JPH0642993A - 流量計測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 パルス発生手段からのパルス間隔の違いを自
動的に補正し、正確で高分解能の流量計測を実現する。 【構成】 判定手段１５がガス流量が一定であると判定
したとき、補正係数算出手段１８が補正係数を算出しパ
ルス間隔の不均一性を補正するように作用し、瞬時流量
算出手段２３が一秒の瞬時流量を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ガスメータ等に内蔵さ
れガス等の流量を監視し流量変化の仕方により今どのよ
うなガス器具が使われているかを推定し、ガス器具が異
常な使われ方をしていると判断されるときにガスを遮断
する、いわゆるマイコンメータと呼ばれるガスメータに
内蔵される流量計測装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の流量計測装置について膜式ガスメ
ータに用いた例を図２で説明する。図２において、１は
膜式ガスメータの膜が一往復するのに連動して一回転す
る円盤、２は円盤１の外周上に等間隔で配置された複数
の磁石、３は円盤１の近くに固定配置され磁界の変化を
検出しパルス信号を出力する磁気抵抗素子で構成したパ
ルス発生手段４だけからなっている。そして従来のガス
メータはこのパルス発生手段４からなる流量計測装置の
出力信号毎に一定の流量を積算する積算処理手段５及び
流量を監視し、ガスの使用状態に危険があると判断した
時にはガスを遮断する安全処理手段６から構成されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、膜式ガスメータの特性として一定流量を流
した場合であっても円盤１は一定の角速度で回転しない
ため円盤１上に等間隔で磁石２を配置してもパルス発生
手段４からのパルス出力は等間隔のパルス出力とならな
いという課題を有していた。もし等間隔のパルスが出力
するならば例えばガスメータの膜の容積を０．８リット
ルとし、磁石２の数を８個とすると膜の一往復で０．８
リットルのガスが流れパルス発生手段４から８個のパル
スが出力する。従ってパルス１個当たり０．１リットル
流れたことになる。ところが一定流量を流した時、パル
ス発生手段４の出力パルスが等間隔にならないことはそ
れぞれのパルス当たりの流量が違っていることを示して
いる。すなわち、あるパルスの場合は０．１３リットル
であり、別のパルスは０．０７リットルであったりす
る。そして８パルスの合計が０．８リットルとなる。そ
のため、このような従来の流量計測装置を用いたガスメ
ータでは正確に０．１リットル毎に積算がなされず、か
つ積算表示も０．１リットル単位で正確に表示させるこ
とはできなかった。

【０００４】また０．１リットル／秒（＝３６０リット
ル／時）程度の小流量の瞬時流量を１秒程度の時間で計
測することも不可能であり、ガスの使用状態を監視する
安全処理手段６の機能を向上させることにも限界があっ
た。

【０００５】本発明は上記課題を解決するもので、パル
ス発生手段からの各パルスあたりの流量を自動的に補正
し、正確で高分解能の流量計測を実現することを第１の
目的としたものである。

【０００６】また、第２の目的は単位時間あたりの瞬時
流量を算出し、ガスの使用状態を監視する安全機能を向
上させることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記第１の目的を達成す
るために、本発明の流量計測装置は、ある一定体積の流
体が流れる毎に一回転もしくは一往復する機械式可動部
に連動して複数のパルスを出力するパルス発生手段と、
前記パルス発生手段が出力するパルス周期を計測する周
期計測手段と、前記周期計測手段が出力するパルス周期
を予め設定したパルス数分記憶する周期記憶手段と、前
記周期記憶手段が記憶するパルス周期の合計値を算出す
る周期加算手段と、前記周期加算手段が算出したパルス
周期の合計値より流体が一定の流量で流れているかを判
定する判定手段と、前記判定手段が一定の流量で流体が
流れていると判定したとき前記周期記憶手段が記憶する
パルス周期に対応した流量を算出するためのパルス補正
係数を算出する補正係数算出手段とを備えたものであ
る。また第２の目的を達成するために、さらに周期記憶
手段が記憶するパルス周期情報と補正係数算出手段が算
出した補正係数から単位時間あたりの瞬時流量を算出す
る瞬時流量算出手段を備えたものである。

