換手段１６から流量計測用のパ
ルス信号を入力する入力回路２２、演算回路２３、表示
回路２４、演算回路２３に接続されたメモリ手段２５及
び、表示回路２４とメモリ手段２５とに接続された補正
回路２６を備える。流量センサ１から供給されるパルス
信号は、入力回路２２に内蔵されたカウンタによって計
数され、かつその計数値とメモリ手段２５に記憶されて
いる流量係数とに基づいて演算回路２３が流量を算出
し、かつ表示回路２４によって単位時間流量または積算
流量が表示される。通常は、入力回路２２には出力切換
手段１６を介して第１流量検出手段１１の第１パルス信
号が入力し、かつ演算回路２３には前記第１パルス信号
を処理するための第１流量係数がメモリ手段２５から入
力する。

補正回路２６は、異常検出手段１７から前記異常信号を
入力するとメモリ手段２５に信号を出力し、前記第１流
量係数から前記第２パルス信号を処理するための第２流
量係数に切り換えて演算回路２３に出力させる。従っ
て、第２パルス信号を入力回路２２で計数し、かつその
計数値と第２流量係数とに基づいて演算回路２３が流量
を算出することができる。更に、補正回路２６は、切換
直前までメモリ手段２５に記憶されている第１パルス信
号に基づく積算流量パルス数を第２流量係数で補正す
る。このようにして、分解能は低下するが切換前の測定
値を用いて流量計測を続行することができる。

同時に、表示回路２４は、補正回路２６から出力される
信号を受けて、第１流量検出手段１１による流量測定の
異常及び／または第２流量検出手段１５による流量測定
への切換状態を表示する。また、瞬間流量の計測中に流
量センサ１から異常信号を入力した場合には、その測定
周期に於ける演算結果は使用せずに前回の演算結果をそ
のまま表示した状態で次の測定周期に入り、新しい演算
結果を表示する。

また、本発明は、上述した１対の楕円形歯車からなる回
転子を有する流量計に限定されるものではなく、他の様
々な型式の流量センサを用いた流量計について同様に適
用することができる。

［発明の効果］ 上述したように本発明によれば、互いに歯合して回転す
る１対の回転子に高分解能の光学式回転センサと低分解
能の磁気式回転センサとを設け、通常は光学式回転セン
サからの第１流量信号を用いて流量を測定しかつ磁気式
回転センサからの第２流量信号を監視用パルスとして流
量測定の正常・異常を判断するが、流量測定に異常が検
出されると第１流量信号から第２流量信号に切り換えて
計数・処理し、かつ切換前の積算値を補正して使用する
ことによって、異常発生時でも流量計測を中断すること
なく続行することができるので、より一層信頼性の高い
計測が可能になる。しかも、表示手段を介して異常を確
認することができるので、流量センサの修理・交換等の
適切な処置を迅速に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に使用される流量センサ１の構成を概
略的に示す縦断面図である。 第２図は、第１図の流量センサに使用される第１及び第
２流量検出手段の構造を模式的に示す断面図である。 第３図は、本発明による流量計の構成を示すブロック図
である。 １……流量センサ、２……ハウジング ３、４……歯車、５、６……枢軸 ７……内周面、８……端面 ９……スリット反射板、１０……光センサ １０ａ……発光部、１０ｂ……受光部 １１……第１流量検出手段 １２……端面、１３……磁石 １４……磁気センサ、１５……第２流量検出手段 １６……出力切換手段、１７……異常検出手段 ２１……表示装置、２２……入力回路 ２３……演算回路、２４……表示回路 ２５……メモリ手段、２６……補正回路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単位流量当り２個以上の一定数の第１流量
   信号を発生する第１流量検出手段と、前記単位流量当り
   前記第１流量信号に対して所定のｎ：１の割合で少ない
   一定数の第２流量信号を発生する第２流量検出手段と、
   実際に発生した前記第１流量信号の数と前記第２流量信
   号の数との比をｎと比較して正常・異常を判断する異常
   検出手段と、前記第１流量検出手段から入力する前記第
   １流量信号を計数・処理しかつ流量を表示する表示手段
   とを備える流量計であって、 前記異常検出手段が異常を検出した場合に、前記第１流
   量信号を前記第２流量信号に切り換えて前記表示手段に
   出力する出力切換手段と、前記表示手段に於て前記第１
   流量信号を処理するための第１流量係数を前記第２流量
   信号を処理するための前記第２流量係数に切り換えさ
   せ、かつかかる切換状態を表示させる補正手段とを備え
   ることを特徴とする流量計。
2. 【請求項２】前記補正手段が、前記第２流量信号への切
   換時点に於て前記第１流量信号の積算値を前記第２流量
   信号に適合して補正させることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載の流量計。
3. 【請求項３】流量に比例して回転する１対の回転子を備
   え、前記第１流量検出手段が、一方の前記回転子の端面
   に配置された複数の反射板と前記反射板からの反射光を
   関知する光センサとからなる光学式回転センサであり、
   かつ前記第２流量検出手段が、他方の前記回転子の端面
   に配置された少なくとも１個の磁石と前記磁石の磁気を
   関知する磁気センサとからなる磁気式回転センサである
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項または第２項に
   記載の流量計。