JPH0412818Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案はシートクツシヨンの両側部にサイド
サポートがそれぞれ配設された自動車用シート構
造の改良に関する。

〔考案の技術的背景とその問題点〕

一般に、例えばスポーツカーや四輪駆動車等の
ような悪路走行用の自動車の車室内にはバケツト
式のシートが装着されることが多い。第３図はこ
のバケツト式のシートの外観を示すもので、１は
シートクツシヨン２とシートバツク３とによつ形
成されるシート本体である。このシート本体１に
はシートバツク３の上部にヘツドレスト４が装着
されているとともに、シートクツシヨン２の両側
部にはサイドサポート５ａ，５ｂがそれぞれ設け
られている。これらのサイドサポート５ａ，５ｂ
はシートクツシヨン２の上面位置よりも上方向に
比較的高く突設された状態で設置されており、車
体の揺動時にはこれらのサイドサポート５ａ，５
ｂによつて乗員の腿部を横から支えて乗員を正し
い姿勢で確実に保持するようにしている。

しかしながら、乗員の保持機能を高めるために
シートクツシヨン２の上面位置から上方向に突出
されるサイドサポート５ａ，５ｂの突出位置を高
くした場合には車室内に乗員が乗り降りする際に
車体のドア側のサイドサポート５ａが邪魔にな
り、乗員の乗降性が悪くなる問題があつた。

〔考案の目的〕

この考案はサイドサポートによる乗員の保持機
能を高めることができるとともに、乗員の乗降性
の向上を図ることができる自動車用シート構造を
提供することを目的とするものである。

〔考案の概要〕

この考案は車体のドア側に位置する側のサイド
サポートをその先端側を上方向に突出させた通常
の使用位置とこの使用位置から下方向に逃がした
逃がし位置との間で移動可能に支持する支持機構
を設けるとともに、シートクツシヨンに荷重が加
わらない場合には前記支持機構を介して可動式サ
イドサポートを逃がし位置で保持し、シートクツ
シヨンに荷重が加わつた場合に前記支持機構を介
して前記可動式サイドサポートを前記使用位置ま
で移動させた状態で保持するサイドサポート位置
調整機構および車体のドアスイツチの動作に連動
して前記可動式サイドサポートが前記使用位置ま
で移動された状態では車体のドアが開放しない場
合には前記可動式サイドサポートを前記逃がし位
置まで移動不能な状態で保持し、車体のドアが開
放した場合には前記可動式サイドサポートを前記
逃がし位置まで移動可能な状態に切換える動作制
御部をそれぞれ設け、さらに前記サイドサポート
位置調整機構が前記シートクツシヨンに収納され
た移動プレートと、この移動プレートと前記支持
機構との間に設けたリンク部材と、前記移動プレ
ートに係合して前記シートクツシヨンに設けたス
プリングとを有し、前記シートクツシヨンに前記
荷重が作用しないとき、前記スプリングのばね力
により前記リンク部材と前記支持機構とを介して
前記サイドサポートを常時前記逃がし位置に移動
付勢するようにしたものである。

〔考案の実施例〕

以下、この考案の一実施例を第１図および第２
図を参照して説明する。第１図は例えばスポーツ
カーや四輪駆動車等のような悪路走行用の自動車
の車室内に装着されたバケツト式のシートの外観
を示すもので、１１はシートクツシヨン１２とシ
ートバツク１３とによつて形成されたシート本体
である。このシート本体１１にはシートバツク１
３の上部にヘツドレスト１４が装着れているとと
もに、シートクツシヨン１２の両側部にはシート
クツシヨン１２の上面位置よりも上方向に比較的
高く突設された状態で設置され車体の揺動時に乗
員の腿部を横から支えて乗員を正しい姿勢で確実
に保持するサイドサポート１５ａ，１５ｂがそれ
ぞれ設けられている。この場合、一方のサイドサ
ポート１５ａは車体のドア側に配置されていると
ともに、他方のサイドサポート１５ｂは車室内の
内側（車室内に設置された隣りのシート側）に配
置されている。そして、車室内の内側に配置され
たサイドサポート１５ｂはシートクツシヨン１２
の上面位置よりも上方向に比較的高く突設された
状態で固定状態で設置されている。また、車体の
ドア側に配置されたサイドサポート１５ａは支持
機構１６によつて第１図中に実線で示すようにそ
の先端側を上方向に突出させた通常の使用位置か
ら同図中に仮想線で示すように使用位置から下方
向に逃がした逃がし位置まで回動軸１７を中心に
回動可能に支持されている。この支持機構１６に
は第２図に示すように車体側に支持ピン１８を介
して回動可能に枢着された略Ｌ字状の回動部材１
９が設けられている。さらに、この回動部材１９
の一方のアーム１９ａの先端には操作ロツド２０
の一端が回動可能に枢着されている。この操作ロ
ツド２０の他端はサイドサポート１５ａに回動可
能に枢着されている。そして、回動部材１９の回
動動作に連動して操作ロツド２０を介してサイド
サポート１５ａが回動操作されるようになつてい
る。

