JP5128395B2 - アダプタ - Google Patents
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Description
例えば、ガスメータ(メータの一例)の場合において、ガスメータ自体の異常としては、計量部に膜式流量計を採用する場合において、膜を移動可能とする機械的構造、積算量表示部としての複数の文字車が膜の移動に対応して回転することを可能とするための機械的構造などが円滑に動作せず、ガス供給量が一定であるにもかかわらず、ガスメータの内部において圧力変動を生じさせてしまうことなどが挙げられる。この圧力変動が生じると、例えば、ガスメータの下流側に設置された比較的ガス供給量が少ない器具、例えば、コンロを使用している場合に、当該コンロに供給されるガスの圧力や供給量が変動して失火を生じるおそれがあるなど、ガスメータの下流側に設置された器具を安全に使用することができない可能性がある。すなわち、ガスメータ内部に異常が発生していると考えられるような状況では、その影響がガスメータの下流側に及ぶおそれがあり、また、正確なガス供給量を正確に計量することができないおそれがあるため、できるだけ早期にガスメータ自体の異常を検出できることが好ましい。
これにより、特許文献1に開示のガスメータの自己診断装置では、ガスメータのメータ出口の計測圧力値をモニターして、当該ガスメータを通過するガス供給量が一定であるにもかかわらず、計測圧力値の最大値と最小値の差(煽り)が規定値以上であると判定されると、ガスメータ内部に異常が発生したものと診断することができるとされる。
したがって、本特徴構成によれば、アダプタは、上記メータの積算量表示部の所定位置に表示される供給表示線を光センサ部により検出し、この供給表示線が検出される毎にパルス生成部でパルス信号を生成し、当該パルス信号の時間領域における生成頻度の変化状態に基づいて、メータの内部で生じる異常の発生の有無を診断部で診断する構成であるので、例えば、既存のメータに、当該アダプタを取り付けるだけでメータの内部で生じる異常の発生の有無を診断する機能を簡便に付加することができ、メータ(メータ自体やその内部構造など)を改変することなくそのまま利用して、コストの上昇を防止することができる。なお、同様に、新品のメータに取り付けて、メータの内部で生じる異常の発生の有無を診断する機能を簡便に付加し、コストの上昇を防止することも可能である。
また、本特徴構成によれば、パルス信号の時間領域における生成頻度の変化状態、すなわち、メータの下流側のユーティリティ使用機器に供給されるユーティリティ供給量の微分値の変化状態に基づいてメータ内部の異常の有無を診断するので、上記のようにメータに簡便に取り付けてコストの上昇を防止した構成であっても、例えば、従来のメータの自己診断装置において当該メータの出口部の圧力を計測して異常の有無を診断したのと同様に、メータ内部の異常を良好に診断することができる。
これにより、例えば、ガスメータ(メータの一例)を通過するガス供給量(ユーティリティ供給量の一例)が一定であるにもかかわらず、ガスメータ内部の圧力変化が生じる状態となった場合において、ガスメータの下流側に供給されるガス供給量の微分値が所定値以上変動しているときには当該ガスメータ自体が異常であると診断し、上記微分値が所定値以上変動していないときは異常ではないと比較的簡便に診断することができる。
ここで、メータ自体の異常に起因して上記変動が生じている場合には、当該変動は比較的長時間継続して起こることが多い。一方、その他の原因により上記変動が生じている場合(例えば、ガスメータの上流側に設置され、当該ガスメータが計量対象としないガスエンジンの運転による圧力変化(脈動)が原因となり上記変動が生じている場合など)には、当該変動は比較的短時間(例えば、数時間)しか継続しない。したがって、上記変動が継続する時間として比較的長く設定した特定時間(例えば、24時間程度以上)とすることにより、メータ自体の異常に起因すると考えられる場合にだけ、異常が発生しているものと的確に診断することができる。
図1は、需要家1に設置されるガス使用機器(ユーティリティ使用機器の一例)2、当該ガス使用機器2の上流側に設置されるガスメータ(メータの一例)10、本願に係るアダプタ20の概略構成を示す概念図、図2は、ガスメータ10の複数の文字車(積算量表示部の一例)12の詳細を示す拡大図、図3は、パルス信号の時間領域における生成頻度の変化状態である、時間とガス供給量の微分値との関係を示すグラフ図、図4は、本願に係るアダプタ20の動作を示すフロー図である。