【０００８】

【作用】本発明は上記構成によって、パルス発生手段か
ら出力される各パルス信号当たりの流量を自動的に補正
し、正確で高分解能な流量計測が実現できる。また、瞬
時流量算出手段は、補正係数算出手段が算出した各パル
ス当りの流量を用い２単位時間の瞬時流量を算出する。

【０００９】

【実施例】以下本発明の実施例を図１を参照して説明す
る。なお前記従来例と同一部分には同一符号を付与して
いる。図１において、１は膜式ガスメータの膜が一往復
するのに連動して一回転する円盤、２は円盤１の外周上
に等間隔で配置された８個の磁石、３は円盤１の近くに
固定配置され磁界の変化を検出しパルス信号を出力する
磁気抵抗素子である。そして、円盤１から磁気抵抗素子
３でもってパルス発生手段４が構成される。７はパルス
発生手段４が出力する各パルス信号の周期を計測する周
期計測手段である。８は周期計測手段７が膜式ガスメー
タの膜が一往復するときパルス発生手段４が発生する８
個のパルス周期を計測する度に信号を出力するとともに
周期計測手段７が計測した周期の出力先を切り替えるカ
ウント部、９と１０はカウント部８から送られる周期計
測手段７が計測した周期を８個づつ交互に記憶する第一
周期記憶部と第二周期記憶部である。そしてカウント部
７から第二周期記憶部１０でもって周期記憶手段１１が
構成される。１２は第一周期記憶部９に周期計測手段７
が計測した８個の周期が記憶されたとき記憶した８個の
周期の合計を算出し記憶する第一周期加算部、１３は第
二周期記憶部１０に周期計測手段７が計測した８個の周
期が記憶されたとき記憶した８個の周期の合計を算出し
記憶する第二周期加算部である。そして第一周期加算部
１２と第二周期加算部１３でもって周期加算手段１４が
構成される。

【００１０】１５はカウント部８からの信号により第一
周期加算部１２が記憶している第一周期記憶部９に記憶
されている周期の合計（ＳＵＭ１）と、第二周期加算部
１３が記憶している第二周期記憶部１０に記憶されてい
る周期の合計（ＳＵＭ２）の差（｜ＳＵＭ１−ＳＵＭ２
｜）に対し、予め設定した閾値による大小判定を行うこ
とでガスが一定の流量で流れているかを判定する判定手
段である。判定手段１５について詳しく説明すると、例
えば今回第一周期記憶部９に８個の周期が記憶されたと
き第一周期加算部１２が記憶している今回第一周期記憶
部９に記憶された８個の周期の合計（ＳＵＭ１）から第
二周期加算部１３が記憶している前回第二周期記憶部１
０に記憶された８個の周期の合計（ＳＵＭ２）との差
（｜ＳＵＭ１−ＳＵＭ２｜）が第一周期加算部１２に今
回記憶された周期の合計の３％より大きいかを判定する
ようにしている。

【００１１】１６は判定手段１５が｜ＳＵＭ１−ＳＵＭ
２｜が予め設定した閾値より小さいと判定したとき、周
期記憶手段１１に記憶されている今回記憶された８個の
周期（Ｔ０〜Ｔ７）と周期加算手段１４に記憶されてい
る周期の合計（ＳＵＭ＝Ｔ０＋Ｔ２＋・・・＋Ｔ７）か
ら、周期記憶手段１１の記憶周期に対応した流量を算出
するための補正係数Ｐｎ＝Ｔｎ×８÷ＳＵＭ（ｎ＝０〜
７）を算出する補正係数算出部、１７は補正係数算出部
１６が算出した補正係数Ｐｎを記憶する補正係数記憶部
である。そして、補正係数算出部１６と補正係数記憶部
１７でもって補正係数算出手段１８が構成される。

