JPH0647647B2 - レーザー印字用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

レーザー印字用エポキシ樹脂組成物

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JPH0647647B2
JPH0647647B2 JP2308881A JP30888190A JPH0647647B2 JP H0647647 B2 JPH0647647 B2 JP H0647647B2 JP 2308881 A JP2308881 A JP 2308881A JP 30888190 A JP30888190 A JP 30888190A JP H0647647 B2 JPH0647647 B2 JP H0647647B2
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epoxy resin
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laser printing
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祥二 佐々井
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気電子部品の絶縁被覆に用いられ、レーザ
ーの照射によりその絶縁被覆表面に鮮明な印字を施すこ
とのできるレーザー印字用エポキシ樹脂組成物に関する
ものである。
〔従来の技術〕
従来、エポキシ樹脂組成物により絶縁被覆された電気電
子部品に特性や型番を明示するため印字をする際、熱硬
化性のインクや紫外線硬化性のインクが用いられている
が、工程の合理化を目的としてより短時間で印字できる
方法が要求されている。
この対応方法の1つとして、レーザーの照射による印字
システムは、文字やパターン状にレーザーを照射された
部分が熱エネルギーにより変色する、あるいは照射され
た部分が昇華し表面粗化され、光の散乱によって文字や
パターンが識別できるものであり、この方法の印字時間
は0.01秒以下であり、従来の熱あるいは紫外線硬化性の
インクが硬化に数分〜数10分を必要とするのに比べ、
大幅に短縮されるものである。
しかし、従来のエポキシ樹脂組成物の絶縁被覆にレーザ
ーを照射した場合、単に被覆表面を粗化するのみで、変
色がおこらず、鮮明な文字やパターンを印字することが
できなかった。
最近、従来のエポキシ樹脂組成物に黄色の水酸化第二鉄
を含有させるとレーザー照射によって黄色から褐色に変
色することが見い出された(特開昭62−50360号
公報)。
しかし、水酸化第二鉄は黄色であるため、黄、橙色のよ
うな色相にしか用いることができず、青や緑色の下地、
特に淡色系の下地に黒色のレーザー印字を施すことが、
これからの課題とされてきた。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、従来不可能であった青や緑の明色からレーザ
ーにより黒色に変色する樹脂組成物を得んとして鋭意検
討した結果、ギ酸ニッケルを含有させるとレーザーを照
射した際淡緑色から黒色に変色することを見出し、更に
この知見に基づき種々研究を極めて本発明を完成するに
至ったものである。
本発明の目的とするところは電気的特性および他の諸特
性を低下させることなく、レーザーの照射により樹脂表
面に鮮明な印字を施すことのできる硬化物を与えるエポ
キシ樹脂組成物を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、ギ酸ニッケルを含有することを特徴とするレ
ーザー印字用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
本発明のエポキシ樹脂組成物にギ酸ニッケルを用いる理
由を以下に述べる。
ギ酸ニッケルは淡緑色の粉末であり、加熱すると200
〜300℃で分解し酸化ニッケル(II)に変化し、黒色
となる。
従って、ギ酸ニッケルを含有したエポキシ樹脂組成物に
対し文字やパターン状にレーザーを照射すると、樹脂表
面がレーザーの熱エネルギーにより加熱され、樹脂中に
含有されたギ酸ニッケルが上記化学反応を生じ黒色とな
る。すなわちレーザーに照射された部分のみ黒色とな
り、照射されない部分は淡緑色のままのため、淡緑色の
下地に黒色の文字やパターンを鮮明に印字することがで
きる。
本発明に用いられるギ酸ニッケルの粒度は平均粒径が1
00μm以下であることが好ましい。その理由はエポキ
シ樹脂組成物にギ酸ニッケルを混合分散させた際、10
0μm以上の平均粒径では電子電気部分に被覆させた際
表面に斑点状となり、部品の商品価値を低下させるばか
りでなく、分散が不充分となりやすく、レーザーが照射
された際、ギ酸ニッケルが存在しない部分では変色がお
こらず、文字やパターンがとぎれ鮮明な印字ができなく
なる場合がある。
なお、この平均粒径はコールターカウンター(日科機
(株)製)により得られる粒度分布を重量平均すること
により求めるのが適当であるが、コールターカウンター
以外の測定方法により求めてもよい。
ギ酸ニッケルの含有量としては0.5 〜20重量%が好まし
い。この理由は、含有量が0.5 重量%以下では、レーザ
ーが照射されても変色する度合いが小さく鮮明な印字と
ならず、一方、20重量%を越えると、樹脂組成物の電気
絶縁性が低下し電子電気部品用絶縁材料としての本来の