なお、以下においては、ユーティリティを都市ガスGとし、ユーティリティ使用機器をガス使用機器2とし、メータをガスメータ10として説明するが、特にこの構成に限定されるわけではない。
ガス使用機器2は、需要家1に設置される都市ガスGを消費する機器であり、例えば、図1に示すように、コンロ2a、ファンヒータ2b、給湯暖房器2cが需要家1に設置される。都市ガスGは、ガス供給設備(図示せず)からガス使用機器2の上流側に設置されたガスメータ10を介して、各ガス使用機器2に供給される。なお、コンロ2aは運転状況にもよるが、単位時間あたりのガス供給量(ガス消費量)が比較的少ない機器である。
ガスメータ10は、図1に示すように、ガス使用機器2の上流側に設置され、ガス供給管3を介してガス使用機器2に供給される都市ガスGの供給量を計量可能な機器である。
ガスメータ10は、ガス供給量を計量する計量部11が公知の膜式流量計(図示せず)で構成され、当該計量部11で計量されたガス供給量の積算量を、当該積算量に応じて機械式に回転する複数の文字車12に表示できるように構成されている。具体的には、膜式流量計の計量室壁部に設けられた可動膜(図示せず)により一定ガス供給量毎に発生する往復動を回転運動に変換し、当該回転運動を上記複数の文字車12の回転に利用することにより、ガス供給量の積算量を複数の文字車12に表示可能に構成されている。
この複数の文字車12は、例えば、図1、図2に示すように、一回転することで0から9の数字を表示可能な7個の文字車12a〜12gからなっており、それぞれ積算量の1000m3、100m3、10m3、1m3、0.1m3、0.01m3、0.001m3の桁を示している。特に、最小桁である文字車12gには、例えば、数字が表示される箇所の右側付近に、回転方向に等間隔に設けられた供給表示線13が設けられており、この供給表示線13が所定位置を通過する時間間隔により、ガス供給量が判るように構成されている。すなわち、単位量の都市ガスGがガスメータ10の下流側に供給される毎に、所定位置を複数の供給表示線13が通過するように構成されている。なお、図2では、最小桁の文字車12gに設けられた供給表示線13の間隔は、2L(リットル)とされている。
本願に係るアダプタ20は、文字車12に表示された供給表示線13を検出する光センサ部21と、光センサ部21により供給表示線13が検出される毎に、パルス信号を生成するパルス生成部22と、パルス生成部22で生成されたパルス信号の時間領域における生成頻度の変化状態に基づいて、ガスメータ10の内部で生じる異常の発生の有無を診断する診断部23と、診断の結果、異常の発生があった場合に少なくとも警報を出力する警報出力部24とを備えて構成される。当該アダプタ20は、ガスメータ10の外形を形成する筐体14の形状に応じたステーやバンド等により当該ガスメータ10に簡易に取り付け可能に構成され、既存のガスメータ10の内部構造等を改変することなくそのままの状態のガスメータ10に取り付けることができる。
具体的には、診断部23は、パルス生成部22から受信したパルス信号をカウントすることができる計数部23aを備えており、パルス信号の時間領域における生成頻度、すなわち、単位時間あたりに供給された都市ガスGの供給量であるガス供給量の微分値を、パルス生成部22から単位時間当たりに受信し計数部23aでカウントされた複数のパルス信号の数から算出する。ここで、ガスメータ10の下流側に単位量のガスが供給される毎(例えば、2L毎)に所定位置に供給表示線13が現れ、当該供給表示線13が光検出器21aで検出される毎にパルス信号が生成されるので、このパルス信号の単位時間当たりの数をカウントすることにより、ガス供給量の微分値を算出することができる。また、診断部23は、このガス供給量の微分値の時間領域における変動(パルス信号の時間領域における生成頻度の変化状態)を算出する。このように最小桁の文字車12gに設けられた供給表示線13を検出することで、より正確なガス供給量の微分値の変動を算出することができるように構成されている。そして、診断部23は、この微分値の変動の幅(例えば、微分値の最大値と最小値の差)が、所定値以上である場合にはガスメータ10の内部に異常が発生しているものと診断し、所定値よりも小さい場合には異常が発生していないものと診断するように構成されている。すなわち、単一のガス使用機器2が使用されている状態において、ガスメータ10の内部に異常が生じていない場合(正常時)には、図3(a)に示すように、時間が経過してもガス供給量の微分値はほぼ一定値であるのに対し、ガスメータ10の内部に異常が生じている場合(異常時)には、図3(b)に示すように、時間が経過するとガス供給量の微分値は所定値以上の変動を生じるため、この相違を利用してガスメータ10の内部における異常の有無を診断するのである。