【００１２】１９は周期の加算値が一秒より大きい場合
に信号を出力する一秒判定部、２０は判定手段１５が｜
ＳＵＭ１−ＳＵＭ２｜が予め設定した閾値より小さいと
判定した場合と補正係数算出手段１８が補正係数を算出
した場合に、記憶している周期の加算値と周期記憶手段
１１に今回記憶された周期を順次加算しその加算した周
期の加算値を記憶する周期加算部、２１は周期加算部２
０が記憶している周期の加算値に加算された周期に対応
した補正係数算出手段１８が記憶している補正係数を加
算し記憶する補正係数加算記憶部、２２は一秒判定部１
９が信号を出力した時周期加算部２０が記憶している周
期の加算値と補正係数加算記憶部２１が記憶している補
正係数の加算値から瞬時流量を算出する瞬時流量算出部
である。そして、一秒判定部１９から瞬時流量算出部２
２でもって瞬時流量算出手段２４が構成される。５は流
量を積算する積算処理手段、６は流量を監視しガスの使
用状態に危険があると判断した時にはガスを遮断する安
全処理手段とから流量計測装置が構成されている。

【００１３】本実施例の流量計測装置の動作について
（表１）と（表２）を用いて詳しく説明する。

【００１４】

【表１】

【００１５】

【表２】

【００１６】（表１）において、まず周期記憶手段１１
の動作について詳しく説明する。周期計測手段７が計測
した周期Ｎｏ．ｍ−８〜Ｎｏ．ｍ−１までを第一周期記
憶部９がＴ０〜Ｔ７にそれぞれ記憶した時点で、カウン
ト部８が周期計測手段７が計測した周期の出力先を第二
周期記憶部１０に切り替え、第二周期記憶部１０はその
周期をＴ０〜Ｔ７にそれぞれ記憶する。そしてカウント
部８は第二周期記憶部１０がＴ７に周期を記憶した時点
で周期計測手段７が計測した周期の出力先を第一周期記
憶部９に切り替え同様の動作を繰り返す。

【００１７】次に周期加算手段１４について詳しく説明
する。周期計測手段７が計測したＮｏ．ｍ−１の周期が
第一周期記憶部９に記憶された時、第一周期加算部１２
は第一周期記憶部９に記憶された周期の合計値２０１７
［ｍｓ］を算出しその合計値を記憶している。同様に、
周期計測手段７が計測Ｎｏ．ｍ＋７の周期を計測し第二
周期記憶部１０に記憶された時、第二周期加算部１３は
第二周期記憶部１０に記憶された周期Ｔ０〜Ｔ７の合計
値２０１９［ｍｓ］を算出しその合計値を記憶する。

【００１８】次に判定手段１５と補正係数算出手段１８
の動作について詳しく説明する。周期計測手段７が計測
Ｎｏ．ｍ＋７の周期を計測しカウント部８が信号を出力
したとき、判定手段１５は第一周期加算部１２に記憶さ
れている加算周期２０１７［ｍｓ］と第二周期加算部１
３が記憶している加算周期２０１９［ｍｓ］の差（２
［ｍｓ］）が第二周期加算部１３に記憶されている加算
周期２０１９［ｍｓ］の３％（６１［ｍｓ］）より小さ
いためガスが一定の流量で流れていると判定する。そし
て図３に示すように、補正係数算出部１６が第二周期記
憶部１３に記憶された周期Ｔ０〜Ｔ７に対応する流量を
算出するための補正係数Ｐｎ（ｎ＝０〜７）＝Ｔｎ×８
÷２０１９［ｍｓ］を算出し、補正係数記憶部１７が記
憶する。

【００１９】上記構成により、補正係数算出手段１８が
周期記憶手段１１に記憶される周期Ｔ０〜Ｔ７に対応す
る流量を算出するための補正係数Ｐｎ（ｎ＝０〜７）を
算出することで１パルスあたりの正確な流量が計測で
き、精度の高い積算を可能とする。