また、シートクツシヨン１２にはシートクツシ
ヨン１２に荷重が加わらない場合には可動式サイ
ドサポート１５ａを逃がし位置で保持し、シート
クツシヨン１２に荷重が加わつた場合に可動式サ
イドサポート１５ａを使用位置まで移動させた状
態で保持するサイドサポート位置調整機構２１が
設けられている。このサイドサポート位置調整機
構２１には例えばシートクツシヨン１２の上部パ
ツド内に埋設された平板状の移動プレート２２が
設けられている。この移動プレート２２はシート
クツシヨン１２に荷重が加わらない場合（シート
クツシヨン１２に乗員が着座していない場合）に
はシートクツシヨン１２のスプリング２３のばね
力によつて定位置で保持され、シートクツシヨン
１２に荷重が加わつた場合（シートクツシヨン１
２に乗員が着座した場合）にはシートクツシヨン
１２の上部パツドとともにスプリング２３のばね
力に抗して下方向に移動するようになつている。
さらに、この移動プレート２２の下面には支持ブ
ラケツト２４を介して連結ロツド（リンク部材）
２５の一端が回動可能に枢着されている。この連
結ロツド２５の他端は回動部材１９の他方のアー
ム１９ａの先端に回動可能に枢着されている。そ
して、移動プレート２２の昇降動作に連動して連
結ロツド２５を介して回動部材１９が回動駆動さ
れるようになつている。

一方、回動部材１９の一方のアーム１９ａの先
端部内側には切欠部２６が形成されている。この
切欠部２６は可動式サイドサポート１５ａを使用
位置まで移動させた状態でサイドサポート１５ａ
が逃がし位置まで回動する場合の回動方向に向け
た状態で形成されている。さらに、可動式サイド
サポート１５ａを使用位置まで移動させた状態で
回動部材１９の切欠部２６と対向する部位にスト
ツパ２７が突没可能に配設されている。このスト
ツパ２７はソレノイド２８によつて進退駆動され
るようになつている。このソレノイド２８はドア
スイツチ２９および電源３０に直列に接続されて
おり、ドアスイツチ２９の動作に連動して動作す
るようになつている。また、ストツパ２７は常時
はソレノイド２８によつて収納状態で保持されて
いる。そして、可動式サイドサポート１５ａが使
用位置まで移動された状態で車体のドアが開放し
ない場合には回動部材１９の切欠部２６と対向す
る部位にストツパ２７が突出され、このストツパ
２７によつて回動部材１９の回動動作を規制して
可動式サイドサポート１５ａを逃がし位置まで移
動不能な状態で保持するとともに、車体のドアが
開放した場合には車体のドアスイツチ２９の動作
に連動してストツパ２７がソレノイド２８によつ
て回動部材１９の切欠部２６と対向する部位から
外れた位置に引き込み操作され、ストツパ２７に
よる回動部材１９の回動動作の規制を解除して可
動式サイドサポート１５ａを逃がし位置まで移動
可能な状態に切換えるようになつており、これら
のストツパ２７、ソレノイド２８およびドアスイ
ツチ２９等によつて可動式サイドサポート１５ａ
の動作制御部３１が形成されている。

そこで、上記構成のものにあつてはシートクツ
シヨン１２に乗員が着座しておらずシートクツシ
ヨン１２に荷重が加わらない場合には車体のドア
側に配置されている可動式サイドサポート１５ａ
が略水平位置に移動された逃がし位置で保持され
るようになつているので、車体のドアを開放して
乗員がシート本体１１に乗り降りする場合に従来
のように車体のドア側のサイドサポート１５ａが
邪魔になるおそれがなく、従来に比べて乗員の乗
降性の向上を図ることができる。さらに、シート
クツシヨン１２に乗員が着座してシートクツシヨ
ン１２に荷重が加わつた場合には可動式サイドサ
ポート１５ａがその先端側を上方向に突出させた
通常の使用位置まで移動されるようになつている
ので、シートクツシヨン１２の上面位置よりも上
方向に突設されたサイドサポート１５ａ，１５ｂ
によつて乗員の腿部を横から支えることができ、
車体の揺動時に乗員を正しい姿勢で確実に保持す
ることができる。また、可動式サイドサポート１
５ａが使用位置まで移動された状態で車体のドア
が開放しない場合には回動部材１９の切欠部２６
と対向する部位にストツパ２７が突出され、この
ストツパ２７によつて回動部材１９の回動動作を
規制して可動式サイドサポート１５ａを逃がし位
置まで移動不能な状態で保持するとともに、車体
のドアが開放した場合には車体のドアスイツチ２
９の動作に連動してストツパ２７がソレノイド２
８によつて回動部材１９の切欠部２６と対向する
部位から外れた位置に引き込み操作され、ストツ
パ２７による回動部材１９の回動動作の規制を解
除して可動式サイドサポート１５ａを逃がし位置
まで移動可能な状態に切換えるようになつている
ので、走行中の車体の上下動作によつて乗員の体
がシートクツシヨン１２から離れた場合に可動式
サイドサポート１５ａが通常の使用位置から逃が
し位置まで移動する誤動作を防止することがで
き、動作の確実性を高めることができる。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、この考案の要旨を逸脱しない範囲で
種々変形実施できることは勿論である。