ガスメータ10の内部の異常としては、ガス供給量が一定であるにもかかわらず、ガスメータ10の下流側に供給されるガス供給量の微分値をガスメータ10の内部の何らかの影響により所定値以上変動させるものであればその発生原因は問わないが、例えば、計量部11に膜式流量計を採用する場合において、膜を移動可能とする機械的構造、或いは積算量表示部としての複数の文字車12が膜の移動に対応して回転することを可能とするための機械的構造などが円滑に動作せず、ガス供給量が一定であるにもかかわらず、ガスメータ10の内部において圧力変動(いわゆる煽り異常)を生じさせるものなどが挙げられる。なお、所定値は公知のメモリ等からなり、アダプタ20に備えられた記憶部25に格納され、異常の有無の診断時に診断部23と記憶部25との間で入出力される情報である。また、所定値は、ガスメータ10の種類等に応じて適宜設定することができるが、例えば、内部で異常が生じたとされるガスメータ10に一定量のガスを供給してガス供給量の微分値の変動の幅を予め計測し、これを異なる異常状態に応じて複数行って、これら変動の幅のうち一番小さいものを所定値として記憶部25に記憶したものを、診断部23における異常の有無の診断に用いることができる。
診断部23において、ガスメータ10の内部に異常が発生したものと診断された場合には、警報信号が診断部23から警報出力部24に出力される。
これにより、ガスメータ10の内部に異常が発生しているものと診断した場合には、異常の発生をできるだけ早期に報知することができ、必要に応じて交換や修理を迅速に行うことができる。
本願に係るアダプタ20を用いて、ガスメータ10の内部の異常の有無の診断を行う場合について、図4に基づいて以下に説明する。
また、アダプタ20において、単位時間あたりのパルス信号の数(ガス供給量の微分値)の変動の幅を用いて、ガスメータ10自体の異常を診断することができ、より簡便に異常の有無を診断することができる。
特に、最小桁の文字車12gの供給表示線13は、比較的少量(例えば、2リットル程度)のガス供給量毎に供給表示線13が現れるため、単位時間当たりに多くのパルス信号を得ることができ、より正確なガス供給量の微分値(生成頻度)の変化状態を得て、より正確にガスメータ10の異常の有無を診断することができる。
したがって、ガスメータ10にアダプタ20を取り付けることにより、ガスメータ10自体の異常を早期に診断することができ、例えば、需要家1に比較的ガス供給量の少ないコンロ2aが使用されている場合において、ガスメータ10の内部の異常により、当該コンロに供給されるガスの圧力や供給量が変動して失火を生じるおそれを低減することができ、ガスメータ10の下流側に設置された器具を安全に使用することが可能となる。
(1)上記実施形態では、診断部23が、ステップ6及びステップ7において、微分値に所定値以上の変動があるか否かに基づいて即座に異常の有無を診断したが、ガスメータ10自体の異常の有無を診断できる構成であれば、この構成に特に限定されるわけではない。
例えば、図5に示すように、診断部23が、異常状態の有無を診断する際において、ガス供給量の微分値の変動の幅が所定値以上である時間が特定時間以上継続した場合に、ガスメータ10の内部で異常が生じたものと診断する構成とすることもできる。
具体的には、診断部23に、ガス供給量の微分値の変動の幅が所定値以上である時間を計時する時間計時部(図示せず)を備えるものとする。
そして、上記実施形態のステップ1〜6をステップ11〜16として本実施形態において同様に実行して、診断部23はガス供給量の微分値の算出を繰り返し、ステップ16において、当該微分値の変動の幅が、記憶部25に記憶された所定値以上であるか否かを判定する。当該変動の幅が所定値以上である場合には(ステップ16:Yes)、図3(b)に示すように、時間の経過とともにガス供給量の微分値が所定値以上の変動を生じている状態となるため、時間計時部で計時を開始し、微分値の変動の幅が所定値以上である時間が特定時間継続しているか否かを判定する(ステップ17)。ここで、特定時間は、比較的長い時間(例えば、24時間程度以上)に設定され、記憶部25に予め記憶されたものを用いることができる。比較的長い時間継続して微分値の変動の幅が所定値以上である状態が続く場合には、比較的短い時間(例えば、数時間)しか運転されないガスメータの上流側に設置されたガスエンジン等により当該微分値の変動が生じているものではないと判断することができ、より正確にガスメータ10自体の異常を診断することができる。したがって、上記微分値の変動の幅が所定値以上となっている時間が特定時間継続していると判定した場合には(ステップ17:Yes)、ガスメータ10の内部に異常が発生しているものと診断する(ステップ18)。そして、診断部23は異常の発生を警報信号として警報出力部24に出力し、警報出力部24が異常の発生を表示或いは音声で発声する。