【００２０】次に瞬時流量算出手段２３の動作について
詳しく説明する。周期加算部２０は第二周期記憶部１０
が記憶しているＴ０と周期加算部２０が記憶している前
回の加算周期０［ｍｓ］を加算し加算周期２０１［ｍ
ｓ］を算出し、補正係数加算記憶部２１は記憶している
加算補正係数０．０００と補正係数記憶部１７が記憶し
ている今回周期加算部２０が加算した周期記憶手段１４
が記憶している周期に対応した補正係数Ｐ１を加算し加
算補正係数０．７９６を算出する。そして、一秒判定部
２０が周期加算部２０が算出した加算周期２０１［ｍ
ｓ］が一秒以上であるかを判定する。その結果、一秒以
上ではないので周期加算部２０と補正係数加算記憶部２
１が同様の動作を繰り返し周期加算部２０が第二周期記
憶部１０が記憶している記憶周期Ｔ０〜Ｔ３を加算した
加算周期１００７［ｍｓ］と、補正係数加算記憶部２１
がＰ０〜Ｐ３を加算した補正係数３．９８９を算出した
とき、一秒判定部１９は加算周期２０が算出した加算周
期が一秒以上であるので瞬時流量算出部２２が、瞬時流
量Ｆｍ＝３．９８９／１．００７＊０．１より０．３９
６リットル／秒を算出する。以後同様の動作を繰り返し
第二周期記憶部１０に記憶されている記憶周期Ｔ４〜Ｔ
７について瞬時流量を算出する。

【００２１】上記構成において、判定手段１５がガス流
量が一定であると判定したとき、補正係数算出手段１８
が補正係数を算出し各パルスに対応した流量を求めるよ
うに作用し、瞬時流量算出手段２３が一秒の瞬時流量を
算出することができる。

【００２２】

【発明の効果】以上のように本発明の流量計測装置によ
れば周期記憶手段に記憶された各パルスに対応する流量
を算出するための補正係数を算出することで、一定の流
量を流しているにもかかわらず計測系の特性により等間
隔のパルス列が生じないような場合であっても高分解能
な流量計測を行うことができるとともに、流体が一定の
流量で流れていると判定手段が判定する毎に補正係数を
算出することで、ノイズ等により各パルスに対応した補
正係数にズレが生じても自動的に正しい補正係数を復元
することができる。

【００２３】また本発明は、単位時間当りの瞬時流量を
算出することができるので、流量の変化からガス器具の
使われ方を推定する場合に、推定精度を向上させる効果
があり、ガス器具の異常な使われ方を的確に判断し、安
全を確保できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例における流量計測装置のブロ
ック図

【図２】従来の器具判別装置のブロック図

【符号の説明】

４ パルス発生手段 ７ 周期計測手段 １１ 周期記憶手段 １４ 周期加算手段 １５ 判定手段 １８ 補正係数算出手段 ２３ 瞬時流量算出手段

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一定体積の流体が流れる毎に一回転もし
   くは一往復する機械式可動部に連動して複数のパルスを
   出力するパルス発生手段と、前記パルス発生手段が出力
   するパルス周期を計測する周期計測手段と、前記周期計
   測手段が出力するパルス周期を予め設定したパルス数だ
   け記憶する周期記憶手段と、前記周期記憶手段が記憶す
   るパルス周期の合計値を算出する周期加算手段と、前記
   周期加算手段が算出したパルス周期の合計値より流体が
   一定の流量で流れているかを判定する判定手段と、前記
   判定手段が一定の流量で流体が流れていると判定したと
   き前記周期記憶手段が記憶するパルス周期に対応した流
   量を算出するためのパルス補正係数を算出する補正係数
   算出手段とを備えた流量計測装置。
2. 【請求項２】 周期記憶手段が記憶するパルス周期情報
   と補正係数算出手段が算出した補正係数から単位時間あ
   たりの瞬時流量を算出する瞬時流量算出手段とを備えた
   請求項１記載の流量計測装置。