JPH06479B2 - 自動車用回転シ−ト装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、運転席と助手席の両方が床に対して回転でき
るようにした自動車における、回転シート装置に関する
ものである。

（従来の技術） 自動車のシート、時に運転席のシートは、走行時には正
しく前方を向いていなければならない。そして助手席や
後部のシートは必らずしも前方を向いていなくてもよい
が、走行時には固定されていなければならない。

（発明が解決しようとする問題点） 上述のようにシートを前方以外の方向に向けることの一
つの態様として、シートを回転自在に取付け、乗降時に
は、これをドアの方に向けられるようにすることが考え
られる。このようにすれば乗降が著しく容易になる。そ
こでこれを運転席のみならず助手席にも採用することが
考えられるが、このようにすると、運転席のシートと助
手席のシートの両者が同時に回転させられる場合も生じ
得、この場合にはお互いに干渉し合って各シートの乗員
に不快感を与えることになる問題がある。

本発明はこの点を解決するために成されたもので、一方
のシートが回転作動中には、他方はロックするようにし
たものである。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記問題点を解決するための手段として、運転
席と助手席のそれぞれにシートに着座したとき閉じるシ
ートスイッチを設けると共に、前記運転席と助手席のそ
れぞれにその回転を阻止するロック用ソレノイドを設
け、さらに運転席と助手席のそれぞれが正しい方向にロ
ックされていないときに閉じるロックスイッチを設け
て、前記２個のシートスイッチを直列にし、該直列回路
に、前記運転席側のロックスイッチと助手席側のロック
用ソレノイドとの直列回路と、助手席側のロックスイッ
チと運転席側のロック用ソレノイドとの直列回路を並列
にして接続したものである。

（作用） このように構成すれば、運転席と助手席の一方のシート
が回転中は他方は自動的にロックされ、同時に回動する
ことは生じないことになる。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図について説明すると、第２
図において１は運転席のシートであって、床から立設さ
せた軸２を中心にして適当角度外側に回動するものであ
る。図示する向きは車体に対して前方（図における上
方）を向いたところであり、乗降のときの回動姿勢は、
図において軸２を中心に時計方向に向いた向きとなる。
シート１の下部には軸３が立設しており、この軸３に、
一部に切欠き4aを有するロックレバー４が軸着されてい
る。ロックレバー４にはスプリング５によって、切欠き
4aがロックピン６に係合する方向の力が与えられてい
る。

第３図に示すようにロックレバー４の下部にはロック用
のソレノイド７が設けられており、このソレノイド７か
らは、突出したときロックレバー４の側部に位置してロ
ックレバー４の回動を規制する作動固定ピン８が出没自
在に設けられている。第２図および第３図に示す状態
は、いずれもソレノイド７から突出してロックレバー４
の回動を規制している状態である。第２図に示すように
ロックレバー４の近傍にはシート１が正しく前方を向い
たときに前記ソレノイド７を作動させるロックスイッチ
９が設けられており、そのアーム9aがロックレバー４の
一部に接触させてある。

ロックスイッチ９はシート１が正しい方向にロックされ
ていないときに閉じるスイッチであり、その接点には、
ダイオード10を介して警報装置11が接続されている。12
はコードである。以上は運転席側のシート１であった
が、助手席側のシートもロックレバー４の突出位置が逆
方向となるほかには同一の構造（ただし運転席とは対称
の関係）になっている。

第１図は回路を示すものである。この図において13はバ
ッテリであり、自動車に搭載されたものである。このバ
ッテリ13の正極側はメインヒューズ14を介してメインス
イッチ15の可動接点16に接続されている。メインスイッ
チ15のオン接点17には符号Ａで示す回路で自動車のイグ
ニッションおよびランプ等の負荷が接続されている。ま
たヒューズ18を介して前述の警報装置11の一極が接続さ
れている。

メインヒューズ14にはさらに、ヒューズ19を介して、運
転席のシート１に乗員が着座したとき閉じるシートスイ
ッチ20と、助手席のシートに乗員が着座したときに閉じ
るシートスイッチ21が直列が接続されている。そしてシ
ートスイッチ20，21の直列回路には、前述のソレノイド
７と助手席側のロックスイッチ９′の直列回路と、助手
席側のソレノイド７′と運転席側のロックスイッチ９の
直列回路が並列に接続されている。そしてこれらソレノ
イド７，７′とロックスイッチ９′，９との接続点に
は、それぞれアノード側を警報装置11に接続したダイオ
ード10，10′のカソード側が接続されている。

このように構成されたこの装置は、運転席と助手席の両
方に乗員が着座すると二つのシートスイッチ20，21が閉
じるので、ソレノイド７，７′は作動状態あるいは作動
待期状態になる。すなわち、ロックスイッチ９（または
９′）が閉じればソレノイド７′（または７）が作動
し、作動固定ピン８が突出してロックレバー４の回動を
阻止するのでシート１の回転ができないことになる。こ
の場合において運転席側のロックスイッチ９は助手席側
のソレノイド７′に接続され、助手席側のロックスイッ
チ９′は運転席側のソレノイド７に接続されているの
で、運転席側のシート１が正しい方向にロックされてい
ないためにロックスイッチ９が閉じていれば（この状態
は運転席のシート１が正しい向きになおす過程と考え
る）、助手席側のシートにはソレノイド７′によりロッ
ク作動が行なわれるので、助手席側のシートは回転でき
ないことになる。これは、助手席側のシートを主体とし
て考えたとき運転席側のシート１に同様の作動をする。
そしてロックスイッチ９，９′の少なくとも一つが閉じ
れば警報装置11が作動して、その状態を乗員に告知す
る。

（発明の効果） 本発明は以上説明したように構成したものであるから、
運転席と助手席の両方に乗員が着座すると、両方のシー
トを一緒には回転できなくなるので、両方を一緒に回転
させた場合に生ずる干渉を回避することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の回路図、第２図はシート下
部のロックレバー周辺の構造を示す平面図、第３図は第
２図のIII−III断面図である。 １…シート ７，７′…ソレノイド ９，９′…ロックスイッチ 13…バッテリ 15…メインスイッチ 20，21…シートスイッチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】運転席と助手席のそれぞれにシートに着座
   したとき閉じるシートスイッチを設けると共に、前記運
   転席と助手席のそれぞれにその回転を阻止するロック用
   ソレノイドを設け、さらに運転席と助手席のそれぞれが
   正しい方向にロックされていないときに閉じるロックス
   イッチを設けて、前記２個のシートスイッチを直列に
   し、該直列回路に、前記運転席側のロックスイッチと助
   手席側のロック用ソレノイドとの直列回路と、助手席側
   のロックスイッチと運転席側のロック用ソレノイドとの
   直列回路を並列にして接続したことを特徴とする自動車
   用回転シート装置。