性能を満足しにくくなるためである。
本発明に用いられるエポキシ樹脂としては、例えばビス
フェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポ
キシ樹脂等のジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フ
ェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラ
ック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、グ
リシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型
エポキシ樹脂、線状脂肪族型エポキシ樹脂、複素環型エ
ポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂等があげられる
が、これらに限定されるものではない。
本発明に用いられる硬化剤および硬化促進剤としては、
酸無水物、ポリアミン、ノボラック型フェノール樹脂、
第3級アミン、イミダゾール化合物等があるが、いずれ
を用いてもよい。又必要により公知の無機充填剤、たと
えばジルコン粉末、タルク粉末、結晶シリカ粉末、溶融
シリカ粉末、炭酸カルシウム粉末、マグネシア粉末、ケ
イ酸カルシウム粉末、水和アルミナ粉末、アルミナ粉末
等を配合してもよい。
本発明により得られる樹脂組成物はギ酸ニッケルの色調
により通常淡緑色を呈するが、赤、青、緑、黒、白色等
の顔料を併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は注型材料等の液状、粉体塗料等の
粉状、成型材料等の顆粒状、塊状等いずれの状態でもよ
い。
本発明の樹脂組成物を製造する方法として、例えば粉体
塗料の場合をあげると、所定の割合で秤量した原料成分
をミキサーによって充分混合したのち、エキストルーダ
ー、コニーダーあるいはロール等で溶解混練し、次いで
粉砕機にて粉砕する方法等がある。上記方法により得ら
れた粉体塗料により電子電気部品の絶縁被覆を行う方法
としては、流動浸漬法、静電流動浸漬法、ころがし法、
ふりかけ法、ホットスプレー法、静電スプレー法等一般
の粉体塗装方法が用いられる。
又、注型材料、成型材料の場合についても公知の技術で
製造でき、絶縁材料として使用できる。
〔実施例〕
次に本発明を実施例により更に詳しく説明する。
実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (エポキシ当量950) 50重量部 ギ酸ニッケル(平均粒径8μm) 5重量部 結晶シリカ粉末 50重量部 2メチルイミダゾール 1重量部 上記組成物を配合し、ヘンシェルミキサーでブレンド
し、コニーダーにて溶解混練した後、粉砕機で粉砕する
ことにより平均粒径60〜70μmのエポキシ樹脂組成
物の粉体塗料を得た。
実施例2 実施例1において、ギ酸ニッケルの添加量を20重量部
に替え、他は同様にして平均粒径60〜70μmのエポ
キシ樹脂組成物の粉体塗料を得た。
比較例1 実施例1において、ギ酸ニッケルの添加量を0.1 重量部
に替え、他は同様にして平均粒径60〜70μmのエポ
キシ樹脂組成物の粉体塗料を得た。
比較例2 実施例1において、ギ酸ニッケルの添加量を50重量部に
替え、他は同様にして平均粒径60〜70μmのエポキシ樹
脂組成物の粉体塗料を得た。
実施例1、2及び比較例1、2の樹脂組成物について硬
化物を作製した。
この試料に炭酸ガスレーザー(ウシオ電機(株)製 40
0型レーザーマーク、エネルギー密度6Joule /cm2
を用いて、100万分の1秒間所定のマスクを通してレ
ーザーを照射して、硬化物の表面にマーキングを施し
た。
また、上記硬化物の絶縁被覆電圧をJISK6911に
より測定した。結果を表−1に示す。
〔発明の効果〕 本発明のレーザー印字用エポキシ樹脂組成物を絶縁被覆
材として用いた場合、電気的特性および他の特性を低下
させることなく、レーザーの照射により樹脂表面に鮮明
な印字を施すことのできる被覆を与えることができる。
従って、従来より非常に短時間で印字できるため、電気
電子部品の生産工程の合理化をはかることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤などからな
    るエポキシ樹脂組成物において、ギ酸ニッケルを含有す
    ることを特徴とするレーザー印字用エポキシ樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】ギ酸ニッケルの平均粒径が100μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載のレーザー印字用
    エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ギ酸ニッケルを組成物に対して0.5〜2
    0重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載
    のレーザー印字用エポキシ樹脂組成物。
JP2308881A 1990-11-16 1990-11-16 レーザー印字用エポキシ樹脂組成物 Expired - Lifetime JPH0647647B2 (ja)

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