これにより、ガスメータ10自体の異常に起因すると考えられる場合にだけ、異常が発生しているものと的確に診断することができる。
一方、ガス供給量の微分値の変動の幅が所定値よりも小さい場合には(ステップ16:No)、図3(a)に示すように、時間が経過してもガス供給量の微分値が所定値以上の変動を生じていない状態であるため、ガスメータ10の内部に異常は生じていないと診断し(ステップ19)、ステップ13に戻ってパルス数のカウントを継続する。
また、微分値の変動の幅が所定値以上である場合に(ステップ16:Yes)、変動の幅が所定値以上である時間が特定時間継続していない場合には(ステップ17:No)、ガスメータ10の内部に異常は生じていないと診断し(ステップ19)、ステップ13に戻ってパルス数のカウントを継続する。この際には、ガス供給量の微分値に所定値以上の変動が生じているものであるが、当該変動が比較的短い時間で終了しているので、例えば、ガスメータ10の上流側に設置され、当該ガスメータ10が計量対象としないガスエンジン(図示せず)等の運転による圧力変化(脈動)が原因となり上記変動が生じているものとして、ガスメータ10の内部の異常ではないと診断することができ、より正確にガスメータ10の内部の異常の診断を行うことができる。
例えば、カラーセンサやCCDカメラを用いて、複数の供給表示線13が所定位置を通過したことを認識し、パルス生成部22にパルス信号を生成させる構成とすることもできる。
2a: コンロ
2b: ファンヒータ
2c: 給湯暖房器
10: ガスメータ(メータ)
11: 計量部
12a〜12g:複数の文字車(積算量表示部)
13: 供給表示線
20: アダプタ
21a:光検出器(光センサ部)
22: パルス生成部
23: 診断部
23a:計数部
24: 警報出力部
25: 記憶部
G: 都市ガス(ユーティリティ)
A: 焦点
Claims (4)
- ユーティリティ使用機器の上流側に設置され、前記ユーティリティ使用機器に供給されるユーティリティ供給量を計量する計量部と、当該計量されたユーティリティ供給量の積算量を表示する積算量表示部とを備え、単位量のユーティリティが下流側に供給される毎に、前記積算量表示部に供給表示線が現れる構成のメータに取り付け可能に構成され、
前記積算量表示部に表示される前記供給表示線を検出する光センサ部と、
前記光センサ部により前記供給表示線が検出される毎に、パルス信号を生成するパルス生成部と、
前記パルス生成部で生成されたパルス信号の時間領域における生成頻度の変化状態に基づいて、前記メータの内部で生じる異常の発生の有無を診断する診断部とを備え、
前記診断部が、パルス信号をカウントする計測部を備え、
前記診断部が、最初にパルス信号を受信したときには、前記計測部でパルス数のカウントを開始し、
カウントしたパルス数が所定回数に到らない場合には、パルス信号の受信を継続し、
カウントしたパルス数が所定回数に到った場合に、前記パルス信号の時間領域における生成頻度として現れるユーティリティ供給量の微分値を算出し、
当該微分値を繰り返し求めることで、前記生成頻度の変化状態として、ユーティリティ供給量の微分値の変動の幅を算出し、
当該微分値の変動の幅に基づいて、前記メータの内部で生じる異常の発生の有無を診断するアダプタ。 - 前記診断部が、前記パルス信号の時間領域における生成頻度に所定値以上の変動がある場合に、前記メータの内部で異常が発生しているものと診断する請求項1に記載のアダプタ。
- 前記時間領域における生成頻度の所定値以上の変動が、特定時間継続した場合に、前記メータの内部で異常が発生しているものと診断する請求項2に記載のアダプタ。
- 前記計量部が前記メータとしてのガスメータに備えられる膜式流量計であり、
前記積算量表示部が前記ガスメータの前面にガス供給量の積算量を表示する複数の文字車であり、
前記光センサ部が前記複数の文字車の最小桁にある前記供給表示線を検出する請求項1から3の何れか一項に記載のアダプタ。
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