〔考案の効果〕

この考案によれば車体のドア側に位置する側の
サイドサポートをその先端側を上方向に突出させ
た通常の使用位置とこの使用位置から下方向に逃
がした逃がし位置との間で移動可能に支持する支
持機構を設けるとともに、シートクツシヨンに荷
重が加わらない場合には前記支持機構を介して可
動式サイドサポートを逃がし位置で保持し、シー
トクツシヨンに荷重が加わつた場合に前記支持機
構を介して前記可動式サイドサポートを前記使用
位置まで移動させた状態で保持するサイドサポー
ト位置調整機構および車体のドアスイツチの動作
に連動して前記可動式サイドサポートが前記使用
位置まで移動された状態では車体のドアが開放し
ない場合には前記可動式サイドサポートを前記逃
がし位置まで移動不能な状態で保持し、車体のド
アが開放した場合には前記可動式サイドサポート
を前記逃がし位置まで移動可能な状態に切換える
動作制御部をそれぞれ設け、さらに前記サイドサ
ポート位置調整機構が前記シートクツシヨンに収
納された移動プレートと、この移動プレートと前
記支持機構との間に設けたリンク部材と、前記移
動プレートに係合して前記シートクツシヨンに設
けたスプリングとを有し、前記シートクツシヨン
に前記荷重が作用しないとき、前記スプリングの
ばね力により前記リンク部材と前記支持機構とを
介して前記サイドサポートを常時前記逃がし位置
に移動付勢するようにしたので、サイドサポート
による乗員の保持機能を高めることができるとと
もに、乗員の乗降性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はこの考案の一実施例を示
すもので、第１図は全体の概略構成を示す正面
図、第２図は要部を示す正面図、第３図は従来例
を示すバケツト式のシートの斜視図である。 １２……シートクツシヨン、１５ａ……サイド
サポート、１６……支持機構、２１……サイドサ
ポート位置調整機構、２２……移動プレート、２
３……スプリング、２５……連結ロツド（リンク
部材）、３１……動作制御部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車室内に配設されたシートのシートクツシヨン
   の両側部に乗員の腿部を横から支えるサイドサポ
   ートがそれぞれ配設された自動車用シート構造に
   おいて、車体のドア側に位置する側の前記サイド
   サポートをその先端側を上方向に突出させた通常
   の使用位置とこの使用位置から下方向に逃がした
   逃がし位置との間で移動可能に支持する支持機構
   を設けるとともに、前記シートクツシヨンに荷重
   が加わらない場合には前記支持機構を介して前記
   可動式サイドサポートを前記逃がし位置で保持
   し、前記シートクツシヨンに荷重が加わつた場合
   に前記支持機構を介して前記可動式サイドサポー
   トを前記使用位置まで移動させた状態で保持する
   サイドサポート位置調整機構および車体のドアス
   イツチの動作に連動して前記可動式サイドサポー
   トが前記使用位置まで移動された状態では車体の
   ドアが開放しない場合には前記可動式サイドサポ
   ートを前記逃がし位置まで移動不能な状態で保持
   し、車体のドアが開放した場合には前記可動式サ
   イドサポートを前記逃がし位置まで移動可能な状
   態に切換える動作制御部をそれぞれ設け、さらに
   前記サイドサポート位置調整機構が前記シートク
   ツシヨンに収納された移動プレートと、この移動
   プレートと前記支持機構との間に設けたリンク部
   材と、前記移動プレートに係合して前記シートク
   ツシヨンに設けたスプリングとを有し、前記シー
   トクツシヨンに前記荷重が作用しないとき、前記
   スプリングのばね力により前記リンク部材と前記
   支持機構とを介して前記サイドサポートを常時前
   記逃がし位置に移動付勢するようにしたことを特
   徴とする自動車用シート構造。